(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
B08B3/02 E
(21)【出願番号】P 2020070802
(22)【出願日】2020-04-10
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊英
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-169490(JP,A)
【文献】特開2005-061753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0217197(US,A1)
【文献】特開2016-002537(JP,A)
【文献】特開2016-049478(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0030554(US,A1)
【文献】特開2016-022332(JP,A)
【文献】特開2019-045128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/02
F24F 6/00
B05B 9/00
B67D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(12)にバルブ(14)を有する液体タンク(10)を着脱可能に保持する液体吐出装置(1)であって、
動力装置を収容する本体ケース(21)を備え、
前記本体ケース(21)は、
前記液体タンク(10)の前記底部(12)に対面し、前記液体タンク(10)を支持する上壁(23)と、
前記上壁(23)から突出し、
前記バルブ(14)との間が密閉されるように、前記バルブ(14)に接続されるノズル(40)と、を含み、
前記上壁(23)は、
前記ノズル(40)を囲む凹部(31)と、
前記凹部(31)の深さよりも深く形成された溝(36)と、
前記凹部(31)と前記溝(36)とを接続する流路(37a)と、を含む、液体吐出装置。
【請求項2】
前記上壁(23)は、前記凹部(31)を囲む平坦部(32)を有し、
前記平坦部(32)は、前記溝(36)に向かって下向きに傾斜している、請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記流路(37a)は、前記溝(36)に向かって下向きに傾斜している、請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記本体ケース(21)の周壁(25)の一部には、前記動力装置を動作させるバッテリを挿入するための挿入部(25a)が形成されており、
前記本体ケース(21)の前記上壁(23)には、前記周壁(25)のうちの前記挿入部(25a)の位置を認識可能な目印(34a)が設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を吐出するポンプを備えた液体吐出装置が知られている。特許文献1に開示される液体吐出装置は、内側にポンプユニット、電池パック等が設けられた装置本体と、装置本体に搭載されるタンクとを備える。装置本体は、天板に連続する支持壁を有しており、支持壁に囲まれた領域にタンクが載置されている。支持壁に囲まれた領域内にはノズルが設けられており、このノズルがタンクの底面に設けられた弁を開くことによって、薬液タンクの弁とノズルとが接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された液体吐出装置では、装置本体のノズルを囲むように、天板に凹部が形成されている。装置本体において、凹部とノズルとの隙間は、パッキン等によって塞がれることが考えられる。しかしながら、パッキンが損傷等した場合には、ノズルを囲む凹部に溜まった液体がノズルの周囲から装置本体の内部に浸入することが考えられる。
【0005】
本発明は、装置本体の内部への液体の浸入が抑制された液体吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による液体吐出装置は、底部(12)にバルブ(14)を有する液体タンク(10)を着脱可能に保持する液体吐出装置(1)であって、動力装置を収容する本体ケース(21)を備え、本体ケース(21)は、液体タンク(10)の底部(12)に対面し、液体タンク(10)を支持する上壁(23)と、上壁(23)から突出し、バルブ(14)に接続されるノズル(40)と、を含み、上壁(23)は、ノズル(40)を囲む凹部(31)と、凹部(31)の深さよりも深く形成された溝(36)と、凹部(31)と溝(36)とを接続する流路(37a)と、を含んでいる。
【0007】
このような液体吐出装置(1)では、ノズル(40)を囲む凹部(31)に液体が流れ込んだとしても、この液体は凹部(31)から流路(37a)を介して溝(36)に貯留される。このように、ノズル(40)を囲んでいる凹部(31)に液体が貯留され難いため、ノズル(40)の周囲から本体ケース(21)の内部へ液体が浸入することが抑制される。
【0008】
また、上壁(23)は、凹部(31)を囲む平坦部(32)を有し、平坦部(32)は、溝(36)に向かって下向きに傾斜していてもよい。この構成では、上壁(23)に流れ込んだ液体が、凹部(31)を介さずに、溝(36)に向かって流れ易くなっている。
【0009】
また、流路(37a)は、溝(36)に向かって下向きに傾斜していてもよい。この構成では、凹部(31)に流れ込んだ液体が、溝(36)に向かって流れ易くなっている。
【0010】
また、本体ケース(21)の周壁(25)の一部には、動力装置を動作させるバッテリを挿入するための挿入部(25a)が形成されており、本体ケース(21)の上壁(23)には、周壁(25)のうちの挿入部(25a)の位置を認識可能な目印(34a)が設けられていてもよい。この構成では、使用者がバッテリの挿入部(25a)の位置を容易に認識でき、上壁(23)の溝(36)に溜まった液体を挿入部(25a)の位置とは別の位置から排出することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置本体の内部への液体の浸入が抑制された液体吐出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一例に係る液体吐出装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は、一例に係る液体吐出装置を示す正面図である。
図1では、液体吐出装置の例として、高圧で液体を吐出する高圧洗浄機が示されている。
図1に示す液体吐出装置1は、背負バンド等によって作業者に背負われた状態、又は、ショルダーベルト等によって作業者の肩に提げられて使用されることが想定されているが、地面等に載置された状態で使用されてもよい。
図1では、作業者に背負われたときに、作業者に近い側の液体吐出装置1の側面が正面(前面)として描かれている。以下の説明において、特に断りがない場合には、液体吐出装置1の前側である正面と正面の逆側の後面とを結ぶ方向を前後方向とし、前後方向に直交する水平方向を左右方向とし、前後方向及び左右方向に直交する方向を上下方向とする。また、特に断りがない場合には、液体吐出装置1の左右は、液体吐出装置1を正面から見た状態を基準とする。すなわち、
図1の紙面の右が液体吐出装置1の右に一致する。
【0015】
液体吐出装置1は、液体タンク10と、液体タンク10を着脱可能に保持する装置本体20とを含む。液体タンク10は、内部に薬液等の液体を貯留する部材である。液体タンク10の上部には、液体タンク10の内部に液体を注入するための注入口11が形成されている。注入口11は、円筒状をなす円筒部11aと、円筒部11aの外周面に対して例えば螺子等により着脱可能に装着される上蓋11bと、を含む。図示例の上蓋11bには、把持部11cが形成されており、使用者によって持ち運ばれることが想定されている。
【0016】
図2の(a)は、液体タンク10を後側から見た背面図であり、
図2の(b)は、液体タンク10の底面図である。液体タンク10の底部12には、一対の脚部13が形成されている。一例の脚部13は、底部12の左右両端から下向きに突出している。脚部13は、前後方向の略全域にわたって形成されている。図示例の脚部13は、前後方向の略中央の位置において、左右方向の他端に向かって延びる突出部13aを有している。
【0017】
また、液体タンク10の底部12には、一対の脚部13間に接続部(バルブ)14が設けられている。一例の接続部14は、有底円筒状をなしており、底部12から下向きに突出している。接続部14の底面の中央には弁14aが設けられている。弁14aは、接続部14の底面に形成された凹部14b内に設けられていてもよい。弁14aは、例えば外側から内側に向かって押圧されたときに開状態となり、貯留されている液体を排出する。
【0018】
また、図示例の液体タンク10には、係止部16が形成されている。係止部16は、例えば左右方向の両側面にそれぞれ設けられている。一対の係止部16は、後述する装置本体20のロックレバー26aに係合される部分である。
【0019】
図3は、装置本体を右上から見た斜視図である。
図4は、装置本体の平面図である。
図5は、
図4のV-V線に沿った断面図である。
図6は、
図4のVI-VI線に沿った断面図である。なお、
図5及び
図6では、装置本体の上側の部分のみを示している。装置本体20は、例えばポンプ、モータ等を含む動力装置を収容する本体ケース21を備える。本体ケース21は、液体タンク10の底部12に対面し、液体タンク10を支持する上壁23と、上壁23に対向する下壁24と、上壁23及び下壁24を接続する周壁25とを含む。装置本体20の下壁24には、装置本体20を地面等に載置するための脚部材24aが設けられている(
図1参照)。例えば、装置本体20が水平な位置に載置された場合、装置本体20の下壁24の底面24bは略水平に沿って配置される。
【0020】
本体ケース21の周壁25の一部には、ポンプ、モータ等の動力装置を動作させるバッテリを挿入するための挿入部25aが形成されている。挿入部25aは、周壁25に形成された開口であり、本体ケース21の内外を接続する。
図3に示すように、挿入部25aは、カバー25bによって閉じられていてもよい。バッテリの着脱の際に、使用者によってカバー25bが開閉される。本実施形態では、カバー25b(すなわち挿入部25a)は、本体ケース21の周壁25における右側面の前側に設けられている。なお、図示例では、本体ケース21の周壁25における右側面の後側に、水流の強さ等を調整するためのつまみ25c等が配置されている。
【0021】
また、図示例では、周壁25の後側に吐出ノズル等を収納するためのポケット27が形成されている。周壁25の上部は、上壁23よりも上側まで突出して形成されている。一例においては、上壁23の周縁から上方に突出する周壁25によって支持壁26が形成されている。本体ケース21は、支持壁26で囲まれた領域に液体タンク10の下部を収容した状態で、液体タンク10を支持する。なお、図示例では、支持壁26に設けられた一対のロックレバー26aが液体タンク10の係止部16に係合することによって、液体タンク10が本体ケース21に固定され得る。
【0022】
上壁23は、凹部31と、平坦部32と、段部34と、溝36と、流路37とを有する。凹部31は、上壁23の中央において平坦部32の高さ位置から下側に凹んだ部分である。図示例の凹部31は、平面視において略円形をなしている。また、凹部31は、略すり鉢状をなしており、底面31aから上側に向かって直径が大きくなっていくように、傾斜した周面31bを有している。例えば、凹部31の底面31aの直径は、液体タンク10の接続部14の外径よりも大きくなっている。また、上下方向において、凹部31の大きさ(平坦部32からの深さ)は、液体タンク10の接続部14の大きさ(底部12からの高さ)よりも大きくなっている。そのため、接続部14は凹部31内に収容可能となっている。
【0023】
上壁23の中央には、液体タンク10の弁14aに接続される給水ノズル40が設けられている。一例では、本体ケース21に収容されたポンプの駆動により、液体タンク10の弁14aから給水ノズル40を介して薬液が吸引される。薬液は、本体ケース21の周壁25から露出した吐出口25d(
図1参照)に圧送される。これにより、例えばホース等を介して吐出口25dに接続された吐出ノズルからの薬液の吐出が可能となる。なお、図示例の液体吐出装置1では、ホース、吐出ノズル等は取り外されて描かれていない。
【0024】
給水ノズル40は、内側ノズル41と外側ノズル45とを含む。
図5、
図6に示すように、内側ノズル41は、その一部が上壁23よりも上側に位置するように、本体ケース21の内側に配置されている。一例の内側ノズル41は、筒状をなす筒状部42と、筒状部42の下部に設けられ、筒状部42から径方向に突出するフランジ部43と、を含む。筒状部42は、凹部31の底面31aの中央に設けられた開口31cを介して、本体ケース21の外側に突出している。筒状部42は、フランジ部43よりも下側において、ポンプに接続されたパイプに接続されている。これにより、筒状部42を介してポンプに液体を供給することができる。フランジ部43は、凹部31に形成された開口31cよりも大きな径を有する円盤状をなしており、凹部31の下面に当接している。一例において、凹部31の下面には、フランジ部43に当接するための突起31dが形成されている。
【0025】
外側ノズル45は、小径部46と、小径部46に連続して形成される大径部47とを含む。小径部46は、液体タンク10の接続部14に形成された凹部14bに挿入される部分であり、筒状をなしている。小径部46の直径は、接続部14に形成された凹部14bの直径よりも小さい。小径部46が凹部14bに挿入されることによって、凹部14b内の弁14aが押圧される。すなわち、弁14aが開状態となる。一例において、小径部46の先端には、Oリングを装着するための溝46aが周方向に形成されている。接続部14の凹部14bに小径部46が挿通された場合、Oリングによって、凹部14bと小径部46との間が密閉される。
【0026】
大径部47は小径部46よりも大きな直径を有する円筒状をなしている。大径部47の中心軸と小径部46の中心軸とは互いに一致している。この中心軸は、本体ケース21が水平な地面等に載置された状態で、例えば鉛直方向に一致していてもよい。大径部47の内径は、内側ノズル41の筒状部42の外径と略同じであってもよい。大径部47の内周に内側ノズル41の筒状部42が嵌合されることによって、内側ノズル41と外側ノズル45とが連結される。図示例のように、開口31cから上側に突出した内側ノズル41の筒状部42と外側ノズル45の大径部47とが嵌合されることで、給水ノズル40が上壁23の凹部31の中央に固定される。一例においては、大径部47の下端(小径部46側の端部とは逆側の端部)は、厚肉に形成された厚肉部48となっている。この厚肉部48には、上壁23の凹部31の底面31aに対面するようにリング状の溝48aが形成されている。当該溝48aにOリングのようなパッキンが配置されることで、給水ノズル40と上壁23との間が密閉される。
【0027】
平坦部32は、凹部31の外側において凹部31を囲むように設けられている。平坦部32は、凹凸のない平らな上面を有している。平坦部32は、本体ケース21が水平な地面等に載置された状態で、前後方向の一方向に傾斜していてもよい。この傾斜は、例えば、自然状態において液体が下流側に流れ出す程度の斜度を有している。一例の本体ケース21においては、平坦部32は、ポケット27側に向かって下向きに傾斜している。また、
図3及び
図4に示すように、一例の平坦部32は、平面視において略矩形状を有している。平坦部32は、支持壁26の内周面のうち、前側の面に接触するとともに、左右及び後ろの面から離間している。また、平坦部32は、後述する流路37によって複数(図示例では3つ)に区切られている。
【0028】
段部34は、液体タンク10の脚部13が収容される部分である。図示例の段部34は、上壁23の左右方向の両端にそれぞれ設けられている。すなわち、段部34は、左右方向において平坦部32と支持壁26との間に、上壁23の前端から後端にわたって形成されている。段部34は、平坦部32の高さ位置から下側に凹んでいる(
図5参照)。上下方向において、段部34の大きさ(凹みの深さ)は、例えば、液体タンク10の脚部13の大きさよりも小さくてよい。この場合、液体タンク10が本体ケース21に支持された状態において、平坦部32と液体タンク10の底部12との間に間隙が形成される。
【0029】
また、段部34には、本体ケース21の周壁25のうちの挿入部25aの位置とは別の位置を示す目印34aが設けられている。一例の目印34aは、平面視において、給水ノズル40を挟んで挿入部25aの位置(右前)に対向する位置(左後)に設けられている。図示例の目印34aは、段部34に形成された刻印であり、矢印を表す形状を有している。この矢印は、本体ケース21の左後の隅を指し示している。
【0030】
溝36は、平坦部32の高さ位置から下側に凹んでおり、凹部31の深さよりも深く形成されている(
図6参照)。溝36は、上壁23の周縁の一部に形成されている。例えば、溝36は、上壁23の前後方向の一方の端部に形成されていてもよい。一例の溝36は、上壁23のポケット27側(すなわち後側)の端部において、左右方向の両端に形成された一方の段部34の位置から他方の段部34の位置にわたって形成されている。すなわち、溝36は、平坦部32によって形成される傾斜面の下端に沿って形成されている。そのため、平坦部32は、溝36に向かって下向きに傾斜していることになる。
【0031】
流路37は、凹部31と一対の段部34とを接続する一対の第1流路37bと、凹部31と溝36とを接続する第2流路37aとを含む。それぞれの第1流路37bは、平坦部32の高さ位置から下側に凹んでおり、左右方向に延在している。例えば、上下方向において、平坦部32からの第1流路37bの深さは、段部34の深さと略同じであり、凹部31の深さよりも浅くなっている。また、第1流路37bは、段部34側から凹部31側に向かって下向きに傾斜している。この傾斜は、例えば、自然状態において液体が下流側に流れ出す程度の斜度を有している。
【0032】
第2流路37aは、平坦部32の高さ位置から下側に凹んでおり、前後方向に延在している。例えば、上下方向において、平坦部32からの第2流路37aの深さは、凹部31の深さと同じか凹部31の深さよりも深く、溝36の深さよりも浅くなっている。また、第2流路37aは、凹部31側から溝36側に向かって下向きに傾斜している。この傾斜は、例えば、自然状態において液体が下流側に流れ出す程度の斜度を有している。
【0033】
以上説明した液体吐出装置1では、液体タンク10が装置本体20に装着されることによって、液体タンク10の弁14aと装置本体20の給水ノズル40とが接続される。これにより、液体タンク10内に貯留された薬液等の液体が装置本体20に供給され、ポンプ等の動作によって、吐出口25dから薬液が吐出される。一例においては、吐出口25dにホーズ介して吐出ノズルが接続されており、吐出ノズルから所望の状態で薬液等を吐出できる。
【0034】
このような液体吐出装置1では、例えば、液体タンク10を装置本体20から取り外す際などに、液体等の液体が装置本体20の上壁23に流入することが考えられる。この場合、一例の液体吐出装置1では、給水ノズル40を囲む凹部31内に液体が流れ込んだとしても、この液体は凹部31から第2流路37aを介して溝36に貯留される。このように、給水ノズル40を囲んでいる凹部31に液体が貯留され難いため、給水ノズル40の周囲から装置本体20の内部への液体の浸入が抑制される。これにより、装置本体20の内側に配置されるポンプ、モータ等の動力装置の被水が抑制される。
【0035】
また、上壁23は、凹部31を囲む平坦部32を有し、平坦部32は、溝36側に向かって下向きに傾斜している。この構成では、上壁23に流れ込んだ液体が、凹部31を介さずに、溝36に向かって流れ易くなっている。すなわち、平坦部32のうち、第1流路37bよりも後ろ側に液体が流れ込んだ場合、液体は平坦部32の傾斜によって下流側に流れ、そのまま溝36に貯留される。なお、平坦部32のうち、第1流路37bよりも前側に液体が流れ込んだ場合には、液体は平坦部32から第1流路37bに流入する。そして、第1流路37bから凹部31及び第2流路37aを介して溝36に貯留される。
【0036】
また、第2流路37aは、溝36に向かって下向きに傾斜している。この構成では、凹部31に流れ込んだ液体が、溝36に向かって流れ易くなっている。本実施形態では、装置本体20が、水平な場所に載置された状態において、第2流路37aが溝36に向かって下向きに傾斜している。そのため、液体を溝36に誘導するために、装置本体20を傾ける等の操作をする必要がない。
【0037】
また、本体ケース21の周壁の一部には、動力装置のバッテリを挿入するための挿入部25aが形成されており、本体ケース21の上壁23には、本体ケース21の周壁のうちの挿入部25aの位置とは別の位置を示す目印34aが設けられている。この構成では、使用者がバッテリの挿入部25aの位置を容易に認識でき、上壁23の溝36に溜まった液体を挿入部25a側とは別の位置から排出することができる。そのため、溝36(支持壁26で囲まれた領域内)に貯留された液体を排出する際に、挿入部25aの被水が抑制される。
【0038】
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0039】
液体吐出装置の例として高圧洗浄機を示したが、液体吐出装置は、本体装置に液体を供給するための供給ノズルを有していればよく、液体の吐出の形態については特に限定されない。例えば、液体吐出装置は、液体噴霧装置等であってもよい。
【0040】
また、目印が段部に設けられている例について示したが、目印は、例えば平坦部等のように、上壁の他の位置に設けられていてもよい。また、目印は、どの位置から排水を行えばバッテリの挿入部が被水しないかが判ればよいため、矢印以外の種々の形状、文字、又はこれらの組み合わせであってもよい。例えば、上壁に設けられた目印によってバッテリの挿入部の位置を認識可能にして、バッテリの挿入部の位置に対応する位置以外からの排水を促してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…液体吐出装置、10…液体タンク、14…接続部(バルブ)、21…本体ケース、23…上壁、31…凹部、32…平坦部、34a…目印、36…溝、37a…第2流路(流路)、40…給水ノズル(ノズル)。