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特許7406419シフト操作判定装置、および、シフト装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】シフト操作判定装置、および、シフト装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20231220BHJP
   G05G 5/04 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
B60K20/02 E
B60K20/02 G
G05G5/04 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020048635
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021146879
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 謙一
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-156369(JP,A)
【文献】特開2014-163461(JP,A)
【文献】特表2010-535659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
G05G 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なシフト機構を有する車両のシフト操作判定装置であって、
前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、
前記操作部材の回動方向における位置を検出する位置検出部と、
前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、
前記操作部材の回動を規制する規制部と、を備え、
前記規制部は、
前記操作部材が、前記第1レンジに対応する第1位置または前記第3レンジに対応する第3位置から、前記第2レンジに対応する第2位置に移動した場合であって、前記第2位置に位置してから所定時間内に前記第3位置に向けて移動した場合、前記操作部材の回動を規制し、
前記操作部材が前記第2位置に移動してから所定時間内に、前記操作部材が前記第2位置を離れて前記第3位置に向けて移動した場合であって、前記操作部材が前記第2位置から前記第3位置へ移動する速度が設定速度より低速である場合、前記操作部材の回動を規制しない、
シフト操作判定装置。
【請求項2】
前記第2レンジは前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、前記第3レンジは、前記第2レンジより高い減速比で前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジである、請求項1載のシフト操作判定装置。
【請求項3】
第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なシフト機構を有する車両のシフト操作判定装置であって、
前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、
前記操作部材の回動方向における位置を検出する位置検出部と、
前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、
前記操作部材の回動を規制する規制部と、
前記車両の制動操作を検出する制動操作検出部と、を備え、
前記第2レンジは前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、前記第3レンジは、前記第2レンジより高い減速比で前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、
前記規制部は、
前記操作部材が、前記第1レンジに対応する第1位置または前記第3レンジに対応する第3位置から、前記第2レンジに対応する第2位置に移動した場合であって、前記第2位置に位置してから所定時間内に前記第3位置に向けて移動した場合、前記操作部材の回動を規制し、
前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出されていない場合は、前記操作部材の前記第1位置から前記第2位置への回動を規制し、前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出された場合、前記第1位置から前記第2位置への前記操作部材の回動を規制せず、前記第2位置から前記第3位置への前記操作部材の回動を規制する、
フト操作判定装置。
【請求項4】
前記シフト判定部は、前記操作部材が、前記所定時間以上、継続して前記第2位置にある場合に、選択されたシフトレンジを前記第2レンジと判定し、
前記規制部は、前記操作部材が前記第2位置に移動して前記第2レンジが選択されたと判定した後は、前記第2位置から前記第3位置への前記操作部材の回動を可能とする、請求項1から3のいずれかに記載のシフト操作判定装置。
【請求項5】
前記操作部材は、前記規制部により規制されていない状態では回動量の制限なく回動可能である、請求項1からのいずれか1項に記載のシフト操作判定装置。
【請求項6】
第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なシフト機構を有する車両のシフト装置であって、
操作に応じて前記車両のシフトレンジを判定するシフト操作判定装置と、前記シフト操作判定装置の判定結果に基づいて前記車両のシフトレンジを切り替えるシフト制御部と、を備え、
前記シフト操作判定装置は、
前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、
前記操作部材の回動方向における位置を検出する位置検出部と、
前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、
前記操作部材の回動を規制する規制部と、を備え、
前記規制部は、前記操作部材が、前記第1レンジに対応する第1位置または前記第3レンジに対応する第3位置から、前記第2レンジに対応する第2位置に移動した場合であって、前記第2位置に位置してから所定時間内に前記第3位置に向けて移動した場合、前記操作部材の回動を規制し、
前記操作部材が前記第2位置に移動してから所定時間内に、前記操作部材が前記第2位置を離れて前記第3位置に向けて移動した場合であって、前記操作部材が前記第2位置から前記第3位置へ移動する速度が設定速度より低速である場合、前記操作部材の回動を規制しない、シフト装置。
【請求項7】
第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なシフト機構を有する車両のシフト装置であって、
操作に応じて前記車両のシフトレンジを判定するシフト操作判定装置と、前記シフト操作判定装置の判定結果に基づいて前記車両のシフトレンジを切り替えるシフト制御部と、を備え、
前記シフト操作判定装置は、
前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、
前記操作部材の回動方向における位置を検出する位置検出部と、
前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、
前記操作部材の回動を規制する規制部と、
前記車両の制動操作を検出する制動操作検出部と、を備え、
前記第2レンジは前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、前記第3レンジは、前記第2レンジより高い減速比で前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、
前記規制部は、
前記操作部材が、前記第1レンジに対応する第1位置または前記第3レンジに対応する第3位置から、前記第2レンジに対応する第2位置に移動した場合であって、前記第2位置に位置してから所定時間内に前記第3位置に向けて移動した場合、前記操作部材の回動を規制し、
前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出されていない場合は、前記操作部材の前記第1位置から前記第2位置への回動を規制し、前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出された場合、前記第1位置から前記第2位置への前記操作部材の回動を規制せず、前記第2位置から前記第3位置への前記操作部材の回動を規制する、
シフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト操作判定装置、および、シフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のシフト装置として、シフトレバーを用いるレバー式や、シフトノブを用いるダイヤル式のシフト装置が知られている。これらのシフト装置は、車両を駐車させる際に選択されるP(パーキング)レンジや、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)等を含む複数のシフトレンジを有し、運転者は、シフトレバーやシフトノブを操作してシフトレンジを選択する。具体的には、P、R、N、D、Sの各シフトレンジが、シフトレバーやシフトノブ等の操作部材の操作範囲に並べて配置され、操作部材を動かす操作に応じて操作部材の位置に対応するシフトレンジが選択される。
【0003】
この種のシフト装置では、運転者が操作部材を過度に動かしてしまう場合に備え、シフトレンジの選択に制約を設けることがあった。例えば、特許文献1には、操作部材の回動に応じて、直列配置された複数段のシフトレンジを選択するシフト装置において、1回の操作によるシフトレンジの切り替え段数を制限する例の開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-47074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された構成では、シフトレンジの切り替え段数が制限された場合、操作部材を回し続けたとしてもシフトレンジが切り替わらない状態となる。このため、運転者は、表示パネルを目視する等の行動をしなければ、シフトレンジの切り替えが制限されていることに気づかない可能性があった。
【0006】
本発明の目的は、車両のシフトレンジの切り替えを制限し、シフトレンジの切り替えが制限されたことを運転者が容易に認識できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様は、第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なシフト機構を有する車両のシフト操作判定装置であって、前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、前記操作部材の回動方向における位置を検出する位置検出部と、前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、前記操作部材の回動を規制する規制部と、を備え、前記規制部は、前記操作部材が、前記第1レンジに対応する第1位置または前記第3レンジに対応する第3位置から、前記第2レンジに対応する第2位置に移動した場合であって、前記第2位置に位置してから所定時間内に前記第3位置に向けて移動した場合、前記操作部材の回動を規制し、前記操作部材が前記第2位置に移動してから所定時間内に、前記操作部材が前記第2位置を離れて前記第3位置に向けて移動した場合であって、前記操作部材が前記第2位置から前記第3位置へ移動する速度が設定速度より低速である場合、前記操作部材の回動を規制しない、シフト操作判定装置である。
本発明の他の態様は、第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なシフト機構を有する車両のシフト操作判定装置であって、前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、前記操作部材の回動方向における位置を検出する位置検出部と、前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、前記操作部材の回動を規制する規制部と、前記車両の制動操作を検出する制動操作検出部と、を備え、前記第2レンジは前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、前記第3レンジは、前記第2レンジより高い減速比で前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、前記規制部は、前記操作部材が、前記第1レンジに対応する第1位置または前記第3レンジに対応する第3位置から、前記第2レンジに対応する第2位置に移動した場合であって、前記第2位置に位置してから所定時間内に前記第3位置に向けて移動した場合、前記操作部材の回動を規制し、前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出されていない場合は、前記操作部材の前記第1位置から前記第2位置への回動を規制し、前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出された場合、前記第1位置から前記第2位置への前記操作部材の回動を規制せず、前記第2位置から前記第3位置への前記操作部材の回動を規制する、シフト操作判定装置である。
【0008】
本発明の他の態様によると、前記シフト判定部は、前記操作部材が、前記所定時間以上、継続して前記第2位置にある場合に、選択されたシフトレンジを前記第2レンジと判定し、前記規制部は、前記操作部材が前記第2位置に移動して前記第2レンジが選択されたと判定した後は、前記第2位置から前記第3位置への前記操作部材の回動を可能とする。
【0009】
本発明の他の態様によると、前記規制部は、前記操作部材が前記第2位置に移動してから所定時間内に、前記操作部材が前記第2位置を離れて前記第3位置に向けて移動した場合であって、前記操作部材が前記第2位置から前記第3位置へ移動する速度が設定速度より低速である場合、前記操作部材の回動を規制しない。
【0010】
本発明の他の態様によると、前記第2レンジは前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、前記第3レンジは、前記第2レンジより高い減速比で前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジである。
【0011】
本発明の他の態様によると、前記車両の制動操作を検出する制動操作検出部を備え、前記規制部は、前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出されていない場合は、前記操作部材の前記第1位置から前記第2位置への回動を規制し、前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出された場合、前記第1位置から前記第2位置への前記操作部材の回動を規制せず、前記第2位置から前記第3位置への前記操作部材の回動を規制する。
【0012】
本発明の他の態様によると、前記操作部材は、前記規制部により規制されていない状態では回動量の制限なく回動可能である。
【0013】
本発明の他の態様は、第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なシフト機構を有する車両のシフト装置であって、操作に応じて前記車両のシフトレンジを判定するシフト操作判定装置と、前記シフト操作判定装置の判定結果に基づいて前記車両のシフトレンジを切り替えるシフト制御部と、を備え、前記シフト操作判定装置は、前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、前記操作部材の回動方向における位置を検出する位置検出部と、前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、前記操作部材の回動を規制する規制部と、を備え、前記規制部は、前記操作部材が、前記第1レンジに対応する第1位置または前記第3レンジに対応する第3位置から、前記第2レンジに対応する第2位置に移動した場合であって、前記第2位置に位置してから所定時間内に前記第3位置に向けて移動した場合、前記操作部材の回動を規制し、前記操作部材が前記第2位置に移動してから所定時間内に、前記操作部材が前記第2位置を離れて前記第3位置に向けて移動した場合であって、前記操作部材が前記第2位置から前記第3位置へ移動する速度が設定速度より低速である場合、前記操作部材の回動を規制しない、シフト装置である。
本発明の他の態様は、第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なシフト機構を有する車両のシフト装置であって、操作に応じて前記車両のシフトレンジを判定するシフト操作判定装置と、前記シフト操作判定装置の判定結果に基づいて前記車両のシフトレンジを切り替えるシフト制御部と、を備え、前記シフト操作判定装置は、前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、前記操作部材の回動方向における位置を検出する位置検出部と、前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、前記操作部材の回動を規制する規制部と、前記車両の制動操作を検出する制動操作検出部と、を備え、前記第2レンジは前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、前記第3レンジは、前記第2レンジより高い減速比で前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、前記規制部は、前記操作部材が、前記第1レンジに対応する第1位置または前記第3レンジに対応する第3位置から、前記第2レンジに対応する第2位置に移動した場合であって、前記第2位置に位置してから所定時間内に前記第3位置に向けて移動した場合、前記操作部材の回動を規制し、前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出されていない場合は、前記操作部材の前記第1位置から前記第2位置への回動を規制し、前記第1レンジが選択された状態で前記制動操作が検出された場合、前記第1位置から前記第2位置への前記操作部材の回動を規制せず、前記第2位置から前記第3位置への前記操作部材の回動を規制する、シフト装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、運転者が意図しないシフトレンジの変更を制限することができ、運転者が、シフトレンジを変更する操作が制限されていることを、操作感によって容易に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る自動車の駆動系の概略図。
図2】自動車の運転席周辺の概略斜視図。
図3】操作ユニットの平面図。
図4】操作ユニットの要部断面図。
図5】自動車の制御系のブロック図。
図6】シフト操作に係る自動車の状態遷移図。
図7】情報表示部の表示例を示す図。
図8】制御ユニットの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[1.自動車の変速制御の概要]
図1は、本発明を適用した実施形態に係る自動車1の駆動系の概略図である。図2は、自動車1の運転席周辺の概略斜視図である。
本実施形態で説明する自動車1は、駆動源としてエンジン2を搭載しており、エンジン2の出力をトランスミッション4およびドライブシャフト5を介して駆動輪に伝達する。なお、図示例では、自動車1は前輪6fを駆動輪とする前輪駆動車であるが、後輪6rを駆動輪とする後輪駆動車または前後両車輪6を駆動輪とする四輪駆動車とすることもできる。図1に、自動車1が前進するときの進行方向を符号Fで示す。
【0017】
自動車1が搭載するトランスミッション4は、後述する制御ユニット11の制御により自動変速を行うオートマティックトランスミッション(AT)である。本実施形態では、トランスミッション4として、前進4段、後退1段のステップ式ATを例に挙げて説明するが、より多段のATであってもよいし、連続可変トランスミッション(CVT)であってもよい。また、トランスミッション4の機械的構成の制限はなく、トルクコンバータを有する構成であってもよいし、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)であってもよい。トランスミッション4は、シフト機構の一例に対応する。
【0018】
自動車1は、駆動源としてエンジン2の代わりにモータ・ジェネレータ3を搭載する電気自動車(EV)であってもよい。また、自動車1は、駆動源としてエンジン2とともにモータ・ジェネレータ3を搭載するハイブリッド車(HEV)であってもよい。モータ・ジェネレータ3は、車両走行用の電動機として機能するほか、回生用の発電機として機能してもよい。インバータ8は、二次電池であるバッテリ7からの電力供給とバッテリ7に対する電力供給(充電)とを制御し、減速時に減速エネルギを電力に変換回生して回生制動を発生する回生制動手段として機能する。自動車1は、複数のモータ・ジェネレータ3を搭載してもよい。例えば、エンジン2を始動するスタータ・モータ及びエンジン2の動力により発電する発電機として機能する第1のモータ・ジェネレータ3と、車両走行用の第2のモータ・ジェネレータ3とを備えてもよい。
【0019】
自動車1は、自動車1の駆動系を制御する制御ユニット11を備える。制御ユニット11は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、周辺回路、入出力インターフェイス、各種ドライバ等を備える。
【0020】
自動車1は、自動車1を加速させるアクセル操作部としてアクセルペダル17を備え、自動車1を減速させる制動操作用の操作部としてブレーキペダル18を備える。制御ユニット11には、自動車1の車速を検出する車速センサ32、アクセルペダル17の操作量を検出するアクセルペダルセンサ33、及び、ブレーキペダル18の操作を検出するブレーキペダルセンサ34が接続される。
【0021】
自動車1は、アクセルペダル17がエンジン2のスロットル装置に機械的に連結された構成であってもよいし、制御ユニット11がアクセルペダルセンサ33の検出結果に基づきスロットル装置を制御する、いわゆるドライブバイワイヤを採用した車両であってもよい。また、自動車1は、ブレーキペダル18が自動車1の制動機構に機械的に連結された構成であってもよいし、制御ユニット11がブレーキペダルセンサ34の検出結果に基づき制動機構を制御する、いわゆるブレーキバイワイヤを採用した車両であってもよい。また、アクセルペダル17に替えて、レバー形状や、その他の形状のアクセル操作部を採用してもよく、ブレーキペダル18についても同様である。
【0022】
自動車1は、トランスミッション4の変速を制御する構成として、制御ユニット11を含むシフト装置10を備える。シフト装置10は、制御ユニット11のほか、トランスミッション4のシフトレンジの変更操作に供されるシフト操作部材14と、シフト操作部材14の操作を検出する角度検出器31と、を備える。また、シフト装置10は、シフト操作部材14の操作を制限する電磁ブレーキ機構50を備える。シフト装置10は、車速センサ32、アクセルペダルセンサ33、及び、ブレーキペダルセンサ34を含んでもよい。シフト装置10は、シフト操作判定装置の一例に対応する。
【0023】
自動車1には、障害物センサ36が設けられる。障害物センサ36は、自動車1の周囲の障害物を検出するセンサであり、例えば、超音波を利用して自動車1の車体から所定距離以内の物体を検出するソナーセンサが挙げられる。障害物センサ36は、レーザー光を利用して障害物を検出する光センサや、カメラの撮像画像をもとに障害物を検出する装置であってもよい。自動車1には、例えば図1に示すように、車体の前部および後部において、左右の端部に1個ずつ障害物センサ36が配置される。障害物センサ36は、不図示の制御線により制御ユニット11に接続され、検出結果を制御ユニット11に出力する。シフト装置10は、障害物センサ36を含んでもよい。
【0024】
制御ユニット11は、エンジン2の駆動制御の他、シフト操作部材14の操作に応じてトランスミッション4のシフトレンジを選択するとともに、選択したシフトレンジに従ってトランスミッション4のギヤ段を変更するシフト制御を行う。なお、ギヤ段の変更は、トランスミッション4に接続する油圧回路に設けられた図示しないシフトソレノイドバルブを開閉駆動することによって行われる。また、自動車1が電気自動車またはハイブリッド車である場合、制御ユニット11はモータ・ジェネレータ3の駆動/回生も制御する。また、制御ユニット11は、自動車1が搭載する灯火機等を制御する機能や、自動車1のその他の機能を有していてもよい。以下ではトランスミッション4の制御に関する機能を説明する。
【0025】
シフト操作部材14は、ダイヤル式の円柱状のつまみであり、自動車1を操縦する運転者の手によってシフト操作部材14を回動させる操作が行われる。運転者は、シフト操作部材14を回動させて、自動車1のトランスミッション4の変速モード、すなわちシフトレンジを切り替える操作を行うことができる。シフト操作部材14は、操作部材の一例に対応する。
【0026】
自動車1のシフトレンジは、自動車1を駐車するときに選択されるP(パーキング)レンジ、自動車1を後退させるためのR(リバース)レンジ、トランスミッション4からドライブシャフト5に駆動力を伝達しない状態であるN(ニュートラル)レンジ、及び、自動車1を前進させるD(ドライブ)レンジを含む。トランスミッション4は、Pレンジでドライブシャフト5の回転を規制し、Nレンジでドライブシャフト5に駆動力および制動力のいずれも与えない構成であってもよい。また、自動車1は、Dレンジとは異なる前進用の1または複数のシフトレンジを有する。この種のシフトレンジは、Sレンジ、Lレンジ、D2レンジ、Bレンジ等と呼ばれ、本実施形態のトランスミッション4は、一例として、Sレンジを備える。これらのシフトレンジは、エンジン2またはモータ・ジェネレータ3の駆動軸に対するドライブシャフト5の減速比がDレンジよりも大きい。例えば、ドライブシャフト5にDレンジよりも大きい駆動トルクを与える目的や、エンジンブレーキや回生によってDレンジよりも強い制動力をドライブシャフト5に発生させる目的で選択される。
【0027】
シフト操作部材14は、自動車1のインストルメントパネル19におけるステアリングホイール13の左側下方に設けられている。インストルメントパネル19において、シフト操作部材14が設けられた部位は、運転者がシフト操作部材14を操作しやすいように他の部位に比べて突出形成されていてもよい。シフト操作部材14の位置は図2の例に限られず、センターコンソールに設けてもよいし、他の位置に設けてもよい。
【0028】
シフト操作部材14は、自動車1において選択されているシフトレンジを表示する表示パネル21とともにユニット化されて、操作ユニット25を構成する。
【0029】
[2.操作ユニットの構成]
図3は、操作ユニット25の平面図である。
図3に示すように、シフト操作部材14は、時計回り方向(図中CW)および反時計回り方向(図中CCW)に回動可能である。操作ユニット25には、シフト操作部材14の上方に、表示パネル21が配置される。表示パネル21には、トランスミッション4のシフトレンジであるP、R、N、D、Sの表示が、シフト操作部材14の回転方向であるCW方向に沿って、順に配置されている。
運転者が、シフト操作部材14をCW方向またはCCW方向に回動させることにより、トランスミッション4のシフトレンジを選択する操作が行われる。
【0030】
表示パネル21には、レンジ表示部22のP、R、N、D、Sの表示にそれぞれ対応する位置に、インジケータ23が配置されている。インジケータ23は、レンジ表示部22のP、R、N、D、Sの各位置にそれぞれ対応するインジケータ23a、23b、23c、23d、23eを含む。インジケータ23aは、LED等の光源を備え、トランスミッション4のシフトレンジとしてPレンジが選択されている状態で発光する。同様に、インジケータ23b、23c、23d、23eは、それぞれLED等の光源を備える。インジケータ23bは、トランスミッション4のシフトレンジとしてRレンジが選択されている状態で発光する。インジケータ23cはNレンジが選択されている状態で発光し、インジケータ23dはDレンジが選択されている状態で発光し、インジケータ23eはSレンジが選択されている状態で発光する。図3には、一例として、Pレンジが選択され、インジケータ23aが発光している状態を示す。
【0031】
自動車1では、メーターパネル12において、表示パネル21と同様の表示がなされる構成であってもよい。例えば、メーターパネル12に、トランスミッション4のシフトレンジであるP、R、N、D、Sの表示が配置され、選択中のシフトレンジの表示を発光させる構成としてもよい。
【0032】
シフト操作部材14の回動方向には、トランスミッション4のシフトレンジの数に対応する選択位置P1、P2、P3、P4、P5が設定される。シフト操作部材14はCW方向およびCCW方向に無限に回転可能であり、後述するように、一定角度ごとに節度感(クリック感)が得られるようになっている。詳細には、選択位置P1、P2、P3、P4、P5に相当する角度毎にクリック感が得られる。例えば、シフトレンジPが選択されている状態で、シフト操作部材14をCW方向に回動させると、選択位置P2、P3、P4、P5でクリック感が得られる。また、シフトレンジSが選択されている状態で、シフト操作部材14をCCW方向に回動させると、選択位置P4、P3、P3、P2でクリック感が得られる。これにより、シフト操作部材14を、レンジ表示部22のP、R、N、D、Sの表示に合わせて段階的に回動させることが容易になり、シフトレンジを選択する操作の操作性が高められる。
【0033】
シフト操作部材14と、選択位置P1-P5との相対位置は固定されない。シフト操作部材14は、選択位置P1からCCW方向に回動させる操作、および、選択位置P5からCW方向に回動させる操作が可能であり、この場合、選択中のシフトレンジは、PレンジまたはSレンジで変化しない。
【0034】
図3は一構成例を示しており、自動車1は、トランスミッション4のシフトレンジとしてP、R、N、D、S、Lの6段階の選択が可能な構成であってもよい。また、SレンジやLレンジを有しない構成であってもよい。これらの場合、インジケータ23の数や選択位置の数は、シフト操作部材14の操作により選択されるシフトレンジの数に応じて、適宜に変更すればよい。また、レンジ表示部22におけるシフトレンジの配列は図3の例に限定されず、例えば、左回りではなく右回りに各シフトレンジの表示を配置した配列や、Lレンジの代わりにBレンジがある配列とすることもできる。
【0035】
図4は、操作ユニット25の要部断面図であり、図3のA-A´断面の要部を示す。
シフト操作部材14は、操作ユニット25のケース41の上面に配置される。ケース41は、操作荷重生成器44、増速機構46、電磁ブレーキ機構50、及び、角度検出器31を収容する。
【0036】
シフト操作部材14は、回動中心である軸14aを有し、軸14aは操作荷重生成器44によって支持される。
操作荷重生成器44は、例えば、シフト操作部材14の回動方向に沿って所定角度おきに形成されたカムと、カムに摺動するローラーとを備える。操作荷重生成器44は、軸14aを回動可能に支持し、軸14aの回転方向においてカム位置に対応する角度ごとに、軸14aの回動に抵抗を発生させる。これにより、シフト操作部材14を回動させる操作に対してクリック感を発生させる。
【0037】
操作荷重生成器44は、シフト操作部材14の回動量が最低操作角度に満たない場合、カムに沿ってローラーが逆方向に移動するので、シフト操作部材14を回動前の位置に戻す作用を有する。このため、運転者がシフト操作部材14を回動させた回動量が小さい場合、シフト操作部材14が回動前の位置に戻るので、例えば運転者が意図しないシフトレンジの切り替えを防止できる。最低操作角度は、例えば、上記所定角度の半分である。
【0038】
シフト操作部材14にはギヤ43が固定されている。ギヤ43は、シフト操作部材14とともに軸14aを中心として回動する。
増速機構46は、ギヤ43に係合する小径のギヤ46aを有し、軸54に接続される。増速機構46は、ギヤ43とギヤ46aとの歯数の比に応じた増速比で、ギヤ43の回転を増速して軸54に伝達する。
【0039】
電磁ブレーキ機構50は、シフト操作部材14の回動を規制する規制機構の一例であり、後述するロック制御部114とともに規制部を構成する。電磁ブレーキ機構50は、円筒形状のヨーク51、ヨーク51の内部に配置されたコイル52、及びアーマチュア53を有する。コイル52は制御ユニット11に接続され、制御ユニット11の制御により、コイル52への通電のオンおよびオフが切り替えられる。
【0040】
アーマチュア53は、軸54の下部に連結され、軸54とともに回転可能である。
コイル52に通電されていない状態では、アーマチュア53は軸54とともに回転自在に支持される。この状態では、シフト操作部材14の回動に伴い、アーマチュア53が回動する。
【0041】
コイル52に通電されると、ヨーク51が磁化されて、ヨーク51の磁力によってアーマチュア53の回動が規制される。このため、軸54の回動が規制され、シフト操作部材14の回転が阻止される。すなわち、シフト操作部材14が、回動しないようにロックされる。コイル52への通電がオフになると、シフト操作部材14のロックが解除される。
【0042】
軸54の下端には被検出体56が連結される。被検出体56は、角度検出器31の内部に位置し、増速機構46及び軸54とともに回転する。角度検出器31は、被検出体56の回転量を検出するセンサであり、位置検出部の一例に対応する。角度検出器31は、被検出体56の回転量の検出結果を制御ユニット11に出力する。制御ユニット11は、角度検出器31の検出結果と増速機構46の増速比に基づく演算を行うことにより、シフト操作部材14の回転角度を検出できる。
【0043】
電磁ブレーキ機構50は、電磁的にアーマチュア53の回動を規制する。このため、コイル52に流れる電流を調整することにより、コイル52の通電中に僅かなアーマチュア53の回動を許容する状態とすることができる。この場合、コイル52の通電中に運転者がシフト操作部材14にCW方向またはCCW方向の操作力を加えると、この操作力によって僅かにシフト操作部材14が回動する。この操作力が解除されると、操作荷重生成器44の作用により、シフト操作部材14が回動前の位置に戻される。
【0044】
コイル52の通電中にシフト操作部材14に操作力が加わった場合、及び、操作力が解除された場合のシフト操作部材14の動きは、角度検出器31により検出可能である。従って、制御ユニット11は、角度検出器31の検出結果に基づいて、電磁ブレーキ機構50が回動を規制している間のシフト操作部材14への操作力の印加、及び、操作力の解除を検出できる。例えば、制御ユニット11は、コイル52の通電中にシフト操作部材14への操作力の解除を検出した場合に、コイル52への通電を停止する。
【0045】
図4に示す構成は一例であり、例えば、操作荷重生成器44は、公知のディテント機構等を採用してもよい。また、角度検出器31は、被検出体56の回転量を磁気的に検出する構成であってもよいし、光センサを用いて検出する構成であってもよく、その他の検出方式を採用してもよい。また、電磁ブレーキ機構50がシフト操作部材14の回動を規制している間にシフト操作部材14に加わる操作力を検出する構成は、例えば圧電素子を用いてもよく、その他のセンサにより実現してもよい。
【0046】
[3.制御ユニットの構成]
図5は、自動車1の制御系のブロック図である。
自動車1を制御する制御ユニット11は、ECU101、シフト制御部103、インターフェイス105、及び、シフト操作判定部110を備える。
シフト操作判定部110は、ブレーキ操作検出部112、シフト判定部113、ロック制御部114、及び、表示制御部116を備える。また、シフト操作判定部110は、アクセル操作検出部111を備えてもよい。制御ユニット11が備える各機能部は、独立したハードウェアで構成されてもよいし、1のハードウェアが複数の機能部を構成してもよい。例えば、プロセッサがプログラムを実行することにより、シフト操作判定部110の各部の機能を実現してもよい。
【0047】
ECU101は、上述のように、アクセルペダルセンサ33及びブレーキペダルセンサ34の検出結果に基づいて、エンジン2やインバータ8を制御して、自動車1を走行させる。
【0048】
シフト操作判定部110は、シフト操作部材14、及びブレーキペダル18の操作を検出することにより、運転者の操作に対応するトランスミッション4のシフトレンジを判定する。
【0049】
シフト制御部103は、トランスミッション4のシフトレンジを切り替えさせる制御機能を有する。シフト制御部103は、シフト操作判定部110がシフト操作部材14の操作に応じたシフトレンジを判定すると、シフト操作判定部110の判定結果に基づき、トランスミッション4のシフトレンジを切り替える。
インターフェイス105は、制御ユニット11の外部の機器と各種信号やデータを授受する回路であり、少なくとも、ブレーキペダルセンサ34、トランスミッション4及び操作ユニット25に接続される。インターフェイス105に、アクセルペダルセンサ33や障害物センサ36が接続された構成であってもよい。図1に示したように、制御ユニット11はエンジン2及びインバータ8に接続されるが、説明の便宜のため図5では省略する。
【0050】
アクセル操作検出部111は、アクセルペダルセンサ33の検出結果に基づき、アクセルペダル17の操作の有無、及び/または、アクセルペダル17の操作量を検出する。
ブレーキ操作検出部112は、ブレーキペダルセンサ34の検出結果に基づき、ブレーキペダル18の操作の有無、及び/または、ブレーキペダル18の操作量を検出する。ブレーキ操作検出部112は、制動操作検出部の一例に対応する。
【0051】
シフト判定部113は、角度検出器31の検出結果に基づいて、シフト操作部材14の位置が選択位置P1、P2、P3、P4、P5のいずれに該当するかを判定する。シフト判定部113は、判定したシフトレンジのインジケータ23を点灯させる。
シフト判定部113は、シフト操作部材14が選択位置P1、P2、P3、P4、P5のいずれかに移動した場合、移動先の選択位置を、予め設定された所定時間(例えば、0.2秒)を超える時間だけ維持すると、移動先の選択位置のシフトレンジが選択されたと判定する。この判定の基準となる所定時間を時間Tとして、後に説明する。
【0052】
ロック制御部114は、電磁ブレーキ機構50によるシフト操作部材14の規制を制御する。具体的には、ロック制御部114は、コイル52への通電をオンまたはオフに切り替える制御を行い、電磁ブレーキ機構50がシフト操作部材14をロックする状態と、ロックが解除された状態とを切り替える。
【0053】
自動車1のシフトレンジの切り替え操作のうち、一部のシフトレンジから他のシフトレンジへ変更する操作には制限が設けられている。例えば、Pレンジから、Pレンジ以外のシフトレンジに変更する操作を行うためには、ブレーキペダル18が操作される必要がある。これは、運転者が意図しない発進を防止するための制限であり、一般的に自動車において設けられる制限である。
【0054】
本実施形態のシフト装置10においても、Pレンジが選択された状態では、シフト操作部材14を操作していない状態でブレーキペダル18が操作されることを条件として、シフト操作部材14の操作が可能となる。仮に、シフトレンジがPレンジである場合、ブレーキペダル18の操作がなく、シフト操作部材14をCW方向に回動させる操作が行われると、ロック制御部114がシフト操作部材14をロックする。これにより、PレンジからRレンジやNレンジへの切り替えが阻止される。シフト操作部材14がロックされた場合、シフト操作部材14が操作されない状態になってからブレーキペダル18が操作されると、ロックが解除される。
【0055】
上述のように、シフト判定部113は、シフト操作部材14が選択位置P1、P2、P3、P4、P5のいずれかの位置を、時間Tを超えて維持すると、移動先の選択位置のシフトレンジが選択されたと判定する。例えば、シフト操作部材14が、選択位置P5から選択位置P3へ回動された場合、シフト判定部113は運転者が切り替えたシフトレンジがNレンジであると判定する。この移動の過程で、シフト操作部材14は選択位置P4を通過するが、シフト判定部113はDレンジが選択されたと判定しない。シフト判定部113は、シフト操作部材14が選択位置P4に止まる状態が時間T以下である場合は、Dレンジが選択されたと判定せず、選択位置P4に時間Tを超えて止まっている場合はDレンジが選択されたと判定する。
【0056】
シフト操作判定部110は、シフト操作部材14が、選択位置P1、P2、P3のいずれかの位置からCW方向に回動した場合、シフト操作部材14が選択位置P4に止まる時間をカウントする。ここで、時間Tが経過する前に、シフト操作部材14が選択位置P4から選択位置P5に向けて移動した場合、シフト操作判定部110は、電磁ブレーキ機構50によりシフト操作部材14をロックする。すなわち、シフト操作判定部110は、Dレンジが選択されたと判定する前に、シフト操作部材14が選択位置P5への回動を開始した場合、Sレンジが選択されないようにする。これにより、運転者が、Pレンジ、Rレンジ或いはNレンジからDレンジに切り替えようとして、誤ってシフト操作部材14を回しすぎた場合に、Sレンジが選択されないようにする。
【0057】
Sレンジは、Dレンジよりも減速比が大きいシフトレンジであるから、走行中または発進時に、運転者の意図に反してDレンジからSレンジに切り替わると、自動車1が、運転者が期待する動作とは異なる挙動を示す可能性がある。シフト操作判定部110が、シフト操作部材14をロックすることで、運転者の意図に反してシフトレンジがSレンジに切り替わることを防止できる。シフト操作部材14がロックされると、シフト操作部材14の操作感が明らかに変化する。このため、運転者は、シフト操作部材14がロックされたことを、画面等を見ることなく認識できる。
上記の動作は、自動車1が、Sレンジの代わりにLレンジやBレンジを有する場合も同様である。
【0058】
シフト操作判定部110は、シフト操作部材14が、選択位置P1、P2、P3のいずれかの位置からCW方向に回動した場合、選択位置P4に時間Tを超えて止まった場合には、Dレンジが選択されたと判定する。
【0059】
表示制御部116は、メーターパネル12に設けられた不図示のディスプレイに、自動車1の動作状態に関する各種情報を表示させる。例えば、表示制御部116は、トランスミッション4のシフトレンジや、シフト操作部材14による操作状態を示す情報表示部60(図7)を、メーターパネル12のディスプレイに表示する。
【0060】
[4.シフト装置の状態遷移]
図6は、シフト操作に係る自動車1の状態遷移図であり、シフトレンジをDレンジへ切り替える操作が行われた場合のシフト装置10の状態遷移を示す。図6では、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジが選択されている状態を、まとめて状態S1とする。状態S1では、シフト操作部材14は選択位置P1、P2、P3のいずれかにある。
【0061】
状態S1で、運転者の操作によりシフト操作部材14が回動し、選択位置P4に達すると、シフト装置10は状態S2に移行する。状態S2で、シフト装置10は、Dレンジが維持される時間のカウントを開始し、状態S3に移行する。
【0062】
状態S3は、状態S2でカウントを開始した時間が、時間T以下の場合の状態である。状態S3では、シフト操作部材14の回動はロックされていない。
状態S3でシフト操作部材14がCW方向に回動し、選択位置P4を離れたことが検出されると、シフト装置10は状態S4に移動する。状態S4は、電磁ブレーキ機構50によりシフト操作部材14の回動がロックされた状態である。状態S4で、運転者がシフト操作部材14に加える操作力を解除すると、操作荷重生成器44の作用により、シフト操作部材14がCCW方向に回動し、シフト操作部材14の位置が選択位置P4に戻る。このときの回動量は選択位置P4と選択位置P5との間隔に比べ小さいが、角度検出器31により検出可能である。シフト装置10は、シフト操作部材14の戻りを検出すると、状態S3に戻ってシフト操作部材14のロックを解除する。
【0063】
状態S4で、シフト装置10は、シフト操作部材14をロックする際に、運転者が視認可能な範囲において、シフト操作部材14がロックされたことの案内を表示する。ここで、状態S4における表示の一例を、図7に示す。
【0064】
図7は、情報表示部60の表示例を示す図である。情報表示部60は、表示制御部116の制御により、例えば、メーターパネル12に設けられたディスプレイに表示される。
【0065】
情報表示部60には、ダイヤル画像61、シフトレンジ表示部63、及び、シフトインジケータ64が配置される。ダイヤル画像61はシフト操作部材14を模した画像である。シフトレンジ表示部63は、シフト操作部材14により選択可能なシフトレンジを並べて示す画像である。シフトインジケータ64は、シフトレンジ表示部63に表示されたシフトレンジの中で、現在選択されているシフトレンジを指示する画像である。シフトインジケータ64は、ディスプレイに取り付けられたLEDインジケータであってもよいし、LEDインジケータを模した画像であってもよい。
【0066】
シフト操作部材14がロックされていない状態では、シフト装置10が動作している間はダイヤル画像61、シフトレンジ表示部63、及びシフトインジケータ64が表示される。表示制御部116は、シフト操作部材14がロックされた場合、案内表示65及び案内表示66を、情報表示部60に表示させる。
【0067】
案内表示65は、シフト操作部材14の操作を、文字により運転者に案内する。図7の例では、運転者がSレンジを選択することを希望する場合の操作方法を説明している。案内表示66は、ダイヤル画像61に重ねて配置される画像であり、シフト操作部材14のCW方向の操作が制限されていることを図案化して示している。
【0068】
表示制御部116は、情報表示部60に案内表示65、66を表示させることで、運転者に対し、シフト操作部材14がロックされていることや、運転者が行うべき操作方法を報知できる。
【0069】
状態S3で、シフト操作部材14が選択位置P4に到達してから経過した時間が、時間Tを超えると、シフト装置10は状態S5に移行する。状態S5は、Dレンジの選択が確定した状態である。状態S5では、シフト操作部材14をCCW方向に回動させてPレンジ、Rレンジ、或いはNレンジを選択する操作が可能であり、この場合、シフト装置10は状態S1に移行する。また、状態S5では、シフト操作部材14をCW方向に回動させる操作が制限されていないので、Sレンジを選択する操作が可能である。この場合、シフト装置10は状態S6に移行する。状態S6は、Sレンジが選択された状態である。
【0070】
状態S3で、シフト操作部材14がCW方向に移動しても、電磁ブレーキ機構50によるロックがされない場合がある。シフト装置10は、状態S3でシフト操作部材14がCW方向に移動し、移動の速度、すなわち回動速度が設定速度より低速である場合には、状態S6に移行してシフトレンジをSレンジに切り替える。シフト操作部材14がゆっくりと操作される場合は、誤操作である可能性が低いため、Sレンジに切り替えることが運転者の意図に沿っている。
【0071】
また、状態S3で、シフト操作部材14がCCW方向に移動した場合、シフトレンジの切り替えを行ってもよい。つまり、状態S3で、シフト操作部材14をCCW方向に回動させてPレンジ、Rレンジ、或いはNレンジを選択する操作を可能としてもよい。この場合、シフト装置10は、シフト操作部材14をCCW方向に回動させる操作に応じて、シフトレンジを切り替えて、状態S1に移行する。
【0072】
図6の状態遷移図では、状態S1にSレンジを含めない構成とした。シフト操作部材14の操作によってSレンジからDレンジにシフトレンジが切り替えられた後で、シフト操作部材14がCW方向に回動された場合、運転者が誤って操作した可能性が高くないためである。しかしながら、このような場合も選択位置P4に止まる時間が時間T以下である場合に、シフト操作部材14をロックしてもよい。すなわち、状態S1に、Sレンジを含めてもよい。この場合、状態S1から状態S2に移行した後は、図6を参照して上述した通りである。
【0073】
[5.シフト装置の動作]
シフト装置10の動作を、フローチャートに従って説明する。図8は、制御ユニット11の動作を示すフローチャートであり、図7の状態遷移を実現する一例である。図8の動作はシフト操作判定部110により実行される。
詳細には、ステップST1-ST5、ST8、ST11の動作はシフト判定部113が実行し、ステップST7、ST10、ST14、ST15の動作はロック制御部114により実行される。ステップST13の動作はロック制御部114と表示制御部116とにより実行され、ST6、ST9、ST12は、シフト判定部113及びシフト制御部103により実行される。
【0074】
シフト操作判定部110は、シフト操作部材14が選択位置P4に到達したことを角度検出器31により検出すると(ステップST1)、タイマーによるカウントを開始する(ステップST2)。
【0075】
シフト操作判定部110は、カウント中の経過時間が、予め設定された時間T以下であるか否かを判定する(ステップST3)。ステップST3で、経過時間が時間Tを超えている場合(ステップST3;NO)、シフト操作判定部110は状態S5に移行し、シフトレンジとしてDレンジを確定する(ステップST4)。その後、シフト操作判定部110は、シフト操作部材14によるシフト操作を待機する(ステップST5)。シフト操作部材14が操作されない間は(ステップST5;NO)、Dレンジを維持する。シフト操作部材14が操作された場合(ステップST5;YES)、操作に応じたシフトレンジの判定を行い、トランスミッション4のシフトレンジを切り替える(ステップST6)。
【0076】
経過時間が時間T以下である場合(ステップST3;YES)、シフト操作判定部110は状態S3を維持する。この場合、シフト操作判定部110は、角度検出器31の検出結果に基づき、シフト操作部材14が選択位置P5に向けて移動しているか否かを判定する(ステップST7)。すなわち、シフト操作判定部110は、シフト操作部材14の位置が、選択位置P4よりも選択位置P5側の位置に移動したか否かを判定する。
【0077】
シフト操作部材14が選択位置P5側に移動していない場合(ステップST7;NO)、シフト操作判定部110は、シフト操作部材14がCCW方向に回動し、Nレンジ側のシフト操作が行われたか否かを判定する(ステップST8)。ここで、Nレンジ側のシフト操作が行われた場合(ステップST8;YES)、シフト操作判定部110は、操作に応じたシフトレンジの判定を行い、トランスミッション4のシフトレンジを切り替える(ステップST9)。Nレンジ側のシフト操作が行われていない場合(ステップST8;NO)、シフト操作判定部110はステップST3に戻る。
【0078】
シフト操作部材14が選択位置P5側に移動したと判定した合(ステップST7;YES)、シフト操作判定部110は、シフト操作部材14を選択位置P5に向けて回動させた操作速度が、設定速度より低速であるか否かを判定する(ステップST10)。シフト操作判定部110は、例えば、角度検出器31が検出した角度をもとに、単位時間あたりの回動量を算出し、操作速度とする。操作速度が設定速度より低速であった場合(ステップST10;YES)、シフト操作判定部110は、シフト操作部材14が選択位置P5に到達したことを検出すると(ステップST11)、トランスミッション4のシフトレンジをSレンジに切り替える(ステップST12)。
【0079】
シフト操作部材14の操作速度が、設定速度より低速でない場合(ステップST10;NO)、シフト操作判定部110は、シフト操作部材14を電磁ブレーキ機構50によりロックして、例えば図7に示した案内表示を行う(ステップST13)。シフト操作判定部110は、シフト操作部材14の操作が解除されたか否かを判定し(ステップST14)、操作が解除されない間は(ステップST14;NO)、待機する。シフト操作部材14がCCW方向に移動して選択位置P4に戻った場合、シフト操作判定部110は、操作が解除されたと判定し(ステップST14;YES)、電磁ブレーキ機構50によるロックを解除し(ステップST15)、ステップST3に戻る。
【0080】
[6.まとめ]
以上説明したように、本発明を適用した実施形態に係るシフト装置10は、第1レンジ、第2レンジ、及び、第3レンジを含む複数のシフトレンジを切り替え可能なトランスミッション4を有する自動車1のシフト装置10である。シフト装置10は、自動車1に対して回動可能に取り付けられたシフト操作部材14と、シフト操作部材14の回動方向における位置を検出する角度検出器31と、シフト操作部材14の位置に基づき、シフト操作部材14により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部113と、シフト操作部材14の回動を規制するロック制御部114と、を備え、ロック制御部114は、シフト操作部材14が、Pレンジ(第1レンジ)に対応する選択位置P1(第1位置)またはSレンジ(第3レンジ)に対応する選択位置P5(第3位置)から、Dレンジ(第2レンジ)に対応する選択位置P4(第2位置)に移動した場合であって、選択位置P4に位置してから所定時間内に選択位置P5に向けて移動した場合、シフト操作部材14の回動を規制する。換言すれば、ロック制御部114は、シフト操作部材14の操作に対応して移動する操作位置が、選択位置P4に到達してから所定時間内に、選択位置P5に向けて動いて選択位置P4を離れた場合、シフト操作部材14の回動を規制する。
【0081】
この構成によれば、自動車1のシフトレンジが切り替えられてから、所定時間が経過しない間に、さらなるシフト操作部材14の操作が行われた場合に、シフト操作部材14の回動を規制する。これにより、誤操作による自動車1のシフトレンジの切り替えを抑止するため、シフト操作部材14の操作を制限できる。また、シフト操作部材14をロックすることで、シフトレンジの切り替えが制限されたことを運転者が容易に認識できる。
【0082】
シフト判定部113は、シフト操作部材14が、所定時間以上、継続して選択位置P4にある場合に、選択されたシフトレンジを第2レンジと判定し、ロック制御部114は、シフト操作部材14が選択位置P4に移動して第2レンジが選択されたと判定した後は、選択位置P4から選択位置P5へのシフト操作部材14の回動を可能とする。これにより、シフトレンジを切り替える操作が誤操作である可能性が極めて低い状況では、シフト操作を妨げないため、操作性の低下を防止できる。
【0083】
ロック制御部114は、シフト操作部材14が選択位置P4に移動してから所定時間内に、シフト操作部材14が選択位置P4を離れて選択位置P5に向けて移動した場合であって、シフト操作部材14が選択位置P4から選択位置P5へ移動する速度が設定速度より低速である場合、シフト操作部材14の回動を規制しない。この構成によれば、シフト操作部材14が低速で操作された場合には、シフト操作を妨げない。このため、誤操作である可能性が極めて低い場合に操作性を低下させない。
【0084】
第2レンジは自動車1の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであり、第3レンジは、第2レンジより高い減速比で自動車1の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジである。この構成によれば、自動車1を前進させるシフトレンジに切り替えられてから所定時間内に、より減速比の高いシフトレンジへの切り替えを制限するので、仮に誤ったシフト操作であった場合に、自動車1の発進や加速への影響を回避できる。
【0085】
自動車1のブレーキペダル18の操作を検出するブレーキ操作検出部112を備え、ロック制御部114は、第1レンジが選択された状態で制動操作が検出されていない場合は、シフト操作部材14の選択位置P1から選択位置P4への回動を規制し、第1レンジが選択された状態で制動操作が検出された場合、選択位置P1から選択位置P4へのシフト操作部材14の回動を規制せず、選択位置P4から選択位置P5へのシフト操作部材14の回動を規制する。具体的には、ロック制御部114は、ブレーキペダル18が操作されない場合にPレンジからCW方向にシフト操作部材14が回動した場合に、シフト操作部材14をロックする。Pレンジでブレーキペダル18が操作された場合には、シフト操作部材14が回動してもロックしない。ここで、ロック制御部114は、Pレンジでシフト操作部材14をロックしない状態となった場合に、DレンジからSレンジへのシフト操作部材14の回動をロックする状態に移行する。この構成によれば、ブレーキペダル18が操作されない場合にシフトレンジの切り替えを規制することができ、この規制を解除した場合に、誤操作によるシフトレンジの切り替えを規制する状態に、速やかに移行できる。
【0086】
シフト操作部材14は、ロック制御部114により規制されていない状態では回動量の制限なく回動可能である。この構成によれば、シフト操作部材14を電磁ブレーキ機構50によってロックすることで、操作が規制されたことを運転者が速やかに認識できる。
【0087】
[7.他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0088】
情報表示部60が表示されるディスプレイは、メーターパネル12に限らず、例えば、インストルメントパネル19に設けられてもよい。例えば、インストルメントパネル19にカーナビゲーション装置が設置されている場合に、このカーナビゲーション装置のディスプレイに、表示制御部116の制御により情報表示部60が表示されてもよい。また、メーターパネル12やカーナビゲーション装置とは別に、自動車1の動作状態を表示するインフォメーションディスプレイを配置して、情報表示部60を表示してもよい。
また、情報表示部60に、自動車1の走行距離、バッテリ7の残容量、航続可能距離、燃費等の情報が表示される構成であってもよい。
【0089】
また、例えば、操作ユニット25は図4に示した構成に限定されない。角度検出器31の構成は、シフト操作部材14のギヤ43や軸14aの回転量を検出するロータリーエンコーダや光センサであってもよいし、ギヤ43に噛み合うギヤを有する検出器であってもよい。或いは、シフト操作部材14に磁性体を装着し、この磁性体の位置を磁気的に検出する検出器であってもよい。また、シフト操作部材14の回動をロックする構成は、電磁ブレーキ機構50に限定されず、例えば、増速機構46に嵌合して増速機構46の回転を阻止するピンと、ピンを移動させるアクチュエータであってもよい。或いは、シフト操作部材14に、操作された方向とは逆方向の回転力を与えるモータであってもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、ダイヤル形状のシフト操作部材14を例示したが、本発明はこれに限定されない。操作部材は、自動車1に対して回動可能に設置され、運転者が操作部材を回動させることでシフト操作を行うものであればよく、レバー形状等であってもよい。また、上記実施形態では、制御ユニット11がECU101とともにシフト操作判定部110を備える構成としたが、シフト操作判定部110が、ECU101とは別体として構成されてもよい。
【0091】
本発明は、図1に示した自動車1に限らず、貨物車両、大型自動車、三輪自動車など、オートマティックトランスミッションにより駆動される全ての車両に適用可能である。
本発明を適用する装置のハードウェア構成は、図5の例に限定されない。また、図8は、処理手順を便宜的にフローチャートの各ステップに分割した操作例であり、本発明を適用した装置の動作は、図8に示す順序に限定されない。
【符号の説明】
【0092】
1 自動車(車両)
2 エンジン
3 モータ・ジェネレータ
4 トランスミッション(シフト機構)
5 ドライブシャフト
6 車輪
10 シフト装置(シフト操作判定装置)
11 制御ユニット
12 メーターパネル
13 ステアリングホイール
14 シフト操作部材(操作部材)
17 アクセルペダル
18 ブレーキペダル
19 インストルメントパネル
22 レンジ表示部
23 インジケータ
25 操作ユニット
31 角度検出器(操作検出部)
32 車速センサ
33 アクセルペダルセンサ
34 ブレーキペダルセンサ
36 障害物センサ
41 ケース
44 操作荷重生成器
46 増速機構
50 電磁ブレーキ機構(規制部)
60 情報表示部
65、66 案内表示
101 ECU
103 シフト制御部
105 インターフェイス
110 シフト操作判定部
111 アクセル操作検出部
112 ブレーキ操作検出部(制動操作検出部)
113 シフト判定部
114 ロック制御部(規制部)
116 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8