(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】オンライン診察システム、その制御方法、患者側端末プログラム、医師側端末プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G16H 40/00 20180101AFI20231220BHJP
【FI】
G16H40/00
(21)【出願番号】P 2020137226
(22)【出願日】2020-08-17
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】520310388
【氏名又は名称】株式会社E-BONDホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】309005238
【氏名又は名称】アクシスルートホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 一馬
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146914(JP,A)
【文献】特開2005-122380(JP,A)
【文献】特開2006-163817(JP,A)
【文献】特開2007-172275(JP,A)
【文献】特許第6725739(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末とを備え、前記患者側端末と前記医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムであって、
前記患者側端末は、患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御手段と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御手段と、を備え、
前記第2表示制御手段による表示を通じて選択された予約先の前記医師側端末は、前記第1表示制御手段による表示を通じて入力された問診回答の情報、又は、当該問診回答の情報から生成された回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能な予約拒否手段を備え
、
前記患者側端末は、医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察中に表示させる第3表示制御手段をさらに備える
ことを特徴とするオンライン診察システム。
【請求項2】
患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末とを備え、前記患者側端末と前記医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムであって、
前記患者側端末は、患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御手段と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御手段と、を備え、
前記第2表示制御手段による表示を通じて選択された予約先の前記医師側端末は、前記第1表示制御手段による表示を通じて入力された問診回答の情報、又は、当該問診回答の情報から生成された回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能な予約拒否手段を備え
、
前記患者側端末は、医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察後に表示させる第3表示制御手段をさらに備える
ことを特徴とするオンライン診察システム。
【請求項3】
前記第1表示制御手段による表示を通じて入力された問診回答の情報から回答生成情報を生成する生成手段をさらに備え、
前記生成手段は、回答生成情報として患者の容態に関する緊急度を示す緊急度情報を生成する
ことを特徴とする請求項1
又は請求項2のいずれかに記載のオンライン診察システム。
【請求項4】
前記患者側端末は、医師の性別を患者側の要望として入力させる画像を表示させる第4表示制御手段をさらに備え、
前記第2表示制御手段は、前記第4表示制御手段における表示を通じて入力された性別に該当する医師を予約先の複数の候補として提示させる
ことを特徴とする
請求項1に記載のオンライン診察システム。
【請求項5】
前記第4表示制御手段は、さらに、趣味及び性格の少なくとも一方を患者側の要望として入力させる画像を表示させ、
前記第2表示制御手段は、前記第4表示制御手段における表示を通じて入力された傾向情報に該当する医師を予約先の複数の候補として提示させる
ことを特徴とする
請求項4に記載のオンライン診察システム。
【請求項6】
患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末とを備え、前記患者側端末と前記医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムの
制御方法であって、
前記患者側端末は、患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御工程と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御工程と、を備え、
前記第2表示制御工程における表示を通じて選択された予約先の前記医師側端末は、前記第1表示制御工程における表示を通じて入力された問診回答の情報、又は、当該問診回答の情報から生成された回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能な予約拒否工程を備え
、
前記患者側端末は、医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察中に表示させる第3表示制御工程をさらに備える
ことを特徴とする
オンライン診察システムの制御方法。
【請求項7】
患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末とを備え、前記患者側端末と前記医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムの
制御方法であって、
前記患者側端末は、患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御工程と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御工程と、を備え、
前記第2表示制御工程における表示を通じて選択された予約先の前記医師側端末は、前記第1表示制御工程における表示を通じて入力された問診回答の情報、又は、当該問診回答の情報から生成された回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能な予約拒否工程を備え
、
前記患者側端末は、医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察後に表示させる第3表示制御工程をさらに備える
ことを特徴とする
オンライン診察システムの制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムの前記患者側端末として機能させる患者側端末プログラムであって、
患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御工程と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御工程と、前記第1表示制御工程における表示を通じて入力された問診回答の情報又は問診回答から生成された回答生成情報を、前記第2表示制御工程における表示を通じて選択された候補の前記医師側端末に対して、予約成立前に送信する送信工程と、
医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察中に表示させる表示工程と、
をコンピュータに実行させる患者側端末プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムの前記患者側端末として機能させる患者側端末プログラムであって、
患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御工程と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御工程と、前記第1表示制御工程における表示を通じて入力された問診回答の情報又は問診回答から生成された回答生成情報を、前記第2表示制御工程における表示を通じて選択された候補の前記医師側端末に対して、予約成立前に送信する送信工程と、
医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察後に表示させる表示工程と、
をコンピュータに実行させる患者側端末プログラム。
【請求項10】
請求項8又は請求項9のいずれかに記載の患者側端末プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
コンピュータを、患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムの前記医師側端末として機能させる医師側端末プログラムであって、
予約成立前に、前記患者側端末から送信された問診回答の情報又は問診回答から生成された回答生成情報を受信する受信工程と、
前記受信工程において受信した問診回答の情報、又は、当該問診回答の情報から生成された回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能な予約拒否工程と、
患者とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を患者側に指定させるための画像を、オンライン診察中に前記患者側端末に表示させる表示工程と、
をコンピュータに実行させる医師側端末プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の医師側端末プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン診察システム、その制御方法、患者側端末プログラム、医師側端末プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔地に居住する者に診察を受け易くする目的や、来院時に感染症に罹患している他の患者からの感染を回避する目的で、オンライン診察の需要が高まっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のようなオンライン診察にあたり、患者側は医師に対してオンライン診察の予約を行う。しかし、患者側がオンライン診察に慣れていない場合には、オンライン診察を受けるためのカメラ設定や音声設定等の環境を整えることに注意が行き易く、適切でない病院や医師に対して予約を行ってしまう場合があり得る。このため、患者の病気について専門外の医師や、重篤な病気に対して設備の関係上、診察不可となる病院の医師に対して予約されてしまう可能性が高まってしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、より適切な医師や病院に対してオンライン診察の予約を成立させることに寄与することができるオンライン診察システム、その制御方法、患者側端末プログラム、医師側端末プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るオンライン診察システムは、患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末とを備え、前記患者側端末と前記医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムであって、前記患者側端末は、患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御手段と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御手段と、を備え、前記第2表示制御手段による表示を通じて選択された予約先の前記医師側端末は、前記第1表示制御手段による表示を通じて入力された問診回答の情報、又は、当該問診回答の情報から生成された回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能な予約拒否手段を備える。さらに、オンライン診察システムにおいて、前記患者側端末は、医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察中又はオンライン診察後に表示させる第3表示制御手段を備える。
【0007】
また、本発明に係るオンライン診察システムの制御方法は、患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末とを備え、前記患者側端末と前記医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムの制御方法であって、前記患者側端末は、患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御工程と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御工程と、を備え、前記第2表示制御工程における表示を通じて選択された予約先の前記医師側端末は、前記第1表示制御工程における表示を通じて入力された問診回答の情報、又は、当該問診回答の情報から生成された回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能な予約拒否工程を備える。さらに、オンライン診察システムの制御方法において、前記患者側端末は、医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察中又はオンライン診察後に表示させる第3表示制御工程を備える。
【0008】
本発明に係る患者側端末プログラムは、コンピュータを、患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムの前記患者側端末として機能させる患者側端末プログラムであって、患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる第1表示制御工程と、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先の複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させる第2表示制御工程と、前記第1表示制御工程における表示を通じて入力された問診回答の情報又は問診回答から生成された回答生成情報を、前記第2表示制御工程における表示を通じて選択された候補の前記医師側端末に対して、予約成立前に送信する送信工程と、をコンピュータに実行させる。さらに、患者側端末プログラムは、医師とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察中又はオンライン診察後に表示させる表示工程をコンピュータに実行させる。
【0009】
本発明に係る医師側端末プログラムは、コンピュータを、患者側に操作される患者側端末と医師側に操作される医師側端末との間の情報の送受信を通じて、オンライン診察について予約を行うと共に予約された時間にオンライン診察を行うオンライン診察システムの前記医師側端末として機能させる医師側端末プログラムであって、予約成立前に、前記患者側端末から送信された問診回答の情報又は問診回答から生成された回答生成情報を受信する受信工程と、前記受信工程において受信した問診回答の情報、又は、当該問診回答の情報から生成された回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能な予約拒否工程と、をコンピュータに実行させる。さらに、医師側端末プログラムは、患者とのオンライン診察によって患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を患者側に指定させるための画像を、オンライン診察中に前記患者側端末に表示させる表示工程をコンピュータに実行させる。
【0010】
本発明に係るコンピュータ読取可能な記録媒体は、上記に記載の患者側端末プログラム又は医師側端末プログラムを記録している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より適切な医師や病院に対してオンライン診察の予約を成立させることに寄与することできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る情報処理装置を含むオンライン診察システムの概念図である。
【
図2】
図1に示した患者側端末の詳細を示す機能構成図である。
【
図3】
図1に示した中継装置の詳細を示す機能構成図である。
【
図4】
図1に示した医師側端末の詳細を示す機能構成図である。
【
図5】第1表示制御部によって表示される事前事項の入力画像例を示す図である。
【
図6】第1表示制御部によって表示される問診内容及び回答の入力画像例を示す第1の図である。
【
図7】第1表示制御部によって表示される問診内容及び回答の入力画像例を示す第2の図である。
【
図8】第4表示制御部により表示される検索画像の例を示す図である。
【
図9】第2表示制御部により表示される複数の候補の画像例を示す図である。
【
図10】情報処理部による緊急度の算出方法の一例を示す概念図である。
【
図11】医師側端末に表示される第1の画像例を示す図である。
【
図12】医師側端末に表示される第2の画像例を示す図である。
【
図13】医師側端末にて予約を拒否した場合の表示画像例を示す図である。
【
図14】医師側から次回の診察日時の提案が行われたときの患者側端末にて表示される画像例を示す図である。
【
図15】第3表示制御部によって表示される薬局指定画像の例を示す図である。
【
図16】本実施形態に係るオンライン診察システムのオンライン予約方法を示すフローチャートであり、患者側端末の処理を示している。
【
図17】本実施形態に係るオンライン診察システムのオンライン予約方法を示すフローチャートであり、医師側端末の処理を示している。
【
図18】本実施形態に係るオンライン診察システムのオンライン診察方法を示すフローチャートであり、患者側端末の処理を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0014】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置を含むオンライン診察システムの概念図である。
図1に示すように、オンライン診察システム1は、患者側に操作される患者側端末100と、医師側に操作される医師側端末300と、両端末100,300を中継する中継装置200とを備え、患者側端末100と医師側端末300との間の情報の送受信を通じてオンライン診察の予約が行われるものである。また、オンライン診察システム1は、オンライン診察の予約が行われた時間にオンライン診察を行うべく、両端末100,300同士をオンライン接続する。
【0015】
オンライン診察システム1については、まず患者側端末100から医師側端末300に対して日時が指定された予約が行われる。医師側端末300は、患者側端末100からの予約があった場合にその内容を表示可能となっている。医師等は、予約を受けるか否かを判断し、予約を受ける旨の操作を行った場合には予約が成立し、予約を拒否する旨の操作を行った場合には予約が不成立となる。予約が成立して予約日時となると、患者側端末100と医師側端末300とがオンライン接続されて、オンライン診察が開始される。
【0016】
特に、本実施形態に係るオンライン診察システム1では、予約が成立する前(予約の申し込み時)に問診回答の情報を患者側端末100から医師側端末300に送信する。このため、医師側は、医師側端末300にて確認可能な問診回答等に基づいて、専門外であることや診察不可となるほどの重篤な病気の可能性を判断でき、専門外や診察不可時には予約を拒否することができる。よって、本実施形態に係るオンライン診察システム1は、より適切な医師や病院に対してオンライン診察の予約を成立させることができる構成となっている。以下、各部100,200,300について詳細に説明する。
【0017】
図2は、
図1に示した患者側端末100の詳細を示す機能構成図である。患者側端末100は、パーソナルコンピューターやスマートフォン等によって構成され、
図2に示すように操作部110と、表示部120と、表示制御部130と、送信部140と、受信部150と、記憶部160とを備えている。
【0018】
操作部110は患者側によって操作される部位であり、表示部120は患者側に対して画像を提供するものである。患者側端末100がパーソナルコンピューターである場合、操作部110はマウスやキーボードが該当し、表示部120はディスプレイが該当する。患者側端末100がスマートフォンである場合、操作部110及び表示部120は、液晶パネルのような表示装置とタッチパッドのような位置入力装置とを組み合わせたタッチパネルが該当する。
【0019】
表示制御部130は、表示部120に画像表示させる制御を実行するものである。送信部140は、中継装置200を介して医師側端末300に情報送信するものであり、受信部150は、中継装置200を介して医師側端末300から情報を受信するものである。記憶部160は、患者側端末100を機能させるための患者側端末プログラムが記憶されたものである。この患者側端末プログラムが実行されることにより、患者側端末100の各部が機能することとなる。
【0020】
また、
図2に示すように、表示制御部130は、第1表示制御部(第1表示制御手段)131と、第2表示制御部(第2表示制御手段)132と、第3表示制御部(第3表示制御手段)133と、第4表示制御部(第4表示制御手段)134とを備えている。
【0021】
第1表示制御部131は、患者側に対して問診内容を提示すると共に、問診回答を入力させる画像を表示するものである。詳細に第1表示制御部131は、
図5に示す事前事項を入力させる画像、並びに
図6及び
図7に示す問診内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像を表示させる。
【0022】
図5は、第1表示制御部131によって表示される事前事項の入力画像例を示す図である。
図5に示すように、第1表示制御部131は、患者の生年月日の情報を入力するための入力部I1と、患者の性別を入力するための入力部I2と、患者の兄弟の人数を入力するための入力部I3と、患者の住所を入力するための入力部I4と、健康保険番号を入力するための入力部I5とを表示する。患者側は、これら入力部I1~I5として表示されるドロップボックスを操作したりテキストボックスに文字を書き込んだりして、各種情報を入力する。なお、事前事項については、これらに限らず、例えば診察券番号やID等を含んでいてもよい。
【0023】
このような事前事項として入力された情報は、その患者の情報として記憶部160、又は、中継装置200や医師側端末300の記憶部(後述の符号240,360)に記憶される。さらに、次回以降、オンライン診察システム1を利用する場合には、例えば、記憶内容に基づいて入力部I1~I5が自動入力されたり、事前事項の入力自体(すなわち
図5に示す画像表示自体)が省略されたりする。
【0024】
図6は、第1表示制御部131によって表示される問診内容及び回答の入力画像例を示す第1の図である。
図5に示す入力が完了すると、第1表示制御部131は、
図6に示す画像を表示させる。すなわち、第1表示制御部131は、患者の体温に関する情報を入力するための入力部I6と、患者の体重を入力するための入力部I7と、患者の過去の受診の情報を入力するための入力部I8とを表示する。患者側は、これら入力部I6~I8として表示されるドロップボックスやラジオボタンを操作して各種情報を入力する。
【0025】
図7は、第1表示制御部131によって表示される問診内容及び回答の入力画像例を示す第2の図である。
図6に示す入力が完了すると、第1表示制御部131は、
図7に示す画像を表示させる。すなわち、第1表示制御部131は、患者の症状(容態)に関する情報を入力する入力部I9を表示する。具体的に第1表示制御部131は、様々な症状とチェックボックスとを隣接させて表示させている。患者側は、チェックボックスをチェックすることで隣接する症状を指定することができる。
【0026】
さらに、図示を省略するが、
図7に示した症状の入力が完了すると、第1表示制御部131は、選択した症状の詳細を問う質問を提示すると共に質問に対する回答を入力させる画像を表示させる。この画像に対する入力が完了することで、患者側端末100は問診回答の情報を得ることととなる。
【0027】
再度
図2を参照する。第4表示制御部134は、患者に対してオンライン診察を予約する予約先となる複数の候補を検索するための画像を表示するものである。
図8は、第4表示制御部134により表示される検索画像の例を示す図である。
【0028】
第4表示制御部134は、
図8に示す画像を表示させる。すなわち、第4表示制御部134は、医者及び病院のどちらを検索するかを指定するための指定部D1と、医者や病院の所在地を指定して検索するための指定部D2と、現在地から近い医者や病院を指定して検索するための指定部D3とを表示させる。また、第4表示制御部134は、オンライン診察可能な日付から医師や病院を検索するための指定部D4と、医師名や診療科を直接テキスト入力して検索するための入力部I10を表示する。
【0029】
加えて、第4表示制御部134は、医師に対する更なる付加条件を指定可能な指定部D5~D7を表示する。このうち、こだわり条件指定部D5は、「すぐに予約が可能」「高評価」「女性医師」「夜間・休日診療あり」「所属病院の臨床数が多い」の項目と、これらに隣接するチェックボックスとを有している。患者側は、チェックボックスをチェックすることで、隣接する項目を指定することができる。特に、こだわり条件指定部D5は、「女性医師」の項目を有することから、医師の性別を患者側の要望として入力させることができる。
【0030】
趣味指定部D6は、「スポーツ」「読書」「映画」「ゲーム」「料理」といった趣味の項目と、これらに隣接するチェックボックスとを有している。性格指定部D7は、「ハキハキ」「おっとり」「真面目」「社交的」といった性格の項目と、これらに隣接するチェックボックスとを有している。患者側は、これらのチェックボックスをチェックすることで、隣接する項目を指定することができる。特に、趣味指定部D6及び性格指定部D7は、これらの項目を有することから、チェックボックスをチェックすることで、趣味及び性格を患者側の要望として入力させることができる。
【0031】
再度
図2を参照する。第2表示制御部132は、患者側に対してオンライン診察を予約する予約先となる複数の候補を提示すると共に患者側に複数の候補からいずれかを選択させる画像を表示させるものである。
図9は、第2表示制御部132により表示される複数の候補の画像例を示す図である。
【0032】
第2表示制御部132は、例えば
図9に示す画像を表示させる。すなわち、第2表示制御部132は、入力部I10に入力された入力内容、及び指定部D1~D7に対して行われた指定内容に基づく医師(病院を検索した場合には病院)を、予約先の候補C1~C3として表示する。これらの予約先の候補C1~C3には、医師が所属する病院、病院の住所、医師名、医師の評価、主な専門分野、及び役職の情報が含まれている。さらに、候補C1~C3には、趣味や性格に関するマッチング度についても含まれている。
【0033】
このような予約先の候補C1~C3は指定操作が可能となっており、例えば候補C2が指定された場合、第2表示制御部132は、
図9に示すように候補C2を指定した旨を示す枠画像Fを表示させる。その後、不図示の操作ボタン等が操作されることで、患者側端末100は、指定した予約先の候補C1~C3にオンライン診察の予約に関する情報を送信することとなる。すなわち、患者側端末100は、指定された候補C1~C3の医師側端末300にて予約が成立する前に、問診回答の情報を送信する。
【0034】
なお、予約先の候補C1~C3は1つに限らず複数指定されてもよい。この場合、指定された複数の候補C1~C3のいずれか1つの医師側端末300にて予約を承諾する旨の操作があった場合、他の候補C1~C3については自動的に予約の要求が取り下げられることが好ましい。
【0035】
図3は、
図1に示した中継装置200の詳細を示す機能構成図である。中継装置200は、例えばサーバ装置によって構成され、
図3に示すように、受信部210と、情報処理部(生成手段)220と、送信部230と、記憶部240とを備えている。
【0036】
受信部210は、患者側端末100及び医師側端末300から情報を受信するものである。情報処理部220は、受信した情報を加工処理するものである。また、送信部230は、患者側端末100及び医師側端末300に対して情報送信するものである。記憶部240は、中継装置200の全体を制御するためのプログラムを記憶したものである。
【0037】
ここで、情報処理部220は、第1表示制御部131による画像表示を通じて入力された問診回答の情報から、回答生成情報を生成する。ここで、回答生成情報とは、問診回答の情報を加工して得られる情報である。情報処理部220は、体温が39℃以上である問診回答の情報を受信した場合、例えば体温が非常に高温である旨の回答生成情報を生成する。これにより、医師側端末300の表示の際には、体温の数値情報に隣接して例えば「高温」等の表示が可能となる。
【0038】
さらに、本実施形態において情報処理部220は、患者の容態に関する緊急度を示す緊急度情報を生成する。
図10は、情報処理部220による緊急度の算出方法の一例を示す概念図である。本実施形態において記憶部240は、例えば問診内容の回答1つずつに対して個別の緊急度を記憶している。このため、情報処理部220は、患者側からの問診回答に応じて該当する個別の緊急度を加算する。さらに、記憶部240は、特定の問診回答の特定の組合せについても個別の緊急度を記憶している。このため、情報処理部220は、特定の問診内容(例えば
図10の問診2と問診3)に対して特定の回答の組合せ(例えば問診2について回答3、問診3について回答2の組合せ)があった場合、その個別の緊急度を加算する。情報処理部220は、加算された合計の緊急度を回答生成情報として生成する。
【0039】
情報処理部220の送信部230は、生成した回答生成情報を、患者側に指定された候補C1~C3の医師側端末300に送信する。なお、
図10に示す例において問診内容は5つであるが、これに限られるものではない。
【0040】
図4は、
図1に示した医師側端末300の詳細を示す機能構成図である。医師側端末300は、例えばパーソナルコンピューターによって構成され、
図4に示すように操作部310と、表示部320と、表示制御部330と、送信部340と、受信部350と、記憶部360とを備えている。
【0041】
操作部310は医師側によって操作される部位であり、表示部320は医師側に対して画像を提供するものである。医師側端末300がパーソナルコンピューターである場合、操作部310はマウスやキーボードが該当し、表示部320はディスプレイが該当する。
【0042】
表示制御部330は、表示部320に画像表示させるものである。送信部340は、中継装置200を介して患者側端末100に情報送信するものであり、受信部350は、中継装置200を介して患者側端末100から情報を受信するものである。記憶部360は、医師側端末300を機能させるための医師側端末プログラムが記憶されたものである。この医師側端末プログラムが実行されることにより、医師側端末300の各部が機能することとなる。
【0043】
また、
図4に示すように、表示制御部330は、操作画像表示制御部(予約拒否手段)331を備えている。操作画像表示制御部331は、医師側が操作を行う際の画像を表示するものである。ここで、患者側端末100からオンライン診察の予約があった場合、表示制御部330は、
図11及び
図12に示す画像を表示する。
【0044】
図11及び
図12は、医師側端末300に表示される画像例を示す図である。医師側端末300が中継装置200から問診回答の情報と回答生成情報とを受信すると、表示制御部330は、
図11に示すように、問診回答の情報A1と回答生成情報A2とを表示する。さらに、表示制御部330は、事前事項として患者側に入力された情報A3も表示する。加えて、表示制御部330は、緊急度を示す回答生成情報A2として、数値情報A21と、数値を図形化して見易くした図形情報A22とを表示させる。
【0045】
また、操作画像表示制御部331は、医師側の操作に応じて、又は、所定時間の経過等に応じて、
図12に示すような操作部画像O1を表示させる。この操作部画像O1内には、本件の予約を承諾するか否かを決定するための決定部O2,O3が表示されており、医師側は、いずれかの決定部O2,O3を指定することで、予約を承諾するか拒否するかを選択することができる。
【0046】
医師側が予約を承諾した場合、医師側端末300の送信部340は、その旨を患者側端末100に送信する。患者側端末100の受信部150はこの情報を受信し、表示部120等は、予約が成立した旨を患者側に通知する。一方、医師側が予約を拒否した場合、操作画像表示制御部331は、
図13に示す画像を表示させる。
【0047】
図13は、医師側端末300にて予約を拒否した場合の表示画像例を示す図である。
図13に示すように、医師側が操作部画像O1の決定部O3を指定して予約を拒否する操作を行った場合、操作画像表示制御部331は、拒否理由を入力させるための拒否理由指定部D8を含む画像を表示する。拒否理由指定部D8は、拒否理由を示す項目と、これに隣接するラジオボタンとを有している。医師側は、ラジオボタンを指定することで拒否理由を選択することができる。
【0048】
その後、医師側が送信操作を行うと、予約を拒否する旨の情報と、拒否理由の情報とが患者側に送信される。これにより、患者側に予約を拒否した旨と、正当な理由により拒否したことを伝えることができる。また、患者側においては拒否理由を参照することで、他の病院や医師等に対して、適切にオンライン診察の予約を行うことができる。
【0049】
さらに、本実施形態に係るオンライン診察システム1は、オンライン診察の最中に、次回の予約を確保できるようになっている。この場合、例えば医師側の操作を通じて医師側端末300から次回の診察日時の提案が行われる。提案が行われると、患者側端末100の表示制御部130は、
図14に示す表示を行う。
【0050】
図14は、医師側から次回の診察日時の提案が行われたときの患者側端末100にて表示される画像例を示す図である。
図14に示すように、患者側端末100の表示制御部130は、医師側端末300によって入力された次回の診察日時(予約日時)の情報を含む操作部画像O4を表示させる。この操作部画像O4内には、次回の診察日時の提案を受けるか否かを示す決定部O5,O6が表示されており、患者側は、いずれかの決定部O5,O6を指定することで、次回の診察日時の提案を受けるか拒否するかを選択することができる。なお、患者側が拒否した場合には、再度医師側からの提案が行われたり、後日、患者側から新たに予約を行うこととなる。
【0051】
加えて、本実施形態において患者側端末100は、
図2に示したように、第3表示制御部133を備えている。第3表示制御部133は、患者側に交付すべきと決定された医薬品の情報を有した処方箋情報の送り先となる薬局を指定するための画像を、オンライン診察中に表示させるものである。なお、処方箋情報は、メール等の電子データによって医師側から薬局に送られる場合に限らず、FAXや郵送により医師側から薬局に送られてもよい。
【0052】
図15は、第3表示制御部133によって表示される薬局指定画像の例を示す図である。例えば、患者側又は医師側からの操作により薬局を指定するための操作部画像O7を表示させることが可能となっている。操作部画像O7には、前回医薬品を受け取った薬局を指定するための決定部O8と、自宅に最も近い薬局を指定するための決定部O9と、直接薬局名や薬局住所等を入力するための入力部I11が含まれている。患者側は、決定部O8,O9を指定するか、入力部I11に文字入力することで処方箋情報の送り先となる薬局を指定することができる。
【0053】
次に、本実施形態に係るオンライン診察システム1のオンライン予約方法とオンライン診察方法とを説明する。
図16は、本実施形態に係るオンライン診察システム1のオンライン予約方法を示すフローチャートであり、患者側端末100の処理を示している。
【0054】
まず、患者側端末100は、
図5に示したような画像表示を通じて、事前事項の入力が完了したかを判断する(S1)。事前事項の入力が完了していない場合(S1:NO)、入力が完了したと判断されるまで、この処理が繰り返される。
【0055】
事前事項の入力が完了した場合(S1:YES)、第1表示制御部131は、
図6及び
図7に示すような問診内容を有する画像を表示する(S2)。その後、患者側端末100は、問診回答の入力が完了したかを判断する(S3)。問診回答の入力が完了していない場合(S3:NO)、処理はステップS2に移行する。
【0056】
問診回答の入力が完了した場合(S3:YES)、患者側端末100は、
図8に示したうような画像を通じて検索入力が行われたかを判断する(S4)。検索入力が行われていない場合(S4:NO)、入力が行われたと判断されるまで、この処理が繰り返される。
【0057】
検索入力が行われた場合(S4:YES)、第1表示制御部131は、
図9に示したような複数の候補C1~C3を表示させる(S5)。その後、患者側端末100は、複数の候補C1~C3のうちいずれかが選択されたかを判断する(S6)。複数の候補C1~C3のいずれも選択されていない場合(S6:NO)、処理はステップS5に移行する。
【0058】
複数の候補C1~C3のいずれかが選択された場合(S6:YES)、図示を省略したが、第1表示制御部131は、選択した医師や病院の詳細を表示させる(S7)。この詳細表示は、例えば
図9に示した候補C1~C3の表示よりも詳細な表示であり、例えば医師に対する口コミ等を参照可能なものである。
【0059】
その後、患者側端末100は、ステップS7にて詳細表示した候補C1~C3のいずれかでOKされたかを判断する(S8)。OKされなかった場合(S8:NO)、処理はステップS5に移行する。OKされた場合(S8:YES)、表示制御部130は、表示部120に対して仮予約された旨を表示させる(S9)。その後、患者側端末100は、医師側端末300からの返信の待ち状態となり、予約が成立したかを判断する(S10)。
【0060】
医師側端末300から予約を承諾した旨の情報が返信され、予約が成立した場合(S10:YES)、表示制御部130は、表示部120に対して予約が成立した旨の情報を表示させることで、患者側に通知を行う(S11)。その後、
図16に示す処理は終了する。
【0061】
一方、予約が不成立となった場合(S10:NO)、表示制御部130は、表示部120に対して予約が不成立となった旨及び拒否理由の情報を表示させることで、患者側に通知を行う(S12)。その後、
図16に示す処理は終了する。
【0062】
図17は、本実施形態に係るオンライン診察システム1のオンライン予約方法を示すフローチャートであり、医師側端末300の処理を示している。
【0063】
まず、医師側端末300は、患者側から仮予約があったかを判断する(S21)。仮予約がなかった場合(S21:NO)、あったと判断されるまで、この処理が繰り返される。一方、仮予約があった場合(S21:YES)、表示制御部330は、
図11に示したような画像表示を行って、医師側に問診回答の情報A1と回答生成情報A2(特に緊急度)とを表示する(S22)。
【0064】
次に、医師側端末300は、
図12に示したような操作部画像O1を通じて予約の承諾があったかを判断する(S23)。承諾があった場合(S23:YES)、医師側端末300は、予約が成立した旨の情報を患者側端末100に送信する(S24)。その後、
図17に示す処理は終了する。
【0065】
一方、予約の承諾がなく予約が拒否された場合(S23:NO)、医師側端末300は、
図13に示したような画像を通じて拒否理由が入力されたかを判断する(S25)。拒否理由が入力されていない場合(S25:NO)、拒否理由が入力されるまで、この処理が繰り返される。拒否理由が入力された場合(S25:YES)、医師側端末300は、予約が不成立となった旨及び拒否理由の情報を患者側端末100に送信する(S26)。その後、
図17に示す処理は終了する。
【0066】
図18は、本実施形態に係るオンライン診察システム1のオンライン診察方法を示すフローチャートであり、患者側端末100の処理を示している。
【0067】
図18に示すように、まず患者側端末100は予約日時になったかを判断する(S31)。予約日時になっていない場合(S31:NO)、予約日時になるまで、この処理が繰り返される。
【0068】
予約日時になった場合(S31:YES)、オンライン診察が開始される(S32)。この際、例えば患者側へ通知を行い、所定のログイン処理等を経て、オンライン診察が開始されることが好ましい。
【0069】
その後、患者側端末100は、患者側端末100からの次回予約の要求、又は医師側端末300からの次回予約の提案があったかを判断する(S33)。次回予約の要求又は提案がなかった場合(S33:NO)、処理はステップS39に移行する。
【0070】
次回予約の要求又は提案があった場合(S33:YES)、表示制御部130は、例えば
図14に示したようにして、次回予約の日時を患者側に提示する(S34)。その後、患者側端末100は、次回予約の日時にてOKしたかを判断する(S35)。次回予約の日時でOKしなかった場合(S35:NO)、その旨の返信がされ、医師側端末300から再度予約日時の提示が行われる。すなわち、処理はステップS34に移行する。
【0071】
一方、次回予約の日時をOKした場合(S35:YES)、患者側端末100は、予約を決定し(S36)、その旨を返信する。医師側端末300は、この返信によって予約が受諾されたことを確認する。
【0072】
その後、患者側端末100は、例えば
図15に示したような操作部画像O7を表示させ、薬局指定操作があったかを判断する(S37)。薬局指定操作がなかった場合(S37:NO)、処理はステップS39に移行する。一方、薬局指定操作があった場合(S37:YES)、患者側端末100は処方箋情報を送信する薬局を決定し、決定した薬局の情報を医師側端末300に送信する(S38)。
【0073】
その後、患者側端末100は、オンライン診察が終了したかを判断する(S39)。オンライン診察が終了していない場合(S39:NO)、処理はステップS33に移行する。オンライン診察が終了した場合(S39:YES)、患者側端末100は、医師側端末300とのオンライン接続を終了し、評価処理を実行する(S40)。この評価処理において患者側端末100は、オンライン診察を行った医師への口コミの書き込みやレーティングが促される。
【0074】
次いで、患者側端末100は、患者側からの操作によって、オンライン診察を行った医師をブックマークするかを判断する(S41)。ブックマークしない場合(S41:NO)、
図18に示す処理は終了する。ブックマークする場合(S41:YES)、患者側端末100は、ブックマーク処理を実行し(S42)、
図18に示す処理は終了する。
【0075】
このようにして、本実施形態に係るオンライン診察システム1、そのオンライン予約方法、患者側端末プログラム、医師側端末プログラム、及び記録媒体によれば、問診回答の情報又はこれから生成される回答生成情報に基づいてオンライン診察の予約を拒否可能である。ここで、問診回答の情報はもとより、回答生成情報についても患者の状態を表すものであることから、病院や医師側では専門外であることや診察不可となるほどの重篤な病気の可能性を判断でき、専門外や診察不可時には予約を拒否することができる。従って、より適切な医師や病院に対してオンライン診察の予約を成立させることに寄与することができる。
【0076】
また、回答生成情報として患者の容態に関する緊急度を示す緊急度情報を生成するため、病院の医師や医師側端末300が緊急度に基づいて簡易な判断にて予約を拒否することができる。
【0077】
また、オンライン診察中に処方箋情報を送る薬局を指定するため、オンライン診察終了後、医師は処方箋情報を用意でき次第、指定の薬局に処方箋情報を送ることができ、円滑な業務の進行に資することができる。
【0078】
また、医師の性別を患者側の要望として入力させるため、例えば女性の患者が女医を望む場合には予約先の複数の候補C1~C3を女医のみとし、患者側の要求を満たすことに資することができる。
【0079】
また、医師の趣味及び性格の少なくとも1つを患者側の要望として入力させるため、例えば患者側にとって気の合い易い医師が予約先の複数の候補C1~C3として抽出され易くなり、オンライン診察の普及に寄与することができる。
【0080】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0081】
例えば、上記実施形態において端末100,300及び装置200は、それぞれが単体の機器によって構成されることを想定しているが、これに限らず、例えばネットワーク接続される2台以上の機器によって構成されていてもよい。
【0082】
また、上記実施形態において、オンライン診察の予約の拒否は医師側による選択操作によって行われていたが、これに限らず、医師側端末300による自動判断によって行われてもよい。この場合、例えば緊急度が所定値以上である場合に、拒否する等を行ってもよい。
【0083】
また、患者側端末100は、拒否理由の情報を受信した場合、拒否理由の情報を利用して再度同じ拒否理由に該当しないような候補C1~C3を検索可能となっていてもよい。
【0084】
さらに、本実施形態において第3表示制御部133はオンライン診察中に処方箋情報の送り先となる薬局を指定する画像を表示しているが、これに限らず、オンライン診察終了後に画像を表示してもよい。これにより、患者側が例えば近くの薬局を検索する等して、薬局を指定することができ、患者側に都合がよい薬局を指定することができるからである。
【0085】
また、本実施形態において回答生成情報は中継装置200によって生成されているが、これに限らず、患者側端末100にて生成されてもよいし、医師側端末300にて生成されてもよい。さらには、回答生成情報が生成されることなく、患者側端末100からの問診回答の情報のみを医師側端末300にて参照可能としてもよい。
【0086】
さらに、本実施形態において患者側端末100は、薬局側の端末とのオンライン接続が可能となっており、オンラインでの服薬指導を経て医薬品が郵送されるようになっていてもよい。
【0087】
加えて、本実施形態において第1表示制御部131は、例えば
図6及び
図7等に示すように、患者側に対して問診の内容を提示すると共に問診回答を入力させる画像について、複数の画像を表示させているが、特に複数の画像に限らず、1つの画像であってもよい。また、他の画像例についても同様であって、複数の画像であるか1つの画像であるかを問うものではない。
【0088】
さらに、本実施形態に係るオンライン診察システム1は、患者側端末100と医師側端末300との間に1台の中継装置200が介在しているが、中継装置200は特に1台のみに限らず、複数台が介在するようになっていてもよい。加えて、患者側端末100は患者によって保有されるものに限らず、薬局や保健所等に設置され所有者が患者側でない端末であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 :オンライン診察システム
100 :患者側端末
131 :第1表示制御部(第1表示制御手段)
132 :第2表示制御部(第2表示制御手段)
133 :第3表示制御部(第3表示制御手段)
134 :第4表示制御部(第4表示制御手段)
220 :情報処理部(生成手段)
300 :医師側端末
331 :操作画像表示制御部(予約拒否手段)
C1~C3 :候補