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特許7406572エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置に使用されるカートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置に使用されるカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20231220BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20231220BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20231220BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/10
A24F40/42
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021574748
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-09
(86)【国際出願番号】 KR2021008959
(87)【国際公開番号】W WO2022050560
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113747
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョン チョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン ソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チェ ソン
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0103685(US,A1)
【文献】特表2019-524114(JP,A)
【文献】特表2019-516349(JP,A)
【文献】特表2020-517235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0358416(US,A1)
【文献】特開2020-114220(JP,A)
【文献】特表2020-501556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0081642(US,A1)
【文献】国際公開第2020/025654(WO,A1)
【文献】特許第6671451(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0374394(US,A1)
【文献】特表2016-524458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
F24F 6/00- 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置に使用されるカートリッジにおいて、
エアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、
前記エアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させるヒータと、
前記エアロゾルが前記カートリッジの外部に排出されるために通過する気流パスと、
前記エアロゾルを前記カートリッジの外部に排出させる排出孔を有するマウスピースと、
前記気流パス内に前記排出孔から所定の距離ほど離れて配置され、熱を発生させるメッシュ状の熱線と、を含み、
前記熱線は、
前記エアロゾルが前記気流パスを通過する間、前記熱線を通過して加熱されるように配置され、
前記ヒータの温度に基づいて、前記排出孔におけるエアロゾルの温度が目標温度に到逹するように温度が制御される、カートリッジ。
【請求項2】
前記メッシュ状は、前記エアロゾルが通過される多数の空隙を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記多数の空隙の形態は、
短辺長が0.5μm以上1.0μm以下である長方形であるか、
一辺の長さが0.5μm以上1.0μm以下である正方形である、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記熱線は、
気化されていない状態で前記気流パスに進入するエアロゾル生成物質の一部が前記カートリッジの外部に排出されることを遮断する、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記熱線は、
前記エアロゾル生成物質の一部を加熱することで、エアロゾルを発生させる、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記熱線は、
前記気流パスが延長方向に各層が配置される多層構造によって形成される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
エアロゾル生成装置に使用されるカートリッジにおいて、
エアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、
前記エアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させるヒータと、
前記エアロゾルが前記カートリッジの外部に排出されるために通過する気流パスと、
前記気流パス内に、前記気流パスを通過する間、前記エアロゾルが熱線によって加熱されるように配置され、熱を発生させるメッシュ状の熱線を含み、
前記熱線は、
前記気流パスが延長方向に各層が配置される多層構造によって形成され、
前記多層構造の一層は、前記多層構造の他層によって生成された電場によって加熱される、カートリッジ。
【請求項8】
エアロゾル生成装置に使用されるカートリッジにおいて、
エアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、
前記エアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させるヒータと、
前記エアロゾルが前記カートリッジの外部に排出されるために通過する気流パスと、
前記エアロゾルを前記カートリッジの外部に排出させる排出孔を有するマウスピースと、
前記気流パス内に、前記気流パスを通過する間、前記エアロゾルが熱線によって加熱されるように配置され、熱を発生させるメッシュ状の熱線を含み、
前記熱線は、
前記ヒータの温度に基づいて、前記排出孔におけるエアロゾルの温度が目標温度に到逹するように温度が制御され、
前記熱線の温度及び前記ヒータの温度は、負の相関関係によって制御される、カートリッジ。
【請求項9】
前記熱線は、
前記排出孔におけるエアロゾルの温度が45℃以上になるように前記エアロゾルを加熱する、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記熱線は、
前記エアロゾルが加熱されていない場合に比べて、前記排出孔におけるエアロゾルの温度が15℃以上高くなるように、前記エアロゾルを加熱する、請求項に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記熱線は、
60℃以上及び80℃以下に加熱される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記カートリッジは、電流が接触素子を通じて前記エアロゾル生成装置から前記熱線に伝達されるように前記エアロゾル生成装置と電気的連結を提供する前記接触素子をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項13】
エアロゾル生成装置において、
請求項1に記載のカートリッジと、
前記ヒータ及び前記熱線が加熱されるように前記ヒータ及び前記熱線に電流を印加するプロセッサと、を含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置に使用されるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なエアロゾル生成物品の短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、エアロゾル生成物品を燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないカートリッジに保存されたエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが発生する方法に係わる需要が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾルが気流パスを通じてユーザに伝達される過程でエアロゾルの温度が低くなるので、ユーザは、シガレットの吸煙時のようなエアロゾルの温熱感を感じにくくもなる。したがって、エアロゾルに温熱感を与える技術が要求される。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、気流パス内のエアロゾルを加熱することで、エアロゾルに温熱感を与えるカートリッジを提供することである。一方、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によるエアロゾル生成装置に使用されるカートリッジは、エアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、前記エアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させるヒータと、前記発生したエアロゾルが前記カートリッジの外部に排出されるために通過する気流パスと、前記気流パス内に、前記気流パスを通過する間、前記エアロゾルが熱線によって加熱されるように配置され、熱を発生させるメッシュ状の熱線を含む。
【発明の効果】
【0006】
カートリッジは、気流パス内に配置された熱線で気流パスを通過するエアロゾルを加熱することで、ユーザに伝達されるエアロゾルに温熱感を与えることができる。したがって、ユーザ満足度に優れた喫煙経験を提供することができる。但し、効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面からエアロゾル生成装置が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保持する交換可能なカートリッジとそれを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
図2図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
図3図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
図4】エアロゾル生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
図5】カートリッジの構成の一例を示すブロック図である。
図6】熱線の配置の一例を示す図面である。
図7】熱線の形態に係わる複数の例を示す図面である。
図8】多数の空隙の一例を示す図面である。
図9】エアロゾル生成物質の一部が熱線に接触される一例を示す図面である。
図10】多層構造の熱線の一例を示す図面である。
図11】多層構造の熱線の加熱方法の一例を説明するための図面である。
図12】回路基板の一例を示す図面である。
図13】並列に連結されたヒータ及び熱線の一例を示すブロック図である。
図14】エアロゾル生成装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一側面によるエアロゾル生成装置に使用されるカートリッジは、エアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、前記エアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させるヒータと、前記発生したエアロゾルが前記カートリッジの外部に排出されるために通過する気流パスと、前記気流パス内に、前記気流パスを通過する間、前記エアロゾルが熱線によって加熱されるように配置され、熱を発生させるメッシュ状の熱線と、を含む。
【0009】
また、前記メッシュ状は、前記エアロゾルが通過される多数の空隙を含む。
【0010】
また、前記空隙の形態は、短辺長が0.5μm以上1.0μm以下である長方形であるか、一辺の長さが0.5μm以上1.0μm以下である正方形である。
【0011】
また、前記熱線は、気化されていない状態で前記気流パスに進入するエアロゾル生成物質の一部が、前記カートリッジの外部に排出されることを遮断する。
【0012】
また、前記熱線は、前記熱線と接触された前記エアロゾル生成物質の一部を加熱することで、エアロゾルを発生させる。
【0013】
また、前記熱線は、前記気流パスが延長方向に各層が配置される多層構造によって形成される。
【0014】
また、前記多層構造の一層は、前記多層構造の他層によって生成された電場によって加熱される。
【0015】
また、前記カートリッジは、ユーザの口腔に挿入され、前記気流パスと連結されるマウスピースをさらに含み、前記マウスピースは、前記発生したエアロゾルを前記カートリッジの外部に排出させる排出孔を含む。
【0016】
また、前記熱線は、前記ヒータの温度に基づいて、前記排出孔におけるエアロゾルの温度が目標温度に到逹するように温度が制御される。
【0017】
また、前記熱線の温度及び前記ヒータの温度は、負の相関関係(negative correlation)によって制御される。
【0018】
また、前記熱線は、前記排出孔におけるエアロゾルの温度が45℃以上になるように、前記発生したエアロゾルを加熱する。
【0019】
また、前記熱線は、前記発生したエアロゾルが加熱されていない場合に比べて、前記排出孔におけるエアロゾルの温度が15℃以上高くなるように、前記発生したエアロゾルを加熱する。
【0020】
また、前記熱線は、60℃以上及び80℃以下に加熱される。
【0021】
また、前記カートリッジは、電流が接触素子を通じて前記エアロゾル生成装置から前記熱線に伝達されるように、前記エアロゾル生成装置と電気的連結を提供する前記接触素子をさらに含む。他の側面によるエアロゾル生成装置は、一側面によるカートリッジと、前記ヒータ及び前記熱線が加熱されるように前記ヒータ及び前記熱線に電流を印加するプロセッサと、を含む。
【0022】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0023】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当該分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0024】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な互いに異なる形態に具現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0026】
本明細書で使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が、配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、またはaとbとcを含むと解釈せねばならない。
【0027】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」などの序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために使用可能であるが、構成要素は、用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0028】
以下では、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0029】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保持する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0030】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保持するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10と、を含む。
【0031】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で、本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部が本体10の収容空間19に挿入されることで、カートリッジ20が本体10に装着されうる。
【0032】
カートリッジ20は、例えば、液状や、固状や、気状や、ゲル(gel)状のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保持することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0033】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分や、それらの成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0034】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成される。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0035】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合でもあるが、それらに限定されない。
【0036】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換し、エアロゾル(aerosol)を発生させる機能を遂行する。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味する。
【0037】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給され、エアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。他の例として、カートリッジ20が自体的な電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ20に伝達される電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ20が作動することで、エアロゾルを発生させうる。
【0038】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を遂行する霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0039】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を遂行することと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことを意味する。
【0040】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(例えば、wick;ウィック)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータを含んでもよい。
【0041】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック纎維、ガラス・ファイバー、多孔性セラミックの少なくとも1つを含んでもよい。
【0042】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現され、ニクロム線のような素材を用いて、伝導性フィラメントによって具現されるか、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0043】
霧化器はまた別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収してエアロゾルに変換するための最適の状態を保持する機能と、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能をいずれも遂行するメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の発熱体によって具現されうる。
【0044】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部から視認可能なようにカートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な素材を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び液体保存部21の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によって作製され、液体保存部21の一部に該当する突出窓21aのみが透明な素材によって作製されうる。
【0045】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを通じてカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0046】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0047】
排出孔22aは、エアロゾルが排出孔22aを通じてカートリッジ20の外部に排出されるように、マウスピースの端部に配置されうる。排出孔22aを介して排出されたエアロゾルは、マウスピース22が挿入されたユーザの口腔に伝達されうる。
【0048】
本体10には、スライダー7が本体10に対して移動可能に結合される。スライダー7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆うか、マウスピース22の少なくとも一部を外部に露出させる機能を遂行する。スライダー7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長空7aを含む。
【0049】
スライダー7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有する。スライダー7の構造は、図面に図示されたように筒状に制限されるものではなく、本体10の縁部に結合された状態を保持しながら、本体10に対して移動可能なクリップ形状の断面形状を有する折り曲げられた板の構造や、湾曲された円弧状の断面形状を有する曲がった半円筒状などの構造を有することができる。
【0050】
スライダー7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダー7との位置を保持するための磁性体を含む。磁性体は、永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0051】
磁性体は、スライダー7の内部空間を介在して互いに対向する2つの第1磁性体8aと、スライダー7の内部空間を介在して互いに対向する2つの第2磁性体8bを含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダー7の移動方向、すなわち、本体10が延長方向である本体10の長手方向に沿って互いに離隔して配置される。
【0052】
本体10は、スライダー7が本体10に対して移動する間、スライダー7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を介在して互いに対向するように2つが設けられうる。
【0053】
スライダー7の位置によって、固定磁性体9と第1磁性体8a、または固定磁性体9と第2磁性体8bとの間で作用する磁力によってスライダー7は、マウスピース22の端部を覆うか、露出させる位置に安定して保持されうる。
【0054】
本体10は、スライダー7が本体10に対して移動する間、スライダー7の第1磁性体8aと第2磁性体8bとの移動する経路上に配置される位置変化感知センサ3を含む。位置変化感知センサ3は、例えば、磁場の変化を感知して信号を発生させるホール効果(hall effect)を用いたホールセンサ(hall IC)を含んでもよい。
【0055】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置5において、本体10、カートリッジ20、及びスライダー7は、長手方向を横切る方向への断面形状がほぼ長方形であるが、実施例は、そのようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形や楕円形や正方形やさまざまな形態の多角形の断面形状を有することができる。また、エアロゾル生成装置5が長手方向に延びるとき、必ずしも直線的に延びる構造に制限されるものではなく、ユーザが把持しやすく、例えば、流線形に湾曲されるか、特定領域で既設定の角度によって折り曲げられながら、長く延びうる。
【0056】
図2は、図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0057】
図2では、スライダー7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を覆う位置に移動した作動状態が図示された。スライダー7がマウスピース22の端部を覆う位置に移動した状態では、マウスピース22が外部の異物から安全に保護されて清潔な状態に保持されうる。
【0058】
ユーザは、スライダー7の長空7aを通じてカートリッジの突出窓21aを視認することで、カートリッジが保持するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダー7を本体10の長手方向に移動させうる。
【0059】
図3は、図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0060】
図3では、スライダー7が本体10と結合されたカートリッジのマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示された。スライダー7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態で、ユーザが自分の口腔にマウスピース22を挿入してマウスピース22の排出孔22aを介して排出されるエアロゾルを吸入することができる。
【0061】
スライダー7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態でも、スライダー7の長空7aを通じてカートリッジの突出窓21aが外部に露出されるので、ユーザが、カートリッジが保持するエアロゾル生成物質の残量を視認可能である。
【0062】
図4は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0063】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、バッテリ410、ヒータ420、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及びプロセッサ460を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400の内部構造は、図4に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置400の設計によって、図4に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されうることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0064】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体だけで構成され、その場合、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体及びカートリッジで構成され、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体及びカートリッジに分けられて位置する。または、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成のうち、少なくとも一部は、本体及びカートリッジのそれぞれに位置する。
【0065】
以下、エアロゾル生成装置400に含まれた各構成が位置する空間を限定せず、各構成の動作について説明する。
【0066】
バッテリ410は、エアロゾル生成装置400の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ410は、ヒータ420が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ410は、エアロゾル生成装置400内に備えられた他のハードウェア構成、すなわち、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及びプロセッサ460の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ410は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ410は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0067】
ヒータ420は、プロセッサ460の制御によってバッテリ410から電力を供給される。ヒータ420は、バッテリ410から電力を供給され、エアロゾル生成物質を加熱することができる。
【0068】
ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の本体にも位置する。または、エアロゾル生成装置400が本体及びカートリッジで構成される場合、ヒータ420は、カートリッジにも位置する。ヒータ420がカートリッジに位置する場合、ヒータ420は、本体及びカートリッジのうち、少なくともいずれか一箇所に位置したバッテリ410から電力を供給されうる。
【0069】
ヒータ420は、任意の適した電気抵抗性物質によって形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ420は、金属線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0070】
一実施例において、ヒータ420は、カートリッジに含まれた構成でもある。カートリッジは、ヒータ420、液体伝達手段及び液体保存部を含んでもよい。液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動し、ヒータ420は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱して、エアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ420は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0071】
一方、ヒータ420は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ420は、エアロゾル生成物質を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、カートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタが含まれうる。
【0072】
エアロゾル生成装置400は、少なくとも1つのセンサ430を含んでもよい。少なくとも1つのセンサ430でセンシングされた結果は、プロセッサ460に伝達され、センシング結果によってプロセッサ460は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、カートリッジ挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置400を制御することができる。
【0073】
例えば、少なくとも1つのセンサ430は、パフ感知センサを含んでもよい。パフ感知センサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいて、ユーザのパフを感知することができる。
【0074】
また、少なくとも1つのセンサ430は、温度感知センサを含んでもよい。温度感知センサは、ヒータ420(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル生成装置400は、ヒータ420の温度を感知する別途の温度感知センサを含むか、別途の温度感知センサを含む代わりに、ヒータ420自体が温度感知センサの役割を遂行することができる。または、ヒータ420が温度感知センサの役割を遂行すると共に、エアロゾル生成装置400に別途の温度感知センサがさらに含まれうる。
【0075】
温度感知センサは、カートリッジの外部に排出されるエアロゾルの温度を感知することができる。例えば、温度感知センサは、排出孔におけるエアロゾルの温度を感知することができる。温度感知センサは、カートリッジに含まれるか、エアロゾル生成装置400に含まれうる。
【0076】
また、少なくとも1つのセンサ430は、位置変化感知センサを含んでもよい。位置変化感知センサは、本体に対して移動可能に結合されたスライダーの位置変化を感知することができる。
【0077】
ユーザインターフェース440は、ユーザにエアロゾル生成装置400の状態に係わる情報を提供することができる。ユーザインターフェース440は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を遂行するための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0078】
但し、エアロゾル生成装置400には、前記例示された多様なユーザインターフェース440の例示のうち、一部だけ取捨選択されて具現されうる。
【0079】
メモリ450は、エアロゾル生成装置400内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ450は、プロセッサ460で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ450は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類として具現されうる。
【0080】
メモリ450には、エアロゾル生成装置400の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、少なくとも1つの電力プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0081】
プロセッサ460は、エアロゾル生成装置400の全般的な動作を制御するハードウェアである。プロセッサ460は、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサ460が異なる形態のハードウェアとしても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0082】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果を分析し、後続実行される処理を制御する。
【0083】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420の動作が開始または終了されるように、ヒータ420に供給される電力を制御することができる。また、プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように、ヒータ420に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0084】
一実施例において、プロセッサ460は、エアロゾル生成装置400に対するユーザ入力を受信した後、ヒータ420の動作を開始するために、ヒータ420のモードを予熱モードに設定することができる。また、プロセッサ460は、パフ感知センサを用いてユーザのパフを感知した後、ヒータ420のモードを予熱モードから動作モードに切り換えることができる。また、プロセッサ460は、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、ヒータ420への電力供給を中断する。
【0085】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース440を制御することができる。例えば、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、プロセッサ460は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いて、ユーザにエアロゾル生成装置400が直ぐ終了されることを予告することができる。
【0086】
一方、図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置400は、別途のクレードルと共にエアロゾル生成システムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電するのに用いられうる。例えば、エアロゾル生成装置400は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給され、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電することができる。
【0087】
図5は、カートリッジの構成の一例を示すブロック図である。
【0088】
図5を参照すれば、カートリッジ500は、熱線510、気流パス520、液体保存部530及びヒータ540を含んでもよい。図5の液体保存部530及びヒータ540は、図1の液体保存部21及びヒータに対応しうる。一方、図5で記述する「エアロゾル生成装置」は、図1の本体10に対応しうる。
【0089】
一方、図5に図示されたカートリッジ500には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図5に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がカートリッジ500にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0090】
カートリッジ500は、エアロゾル生成装置に脱着可能に結合されうる。カートリッジ500は、接触素子などを介してエアロゾル生成装置と電気的に連結されうる。カートリッジ500は、エアロゾル生成装置から受信した電気信号または無線信号などによって作動することができる。
【0091】
液体保存部530は、エアロゾル生成物質を保存することができる。液体保存部530は、容器の用途のように直接エアロゾル生成物質を入れるか、スポンジなどを用いて、エアロゾル生成物質を含浸することができる。エアロゾル生成物質は、例えば、液状、固状、気状やゲル状のうち、いずれか1つの状態でもある。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。
【0092】
ヒータ540は、エアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ540は、エアロゾル生成装置から受信した電気信号によって、エアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることで、エアロゾル生成物質の相を変換することができる。
【0093】
一実施例において、カートリッジ500は、マウスピース(図示せず)を含んでもよい。本実施例によるマウスピースは、図1のマウスピース22に対応しうる。マウスピースの少なくとも一部は、ユーザの口腔に挿入されうる。マウスピースは、気流パスと連結されうる。マウスピースは、排出孔を介してエアロゾルをカートリッジ500(または、エアロゾル生成装置)の外部に排出させうる。本実施例による排出孔は、図1の排出孔22aに対応しうる。
【0094】
気流パス520は、エアロゾルがカートリッジ500(または、エアロゾル生成装置)の外部に排出されるために通過する通路でもある。一実施例において、カートリッジ500は、液体保存部530からエアロゾル生成物質を伝達されて吸収する液体伝達手段(図示せず)を含んでもよい。気流パス520は、液体伝達手段とマウスピースを連結することができる。液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質が加熱されることにより、発生するエアロゾルは、気流パス520を通過した後、マウスピースを通過して外部に排出されうる。
【0095】
熱線510は、気流パス520内に、エアロゾルが気流パス520を通過する間、熱線510と接触するように配置されうる。熱線510は、メッシュ状を有することができる。例えば、熱線510は、折り曲げられた単一の金属線(wire)が交差されて多数の空隙が存在する形態にも形成される。または、熱線510は、多数の金属線が互いに交差して多数の空隙が存在する形態にも形成される。メッシュ状は、網(net)状または格子状などの用語で置き換えられる。熱線510の形態については、図7を参照して具体的に説明する。
【0096】
熱線510は、気流パス520を通過するエアロゾルを加熱することができる。熱線510は、エアロゾル生成装置から電流を印加されて加熱されうる。例えば、熱線510は、カンタル(Kanthal)、ニクロム(Nichrome)、銅(Cu)またはSUS(Steel Use Stainless)などを含んでもよい。但し、熱線510の材料は、前記例示に限定されず、電流が印加されることにより、加熱される多様な物質を含んでもよい。
【0097】
ヒータ540は、エアロゾル生成物質を加熱するように配置され、熱線510は、エアロゾルを加熱するように配置されうる。ヒータ540がエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させれば、熱線510は、ヒータ540によって発生したエアロゾルを加熱することができる。したがって、ヒータ540と熱線510は、カートリッジ500内に配置される位置及び加熱する対象が互いに異なる。
【0098】
図6は、熱線の配置の一例を示す図面である。
【0099】
図6を参照すれば、気流パス520内に熱線510が配置されうる。エアロゾルは、気流パス520を通過する間に熱線510と接触された後、通過することができる。
【0100】
カートリッジは、メッシュ状の熱線510の間に形成され、エアロゾルが通過される多数の空隙610を含んでもよい。エアロゾルは、多数の空隙610を通過して熱線510によって加熱されうる。例えば、熱線510は、エアロゾルが気流パス520を通過する方向と空隙610が直交するように配置されうる。但し、これは、例示に過ぎず、熱線510は、多様に配置されうる。
【0101】
熱線510は、折り曲げられて直交する単一の金属線または互いに直交する多数の金属線を含み、単一の金属線または多数の金属線からなる多数の空隙610は、方形にも形成される。但し、これは、例示に過ぎず、金属線の交差する形態は、多様に設計されうる。例えば、熱線510は、金属線が互いに60゜をなして交差し、多数の空隙610は、平行四辺形または三角形にも形成される。熱線510及び空隙610の形態は、前記例示から多様にも変形される。
【0102】
エアロゾルが生成されたとき、エアロゾルの温度は、常温より高いので、エアロゾルが追加して加熱されていない場合、エアロゾルの温度は、気流パス520を通過しつつ下降する。したがって、外部に排出されるエアロゾルの温度は、エアロゾル生成時の温度に比べて低くもなる。実施例によれば、熱線510は、気流パス520内でエアロゾルを加熱することで、エアロゾルの冷却を防止することができる。熱線510は、外部に排出されるエアロゾルに温熱感が与えられるように、エアロゾルを加熱することができる。
【0103】
熱線510は、カートリッジの外部に排出されるエアロゾルの温度が目標温度に到逹するように、温度が制御されうる。例えば、熱線510は、排出孔におけるエアロゾルの温度が目標温度に到逹するように温度が制御されうる。熱線510及びヒータの温度は、カートリッジと結合されるエアロゾル生成装置によって制御されうる。エアロゾルの目標温度は、ユーザにエアロゾルが伝達されたとき、ユーザの満足感を極大化するために決定される温度でもある。エアロゾルの目標温度は、エアロゾル生成物質の構成、気流パス520の長さ、エアロゾル生成時の温度またはユーザの設定などによって多様に設定されうる。
【0104】
熱線510は、ヒータの温度に基づいて温度が制御されうる。エアロゾル生成時の温度によって排出孔におけるエアロゾルの目標温度を達成するための熱線510の温度は、互いに異なってもいる。ヒータが比較的高温である場合、エアロゾル生成時の温度も比較的高温になり、熱線510は、エアロゾルを比較的少なく加熱することで、目標温度を達成することができる。一方、ヒータが比較的低温である場合、エアロゾル生成時の温度も比較的低温になり、熱線510は、エアロゾルを比較的多く加熱することで、目標温度を達成することができる。
【0105】
したがって、排出孔におけるエアロゾルの一定の目標温度を達成するために、ヒータが比較的高温である場合、熱線510の温度は、比較的低温に制御され、ヒータが比較的低温である場合、熱線510の温度は、比較的高温に制御されうる。例えば、熱線510の温度及びヒータの温度は、負の相関関係を有することができる。
【0106】
熱線510は、排出孔におけるエアロゾルの温度が45℃以上になるように、エアロゾルを加熱することができる。熱線510は、外部に排出されるエアロゾルに温熱感が与えられるように、エアロゾルを加熱するが、ユーザの満足感を低下させるほどの温度を超過しないように、エアロゾルを加熱することができる。例えば、熱線510は、排出孔におけるエアロゾルの温度が45℃以上及び65℃以下になるように、エアロゾルを加熱することができる。
【0107】
熱線510は、エアロゾルが加熱されていない場合に比べて、カートリッジの排出孔におけるエアロゾルの温度が15℃以上高くなるように、エアロゾルを加熱することができる。例えば、加熱されず、外部に排出されるエアロゾルの排出孔における温度が30℃である場合、熱線510は、排出孔におけるエアロゾルの温度が30℃よりも15℃高い45℃以上になるように、エアロゾルを加熱することができる。
【0108】
熱線510によって加熱されたエアロゾルは、気流パス520の残り部分を通過しつつ再び冷却されるので、熱線510の温度は、排出孔におけるエアロゾルの目標温度に比べて高く制御されうる。
【0109】
熱線510は、60℃以上に加熱されるが、エアロゾルの過度な温度上昇を防止するために、80℃以下に加熱されうる。例えば、熱線510は、60℃以上及び80℃以下に加熱されることで、排出孔におけるエアロゾルの温度が45℃以上及び65℃以下にもなる。
【0110】
一方、上述したエアロゾルの目標温度及び熱線510の温度は、例示に過ぎず、エアロゾルの目標温度及び熱線510の温度は、エアロゾル生成物質の構成、気流パス520の長さ、ヒータの温度、エアロゾル生成時の温度またはユーザの設定などによって多様に設定されうる。
【0111】
図7は、熱線の形態に係わる複数の例を示す図面である。
【0112】
図7の(a)を参照すれば、熱線510は、単一の金属線によって形成されうる。
【0113】
その場合、単一の金属線は、金属線の折曲点511で繰り返して折り曲げられて金属線の部分は、交点512で金属線の他の部分が交差する。これにより、熱線510は、交点512を頂点とする多数の空隙610が金属線の間に存在する形態に形成されうる。
【0114】
図7の(a)による実施例において、単一の金属線は、90゜をなし、繰り返して折り曲げられうる。その場合、多数の空隙610は、長方形にも形成される。但し、金属線が折り曲げられる角度及び空隙610の形状などは、実施例によって変形されうる。例えば、金属線は、均一な角度のみで折り曲げられるものではなく、熱線510は、他の角度に折り曲げられた金属線を有することができる。
【0115】
図7の(b)を参照すれば、熱線510は、多数の金属線によって形成されうる。
【0116】
熱線510は、多数の金属線それぞれが特定角度をなして繰り返して折り曲げられ、多数の金属線が互いに交差するように形成されうる。多数の金属線は、交点512で互いに交差することができる。熱線510は、交点512を頂点とする多数の空隙610を含んでもよい。
【0117】
図7の(b)による実施例において、2本の金属線それぞれは、90゜をなし、繰り返して折り曲げられうる。2個の金属線は、互いに90゜をなしつつ交差することができる。その場合、多数の空隙610は、長方形にも形成される。但し、図7(b)に図示された金属線の本数、金属線が折り曲げられる角度及び空隙610の形状などは、例示に過ぎず、多様に変形されて実施されうる。例えば、熱線510は、2本を超過する本数の金属線を含み、各金属線が互いに交差する形態に形成されうる。
【0118】
図7の(c)を参照すれば、熱線510は、折り曲げられない多数の金属線によって形成されうる。
【0119】
多数の金属線の一部は、水平に配置され、残りは、水平に配置された金属線と交差するように垂直に配置されうる。但し、図7(c)に図示された金属線の本数及び金属線間の角度などは、例示に過ぎず、多様に変形されて実施可能である
【0120】
また、図7には、図示されていないが、熱線510は、折り曲げられる金属線及び折り曲げられていない金属線をいずれも含んでもよい。熱線510の形態は、多数の空隙610が形成される形態であれば、制限なしに該当されうる。
【0121】
図8は、多数の空隙の一例を示す図面である。
【0122】
図8を参照すれば、空隙610は、メッシュ状の熱線510によって形成されうる。
【0123】
エアロゾルは、空隙610を通過し、熱線510によって加熱されうる。空隙610は、エアロゾルが通過される大きさに形成されうる。例えば、空隙610は、エアロゾル粒子の断面積よりも広く形成されうる。但し、空隙610の大きさが小さいほど、単位時間当り通過されるエアロゾルの量が少なくなる。したがって、空隙610の大きさは、エアロゾルが通過される臨界サイズよりも大きく形成されうる。これにより、単位時間当り通過されるエアロゾル量の低下が防止されうる。
【0124】
同時に、空隙610の大きさは、通過されるエアロゾルを短時間に加熱するのに十分な程度に小さく形成されうる。空隙610の大きさが大きくなるほど空隙610を通過するエアロゾル粒子は、熱を遠くから伝達されることになるので、加熱が少なくなる。したがって、空隙610の大きさは、エアロゾルが容易に通過されるほどに大きく形成されると共に、エアロゾルが十分に加熱可能なように小さく形成されうる。
【0125】
空隙610は、短辺611の長さが0.5μm以上1.0μm以下である長方形の形態を有することができる。または、空隙610は、一辺611の長さが0.5μm以上1.0μm以下である正方形の形態を有することができる。エアロゾル粒子の直径が0.2μm以上0.4μm以下である場合、空隙610の一辺611の長さが0.5μm以上であれば、空隙610は、全ての粒子を通過させうる。空隙610の一辺611の長さがエアロゾル粒子の直径より少なくとも0.1μmほど大きいので、空隙610は、エアロゾルを容易に通過させうる。また、空隙610の大きいほど通過されるエアロゾルが少なく加熱されうるが、空隙610の一辺611の長さが1.0μm以下であれば、空隙610は、短時間にエアロゾルを十分に加熱することができる。但し、空隙610の大きさに係わる前記数値は、例示に過ぎず、エアロゾル粒子の大きさまたは熱線が加熱される温度などによって多様に変形されうる。
【0126】
図9は、エアロゾル生成物質の一部が熱線に接触される一例を示す図面である。
【0127】
図9を参照すれば、エアロゾル生成物質の一部910が熱線510に接触されうる。
【0128】
エアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾル生成物質の飛散が発生する。エアロゾル生成物質の飛散とは、エアロゾル生成物質の一部910が加熱されたが、蒸気化されていない状態で飛散することによって気流パス520に進入することを意味する。熱線のない場合、エアロゾル生成物質の飛散が発生することにより、エアロゾル生成物質の一部910は、蒸気化されていない状態でカートリッジの外部に排出されうる。
【0129】
実施例によれば、熱線510は、エアロゾル生成物質の一部910が気流パス520に進入する場合、エアロゾル生成物質の一部910と接触することで、エアロゾル生成物質の一部910がカートリッジの外部に排出されることを防止することができる。蒸気化されていないエアロゾル生成物質の一部910は、エアロゾル粒子が互いに結合された状態なので、その大きさは、エアロゾル粒子の大きさよりも大きい。したがって、空隙610がエアロゾル粒子の大きさよりも大きく形成されても、エアロゾル生成物質の一部910は、空隙610を通過することができず、熱線510に接触されうる。カートリッジは、熱線510を用いて気化されていないエアロゾル生成物質が外部に排出されることによってユーザに伝達されることを防止することができる。
【0130】
熱線510は、熱線510と接触されたエアロゾル生成物質の一部910を加熱することで、エアロゾルを発生させうる。熱線510は、蒸気化されていないエアロゾル生成物質が外部に排出されることを防止すると共に、接触されたエアロゾル生成物質の一部910を蒸気化することで、エアロゾルを発生させうる。
【0131】
飛散したエアロゾル生成物質の一部910は、蒸気化はされていないが、既に加熱された状態であって、液体保存部(または、液体伝達手段)に保存されたエアロゾル生成物質よりも高温なので、蒸気化に要求される熱はさらに少なくなりうる。また、熱線510に接触されたエアロゾル生成物質の一部910は、その質量及び熱容量(heat capacity)が液体保存部(または、液体伝達手段)に保存されたエアロゾル生成物質に比べて小さいので、比較的少量の熱を加えても、温度が急上昇することができる。したがって、熱線510の温度がヒータの温度より低く制御されても、熱線510は、エアロゾル生成物質の一部910からエアロゾルを発生させうる。
【0132】
図10は、多層構造の熱線の一例を示す図面である。
【0133】
図10を参照すれば、気流パス520が延長方向に熱線510の各層が配置されうる。
【0134】
熱線510は、気流パス520が延長方向に各層が配置される多層構造によって形成されうる。気流パス520が延長方向は、気流パス520内でエアロゾルが通過される方向でもある。熱線510の各層は、個別的にまたは一括的に電流を印加されて加熱されうる。
【0135】
一実施例において、多層構造の熱線510は、単一の金属線によって形成されうる。単一の金属線が折り曲げられて交差されることで、メッシュ状の一層を形成し、同じ金属線を延ばして同じ方式で他層を形成することができる。
【0136】
他の実施例において、熱線510の各層は、別個の単一の金属線によって形成されうる。図10のように、3層構造の熱線510の場合、第1熱線510aは、第1金属線によって形成され、第2熱線520bは、第2金属線によって形成され、第3熱線530cは、第3金属線によって形成されうる。または、第1熱線510a及び第2熱線510bは、第1金属線によって形成され、第3熱線510cは、第2金属線によって形成されうる。
【0137】
さらに他の実施例において、熱線510の各層が多数の金属線によって形成されうる。または、熱線510の一部層は、多数の金属線によって形成され、残りの層は、単一の金属線によって形成されうる。
【0138】
金属線によって多層構造の熱線510が形成される方法は、上述した例示に限定されず、多様に変形されて実施されうる。
【0139】
カートリッジは、熱線510に多層構造を適用することで、さらに効率的にエアロゾルを加熱することができる。エアロゾルが熱線510を通過する短時間の間に、エアロゾルを十分に加熱するために、熱線510は、各層を用いて気流パス520を通過するエアロゾルを複数回加熱することができる。熱線510は、気流パス520を通過するエアロゾルを複数回加熱することで、その温度を一定温度に保持させるか、漸進的に上昇させうる。
【0140】
図10による実施例において、熱線510は、3層構造によって形成されて各層は、第1熱線510a、第2熱線510b及び第3熱線510cに該当する。各層は、いずれも平行に配置されているように図示されているが、各層が配置される角度は、多様に設定されうる。また、各層間の間隔は、互いに異なるように設定されうる。
【0141】
図11は、多層構造の熱線の加熱方法の一例を説明するための図面である。
【0142】
図11を参照すれば、多層構造の熱線510は、第1熱線510a、第2熱線510b及び第3熱線510cを含む。
【0143】
電流が印加されることにより、熱線510から電場が発生しうる。熱線510の各層で発生した電場が他層に印加され、電場によって他層の加熱が増大されうる。
【0144】
一層で発生した電場が他層に印加されることにより、他層は、電場の影響で分子(または双極子)が振動し、それにより、摩擦熱が発生する。電場による加熱(または摩擦熱)を増大させるために、熱線510に印加される電流の周波数はさらに高く設定される。そのような電場による加熱は、例えば、誘電加熱(dielectric heating)に該当する。
【0145】
例えば、熱線510の一部層にのみ電流が印加され、残りの層は、一部層から発生する電場によって加熱されうる。または、熱線510の全層に電流が印加され、各層から発生する電場が互いに影響を与えることにより、熱線510の加熱が増大されうる。その場合、熱線510を目標温度に加熱するために、各層に要求される電流の大きさは、電場による加熱が排除された場合に比べて小さい。
【0146】
図11による実施例において、第2熱線510bで発生した電場が第1熱線510a及び第3熱線510cに印加されることで、第1熱線510a及び第3熱線510cの加熱が増大されうる。また、第1熱線510a及び第3熱線510cで発生した電場が第2熱線510bに印加されることで、第2熱線510bの加熱が増大されうる。それだけではなく、第1熱線510aで発生した電場が第3熱線510cに印加され、第3熱線510cの加熱が増大され、第3熱線510cで発生した電場が第1熱線510aに印加されて第1熱線510aの加熱が増大されうる。
【0147】
図11による実施例において、第2熱線510bにだけ電流が印加されても、第1熱線510a及び第3熱線510cは、電場の影響で加熱されうる。その場合、第2熱線510bにのみ電流が印加されるが、第1熱線510a及び第3熱線510cもエアロゾルを加熱することができる。または、第1熱線510aないし第3熱線510cにいずれも比較的小さな大きさの電流を印加しても、電場の影響で熱線の加熱が増大されるので、熱線510は、十分な温度にエアロゾルを加熱することができる。
【0148】
多層構造の熱線510に印加される電流によって熱線510が直接加熱されるだけではなく、電場によって熱線510が間接的にも加熱されるので、エアロゾルの加熱による消耗電力が節約されうる。
【0149】
図12は、回路基板の一例を示す図面である。
【0150】
図12を参照すれば、回路基板1200は、接触素子1210及び孔1220を含み、回路基板1200の孔1220に熱線510が配置されうる。
【0151】
カートリッジは、回路基板1200を含んでもよい。回路基板1200は、抵抗などの電子部品を表面に固定し、電子部品の間を配線で連結して電子回路を構成した基板でもある。例えば、回路基板1200は、PCB(Printed Circuit Board)またはFPCB(Flexible Printed Circuits Board)に該当するが、回路基板1200の種類は、それに限定されない。
【0152】
回路基板1200は、エアロゾル生成装置と電気的に連結される接触素子1210を含んでもよい。接触素子1210は、エアロゾル生成装置と接触されることで、エアロゾル生成装置と電気的に連結され、エアロゾル生成装置から電流を印加されうる。接触素子1210は、例えば、導体物質で構成されうる。
【0153】
接触素子1210は、カートリッジがエアロゾル生成装置に結合された場合、エアロゾル生成装置と接触されねばならないので、回路基板1200に連結された状態で、カートリッジの外部に配置されうる。例えば、接触素子1210は、回路基板1200の両端で折れた形態にカートリッジの外壁面に密着されうる。但し、接触素子1210の配置は、それに限定されず、エアロゾル生成装置と接触されるように多様に配置されうる。
【0154】
回路基板1200は、接触素子1210を通じて伝達された電流を熱線510に伝達することができる。回路基板1200は、回路基板1200上の配線を介して電流を熱線510に伝達することができる。回路基板1200上の配線は、1つの接触素子1210を介して印加された電流が熱線510の全部に伝達されるように配置されうる。
【0155】
回路基板1200は、熱線510の面積に対応する面積の孔1220を含んでもよい。孔1220は、孔1220内に熱線510が配置され、エアロゾルが通過されるように設計されうる。孔1220の面積は、熱線510が配置されるように、熱線510の断面積と同一であるか、熱線510の断面積よりも多少大きくもある。
【0156】
回路基板1200は、熱線510と平行に配置されうる。熱線510の断面が気流パスの延長方向と直交するように配置される場合、回路基板1200も気流パスの延長方向と直交するように配置されうる。但し、回路基板1200の配置は、それに限定されず、熱線510と一定角度をなして配置されうる。
【0157】
図13は、並列に連結されたヒータ及び熱線の一例を示すブロック図である。
【0158】
図13を参照すれば、ヒータ540及び熱線510は、互いに並列に連結され、エアロゾル生成装置400に連結されうる。
【0159】
並列に連結されたヒータ540及び熱線510は、1つの電極1310を介してエアロゾル生成装置400から電流を印加されうる。熱線510及びヒータ540には、同じ電圧が印加され、それぞれの抵抗に反比例する電流が印加されうる。これは、電流分配法則によっても説明される。
【0160】
熱線510及びヒータ540の加熱温度は、互いに異なるので、熱線510及びヒータ540への印加電流の大きさも互いに異なる。したがって、熱線510及びヒータ540は、互いに異なる抵抗を有し、各抵抗に基づいて熱線510及びヒータ540に印加される電流が分配されうる。例えば、ヒータ540の加熱温度が熱線510の加熱温度よりも高い。その場合、熱線510よりヒータ540にさらに大きい電流が印加されるために、ヒータ540が熱線510より低い抵抗を有するように設計されうる。
【0161】
熱線510及びヒータ540が並列に連結され、互いに異なる抵抗を有することにより、エアロゾル生成装置400は、個別的に電流を印加せずとも、1つの電極1310を介して電流を印加することで、熱線510及びヒータ540を互いに異なる温度に制御することができる。
【0162】
ヒータ540及び熱線510のうち、少なくとも1つの抵抗は、可変抵抗でもある。ヒータ540または熱線510の抵抗を可変することで、それぞれに印加される電流の大きさが調整されうる。ヒータ540または熱線510の温度に基づいてヒータ540または熱線510の温度を制御するために、ヒータ540または熱線510の抵抗が可変されうる。例えば、ヒータ540の温度に基づいて熱線510の温度を制御するために熱線510の可変抵抗が調整されうる。
【0163】
図14は、エアロゾル生成装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【0164】
図14を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、カートリッジ500及びプロセッサ460を含んでもよい。図14のカートリッジ500及びプロセッサ460は、図5のカートリッジ500及び図4のプロセッサ460に対応しうる。
【0165】
一方、図14に図示されたエアロゾル生成装置400には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図14に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置400にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0166】
プロセッサ460は、カートリッジ500と電気的に連結されてカートリッジ500の各構成を電気的に制御することができる。プロセッサ460は、ヒータ及び熱線が加熱されるように、ヒータ及び熱線に電流を印加することができる。
【0167】
プロセッサ460は、ヒータの温度を測定することができる。また、プロセッサ460は、カートリッジ500の外部に排出されるエアロゾルの温度を測定することができる。例えば、プロセッサ460は、排出孔におけるエアロゾルの温度を測定することができる。
【0168】
エアロゾル生成装置400は、ヒータまたはエアロゾルの温度を感知するための温度感知センサを含み、プロセッサ460は、温度感知センサから受信する信号に基づいて、ヒータまたはエアロゾルの温度を測定することができる。温度感知センサは、カートリッジに含まれるか、エアロゾル生成装置の本体に含まれうる。
【0169】
プロセッサ460は、ヒータの温度に基づいてカートリッジ500の外部に排出されるエアロゾルの温度が目標温度に到逹するように熱線の温度を制御することができる。カートリッジ500の外部に排出されるエアロゾルの目標温度は、例えば、排出孔におけるエアロゾルの目標温度でもある。プロセッサ460は、熱線の温度及びヒータの温度を負の相関関係によって制御することができる。
【0170】
プロセッサ460は、排出孔におけるエアロゾルの温度が45℃以上になるように熱線の温度を制御することができる。
【0171】
プロセッサ460は、エアロゾルが加熱されてうない場合に比べて、排出孔におけるエアロゾルの温度が15℃以上高くなるように熱線の温度を制御することができる。
【0172】
プロセッサ460は、熱線が60℃以上及び80℃以下に加熱されるように熱線を制御することができる。
【0173】
一実施例は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性媒体、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。また、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含む。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールまたはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型媒体をいずれも含む。通信媒体は、典型的にコンピュータ可読命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他の送信メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0174】
上述した実施例に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者でれば、それにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点が理解できるであろう。したがって、発明の真の保護範囲は、請求範囲によってのみ決定され、請求範囲に記載の内容と同等な範囲にある全ての相違点は、請求範囲によって決定される保護範囲に含まれるものと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14