(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】加硫型の型セグメント、型セグメント、及び加硫型の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 33/02 20060101AFI20231220BHJP
B29C 33/38 20060101ALI20231220BHJP
B29D 30/06 20060101ALI20231220BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20231220BHJP
【FI】
B29C33/02
B29C33/38
B29D30/06
B33Y80/00
(21)【出願番号】P 2022542263
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 EP2020084446
(87)【国際公開番号】W WO2021160314
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】102020201682.8
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510156561
【氏名又は名称】コンチネンタル・ライフェン・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ジック・ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ホッペ・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】フェルカー・バート
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0165706(US,A1)
【文献】特開2018-086812(JP,A)
【文献】特許第5579292(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/02,35/02,
B29D 30/06,
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロファイル要素を取り囲む又は区切るチャネルを形成するリブ(3)を有する型側を備えた金属ベース部分(6)を有する、トレッドのプロファイルを形成するための空気圧式車両タイヤ用の加硫型の型セグメントを製造するための方法であって、
リブ(8’)からなり、配置及びプロファイルがチャネルを形成するリブ(3)の前記配置及び前記プロファイルに少なくとも部分的に対応する、リブスケルトン(8)が、前記ベース部分(6)から機械加工され、
周辺フレーム部分(7b)を備えたインサート(7)が、付加的方法によって構築され、前記インサート(7)が前記リブスケルトン(8)内に挿入され、前記フレーム部分(7b)が、前記リブスケルトン(8)の前記リブ(8’)を完成させて前記チャネルを形成する前記リブ(3)を形成する、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記インサート(7)が、ラメラ(4)及び/又はマイクロラメラと共に付加的に構築される、ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
内層(12)と共に構築プレート(10)上に付加的に構築される前記インサート(7)
は、
構築プレート部分が前記インサート(7)の底プレート(7a)を部分的に形成又は形成するように、構築される前記構築プレート部分と共に前記構築プレート(10)から切り出される、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記インサート(7)が前記内層(12)と共に構築プレート(10)上に付加的に構築され、次いで前記インサート(7)が、前記内層(12)が前記インサート(7)の底プレート(7a)を形成するように、前記構築プレート(10)から分離されている、ことを特徴とする、請求
項3に記載の方法。
【請求項5】
前記インサート(7)
が内層(12)と共に、
前記インサート(7)に適合され
、構築プレート(10)からサイズに合わせてカットされた、構築プレート部分上に
付加的に構築される、ことを特徴とする、請求
項3に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの表面構造を備えるインサート(7)の内層(12)が付加的に構築されている、ことを特徴とする、請求項
3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
追加のリブによってサブ分割又は分割されたインサート(7)が、付加的に構築されている、ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
肩部装飾又は肩部装飾リブ(2)のセクションを有するインサート(7)が、付加的に構築されている、ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
表面装飾要素(5)を備えた肩部装飾リブ(2)が、前記ベース部分(6)上で機械加工作成されている、ことを特徴とする、請求
項8に記載の方法。
【請求項10】
平坦な底面(9)を備えた凹部が、前記リブスケルトン(8)の前記リブ(8’)間で機械加工され、その平坦な底面(9)の向きは、前記ベース部分(6)において、凹部が加硫される前記タイヤの前記トレッドの意図された外側輪郭に適合され、前記凹部が、前記インサート(7)の前記底プレート(7a)の厚さに適合した深さまで機械加工されている、ことを特徴とする、請求項
3又は4に記載の方法。
【請求項11】
前記凹部の前記底面(9)に達する換気穴(11a)が、前記ベース部分(6)に作成されている、ことを特徴とする、請求
項10に記載の方法。
【請求項12】
前記構築プレート(10)が換気穴(11b)を備え、任意選択的にねじ穴が設けられ、その位置が、前記ベース部分(6)の前記換気穴(11a)の位置と相関している、ことを特徴とする、請求
項11に記載の方法。
【請求項13】
前記インサート(7)の前記内層(12)が、穴を空けて構築され、その位置が、前記構築プレート(10)の前記換気穴(11b)の位置に対応している、ことを特徴とする、請求
項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ベース部分(6)の前記凹部が、丸みを帯びた角領域で機械加工され、前記インサート(7)が、対応する丸みを帯びた外側角領域、及び任意選択的に鋭いエッジの内側角で構築されている、ことを特徴とする、請求項
10~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロファイルブロックを取り囲む又は区切るチャネルを形成するリブを有する型側を備えた金属ベース部分を有する、トレッドのプロファイルを形成するための空気圧式車両タイヤ用の加硫型の型セグメントを製造するための方法に関する。本発明は更に、金属ベース部分を有し、且つプロファイルブロックを取り囲む又は区切るチャネルを形成するためのリブを有する、空気圧式車両タイヤのトレッドのプロファイルを形成するための空気圧式車両タイヤ用の加硫型の型セグメントに関する。更に、本発明は、型セグメントからなる加硫型に関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧式車両タイヤは、グリーンタイヤを加硫型内に挿入して圧力及び温度の作用下で加硫する加熱プレスにおいて加硫される。タイヤのトレッドはここで、複数の型セグメントからなる型セグメントリングによって成形及び加熱され、型セグメントには型キャビティに面する型側上にリブ及びラメラなどの型要素が設けられているため、トレッドプロファイルもまた形成される。従来、型セグメントリングは、その後の機械加工を伴う鋳造法によって、又は機械加工のみによって、鋼合金又はアルミニウム合金から製造されていた。
【0003】
加えて、付加製造法、特にSLM(選択的レーザ溶融)によってトレッド内のプロファイルを形成する型セグメントの部品を製造し、それらを従来製造されている更なる型セグメントベース部分に固定することが知られている。この方法で製造された型セグメントは、例えば、特許文献1から既知である。
【0004】
また、個々の型要素、例えば、付加製造法により、トレッド内にサイプを形成するラメラ、又はトレッド内にチャネルを形成するリブを製造することも既知である。特許文献2は、空気圧式車両タイヤ用の加硫型を製造するための方法を開示しており、そこで、ラメラはSLMによって製造され、一方、セグメントベース部分は鋳造法又は機械加工法によって製造され、その後ラメラが導入される。特許文献3から、SLMによってネガティブプロファイル要素と共に少なくとも1つの型セグメントベース部分を製造することも既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2016/039160号明細書
【文献】独国特許出願公開第102012102322号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2987630号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
型セグメントを製造するための既知の方法では、完全な型セグメントは、付加的方法によって製造されるか、又は例えば鋼で作成され、第2のセグメント部分に接続されている、セグメント部分を使用し、リブ又はラメラなどの成形要素と共に付加的方法によって構築され、大量の部品は付加的方法を使用して構築される。したがって、製造には時間がかかり、大規模な設備が必要になる。ここでは、構成要素上で並列に動作し、且つ満足のいく品質の構成要素を得るために互いに正確に一致させる必要がある、マルチレーザシステムを使用する。満足のいく型セグメントを提供するために必要なその後の機械加工の労力はかなりのものである。加えて、付加的方法を使用して製造された大量の構成要素は、発生する内部応力の結果として反る傾向があり、これが、構成要素内部の格子構造の焼結などの特別な製造方法を必要とする。選択的レーザ溶融などの付加的方法によって製造された型セグメント部分の場合に特に有利なのは、複雑な設計での型部品、特に多数のラメラを備えた型部品を製造できることである。したがって、そのような型部品は、冬用タイヤ及びノルディックタイヤを加硫するための加硫型に対して非常に興味深いものである。
【0007】
本発明によって対処される課題は、上記の欠点を有しない新規且つ革新的な方法で、ハイブリッド型セグメント(付加的方法によって製造された構成部品と組み合わせた、付加的方法によって製造されていない構成部品を備えた型セグメント)を提供することであり、ここで、付加的方法の利点を完全に維持することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、述べられた課題は、リブからなり、そのプロファイルがチャネルを形成するリブの配置及びプロファイルに少なくとも部分的に対応する、リブスケルトンが、ベース部分から機械加工され、周辺フレーム部分を備えたインサートが、付加的方法によって構築され、インサートがリブスケルトン内に挿入され、フレーム部分がリブスケルトンのリブを完成させて、チャネルを形成するリブを形成する、方法によって解決される。
【0009】
述べられた課題は更に、ベース部分がリブからなる機械加工作成されたリブスケルトンを有し、その配置及びプロファイルがチャネルを形成するリブの配置及びプロファイルに少なくとも部分的に対応し、その中に付加的方法によって製造され、且つ周辺フレーム部分を有するリブスケルトンのインサートが挿入され、そのフレーム部分がリブスケルトンのリブを完成させて、チャネルを形成するリブを形成する、型セグメントによって解決される。
【0010】
したがって、本発明の場合、特に正確な構成を必要とする型セグメントの成形部分の要素又は構成部分は、付加的方法によって製造される。インサートは、小さなシステムで歪み及び内部応力なしに安価に印刷され得る小さな構成要素であり、各インサートにはレーザを伴う。したがって、マルチレーザの使用に関連する困難は解消される。ベース部分は、特に、型セグメントに通常使用される鋼合金又はアルミニウム合金から事前に製造された部品であり、その上にリブスケルトンが機械加工によって製造され、リブスケルトンは特に正確に機械加工され得るため、機械加工されたベース部分は高程度の寸法精度を有する。リブスケルトンが提供されたリブのいくつかを既に含んでいることにより、インサートが材料の小さな付加部分で構築されることを可能にするため、リブスケルトンもとりわけ特に有利である。更に、ベース部分の材料は、インサートを構築するための金属粉末を構成する材料に対応することができ、したがって、型セグメントの構成部分は同じ材料膨張を有する。インサートを製造するための印刷時の費用は、従来技術による大量の型セグメント部分を印刷する場合よりも実質的に少なく、したがって、必要となる時間及び材料がより少なくなり、結果として大幅にコストが低くなる。本発明はまた、例えば、トレッドの開発範囲内の異なるリブ設計又は表面構造が、使用中の車両の加硫タイヤでテストされることを意図されている場合に、インサートを交換することができ、且つ型セグメントの大きな構成部品又は型セグメント自体の交換さえも必要としないため、タイヤ加硫型の型セグメントに対するモジュール式概念を提供する。
【0011】
この方法は、インサートがラメラ及び/又はマイクロラメラと共に付加的に構築される場合に特に有利である。特に複雑なラメラ及びマイクロラメラは、特に正確に、且つほとんど全ての小さな間隔で印刷することができる。したがって、この方法は、冬用タイヤ又はノルディックタイヤのプロファイル用の型セグメントの製造に特に有利である。
【0012】
好ましくは内層と共に構築プレート上に付加的に構築されるインサートは、構築プレート部分がインサートの底プレートを部分的に形成又は形成するように、それらが構築される構築プレート部分と共に構築プレートから切り出され、特に寸法的に安定している。したがって、構築プレート部分はインサートの構成部であり、内層も付加的に構築される場合は、これらのボトムプレートと共にインサートを形成する。内層は、タイヤのトレッドの正の表面を形成する型面を形成する。
【0013】
代替実施形態では、インサートは、内層と共に構築プレート上に付加的に構築され、次いでインサートは、内層がインサートの底プレートを形成するように、構築プレートから分離される。内層は、提供されたフレーム部分と共に、ベース部分に取り付けられ場合によっては取り外しされる際の、取り扱いに対するインサートの安定性を確保する。
【0014】
更なる代替案では、インサートは、好ましくは内層と共に、インサートに適合された、特に構築プレートからサイズに合わせてカットされた、構築プレート上に付加的に構築される。この変形例ではまた、寸法的に安定したインサートが得られる。
【0015】
好ましい改良によれば、内層は、少なくとも1つの表面構造で付加的に構築され得る。インサートの内層は、これらの内層が異なって構成された部分領域からなるように、異なる構造を有することができ、及び/又はインサートを構築することができ、その内層は、他のインサートの内層の構造とは異なる構造を有する。
【0016】
したがって、型セグメントは、好ましくは、底プレートを有するインサートが挿入されており、その各々は、付加的に構築された内層、又は付加的に構築された内層及びインサートが構築された構築プレートの一部からなる。加硫されるタイヤのトレッドは、トレッドのプロファイル要素の正の表面を形成するための型面である湾曲した外面を有する内層によって、意図された湾曲した外側輪郭を獲得する。
【0017】
更に好ましい実施形態では、追加のリブによってサブ分割又は分割されたインサートが付加的に構築される。そのようなインサートの構築は、例えば、トレッド内にブラインド溝を形成することを意図したリブが提供される場合に適切である。この実施形態はまた、例えば、プロファイルブロックをより小さなプロファイルブロック要素にサブ分割するチャネルを形成する、特に比較的狭いリブが提供される場合に有利である。このタイプのインサートはまた、型セグメントの境界において使用されるインサートであり得、例えば、型セグメントの境界によって「分割」された第2のインサートの一部を追加的に有し得る。
【0018】
したがって、型セグメントは、好ましくは、リブによって追加的にサブ分割又は分割され、且つ加硫されるタイヤのトレッドに対応して狭くて浅いサイプを形成するためのマイクロラメラを任意選択的に備えた、インサートを備える。
【0019】
更に好ましい実施形態では、肩部装飾又は肩部装飾リブのセクションを有するインサートが、付加的に構築される。この実施形態は、特に、比較的複雑な装飾要素などを実現することが意図されている場合に考慮される。
【0020】
この方法の代替実施形態では、表面装飾要素を備えた肩部装飾リブが、ベース部分上に機械加工作成される。既知のように、肩部装飾リブは、既にトレッドの地面接触部分の外側にあり、且つタイヤの肩部の曲率に従う、加硫されるタイヤのトレッドの領域を形成する。デザインに応じて、肩部装飾リブを機械加工によって正確且つ安価に作成することができる。前記のように、肩部装飾リブのセクションで付加的に構築されるインサートは、より多くの費用及びより高い製造コストを必要とする場合がある。したがって、型セグメントは、装飾要素が表面上に機械加工された肩部装飾リブが機械加工されたベース部分、又は肩部装飾若しくは肩部装飾リブのセクションを有するインサート、のいずれかを有する。
【0021】
ベース部分上のインサートの配置位置において、平坦な底面を備えた凹部が、好ましくは、リブスケルトンのリブ間で機械加工され、その平坦な底面の向きは、ベース部分において、凹部が加硫されるタイヤのトレッドの意図された外側輪郭に適合され、その際、凹部はまた、インサートの底プレートの厚さに適合した深さに機械加工される。
【0022】
したがって、型セグメントは、好ましくは、リブスケルトンのリブ間、及びリブと肩部装飾リブとの間に平坦な底面を備えた凹部を有する、対応して設計されたベース部分を有する。
【0023】
加硫されるタイヤを加硫型に成形する際に必要な型換気を確保するために、好ましい実施形態では、凹部の底面に達する換気穴がベース部分に作られ、構築プレートに換気穴が設けられ、その位置はベース部分内の換気穴の位置と相関している。インサートをベースプレートにねじ込む場合、構築プレートには既にねじ穴が作成され得る。したがって、型セグメントのベース部分は、凹部の底面に達する換気穴を有し、インサートの底プレートは、好ましくは、換気穴によって貫通され、その位置は、ベース部分の換気穴の位置と相関している。
【0024】
したがって、インサートの内層は、好ましくはまた、穴を空けて構築され、その位置は、構築プレートの換気穴の位置に対応する。
【0025】
好ましい実施形態によれば、これが、ベース部分の凹部が丸みを帯びた角領域で機械加工されるように行われる場合、ベース部分の機械加工作業は単純化される。次いで、付加的方法に従って構築されるインサートは、対応する丸みを帯びた外側の角領域及び鋭いエッジの内側角も用いて、特に正確な方法で付加的に構築することができる。したがって、ベース部分の好ましい設計はまた、丸みを帯びた角領域を備えた凹部、対応して丸みを帯びた外側角領域、及び必要に応じて鋭いエッジの内側角を有するインサートを備えている。
【0026】
型セグメントのベース部分が鋼合金又はアルミニウム合金で構成されている場合、そのような材料は特に良好に機械加工され得るため、特に有利である。
【0027】
本発明はまた、請求項14~25の1つ以上に記載の型セグメントを備えたセグメントリングを含む、空気圧式車両タイヤ用の加硫型に関する。
【0028】
本発明の更なる特徴、利点、及び詳細を、例示的な実施形態を示す部分概略図を参照して、ここでより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】挿入されたインサートと共にベース部分からなるタイヤ加硫型の型セグメント部分の図を示す。
【
図4】構築インサートを備えた構築プレートの概略図を示す。
【
図5】構築プレートから切り出されたインサートの概略図を示す。
【
図7】ベース部分に挿入されたインサートの詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明では、「半径方向」は、トレッド外面を形成する型面に対して垂直な方向を意味すると理解される。「軸方向」とは、加硫されるタイヤの回転軸に対して平行な方向を意味すると理解される。
【0031】
図1は、特に内側(型キャビティに面する側)が見え得る、タイヤ加硫型のセグメントリングの型セグメントの型セグメント部分1の図を示している。従来のセグメントリングは、例えば、7~14個の型セグメントで構成され、その各々が内側の反対側に型セグメントスパインを有し、それにより、型セグメントは、タイヤ加硫型のセグメントシュー上にそれ自体が既知の方法で配置されている。その内側上に、型セグメント部分1は、加硫されるタイヤのトレッド内に提供されるプロファイルに従った、示された実施形態におけるプロファイルネガティブ要素、リブ3及びラメラ4である、型要素を有する。
【0032】
型セグメント部分1の裏側は、例えば、単純な円筒面であり、したがって、型セグメント部分1は、適切に設計されたアダプタによって加硫型のセグメントシューに取り付けられる。特に、型セグメント部分1の裏側上にねじ止めされるか、又は舌及び溝又はあり継ぎ接続又は他の正の若しくは実質的に結合された接続を介して、型セグメント部分1に接続される、アダプタが使用される。代替実施形態では、型セグメント部分1自体は、加硫型の容器に対するインターフェースとして既に設計されている。
【0033】
ラメラ7は、タイヤのトレッド内に、0.4mm~1.0mmの大きさのオーダの(新しいタイヤのトレッド周辺上の)幅で加硫されるサイプを形成し、リブ3は、タイヤのトレッド内に、(新しいタイヤのトレッド周辺上の)その幅が1.0mm超で、特に最大6.0mmである、加硫されるチャネルを形成する。加えて、トレッド内に、約0.2mm~0.3mmの幅及び深さを有する狭くて浅いサイプを通常形成する、マイクロラメラと呼ばれるものであるラメラを提供することが可能である。
図1に示される実施形態では、リブ3及びラメラ4は、加硫されるタイヤのトレッド内に典型的な冬用タイヤプロファイルを形成する。この例では、互いに平行で、各型セグメント部分1の内側の幅を横切って走る多数のV字形状リブ3も提供され、また、型セグメント1の円周方向に対して斜めに走り、且つV字形状リブ3をサブ分割する更なるリブ3が存在する。肩部側上には、肩部側上を走るV字形状リブ3のセクション間の中央に且つセクションに平行に存在するリブ3による追加の分割が存在する。肩部装飾リブ2は、型セグメント部分1の横方向エッジを形成する。リブ3及び肩部装飾リブ2を取り囲む全ての表面要素には、それぞれの場合に、波形の複数のラメラ4が存在する。タイヤの肩部装飾を形成するための装飾要素5の形態における平坦な構造は、肩部装飾リブ2の上側上(型セグメント部分1の型キャビティに面する側)に配置されている。肩部装飾リブ2間にV字形状リブ3があるため、形成されるプロファイルネガティブは、互いにV字形状の方式で走るピッチに分割され、ネガティブセクションは、型セグメント部分の各半分において円周方向に同じように繰り返される。
【0034】
図2及び
図3に示されるように、型セグメント部分1は、金属材料、特に鋼合金又はアルミニウム合金で作成されたベース部分6と、また、ベース部分6内に挿入された多数のインサート7とから構成されている。その製造について以下で更に詳細に説明される、インサート7は、各々が、加硫されるタイヤのトレッド内に形成されるブロックの外面に従って形成された平坦な下面及び内側を有する底プレート7a(
図6)を有する。底プレート7aは、中心よりも周辺の方がわずかに大きい、厚さdを有する。したがって、底プレート7aの内側は、下にある表面と接触するトレッドの外面を形成するための型面を形成する。
【0035】
ここで、
図2を参照して、ベース部分6の設計をより詳細に説明する。ベース部分6は、横方向エッジ上に機械加工された装飾要素5、及び機械加工されたリブスケルトン8を備えた、機械加工された肩部装飾リブ2を備えた機械加工された部品である。リブスケルトン8はリブ8’からなり、その配置及びプロファイルは、リブ
3の配置及びプロファイルに対応するが、リブ8’は、リブ
3よりも狭く、リブ
3のフランクセクションが両方のリブフランク8’a上で欠落している。後述されるように、これらのフランクセクションは、インサート7のフレーム部分7bによって補足される。好ましい実施形態によれば、
図2に示されるように、リブフランク8’aは、半径方向に配向された平坦な表面である。原則として、リブフランク8’aは、上方からの言及されたインサート7のフラッシュ挿入が可能であるように機械加工され、したがって、リブフランク8’aは、例えば、半径方向に対してわずかに傾斜され得る。
【0036】
リブ8’の先端のレベルは、リブ3のレベルに対応する。しかしながら、肩部側上のリブスケルトン8のリブ8’が肩部装飾リブ2と共に、平坦な底面9を備えたより深く機械加工作成された凹部を囲むため、リブ8’は、リブ3よりも大きい高さを有する。凹部の深さは、インサート7が挿入されるときに、型面を形成するインサート7の内側が、意図された型面レベルに配置されるように、インサート7の底プレート7aの最大厚さdに適合される。
【0037】
底面9の向きは、好ましくは、各底面9が、その幾何学的中心点を通って、言及された外側輪郭に対して半径方向に配向された直線に対して直角に整列されることによって、加硫されるタイヤのトレッドの外側の所望の丸み又は輪郭に適合される。したがって、実質的に軸方向に配向されている底面9は、ベース部分6の中央領域に配置される。
【0038】
肩部装飾リブ2の装飾要素5は、例えば、
図1及び
図2に示されるように、リブスケルトン8のリブ8’を連続させる平坦で狭い高さを有する。
【0039】
換気のため、ベース部分6は、底面9とその裏側との間に穴が開けられ、いずれの場合も、換気用に、底面9ごとにより多数の穴11aが作成されるか(
図2)、又は1つ若しくは2つの穴11aのみが作成され、平坦な凹部のチャネルネットワークのタイプが、穴11a又は複数の穴11aに接続され、それぞれの底面9上で機械加工されている。穴11aは、それらの位置がインサート7のラメラ4の位置と一致しないように配置されている。
【0040】
インサート7は、特に選択的レーザ溶融による付加的方法によって、構築プレート10上に多数構築されている。構築プレート10は平坦なプレートであり、好ましい実施形態では、プレートの厚さはまた、ベース部分6における言及された凹部の必要な深さを決定する。構築プレート10はまた、最初に、ベース部分6内の穴11aの配置に対応する穴11b(
図4及び
図5)を備えている。底面9上に提供され得る機械加工されたチャネルネットワークに対応するチャネルネットワークの形態の凹部が形成され得るが、これは絶対に必要というわけではなく、なぜなら、底面9上の機械加工されたチャネルネットワークは通常、既に良好な換気を確保しているからである。
【0041】
構築プレート10は、3Dプリンタにおいてそれに応じて整列及び配置され、作成された穴11bは、構築プレート10の上面と同じ高さで金属粉末などで満たされる。次いで、個々のインサート7は、提供されたラメラ、任意のマイクロラメラ、他の表面構造、任意選択的に文字、トレッドウェアインジケータなどと共に、それらの意図された設計で層ごとに構築される。換気穴は、構築プレート10内の穴11bの位置に空いたままである。薄い内層12(
図4)は、好ましくは、型面の意図された曲率に対応する湾曲した方式で、構築プレートの上側上に構築される。インサート7はまた、周辺フレーム部分7b(
図6)で構築され、インサート7がベース部分6上のそれらの意図された位置に挿入されるときに、リブスケルトン8のリブ8’が完全なリブ3を形成するべく補足されるように設計される。肩部側上に配置されるインサート7の場合、フレーム部分7bは、リブ8’に隣接するこれらの3つの側上にのみ形成される。リブを備えたトレッドプロファイルの実際の設計に応じて、プロファイルを形成する関連インサートはまた、それらがより大きなプロファイルブロック、複数のプロファイルブロック、又はトレッド内の他のブロック様の構造を形成するように、両側上にフレーム部分のみを有し得、及び/又は設計され得る。
【0042】
好ましい実施形態では、構築インサート7は、それらが直接構築される構築プレート部分と共に、例えば、レーザビーム、ウォータージェットによって、又は機械的に構築プレート10から切り出される。必要に応じて、嵌合面が作り直される。この時点で、換気弁が設けられている場合、構築プレート10及び内層12を貫通する穴11bに挿入することができる。そのようなインサート7の底プレート7aは、構築プレート部分及び内層12から構成される。代替実施形態では、インサート7は、構築プレート19の上側に沿って分離され、例えば、底プレート7aが内層12によって形成されるように切り出される。ベース部分6内の凹部の機械加工深さは、意図される設計に依存する。
【0043】
続いて、ベース部分6上のそれらの位置においてインサート7の配置及び挿入が行われる。インサート7は、挿入前にベース部分6が加熱されることによって、好ましくは収縮させることによって、ベース部分6に固定的に接続される。インサート7はまた、ねじ込み又は溶接によって、ベース部分6に接続され得る。インサート7の底プレート7bの構成部分として構築プレート部分を備えた実施形態では、インサート7を容易に交換できるように、めねじ付きのねじ穴を構築プレート及びベース部分に作成することができる。
【0044】
鋭いエッジの角を備えたベース部分6の凹部を機械加工作成するのには費用がかかる。したがって、凹部の角の領域は、好ましくは丸みを帯びた方式で機械加工される。インサート7上のフレーム部分7b間の角領域は、付加的な構築方法の間に、凹部の丸みを帯びた角領域に対応して、外側に丸みを帯びた形態で構築され、フレーム部分7b間の内側角は、
図7に示されるように、鋭いエッジで構築される。
【0045】
特に、型セグメントの分割は、完全なインサートを使用できるように行われる。或いは、インサートが2つの部分に付加的に構築されるように、付加構築法用のデータにおいてインサートの「分割」が存在する。
【0046】
更に、インサート7自体は、例えば、これらのインサート7をサブ分割するか、又はそれらをインサート要素に分割するリブを更に有することができる。リブスケルトン8は、それらのプロファイルにおいて中断され、インサートのフレーム部分を補足するリブを有することができる。
【0047】
インサートの付加的な構築は、ベース部分6の機械加工作業と同様に、ソフトウェア制御を用いて完全に自動的に行われる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
プロファイル要素を取り囲む又は区切るチャネルを形成するリブ(3)を有する型側を備えた金属ベース部分(6)を有する、トレッドのプロファイルを形成するための空気圧式車両タイヤ用の加硫型の型セグメントを製造するための方法であって、
リブ(8’)からなり、配置及びプロファイルがチャネルを形成するリブ(3)の前記配置及び前記プロファイルに少なくとも部分的に対応する、リブスケルトン(8)が、前記ベース部分(6)から機械加工され、
周辺フレーム部分(7b)を備えたインサート(7)が、付加的方法によって構築され、前記インサート(7)が前記リブスケルトン(8)内に挿入され、前記フレーム部分(7b)が、前記リブスケルトン(8)の前記リブ(8’)を完成させて前記チャネルを形成する前記リブ(3)を形成する、ことを特徴とする、方法。
2.
前記インサート(7)が、ラメラ(4)及び/又はマイクロラメラと共に付加的に構築される、ことを特徴とする、上記1に記載の方法。
3.
好ましくは内層(12)と共に構築プレート(10)上に付加的に構築される前記インサート(7)が、前記構築プレート部分が前記インサート(7)の底プレート(7a)を部分的に形成又は形成するように、構築される前記構築プレート部分と共に前記構築プレート(10)から切り出される、ことを特徴とする、上記1又は2に記載の方法。
4.
前記インサート(7)が前記内層(12)と共に構築プレート(10)上に付加的に構築され、次いで前記インサート(7)が、前記内層(12)が前記インサート(7)の底プレート(7a)を形成するように、前記構築プレート(10)から分離されている、ことを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の方法。
5.
前記インサート(7)が、好ましくは内層(12)と共に、
前記インサート(7)に適合された、特に構築プレート(10)からサイズに合わせてカットされた、構築プレート部分上に
付加的に構築される、ことを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の方法。
6.
少なくとも1つの表面構造を備えるインサート(7)の内層(12)が付加的に構築されている、ことを特徴とする、上記1~5のいずれか一つに記載の方法。
7.
追加のリブによってサブ分割又は分割されたインサート(7)が、付加的に構築されている、ことを特徴とする、上記1~6のいずれか一つに記載の方法。
8.
肩部装飾又は肩部装飾リブ(2)のセクションを有するインサート(7)が、付加的に構築されている、ことを特徴とする、上記1~7のいずれか一つに記載の方法。
9.
表面装飾要素(5)を備えた肩部装飾リブ(2)が、前記ベース部分(6)上で機械加工作成されている、ことを特徴とする、上記1~8のいずれか一つに記載の方法。
10.
平坦な底面(9)を備えた凹部が、前記リブスケルトン(8)の前記リブ(8’)間で機械加工され、その平坦な底面(9)の向きは、前記ベース部分(6)において、凹部が加硫される前記タイヤの前記トレッドの意図された外側輪郭に適合され、前記凹部が、前記インサート(7)の前記底プレート(7a)の厚さに適合した深さまで機械加工されている、ことを特徴とする、上記1~9のいずれか一つに記載の方法。
11.
前記凹部の前記底面(9)に達する換気穴(11a)が、前記ベース部分(6)に作成されている、ことを特徴とする、上記1~10のいずれか一つに記載の方法。
12.
前記構築プレート(10)が換気穴(11b)を備え、任意選択的にねじ穴が設けられ、その位置が、前記ベース部分(6)の前記換気穴(11a)の位置と相関している、ことを特徴とする、上記1~11のいずれか一つに記載の方法。
13.
前記インサート(7)の前記内層(12)が、穴を空けて構築され、その位置が、前記構築プレート(10)の前記換気穴(11b)の位置に対応している、ことを特徴とする、上記1~12のいずれか一つに記載の方法。
14.
前記ベース部分(6)の前記凹部が、丸みを帯びた角領域で機械加工され、前記インサート(7)が、対応する丸みを帯びた外側角領域、及び任意選択的に鋭いエッジの内側角で構築されている、ことを特徴とする、上記1~13のいずれか一つに記載の方法。
15.
金属ベース部分(6)を有し、且つプロファイル要素を取り囲む及び/又は区切るチャネルを形成するためのリブ(3)を有する、空気圧式車両タイヤのトレッドのプロファイルを形成するための前記空気圧式車両タイヤ用の加硫型の型セグメントであって、
前記ベース部分(6)がリブ(8’)からなる機械加工作成されたリブスケルトンを(8)有し、配置及びプロファイルがチャネルを形成するリブ(6)の前記配置及び前記プロファイルに少なくとも部分的に対応し、その中に付加的方法によって製造され、且つ周辺フレーム部分(7b)を有するリブスケルトン(8)のインサート(7)が挿入され、前記フレーム部分が前記リブスケルトン(8)の前記リブ(8’)を完成させて、チャネルを形成するリブ(3)を形成する、ことを特徴とする、型セグメント。
16.
リブによって更にサブ分割又は分割されたインサート(7)を有する、ことを特徴とする、上記15に記載の型セグメント。
17.
前記インサート(7)が底プレート(7a)を有し、その各々が、付加的に構築された内層(12)、又は付加的に構築された内層(12)及び前記インサート(7)が構築された構築プレートの一部からなる、ことを特徴とする、上記15又は16に記載の型セグメント。
18.
ラメラ及び/又はマイクロラメラを備えたインサート(7)を有する、ことを特徴とする、上記15~17のいずれか一つに記載の型セグメント。
19.
前記内層(12)が、前記プロファイル要素の正の表面を形成するための型面である湾曲した外面を有する、ことを特徴とする、上記15~18のいずれか一つに記載の型セグメント。
20.
肩部装飾又は肩部装飾リブ(2)のセクションを有するインサート(7)を有する、ことを特徴とする、上記15~19のいずれか一つに記載の型セグメント。
21.
前記ベース部分(6)が、前記表面で機械加工された装飾要素(5)を備えた機械加工された肩部装飾リブ(2)を有する、ことを特徴とする、上記15に記載の型セグメント。
22.
前記ベース部分(6)上の前記リブスケルトン(8)が、リブ(8’)間、及び任意選択的にリブ(8’)と前記肩部装飾リブ(2)との間において、平坦な底面(9)を備える凹部を有し、その平坦な底面(9)の向きが、前記ベース部分(6)において、加硫される前記タイヤの前記トレッドの意図された外側輪郭に適合しており、前記凹部が、前記インサート(7)の前記底プレート(7a)の厚さに適合した深さを有する、ことを特徴とする、上記15~21のいずれか一つに記載の型セグメント。
23.
前記ベース部分(6)が、前記凹部の前記底面(9)に達する換気穴(11a)を有する、ことを特徴とする、上記15~22のいずれか一つに記載の型セグメント。
24.
前記インサート(7)の前記底プレート(7a)が、換気穴(11b)によって貫通され、前記位置が、前記ベース部分(6)の前記換気穴(11a)の位置と相関している、ことを特徴とする、上記15~23のいずれか一つに記載の型セグメント。
25.
前記ベース部分(6)の前記凹部が、丸みを帯びた角領域を有し、前記インサート(7)が、対応して丸みを帯びた外側角領域、及び任意選択で鋭いエッジの内側角を有する、ことを特徴とする、上記15~24のいずれか一つに記載の型セグメント。
26.
前記ベース部分(6)が、鋼合金又はアルミニウム合金からなる、ことを特徴とする、上記15~25のいずれか一つに記載の型セグメント。
27.
上記15~26のいずれか一つに記載の型セグメントを備えたセグメントリングを含む、空気圧式車両タイヤ用の加硫型。
【符号の説明】
【0048】
1 型セグメント
2 肩部装飾リブ
3 リブ
4 ラメラ
5 装飾要素
6 ベース部分
7 インサート
7a 底プレート
7b フレーム部分
8 リブスケルトン
8’ リブ
8’a リブフランク
9 底面
10 構築プレート
11a、11b 穴
12 内層
d 厚さ