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特許7406552接続装置、接続装置を製造するための方法、および、ねじスリーブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】接続装置、接続装置を製造するための方法、および、ねじスリーブ
(51)【国際特許分類】
   F16L 25/01 20060101AFI20231220BHJP
   F16L 27/08 20060101ALI20231220BHJP
   F16L 21/00 20060101ALI20231220BHJP
   A47L 9/24 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
F16L25/01
F16L27/08 Z
F16L21/00 D
A47L9/24 E
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021525086
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2019079400
(87)【国際公開番号】W WO2020099108
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-05-20
(31)【優先権主張番号】102018219285.5
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518407205
【氏名又は名称】フェストール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】マイアー・シュテッフェン
【審査官】渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04625998(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102014119243(DE,A1)
【文献】国際公開第2019/011591(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 25/01
F16L 27/08
F16L 21/00
A47L 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能ユニット(3A、3B)、工具(5)及び/またはノズルとの、吸引ホース(2)の流動的な接続のための接続装置(1A、1B)であって、
この接続装置(1A、1B)が、第1の接続部分(6)と、第2の接続部分(7)とを備えており、
これら接続部分の内の一方の接続部分(6)が、前記吸引ホース(2)と接続可能であるかまたは接続されており、他方の前記接続部分(7)が、機能ユニット(3A、3B)と接続可能であるかまたは接続されており、
これら接続部分の内の一方の接続部分(6)が、少なくとも部分的に、他方の前記接続部分(7)の内部に位置し、且つ、一方の前記接続部分の外側周囲(15)が、他方の前記接続部分(7)の内側周囲(14)に当接し、
前記吸引ホース(2)のための回転補償を提供するために、両方の前記接続部分(6、7)が相互に回転可能に支承されており、および、
両方の前記接続部分(6、7)の間で、静電防止機能の提供のための電気的な接続が存在する、
様式の上記接続装置において、
第1の前記接続部分(6)が、半径方向に変形可能なばね部分(8)を備えており、
このばね部分によって、第2の前記接続部分(7)における当接が行われること、および、前記ばね部分(8)が、1つまたは複数のスリット(16)を有していること、
特徴とする接続装置(1A、1B)。
【請求項2】
1つまたは複数の前記スリット(16)は、第1の前記接続部分(6)の軸線方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の接続装置(1A、1B)。
【請求項3】
1つまたは複数の前記スリット(16)は、第1の前記接続部分(6)の第1の端側面(25)に至るまで延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の接続装置(1A、1B)。
【請求項4】
複数の前記スリット(16)は、第1の前記接続部分(6)の周囲の周りに分配されて配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の接続装置(1A、1B)。
【請求項5】
前記ばね部分(8)は、第1の前記接続部分(6)の軸線方向部分であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の接続装置(1A、1B)。
【請求項6】
前記ばね部分(8)は、変形されていない状態において、第1の前記接続部分(6)の最大の外側周囲を規定していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
【請求項7】
第1の前記接続部分(6)は、ねじスリーブ(9)であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
【請求項8】
第2の前記接続部分(7)は、スリーブ(11)、または、スリーブの一部分であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
【請求項9】
前記第1の接続部分(6)は中空円筒形である、及び/または、前記第2の接続部分(7)が中空円筒形であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
【請求項10】
前記ばね部分(8)は、
第1の前記接続部分(6)と第2の前記接続部分(7)との間の電気的な接続の提供のために利用され、および、
第2の前記接続部分(7)に対して相対的な第1の前記接続部分(6)の軸線方向の固定のために利用されない、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
【請求項11】
更に、固定リング(19)を備えており、この固定リングは、第1の前記接続部分(6)が第2の前記接続部分(7)から引き出されることを防止することを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
【請求項12】
このばね部分(8)を介して第1の前記接続部分(6)と第2の前記接続部分(7)との間の電気的な接続が行われる前記ばね部分(8)は、差込み方向において、第1の前記接続部分(6)の前方に配置されており、
この差込み方向が、第1の前記接続部分(6)が第2の前記接続部分(7)内へと装入可能な方向であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
【請求項13】
吸引ホース(2)、機能ユニット(3A、3B)、および、請求項1から12のいずれか一つによる接続装置(1A、1B)を備えている装置(10)において、
前記接続装置(1A、1B)が、前記吸引ホース(2)と前記機能ユニット(3A、3B)との間の、電気的および流動的な接続を提供することを特徴とする上記装置(10)。
【請求項14】
前記機能ユニット(3A、3B)は、吸引装置(4)であることを特徴とする請求項13に記載の装置(10)。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一つによる接続装置(1)の製造のための方法であって、
この方法が、ステップ:
第1の前記接続部分(6)の前記外径が第1の許容差範囲(T1)内にあることに従う、第1の製造許容差を有する、第1の前記接続部分(6)の製造(S1)、
第2の前記接続部分(7)の前記内径が第2の許容差範囲(T2)内にあることに従う、第2の製造許容差を有する、第2の前記接続部分(7)の製造(S2)、その際、前記第1の許容差範囲(T1)の上側の限界値(OG1)が、前記第2の許容差範囲(T2)の下側の限界値(UG2)よりも大きい、
を含んでいる前記方法。
【請求項16】
前記第1の許容差範囲(T1)の前記上側の限界値(OG1)は、少なくとも0.1mmまたは少なくとも0.15mmまたは少なくとも0.2mmだけ、前記第2の許容差範囲(T2)の前記下側の限界値(UG2)よりも大きいことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の許容差範囲(T1)の前記下側の限界値(UG1)は、最大0.4mmまたは最大0.3mmだけ、前記第2の許容差範囲(T2)の前記上側の限界値(OG2)よりも小さいことを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
導電性のプラスチックから成るねじスリーブ(9)であって、
このねじスリーブ(9)が、ねじ山を備えている、中空円筒形のベース部分(21)を備えており、
この内側ねじ山(22)でもって、前記ねじスリーブ(9)が、吸引ホース(2)の上にねじり固定可能である、
様式のねじスリーブ(9)において、
前記ベース部分(21)に、軸線方向に引き続いての中空円筒形ばね部分(8)が設けられており、
このばね部分(8)が、軸線方向に延びる複数のスリット(16)を有しており、半径方向に内方へと弾性的に変形可能であり、且つ、変形されていない状態において、前記ねじスリーブ(9)の最大の外側周囲を規定している、
ことを特徴とするねじスリーブ(9)。
【請求項19】
前記ねじ山は、内側ねじ山(22)であることを特徴とする請求項18に記載のねじスリーブ(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能ユニット、特に吸引装置、工具及び/またはノズルとの、吸引ホースの流動的な接続のための接続装置に関し、
その際、この接続装置が、中空円筒形の第1の接続部分と、中空円筒形の第2の接続部分とを備えており、
その際、これら接続部分の内の一方の接続部分が、前記吸引ホースと接続可能であるかまたは接続されており、他方の前記接続部分が、機能ユニットと接続可能であるかまたは接続されており、
その際、これら接続部分の内の一方の接続部分が、少なくとも部分的に、他方の前記接続部分の内部に位置し、且つ、一方の前記接続部分の外側周囲が、他方の前記接続部分の内側周囲に当接し、
その際、前記吸引ホースのための回転補償を提供するために、両方の前記接続部分が相互に回転可能に支承されており、および、
その際、両方の前記接続部分の間で、静電防止機能の提供のための電気的な接続が存在する。
【背景技術】
【0002】
中空円筒形の第1の接続部分は、例えばねじスリーブであり、中空円筒形の第2の接続部分が、例えばスリーブである。この第1の接続部分は、合目的に、吸引ホースの上でねじり固定されており、且つ、第2の接続部分内へと装入されている。この第2の接続部分は、例えば、吸引装置に固定されている。
この第1の接続部分は、この第1の接続部分の外側周囲でもって、この第2の接続部分の内側周囲に当接している。このことによって、特に、この第1の接続部分とこの第2の接続部分との間の電気的な接触が提供され、この接触が、静電防止機能を提供することに利用される。従って、静電気の帯電が防止され得るために、吸引ホースと接続部分とを介して、接地導線に対する電気的な接続が提供される。
【0003】
第1の接続部分と第2の接続部分とは、相互に回転可能に支承されている。特に、この第1の接続部分は、この第2の接続部分に対して相対的に自由に回転され得る。
この第2の接続部分に対して相対的な、この第1の接続部分の回転可能な支承は、吸引ホースのための回転補償を提供することに利用される。この回転補償は、作動状態において、吸引ホースの所望されない延び具合及び/またはこの吸引ホースの強直を誘起するかもしれない、この吸引ホースの誤旋回の状態になることを防止する。
【0004】
この回転補償のために、第1の接続部分が、過度に大きな労力無しに、第2の接続部分に対して相対的に回転され得ることは必要である。特に、第1の接続部分の回転のために必要な回転トルクは、誤旋回された吸引ホースのねじりトルクよりも小さい必要がある。第1の接続部分の回転のために必要な回転トルクは、この第1の接続部分とこの第2の接続部分との間の摩擦力に依存する。この摩擦力を少なく維持するために、この第1の接続部分の外径が、この第2の接続部分の内径に対して相対的に、相応して小さく構成されることは可能である。
この状況において、両方の接続部分がもはや十分に接触せず、従って、両方の接続部分の間の電気的な接触が阻害され、このことによって、静電防止機能がもはや与えられていないというリスクが、確かに存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、冒頭に記載された様式の接続部分を、回転補償と同様に静電防止機能も高い信頼性で提供され得るように、修正することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1に従う接続装置によって解決される。
【発明の効果】
【0007】
接続装置の第1の接続部分は、ばね部分を備えており、このばね部分が、半径方向に変形可能である。このばね部分によって、第2の接続部分における、この第1の接続部分の当接が行われる。
【0008】
ばね部分は、外側周囲を形成し、この外側周囲によって、第1の接続部分は、第2の接続部分の内側周囲に当接する。このばね部分は、半径方向に変形可能、特に弾性的に変形可能である。このばね部分は、このばね部分の変形可能性に基づいて、第2の接続部分の内側周囲に対して撓むことができる。
このことによって、この第1の接続部分は、同様により大きな外径の際にも、十分に容易に、この第2の接続部分に対して回転可能のままである。(この第2の接続部分の不変の内径の際に、)この第1の接続部分の外径は、それに応じて、以前よりも大きく構成され得、このことによって、両方の接続部分が恒常的に接触し、且つ、これに伴って、同様に恒常的に静電防止機能が与えられていることも保障され得る。
【0009】
有利な更なる構成を以下で説明する。
【0010】
第1の接続部分は、有利には、ねじスリーブである。第2の接続部分は、有利には、スリーブである。
【0011】
有利には、ばね部分は、1つまたは複数のスリットを有している。有利には、1つまたは複数のスリットは、第1の接続部分の軸線方向に延びている。1つまたは複数のスリットは、特に、第1の接続部分の第1の端側面に至るまで延びている。合目的に、複数のスリットは、第1の接続部分の周囲の周りに分配されて配置されている。
これらスリットを用いて、簡単な構造およびやり方で、このばね部分の変形可能性が保証され得る。
【0012】
有利には、ばね部分は、第1の接続部分の軸線方向部分である。合目的に、ばね部分は、変形されていない状態において、第1の接続部分の最大の外側周囲を規定している。
この外側周囲が、内側周囲に当接する状態において、このばね部分は、合目的に、弾性的に変形されている。
【0013】
更に、1つの装置が提供され、この装置が、
吸引ホース、機能ユニット、および、前記で説明された接続装置を備えており、
その際、前記接続装置が、前記吸引ホースと前記機能ユニットとの間の、電気的および流動的な接続を提供する。
【0014】
更に、前記された要件のいずれか一つによる接続装置の製造のための方法が提供され、この方法が、ステップ:
第1の前記接続部分の前記外径が第1の許容差範囲内にあることに従う、第1の製造許容差を有する、第1の前記接続部分の製造、
第2の前記接続部分の前記内径が第2の許容差範囲内にあることに従う、第2の製造許容差を有する、第2の前記接続部分の製造、その際、前記第1の許容差範囲の上側の限界値の間の差分が、前記第2の許容差範囲の下側の限界値よりも大きい、
を含んでいる。
【0015】
有利には、第1の許容差範囲の上側の限界値は、少なくとも0.1mm、特に少なくとも0.15mmまたは少なくとも0.2mmだけ、第2の許容差範囲の下側の限界値よりも大きい。
【0016】
有利には、第1の許容差範囲の下側の限界値は、最大0.4mm、特に最大0.3mm、第2の許容差範囲(T2)の上側の限界値(OG2)よりも小さい。
【0017】
更に、導電性のプラスチックから成るねじスリーブが提供され、
このねじスリーブが、内側ねじ山を備えている中空円筒形のベース部分を備えており、
この内側ねじ山でもって、前記ねじスリーブが、吸引ホースの上にねじり固定可能であり、
その際、前記ベース部分に、軸線方向に、中空円筒形ばね部分が接続しており、
このばね部分が、軸線方向に延びる複数のスリットを有しており、半径方向に内方へと弾性的に変形可能であり、且つ、変形されていない状態において、前記ねじスリーブの最大の外側周囲を規定している。
【0018】
ねじスリーブは、特に、前記で説明された第1の接続部分として使用され得る。
【0019】
ばね部分、特に第1の接続部分、例えばねじスリーブは、例示的に、ポリプロピレン、特に熱可塑性のプラスチックから製造されている。合目的に、ばね部分、特に第1の接続部分、例えばねじスリーブは、カーボンブラック微粒子を含有しており、このカーボンブラック微粒子を介して導電性が保証される。
【0020】
概念「導電性のプラスチック」でもって、従って、特に同様に1つのプラスチック、例えば混合された導電性の微粒子、例えば導電性のカーボンブラック微粒子を有するポリプロピレンが理解される。
【0021】
図に関連して、以下で、例示的な構成を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】吸引装置、吸引ホース、機能ユニット、および、2つの接続装置から成る装置の図である。
図2】ねじスリーブの透視図である。
図3】ねじスリーブの更に別の透視図である。
図4】接続装置の図である。
図5図4の切断線A-Aに沿っての、接続装置の断面図である。
図6】接続装置の製造の際の許容差範囲の図である。
図7】接続装置の製造のための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、第1の機能ユニット3A、第2の機能ユニット3B、吸引ホース2、第1の接続装置1A、第2の接続装置1Bを備える、装置10を示している。この装置10は、接続装置1Aおよび1Bのための例示的な使用環境を具現している。これら接続装置1Aおよび1Bは、それぞれに、同様に個別に採用された状態でも提供され得る。
【0024】
第1の接続装置1Aは、第1の機能ユニット3Aを、電気的、および、流動的に吸引ホース2と接続することのために利用される。第2の接続装置1Bは、第2の機能ユニット3Bを電気的、および、流動的に吸引ホース2と接続することのために利用される。
【0025】
装置10が、選択的に、接続装置1A、1Bの内のただ1つだけの接続装置を有していることは可能であることは指摘される。それぞれに、他の機能ユニット3Aまたは3Bへの、吸引ホース2の接続は、その場合に、他の方法で、例えば旧来の機能装置または直接的な接続によって行われ得る。例示的に、第2の機能ユニット3Bが、直接的に、吸引ホース2と接続されていることは可能である。
【0026】
第1の機能ユニット3Aは、吸引装置4である。例示的に、この吸引装置4は、複数の車輪18を備えている移動吸引機として構成されており、これら車輪でもって、この移動吸引機が、床に対して支持されており、且つ、この床に対して相対的に移動され得る。
この吸引装置4は、負圧ユニット33を備えており、この負圧ユニットによって、吸引装置4の接続部34において負圧が提供され得る。この負圧ユニット33は、例えば、送風機である。この吸引装置4は、更に、示されていない接地導線を備えており、この接地導線が、第1の接続装置1Aを介して、電気的に吸引ホース2と接続されている。
【0027】
吸引ホース2は、吸引装置4、特に接続部34と第2の機能ユニット3Bとの間の流動的な接続を提供する。この吸引ホース2は、第1の接続装置1Aを介して、吸引装置4、特に接続部34に接続されている。吸引された空気及び/または微粒子は、吸引ホース2および第1の接続装置1Aを介して、吸引装置4内へと輸送される。
【0028】
吸引ホース2は、合目的に導電性であり、従って、この吸引ホース2を用いて、吸引装置4と第2の機能ユニット3Bとの間の電気的な接続が提供され得る。この電気的な接続は、第2の機能ユニット3Bから、(選択的に設けられた)第2の接続装置1B、吸引ホース2、および、第1の接続装置1Aを介して、吸引装置4へと延びる。この電気的な接続は、特に、吸引装置4の接地導線において終端している。
電気的な接続のオーム抵抗は、合目的に、10メグオームよりも小さい値である。この電気的な接続を用いて、静電防止機能が提供され;即ち、吸引ホース2及び/または第2の機能ユニット3Bにおける静電気の帯電が、この電気的な接続を介して、吸引装置4の接地導線へと導出される。
【0029】
吸引ホース2は、特に、フレキシブルな材料から製造されており、従って、この吸引ホース2が、この吸引ホースの経過において、フレキシブルに適合可能である。
【0030】
第2の機能ユニット3Bは、例えば、工具5及び/またはノズルを備えている。この第2の機能ユニット3Bは、特に作業手段である。この工具5が、例えば電動工具、合目的に鋸、研磨機または穿孔機であることは可能である。この第2の機能ユニット3Bは、第2の接続装置1Bを介して、吸引ホース2に接続されている。
この機能ユニット3Bの領域内において生成する、及び/または、存在する塵埃は、直接的に、この機能ユニット3Bにおいて吸引され得、且つ、吸引ホース2を介して、吸引装置4へと輸送され得る。この塵埃は、合目的に、この機能ユニット3Bから、(その第2の接続装置が存在する限りは)第2の接続装置1B、吸引ホース2、および、第1の接続装置1Aを介して、吸引装置4へと輸送される。
【0031】
以下で、より詳細に、両方の接続装置1Aおよび1Bに立ち入る。これら両方の接続装置1Aおよび1Bは、同一に、または、異なって構成され得る。以下で説明される特徴は、合目的に、両方の接続装置1A、1Bにおいて存在する。
以下で、一義的に第1の接続装置1Aに立ち入る。以下の説明は、合目的に、対応関係において、第2の接続装置1Bに関して、および、特にこの第2の機能ユニット3Bに対するこの第2の接続装置1Bの関連に関しても言えることである。
【0032】
接続装置1Aは、第1の接続部分6と第2の接続部分7とを備えている。両方の接続部分6、7は、合目的に、導電性の材料、特に導電性のプラスチックから製造されている。これら接続部分6、7の電気的な抵抗は、合目的に、10メグオームよりも小さい値である。
【0033】
先ず第一に、第1の接続部分6に関して:
【0034】
第1の接続部分6は、吸引ホース2と接続されており、特にこの吸引ホースにおいて固定されている。この第1の接続部分6は、例えば、ねじスリーブ9であり、且つ、合目的に、吸引ホース2の上にねじり固定されている。この第1の接続部分6は、中空円筒形に構成されている。
この接続部分6の外側のシリンダー外套は、外側周囲15を形成している。合目的に、この外側周囲15に、如何なるねじ山も存在しない。この第1の接続部分6は、自由な円筒形の内側室を備えており、この内側室が、吸引ホース2と機能ユニット3Aとの間の流動的な接続の、導管部分としての機能を果たす。
【0035】
第1の接続部分6は、軸線方向に、2つの軸線方向部分-ばね部分8およびベース部分21-に分割されている。このばね部分8は、吸引ホース2と反対の方に向けられた側に位置し、且つ、このベース部分21が、この吸引ホース2の方に向けられた側に位置している。
このばね部分8は、半径方向に変形可能、特に、半径方向にこのベース部分21よりも容易に変形可能である。合目的に、このばね部分8は、半径方向に弾性的に変形可能である。このばね部分8は、例示的に、第1の接続部分6の軸線方向の延在の少なくとも1/6、および、最大で1/4を占めている。
【0036】
第1の接続部分6の外径は、合目的に、この第1の接続部分6の軸線方向の延在よりも大きい。
【0037】
ベース部分21は、例示的に、ばね部分8よりも小さな外径を備えている。このベース部分21を出発点として、このばね部分8の外径は、軸線方向に、このベース部分21から離れて増大する。最大の外径を有する軸線方向領域内において、このばね部分8は、第2の接続部分7の内側周囲に当接している。
このばね部分8は、第1の接続部分6の外側周囲15を形成し、この外側周囲15が、第2の接続部分7の内側周囲14に当接している。合目的に、このばね部分8は、内側周囲14によって、半径方向に、内方へと変形、特に弾性的に変形される。
【0038】
ここで、第2の接続部分7に関して:
【0039】
第2の接続部分7は、機能ユニット3Aと接続されており、特にこの機能ユニットにおいて固定されている。この第2の接続部分7は、例えば、スリーブ11、または、スリーブ11の一部分である。この第2の接続部分7は、中空円筒形に構成されている。
この第2の接続部分7の内側のシリンダー外套は、内側周囲14を形成している。この第2の接続部分7は、円筒形の内側室を備えている。この第2の接続部分7の内側周囲14において、合目的に、如何なるねじ山も存在しない。
【0040】
以下で、両方の接続部分6、7の相互作用に立ち入る:
【0041】
第1の接続部分6は、第2の接続部分7の内部に位置する。例示的に、この第1の接続部分6は、完全に、中空円筒形の第2の接続部分7内へと、特にこの第2の接続部分の円筒形の内側室内へと装入されている。第1の接続部分6は、この第1の接続部分の外側周囲15でもって、この第2の接続部分7の内側周囲14に当接している。特に、この第1の接続部分6は、ばね部分8でもって、内側周囲14に当接している。
【0042】
内側周囲14におけるばね部分8の当接によって、両方の接続部分6、7の間の電気的な接触は提供される。両方の接続部分6、7の間で、特に10メグオームよりも小さな電気的な接続が存在し、この接続によって、冒頭に述べられた静電防止機能は提供される。
【0043】
吸引ホース2のための回転補償を提供するために、両方の接続部分6、7は、相対して回転可能に支承されている。第1の接続部分6は、この第1の接続部分の長手方向軸線の周囲を回って、第2の接続部分7に対して相対的に回転可能、特に自由に回転可能である。
【0044】
第1の機能ユニット3Aと反対の方に向けられた、第2の接続部分7の端側面に、固定リング19が配置されており、この固定リングが、第1の接続部分6が第2の接続部分7から引き出されることを防止する。固定リング19の内径は、第1の接続部分6の外径よりも小さい。この固定リング19は、リング開口部を備えており、このリング開口部を通って、吸引ホース2が、第2の接続部分7内へと延びる。
【0045】
以下で、図2および3との関連のもとで、第1の接続部分6の可能な構成に立ち入る。この第1の接続部分6は、ここで、例示的に、ねじスリーブ9として形成されている。このねじスリーブ9は、同様に個別に採用された状態でも提供され得る。
【0046】
第1の接続部分6は、合目的に、前記で既に説明されているように形成されている。この第1の接続部分6は、ばね部分8を備えており、このばね部分が、同様にここでも、この第1の接続部分6の軸線方向部分、特に軸線方向の終端部分である。このばね部分8は、この第1の接続部分6の第1の端側面25に至るまで延在している。
このばね部分8は、中空円筒形、特にリング形状に構成されている。このばね部分8において、合目的に、如何なる内側ねじ山、及び/または、如何なる外側ねじ山も設けられていない。
【0047】
例示的に、ばね部分8は、環状隆起部12を備えており、この環状隆起部を介して、このばね部分8の当接が、内側周囲14において行われる。この環状隆起部12は、第1の端側面25の領域内において位置する。この環状隆起部12は、外側周囲15を形成する。
【0048】
ばね部分8は、複数のスリット16を有している。これらスリット16は、第1の接続部分6の軸線方向に、特に軸線方向対して平行に延びている。
これらスリット16は、特に、第1の接続部分6の第1の端側面25に至るまで延びている。これらスリット16は、特に、第1の端側面25において開口している。これらスリット16は、環状隆起部12を通って延びている。
【0049】
合目的に、複数のスリット16は、第1の接続部分6の周囲の周りに分配されて配置されている。これらスリット16は、特に、同じ角度間隔のもとで、相互に配置されている。有利には、少なくとも6、7、8、9または10個のスリット16が存在する。合目的に、精確に、6、7、8、9または10個のスリット16が存在する。
【0050】
スリット16は、合目的に、ただばね部分8内だけにおいて存在し、且つ、ここで終端している。これらスリット16は、特に、ベース部分21内へは延在していない。
これらスリット16は、合目的に、第1の接続部分6の軸線方向の延在の少なくとも1/7、または、少なくとも1/6にわたって、および、有利にはこの第1の接続部分6の軸線方向の延在の最大で1/5にわたって延在している。
【0051】
例示的に、スリット16は、それぞれに、4mmから6mmまでの間、特に4.5mmから5.5mmまでの間、有利には、4.9mmの長さである。これらスリット16は、有利には、0.3mmと0.7mmとの間、有利には、0.5mmの幅である。
【0052】
隣接する2つのスリット16の間に、それぞれに周囲部分17が位置する。周囲方向における、これら周囲部分17の外側の延在-即ち、隣接する2つのスリット16の間の円弧-は、合目的に、15mmから20mmまでの値である。
【0053】
ベース部分21は、内側ねじ山を備えており、この内側ねじ山によって、第1の接続部分6が、吸引ホース2の上でねじり固定されている、またはねじで固定可能である。
この内側ねじ山22は、合目的に、第1の接続部分6の第2の端側面26に至るまで延在している。
【0054】
ベース部分21とばね部分8とは、共同で、外側の円筒形の部分を形成する。この外側の円筒形の部分の内側に、内側の円筒形の部分24が位置している。この内側の円筒形の部分24は、軸線方向に、第1の端側面25から、第1の接続部分6の中間の軸線方向の領域に至るまで延在している。この内側の円筒形の部分24は、軸線方向に、内側ねじ山22とオーバラップしている。
この内側の円筒形の部分24は、リング形状の接続部分を介して、ベース部分21と結合されている。この内側の円筒形の部分24は、複数のリブ23を備えており、これらリブが、第1の端側面25を出発点として、軸線方向に延びており、且つ、外側で、この内側の円筒形の部分24に配置されている。
これらリブ23は、この内側の円筒形の部分24の周囲の周りに分配されて配置されている。これらリブ23は、合目的に、半径方向に、ばね部分8から離間されている。これらリブ23は、有利には、ばね部分8と同じ軸線方向の領域を占めている。
【0055】
第1の接続部分6の長さ-即ち、軸線方向の延在-は、合目的に、20mmから40mmまでの間、特に27mmと33mmとの間の値である。第1の接続部分6の外径は、合目的に、35mmと55mmとの間の値である。
【0056】
以下で、図4および5との関連のもとで、第1の接続装置1Aの可能な構成に立ち入る。この第1の接続装置1Aは、合目的に、前記で説明されているように形成されている。第2の接続装置1Bは、合目的に、この第1の接続装置との対応関係において形成されている。
【0057】
吸引ホース2の方に向けられた、第1の接続装置1Aの端側面において、固定リング19が位置している。この固定リング19は、第2の接続部分7の端側面および内側周囲に当接している。この固定リング19は、解離可能に、この第2の接続部分7に、例示的に係止結合部28を介して固定されている。
【0058】
第2の接続部分7は、例示的に、外側の円筒形の部分31と、内側の円筒形の部分32とを備えている。この内側の円筒形の部分32は、軸線方向に、第1の接続部分6に接続している。
この第1の接続部分6は、軸線方向に、固定リング19と内側の円筒形の部分32との間に配置されており、従って、この第1の接続部分6が、この第1の接続部分の移動において、この第2の接続部分7に対して相対的に、軸線方向において両側で制限されている。
【0059】
第1の接続部分6および第2の接続部分7は、共同で、流動的な導管29を提供し、この流動的な導管を介して、空気及び/または微粒子が、吸引ホース2と第1の機能ユニット3Aとの間で輸送され得る。
【0060】
図5内において見て取れるように、第1の接続部分6は、ばね部分8の外側周囲15、特に環状隆起部12の外側周囲でもって、内側周囲14に当接している。
【0061】
図4および図5内において、接続部分6は、吸引ホース2の上でねじり固定されている。この吸引ホース2は、外側ねじ山27を備えており、この外側ねじ山の上に、第1の接続部分6がねじり固定されている。
合目的に、吸引ホース2の両方の端部において、相応する外側ねじ山が存在する。合目的に、この吸引ホースの両方の端部において、1つの接続部分6がねじり固定されている。
【0062】
以下で、図6および7との関連のもとで、詳細に、第1の接続装置1Aの製造に立ち入る。
【0063】
第1の接続装置1Aは、合目的に、射出成形によって製造される。有利には、第1の接続部分6と第2の接続部分7とは、それぞれに、個々の構造部材、特に個々の射出成形構造部材として製造される。
【0064】
接続部分6および7は、製造の際に、それぞれの製造許容差の影響下にあり、これら製造許容差が、特に、第1の接続部分6の外径および第2の接続部分7の内径に関係する。これら製造許容差に基づいて、第1の接続部分6の外径のために、第1の許容差範囲T1、および、第2の接続部分7の内径のために、第2の許容差範囲T2が与えられる。
複数の第1の接続部分6および第2の接続部分7が製造される場合、製造された接続部分6、7の外径および内径は、製造方法の製造許容差に基づいて、分配され、許容差範囲T1、T2内において存在する。
【0065】
両方の許容差範囲T1、T2は、それぞれに、予測値E1,E2、上側の限界値OG1、OG2、および、下側の限界値UG1、UG2を介して規定され得る。
【0066】
複数の接続部分6、7の製造の際に、これら製造許容差に基づいて、同様に、これら接続部分の外径または内径が限界値OG1、OG2、UG1、UG2の内の1つの限界値にある、接続部分6、7も与えられる。
【0067】
1つの接続装置1Aの製造の際に、それぞれに1つの第1の接続部分6が、1つの第2の接続部分7と組み合わされる。その際、それぞれの製造された接続装置1Aにおいて、前記で説明された回転補償と同様に、前記で説明された静電防止機能も与えられていることは、確実な方法を取られるべきである。このことは、特に、以下で説明される、許容差範囲T1、T2の選択によって保証され得る。
【0068】
特に、許容差範囲T1、T2は、第1の許容差範囲T1の上側の限界値OG1が、第2の許容差範囲T2の下側の限界値UG2よりも大きいように選択されている。
【0069】
このことは、明示的に、-即ち限界値OG1およびUG2の組み合わせの-回転補償のために最も不利な状況において、第1の接続部分6の外径が第2の接続部分7の内径より大きい可能性があることが許容されることを意味する。
ここで、いわば、外径と内径との「オーバラップ」の状態となる。弾性的に変形可能なばね部分8に基づいて、同様にこの状況においても、回転補償を提供するために、第1の接続部分6の回転運動が、第2の接続部分7に対して相対的に、十分に動きが軽いことは保証され得る。
【0070】
例示的に、第1の許容差範囲T1の上側の限界値OG1は、少なくとも0.1mm、特に少なくとも0.15mmだけ、第2の許容差範囲T2の下側の限界値UG2よりも大きい。
【0071】
外径に関する、より大きな上側の限界値OG1の選択によって、第1の許容差範囲T1は、(従来技術に比較して)更に右側へと-即ち、より大きな外径へと-移動され得る。このことによって、外径の下側の限界値UG1と内径の上側の限界値OG2との間の最大の間隔は減少され得、従って、同様に-即ち限界値UG1とOG2の組み合わせの-静電防止機能のために不都合な状況においても、両方の接続部分6、7の間の電気的な接触が与えられており、且つ、静電防止機能が提供される。
【0072】
例示的に、第1の許容差範囲T1の下側の限界値UG1は、最大0.4mm、特に最大0.3mmだけ、第2の許容差範囲T2の上側の限界値OG2よりも小さい。
【0073】
第1の許容差範囲T1は、合目的に、第2の許容差範囲T2より小さいか、または、同じ大きさである。
第1の許容差範囲T1-即ち、OG1とUG1との間の差分-は、合目的に、0.2mmの値である。第2の許容差範囲T2-即ち、OG2とUG2との間の差分-は、合目的に、0.2mmまたは0.3mmの値である。
【0074】
以下の表内において、両方の許容差範囲T1、T2に関する、しかも、第1の接続部分6と第2の接続部分7との、異なる3つのタイプに関する、例示的な値が記載されている。1つの接続装置の製造のために、それぞれに、同じタイプの1つの第1の接続部分6と1つの第2の接続部分7とが組み合わされる。
【0075】
第1の接続部分6の外径(mm) 第2の接続部分7の内径(mm)タイプ1 40.05±0.1 40.09±0.1
タイプ2 46.05±0.1 46.13±0.15
タイプ1 51.65±0.1 51.65±0.15
【0076】
図7は、前記で説明された接続装置1Aの製造のためのフローチャートを示している。この方法は、ステップ:
第1の接続部分6の外径が第1の許容差範囲T1内にあることに従う、第1の製造許容差を有する、第1の接続部分6の製造S1、
第2の接続部分7の内径が第2の許容差範囲T2内にあることに従う、第2の製造許容差を有する、第2の接続部分7の製造S2、その際、第1の許容差範囲T1の上側の限界値OG1が、第2の許容差範囲T2の下側の限界値UG2よりも大きい、
を含んでいる。
【0077】
この方法は、合目的に、第2の接続部分7内への、第1の接続部分6の装入の、更に別のステップを含んでいる。
【0078】
この製造の方法を用いて、合目的に、複数の第1の接続部分6と第2の接続部分7とが製造される。その中には、少なくとも、上側の限界値OG1を有する1つの第1の接続部分6、下側の限界値UG1を有する1つの第1の接続部分6、上側の限界値OG2を有する1つの第2の接続部分7、および、下側の限界値UG2を有する1つの第2の接続部分7が含まれている。
これら限界値OG1、OG2、UG1、UG2は、合目的に、1つまたは複数の前記で説明された関係を有している。
【0079】
複数の接続部分6、7は、接続装置の製造のために使用される。
【0080】
以下で、更に別の例示的な詳細を説明する。
【0081】
吸引ホース2は、合目的に、織物被覆を備えている。この織物被覆は、有利には、導電性である。
【0082】
ねじスリーブ9は、制限無しに、回転式にスリーブ11内において支承されている。このねじスリーブ9とスリーブ11とは、導電性のプラスチックから成っている。このスリーブ11に対するこのねじスリーブ9の静電防止導電性は、このスリーブ11の内径内において滑る環状隆起部12を用いて提供される。
【0083】
ねじスリーブ9とスリーブ11とは、合目的に、射出成形によって製造される。このねじスリーブ9およびこのスリーブ11のための製造方法は、それぞれに、±0.1mmの、このスリーブ11の内径およびこのねじスリーブ9の外径のための最大許容差を有している。
【0084】
旧来の接続装置において、両方の最も不利な許容差ペアリングの際に、スリーブ11とねじスリーブ9との間の空隙という事態(このことによって、導電性が阻害される)、または、両方の部材の加圧という事態となり、このことは、回転補償の喪失を誘起する。
【0085】
本願発明のねじスリーブ9は、環状隆起部12の領域内において、スリットを付けられており、従って、ばねセグメントが形成され、これらばねセグメントが、締め付けの効果を減少する。
【0086】
製造の際、スリーブ11およびねじスリーブ9の許容差は、同様に最も不利なペアリングの状況においても、このスリーブ11およびこのねじスリーブ9の接触が与えられており且つこれに伴って静電防止導電性が保障されているように構成される。
ばね部分のばね効果により、ねじスリーブ9の外径が最大であり且つスリーブ11の内径が最小である、極端な場合に、このねじスリーブ9の締め付けは防止される。
【0087】
ねじスリーブおよびスリーブの寸法は、
-このねじスリーブの最大の外径およびこのスリーブの最小の内径の際に、0.2mmの最大のオーバラップが与えられ、
-このねじスリーブの最小の外径およびこのスリーブの最大の内径の際の許容差に基づいて、0.3mmの遊隙が、ねじスリーブとスリーブとの間で与えられる、
ように構成されている。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1. 機能ユニット(3A、3B)、特に吸引装置(4)、工具(5)及び/またはノズルとの、吸引ホース(2)の流動的な接続のための接続装置(1A、1B)であって、
この接続装置(1A、1B)が、特に中空円筒形の第1の接続部分(6)と、特に中空円筒形の第2の接続部分(7)とを備えており、
これら接続部分の内の一方の接続部分(6)が、前記吸引ホース(2)と接続可能であるかまたは接続されており、他方の前記接続部分(7)が、機能ユニット(3A、3B)と接続可能であるかまたは接続されており、
これら接続部分の内の一方の接続部分(6)が、少なくとも部分的に、他方の前記接続部分(7)の内部に位置し、且つ、一方の前記接続部分の外側周囲(15)が、他方の前記接続部分(7)の内側周囲(14)に当接し、
前記吸引ホース(2)のための回転補償を提供するために、両方の前記接続部分(6、7)が相互に回転可能に支承されており、および、
両方の前記接続部分(6、7)の間で、静電防止機能の提供のための電気的な接続が存在する、
様式の上記接続装置において、
第1の前記接続部分(6)が、半径方向に変形可能なばね部分(8)を備えており、
このばね部分によって、第2の前記接続部分(7)における当接が行われる、
ことを特徴とする接続装置(1A、1B)。
2. 前記ばね部分(8)は、1つまたは複数のスリット(16)を有していることを特徴とする上記1に記載の接続装置(1A、1B)。
3. 1つまたは複数の前記スリット(16)は、第1の前記接続部分(6)の軸線方向に延びていることを特徴とする上記1に記載の接続装置(1A、1B)。
4. 1つまたは複数の前記スリット(16)は、第1の前記接続部分(6)の第1の端側面(25)に至るまで延びていることを特徴とする上記2または3に記載の接続装置(1A、1B)。
5. 複数の前記スリット(16)は、第1の前記接続部分(6)の周囲の周りに分配されて配置されていることを特徴とする上記2から4のいずれか一つに記載の接続装置(1A、1B)。
6. 前記ばね部分(8)は、第1の前記接続部分(6)の軸線方向部分であることを特徴とする上記1から5のいずれか一つに記載の接続装置(1A、1B)。
7. 前記ばね部分(8)は、変形されていない状態において、第1の前記接続部分(6)の最大の外側周囲を規定していることを特徴とする上記1から6のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
8. 第1の前記接続部分(6)は、ねじスリーブ(9)であることを特徴とする上記1から7のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
9. 第2の前記接続部分(7)は、スリーブ(11)、または、スリーブの一部分であることを特徴とする上記1から8のいずれか一つに記載の接続装置(1)。
10. 吸引ホース(2)、機能ユニット(3A、3B)、および、上記1から9のいずれか一つによる接続装置(1A、1B)を備えている装置(10)において、
前記接続装置(1A、1B)が、前記吸引ホース(2)と前記機能ユニット(3A、3B)との間の、電気的および流動的な接続を提供することを特徴とする上記装置(10)。
11. 上記1から9のいずれか一つによる接続装置(1)の製造のための方法であって、
この方法が、ステップ:
第1の前記接続部分(6)の前記外径が第1の許容差範囲(T1)内にあることに従う、第1の製造許容差を有する、第1の前記接続部分(6)の製造(S1)、
第2の前記接続部分(7)の前記内径が第2の許容差範囲(T2)内にあることに従う、第2の製造許容差を有する、第2の前記接続部分(7)の製造(S2)、その際、前記第1の許容差範囲(T1)の前記上側の限界値(OG1)が、前記第2の許容差範囲(T2)の前記下側の限界値(UG2)よりも大きい、
を含んでいる前記方法。
12. 前記第1の許容差範囲(T1)の前記上側の限界値(OG1)は、少なくとも0.1mm、特に少なくとも0.15mmまたは少なくとも0.2mmだけ、前記第2の許容差範囲(T2)の前記下側の限界値(UG2)よりも大きいことを特徴とする上記11に記載の方法。
13. 前記第1の許容差範囲(T1)の前記下側の限界値(UG1)は、最大0.4mm、特に最大0.3mmだけ、前記第2の許容差範囲(T2)の前記上側の限界値(OG2)よりも小さいことを特徴とする上記11または12に記載の方法。
14. 導電性のプラスチックから成るねじスリーブ(9)であって、
このねじスリーブ(9)が、ねじ山、特に内側ねじ山(22)を備えている、中空円筒形のベース部分(21)を備えており、
この内側ねじ山(22)でもって、前記ねじスリーブ(9)が、吸引ホース(2)の上にねじり固定可能である、
様式のねじスリーブ(9)において、
前記ベース部分(21)に、軸線方向に引き続いての中空円筒形ばね部分(8)が設けられており、
このばね部分(8)が、軸線方向に延びる複数のスリット(16)を有しており、半径方向に内方へと弾性的に変形可能であり、且つ、変形されていない状態において、前記ねじスリーブ(9)の最大の外側周囲を規定している、
ことを特徴とするねじスリーブ(9)。
【符号の説明】
【0088】
1A 第1の接続装置接続装置
1B 第2の接続装置
2 吸引ホース
3A 第1の機能ユニット
3B 第2の機能ユニット
4 吸引装置
5 工具
6 第1の接続部分
7 第2の接続部分
8 ばね部分
9 ねじスリーブ
10 装置
11 スリーブ
12 環状隆起部
14 内側周囲
15 外側周囲
16 スリット
17 周囲部分
18 車輪
19 固定リング
21 ベース部分
22 内側ねじ山
23 リブ
24 内側の円筒形の部分
25 第1の端側面
26 第2の端側面
27 外側ねじ山
28 係止結合部
29 流動的な導管
31 外側の円筒形の部分
32 内側の円筒形の部分
33 負圧ユニット
E1,E2 予測値
OG1、OG2 上側の限界値
S1 製造
S2 製造
T1 第1の許容差範囲
T2 第2の許容差範囲
UG1、UG2 下側の限界値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7