(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】触媒スラスタ
(51)【国際特許分類】
F02K 9/62 20060101AFI20231220BHJP
F02K 9/52 20060101ALI20231220BHJP
F02K 9/97 20060101ALI20231220BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20231220BHJP
B22F 10/25 20210101ALI20231220BHJP
【FI】
F02K9/62
F02K9/52
F02K9/97
B33Y80/00
B22F10/25
(21)【出願番号】P 2022528215
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(86)【国際出願番号】 US2019062788
(87)【国際公開番号】W WO2021101568
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】594203852
【氏名又は名称】エアロジェット ロケットダイン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ヤーノット,ヴィンセント シー.
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー,スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】アーバン,ガレット
(72)【発明者】
【氏名】ジャクベク,マシュー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】アーガスト,ロナルド エル.
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1969901(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0037814(US,A1)
【文献】米国特許第04352782(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02K 1/00-99/00
B22F 1/00- 8/00;10/00-12/90
C22C 1/04- 1/059;33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒ベッド、推力チャンバおよびノズルを有し、単一の付加製造プロセスによって一体に形成された第1部と、
遮断部である第2部と、
を備え
、
前記第1部は、単一推進剤スラスタの外側ボディと、供給チューブとを有し、
前記供給チューブは、メイン通路部を有しており、該メイン通路部は、供給チューブ入口から、前記メイン通路部から延びる複数の枝部へ延び、
前記複数の枝部は、前記単一推進剤スラスタの中心軸を中心として互いに離間し、前記単一推進剤スラスタの中心軸に対して傾斜しており、
前記複数の枝部の各々は、供給チューブ出口へ導く2つの部分に分かれていることを特徴とする単一推進剤スラスタ。
【請求項2】
前記第1部および前記第2部の一方は、インジェクタを有することを特徴とする請求項1に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項3】
前記第1部および前記第2部の一方は、スラスタマウントを有することを特徴とする請求項2に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項4】
前記第1部は、中空の円筒形
断面の前記供給チューブ出口と、前記触媒ベッドとを有することを特徴とする請求項
1に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項5】
前記触媒ベッドは、実質的に円錐台状に形状づけられていることを特徴とする請求項
4に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項6】
前記触媒ベッドは、該触媒ベッドから前記ノズルに流体を通流させる複数のオリフィスを有することを特徴とする請求項
5に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項7】
前記第1部は、面を有したベッド流れスパイクを備えており、前記面は、該面が単一推進剤スラスタの前記中心軸
に設けられた前記ベッド流れスパイクの先端部に向かって延びるにつれて増加する傾斜を示すことを特徴とする請求項
4に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項8】
前記外側ボディは、取付部、構造支持部およびノズルを備えることを特徴とする請求項
1に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項9】
前記第1部は、前記推力チャンバ内に熱シールドを有することを特徴とする請求項
8に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項10】
前記第1部は、溶接によって前記第2部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項11】
前記触媒ベッドに触媒をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の単一推進剤スラスタ。
【請求項12】
推力チャンバおよびノズルと共に触媒ベッドを付加製造することによってスラスタの第1部を形成するステップと、
前記第1部に前記スラスタの第2部を取り付けるステップであって、前記第2部は閉塞部である、前記取り付けるステップと、
を含
み、
前記ノズルの中心線は、前記スラスタの中心軸に対して傾斜していることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記取り付けるステップは、前記第1部に前記第2部を溶接することを含むことを特徴とする請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記形成するステップと前記取り付けるステップとの間に、前記触媒ベッドに触媒を加えることをさらに含むことを特徴とする請求項
12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1部および前記第2部の一方と一体とされた触媒基材を形成することをさらに含むことを特徴とする請求項
12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒スラスタに関する。
【背景技術】
【0002】
触媒スラスタは、例えば車両の位置を調整する衛星および他の航空宇宙車両で用いられる。このスラスタは、触媒を保持する推力チャンバと、該推力チャンバへ推進剤を輸送する供給チューブと、を備えることができる。推進剤は、触媒の存在のもとに反応し、ガスを生成し、このガスは、ノズルを通して放出され、水力を生成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の例示的な特徴に従う単一推進剤スラスタは、とりわけ、触媒ベッド、推力チャンバおよびノズルを有した第1部を備えている。第1部は、単一の付加製造プロセスによって一体に形成される。スラスタは、遮断部である第2部をさらに備えている。
【0004】
上記スラスタの非限定的な他の実施例では、第1部および第2部の一方は、インジェクタを有する。
【0005】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、第1部および第2部の一方は、スラスタマウントを有する。
【0006】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、第1部は、スラスタの外側ボディと、供給チューブとを有する。
【0007】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、供給チューブは、メイン通路部を有しており、該メイン通路部は、供給チューブ入口から、メイン通路部から延びる複数の枝部へ延びる。
【0008】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、複数の枝部は、単一推進剤スラスタの中心軸を中心として互いに離間し、単一推進剤スラスタの中心軸に対して傾斜している。
【0009】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、複数の枝部の各々は、供給チューブ出口へ導く2つの部分に分かれている。
【0010】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、第1部は、中空の円筒形部供給チューブ出口と、前記触媒ベッドとを有する。
【0011】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、触媒ベッドは、実質的に円錐台状に形状づけられている。
【0012】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、触媒ベッドは、該触媒ベッドからノズルに流体を通流させる複数のオリフィスを有する。
【0013】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、第1部は、面を有したベッド流れスパイクを備えており、面は、該面が単一推進剤スラスタの中心軸に向かって延びるときに増加する傾斜を示す。
【0014】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、外側ボディは、取付部、構造支持部およびノズルを備える。
【0015】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、第1部は、推力チャンバ内に熱シールドを有する。
【0016】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、第1部は、溶接によって第2部に取り付けられる。
【0017】
任意の上記スラスタの非限定的な他の実施例では、触媒が触媒ベッドにある。
【0018】
本開示の例示的な特徴に従う方法は、推力チャンバおよびノズルと共に触媒ベッドを付加製造することによってスラスタの第1部を形成するステップと、第1部にスラスタの第2部を取り付けるステップであって、第2部は閉塞部である、取り付けるステップと、を含む。
【0019】
上記方法の非限定的な他の実施例では、取り付けるステップは、第1部に第2部を溶接することを含む。
【0020】
任意の上記方法の非限定的な他の実施例では、形成するステップと取り付けるステップとの間に、触媒ベッドへと触媒を加えることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】例示的なスラスタの一部の分解断面図である。
【
図4】供給チューブに対する触媒ベッドの例示的な配置を特に示す、例示的なスラスタの一部に注目した断面図である。
【
図5】供給チューブの出口の配置をいくらか模式的に示す図である。
【
図6】熱シールドを有する他の例示的なスラスタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、中心軸Aに沿って配置された例示的な単一推進剤触媒スラスタ20(「スラスタ20」)を示している。スラスタ20は、例えば、衛星、ロケットまたは他の形式の航空宇宙車両に取り付けられてもよく、および、反応制御システムの一部として用いられてもよい。スラスタ20は、航空宇宙車両と共に用いることに限定されず、地上車両または海上車両に対して用いられてもよい。
【0023】
スラスタ20は、対向した第1端部24と第2端部26との間にまたがる外側ハウジング22を有している。第1端部24から軸方向に移動して、スラスタは、取付部28と、構造支持部30と、推力チャンバ32と、第2端部26で終端するノズル34と、を有している。推力チャンバ32は、触媒微粒(図示せず)、例えばイリジウム基触媒微粒の触媒ベッド36(
図2)を有しており、上記触媒微粒は、触媒ベッド36内の体積を埋める。推力チャンバ32および触媒ベッド36の付加的な詳細部が以下に説明される。
【0024】
図1を再び参照すると、スラスタ20は、取付部28を介して、対象物、例えばロケットまたは他の車両に取り付け可能である。スラスタマウントまたは取付部28は、締結具を受け、これによりロケットまたは他の車両へのスラスタ20の取付を容易にするように構成された複数の開口部38を有してもよい。
【0025】
スラスタ20は、一般に、構造支持部30の全体にわたって直径が減少する。詳細には、スラスタ20は、一般に、取付部28から推力チャンバ32へ移動するにつれて直径が減少する。特に、この例では、構造支持部30は、実質的に円錐台状に形状づけられている。構造支持部30は、異なる形状、例えば円筒状、円錐状または球状等を有し得る。構造支持部30は、第1端部24と第2端部26との間のどこかに配置されてもよい。
【0026】
推力チャンバ32は、この例では、実質的に一定の直径を示している。ノズル34は、この例では、中細ノズルであり、収束部40(
図2)と、喉部42と、拡散部44と、を有している。収束部40は、直径が推力チャンバ32から喉部42へと軸方向に延びるにつれて直径が減少し、また、拡散部44は、喉部42から第2端部26へと直径が増加する。
【0027】
図2~
図4を参照すると、触媒ベッド36は、推力チャンバ32に配置されており、互いに離間して形成された第1部分46および第2部分48を有している。
図3は、第1部分に取り付けられる前の第2部分48を示している。第1部分46および第2部分48は、個別の付加製造プロセス、例えば直接金属レーザー焼結または他の周知の付加製造技術によって形成されてもよい。代替的に、第1部分46は付加的に製造され、第2部分48は、他の製造技術を用いて形成されてもよい。
【0028】
第1部分46および第2部分48は、この例では、触媒ベッド36の軸方向境界および径方向境界を画定する。「径方向」という用語は、本明細書では、中心軸Aと直角な径方向と呼ぶように用いられる。第1部分46および第2部分48は、保持プレート、保持円錐、保持シリンダ、ベッドプレート、ベッド円錐、ベッドシリンダ等として呼ばれてもよい。第1部分46は、実質的に円錐台状に形状づけられ、構造支持部30からノズル34へと延びるにつれて直径が徐々に減少する。第1部分46は、触媒、例えば触媒微粒を保持するが、ガスを通流させるように構成された複数のスロットおよび/またはオリフィス50を有する。他の例では、触媒用の基材が第1部分46または第2部分48と一体に形成されてもよい。
【0029】
また、構造支持部30に隣接して、第1部分46は、該第1部分46に関して周方向に延びるチャネル52を有している。チャネル52は、第2部分48を受けるような大きさとされるとともに形状づけられる。第2部分48は、中央円柱状切り抜き部を有する実質的にディスク状に形状づけられており、チャネル52内に嵌るような大きさとされるとともに形状づけられる。第2部分48は遮断部であり、この遮断部は、一例では、第2部分48が触媒ベッド36を閉塞することを意味する。この例では、触媒は、第2部分48が第1部分46に取り付けられる前に触媒ベッド36に付加される。そして、第2部分48は、例えば溶接または他の周知の取り付け技術によって第1部分46に取り付けられ、触媒ベッド36を閉塞し、該触媒ベッド36に触媒を保持する。
【0030】
他の例では、第2部分48は、スラスタマウントおよび/またはインジェクタを有してもよい。さらに他の例では、第1部分46は、スラスタマウントおよび/またはインジェクタを有してもよい。別の例では、スラスタマウントおよび/またはインジェクタは、第1部分46によって部分的に、および第2部分48によって部分的に設けられてもよい。
【0031】
触媒ベッド36の第1部分46は、インジェクタまたは供給チューブ54を機械的に支持する。供給チューブ54は、取付部28に隣接した入口56を備える。供給チューブ54の外径部は、例えばヒドラジンのような推進剤の供給源62に接続された導管に機械的に結合するように構成された取付特徴部、例えば突出部60を有してもよい。供給チューブ54は、実質的に円筒形であり、入口56から出口部64へ延びており、これにより、触媒ベッド36に推進剤の供給源62を流体的に結合している。出口部64は、第1部分46から軸方向および径方向に離間しており、これにより、供給チューブ54の出口部64に対して触媒を詰めることとは対照的に第1部分46に対して触媒を詰めることによって、触媒ベッド36へと触媒を装填させる。
【0032】
供給チューブ54は、この例では、中心軸Aに沿って入口56から出口部64へ向かって延びるメイン通路部66を有している。出口部64では、メイン通路部66は、複数の枝部68へと分かれている。枝部68は、中心軸Aに対して傾斜した軸Bに沿って延びる。さらに、この例では、枝部68の各々は、触媒ベッド36へと直接導かれる分割部70を有している。中心軸Aを中心に周方向に互いに離間した4つの枝部68がある。
【0033】
分割部70は、各枝部68の軸Bを有した共通の面に位置するが、各枝部68の軸Bに対して傾斜した軸に沿って延びる。この例では、枝部68は、分割部70の直径よりも大きいがメイン通路部66の直径よりは小さい直径を有している。
図5は、メイン通路部66、枝部68および分割部70を有した出口部64の配置をいくらか模式的に示している。出口部64の配置は、触媒ベッド36の触媒に対して推進剤を均一に分配する。
【0034】
図2を参照すると、中空の実質的に円筒形の構造72は、中心軸Aに沿って出口部64からノズル34へ向かって突出する。構造72は、触媒ベッド36の径方向内側の境界を画定する。構造72は、推力チャンバ32の伝熱特性を向上させる。
【0035】
構造72は、ベッド流れスパイク74に接続されており、該ベッド流れスパイク74は、触媒ベッド36を越えてノズル34の収束部40へと軸方向に突出する。この点では、ベッド流れスパイク74がノズルの喉部を通ってノズル34の拡散部へと突出する場合は、ベッド流れスパイク74の一部がノズル34の一部を提供する。ノズル34の一部を形成するベッド流れスパイク74の端部は、一例では、切り取られてもよい。ベッド流れスパイク74は、徐々に増加する傾斜によって画定された外側面を有する。特に、面76は、第1部分46およびベッド流れスパイク74によって部分的に画定され、ノズル34に面しており、また、面76は、第1セクション78に沿った実質的に一定の傾斜、および、第1セクション78と中心軸A上にあり、とがったまたは丸まっていてもよい先端部82との間の第2セクション80に沿って徐々増加する傾斜を有している。ベッド流れスパイク74は、流体がノズル34へ流入するときに、触媒ベッド36から出ている流体の流れが分離しないようにする。ノズル34は、中心軸Aに対して傾斜していてもよい。
【0036】
動作時には、推進剤が、供給源62から供給チューブ54を通して流れ、メイン通路部66に沿って枝部68および分割部70を通して触媒ベッド36へと流れ、該触媒ベッド36では、推進剤は、触媒の存在のもと分解し、高温ガスを生成し、この高温ガスは、第1部分46のオリフィス50およびノズル34を通して放出され、静圧を減少させるとともにガスを加速させることによって周知のように推力を発生させる。
【0037】
触媒以外で、スラスタ20は、この例では、2部で構成されている。つまり、スラスタは、外側ハウジング22および第1部分46を有する第1部と、第2部分48である第2部とから形成されている。特に、第1部は、取付部28と、構造支持部30と、推力チャンバ32と、ノズル34と、第1部分46とを備えている。スラスタ20の少なくとも第1部は、付加製造によって形成されてもよい。このような技術を用いることで、円錐台形に形状づけられた第1部分46のような独特な形状と、出口部64およびとりわけベッド流れスパイク74の複雑な形状とが形成される。スラスタ20の第1部は、最初に取付部28を形成することから始まり、付加的な層を加えることを、第1部の全体を形成するまでノズル34へ向かって行いながら、付加的に作られてもよい。第1部は、一例では、一体に形成される、継ぎ目の無い構造である。一例では、スラスタ20の継ぎ目のみが、第1部分46と第2部分48との間の接合部、例えば溶接接合部である。第1部および第2部は、ニッケル基合金、例えばA625から形成されてもよい。スラスタ20は、異なる用途での使用のために拡大、縮小することができる。
【0038】
他の例示的なスラスタ120が
図6に示されている。他の方法で説明または図示されない程度に、スラスタ120は、以下に他の方法で規定されない限り、「1」が前に追加された参照番号を有する同様の部分を備えて、
図1~
図5の実施例に対応している。
【0039】
図6の例では、スラスタ120は、第1部分146と一体に形成された熱シールド184を有している。熱シールド184は、空間Sによって外側ハウジング122から径方向内側に離間している。空間Sは、熱シールド184の長さに沿って実質的に一定であり、熱シールド184は、ノズル134の推力チャンバ132および収束部140の外形に実質的に追従する。熱シールド184は、第1部分146から突出し、喉部142の近くに自由端を有している。熱シールド184は、推力チャンバ132および外側ハウジング122内の高温ガスの間に空間を形成し、これにより、熱損失を防止することによって、外側ハウジング122の熱応力を低減し、同時に、スラスタ120の性能を向上させる。
【0040】
他の方法で記載される場合を除いて、「軸方向」、「径方向」および「周方向」の用語は、スラスタ20の通常の動作姿勢について用いられている。さらに、これらの用語は本明細書では説明の目的で使用されてきたが、他の方法で限定されるものとみなすべきではない。「一般に」、「実質的に」および「約」は、境界のない用語であることを意図したものではなく、当業者がこれらの用語を解釈し得る方法と一貫するものとして解釈されるべきである。
【0041】
異なる例が、図に示された特定の構成要素を有しているが、本開示の実施例は、これらの特定の組み合わせに限定されない。他の例からの特徴部または構成要素と組み合わせて、1つの例からの数個の構成要素または特徴部を用いることが可能である。さらに、本開示に付随する種々の図は必ずしも縮尺である必要はなく、特定の構成要素または配置の確かな特徴を示すために、数個の特徴部が誇張または最小化されてもよい。
【0042】
当業者は、上述の実施例が例示的なものであり、限定的なものではないことを理解するであろう。つまり、本開示の修正が特許請求の範囲に含まれ得る。従って、以下の特許請求の範囲がその真の範囲および内容を決定するために検討されるべきである。