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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】判定装置
(51)【国際特許分類】
   A61G 11/00 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
A61G11/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022182211
(22)【出願日】2022-11-15
(62)【分割の表示】P 2021037292の分割
【原出願日】2017-02-13
(65)【公開番号】P2023009176
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】岩井 文
(72)【発明者】
【氏名】山田 有吾
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-515755(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0278868(US,A1)
【文献】特開2016-004793(JP,A)
【文献】特開2015-100485(JP,A)
【文献】特表2016-534835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00-16
A61G 10/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保育容器内部の音量を得るセンサからの計測信号を取得する取得部と、
前記保育容器内のユーザに応じた前記音量の判定基準を記憶する記憶部と、
前記取得部が取得した前記計測信号と前記記憶部が記憶した前記判定基準に基づいて、前記音量が適切であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が判定した判定結果を表示する出力部と、
前記記憶部と、前記判定部と、前記出力部を備えた医療用コラムと、
を備え、
前記出力部は前記医療用コラムの上部に設けられ、
前記判定部が、前記音量が適切と判定した場合、前記出力部が、適切を示す結果を出力し、
前記判定部が、前記音量が適切でないと判定した場合、前記出力部が、適切でないことを示す結果を出力し、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記保育容器に伝達される音をノイズキャンセルすることにより、前記計測信号が示す音量を調整する音量調整部を備え
前記センサは、可聴帯域未満、可聴帯域、および可聴帯域以上のそれぞれが示す周波数範囲ごとに音量の計測を行い、
前記判定基準は、可聴帯域未満閾値、可聴帯域閾値、および可聴帯域以上閾値を含み、
前記判定部は、前記センサにより計測された前記周波数範囲ごとの音量に応じて、前記可聴帯域未満閾値、前記可聴帯域閾値、または前記可聴帯域以上閾値を用いて、前記音量が適切であるか否かを判定する
ことを特徴とする判定装置。
【請求項2】
前記取得部は前記保育容器内部の光量と音量との少なくともいずれか一方を得るセンサからの計測信号を取得し、
前記記憶部は、前記保育容器内のユーザに応じた前記光量もしくは前記音量の判定基準を記憶し、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記計測信号と前記記憶部が記憶した前記判定基準に基づいて、前記光量もしくは前記音量が適切であるか否かを判定し、
前記判定部が、前記光量もしくは前記音量が適切と判定した場合、前記出力部が、適切を示す結果を出力し、
前記判定部が、前記光量もしくは前記音量が適切でないと判定した場合、前記出力部が、適切でないことを示す結果を出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記出力部が、数値、文字、図形、色彩、光、音のうち少なくともいずれか1つを用いて、前記判定部が判定した判定結果を表示する、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療現場にあっては、病室における環境を整えるために温度や湿度などが管理されている。特に新生児特定集中治療室(NICU、Neonatal Intensive Care Unit)などで使用される保育器においては、個々の保育器内の温度や湿度が常時モニタリングされている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-172383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、病室には照明器具が備えられ、多数の医療機器が配置されるのが通常である。照明器具からは光が照射され、医療機器からはモニタ音やアラーム音が鳴る。また、病室では、医療従事者による問診や会話等が交わされる。このような、照明器具からの照射光やモニタ音やアラーム音の再生、問診等は、治療を行うために必要であることから、病室から排除することは困難である。しかしながら、個々の患者の立場に立てば、それぞれの患者にとって、適切な音量や光量がある。特に、身体機能の未熟な低出生体重児にとっては、母親の胎内に近い環境を整えることが成長を促すと考えられている。そのため、光量や音量への配慮が強く求められている。
【0005】
本発明の一態様は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、光量や音量が適切か否を判定することができる判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、以下の手段を提案している。
(1)ベッドの上の光量と音量との少なくともいずれか一方を含む環境に関する環境情報を得るセンサからの計測信号を取得する取得部と、前記取得部が取得した計測信号に基づいて、前記環境が適切であるか否かを判定する判定部と、を備える判定装置である。
【0007】
ベッドには、覆いや転落防止用の柵が設けられていることもあり、ベッドの上への光の透過や音の伝達がベッドによって異なることがある。本発明の一態様の判定装置は、ベッドの上に設けられたセンサの計測信号を判定に用いる。つまり、判定装置は、ベッドに在床するユーザが実際に知覚するものと同様の光量や音量を検出して判定に用いる。よって、判定装置は、光量や音量が適切か否を判定することができる。
【0008】
(2)上記(1)に係る判定装置では、前記ベッドのユーザに応じた環境の判定基準を記憶する記憶部を更に備え、前記判定部は、前記判定部は、前記計測信号と前記判定基準とに基づいて、前記環境が適切であるか否かを判定する。
【0009】
この場合、本発明の一態様の判定装置は、ベッドのユーザに応じて設定される光量閾値や音量閾値と計測された光量や音量とをそれぞれ比較することにより、光量や音量が適切であるか否かを判定する。このため、光量や音量に対して敏感なユーザや敏感ではないユーザ、あるいは、治療のために特別な光量や音量の環境が必要とされるユーザなど個々のユーザに応じて、光量や音量が適切であるか否かを判定することができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に係る判定装置では、前記ベッドは、新生児を収容する保育容器のベッドであり、前記センサは、前記保育容器の筐体の内部に設置される。この場合、本発明の一態様の判定装置は、保育容器内で計測された光量や音量に基づいて判定することができる。したがって、判定装置は、保育容器に収容される新生児が実際に知覚するのと同等の光量や音量が適切か否かを判定することができる。
【0011】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに係る判定装置では、数値、文字、図形、色彩、音、光のうち少なくともいずれか1つを用いて、前記判定部が判定した判定結果を出力する出力部をさらに備える。この場合、本発明の一態様の判定装置は、判定部が判定した結果を表示することができる。したがって、判定装置は、判定部が判定した結果を、ユーザなどに一目で認識されるようにすることができる。また、ユーザなどが他の処置をして目が離せない場合であっても判定部が判定した結果を、音で認識されるようにすることができる。また、判定装置は、ユーザなどが判定装置から離れた場所にいる場合であっても判定部が判定した結果を、光の点灯や点滅により認識されるようにすることができる。
【0012】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに係る判定装置では、前記判定部による判定結果に基づいて、前記ベッドに照射される光を遮ることにより、前記計測信号が示す光量を調整する光量調整部をさらに備える。この場合、本発明の一態様の判定装置は、判定部が判定した結果、光量が適切でない場合に、光を遮ることにより、その適切でない光量を調整して適切なものとすることができる。
【0013】
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つに係る判定装置では、前記判定部による判定結果に基づいて、前記ベッドに伝達される音をノイズキャンセルすることにより、前記計測信号が示す音量を調整する音量調整部をさらに備える。この場合、本発明の一態様の判定装置は、判定部が判定した結果が、音量が適切でない場合、ノイズキャンセルを動作させることにより、その適切でない音量を調整して、適切なものとすることができる。
【0014】
(7)ベッドの上の光量と音量との少なくともいずれか一方を含む環境に関する環境情報を得るセンサからの計測信号を取得する取得工程と、前記取得工程により取得された計測信号に基づいて、前記環境が適切であるか否かを判定する判定部と、を備える判定方法である。これにより、ベッド上の光量と音量との少なくともいずれかを計測するセンサからの計測信号に基づいて前記ベッド上の光量と音量との少なくともいずれかが適切であるか否かが判定される。これにより、判定方法を用いて、光量や音量が適切か否を判定することができる。
【0015】
(8)ベッドの上の光量と音量との少なくともいずれか一方を含む環境に関する環境情報を得るセンサからの計測信号を取得する取得部と、前記取得部が取得した計測信号に基づいて、前記環境が適切であるか否かを判定する判定部と、を備える判定装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。これにより、コンピュータプログラムは、光量や音量が適切か否を判定することができる判定装置としてコンピュータを機能させることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、個々の患者が受ける光量や音量が適切か否を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施形態に係る判定装置を含む判定システムの一例を表す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る判定装置の構成を表す構成図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る判定装置で用いられる閾値データベースのデータ構成を表す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る判定装置が行う判定処理の流れを表すフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態に係る判定装置の構成を表す構成図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る判定装置で用いられる閾値データベースのデータ構成を表す図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る判定装置の構成を表す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態による判定装置3について図面を参照して説明する。
図1は、判定装置3を含む判定システム1の一例を表す図である。判定システム1は、例えば、センサ部2と、判定装置3と、外部入力装置4と、保育器5と、医療機器6と、を含む。図1の例では、判定装置3が、医療コラム(医療機器を集約させる据付型の装置)である場合の例を示している。図1の例では、判定装置3の据付の柱部分に医療機器6が集約されて設置された例を示している。判定装置3は、取得部30と、表示部35と、を含む。
【0019】
センサ部2は、保育器5の保育容器51の内部に設置され、保育容器51の内側の光量と音量とを計測し、計測した光量等を計測信号として判定装置3に出力する。センサ部2は、保育容器51のベッド上面に載置されてもよいし、保育容器51の内部の側面などに固定されてもよいし、保育容器51に収容される新生児に装着されてもよい。センサ部2は、保育容器51の内部の側面などに固定される場合、保育容器51の内部の側面などに固定するための固定具を備えていてもよいし、保育容器51にセンサ部2を固定するための固定具が備えられてもよい。
【0020】
判定装置3は、センサ部2からの計測信号を、ケーブルLを介して取得部30により取得する。判定装置3は、センサ部2からの計測信号に基づいて、保育容器51の内側の光量および音量が適切であるか否かを判定する。光量および音量が適切であるとは、例えば、計測された光量や音量が予め定めた許容推奨値を超えないことである。また、計測された光量や音量がその許容推奨値を含む所定の範囲内であることである。また、判定装置3は、外部入力装置4から入力される操作信号により、判定に用いる閾値を変更したり設定したりする。これにより、判定装置3は、センサ部2からの計測信号と、判定に用いる閾値と比較し、保育容器51の内側の光量および音量が適切であるか否かを判定する。判定装置3は、判定結果を表示部35に表示させる。判定装置3では、表示部35は、例えば表示部35から照射される光が保育容器51の内部に照射されにくい位置や向きに設置されてよい。
【0021】
外部入力装置4は、例えばユーザにより外部から閾値の設定等を行うための入力装置である。外部入力装置4は、例えば、アップキーやダウンキー、テンキーなどである。ユーザは、外部入力装置4を操作することにより、判定装置3に、判定に用いる閾値や数値、患者の識別番号などを入力する。また、外部入力装置4は、キーボードやボリュームコントローラ、スライドスイッチ等であってもよい。
【0022】
保育器5は、例えば保育容器51と、保育器内環境制御装置52と、キャスタ53と、を含む。保育容器51は、例えば治療が必要と認められた新生児が収容される容器である。保育器内環境制御装置52は、保育容器51の内部の空間における温度、湿度および酸素濃度等を制御する。保育容器51の長手方向の側面には、医療従事者などが保育容器51の内側に手を入れて治療などを行うための手入れ窓510が設置される。また、保育容器51には、カバー511が掛けられている。カバー511が保育容器51を覆うことにより、保育容器51を照らす照明の光などを遮光、減光することができる。
【0023】
医療機器6は、治療に必要な器具であって、例えば処置灯61と、モニタ62などである。処置灯61は処置を行う際に患部などを明るく照らす照明器具である。モニタ62は、例えば、保育容器51内に収容される新生児の生体情報などを表示したり、異常を知らせたりする監視装置である。これらの医療機器6は、例えば、保育容器51の内側に光を照射しないように、また、不要な音を伝達しないように工夫される。例えば、処置灯61は、アーム部63を備え、治療を行う際に部屋全体を明るくすることなく処置に必要な部分を的確に照らすようにする。また、モニタ62は、モニタ内容を表示させる光が保育容器51の内部に照射されにくい向きに設置される。また、モニタ62は、異常を知らせるアラーム音が、保育容器51の内部に伝達されにくい位置や向きに設置される。
【0024】
早産など理由で予定より早く生まれた新生児は、身体機能が未熟であることから外的刺激に対する耐性が十分に備わっていない。このため外的刺激を低減させた母親の胎内に近い環境の中で成長させる必要がある。アメリカ小児科学会が推奨するNICUの環境(以下、推奨環境という)は、光量の範囲が日中で100から200[lx]であり(Neonatal Care 2016 vol.29 no.11(1063))、音量の上限が45[dB]である(同(1057))とも言われている。これは、例えば夜間の街灯の光量、および図書館の音量と同程度の環境である。治療を行う現場においては、点滴の経過状況を目視て確認したり、薬剤の数値を目視で確認したりする必要があるため、点滴の目盛や薬剤の数値を読み取ることができる照明が必要である。また、治療を行う現場においては、問診したり、誤って別の患者の薬剤を投与することを防止するために患者の氏名を読み上げて確認したりするため、図書館のような静寂な状態とは言い難い状況となる場合もある。つまり、病室全体に上述した間の街灯の光量、および図書館の音量と同程度の推奨環境を実現させることは困難である。
【0025】
また、保育器5の周辺に置かれた医療機器6からのセンサ音や、保育器5の側にいる医療従事者の会話などは、保育容器51の外側ではある程度大きな音量であるが、保育容器51の内側ではどのように伝達されているか不明ある。さらには、保育容器51の手入れ窓510を開閉する音は、保育容器51の外側では小さな音量だが保育容器51の内部で大きく伝達されている可能性がある。手入れ窓510の開閉音が、実際に保育容器51の内部でどれほどの音量であるかは、実際に計測をしなければ不明である。本実施形態の判定装置3は、このような医療現場において、保育容器51の内側の光量および音量が適切であるか否かを表示して医療従事者に知らせることができる。これにより、光量が適切でなければ、医療従事者は照明の向きを変えたり、照明の明るさを変えたり、カバー511をかけたりすることにより、保育容器51に照射される光量を低減させることができる。また、音量が適切でなければ、医療従事者は保育器5から離れて会話したりするなどして保育容器51の内部の騒音の低減を図ることができる。このように、実施形態の判定装置3を用いることにより、光量と音量が適切でない場合の対策を早期に講じることができる。
【0026】
図1では、判定装置3が、周囲と上部が透明な樹脂素材などで囲まれた保育容器51に用いられる場合の例を示しているが、これに限定されない。判定装置3は、新生児治療回復室(GCU、Growing Care Unit)などで使用されるコット(寝台部分の周囲が囲まれているが、上部が合成樹脂など覆われていない新生児用ベッド)に用いられてもよいし、小児用のベッドや、成人用のベッドに用いられてもよい。以下の説明においては、これら保育容器51、コット、小児用のベッド、成人用のベッドを総称して、単にベッドと称する。
【0027】
センサ部2は、ベッドの上の光量と音量との少なくともいずれか一方を含む環境に関する環境情報を得る。環境情報には光量だけが含まれていてもよいし、音量だけが含まれていてもよいし、光量と音量との両方が含まれていてもよい。ベッドの上の光量と音量とは、例えば、ベッド上の患者が横たわる空間(以下、計測空間という)における光量と音量である。計測空間は、例えばベッド上面の周囲を囲む略鉛直面に平行な4つの平面と、天井面とで囲まれる空間である。判定装置3が図1に示すような上部が覆われた保育容器51に用いられる場合、天井面とは、保育容器51の上部に配置される面のことである。また、判定装置3がベッドに用いられる場合、天井面とは、そのベッドが置かれた部屋の天井面のことである。また、ベッドと天井面の間に天蓋などの覆いが配置された場合、天井面とは、その天蓋等の覆いのことである。換言すると、計測空間とは、ベッド上面と、ベッド周囲を囲む略鉛直面に平行な面と、ベッド上面から鉛直方向に最初に配置された天井面とで囲まれた空間である。なお、屋外等、物理的な天井面がない場合、例えば判定装置3が設置される標準的な屋内における天井面と同程度の高さにある水平面に平行な平面を仮想的な天井面とする。また、計測空間には、計測空間の外側の空間であっても、その空間が計測空間と同等の光量または音量が見込まれる空間である場合には、その空間が含まれる。
【0028】
センサ部2は、計測空間内の何れの場所の光量と音量を計測してもよい。例えば、患者の目の位置の周辺空間における光量は、患者が感じる光量に近いということができるため、センサ部2は、患者の頭部側の光量を計測してもよい。あるいは、患者の頭部側が計測空間のどの位置になるか想定できない場合などは、センサ部2は、計測空間の中心部の光量を計測してもよい。また、音量についても同様に、センサ部2は、患者の頭部側の音量を計測してもよいし、計測空間の中心部の音量を計測してもよい。センサ部2は、計測空間内の同一の場所における光量と音量とを計測してもよいし、光量を計測する場所とは異なる別の場所における音量を計測してもよい。
また、図1の例では、センサ部2は、計測信号を、ケーブルLを介して判定装置3に出力しているが、これに限定されない。センサ部2は、赤外線やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式を用いて、計測信号を送信してもよい。センサ部2が、無線通信により計測信号を送信することにより、ケーブルLをなくすことができる。また、センサ部2は、ネットワークを介して、判定装置3に計測信号を送信してもよい。
【0029】
図2は、センサ部2と判定装置3の構成を表す構成図である。センサ部2は光量センサ20と音量センサ22を含む。判定装置3は、取得部30と、入力部31と、記憶部33と、音声出力部34と、表示部35と、制御部36(判定部の一例)と、を含む。音声出力部34と表示部35とは、出力部の一例である。判定装置3における、これらの構成要素は、バスBを介して相互に通信可能に接続されている。
【0030】
光量センサ20は、光量を計測する。光量センサ20は、例えば、太陽や照明器具などから照射される光線を取得する受光部を有し、受光部に受光された光の量に応じた信号を出力することにより光量を計測する。本実施形態においては、光量センサ20は、人体が反応する(例えば覚醒を促す等)光として可視光線の光線量を計測するが、これに限定されることはない。光量センサ20が計測する光量は、紫外線量であっても、赤外線量であっても、他の帯域の光線量であってもよい。光量センサ20は、紫外線か赤外線までの、可視光線を含む帯域であって可視光線よりも広い帯域の光線量を計測してもよい。光量センサ20は、計測した光量を示す計測信号を、判定装置3に出力する。
【0031】
音量センサ22は、音量を計測する。音量センサ22は、例えば、医療機器から出力されるセンサ音やアラーム音、医療関係者の話し声などを取得するマイク部を有し、マイク部に入力された音の量に応じた信号を出力することにより音量を計測する。音量センサ22は、例えば騒音計である。音量センサ22は、可聴帯域(例えば、20[Hz(ヘルツ)]から20[kHz]程度までの帯域)の信号量を計測するが、これに限定されることはなく、可聴帯域のうちの一部の帯域を計測するものであってもよいし、可聴帯域を含む帯域であって可聴帯域よりも広い帯域の信号量を計測してもよい。音量センサ22は、計測した音量を示す計測信号を、判定装置3に出力する。
【0032】
取得部30は、センサ部2からの計測信号を取得する。センサ部2からの計測信号は、光量を表すアナログ信号であってもよいし、そのアナログ信号をデジタル変換したデジタル信号であってもよい。センサ部2からの計測信号がアナログ信号である場合、取得部30は、所定のサンプリングレートでアナログ信号を保持し、保持したアナログ信号量をデジタル値に変換する。取得部30は、センサ部2からの計測信号に基づくデジタル信号を、制御部36に出力する。
【0033】
入力部31は、外部から入力された操作信号を制御部36に出力する。操作信号は、患者を識別する信号、光量の閾値を表す信号、および音量の閾値を表す信号を含む。以下の説明においては、操作信号に光量の閾値を表す信号が含まれる場合について説明する。操作信号に音量の閾値を示す信号が含まれる場合については、光量を示す信号が含まれる場合と同等であるため、その説明を省略する。
【0034】
操作信号は、例えば、複数の段階に分けられた閾値レベルのうちどの閾値レベルにするかを表す信号である。具体的には、入力部31は、外部入力装置4(例えば、アップキーとダウンキー)にユーザが入力した内容に基づく操作信号を取得する。例えは、入力部31は、アップキーが1回押下されると、光量閾値レベルを1レベル上げる旨を表す操作信号を取得する。また、入力部31は、ダウンキーが1回押下されると、光量閾値レベルを1レベルさげる旨を表す操作信号を取得する。入力部31は、取得した操作信号を制御部36に出力する。
【0035】
記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)などにより実現される。記憶部33は、制御部36に実行させるプログラムを記憶する。
記憶部33は、ベッドのユーザに応じた環境の判定基準を記憶する。具体的には、記憶部33は、判定装置3が行う判定処理に用いられる変数として、閾値レベルデータベース330と、光量レベル対応データベース331と、音量レベル対応データベース332と、を記憶する。閾値レベルデータベース330は、判定装置3が光量と音量とが適切であるか否かを判定する際の、光量と音量のそれぞれの閾値レベルを記憶する。光量レベル対応データベース331は、光量レベルとその光量レベルに対応する光量閾値とを記憶する。音量レベル対応データベース332は、音量レベルとその音量レベルに対応する音量閾値を記憶する。
【0036】
記憶部33は、患者の心拍数や血圧、体温などの生体情報を記憶する。例えば、医療従事者は、心拍計や血圧計、体温計などを用いて患者の心拍数や血圧、体温などを計測する。そして、医療従事者は、外部入力装置4に生体情報を入力する。外部入力装置4は、医療従事者により入力された生体情報を、判定装置3に出力する。そして、判定装置3は、外部入力装置4からの生体情報を、制御部36を介して記憶部33に記憶する。または、患者に装着された心拍モニタなどの生体情報センサは、計測した心拍数などの生体情報を取得部30に出力する。そして、取得部30は、生体情報センサからの生体情報を、制御部36に出力し、制御部36が生体情報を記憶部33に記憶する。
【0037】
図3は、第1の実施形態の判定装置3で用いられる記憶部33のデータ構成を表す図である。図3(a)は、閾値レベルデータベース330のデータ構成を示す。図3(b)は、光量レベル対応データベース331のデータ構成を示す。図3(c)は、音量レベル対応データベース332のデータ構成を示す。
【0038】
図3(a)に示すように、閾値レベルデータベース330には、患者IDと、光量レベル情報と、音量レベル情報と、が記憶される。患者IDは、患者を識別する情報(例えば、患者識別番号)である。光量レベル情報は、複数の光量レベルのうち、いずれのレベルかを示す情報である。音量レベル情報は、複数の音量レベルのうち、いずれのレベルかを示す情報である。図3(a)の例では、光量レベル情報に「2」が記憶され、音量レベル情報に「3」がそれぞれ記憶された例を示す。
閾値レベルデータベース330に患者IDが含まれ、患者IDに対応付けて光量レベル情報と音量レベル情報とが記憶されることにより、個々の患者に対応した光量レベルと音量レベルとを記憶させることができる。これにより、判定装置3は、光量と音量とが適切か否かを判定することができる。なお、患者IDは、ベッドを識別する情報(例えば、ベッドID)であってもよく、また、患者ではないがベッドを使用するユーザを識別する情報(例えば、ユーザID)であってもよい。このように、患者IDと当該患者IDが示す患者にとって好ましい環境(光量または音量)に応じた気判定基準として、光量レベル情報や音量レベル情報などを対応づけて記憶するようにしたので、ベッドのユーザ(患者)に応じた環境となるように判定した結果を出力することができる。
【0039】
光量レベル対応データベース331には、光量レベル情報と、閾値情報と、が記憶される。光量レベル情報は、閾値レベルデータベース330の光量レベル情報に対応する情報である。閾値情報は、許容する光量の上限を示す情報である。
図3(b)の例では、光量レベル1には、睡眠を阻害しないとされる光量の上限値が記憶される。具体的には、閾値情報に30[lx]が記憶される。また、光量レベル2には、日中において推奨される光量範囲が記憶される。具体的には、閾値情報に200[lx]がそれぞれ記憶される。
光量レベル対応データベース331に、光量レベルと閾値とが対応付けて記憶されることにより、判定装置3は、光量レベル対応データベース331を参照し、設定レベルに応じた閾値を用いることで、光量センサ20が検出した光量が適切か否かを判定することができる。
閾値は、時間帯ごとに設定(例えば、夜間と日中とに分けて設定)されていてもよい。例えば、光量レベル2に対応する日中の閾値は200[lx]であり、夜間の閾値は30[lx]に設定されていてもよい。この場合、判定装置3は、例えば、内部に設けられたタイマー(不図示)が示す時間情報に応じて、光量レベル対応データベース331を参照し、設定レベルに応じた閾値を用いる。また、閾値は、その瞬間における光量や音量の絶対値を示すものであってもよいし、相対的な変化量を示すものであってもよい。閾値が変化量を示すものである場合、例えば、判定装置3は、光量は小さくとも急に明るくなった場合に適切でないと判定する。
また、閾値は、許容される光量または音量の下限を示す閾値であってもよい。この場合、判定装置3は、光量計測値が下限の閾値を下回る場合、光量が適切でないと判定する。また、判定装置3は、上限の閾値と下限の閾値との両方の閾値を用いて、光量計測値が下限の閾値から上限の閾値までの範囲に入る場合に光量が適切であると判定するようにしてもよい。光量や音量が全くない環境は、脳の発達にとって必ずしも良い影響を与えるとは限らない。新生児が親の会話を聞いたり、子守唄を聞かせたりすることにより、新生児の状態が安定する可能性もある。このような場合は、下限の閾値を下回らない場合に、あるいは下限の閾値と上限の閾値の間に計測値が入る場合に、適切と判定してよい。
また、閾値は、センサ2に計測された周波数等の範囲ごとに設定されていてもよい。例えば、光量センサ20が紫外線、可視光線、および赤外線のそれぞれが示す周波数範囲ごとに光量の計測を行い、光量レベル対応データベース331には紫外線量閾値、可視光線量閾値、および赤外線量閾値のそれぞれが設定される。この場合、判定装置3は、例えば、光量センサ20により計測された光線の種類(紫外線か、可視光線か、赤外線かの種類)に応じて、光量レベル対応データベース331を参照し、種類に応じた閾値を用いる。
【0040】
音量レベル対応データベース332には、音量レベル情報と、閾値情報と、が記憶される。音量レベル情報は、閾値レベルデータベース330の音量レベル情報に対応する情報である。閾値情報は、音量の上限の閾値を示す情報である。
図3(c)の例では、音量レベル1には、睡眠に好ましいとされる音量の上限値が記憶される。具体的には、閾値情報に35[dB]、が記憶される。また、音量レベル2には、例えば、NICUにおいて推奨される音量の上限値が記憶される。具体的には、閾値情報に45[dB]、が記憶される。音量レベル3には、例えば、長時間計測される音量として好ましくない音量の上限値が記憶される。具体的には、閾値情報に65[dB]、が記憶される。
閾値は、センサ2に計測された周波数等の範囲ごとに設定されていてもよい。例えば、音量センサ20が可聴帯域未満(例えば、20[Hz]未満)、可聴帯域(例えば、20[Hz]以上、かつ20[kHz]未満)、および可聴帯域以上(例えば、20[kHz]以上)のそれぞれが示す周波数範囲ごとに音量の計測を行い、音量レベル対応データベース332には可聴帯域未満閾値、可聴帯域閾値、および可聴帯域以上閾値のそれぞれが設定される。この場合、判定装置3は、例えば、音量センサ22により計測された音の種類(可聴帯域未満か、可聴帯域か、可聴帯域以上かの種類)に応じて、音量レベル対応データベース332を参照し、種類に応じた閾値を用いる。
光量レベル対応データベース331に、音量レベルと音量の閾値とが対応付けて記憶されることにより、判定装置3は、音量レベル対応データベース332を参照し、設定レベルに応じた閾値を用いることで、音量センサ22が検出した音量が適切か否かを判定することができる。
【0041】
図2に戻り、音声出力部34は、音を用いて、制御部36が判定した判定結果を音声やアラーム音等で出力する。
音声出力部34が判定装置3の筐体内に設置される等して保育器5の側で音を出力する場合、音声出力部34からの音が保育容器51内に騒音として伝達されないように、例えば、音の出力方向を保育容器51の方向とは異なる方向としたり、保育容器51にカバー511を掛けたりすることが好ましい。また、音声出力部34は、子守唄などを出力するようにしてもよい。子守唄を新生児に聞かせることにより状態が安定する場合が考えられる。また、音声出力部34は、出力する音の音量を調整する音量調整部を有する。音量調整部は、例えば音量調節つまみとミュートボタンとを含み、ユーザが音声出力部34からの音の音量を大きくしたり小さくしたり、消音したりすることができる。これにより、音声出力部34からの音が保育容器51内に伝達される可能性がある状況にあっても、保育容器51内の音量が増大しないようにすることができる。
【0042】
表示部35は、判定装置3が光量と音量とのそれぞれが適切であるか否かを判定した判定結果を表示する。例えば、図1の例では、表示部35は、表示領域の上側に音量に対する判定結果を、ピクトサイン(スピーカの図形)、および音量値(「65dB」の数値および文字)を表示する。また、表示部35は、表示領域の下側に光量に対する判定結果を、ピクトサイン(太陽の図形)、および光量値(「100lx」の数値および文字)を表示する。表示部35は、判定結果を色彩で表示させてもよい。例えば、表示部35は、光量または音量が、それぞれに設定された閾値を超えた場合に警告を示す赤色で表示する。また、表示部35は、光量または音量が、それぞれに設定された閾値から所定の範囲内、(例えば、音量であれば、5[dB]以内など)である場合に注意を喚起させる黄色で表示する。また、表示部35は、光量または音量が、それぞれに設定された閾値から所定の範囲を下回る場合に安心を示す緑色で表示する。また、表示部35は、ピクトサイン等を点灯させるだけでなく、点滅させて表示してもよい。このように、表示部35は、数値、文字、図形、色彩のうち少なくともいずれか1つ以上を用いて、判定結果を表示する。なお、判定結果には、少なくとも適切か否かを判定した判定結果が含まれ、さらに光量および音量のそれぞれの測定値が含まれていてもよい。
【0043】
上述した音声出力部34と表示部35以外にも出力部が設けられてもよい。具体的には、出力部は、例えば、ライト、プリンタ等であってもよい。例えば、複数の色違いのLEDランプを設け、判定結果を色別のLEDランプ点灯や点滅等で出力したり、判定結果を印刷したりしてもよい。
出力部は、据置き型の装置であってもよいし、医療従事者が携帯する携帯型の端末装置であってもよい。出力装置が端末装置である場合、端末装置の表示画面に判定結果を表示したり、判定結果に応じたアラーム音や振動を出力したりする。
【0044】
制御部36は、取得部30と、入力部31と、記憶部33と、音声出力部34と、表示部35と、を制御する。制御部36は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを搭載したマイクロコントローラーであり、プログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現される。また、これらのプログラムで実行される機能の一部または全部は、アナログ制御回路、またはFPGA(Field Scale Integration)等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0045】
制御部36は、取得部30が取得した計測信号に基づいて、環境が適切であるか否かを判定する。具体的には、制御部36は、取得部30からの計測信号に基づいて、光量および音量が適切であるか否かを判定する。以下の説明においては、制御部36が光量について適切であるか否かを判定する処理について説明する。制御部36が音量について適切であるか否かを判定する処理については、光量における判定の処理と同等の処理を行うことからその説明を省略する。
【0046】
制御部36は、入力部31からの操作信号を記憶部33に記憶させる。制御部36は、操作信号のうち、患者を識別する情報、光量レベルや音量レベルを示す情報をそれぞれ閾値レベルデータベース330に記憶させる。具体的には、患者を識別する情報を患者IDに記憶させ、光量レベルを光量レベル情報に記憶させ、音量レベルを音量レベル情報にそれぞれ記憶させる。
【0047】
制御部36は、個々の患者に設定された光量レベルに対応する閾値を取得する。具体的には、制御部36は、閾値レベルデータベース330を参照し、光量レベル情報を取得する。そして、制御部36は、光量レベル対応データベース331を参照し、取得した光量レベル情報に対応する閾値を取得する。より具体的には、図3の例では、制御部36は、閾値レベルデータベース330の光量レベルを取得し、取得した光量レベル「2」に対応する光量レベル対応データベース331の閾値「200[lx]」を取得する。
制御部36は、例えば、光量レベル情報を、定期的、あるいは判定毎に取得する。または、制御部36は、光量レベル情報が更新された場合に、更新された光量レベル情報を取得するようにしてもよい。制御部36が光量レベル情報を更新させる処理については、後で詳しく説明する。
【0048】
制御部36は、記憶部33より取得した閾値と、取得部30からの計測信号に含まれる計測された光量値(以下、光量計測値という)とに基づいて、光量が適切であるか否かを判定する。具体的には、制御部36は、閾値と光量計測値とを比較し、光量計測値が閾値を超える場合、光量が適切でないと判定する。
【0049】
ここで、制御部36は、適切か否かを判定してもよいし、適切さの度合いを複数の段階で判定してもよい。適切さの度合いを複数の段階で判定する場合とは、例えば、適切さの度合いを、警報段階で適切でない、注意段階で適切でない、適切である、の3段階について判定する場合である。具体的には、制御部36は、閾値と光量計測値とを比較し、光量計測値が閾値(200ルクス)を超える場合には、光量が警報段階で適切でないと判定する。また、制御部36は、光量計測値が、閾値(200ルクス)と、閾値から所定の値(例えば、30ルクス)だけ少ない光量値(170ルクス)との間である場合には、光量が注意段階で適切でないと判定する。また、制御部36は、光量計測値が閾値から所定の値を引いた値(170ルクス)を下回る場合には、光量が適切であると判定する。
【0050】
また、制御部36は、判定した判定結果を音声出力部34、表示部35等の出力部に出力する。判定結果には、光量が適切か否かを示す情報、適切か否かの度合(例えば、警告段階か注意段階か)を示す情報、および光量計測値を示す情報が含まれていてよい。
【0051】
ここで、制御部36は、判定した判定結果を、図示しない送信部を介して遠隔にある出力部に出力してもよい。送信部は、例えば、有線、無線またはネットワークを介して、出力部に判定結果を送信する。出力部は、例えば、保育器5が配置された病室から離れたナースステーションのなどに配置され、判定結果に応じた出力を行う。
【0052】
また、制御部36は、入力部31からの操作信号に基づいて、閾値レベルデータベース330を更新させる。操作信号には、光量および音量の何れの閾値レベルかを示す識別情報と、閾値レベルを示す閾値レベル情報が含まれる。具体的には、制御部36は、操作信号に光量の閾値レベルを「1」に設定する旨の情報が含まれている場合、閾値レベルデータベース330の光量レベル情報に、「1」を書き込んで記憶させる。また、制御部36は、操作信号に音量の閾値レベルを「2」に設定する旨の情報が含まれている場合、閾値レベルデータベース330の音量レベル情報に、「2」を書き込んで記憶させる。
【0053】
ここでは、判定装置3が行う判定処理の流れを説明する。図4は、判定装置3が行う判定処理の流れを表すフローチャートである。
まず、前提として、判定装置3には、外部入力装置4から入力された操作信号に基づいて光量および音量のそれぞれの閾値レベルが記憶されているものとする。そして、判定装置3は、記憶部33を参照し、閾値レベルに対応する光量および音量のそれぞれの閾値を取得しているものとする。換言すれば、判定装置3は、光量および音量のそれぞれの閾値を予め取得しているものとする。
判定装置3は、センサ部2からの計測信号を取得する(ステップS1)。判定装置3は、計測信号の光量計測値と光量レベルの閾値とを比較し、光量レベルが閾値を超えるか否かを判定する(ステップS2)。判定装置3は、光量レベルが閾値を超える場合(ステップS2、YES)、光量が適切でないと判定する(ステップS3)。一方、判定装置3は、光量レベルが閾値を超えない場合(ステップS2、NO)、光量が適切であると判定する(ステップS4)。
さらに、判定装置3は、計測信号の音量計測値と音量レベルの閾値とを比較し、音量レベルが閾値を超えるか否かを判定する(ステップS5)。判定装置3は、音量レベルが閾値を超える場合(ステップS5、YES)、音量が適切でないと判定する(ステップS6)。一方、判定装置3は、音量レベルが閾値を超えない場合(ステップS5、NO)、音量が適切であると判定する(ステップS7)。そして、本フローチャートに示す判定処理は終了する。なお、本フローチャートにおいては、光量を判定する処理を行った後に、音量を判定する処理を行っているが、音量を判定する処理の後に光量を判定する処理を行うようにしてもよい。
【0054】
以上説明したように、第1の実施形態の判定装置3においては、ベッドの上の光量と音量との少なくともいずれか一方を含む環境に関する環境情報を得るセンサ部2(「センサ」の一例)からの計測信号を取得する取得部30(「取得部」の一例)と、取得部30が取得した計測信号に基づいて、環境が適切であるか否かを判定する制御部36(「判定部」の一例)と、を備える。これにより、第1の実施形態の判定装置3においては、病室とその病室に配置される個々のベッドとで、光量や音量が異なる環境にあっても、センサ部2により計測されたベッドの上の光量と音量とに基づいて、光量と音量とが適切であるか否かを判定することができ、実際にベッドのユーザが知覚する光量と音量とが適切であるか否かを判定することができる。
【0055】
また、判定装置3においては、新生児(「ベッドのユーザ」の一例)に応じた光量レベル情報に対応する閾値情報と音量レベル情報に対応する閾値情報(「判定基準」の一例)を記憶する記憶部33(「記憶部」の一例)を備え、制御部36(「判定部」の一例)は、計測信号が示す光量が光量閾値を超える場合に光量が適切でないと判定し、前記計測信号が示す音量が音量閾値を超える場合に音量が適切でないと判定する(「計測信号に基づいて、前記環境が適切であるか否かを判定する」の一例)。これにより、第1の実施形態の判定装置3においては、予め記憶させた光量閾値と計測された光量とを比較することにより光量が適切でないと判定することができる。また、予め記憶させた音量閾値と計測された音量とを比較することにより音量が適切でないと判定することができる。これにより、判定装置3は、光量と音量とが適切であるか否かを容易に判定することができる。
【0056】
また、判定装置3においては、ベッドは、新生児を収容する保育容器51(「保育容器」の一例)のベッドであってもよく、センサ部2(「センサ」の一例)は、保育容器51の筐体の内部に設置されていてもよい。これにより、第1の実施形態の判定装置3においては、センサ部2により計測された保育容器51内部の光量と音量とに基づいて、光量と音量とが適切であるか否かを判定することができ、実際に保育容器51に収容された新生児が知覚する光量と音量とが適切であるか否かを判定することができる。
【0057】
また、判定装置3においては、数値、文字、図形、色彩、音、光のうち少なくともいずれか1つを用いて、制御部36(「判定部」の一例)が判定した判定結果を出力する音声出力部34、表示部35(「出力部」の一例)をさらに備える。これにより、第1の実施形態の判定装置3においては、センサ部2により計測された計測結果や、光量と音量とが適切であるか否かを判定した判定結果を表示することができ、ベッドのユーザや周囲にいる医療従事者などに一目で光量と音量とが適切であるか否か知らせることができる。また、ベッドのユーザや周囲にいる医療従事者などが、他の処置中などで判定装置3の表示を見ることができない場合であっても、音や光によって、光量と音量とが適切であるか否か知らせることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態に係る判定装置3Aの構成を表す構成図である。以下の説明において、第1の実施形態の構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施形態の判定装置3Aにおいては、記憶部33Aがベッドのユーザに応じた環境の判定基準を記憶する。具体的には、図5に示すように、第2の実施形態の」判定装置3Aにおいては、記憶部33Aに、患者状況データベース335と、状況対応データベース336と、が記憶される。
【0059】
第2の実施形態の判定装置3Aにおいては、閾値は、ベッドのユーザに応じて設定される。ベッドのユーザとは、例えば、保育器5を使用する新生児である。閾値がベッドのユーザに応じて設定されるとは、例えば、新生児の週齢に基づいて閾値が設定されることをいう。例えば、週齢28週相当に満たない新生児は、眼球の光を知覚する器官が十分に機能していないとも言われている(Neonatal Care 2016 vol.29 no.11(1060))。このような新生児は、もっと週齢の大きな新生児と比較して光刺激に対する反応が弱いため、母体内の環境により近い暗い状態が好ましいといえる。また、十分に発達していない眼球が光に照らされることにより器官の発達不良などの影響を与える可能性もある。このため、より暗い状態が好ましく、週齢28週相当以上の新生児よりも特に暗い状態を保つように保育容器51の内部を照らす光量を制限する必要がある。第2の実施形態の判定装置3Aにおいては、患者(新生児)の週齢に基づいて閾値を設定することができ、週齢に応じて光量と音量とが適切か否かを判定することができる。もっとも、閾値の設定は週齢に基づくものに限定されることはない。例えば、光に対する反応には個人差があるため、閾値は目や耳の発育状況や、治療の経過の状況に応じて設定されてよい。このように、判定装置3Aにおいては、ベッド上のユーザに応じた閾値が設定される。
【0060】
図6は、第2の実施形態の判定装置3Aで用いられる記憶部33Aのデータ構成を表す図である。図6(a)は、患者状況データベース335のデータ構成を示す。図6(b)は、状況対応データベース336のデータ構成を示す。
【0061】
図6(a)に示すように、患者状況データベース335には、患者IDと、週齢情報と、が記憶される。患者IDは、患者を識別する情報(例えば、患者識別番号)である。週齢情報は、患者(新生児)の週齢を示す情報である。図6(a)の例では、週齢情報に「30」が記憶された例を示す。なお、患者IDは、ベッドを識別する情報(例えば、ベッドID)であってもよく、また、患者ではないがベッドを使用するユーザを識別する情報(例えば、ユーザID)であってもよい。なお、週齢情報は新生児の体重を示す情報(体重情報)であってもよい。医療従事者によっては、新生児の週数とともに体重を考慮することで発育の状況を把握しようとする場合があると考えられる。また、週数は、早産した新生児に用いられる修正後の週数であってよい。出生した日を基準とする出生後週数よりも、出生予定日を基準とした修正週数を用いた方が、発育の状況が正しく把握できるためである。
患者状況データベース335に患者IDが含まれ、患者IDに対応付けて週齢情報が記憶されることにより、個々の患者の週齢を記憶させることができる。これにより、判定装置3Aは、光量と音量とが適切か否かを、患者の週齢に応じて判定することができる。
【0062】
図6(b)に示すように、状況対応データベース336には、週齢情報と、閾値情報とが記憶される。週齢情報は、患者状況データベース335の週齢情報に対応する情報である。閾値は、許容される光量の上限を示す情報である。図6(b)の例では、週齢0週~28週の新生児には、母体内の環境により近い暗い状態とするための光量の上限が光量閾値に設定される。具体的には、光量の閾値に20[lx]が記憶されている。また、週齢28週~34週の新生児には、光刺激を与えない光量の上限が設定される。具体的には、光量の閾値に30[lx]が記憶されている。なお、図6(b)に示す例では、状況対応データベース336は光量に対する閾値を記憶するが、これに限定されることはなく、音量に対する閾値を記憶してもよいし、光量と音量とのそれぞれに対応する閾値を記憶してもよい。
閾値は、時間帯ごとに設定(例えば、夜間と日中とに分けて設定)されていてもよい。例えば、週齢28~34週に対応する夜間の閾値は30[lx]であり、日中の閾値は200[lx]であってもよい。この場合、判定装置3Aは、例えば、内部に設けられたタイマー(不図示)が示す時間情報に応じて、状況対応データベース336を参照し、設定レベルに応じた閾値を用いる。また、閾値は、その瞬間における光量や音量の絶対値を示すものであってもよいし、相対的な変化量を示すものであってもよい。閾値が変化量を示すものである場合、例えば、判定装置3Aは、光量は小さくとも急に明るくなった場合に適切でないと判定する。
また、閾値は、許容される光量または音量の下限を示す閾値であってもよい。この場合、判定装置3Aは、光量計測値が下限の閾値を下回る場合、光量が適切でないと判定する。また、判定装置3Aは、上限の閾値と下限の閾値との両方の閾値を用いて、光量計測値が下限の閾値から上限の閾値までの範囲に入る場合に光量が適切であると判定するようにしてもよい。光量や音量が全くない環境は、脳の発達にとって必ずしも良い影響を与えるとは限らない。例えば、600グラム程度の新生児は、真っ暗であまり音がない方が発育によいが、2600グラム程度の新生児は、日中と夜間の区別やある程度の音が発育に必要とされるとも言われている。このような場合は、新生児の体重に応じて、下限の閾値を下回らない場合に、あるいは下限の閾値と上限の閾値の間に計測値が入る場合に、適切と判定してよい。
【0063】
入力部31は、外部から入力された操作信号を制御部36に出力する。操作信号には、は、患者を識別する信号、および患者の週齢を表す信号を含む。
【0064】
制御部36は、入力部31からの操作信号を記憶部33に記憶させる。制御部36は、操作信号のうち、患者を識別する情報、週齢を示す情報をそれぞれ患者状況データベース335に記憶させる。具体的には、患者を識別する情報を患者IDに、患者の週齢を週齢情報にそれぞれ記憶させる。
【0065】
制御部36は、記憶部33Aに記憶された、個々の患者の週齢に対応する閾値を取得する。具体的には、制御部36は、患者状況データベース335を参照し、週齢情報を取得する。そして、制御部36は、状況対応データベース336を参照し、取得した週齢情報に対応する閾値を取得する。より具体的には、図6の例では、制御部36は、患者状況データベース335の週齢情報を取得し、取得した週齢「30」が含まれる状況対応データベース336の週齢「28~34」に対応する閾値「30[lx]」を取得する。
【0066】
以上説明したように、第2の実施形態の判定装置3Aにおいては、新生児の週齢に応じて設定される光量レベル情報に対応する閾値情報と音量レベル情報に対応する閾値情報(「ベッドのユーザに応じた環境の判定基準」の一例)を記憶する記憶部33(「記憶部」の一例)を備え、制御部36(「判定部」の一例)は、計測信号が示す光量が光量閾値を超える場合に、光量が適切でないと判定し、前記計測信号が示す音量が音量閾値を超える場合に、音量が適切でないと判定する(「計測信号と判定基準とに基づいて、環境が適切であるか否かを判定する」の一例)。これにより、第2の実施形態の判定装置3Aにおいては、第1の実施形態と同様の効果を奏する他、ベッドのユーザの状況に応じて設定された閾値を用いて判定することができる。これにより、判定装置3Aは、ベッドのユーザに応じて光量と音量とが適切であるか否かを判定することができる。
【0067】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図7は、第3の実施形態に係る判定装置3Bの構成を表す構成図である。以下の説明において、第1の実施形態の構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。図5に示すように、第2の実施形態においては、判定装置3Bは、調整部38を備える。調整部38は、光量調整部380と、音量調整部381とを備える。
【0068】
また、第3の実施形態の判定装置3Bが用いられる保育器5Bは、保育容器51を照らす照明の光を遮るカバー511Bと、カバー511Bの上部に配置されてカバー511Bが保育容器51を覆っている幕部分を巻き上げたり巻下げたりする筒状のロールと、ロールの巻上げおよび巻下げを行う駆動部55とを備える。また保育器5Bは、保育容器51の内部の騒音を低減させるノイズキャンセル部56と、を備える。
駆動部55は、ロールを一定の方向に回転させることにより、カバー511Bを巻下げて保育容器51が遮光された状態とする。また、駆動部55は、ロールを逆方向に回転させることにより、カバー511Bを巻上げて保育容器51が照明などの光に照らされた状態とする。
ノイズキャンセル部56は、例えば、保育容器51の内部の騒音を入力し、その騒音と逆位相の音を出力することにより、騒音を聞こえにくくする。
【0069】
制御部36は、光量および音量が適切か否かのそれぞれの判定結果を調整部38に出力する。光量調整部380は、制御部36からの判定結果に基づいて、制御部36により光量が適切でないと判定された場合、光量を調整する光量調整信号を出力する。光量調整信号には、駆動部55を駆動させる方向を示す信号が含まれる。音量調整部381は、制御部36からの判定結果に基づいて、制御部36により音量が適切でないと判定された場合、音量を調整する音量調整信号を出力する。音量調整信号には、ノイズキャンセル部56に動作を開始させる旨を示す信号が含まれる。
【0070】
以上説明したように、第3の実施形態の判定装置3Bにおいては、制御部36(判定部の一例)による判定結果に基づいて、保育容器51(ベッドの一例)に照射される光を遮ることにより、計測信号が示す光量を調整する光量調整部380をさらに備える。これにより、第3の実施形態の判定装置3Bにおいては、光量が適切か否を判定することができる他、光量が適切でないと判定した場合には光量を調整することにより、光量を適切にすることができる。
また、これにより、第3の実施形態の判定装置3Bにおいては、第3の実施形態の判定装置3Bにおいては、制御部36(判定部の一例)による判定結果に基づいて、保育容器51(ベッドの一例)に伝達される音をノイズキャンセルさせることにより、計測信号が示す音量を調整する音量調整部381をさらに備える。これにより、第3の実施形態の判定装置3Bにおいては、音量が適切か否を判定することができる他、音量が適切でないと判定した場合には音量を調整することにより、音量を適切にすることができる。
【0071】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、保育器5の保育容器51(「ベッド」の一例)に設けられるセンサ部2(センサの一例)であって、光量および音量を計測するセンサ部2(センサの一例)からの計測信号を取得する取得部30と、取得部30が取得した計測信号に基づいて、光量および音量が適切であるか否かを判定する制御部36(判定部の一例)と、を備えことにより、光量と音量とが適切か否を判定することができる。
【0072】
(実施形態の変形例)
本実施形態の判定装置3Bでは、保育容器51に照射される光量を調整するために、病室の照明を制御するようにしてもよい。この場合、病室は、照明の光量を調節するライトコントローラを備える。そして、光量調整部380は、制御部36からの判定結果に基づいて、制御部36により光量が適切でないと判定された場合、病室の照明の光量を調整する制御信号をライトコントローラに出力する。この際、光量調整部380は、例えば保育器5が配置された場所に最も近い位置に設置されている照明の光量を調整する制御信号を出力するようにする。これにより、本実施形態の判定装置3Bにおいては、光量が適切か否を判定することができる他、光量が適切でないと判定した場合には光量を調整することができる。
【0073】
また、本実施形態の判定装置3Bでは、保育容器51に照射される光量を調整するために、病室の照明を覆うようにしてもよい。この場合、病室は、照明からの光量を遮るブラインドと、ブラインドを制御するブラインドコントローラを備える。そして、光量調整部380は、制御部36からの判定結果に基づいて、制御部36により光量が適切でないと判定された場合、照明をブラインドで覆う制御信号をブラインドコントローラに出力する。この際、光量調整部380は、例えば保育器5が配置された場所に最も近い位置に設置されている照明を覆うような制御信号を出力するようにする。これにより、本実施形態の判定装置3Bにおいては、光量が適切か否を判定することができる他、光量が適切でないと判定した場合には光量を調整することができる。上記説明では、ブラインドは、病室の照明を覆うものとして説明したが、ブラインドは、保育器5を覆う帆のような形状の折り畳み式のサンシェードであってもよい。ブラインドが折り畳み式のサンシェードである場合、サンシェードは例えば、サンシェードを開いたり折り畳んだりするコントローラを備える。光量調整部380は、制御部36からの判定結果に基づいて、制御部36により光量が適切でないと判定された場合、サンシェードを開く制御信号をコントローラに出力する。これにより、本実施形態の判定装置3Bにおいては、光量が適切か否を判定することができる他、光量が適切でないと判定した場合には光量を調整することができる。
【0074】
また、判定装置3は、ある保育器5に対して判定した判定結果を、その保育器5が配置されている病室の判定結果としてもよい。保育器5が置かれた病室が個室か個室に近い場合など、病室全体の照明が保育器5に照射される光量と、病室全体の音量が保育器5に伝達される音量と、それぞれ同等とみなせる場合に、判定装置3が保育器5に対して判定した判定結果を、その保育器5が配置されている病室の判定結果とすることができる。そして、判定装置3は、保育器5の光量や音量に基づいて、病室の光量や音量を調整することができる。
【0075】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0077】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」、「有する」や「備える」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0078】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0079】
1…判定システム、2…センサ部、20…光量センサ、22…音量センサ、3…判定装置、4…外部入力装置、5…保育器、6…医療機器、30…取得部、31…入力部、33…記憶部、34…音声出力部、35…表示部、36…制御部、38…調整部、330…閾値レベルデータベース、331…光量レベル対応データベース、332…音量レベル対応データベース、335…患者状況データベース、336…状況対応データベース、380…光量調整部、381…音量調整部。
図1
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図5
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図7