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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】絶縁型電源およびその制御回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019239617
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021108522
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 伸也
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-091206(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/149497(US,A1)
【文献】特開2009-159721(JP,A)
【文献】特開平07-059344(JP,A)
【文献】特開2015-015859(JP,A)
【文献】特開2010-161917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1トランスと、前記第1トランスの一次巻線と接続される一次側トランジスタと、を備える絶縁型電源の二次側に配置される制御回路であって、
前記第1トランスの二次巻線に発生するスイッチング電圧にもとづくパルス状のスイッチング信号を監視し、当該スイッチング信号のエッジを基準としてタイミング信号を生成するタイミング発生器と、
前記タイミング信号に応じて前記絶縁型電源の二次側の監視対象の電気信号をサンプリングするサンプリング回路と、
前記サンプリング回路の出力にもとづいて、前記一次側トランジスタに供給すべき一次側パルス信号を生成するフィードバックコントローラと、
を備えることを特徴とする制御回路。
【請求項2】
前記タイミング信号のエッジは、前記スイッチング信号のポジティブエッジから、前記一次側パルス信号のオン時間に所定係数を乗じた時間の経過後に発生することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記タイミング信号のエッジは、前記スイッチング信号のネガティブエッジから、前記一次側パルス信号のオフ時間に所定係数を乗じた時間の経過後に発生することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項4】
前記所定係数は0.4~0.6であることを特徴とする請求項2または3に記載の制御回路。
【請求項5】
前記所定係数は、0.8から1.0であることを特徴とする請求項2または3に記載の制御回路。
【請求項6】
前記電気信号は、前記スイッチング電圧であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の制御回路。
【請求項7】
その一次巻線が前記絶縁型電源の入力電流の経路上に挿入された第2トランスと、
前記第2トランスの2次巻線の電流を整流する整流回路と、
を備え、前記電気信号は、前記整流回路の出力電圧であることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項8】
前記絶縁型電源は、
前記絶縁型電源の出力電流の経路上に設けられたセンス抵抗と、
前記センス抵抗の電圧降下を入力とするフィルタと、
をさらに備え、
前記電気信号は、前記フィルタの出力信号であることを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
【請求項9】
前記タイミング発生器は、前記スイッチング信号を所定のしきい値電圧と比較するコンパレータを含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の制御回路。
【請求項10】
前記絶縁型電源は、前記第1トランスの二次巻線と接続される二次側トランジスタをさらに備え、
前記制御回路は、前記一次側パルス信号のエッジから前記スイッチング信号のエッジまでの遅延時間に応じて、前記一次側パルス信号と前記二次側トランジスタに供給すべき二次側パルス信号の間のデッドタイムの長さを制御するデッドタイムコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の制御回路。
【請求項11】
第1トランスと、前記第1トランスの一次巻線と接続される一次側トランジスタと、前記第1トランスの二次巻線と接続される二次側トランジスタと、を備える絶縁型電源の制御回路であって、
前記一次側トランジスタに供給すべき一次側パルス信号および前記二次側トランジスタに供給すべき二次側パルス信号を生成するフィードバックコントローラと、
前記一次側パルス信号のエッジから前記絶縁型電源の二次側において発生するスイッチング信号のエッジまでの遅延時間に応じて、前記一次側パルス信号と前記二次側トランジスタに供給すべき二次側パルス信号の間のデッドタイムの長さを制御するデッドタイムコントローラと、
を備えることを特徴とする制御回路。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の制御回路を備えることを特徴とする絶縁型電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁型電源に関する。
【背景技術】
【0002】
電源アダプタや家電製品、コンピュータなどに、フライバック型やフォワード型の絶縁型電源が利用される。図1は、絶縁型電源100Rの回路図である。絶縁型電源100Rは、アクティブクランプ方式の同期整流フォワードコンバータであり、制御回路200R、アイソレータ110、一次側ゲートドライバ120、二次側ゲートドライバ130、トランジスタM1~M4、トランスTRN1、インダクタL1、キャパシタC1などを備える。
【0003】
制御回路200Rは、絶縁型電源100Rの出力信号(たとえば出力電圧VOUT)にもとづくフィードバック信号VFBを受け、フィードバック信号が目標値に近づくように、パルス信号PWM1~PWM4を生成し、出力ピンOUT1~OUT4から出力する。
【0004】
近年、メインの制御回路200Rを二次側に配置し、二次側から一次側のトランジスタM1,M2を駆動する構成が普及している。この構成では、二次側の制御回路200Rにおいて生成したパルス信号PWM1,PWM2を、アイソレータ110を経由して一次側に伝送する必要がある。この場合、一次側ノードN1の電圧VN1は、制御回路200Rが生成したパルス信号PWM1,PWM2のエッジに対して遅延して遷移する。つまり制御回路200Rが期待する一次側電圧VN1の遷移タイミングと、実際の遷移タイミングとでは、遅延時間Tdelay分のずれがある。この遅延時間Tdelayは、アイソレータの伝搬遅延t1、ドライバの伝搬遅延t2、トランジスタM1,M2のオン時間t3の合計であり、数十nsと無視できないほど大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-122169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、図1の絶縁型電源100Rについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
【0007】
(第1の課題)
制御回路200Rは、フィードバック制御のために、絶縁型電源100Rのいくつかのノードの電圧や電流をセンシングする。たとえば一次側の入力電圧VINの検出を例とする。図2は、入力電圧VINのセンシングのタイムチャートである。一次側において、トランスTRN1の一次巻線Wpの両端間には、振幅が入力電圧VINと等しい巻線電圧Vが発生する。そしてトランスTRN1の二次巻線Wsの両端間には、一次側の巻線電圧Vの1/N倍の振幅の巻線電圧Vが発生し、したがって、二次側ノードN2には、巻線電圧Vにもとづく二次側電圧VSWが発生する。NはトランスTRN1の巻線比である。
【0008】
二次側電圧VSWの振幅は入力電圧VINの1/N倍となるから、制御回路200Rは、二次側電圧VSWの振幅を検出することにより、入力電圧VINを検出することができる。
【0009】
制御回路200Rが、PWM1信号のエッジから所定時間ΔT経過後のタイミングにおいて、二次側電圧VSWをサンプリングしたとする。ΔTは、想定される遅延時間Tdelayにもとづいて決定する必要があるが、遅延時間Tdelayは、制御回路200Rと組み合わせて使用されるアイソレータ110やゲートドライバ120、トランジスタM1によって大きく変化する。
【0010】
PWM1信号のパルス幅をTon1とする。二次側電圧VSWの振幅を適切にサンプリングするためには、
τ<ΔT<τ+Ton1
のタイミング条件が成り立たなければならない。このタイミング条件は、PWM1信号のパルス幅が最小値Ton1(MIN)であるときも成立する必要がある。
τ<ΔT<τ+Ton1(MIN)
Ton1(MIN)が短すぎるとこのタイミング条件が成立しなくなるから、PWM1信号の最小オン時間は、マージンを考慮して大きく設計する必要がある。最小オン時間が大きくなると、軽負荷時の効率が悪化したり、電流不連続(DCM)モードの動作に制約が生ずるという問題がある。
【0011】
この問題は、電源回路のトポロジーにかかわらず発生し、また入力電流IINや二次側のコイル電流IL1のセンシングについても同様の問題が生ずる。特に、入力電流IINやコイル電流IL1は、リップルを有するため、サンプリングのタイミングは、センシングに大きな影響を及ぼす。
【0012】
(第2の課題)
図3は、絶縁型電源100Sのブロック図である。この絶縁型電源100Sは、フルブリッジ型のフォワードコンバータであり、一次側のフルブリッジ回路M1~M4、トランスTRN1、二次側のトランジスタM5,M6、インダクタL1、キャパシタC1、制御回路200S、アイソレータ110、一次側ゲートドライバ120、二次側ゲートドライバ130を備える。
【0013】
図4は、図3の絶縁型電源100Sの動作波形図である。PWM1信号とPWM2信号は相補的な信号であり、同様にPWM3信号とPWM4信号は相補的な信号である。制御回路200Sは、2つの信号PWM1信号、PWM2信号に、所定の長さのデッドタイムTf2,Tr2を挿入し、同様に2つの信号PWM3信号、PWM4信号にも、所定の長さのデッドタイムTf4,Tr4を挿入する。
【0014】
上述のように、二次側の制御回路200Sが生成したPWM1信号、PWM3信号が一次側に伝搬するのに遅延時間Tdelayが存在する。そのため、二次側電圧VSWは、PWM1,PWM3信号に対して、Tdelay遅れて遷移する。そのため、VSWに対するPWM2信号の実効的なデッドタイムは、Tf2’=Tf2+Tdelay、Tr2’=Tr2-Tdelayとなり、設計値と異なった長さになる。同様にVSWに対するPWM2信号の実効的なデッドタイムは、Tf4’=Tf4+Tdelay、Tr4’=Tr4-Tdelayとなり、設計値と異なった長さになる。
【0015】
遅延時間Tdelayのばらつきを考慮すると、デッドタイムTf2,Tr2,Tf4,Tr4は、マージンを考慮して長く設計する必要があるが、デッドタイムが長くなると、絶縁型電源100Sの効率は低下する。同様の問題は、電源回路のトポロジーにかかわらず発生する。
【0016】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、二次側から一次側への伝搬遅延の影響を低減した絶縁型電源およびその制御回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のある態様は、絶縁型電源の制御回路に関する。絶縁型電源は、第1トランスと、第1トランスの一次巻線と接続される一次側トランジスタと、を備える。制御回路は、絶縁型電源の二次側において発生するスイッチング信号のエッジを基準としてタイミング信号を生成するタイミング発生器と、タイミング信号に応じて絶縁型電源の二次側の監視対象の電気信号をサンプリングするサンプリング回路と、サンプリング回路の出力にもとづいて、一次側トランジスタに供給すべき一次側パルス信号を生成するフィードバックコントローラと、を備える。
【0018】
この態様によると、二次側から一次側への伝搬遅延の変動やばらつきにかかわらず、適切なタイミングで、フィードバック制御に必要な電気信号を取り込むことができる。
【0019】
タイミング信号のエッジは、スイッチング信号のポジティブエッジから、一次側パルス信号のオン時間に所定係数を乗じた時間の経過後に発生してもよい。
【0020】
タイミング信号のエッジは、スイッチング信号のネガティブエッジから、一次側パルス信号のオフ時間に所定係数を乗じた時間の経過後に発生してもよい。
【0021】
所定係数は0.4~0.6であってもよい。これにより、スイッチング直後の不安定な状態を避けて、検出対象の信号を取得できる。また、検出対象の信号がリップルを含む場合には、その平均値を取得できる。
【0022】
所定係数は、0.8~1であってもよい。これにより、検出対象の信号がスロープを有する周期信号である場合に、ピーク値あるいはボトム値を検出できる。
【0023】
スイッチング信号は、第1トランスの二次巻線に発生するスイッチング電圧であってもよい。
【0024】
電気信号は、スイッチング電圧であってもよい。これにより、一次側の入力電圧をセンシングできる。
【0025】
絶縁型電源は、その一次巻線が絶縁型電源の入力電流の経路上に挿入された第2トランスと、第2トランスの2次巻線の電流を整流する整流回路と、を備えてもよい。電気信号は、整流回路の出力電圧であってもよい。これにより、一次側の入力電流をセンシングできる。
【0026】
絶縁型電源は、絶縁型電源の出力電流の経路上に設けられたセンス抵抗と、センス抵抗の電圧降下を入力とするフィルタと、をさらに備えてもよい。電気信号は、フィルタの出力信号であってもよい。これにより、二次側の出力電流をセンシングできる。
【0027】
タイミング発生器は、スイッチング信号を所定のしきい値電圧と比較するコンパレータを含んでもよい。
【0028】
絶縁型電源は、第1トランスの二次巻線と接続される二次側トランジスタをさらに備えてもよい。制御回路は、一次側パルス信号のエッジからスイッチング信号のエッジまでの遅延時間に応じて、一次側パルス信号と二次側トランジスタに供給すべき二次側パルス信号の間のデッドタイムの長さを制御するデッドタイムコントローラをさらに備えてもよい。これにより二次側から一次側への伝搬遅延の変動やばらつきにかかわらず、最適な長さのデッドタイムを設定できる。
【0029】
本発明の別の態様もまた、絶縁型電源の制御回路に関する。絶縁型電源は、第1トランスと、第1トランスの一次巻線と接続される一次側トランジスタと、第1トランスの二次巻線と接続される二次側トランジスタと、を備える。制御回路は、一次側トランジスタに供給すべき一次側パルス信号および二次側トランジスタに供給すべき二次側パルス信号を生成するフィードバックコントローラと、一次側パルス信号のエッジから絶縁型電源の二次側において発生するスイッチング信号のエッジまでの遅延時間に応じて、一次側パルス信号と二次側トランジスタに供給すべき二次側パルス信号の間のデッドタイムの長さを制御するデッドタイムコントローラと、を備える。
【0030】
これにより二次側から一次側への伝搬遅延の変動やばらつきにかかわらず、最適な長さのデッドタイムを設定できる。
【0031】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0032】
本発明のある態様によれば、二次側から一次側への伝搬遅延の影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】絶縁型電源の回路図である。
図2】入力電圧VINのセンシングのタイムチャートである。
図3】絶縁型電源のブロック図である。
図4図3の絶縁型電源の動作波形図である。
図5】実施の形態1に係る絶縁型電源の回路図である。
図6】タイミング発生器の構成例を示す回路図である。
図7図7(a)~(c)は、図3の絶縁型電源の動作波形図である。
図8】実施の形態2に係る絶縁型電源の回路図である。
図9】タイミング発生器の構成例を示す回路図である。
図10図8の絶縁型電源の動作波形図である。
図11】実施の形態3に係る絶縁型電源のブロック図である。
図12】デッドタイムコントローラの構成例を示すブロック図である。
図13図11の絶縁型電源の動作波形図である。
図14図14(a)~(d)は、絶縁型電源のトポロジーを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0035】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0036】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0037】
また本明細書において、電圧信号、電流信号などの電気信号、あるいは抵抗、キャパシタなどの回路素子に付された符号は、必要に応じてそれぞれの電圧値、電流値、あるいは抵抗値、容量値を表すものとする。
【0038】
(実施の形態1)
図5は、実施の形態1に係る絶縁型電源100Aの回路図である。絶縁型電源100Aは、アクティブクランプ型のフォワードコンバータである。絶縁型電源100Aは、制御回路200Aとその周辺回路を備える。周辺回路の構成は、図1のそれと同様であり、アイソレータ110、ゲートドライバ120、ゲートドライバ130、一次側のトランジスタM1,M2、二次側のトランジスタM3,M4、トランスTRN1、インダクタL1、キャパシタC1等を備える。
【0039】
制御回路200Aは、タイミング発生器210A、サンプリング回路220A、フィードバックコントローラ230を備える。
【0040】
タイミング発生器210Aは、絶縁型電源100Aの一次側のトランジスタM1(M2)と同期して変動する二次側の信号(スイッチング信号という)が入力されている。タイミング発生器210Aは、スイッチング信号のエッジを基準としてタイミング信号S1Aを生成する。本実施の形態では、スイッチング信号として、トランスTRN1の二次巻線Wsの一端(スイッチングノード)の二次側電圧VSWが用いられ、二次側電圧VSWを抵抗R11,R12によって分圧した電圧VSW’が、タイミング発生器210Aの入力電圧センスピンVINSENSEに入力される。
【0041】
サンプリング回路220Aは、タイミング信号S1Aに応じて絶縁型電源100Aの二次側の監視対象の電気信号をサンプリングする。本実施の形態において、サンプリング対象となる電気信号は、タイミング生成に使用される二次側電圧VSWであり、分圧後の二次側電圧VSW’がサンプリング回路220Aに入力される。
【0042】
たとえばサンプリング回路220Aは、サンプルホールド回路222およびA/Dコンバータ224を含む。サンプルホールド回路222は、タイミング信号S1Aに応じたタイミングで、二次側電圧VSW’をサンプリングし、ホールドする。A/Dコンバータ224は、ホールドされた電圧VSW’をデジタル信号S2Aに変換する。このデジタル信号S2Aは、入力電圧VINの1/N倍の値を有する。フィードバックコントローラ230は、サンプリング回路220Aの出力S2Aにもとづいて、一次側トランジスタM1,M2に供給すべき一次側パルス信号PWM1,PWM2を生成する。またフィードバックコントローラ230は、二次側トランジスタM3,M4に供給すべき二次側パルス信号PWM3,PWM4を生成する。
【0043】
フィードバックコントローラ230には、A/Dコンバータ240によってデジタル値に変換されたフィードバック信号S3が入力されてもよい。
【0044】
フィードバックコントローラ230は、デューティサイクルコントローラ232およびパルス変調器234を備える。デューティサイクルコントローラ232は、フィードバック信号S3が目標値に近づくように、デューティサイクル指令値Dをフィードバック制御する。デューティサイクルコントローラ232において、入力電圧VINを示すデジタル信号S2Aは、フィードフォワード制御に利用することができる。
【0045】
パルス変調器234は、デューティサイクル指令値Dに応じて、4つのパルス信号PWM1~PWM4を生成する。たとえば、パルス変調器234は、三角波あるいはランプ波を、デューティサイクル指令値Dに応じた複数のしきい値でスライスすることにより、パルス信号PWM1~PWM4を生成してもよい。各しきい値は、デッドタイムの長さを考慮して定めることができる。パルス変調器234はデジタルPWM回路であってもよい。
【0046】
パルス変調器234が生成したパルス信号PWM1,PWM2は、出力ピンOUT1,OUT2から出力され、アイソレータ110を介してゲートドライバ120に入力される。またパルス変調器234が生成したパルス信号PWM3,PWM4は、出力ピンOUT3,OUT4から出力され、ゲートドライバ130に入力される。
【0047】
図6は、タイミング発生器210Aの構成例を示す回路図である。タイミング発生器210Aは、コンパレータ212およびタイマー回路214Aを含む。コンパレータ212は、スイッチング信号VSW’を所定のしきい値電圧VTHと比較し、それらがクロスするタイミングでレベル遷移する比較信号S4を生成する。タイマー回路214Aは、比較信号S4の遷移から所定時間τの経過後に、その出力であるタイミング信号S1Aをアサート(たとえばハイ)する。
【0048】
たとえば、タイミング信号S1Aのエッジは、スイッチング信号VSWのポジティブエッジから、一次側パルス信号PWM1のオン時間Tonに所定係数(A)を乗じた時間τの経過後に発生してもよい。たとえば所定係数Aは、0.4~0.6の間、たとえば0.5程度に設定するとよい。
【0049】
デューティサイクル指令値がD、スイッチング周期がTpであるとき、オン時間Tonは、Tp×Dであるから、タイマー回路214Bは、τ=Tp×D×Aの時間をカウントするように構成される。たとえばタイマー回路214Aは、デジタルカウンタであり、PWM1信号のオン時間を指示するデューティサイクル指令値Dが入力される。タイマー回路214Aは、クロック信号CLKをカウントアップし、カウント値がデューティサイクル指令値DのA倍に相当するしきい値に達すると、その出力S1Aを変化させてもよい。
【0050】
所定時間τは固定されてもよい。たとえば、τを、一次側パルス信号PWM1の最小オン時間Ton(MIN)に所定係数を乗じた時間としてもよい。
【0051】
以上が絶縁型電源100Aの構成である。続いてその動作を説明する。図7(a)~(c)は、図3の絶縁型電源100Aの動作波形図である。図7(a)と図7(b)とでは、二次側から一次側への伝搬遅延Tdelayが異なっている。制御回路200Aによれば、PWM1信号のポジティブエッジにもとづくタイミングではなく、スイッチング電圧VSWのエッジを基準としたタイミング信号S1Aにおいて、スイッチング電圧VSW’をサンプリングする。したがって、伝搬遅延Tdelayの大きさにかかわらず、常にスイッチング電圧VSW’がハイの期間中に、その電圧レベルをサンプリングすることができる。図7(b)と図7(c)とでは、PWM1信号のパルス幅が異なっている。制御回路200Aによれば、図7(c)に示すように、PWM1信号のパルス幅が短くなっても、スイッチング電圧VSW’がハイの期間中に、その電圧レベルをサンプリングすることができる。
【0052】
(実施の形態2)
実施の形態1では、制御回路200Aにおいて一次側の入力電圧VINを検出する場合のタイミング制御を説明したがその限りでなく、一次側の入力電流IINや二次側のコイル電流IL1の検出にも本発明は適用しうる。
【0053】
図8は、実施の形態2に係る絶縁型電源100Bの回路図である。実施の形態2では、絶縁型電源100Bとしてプッシュプル型のフォワードコンバータを具体例とする。絶縁型電源100Bは、主として、一次側トランジスタM1,M2、第1トランスTRN1、二次側トランジスタM3,M4、インダクタL1、出力キャパシタC1、アイソレータ110、ゲートドライバ120、ゲートドライバ130、制御回路200Bを備える。
【0054】
出力電圧VOUTに応じたフィードバック信号VFBは、制御回路200BのFBピンに入力される。
【0055】
第1トランスTRN1の二次巻線WsのセンタータップTP2に発生するスイッチング電圧VSWが、抵抗R11,R12によって分圧され、制御回路200BのVINSENSEピンに入力される。実施の形態1と同様に、スイッチング電圧VSWは、入力電圧VINの検出および制御回路200Bにおけるタイミングの基準信号として利用される。
【0056】
さらに絶縁型電源100Bは、入力電流検出回路140、出力電流検出回路150を備える。
【0057】
入力電流検出回路140は、一次側の入力電流IINを検出するために設けられる。入力電流検出回路140は、第2トランスTRN2および整流回路142を備える。第2トランスTRN2の一次巻線は、一次側の入力電流IINの経路上に設けられる。整流回路142は、ダイオードD1、抵抗R1、Rc、キャパシタCcを含み、第2トランスTRN2の二次巻線に発生する入力電流IINに応じた電流および電圧を整流し、入力電流IINに応じた検出信号S5を生成する。検出信号S5は、制御回路200Bの対応する入力電流検出ピンIINP,IINNに入力される。
【0058】
出力電流検出回路150は、出力電流IOUTを検出するために設けられる。出力電流検出回路150は、センス抵抗Rおよびフィルタ152を備える。センス抵抗Rには、出力電流IOUTに応じた電圧降下が発生する。フィルタ152は、センス抵抗Rの電圧降下を受け、出力電流IOUTを示す検出信号S6を出力する。検出信号S6は、制御回路200Bの対応する出力電流検出ピンIOUTP,IOUTNに入力される。
【0059】
制御回路200Bは、複数のサンプリング回路220A~220Cを備える。サンプリング回路220Aは、実施の形態1と同様に、スイッチング電圧VSW’にもとづいて入力電圧VINを検出するために設けられる。サンプリング回路220Aは、タイミング発生器210が発生するタイミング信号S1Aに応答して、スイッチング電圧VSW’をサンプリングする。サンプリング回路220Aの出力S2Aは、入力電圧VINを示す。
【0060】
サンプリング回路220Bは、出力電流IOUTを検出するために設けられる。アンプ250は、IOUTPピンとIOUTNピンの電位差を増幅する。サンプリング回路220Bは、タイミング発生器210が発生するタイミング信号S1Bに応答して、アンプ250の出力をサンプリングする。サンプリング回路220Bの出力S2Bは、出力電流IOUTを示す。
【0061】
サンプリング回路220Cは、入力電流IINを検出するために設けられる。アンプ252は、IINPピンとIINNピンの電位差を増幅する。サンプリング回路220Cは、タイミング発生器210が発生するタイミング信号S1Cに応答して、アンプ252の出力をサンプリングする。サンプリング回路220Cの出力S2Cは、入力電流IINを示す。
【0062】
デューティサイクルコントローラ232は、フィードバック信号S3および検出信号S2A~S2Cにもとづいて、デューティサイクル指令値Dを生成する。デューティサイクルコントローラ232の構成および動作は限定されず、公知技術を用いればよい。たとえばデューティサイクルコントローラ232は、メジャーループによって、フィードバック信号S3が目標値に近づくようにメイン指令値を生成し、マイナーループによって、検出信号S2A~S2Cのいずれかがメイン指令値に近づくように、デューティサイクル指令値Dを生成してもよい。また検出信号S2A~S2Cのいずれかをフィードフォワード制御に組み込んでもよいし、過電圧あるいは過電流保護に利用してもよい。
【0063】
パルス変調器234は、デューティサイクル指令値Dに応じて、4つのパルス信号PWMA~PWMDを生成し、出力ピンOUTA~OUTDから出力する。パルス信号PWMA,PWMBは、アイソレータ110、ゲートドライバ120を経由して、一次側のトランジスタM1,M2の駆動に使用される。パルス信号PWMC,PWMDは、ゲートドライバ130を経由して、二次側のトランジスタM3,M4の駆動に使用される。
【0064】
図9は、タイミング発生器210の構成例を示す回路図である。タイミング発生器210Aは、コンパレータ212および複数のタイマー回路214A~214Cを備える。
【0065】
タイマー回路214Aは、図6のそれと同様であり、デジタルカウンタで構成される。タイマー回路214Aは、比較信号S4の遷移から所定時間τの経過後に、入力電圧VINの検出用のタイミング信号S1Aをアサート(たとえばハイ)する。たとえば、タイミング信号S1Aのエッジは、スイッチング信号VSWのポジティブエッジから、一次側パルス信号PWM1のオン時間Tonに所定係数(A=0.5)を乗じた時間τの経過後に発生する。
【0066】
タイマー回路214Bは、比較信号S4の遷移から所定時間τの経過後に、出力電流IOUTの検出用のタイミング信号S1Bをアサート(たとえばハイ)する。たとえば、タイミング信号S1Bのエッジは、スイッチング信号VSWのネガティブエッジから、一次側パルス信号PWM1のオフ時間Toffに所定係数Bを乗じた時間τの経過後に発生する。たとえば所定係数Bは0.4~0.6の間、たとえば0.5程度とするとよい。
【0067】
デューティサイクル指令値がD、スイッチング周期がTpであるとき、オフ時間Toffは、Tp×(1-D)であるから、タイマー回路214Bは、τ=Tp×(1-D)×Bをカウントするように構成される。
【0068】
タイマー回路214Cは、比較信号S4の遷移から所定時間τの経過後に、入力電流IINの検出用のタイミング信号S1Cをアサート(たとえばハイ)する。たとえば、タイミング信号S1Cのエッジは、スイッチング信号VSWのポジティブエッジから、一次側パルス信号PWM1のオン時間Tonに所定係数(C)を乗じた時間τの経過後に発生する。たとえば所定係数Cは、0.8~0.95、たとえば0.9程度に設定してもよい。
【0069】
デューティサイクル指令値がD、スイッチング周期がTpであるとき、オン時間Tonは、Tp×Dであるから、タイマー回路214Cは、τ=Tp×D×Cをカウントするように構成される。
【0070】
タイマー回路214A~214Cを、単一のタイマーで構成してもよい。
【0071】
以上が絶縁型電源100Bの構成である。続いてその動作を説明する。図10は、図8の絶縁型電源100Bの動作波形図である。制御回路200Bによれば、タイミング信号S1Aに応じてスイッチング電圧VSWをサンプリングすることにより、入力電圧VINを正確に検出できる。
【0072】
またタイミング信号S1Bに応じて、出力電流IOUTをサンプリングすることにより、出力電流IOUTの平均値を正確に検出できる。この場合、時定数の大きなフィルタが不要となるという利点がある。
【0073】
さらにタイミング信号S1Cに応じて、入力電流IINをサンプリングすることにより、入力電流IINのピーク値を正確に検出できる。
【0074】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3に係る絶縁型電源100Cのブロック図である。絶縁型電源100Cは、フルブリッジ型のフォワードコンバータであり、一次側のフルブリッジ回路M1~M4、トランスTRN1、二次側のトランジスタM5,M6、インダクタL1、キャパシタC1、制御回路200S、アイソレータ110、一次側ゲートドライバ120、二次側ゲートドライバ130を備える。
【0075】
制御回路200Cは、フィードバックコントローラ230、A/Dコンバータ240およびデッドタイムコントローラ260を備える。制御回路200Cは、実施の形態1あるいは2で説明したタイミング発生器210およびサンプリング回路220をさらに備えてもよいが、図11では省略している。
【0076】
フィードバックコントローラ230は、一次側トランジスタM1~M4に供給すべき一次側パルス信号PWM1,PWM3および二次側トランジスタM5,M6に供給すべき二次側パルス信号PWM2,PWM4を生成する。フィードバックコントローラ230の構成は、公知技術を用いればよい。
【0077】
デッドタイムコントローラ260は、一次側パルス信号PWM1(PWM3)のエッジから絶縁型電源100Cの二次側において発生するスイッチング信号VSWのエッジまでの遅延時間Tdelayに応じて、一次側パルス信号PWM1(PWM3)と二次側パルス信号PWM2(PWM4)の間のデッドタイムTf2,Tr2(Tf4,Tr4)の長さを制御する。
【0078】
具体的には、デッドタイムコントローラ260は、PWM2信号のネガティブエッジからPWM1信号のポジティブエッジまでのデッドタイムの長さTf2を、Tf(REF)-Tdelayに設定する。またデッドタイムコントローラ260は、PWM1信号のポジティブエッジからPWM2信号のネガティブエッジまでのデッドタイムの長さTr2を、Tr(REF)+Tdelayに設定する。
Tf2=Tf(REF)-Tdelay
Tr2=Tr(REF)+Tdelay
【0079】
同様にデッドタイムコントローラ260は、PWM4信号のネガティブエッジからPWM3信号のポジティブエッジまでのデッドタイムの長さTf4を、Tf(REF)-Tdelayに設定する。またデッドタイムコントローラ260は、PWM3信号のポジティブエッジからPWM4信号のネガティブエッジまでのデッドタイムの長さTr4を、Tr(REF)+Tdelayに設定する。
Tf4=Tf(REF)-Tdelay
Tr4=Tr(REF)+Tdelay
【0080】
図12は、デッドタイムコントローラ260の構成例を示すブロック図である。デッドタイムコントローラ260は、コンパレータ262、カウンタ264、演算処理部266を備える。
【0081】
コンパレータ262は、スイッチング電圧VSW’を、所定のしきい値電圧VTHと比較、それらの大小関係、言い換えると交点のタイミングを示す比較信号S7を生成する。このコンパレータ262は、タイミング発生器210のコンパレータ212と共通化することができる。
【0082】
カウンタ264は、PWM1信号(あるいはPWM3信号)と比較信号S7の遅延時間Tdelayを測定する。演算処理部266は、デッドタイムの理想値Tr(REF)、Tf(REF)に、遅延時間Tdelayを示すカウント値を加算あるいは減算することにより、デッドタイムの長さTr2,Tf2,Tr4,Trf4を計算し、パルス変調器234に供給する。
【0083】
パルス変調器234は、デッドタイムコントローラ260によって計算されたデッドタイムの長さTr2,Tf2,Tr4,Trf4にもとづいて、パルス信号PWM1~PWM4を生成する。
【0084】
図13は、図11の絶縁型電源100Cの動作波形図である。CNTは、クロック信号に応じてカウントアップ、カウントダウンを繰り返すカウンタの出力CNTである。たとえばパルス変調器234は、カウンタ出力CNTを、デューティサイクル指令値Dにおいてスライスすることにより、PWM1信号およびPWM3信号を生成する。
【0085】
また、パルス変調器234には、デューティサイクル指令値Dから、デッドタイムコントローラ260が決定したデッドタイムTf、Tr相当、低いしきい値D’、D”が設定されている。
【0086】
パルス変調器234は、カウンタ出力CNTを、しきい値D’、D”においてスライスして得られるタイミングにもとづいて、PWM2信号およびPWM4信号を生成する。
【0087】
以上が絶縁型電源100Cの動作である。図11の絶縁型電源100Cにおいて、トランスTRN1の二次側のスイッチング信号VSWは、絶縁型電源100Cが生成するパルス信号PWM1,PWM3に対して、Tdelay遅延している。
【0088】
制御回路200Cによれば、遅延時間Tdelayの変動やばらつきにかかわらず、PWM2信号とスイッチング信号VSWの間のデッドタイムを、理想値Tf(REF)、Tr(REF)に近づけることができる。
【0089】
同様に制御回路200Cによれば、遅延時間Tdelayの変動やばらつきにかかわらず、PWM4信号とスイッチング信号VSWの間のデッドタイムを、理想値Tf(REF)、Tr(REF)に近づけることができる。
【0090】
(変形例)
絶縁型電源のトポロジーは、実施の形態1~3で説明したそれらには限定されず、その他のトポロジーにも適用可能である。図14(a)~(e)は、絶縁型電源のトポロジーを示す回路図である。
【0091】
図14(a)は、実施の形態1で説明したフォワードコンバータである。図14(b)は、ハーフブリッジコンバータである。図14(c)は、フルブリッジブリッジコンバータである。図14(d)は、カレントダブラ同期整流器である。図14(e)は、二次側フルブリッジ同期整流器である。当業者によれば、ここに例示したトポロジー以外の絶縁電源にも本発明が適用可能であることが理解される。
【0092】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0093】
100 絶縁型電源
110 アイソレータ
120,130 ゲートドライバ
140 入力電流検出回路
142 整流回路
150 出力電流検出回路
200 制御回路
210 タイミング発生器
212 コンパレータ
214 タイマー回路
220 サンプリング回路
222 サンプルホールド回路
224 A/Dコンバータ
230 フィードバックコントローラ
232 デューティサイクルコントローラ
234 パルス変調器
240 A/Dコンバータ
260 デッドタイムコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14