(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】薬剤識別システム及び薬剤識別方法
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20231220BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
A61J3/00 310F
(21)【出願番号】P 2022551977
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 JP2021034506
(87)【国際公開番号】W WO2022065275
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2020160939
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000149837
【氏名又は名称】富士フイルム富山化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】奥津 浩一
(72)【発明者】
【氏名】羽田 真司
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-186962(JP,A)
【文献】国際公開第2013/008392(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/005004(WO,A1)
【文献】特開2012-440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の第一面の側に配置され、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明する第一照明装置と、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置され、前記第二面の側から前記薬剤を撮影する第一撮影装置と、
前記薬剤を前記第二面の側から照明する第二照明装置と、
一以上のプロセッサと、
を備え、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し
、前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される第二表示情報を取得
するか、又は、
前記第二照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一反射光画像を前記第一撮影装置から取得し、前記第一反射光画像から前記第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する
薬剤識別システムであって、
前記第一面の側と前記第二面の側について、前記第一撮影装置及び前記第二照明装置と前記第一照明装置との位置を反転させる反転装置を備える薬剤識別システム。
【請求項2】
薬剤の第一面の側に配置され、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明する第一照明装置と、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置され、前記第二面の側から前記薬剤を撮影する第一撮影装置と、
一以上のプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される第二表示情報であり、不透明部材が適用される分包部材及び透明部材が適用される分包部材の少なくともいずれかに分包された識別対象の薬剤における前記第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する薬剤識別システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
識別対象の薬剤の前記第二表示情報として、前記第二表示情報の表示形式を示す第二表示形式情報を取得し、
識別対象の薬剤を包装する分包部材の情報である分包部材情報を取得し、
前記第二表示形式情報が刻印であり、かつ、前記分包部材情報が不透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する 請求項
2に記載の薬剤識別システム。
【請求項4】
薬剤の第一面の側に配置され、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明する第一照明装置と、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置され、前記第二面の側から前記薬剤を撮影する第一撮影装置と、
前記薬剤を前記第二面の側から照明する第二照明装置と、
一以上のプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される第二表示情報を取得するか、又は、
前記第二照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一反射光画像を前記第一撮影装置から取得し、前記第一反射光画像から前記第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する際に、
識別対象の薬剤の前記第二表示情報として、前記第二表示情報の表示形式を示す第二表示形式情報を取得し、
識別対象の薬剤を包装する分包部材の情報である分包部材情報を取得し、
前記第二表示形式情報と前記分包部材情報との組み合わせに応じて、前記識別対象の薬剤へ前記第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得するか又は前記識別対象の薬剤へ前記第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得するかを選択的に切り替える薬剤識別システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第二表示形式情報が刻印であり、かつ、前記分包部材情報が不透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する請求項
4に記載の薬剤識別システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第二表示形式情報が印刷であり、かつ、前記分包部材情報が不透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得する請求項
4に記載の薬剤識別システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第二表示形式情報が前記第二表示情報の非表示であり、かつ、前記分包部材情報が透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得する請求項
4に記載の薬剤識別システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第二表示形式情報が刻印であり、かつ、前記分包部材情報が透明部材又は前記分包部材の非使用の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する請求項
4に記載の薬剤識別システム。
【請求項9】
薬剤の第一面の側に配置され、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明する第一照明装置と、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置され、前記第二面の側から前記薬剤を撮影する第一撮影装置と、
前記薬剤の前記第二面の側に配置され、前記薬剤に対して前記第二面の側から照明する第三照明装置と、
前記薬剤の前記第一面の側に配置され、前記薬剤を前記第一面の側から撮影する第二撮影装置と、
一以上のプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される第二表示情報を取得し、
前記第三照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第二透過光画像を前記第二撮影装置から取得し、
前記第二透過光画像から前記薬剤の前記第一面に表示される第一表示情報を取得し、
前記取得した前記第一表示情報
及び前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する薬剤識別システム。
【請求項10】
前記薬剤を前記第一面の側から照明する第四照明装置を備え、
前記プロセッサは、
前記第四照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第二反射光画像を前記第二撮影装置から取得し、
前記第二反射光画像から前記第一表示情報を取得し、
前記取得した前記第一表示情報
及び前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する請求項
9に記載の薬剤識別システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、
不透明部材が適用される分包部材及び透明部材が適用される分包部材の少なくともいずれかに分包された識別対象の薬剤における第一表示情報を取得し、
前記取得した前記第一表示情報
及び前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する請求項
9又は
10に記載の薬剤識別システム。
【請求項12】
前記薬剤を前記第二面の側から照明する第二照明装置を備え、
前記プロセッサは、
前記第二照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一反射光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一反射光画像から前記第二表示情報を取得し、
前記取得した
前記第一表示情報及び前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する請求項
9から
11のいずれか一項に記載の薬剤識別システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、
不透明部材が適用される分包部材及び透明部材が適用される分包部材の少なくともいずれかに分包された識別対象の薬剤における第二表示情報を取得し、
前記取得した
前記第一表示情報及び前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する請求項
9から
12のいずれか一項に記載の薬剤識別システム。
【請求項14】
前記プロセッサは、
識別対象の薬剤の前記第一表示情報として、前記第一表示情報の表示形式を示す第一表示形式情報を取得し、
識別対象の薬剤を包装する分包部材の情報である分包部材情報を取得し、
前記第一表示形式情報と前記分包部材情報との組み合わせに応じて、前記識別対象の薬剤へ前記第三照明装置から照明光を照射して第二透過光画像を取得するか又は前記識別対象の薬剤へ前記第四照明装置から照明光を照射して第二反射光画像を取得するかを選択的に切り替える請求項
10に記載の薬剤識別システム。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記第一表示形式情報が刻印であり、かつ、前記分包部材情報が不透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第三照明装置から照明光を照射して第二透過光画像を取得する請求項
14に記載の薬剤識別システム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記第一表示形式情報が印刷であり、かつ、前記分包部材情報が不透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第四照明装置から照明光を照射して第二反射光画像を取得する請求項1
4に記載の薬剤識別システム。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記第一表示形式情報が前記第一表示情報の非表示であり、かつ、前記分包部材情報が透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第四照明装置から照明光を照射して第二反射光画像を取得する請求項
14に記載の薬剤識別システム。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記第一表示形式情報が刻印であり、かつ、前記分包部材情報が透明部材又は前記分包部材の非使用の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第三照明装置から照明光を照射して第二透過光画像を取得する請求項
14に記載の薬剤識別システム。
【請求項19】
前記薬剤を前記第二面の側から照明する第二照明装置を備え、
前記プロセッサは、
前記第二照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一反射光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一反射光画像から前記第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する請求項
14から
18のいずれか一項に記載の薬剤識別システム。
【請求項20】
前記プロセッサは、
識別対象の薬剤の前記第二表示情報として、前記第二表示情報の表示形式を示す第二表示形式情報を取得し、
前記第二表示形式情報と前記分包部材情報との組み合わせに応じて、前記識別対象の薬剤へ前記第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得するか又は前記識別対象の薬剤へ前記第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得するかを選択的に切り替える請求項
19に記載の薬剤識別システム。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記第二表示形式情報が刻印であり、かつ、前記分包部材情報が不透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する請求項
20に記載の薬剤識別システム。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記第二表示形式情報が印刷であり、かつ、前記分包部材情報が不透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得する請求項
20に記載の薬剤識別システム。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記第二表示形式情報が前記第二表示情報の非表示であり、かつ、前記分包部材情報が透明部材の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第二照明装置から照 光を照射して第一反射光画像を取得する請求項
22に記載の薬剤識別システム。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記第二表示形式情報が刻印であり、かつ、前記分包部材情報が明部材又は前記分包部材の非使用の場合に、前記識別対象の薬剤へ前記第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する請求項
22に記載の薬剤識別システム。
【請求項25】
薬剤の第一面の側に配置され、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明する第一照明装置と、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置され、前記第二面の側から前記薬剤を撮影する第一撮影装置と、
前記薬剤を包装する分包部材と前記薬剤との接触の程度を調整する接触調整装置
と、
一以上のプロセッサと、
を備え
、
前記プロセッサは、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する薬剤識別システム。
【請求項26】
前記接触調整装置は、前記薬剤が撮影される側において、前記薬剤の周囲の前記分包部材を押圧する押圧部材を備える請求項
25に記載の薬剤識別システム。
【請求項27】
前記接触調整装置は、
前記薬剤が撮影される側において前記分包部材を覆うシート状部材と、
前記薬剤が載置される載置部材と前記シート状部材との間の気体を脱気する脱気装置と、
を備えた請求項
25に記載の薬剤識別システム。
【請求項28】
薬剤の第一面の側に配置され、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明する第一照明装置と、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置され、前記第二面の側から前記薬剤を撮影する第一撮影装置と、
前記薬剤が撮影される側と反対の側において、前記薬剤を支持する支持部材
と、
一以上のプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する薬剤識別システム。
【請求項29】
薬剤の第一面の側に配置される第一照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明し、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置される第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第二面の側から撮影し、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される前記薬剤の第二表示情報を取得
するか、又は、
前記第二面の側に配置される第二照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第二面の側から照明し、
前記第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第二面の側から撮影し、
前記第二照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一反射光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一反射光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される前記薬剤の第二表示情報を取得し、
前記第一面の側と前記第二面の側について、前記第一撮影装置及び前記第二照明装置と前記第一照明装置との位置を反転させる反転装置を用いて、前記第一撮影装置及び前記第二照明装置と前記第一照明装置との位置を反転させ、
前記第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第一面の側から撮影して得られた前記薬剤の前記第一面の透過光画像、又は前記薬剤の前記第一面の反射光画像を取得し、
前記薬剤の前記第一面に表示される表示情報を取得し、
前記取得した
前記薬剤の前記第一面に表示される表示情報及び前記第二表示情報
の少なくともいずれかに基づき前記薬剤を識別する薬剤識別方法。
【請求項30】
薬剤の第一面の側に配置される第一照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明し、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置される第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第二面の側から撮影し、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される前記薬剤の第二表示情報であり、不透明部材が適用される分包部材及び透明部材が適用される分包部材の少なくともいずれかに分包された識別対象の薬剤における前記第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する薬剤識別方法。
【請求項31】
薬剤の第一面の側に配置される第一照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明し、前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置される第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第二面の側から撮影し、前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される前記薬剤の第二表示情報を取得するか、又は、
前記第二面の側に配置される第二照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第二面の側から照明し、前記第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第二面の側から撮影し、前記第二照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一反射光画像を前記第一撮影装置から取得し、前記第一反射光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される前記薬剤の第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する際に、
識別対象の薬剤の前記第二表示情報として、前記第二表示情報の表示形式を示す第二表示形式情報を取得し、
識別対象の薬剤を包装する分包部材の情報である分包部材情報を取得し、
前記第二表示形式情報と前記分包部材情報との組み合わせに応じて、前記識別対象の薬剤へ前記第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得するか又は前記識別対象の薬剤へ前記第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得するかを選択的に切り替える薬剤識別方法。
【請求項32】
薬剤の第一面の側に配置される第一照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明し、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置される第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第二面の側から撮影し、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される前記薬剤の第二表示情報を取得し、
前記薬剤の前記第二面の側に配置される第三照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第二面の側から照明し、
前記薬剤の前記第一面の側に配置される第二撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第一面の側から撮影し、
前記第三照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の前記薬剤の第二透過光画像を前記第二撮影装置から取得し、
前記第二透過光画像から前記薬剤の前記第一面に表示される第一表示情報を取得し、
前記取得した前記第一表示情報及び前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する薬剤識別方法。
【請求項33】
薬剤の第一面の側に配置される第一照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明し、
前記薬剤を包装する分包部材と前記薬剤との接触の程度を調整し、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置される第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第二面の側から撮影し、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される前記薬剤の第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する薬剤識別方法。
【請求項34】
薬剤の第一面の側に配置される第一照明装置を適用して、前記薬剤に対して前記第一面の側から照明し、
前記薬剤が撮影される側と反対の側において、前記薬剤を支持する支持部材を用いて前記薬剤を支持し、
前記薬剤の前記第一面と反対の第二面の側に配置される第一撮影装置を適用して、前記薬剤を前記第二面の側から撮影し、
前記第一照明装置から前記薬剤へ照明光を照射した際の前記薬剤の第一透過光画像を前記第一撮影装置から取得し、
前記第一透過光画像から前記薬剤の前記第二面に表示される前記薬剤の第二表示情報を取得し、
前記取得した前記第二表示情報に基づき前記薬剤を識別する薬剤識別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬剤識別システム及び薬剤識別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬局における調剤監査及び病院等における持参薬の鑑別等を実施する際に、薬剤の種類を識別する薬剤識別装置が用いられる。例えば、薬剤の撮影画像とマスタ画像との照合結果に基づき、識別対象の薬剤の候補の情報を提供する薬剤識別装置が知られている。
【0003】
特許文献1は、薬包内に封入された錠剤数、錠剤の種別及び錠剤の状態を鑑査する錠剤鑑査装置が記載されている。同文献に記載の装置は、薬剤連続体の搬送路の下面から光を照射し、搬送路の上面から薬包に封入された薬剤を撮影し、薬剤の撮影画像に基づき薬剤の錠剤数等を鑑査する。
【0004】
特許文献2は、薬剤の撮影画像とマスタ画像とを照合し、撮影画像が示す薬剤がいずれの薬剤であるかを認識する薬剤認識装置が記載されている。同文献に記載の装置は、薬剤の上側から照明光を照射して、薬剤の上側の面の撮影画像を取得する第1のカメラ及び薬剤の下側から照明光を照射して、薬剤の下側の面の撮影画像を取得する第2のカメラを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6093655号公報
【文献】国際公開第2018/173649号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、薬剤の撮影画像とマスタ画像とを照合する場合、薬剤の撮影画像から薬剤の識別に十分な情報が取得されている必要がある。しかし、刻印が浅いタイプの薬剤の場合、薬剤へ照明光を照射し、照明光の反射光に基づき薬剤の撮影画像を取得する薬剤識別装置では、薬剤の撮影画像において、刻印と刻印がされていない非刻印領域とのコントラストの確保が困難であり、薬剤の撮影画像から薬剤の識別に十分な情報が取得できない可能性がある。
【0007】
特許文献1に記載の装置は、薬剤の数の認識及び鑑査対象の薬剤が錠剤かカプセルかといった薬剤の形態の認識が可能であるが、薬剤の刻印及び印刷等の表示自体の認識が困難である。すなわち、特許文献1は薬剤の撮影画像に基づく薬剤の刻印の認識に関する技術の記載又は示唆はない。
【0008】
特許文献2に記載の装置は、撮影対象の薬剤に対してカメラの受光面と同じ側から照明光を照射し、カメラは薬剤の反射光を受光して薬剤の撮影画像を生成する。薬剤の撮影が反射光に基づく薬剤識別装置では、上記のとおり、薬剤の撮影画像から薬剤の識別に十分な情報の取得が困難であるという問題が生じ得る。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、薬剤の表示情報の可読性を向上させ、表示情報に基づく薬剤の識別に関する十分な情報の取得を可能とする薬剤識別システム及び薬剤識別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
【0011】
本開示に係る薬剤識別システムは、薬剤の第一面の側に配置され、薬剤に対して第一面の側から照明する第一照明装置と、薬剤の第一面と反対の第二面の側に配置され、第二面の側から薬剤を撮影する第一撮影装置と、一以上のプロセッサと、を備え、プロセッサは、第一照明装置から薬剤へ照明光を照射した際の薬剤の第一透過光画像を第一撮影装置から取得し、第一透過光画像から薬剤の第二面に表示される第二表示情報を取得し、取得した第二表示情報に基づき薬剤を識別する薬剤識別システムである。
【0012】
本開示に係る薬剤識別システムによれば、薬剤の第二面に表示される第二表示情報が強調された第一透過光画像が取得される。これにより、薬剤の第二面の第二表示情報が刻印の場合に刻印の可読性が向上し得る。
【0013】
撮影対象の薬剤は、一以上の薬剤が分包紙などを用いて分包された形態を含み得る。
【0014】
薬剤を分包する分包部材は、照明光の少なくとも一部を透過させる透明材料又は半透明材料などの不透明材料を適用し得る。薬剤を分包する分包部材はシートの形態を適用し得る。分包部材の材料は、紙及びフィルム等を適用し得る。
【0015】
薬剤の識別は、薬局等において実施される調剤監査が含まれる。薬剤の識別は、病院等において入院時持参薬に対して実施される鑑別が含まれる。
【0016】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、薬剤を第二面の側から照明する第二照明装置を備え、プロセッサは、第二照明装置から薬剤へ照明光を照射した際の薬剤の第一反射光画像を第一撮影装置から取得し、第一反射光画像から第二表示情報を取得し、取得した第二表示情報に基づき薬剤を識別する。
【0017】
かかる態様によれば、薬剤の第二面の第一反射光画像が取得される。これにより、薬剤の第二面の印刷が表す第二表示情報を取得し得る。
【0018】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、第一面の側と第二面の側について、第一撮影装置及び第二照明装置と第一照明装置との位置を反転させる反転装置を備える。
【0019】
かかる態様によれば、第一面及び第二面について薬剤を反転させずに、薬剤の両面の表示情報を取得し得る。
【0020】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、不透明部材が適用される分包部材及び透明部材が適用される分包部材の少なくともいずれかに分包された識別対象の薬剤における第二表示情報を取得し、取得した第二表示情報に基づき薬剤を識別する。
【0021】
かかる態様によれば、不透明分包部材及び透明分包部材の少なくともいずれかに分包された薬剤の識別を実施し得る。
【0022】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、識別対象の薬剤の第二表示情報として、第二表示情報の表示形式を示す第二表示形式情報を取得し、識別対象の薬剤を包装する分包部材の情報である分包部材情報を取得し、第二表示形式情報が刻印であり、かつ、分包部材情報が不透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する。
【0023】
かかる態様によれば、第二表示情報が刻印であり、かつ、分包部材が不透明の場合に、刻印が強調された第一透過光画像を取得し得る。
【0024】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、識別対象の薬剤の第二表示情報として、第二表示情報の表示形式を示す第二表示形式情報を取得し、識別対象の薬剤を包装する分包部材の情報である分包部材情報を取得し、第二表示形式情報と分包部材情報との組み合わせに応じて、識別対象の薬剤へ第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得するか又は識別対象の薬剤へ第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得するかを選択的に切り替える。
【0025】
かかる態様によれば、薬剤の表示形式と分包部材の種類との組み合わせに応じて、第一透過光画像と第一反射光画像とを選択的に取得し得る。
【0026】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第二表示形式情報が刻印であり、かつ、分包部材情報が不透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する。
【0027】
かかる態様によれば、第二表示情報が刻印であり、かつ、分包部材が不透明の場合に、刻印が強調された第一透過光画像を取得し得る。
【0028】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第二表示形式情報が印刷であり、かつ、分包部材情報が不透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得する。
【0029】
かかる態様によれば、第二表示情報が印刷であり、かつ、分包部材が不透明の場合に、第一反射光画像が取得される。
【0030】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第二表示形式情報が第二表示情報の非表示であり、かつ、分包部材情報が透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得する。
【0031】
かかる態様によれば、第二表示情報が非表示であり、かつ、分包部材が透明の場合に、第一反射光画像が取得される。
【0032】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第二表示形式情報が刻印であり、かつ、分包部材情報が透明部材又は分包部材の非使用の場合に、識別対象の薬剤へ第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する。
【0033】
かかる態様によれば、第二表示情報が刻印であり、かつ、分包部材が透明か又は非使用の場合に、第一透過光画像が取得される。
【0034】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、薬剤の第二面の側に配置され、薬剤に対して第二面の側から照明する第三照明装置と、薬剤の第一面の側に配置され、薬剤を第一面の側から撮影する第二撮影装置と、を備え、プロセッサは、第三照明装置から薬剤へ照明光を照射した際の薬剤の第二透過光画像を第二撮影装置から取得し、第二透過光画像から薬剤の第一面に表示される第一表示情報を取得し、取得した第一表示情報に基づき薬剤を識別する。
【0035】
かかる態様によれば、第一面及び第二面について薬剤を反転させずに、第二透過光画像から薬剤の第一面に表示される第一表示情報を取得し、第一表示情報に基づく薬剤の識別を実施し得る。
【0036】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、薬剤を第一面の側から照明する第四照明装置を備え、プロセッサは、第四照明装置から薬剤へ照明光を照射した際の薬剤の第二反射光画像を第二撮影装置から取得し、第二反射光画像から第一表示情報を取得し、取得した第一表示情報に基づき薬剤を識別する。
【0037】
かかる態様によれば、第一面及び第二面について薬剤を反転させずに、第二反射光画像から薬剤の第一面に表示される第一表示情報を取得し、第一表示情報に基づく薬剤の識別を実施し得る。
【0038】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、不透明部材が適用される分包部材及び透明部材が適用される分包部材の少なくともいずれかに分包された識別対象の薬剤における第一表示情報を取得し、取得した第一表示情報に基づき薬剤を識別する。
【0039】
かかる態様によれば、不透明分包部材及び透明分包部材の少なくともいずれかに分包された薬剤の識別を実施し得る。
【0040】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、薬剤を第二面の側から照明する第二照明装置を備え、プロセッサは、第二照明装置から薬剤へ照明光を照射した際の薬剤の第一反射光画像を第一撮影装置から取得し、第一反射光画像から第二表示情報を取得し、取得した第二表示情報に基づき薬剤を識別する。
【0041】
かかる態様によれば、薬剤の第二面の第一反射光画像が取得される。これにより、薬剤の第二面の印刷が表す第二表示情報を取得し得る。
【0042】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、不透明部材が適用される分包部材及び透明部材が適用される分包部材の少なくともいずれかに分包された識別対象の薬剤における第二表示情報を取得し、取得した第二表示情報に基づき薬剤を識別する。
【0043】
かかる態様によれば、不透明分包部材及び透明分包部材の少なくともいずれかに分包された薬剤の識別を実施し得る。
【0044】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、識別対象の薬剤の第一表示情報として、第一表示情報の表示形式を示す第一表示形式情報を取得し、識別対象の薬剤を包装する分包部材の情報である分包部材情報を取得し、第一表示形式情報と分包部材情報との組み合わせに応じて、識別対象の薬剤へ第三照明装置から照明光を照射して第二透過光画像を取得するか又は識別対象の薬剤へ第四照明装置から照明光を照射して第二反射光画像を取得するかを選択的に切り替える。
【0045】
かかる態様によれば、第一表示形式情報と分包紙の種類との組み合わせに応じて、第二透過光画像と第二反射光画像とを選択的に取得し得る。
【0046】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第一表示形式情報が刻印であり、かつ、分包部材情報が不透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第三照明装置から照明光を照射して第二透過光画像を取得する。
【0047】
かかる態様によれば、第一表示情報が刻印の場合であり、分包部材が不透明部材の場合に、刻印が強調された第二透過光画像を取得し得る。
【0048】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第一表示形式情報が印刷であり、かつ、分包部材情報が不透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第四照明装置から照明光を照射して第二反射光画像を取得する。
【0049】
かかる態様によれば、第一表示情報が印刷であり、かつ、分包紙情報が不透明の場合に、第二反射光画像が取得される。
【0050】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第一表示形式情報が第一表示情報の非表示であり、かつ、分包部材情報が透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第四照明装置から照明光を照射して第二反射光画像を取得する。
【0051】
かかる態様によれば、第一表示情報が非表示であり、かつ、分包部材が透明の場合に、第二反射光画像が取得される。
【0052】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第一表示形式情報が刻印であり、かつ、分包部材情報が透明部材又は分包部材の非使用の場合に、識別対象の薬剤へ第三照明装置から照明光を照射して第二透過光画像を取得する。
【0053】
かかる態様によれば、第一表示情報が刻印であり、かつ、分包部材が透明か又は非使用の場合に、第二透過光画像が取得される。
【0054】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、薬剤を第二面の側から照明する第二照明装置を備え、プロセッサは、第二照明装置から薬剤へ照明光を照射した際の薬剤の第一反射光画像を第一撮影装置から取得し、第一反射光画像から第二表示情報を取得し、取得した第二表示情報に基づき薬剤を識別する。
【0055】
かかる態様によれば、薬剤の第二面の第一反射光画像が取得される。これにより、薬剤の第二面の印刷が表す第二表示情報を取得し得る。
【0056】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、識別対象の薬剤の第二表示情報として、第二表示情報の表示形式を示す第二表示形式情報を取得し、第二表示形式情報と分包部材情報との組み合わせに応じて、識別対象の薬剤へ第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得するか又は識別対象の薬剤へ第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得するかを選択的に切り替える。
【0057】
かかる態様によれば、薬剤の表示形式と分包部材の種類との組み合わせに応じて、第一透過光画像と第一反射光画像とを選択的に取得し得る。
【0058】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第二表示形式情報が刻印であり、かつ、分包部材情報が不透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する。
【0059】
かかる態様によれば、第二表示情報が刻印であり、かつ、分包部材が不透明の場合に、刻印が強調された第一透過光画像を取得し得る。
【0060】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第二表示形式情報が印刷であり、かつ、分包部材情報が不透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得する。
【0061】
かかる態様によれば、第二表示情報が印刷であり、かつ、分包部材が不透明の場合に、第一反射光画像が取得される。
【0062】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第二表示形式情報が第二表示情報の非表示であり、かつ、分包部材情報が透明部材の場合に、識別対象の薬剤へ第二照明装置から照明光を照射して第一反射光画像を取得する。
【0063】
かかる態様によれば、第二表示情報が非表示であり、かつ、分包部材が透明の場合に、第一反射光画像が取得される。
【0064】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、プロセッサは、第二表示形式情報が刻印であり、かつ、分包部材情報が透明部材又は分包部材の非使用の場合に、識別対象の薬剤へ第一照明装置から照明光を照射して第一透過光画像を取得する。
【0065】
かかる態様によれば、第二表示情報が刻印であり、かつ、分包部材が透明か又は非使用の場合に、第一透過光画像が取得される。
【0066】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、薬剤を包装する分包部材と薬剤との接触の程度を調整する接触調整装置を備える。
【0067】
かかる態様によれば、薬剤に対して分包部材を密着させることができ、刻印等の表示情報の可読性がより向上した透過光画像を取得し得る。
【0068】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、接触調整装置は、薬剤が撮影される側において、薬剤の周囲の分包部材を押圧する押圧部材を備える。
【0069】
かかる態様によれば、薬剤に対して分包部材を押圧させて、薬剤と分包部材とを密着させ得る。
【0070】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、接触調整装置は、薬剤が撮影される側において分包部材を覆うシート状部材と、薬剤が載置される載置部材とシート状部材との間の気体を脱気する脱気装置と、を備える。
【0071】
かかる態様によれば、薬剤に対して分包部材を押圧させて、薬剤と分包部材とを密着させ得る。
【0072】
他の態様に係る薬剤識別システムにおいて、薬剤が撮影される側と反対の側において、薬剤を支持する支持部材を備える。
【0073】
かかる態様によれば、識別対象の薬剤の位置を固定し得る。
【0074】
本開示に係る薬剤識別方法は、薬剤の第一面の側に配置される第一照明装置を適用して、薬剤に対して第一面の側から照明し、薬剤の第一面と反対の第二面の側に配置される第一撮影装置を適用して、薬剤を第二面の側から撮影し、第一照明装置から薬剤へ照明光を照射した際の薬剤の第一透過光画像を第一撮影装置から取得し、第一透過光画像から薬剤の第二面に表示される薬剤の第二表示情報を取得し、取得した第二表示情報に基づき薬剤を識別する薬剤識別方法である。
【0075】
本開示に係る薬剤識別方法によれば、本開示に係る薬剤識別システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0076】
他の態様に係る薬剤識別システムにおける構成要素は、本開示に係る薬剤識別方法に対応する構成要素として把握し得る。
【発明の効果】
【0077】
本発明によれば、薬剤の第二面に表示される第二表示情報が強調された第一透過光画像が取得される。これにより、薬剤の第二面の第二表示情報が刻印の場合に刻印の可読性が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】
図1は第一実施形態に係る薬剤識別システムの全体構成図である。
【
図2】
図2は
図1に示す撮影ユニットの構成例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は
図1に示す第一照明装置及び第二照明装置を正面から見た模式図である。
【
図4】
図4は
図1に示す第一照明装置及び第二照明装置を上面から見た模式図である。
【
図6】
図6は
図5に示す押さえ機構の構成例を示す斜視図である。
【
図7】
図7は
図1に示す薬剤識別システムの機構ブロック図である。
【
図8】
図8は透明分包紙を用いて分包される薬剤の撮影を表す模式図である。
【
図9】
図9は不透明分包紙を用いて分包される刻印タイプの薬剤の撮影を表す模式図である。
【
図11】
図11は不透明分包紙を用いて分包される印刷タイプの薬剤の撮影を表す模式図である。
【
図12】
図12は第一変形例に係る押さえ機構及び変形例に係る載置台の模式図である。
【
図13】
図13は変形例に係る台座部材の斜視図及び断面図である。
【
図14】
図14は第二変形例に係る押さえ機構の模式図である。
【
図15】
図15は第三変形例に係る押さえ機構の模式図である。
【
図18】
図18は第四変形例に係る押さえ機構の模式図である。
【
図19】
図19は第五変形例に係る押さえ機構の模式図である。
【
図21】
図21は第一実施形態に係る薬剤識別方法の手順を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は応用例に係る薬剤識別システムの模式図である。
【
図23】
図23は第二実施形態に係る薬剤識別システムの構成例を示す斜視図である。
【
図25】
図25は第三実施形態に係る薬剤識別システムに適用される押さえ機構の構成例を示す斜視図である。
【
図26】
図26は
図25に示す押さえ機構において、薬剤をセットした状態を示す斜視図である。
【
図28】
図28は第三実施形態に係る薬剤識別システムに適用される撮影装置及び照明装置の構成例を示す斜視図である。
【
図29】
図29は第三実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤をセットした状態を示す斜視図及び側面図である。
【
図30】
図30は第三実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤の表面撮影を実施する際の状態を示す斜視図及び側面視野図である。
【
図31】
図31は第三実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤の裏面撮影を実施する際の状態を示す斜視図及び側面視野図である。
【
図32】
図32は第三実施形態に係る薬剤識別システムの変形例を示す斜視図である。
【
図33】
図33は第四実施形態に係る薬剤識別システムの構成例を示す斜視図である。
【
図34】
図34は第四実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤の表面撮影を実施する際の状態を示す斜視図である。
【
図35】
図35は第四実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、表面撮影と裏面撮影との切り替え状態を示す斜視図である。
【
図36】
図36は第四実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤の裏面撮影を実施する際の状態を示す斜視図である。
【
図38】
図38は
図1に示すディスプレイ装置へ表示される識別結果の第一表示例を示す説明図である。
【
図39】
図39は
図1に示すディスプレイ装置へ表示される識別結果の第二表示例を示す説明図であり、照合エラーが非発生の場合の説明図である。
【
図40】
図40は
図1に示すディスプレイ装置へ表示される識別結果の第二表示例を示す説明図であり、照合エラーが発生している場合の説明図である。
【
図41】
図41は識別対象の薬剤が分包されていない場合の模式図である。
【
図42】
図42は薬剤識別システムのネットワークシステムへの適用例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下、添付図面に従って本発明の実施の形態について詳説する。本明細書では、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明は適宜省略する。
【0080】
[薬剤識別の課題]
薬剤識別の課題について説明する。薬剤識別は、薬局及び病院等において実施される処方箋情報に基づく薬剤の調剤監査が含まれる。また、薬剤識別は病院等において実施される入院時持参薬の鑑別が含まれる。
【0081】
一般に、薬剤の刻印及び印刷等は文字サイズが小さく、特に刻印タイプの薬剤は刻印と刻印でない非刻印部分とのコントラストが低いため、透明分包紙を用いて分包される場合は刻印の可読性は低い。また、薬剤がむき出しとなる非分包の場合であっても、一般に刻印の可読性は低い。
【0082】
一包化に用いられる分包紙として、不透明のグラシン紙が販売されている。刻印タイプの薬剤がグラシン紙を用いて分包される場合、グラシン紙の表面等の光の拡散及び散乱に起因して、刻印の可読性は更に低下する。
【0083】
グラシン紙等の分包紙と薬剤との間の距離が相対的に大きくなることに起因して、刻印の可読性が低下する傾向が強くなる。そうすると、グラシン紙等の不透明分包紙を用いて分包される薬剤について、刻印及び印字等の表示が表す情報に基づく識別は困難である。
【0084】
一方、薬剤識別は、可能な限り分包された状態における実施が好ましい。安価であるグラシン紙は、一包化において主たる分包紙の一つであり、グラシン紙を用いて分包される薬剤の識別について、画像処理技術等を適用して支援できることが好ましい。
【0085】
他方、グラシン紙等の不透明分包紙を用いて分包される薬剤の識別は、薬剤は分包された状態のまま、刻印及び印刷を表す信号を取得し、取得した信号に基づく高精度の照合を実現する必要がある。以下に説明する実施形態では、分包紙を用いて分包された状態の薬剤の識別について詳細に説明する。なお、薬剤識別は、薬剤の識別と同義である。以下の説明においても同様である。
【0086】
[第一実施形態]
〔薬剤識別システムの全体構成例〕
図1は第一実施形態に係る薬剤識別システムの全体構成図である。同図に示す薬剤識別システム10は、撮影ユニット20、処理装置30、ディスプレイ装置40及び入力装置を備える。なお、
図1では入力装置の構成要素として、キーボード52及びマウス54を示す。入力装置は符号50を用いて
図7に図示する。
【0087】
撮影ユニット20は、撮影装置22、照明装置24、載置台26及び押さえ機構28を備える。撮影装置22はカメラ及びフレーム70を備える。
図1ではカメラの図示を省略する。カメラは符号72を用いて
図2に図示する。
【0088】
照明装置24は、第一照明装置及び第二照明装置82を備える。第一照明装置は、載置台26の撮影装置22と反対の側の位置であり、載置台26の内部に配置される。なお、
図1では第一照明装置の図示を省略する。第一照明装置は符号80を付して
図2に図示する。
【0089】
第二照明装置82は、載置台26の撮影装置22の側の位置に配置される。第二照明装置82は、フレーム84の内
側面に支持されるLEDアレイを備える。なお、LEDはLight Emitting Diodeの省略語である。LEDアレイは符号86を用いて
図2に図示する。
【0090】
載置台26は、識別対象の薬剤12を支持する。
図1に示す識別対象の薬剤12は、分包紙14を用いて分包された状態を示す。
図1に示す分包紙14には、一つの薬剤12又は複数の薬剤12が封入される。また、
図1には複数の分包が連続する分包連続体を示す。分包紙は、半透明のグラシン紙を適用し得る。透明の分包紙を適用してもよい。
【0091】
押さえ機構28は、押さえ板、押さえ板ブラケット91、押さえ板駆動機構92及び昇降モータ93を備える。押さえ機構28は、識別対象の薬剤12を撮影する際に、載置台26と反対の側から薬剤12を押さえ、薬剤12と分包紙14との接触の程度を調整する。
【0092】
薬剤12と分包紙14との接触の程度を調整するとは、薬剤12と分包紙14との密着状態、薬剤12と分包紙14との近接状態及び密着状態と近接状態との間の状態に、薬剤12と分包紙14との位置関係を調整することをいう。
【0093】
薬剤12と分包紙14との密着状態の例として、識別対象の薬剤12の表面の全面積の70パーセント以上が分包紙14と接触している状態が挙げられる。薬剤12と分包紙14との近接状態の例として、識別対象の薬剤12の表面と分包紙14とが非接触であり、識別対象の薬剤12の表面と分包紙14との距離が1ミリメートル以下の状態が挙げられる。識別対象の薬剤12の表面と分包紙14との距離は、最大値、最小値及び平均値等の代表値を適用し得る。
【0094】
図1では押さえ板の図示を省略する。押さえ板は符号90を付して
図2に図示する。なお、実施形態に記載の押さえ機構28は接触調整装置の一例である。実施形態に記載の押さえ板90は押圧部材の一例である。
【0095】
撮影ユニット20は、識別対象の薬剤12に対して、第一照明装置80又は第二照明装置82のから照明光を照射し、撮影装置22を用いて識別対象の薬剤12の表側の面を撮影し、識別対象の薬剤12の撮影画像を処理装置30へ送信する。ここで、画像という用語は、画像を表す電気信号である画像データの意味を含み得る。
【0096】
処理装置30は、識別対象の薬剤12の撮影画像を取得し、識別対象の薬剤12の撮影画像とマスタ画像とを照合し、識別対象の薬剤12の識別を実施する。処理装置30は識別対象の薬剤12の識別結果を表す表示信号をディスプレイ装置40へ送信する。処理装置30はコンピュータを適用し得る。
【0097】
ディスプレイ装置40は、処理装置30から送信される表示信号を取得し、識別対象の薬剤12の識別結果を表示する。キーボード52及びマウス54を含む入力装置は、オペレータの操作に基づく入力信号を処理装置30へ送信する。ディスプレイ装置40は、タッチパネルを適用して、入力装置と一体に構成されてもよい。
【0098】
〔撮影ユニットの構成例〕
図2は
図1に示す撮影ユニットの構成例を示す斜視図である。なお、
図2に示す撮影装置22は、フレーム70の一部をカットして、フレーム70の内部構造を可視化した。同様に、照明装置24は、フレーム84の一部をカットして、フレーム84の内部構造を可視化し、かつ、載置台26の一部をカットし、載置台26の内部を可視化した。
図2では二点鎖線を用いて
図1に示す分包連続体を簡略化して図示する。
【0099】
撮影装置22は、フレーム70の内部にカメラ72が配置される。カメラ72は、撮影面が載置台26を向く向きに配置され、支持部材を用いて支持される。なお、カメラ72を支持する支持部材の図示を省略する。
【0100】
カメラ72は、ズームレンズ等を含む光学系を備える。カメラ72は、CCDイメージセンサ等の撮影素子を備える。なお、CCDはCharge Coupled Deviceの省略語である。
【0101】
カメラ72は、撮影素子から出力される電気信号を処理する信号処理回路を備える。カメラ72は、識別対象の薬剤12の撮影画像を生成する。カメラ72は、識別対象の薬剤12の撮影画像を表す電気信号を、
図1に示す処理装置30へ送信する。カメラ72の通信インターフェースの例としてUSB(Universal Serial Bus)が挙げられる。なお、光学系、撮影素子及び信号処理回路の図示を省略する。
【0102】
なお、実施形態に記載のカメラ72は、薬剤の第一面と反対の第二面の側に配置され、第二面の側から薬剤を撮影する第一撮影装置の一例である。実施形態に記載の薬剤12の表側の面は、薬剤の第二面の一例である。
【0103】
図3は
図1に示す第一照明装置及び第二照明装置を正面から見た模式図である。
図4は
図1に示す第一照明装置及び第二照明装置を上面から見た模式図である。
図4では、第一照明装置80の図示を省略する。
【0104】
図3及び
図4に示す符号xは、載置台26へ薬剤12を載置させた状態において、連続分包紙における分包の配列方向であり、連続分包紙の長手方向を表す。
図3に示す符号zは鉛直上向き方向を表す。
図4に示す符号yは連続分包紙の短手方向を表す。以下、
図2から
図4を適宜参照して、照明装置24の構成を説明する。
【0105】
第一照明装置80は、
図2に示す載置台26の内部に配置されるLED光源が適用される。第一照明装置80は、載置台26に形成される貫通穴26Aの位置に対応する位置に配置される。第一照明装置80は、載置台26の撮影装置22と反対の側である載置台26の下側から、載置台26の上面26Bに載置される薬剤12の裏側の面に対して照明光を照射する透過光照明として機能する。
【0106】
なお、実施形態に記載の第一照明装置80は、薬剤の第一面の側に配置され、薬剤に対して第一面の側から照明する第一照明装置の一例である。実施形態に記載の薬剤12の裏側の面は、薬剤の第一面の一例である。
【0107】
第二照明装置82は、四つのLEDアレイ86を備える。
図2及び
図3では、四つのLEDアレイ86のうち、二つのLEDアレイ86を図示する。フレーム84を構成する四つの側面の内側面のそれぞれは、LEDアレイ86を支持する。
【0108】
図4に示すように、四つのLEDアレイ86のうち、二つずつのLEDアレイ86は、カメラ72の光軸74を挟んで対向する位置に配置される。また、四つのLEDアレイ86は、カメラ72の光軸74と直交する面において、90度ずつ位置をずらして配置される。また、四つのLEDアレイ86のうち、互いに対向する二つのLEDアレイ86のそれぞれの位置は、カメラ72の光軸74からの距離が等間隔である。
【0109】
第二照明装置82は、載置台26の撮影装置22の側である載置台26の上側から、載置台26の上面26Bに載置される薬剤12に対して照明光を照射する反射光照明として機能する。
【0110】
なお、実施形態に記載の第二照明装置82は、薬剤を第二面の側から照明する第二照明装置の一例である。
【0111】
図5は
図1に示す押さえ機構の動作説明図である。以下、
図2を適宜参照して、押さえ機構28の構成及び動作を説明する。押さえ板90は押さえ板ブラケット91の先端に固定される。押さえ板ブラケット91は押さえ板駆動機構92と連結される。押さえ板駆動機構92は昇降モータ93の回転軸と連結される。
【0112】
昇降モータ93を回転させると、押さえ板駆動機構92が昇降する。押さえ板駆動機構92の昇降に応じて、押さえ板ブラケット91及び押さえ板90が昇降する。
【0113】
すなわち、昇降モータ93の回転量を制御して、押さえ板90の上下方向の位置が制御され、分包紙14に対する押さえ板90の押圧の程度が調整される。昇降モータ93はステッピングモータ等の回転量制御型のモータが適用される。
【0114】
図6は
図5に示す押さえ機構の構成例を示す斜視図である。押さえ板駆動機構92は、第一リニアガイド100、第二リニアガイド102、バネ104及びガイドレール106を備える。押さえ板ブラケット91は第二リニアガイド102と連結される。第二リニアガイド102は、バネ104を介して第一リニアガイド100と連結される。
【0115】
第一リニアガイド100及び第二リニアガイド102は、ガイドレール106を用いて昇降が可能に支持される。第一リニアガイド100と第二リニアガイド102とは、軸108を用いて規制され、互いの間にバネ104の付勢力が付与される。
【0116】
第一リニアガイド100は、タイミングベルト110と連結される。タイミングベルト110は無端状であり、駆動プーリー112及び従動プーリー114に巻き掛けられる。駆動プーリー112は、昇降モータ93の回転軸と連結される。
【0117】
昇降モータ93の規定の回転方向への回転駆動に応じて、タイミングベルト110が走行する。タイミングベルト110の走行に応じて第一リニアガイド100及び第二リニアガイド102が下降する。押さえ板90は
図1等に示す分包紙14へ当接し、更に押さえ板90が下降すると、薬剤12から受ける応力に応じてバネ104が圧縮される。これにより、薬剤12のサイズに依存せずに、薬剤12に対して一定の付勢力が付与される。
【0118】
〔薬剤識別システムの機能ブロック〕
図7は
図1に示す薬剤識別システムの機構ブロック図である。なお、
図7では
図1に示すキーボード52及びマウス54を入力装置50として図示する。処理装置30は、プロセッサ200、メモリ202、マスタ画像記憶部204、入力インターフェース206及び入出力ポート208を備える。
【0119】
プロセッサ200は各種のプログラムを実行して、薬剤識別システム10における各種の機能を実現する。
図7に示すプロセッサ200の各種の処理部は、プロセッサ200が実現する各種の機能に対応する。
【0120】
メモリ202は、各種の処理の際に生成される各種のデータを記憶し得る。メモリ202は、各種の機能に対応するプログラムを記憶し得る。メモリ202は、プログラムを実行する際に使用される各種のパラメータを記憶し得る。
【0121】
メモリ202は、半導体メモリ等の有体物たるコンピュータ可読媒体等を含んで構成され得る。メモリ202は、ハードディスク等の磁気記憶装置が含まれ得る。メモリ202は、複数の記憶装置等を用いて構成され得る。複数の記憶装置等は異なる複数の種類の記憶装置等を含み得る。メモリ202を構成する記憶装置等は、複数の記憶領域に分割されていてもよい。メモリ202は、各種データの一時記憶領域が含まれてもよい。
【0122】
マスタ画像記憶部204は、識別対象の薬剤と照合されるマスタ画像が記憶される。マスタ画像記憶部204は、処理装置30の外部に配置される記憶装置を適用してもよい。マスタ画像記憶部204は、撮影装置22から取得した薬剤12の撮影画像をマスタ画像として記憶し得る。
【0123】
例えば、連続分包体を用いて分包される薬剤12の識別を実施する際に、一包目の薬剤12の撮影画像をマスタ画像として記憶し、二包目以降の薬剤12の照合を実施してもよい。二包目以降の薬剤12の撮影画像が、一包目の薬剤12の撮影画像と異なる場合に、二包目以降の薬剤12の撮影画像をマスタ画像として記憶するマスタ画像の更新を実施してもよい。
【0124】
マスタ画像記憶部204は、処理装置30の外部のマスタ画像データベースと連携させ、マスタ画像データベースからマスタ画像を取得してもよい。
【0125】
入力インターフェース206は、入力装置50から送信される入力信号を取得する。入力インターフェース206は有線通信及び無線通信のいずれを適用してもよい。
【0126】
入出力ポート208は、処理装置30の外部装置とのデータ通信を実施する際のインターフェースとして機能する。入出力ポート208は、複数の通信規格のそれぞれに対応する複数のポートを具備し得る。入出力ポート208は、同一の通信規格に対応する複数のポートを具備し得る。
【0127】
プロセッサ200は、システム制御部220を備える。システム制御部220は、薬剤識別システム10を統括的に制御する全体制御部として機能する。システム制御部220は、各種の処理部に対して指令信号を送信する。また、システム制御部220は、メモリ202へのデータ等の記憶及びメモリ202からのデータ等の読み出しを制御するメモリコントローラとして機能する。
【0128】
プロセッサ200は、照明制御部222を備える。照明制御部222はシステム制御部220から送信される指令信号に基づき照明装置24の動作を制御する。例えば、照明制御部222は、規定の照明条件に基づき、
図1に示す第一照明装置80を用いるか又は第二照明装置82を用いるかを選択的に切り替える。
【0129】
照明制御部222は、第一照明装置80及び第二照明装置82の光量を制御する。また、照明制御部222は、第一照明装置80に具備される四つのLEDアレイ86の切替制御を実施する。
【0130】
プロセッサ200は撮影制御部224を備える。撮影制御部224はシステム制御部220から送信される指令信号に基づき、撮影装置22の撮影条件を設定し、撮影装置22の動作を制御する。
【0131】
プロセッサ200は画像処理部226を備える。画像処理部226は、撮影装置22から送信される識別対象の薬剤12の撮影画像を取得する。画像処理部226は、識別対象の薬剤12の撮影画像に対して、トリミング処理及び強調処理等の各種の画像処理を実施する。
【0132】
プロセッサ200は駆動制御部228を備える。駆動制御部228は押さえ機構28の動作を制御する。具体的には、駆動制御部228は、
図1等に示す昇降モータ93の動作を制御するモータドライバーとして機能する。駆動制御部228は、押さえ機構28に具備される各種のセンサから送信されるセンサ信号を取得し、センサ信号に応じて昇降モータ93の動作を制御する。
【0133】
駆動制御部228は、薬剤12の種類及び分包紙14の種類に応じて、押さえ板90の上下方向における位置を調整し、薬剤12及び分包紙14へ付与される押圧力を調整する。これにより、薬剤12と分包紙14との接触の程度が調整される。
【0134】
プロセッサ200は薬剤情報取得部230を備える。薬剤情報取得部230は処方箋情報に記載の情報及びお薬手帳に記載の情報など、識別対象の薬剤12の特定に適用される各種の情報を取得する。識別対象の薬剤12に関する各種の情報は、薬剤12の名称、コード番号及び外観の特徴等を適用し得る。
【0135】
薬剤の外観は、色、形状及び表示形式を含み得る。薬剤の形状は、薬剤の全体形状、刻印の位置及び刻印の形状等を含み得る。表示形式は、表示が刻印であるか、印刷であるか又は非表示であるかを示す。
【0136】
識別対象の薬剤12に関する各種の情報は、分包紙14の種類の情報が含まれる。分包紙14の種類の情報は、分包紙14が透明であるか又は不透明であるかの情報が含まれる。薬剤12の識別情報は、複数の情報を併用してもよい。
【0137】
不透明の分包紙14の例として、ISO14782に規定される、プラスチック-透明部材のヘーズ値の求め方に準拠する測定方法を適用して測定されたヘイズ値が80パーセント以上の分包紙が挙げられる。透明の分包紙14の例として、ISO14782に準拠する測定方法を適用して測定されたヘイズ値が80パーセント未満の分包紙14が挙げられる。
【0138】
ISO14782に規定される、プラスチック-透明部材のヘーズ値の求め方に準拠する測定方法の例として、日本電色工業社製、濁度計、NDH2000を用いた濁度の測定が挙げられる。なお、ISOは国際標準化機構の英語表記であるInternational Organization for Standardizationの省略語である。
【0139】
一方の面のヘイズ値と他方の面のヘイズ値とが異なる分包紙14は、一方の面及び他方の面の少なくともいずれかのヘイズ値が80パーセント以上の場合に、不透明の分包紙14と規定し得る。
【0140】
なお、実施形態に記載の分包紙14の種類の情報は、識別対象の薬剤を包装する分包部材の情報である分包部材情報の一例である。また、実施形態に記載の透明の分包紙14は透明部材の一例である。実施形態に記載の不透明の分包紙14は不透明部材の一例である。
【0141】
薬剤情報取得部230は、バーコードリーダを用いて、処方箋及びお薬手帳に記載のバーコードをオペレータが読み取り、バーコードの読取データに基づき薬剤12の識別情報を取得し得る。
【0142】
薬剤情報取得部230は、入力装置50を用いてオペレータが入力した薬剤12の名称及びコード番号等を表す入力信号を取得し、入力信号に基づき薬剤12の識別情報を取得し得る。
【0143】
プロセッサ200は薬剤認識処理部232を備える。薬剤認識処理部232は識別対象の薬剤12の撮影画像とマスタ画像とを照合し、識別対象の薬剤12の識別処理を実施する。照合処理はテンプレートマッチングを適用し得る。照合処理は学習済みの学習器を適用し得る。
【0144】
薬剤認識処理部232は、薬剤12の刻印を強調する刻印強調処理を実施してもよい。刻印強調処理は、
図4等に示す四つのLEDアレイ86を一つずつ動作させて薬剤12を撮影した、四種類の薬剤12の撮影画像を取得し、四種類の薬剤12の撮影画像を合成して、刻印強調画像を生成し得る。
【0145】
プロセッサ200はディスプレイドライバー234を備える。ディスプレイドライバー234は識別対象の薬剤12の識別結果を表す表示信号をディスプレイ装置40へ送信する。ディスプレイ装置40はディスプレイドライバー234から送信される表示信号に基づき、識別対象の薬剤12の識別結果を表示する。なお、実施形態に記載のプロセッサ200は、一以上のプロセッサの一例である。
【0146】
[各処理部及び制御部のハードウェア構成]
図7に示す各種の処理を実施する処理部のハードウェアは、各種のプロセッサを適用し得る。なお、処理部はprocessing unitと呼ばれる場合があり得る。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、PLD(Programmable Logic Device)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等が含まれる。
【0147】
CPUは、プログラムを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサである。PLDは、製造後に回路構成を変更可能なプロセッサである。PLDの例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。ASICは、特定の処理を実施させるために専用に設計された回路構成を有する専用電気回路である。
【0148】
一つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの一つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサで構成されてもよい。例えば、一つの処理部は、複数のFPGA等を用いて構成されてもよい。一つの処理部は、一つ以上のFPGA及び一つ以上のCPUを組み合わせて構成されてもよい。
【0149】
また、一つのプロセッサを用いて複数の処理部を構成してもよい。一つのプロセッサを用いて複数の処理部を構成する例として、一つ以上のCPUとソフトウェアとを組み合わせて一つのプロセッサを構成し、一つプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。かかる形態は、クライアント端末装置及びサーバ装置等のコンピュータに代表される。
【0150】
他の構成例として、複数の処理部を含むシステム全体の機能を一つのICチップを用いて実現するプロセッサを使用する形態が挙げられる。かかる形態は、システムオンチップ(System On Chip)などに代表される。なお、ICはIntegrated Circuitの省略語である。また、システムオンチップは、System On Chipの省略語を用いてSoCと記載される場合がある。
【0151】
このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記した各種のプロセッサを一つ以上用いて構成される。更に、各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0152】
〔薬剤の撮影画像の取得の詳細な説明〕
従来技術に係る薬剤識別では、カメラを用いて、薬剤12へ照射される照明光の反射光を受光し、薬剤12の反射光画像を生成し、反射光画像から刻印等を抽出し、刻印等が表す情報を取得する。特に、グラシン紙等の不透明分包紙を用いて分包される薬剤12の反射光画像を取得する場合、反射光画像において刻印と非刻印部分との間に、十分なコントラストを得ることが困難である。そうすると、薬剤12の識別に十分な情報を得ることが困難である。
【0153】
そこで、
図1から
図7を用いて説明した薬剤識別システム10は、薬剤情報に応じて第一照明装置80と第二照明装置82とを選択的に切り替える。また、薬剤識別システム10は、薬剤情報に応じて押さえ機構28の使用の有無を選択的に切り替える。薬剤情報は、薬剤12の表示形式を表す表示形式情報及び分包紙14の種類を表す分包紙情報が含まれる。表示形式情報は、薬剤12の裏側の面の表示形式を表す第一表示形式情報及び薬剤12の表側の面の表示形式を表す第二表示形式情報が含まれる。薬剤12の表示形式、分包紙14の種類及び押さえ機構28の使用の有無の関係を表1に示す。
【0154】
【0155】
なお、表1における照明装置欄に記載の反射光は第二照明装置82の使用を表し、同欄に記載の透過光は第一照明装置80の使用を表す。実施形態に記載の刻印及び印刷は、薬剤に表示される薬剤の表示情報の一例である。実施形態に記載の薬剤12の裏側の面の表示情報は第一表示情報の一例であり、薬剤12の表側の面の表示情報は第二表示情報の一例である。実施形態に記載の分包紙の種類がなしは、分包部材の非使用の一例である。
【0156】
図8は透明分包紙を用いて分包される薬剤の撮影を表す模式図である。
図8は表1のパターンAに対応する。なお、
図8では、四つのLEDアレイ86のうち、
図8の紙面を貫く方向に配置される二つのLEDアレイ86の図示を省略する。また、
図8では、図示の都合上、分包紙14は載置台26と非接触となっているが、分包紙14は載置台26と接触している。
図9、
図11、
図12、
図14、
図15及び
図22についても同様である。
【0157】
分包紙14の種類が透明分包紙の場合、薬剤12の表示形式に関わらず、第二照明装置82を適用した反射光撮影が実施される。また、分包紙14の種類が透明分包紙の場合、押さえ機構28は使用されない。分包紙14の種類が透明分包紙であり、かつ、一つの分包に複数の薬剤12が含まれる場合は、複数の薬剤12を一括して撮影してもよい。
【0158】
図9は不透明分包紙を用いて分包される刻印タイプの薬剤の撮影を表す模式図である。
図9は表1のパターンB及びパターンDに対応する。表1には不透明分包紙の例としてグラシン紙及び白帯を例示する。白帯は、分包紙14の外側の面に形成される白地の帯状の領域を示す。白帯が形成される透明分包紙は不透明分包紙として取り扱われる。
【0159】
分包紙14の種類が不透明分包紙であり、かつ、薬剤12の表示形式が刻印の場合は、第一照明装置80を適用した透過光撮影が実施され、かつ、押さえ機構28が使用される。複数の薬剤12が一つの分包に含まれる場合は、一つずつの薬剤12について撮影が実施される。分包紙14の非使用又は分包紙14の種類が透明分包紙であり、かつ、薬剤12の表示形式が刻印の場合についても、第一照明装置80を適用した透過光撮影が実施され、かつ、押さえ機構28が使用される。刻印が相対的に浅い場合又は刻印が相対的に細い場合の薬剤12の識別において、反射光照明の使用では十分な情報に対応する強度の信号が得られなかった場合に、透過光照明を使用して、十分な情報に対応する強度の信号が得られる可能性が有り得る。
【0160】
図10は透過光及び前方散乱光の説明図である。
図10に示す符号60は透過光撮影の模式図を示す。また、符号62は透過光透画像の一例を示す。なお、
図10に示す透過光撮影では、手動を適用して薬剤12に対して分包紙14を密着させた。また、同図に示す透過光撮影では、任意の刻印タイプの錠剤を識別対象の薬剤12とした。
【0161】
不透明分包紙である分包紙14を用いて分包される刻印タイプの薬剤12を撮影する際に、薬剤12を透過する光量を有する強い照明光LAを薬剤12の裏側の面から薬剤12に対して照射し、薬剤12の表側の面へ透過した透過光及び分包紙14の前方散乱光の少なくともいずれかを含む光LBをカメラ72が受光し、カメラ72を用いて生成される透過光画像から、薬剤12の表側の面の刻印の読み取りが可能となる。
【0162】
透過光画像62は、刻印と非刻印部分とのコントラストが鮮明となり、反射光から生成される反射光画像と比較して、刻印として表される文字及び記号等の可読性が向上する。なお、
図10では薬剤12を透過した透過光と分包紙14の前方散乱光とを区別せずに、光LBとして図示した。
【0163】
図9に示す載置台26の貫通穴26Aは、貫通穴26Aよりも小さい半径を有する複数の貫通穴を組み合わせて、各貫通穴から薬剤12へ強い照明光を照射してもよい。かかる態様では、複数の貫通穴のそれぞれから薬剤12へ照射される照明光に対応する複数の撮影画像を合成して、薬剤12の透過光画像を生成し得る。
【0164】
更に、押さえ機構28を用いて、薬剤12と分包紙14とを接触させ、両者の間の距離を短く保つ。これにより、分包紙14の表面における光LBの拡散及び散乱等が大きくなる前における鮮明な刻印を含む薬剤12の撮影画像を取得でき、薬剤12の撮影画像に基づき、十分な刻印が表す情報を取得し得る。
【0165】
このようにして、不透明の分包紙14を用いて分包される薬剤12を分包された状態で撮影して、十分な刻印が表す情報を取得でき、テンプレートマッチング又は学習済み機械学習モデルの推論等を適用してマスタ画像と薬剤12の撮影画像とを照合し、高精度の薬剤12の識別が実現される。
【0166】
更に、
図9及び
図10に示す透過光撮影は、分包されていない状態の薬剤12の撮影にも適用可能である。不透明の分包紙14を用いて分包される薬剤12と同様に、分包されていない状態の薬剤12における刻印が表す情報に基づくマスタ画像との照合の際の、新たな刻印が表す情報の取得に適用し得る。
【0167】
図11は不透明分包紙を用いて分包される印刷タイプの薬剤の撮影を表す模式図である。
図11は表1のパターンCに対応する。分包紙14の種類が不透明分包紙であり、かつ、薬剤12の表示形式が印刷の場合、第二照明装置82を適用した反射光撮影が実施される。また、分包紙14の種類が不透明分包紙であり、かつ、薬剤12の表示形式が印刷の場合、押さえ機構28が使用される。
【0168】
すなわち、分包紙14の種類が不透明分包紙の場合は、薬剤12の表示形式に関わらず、押さえ機構28が使用される。これにより、分包紙14を薬剤12へ密着させることができ、刻印等の可読性が向上し得る。
【0169】
また、複数の薬剤12が一つの分包に含まれる場合は、一つずつの薬剤12について撮影が実施される。複数の薬剤12を一つずつ撮影する場合は、複数の薬剤12を一括して撮影する場合に対して撮影倍率を上げてもよい。これにより、刻印等を相対的に大きく撮影することができ、刻印等の可読性が向上し得る。
【0170】
なお、実施形態に記載の第一照明装置80を適用した透過光撮影が実施され取得される薬剤12の撮影画像は、第一透過光画像の一例である。また、実施形態に記載の第二照明装置82を適用した反射光撮影が実施され取得される薬剤12の撮影画像は、第一反射光画像の一例である。
【0171】
〔押さえ機構の第一変形例及び載置台の変形例〕
図12は第一変形例に係る押さえ機構及び変形例に係る載置台の模式図である。同図に示す押さえ機構28Aに具備される押さえ板90Aは、薬剤12を囲むリング29の貫通穴29Aの半径が
図11等に示す押さえ板90における貫通穴と同一であるが、リング29の全体の半径は、押さえ板90の半径と比較して小さくなっている。
【0172】
これにより、一つの分包に複数の薬剤12が含まれる場合に、撮影対象の薬剤12と撮影対象の薬剤12の隣の薬剤12との間にリング29が入り込み、撮影対象の薬剤12に対して分包紙14を密着させ得る。
【0173】
また、
図12に示す載置台26の上面26Bに配置される台座部材27を備える。台座部材27は、撮影対象の薬剤12を押さえ機構28Aの反対の側である、薬剤12の裏側の面を支持する。台座部材27は、円筒形状を有し、載置台26の貫通穴26Aに対応する貫通穴27Aが形成される。
図12に示す貫通穴27Aは台座部材27の全長にわたり同一である。
【0174】
台座部材27を備える載置台26は、押さえ機構28Aを用いて薬剤12に対して分包紙14を密着させる際に、薬剤12の移動を抑制することができ、薬剤12に対する分包紙14の密着の程度が向上し得る。また、第一照明装置80の照明光を効率よく薬剤12へ照射し得る。
【0175】
図13は変形例に係る台座部材の斜視図及び断面図である。符号27Bは台座部材27Dの斜視図を示す。符号27Cは台座部材27Dの斜視
図27Bに示すA-A断面線に沿う断面である。
図13に示す台座部材27Dの貫通穴27Eは、一方の端における開口の半径と、他方の端における開口の半径とが異なる。
【0176】
変形例に係る台座部材27Dは、
図12に示す押さえ機構28Aを用いて薬剤12に対して分包紙14を密着させる際に、台座部材27D自体の変形が抑制され、薬剤12の移動抑制が強化される。
【0177】
〔押さえ機構の第二変形例〕
図14は第二変形例に係る押さえ機構の模式図である。同図に示す押さえ機構28Bは、押さえ板90Bの分包紙14の側の面
にリング状のスポンジ97が取り付けられる。これにより、分包紙14を薬剤12の形状に合わせて変形させることができ、薬剤12に対する分包紙14の密着の程度が向上し得る。
【0178】
【0179】
図15及び
図16に示す押さえ機構28Cは、透明のフィルム90Cが適用される。フィルム90Cと載置台26との間の空間が脱気され、脱気の程度の調整に応じて薬剤12と分包紙14との接触の程度を調整し得る。
【0180】
図16に示す載置台26は、吸引流路となる貫通穴26Cが形成される。貫通穴26Cは流路を介してポンプと接続される。ポンプの動作に応じて貫通穴26Cに発生させる吸引圧力はフィルム90Cに作用する。これにより、フィルム90Cが分包紙14を押し下げて、分包紙14が薬剤12へ密着し得る。なお、流路及びポンプの図示は省略する。
図17に示すように、フィルム90Cは、分包紙14の幅D1よりも大きい幅D2を有する。これにより、貫通穴26Cへ発生させる吸引圧力をフィルム90Cへ直接作用させることができる。
【0181】
第三変形例に係る押さえ機構28Cは、複数の薬剤12に対して透過光撮影を実施する際に、複数の薬剤12を一度に撮影してもよい。
【0182】
なお、実施形態に記載のフィルム90Cはシート状部材の一例である。実施形態に記載のフィルム90Cと載置台26との間の空間を脱気するポンプは、薬剤を載置する載置部材とシート状部材との間の気体を脱気する脱気装置の一例である。
【0183】
〔押さえ機構の第四変形例〕
図18は第四変形例に係る押さえ機構の模式図である。同図に示す押さえ機構28Dは、載置台26に対して揺動可能に支持される。同図に示す矢印線は押さえ機構28Dの揺動方向を示す。また、押さえ機構28Dはカメラ72が取り付けられる。押さえ機構28Dは表1に示すパターンBに適用される。
【0184】
第四変形例に係る押さえ機構28Dは、
図1等に示す撮影ユニット20と比べて小型であり、持ち運びが可能である。
【0185】
〔押さえ機構の第五変形例〕
図19は第五変形例に係る押さえ機構の模式図である。
図19には、押さえ機構28Eを具備する撮影ユニット20Eを示す。なお、
図19では、第一照明装置80等の
図1等に示す構成要素の一部の図示を省略する。
【0186】
撮影ユニット20Eに具備される押さえ機構28Eは、載置台26の上面26Bと平行な面において押さえ板90を揺動させる揺動機構94を備える。押さえ機構28Eは、押さえ板90が先端に取り付けられる押さえ板アーム95の基端に、揺動モータ96の回転軸が連結される。揺動モータ96は、
図6に示す第二リニアガイド102に取り付けられる。
【0187】
図20は
図19に示す押さえ機構の動作説明図である。揺動モータ96を動作させると押さえ板90が揺動する。押さえ板90の揺動に応じて、押さえ板90は
図19に示す退避位置から
図20に示す押さえ位置へ移動する。なお押さえ板アーム95に付した矢印線は、押さえ板90の揺動方向を示す。
【0188】
押さえ板90が押さえ位置に位置する状態で昇降モータ93を動作させ、押さえ板90を用いて薬剤12へ分包紙14を密着させる。なお、揺動機構94に付した矢印線は揺動機構94の下降方向を示す。一方、第二照明装置82を用いる反射光撮影の際は、押さえ板90をカメラ72の画角の外である退避位置へ退避させる。これにより、反射光撮影の際に押さえ板90の映り込みを抑制し得る。
【0189】
〔第一実施形態に係る薬剤識別方法の手順〕
図21は第一実施形態に係る薬剤識別方法の手順を示すフローチャートである。薬剤情報取得工程S10では、
図7に示す薬剤情報取得部230は識別対象の薬剤12の薬剤情報を取得し、取得した薬剤情報を記憶する。薬剤情報は、後続する工程に適用される各種の情報が含まれる。薬剤情報取得工程S10の後に照明条件設定工程S12へ進む。
【0190】
照明条件設定工程S12では、照明制御部222は薬剤12の表示形式及び分包紙14の種類に応じた照明条件を設定する。すなわち、照明制御部222は薬剤12の表示形式及び分包紙14の種類に応じて、第一照明装置80を適用するか又は第二照明装置82を適用するかを設定する。照明条件設定工程S12の後に撮影条件設定工程S14へ進む。
【0191】
撮影条件設定工程S14では、撮影制御部224は薬剤情報及び照明条件に応じた撮影装置22の撮影条件を設定する。撮影条件の例として、撮影倍率等が挙げられる。撮影条件設定工程S14の後に撮影工程S16へ進む。
【0192】
撮影工程S16では、撮影対象の薬剤12の撮影を実施する。撮影工程S16では、識別対象の薬剤12の位置合わせが実施される。識別対象の薬剤12の位置合わせは、位置調整装置を用いて自動調整してもよいし、オペレータが手動で調整してもよい。
【0193】
撮影工程S16では、駆動制御部228は薬剤12の表示形式及び分包紙14の種類に応じて、押さえ機構28を動作させ、薬剤12の表側の面に対する分包紙14の接触の程度が調整される。
【0194】
撮影工程S16では、撮影装置22は識別対象の薬剤12を撮影し、識別対象の薬剤12の撮影画像を生成する。撮影装置22は識別対象の薬剤12の撮影画像を画像処理部226へ送信する。撮影工程S16の後に撮影画像取得工程S18へ進む。
【0195】
撮影画像取得工程S18では、画像処理部226は撮影装置22から送信される識別対象の薬剤12の撮影画像を取得する。画像処理部226は識別対象の薬剤12の撮影画像に対して、トリミング及び刻印等の強調処理等の画像処理を実施する。撮影画像取得工程S18の後に照合工程S20へ進む。
【0196】
照合工程S20では、薬剤認識処理部232はマスタ画像記憶部204からマスタ画像を読み出す。薬剤認識処理部232は画像処理部226から識別対象の薬剤12の撮影画像を取得する。薬剤認識処理部232はマスタ画像と識別対象の薬剤12の撮影画像との照合を実施し、識別対象の薬剤12を識別する。照合工程S20の後に識別結果表示工程S22へ進む。
【0197】
識別結果表示工程S22では、ディスプレイドライバー234は識別対象の薬剤12の識別結果を表す表示信号をディスプレイ装置40へ送信する。ディスプレイ装置40は、識別対象の薬剤12の識別結果が表示される。識別結果表示工程S22の後に終了判定工程S24へ進む。
【0198】
終了判定工程S24では、システム制御部220は全ての薬剤12について識別結果が得られたか否かを判定する。終了判定工程S24において、システム制御部220が全ての薬剤12について識別結果が得られていないと判定する場合はNo判定となる。No判定の場合は薬剤情報取得工程S10へ進み、終了判定工程S24においてYes判定となるまで、薬剤情報取得工程S10から終了判定工程S24までの各工程を繰り返し実施する。
【0199】
一方、終了判定工程S24において、システム制御部220が全ての薬剤12について識別結果が得られていると判定する場合はYes判定となる。Yes判定の場合は、薬剤識別方法は終了される。
【0200】
終了判定工程S24の後に、薬剤12が分包される分包紙14の姿勢を変更して薬剤情報を取得するか否かを判定する姿勢変更判定工程が含まれてもよい。分包紙14の姿勢の変更の例として、分包紙14の表面と裏面とを反転させる態様及び分包紙14が載置される面内において分包紙14を回転させる態様が挙げられる。分包紙14の姿勢変更は、手動又は自動のいずれでもよい。
【0201】
ここでいう分包紙14の表面は、分包紙14が載置台26に載置された状態において、カメラ72と対向する面である。また、分包紙14の裏面は、分包紙14が載置台26に載置された状態において、載置台26と接触する面である。
【0202】
〔応用例〕
図22は応用例に係る薬剤識別システムの模式図である。同図に示す薬剤識別システム10Aに具備される撮影ユニット20Aは、
図1等に示す第一照明装置80のみを備え、第二照明装置82を備えていない。すなわち、撮影ユニット20Aは、透過光撮影の専用システムである。
【0203】
撮影ユニット20Aは、薬剤12の表側の面の側から照明光を照射して、薬剤12の裏側の面の透過光画像を撮影する態様を適用し得る。撮影ユニット20Aは、載置台26のカメラ72の側と反対の側にカメラを備え、かつ、載置台26の第一照明装置80の側と反対の側に照明装置を備え得る。なお、薬剤12の裏側の面の透過光画像の撮影に適用されるカメラ及び照明装置を備える態様の図示を省略する。
【0204】
[第一実施形態の作用効果]
第一実施形態に係る薬剤識別システム及び薬剤識別方法は以下の作用効果を得ることが可能である。
【0205】
〔1〕
識別対象の薬剤12を撮影する際に、薬剤12が載置される載置台26の撮影装置22の反対の側に配置される第一照明装置80を適用して、薬剤12の裏側の面へ照明光を照射し、撮影装置22を適用して、識別対象の薬剤12の透過光画像を取得する。これにより、不透明の分包紙14を用いて薬剤12が分包され、薬剤12の表示形式が刻印の場合に、表側の面の刻印が強調された薬剤12の撮影画像を取得し得る。
【0206】
〔2〕
識別対象の薬剤12を撮影する際に、薬剤12が載置される載置台26の撮影装置22の側に配置される第二照明装置82を適用して、薬剤12の表側の面へ照明光を照射し、撮影装置22を適用して、識別対象の薬剤12の反射光画像を取得する。これにより、透明の分包紙14を用いて薬剤12が分包される場合及び薬剤12の表示形式が印刷の場合に、表側の面の印刷等の可読性が向上した薬剤12の撮影画像を取得し得る。
【0207】
〔3〕
薬剤情報として、分包紙の種類及び薬剤12の表示形式を取得し、取得した分包紙の種類及び薬剤12の表示形式に応じて、第一照明装置80を使用するか又は第二照明装置82を使用するかを選択的に切り替える。これにより、分包紙の種類及び薬剤12の表示形式に基づく透過光撮影と反射光撮影との切り替えを実施し得る。
【0208】
[第二実施形態]
〔薬剤識別システムの全体構成〕
図23は第二実施形態に係る薬剤識別システムの構成例を示す斜視図である。第二実施形態に係る薬剤識別システムは、撮影ユニット300を備える。撮影ユニット300は、ケース302を備える。ケース302は蓋部304及び押さえ板部材306を備える。蓋部304はケース302の上面302Aに形成される窓部308に対応する位置に開閉可能に取り付けられる。
【0209】
図23には蓋部304及び押さえ板部材306が開かれ、窓部308が露出した状態の撮影ユニット300を図示する。蓋部304に付した矢印線は、蓋部304を閉める際の蓋部304の移動方向を示す。
【0210】
ケース302の内部は、撮影装置310及び第二照明装置312を備える。撮影装置310はケース302の底面314に配置される。第二照明装置312は、撮影装置310の光軸を囲む四つの壁の内側の面のそれぞれに配置される。第二照明装置312は、LEDアレイが適用される。
図23には四つの第二照明装置312のうち、二つの第二照明装置312を示す。
【0211】
蓋部304を閉めた状態において窓部308と対向する蓋部304の裏面304Aには、第一照明装置318が配置される。第一照明装置318は、蓋部304を閉めた状態において、撮影装置310の受光面と対向する位置に配置される。
【0212】
蓋部304の裏面304Aにおける第一照明装置318の周囲は、クッション材322が配置される。クッション材322は、第一照明装置318に適用されるLED光源を覆う厚みであり、蓋部304を閉めた状態において、第一照明装置318に適用されるLED光源が窓部308に取り付けられるガラス板と非接触となる厚みを有する。
【0213】
押さえ板部材306の先端は、押さえ板330が取り付けられる。押さえ板部材306の基端は、ケース302に対して押さえ板部材306を開閉可能に支持するヒンジ332が取り付けられる。
【0214】
押さえ板330は貫通穴334が形成される。貫通穴334は押さえ板部材306を閉めた状態において、第一照明装置318に対応する位置に配置される。貫通穴334の半径は、識別対象の薬剤のサイズに応じて規定される。
【0215】
〔薬剤識別システムの使用方法〕
図24は
図23に示す撮影ユニットの使用状態の説明図である。なお、
図24では
図23に示す符号の図示を適宜省略する。第一照明装置318を用いて透過光撮影を実施する場合、押さえ板部材306を閉め、押さえ板330を窓部308の上に配置する。押さえ板330に付した矢印線は、押さえ板330の移動方向を表す。
【0216】
次に、分包紙14に分包された状態のままの識別対象の薬剤12は、押さえ板330の貫通穴334と位置が合わせられて、押さえ板330の上に配置される。押さえ板330と分包紙14との間に図示した矢印線は、分包紙14に分包された薬剤12の移動方向を示す。
【0217】
次に、蓋部304を閉じる。蓋部304に付した矢印線は蓋部304を閉じる際の蓋部304の移動方向を示す。識別対象の薬剤12をセットし、蓋部304を閉じた状態で、識別対象の薬剤12の透過光撮影が実施される。これにより、識別対象の薬剤12の透過光画像が取得される。
【0218】
第二照明装置312を用いて識別対象の薬剤12の反射光撮影を実施する場合、
図23に示す押さえ板部材306を開いた状態で識別対象の薬剤12がセットされ、蓋部304が閉められる。押さえ板部材306が開かれているか又は閉じられているかを検出し、検出結果に基づき、第一照明装置318又は第二照明装置312のいずれかを選択的に適用し、透過光撮影又は反射光撮影を選択的に実施してもよい。
【0219】
[第二実施形態の作用効果]
第二実施形態に係る薬剤識別システムは、第一実施形態に係る薬剤識別システムと比較して、小型化され、かつ、簡素化されている。これにより、持ち運びが容易であり、ハンディタイプの薬剤識別システムとして機能し得る。
【0220】
[第三実施形態]
〔押さえ機構の構成例〕
図25は第三実施形態に係る薬剤識別システムに適用される押さえ機構の構成例を示す斜視図である。同図に示す押さえ機構400は、載置台402と一体に構成される。すなわち、押さえ板駆動機構404を支持するフレーム406は、載置台402を支持する。
【0221】
載置台402の上面402Aは、台座403を備える。台座403は照明光を通過させる貫通穴403Aが形成される。台座403は、押さえ板430に対応する位置であり、載置台402の貫通穴に対応する位置に配置される。なお、
図25では、載置台402の貫通穴の図示を省略する。
【0222】
図25に示す
押さえ機構400は、載置台402を昇降させる昇降機構を備え、後述する第一照明装置と載置台402へ載置される薬剤12との距離を可変可能とし、薬剤12に対してより強い照明光を照射可能としてもよい。
【0223】
押さえ板駆動機構404は、第一リニアガイド410、第二リニアガイド412、バネ414、ガイドレール416、タイミングベルト420、駆動プーリー422及び従動プーリー424を備える。押さえ板駆動機構404は、図示しない原点センサを備える。
【0224】
押さえ板駆動機構404の構成要素のそれぞれは、
図6に示す押さえ板駆動機構92の構成要素と同様である。ここでは、押さえ板駆動機構404の構成要素のそれぞれの説明は省略する。
【0225】
また、
図25に示す押さえ板430は、
図6に示す押さえ板90に対応する。
図25に示す押さえ板ブラケット432は、
図6に示す押さえ板ブラケット91に対応する。昇降モータ408は昇降モータ93に対応する。これらについても、詳細な説明を省略する。
【0226】
〔押さえ機構の動作例〕
図26及び
図27を用いて、
図25に示す押さえ機構400の動作例を説明する。
図26は
図25に示す押さえ機構において、薬剤をセットした状態を示す斜視図である。
図27は
図25に示す押さえ機構において、薬剤を挟み込む状態を示す斜視図である。なお、
図26及び
図27では、
図25に図示した符号の図示を適宜省略する。
【0227】
図26に示すように、識別対象の薬剤12と
図25に示す台座403との位置を合わせて、識別対象の薬剤12が分包される分包紙14を載置台402の上面402Aへセットする。次に、
図27に示すように、押さえ板ブラケット432を下降させて、押さえ板430を分包紙14へ接触させ、押さえ板430と台座403との間に、識別対象の薬剤12を挟み込む。
【0228】
薬剤12に対して分包紙14を密着させ、第一照明装置80から薬剤12へ照明光を照射し、薬剤12の撮影を実施する。
【0229】
〔撮影装置及び照明装置の構成例〕
図28は第三実施形態に係る薬剤識別システムに適用される撮影装置及び照明装置の構成例を示す斜視図である。第三実施形態に係る薬剤識別システムは、第一撮影装置440、第一照明装置450及び第二照明装置460を備える。第一撮影装置440、第一照明装置450及び第二照明装置460は、識別対象の薬剤12の上側の面である表面の撮影に適用される。
【0230】
また、第三実施形態に係る薬剤識別システムは、第二撮影装置470、第三照明装置480及び第四照明装置490を備える。第二撮影装置470、第三照明装置480及び第四照明装置490は、識別対象の薬剤12の裏側の面の撮影に適用される。
【0231】
なお、実施形態に記載の第二撮影装置470は、薬剤の第一面の側に配置され、薬剤を第一面の側から撮影する第二撮影装置の一例である。実施形態に記載の第三照明装置480は、薬剤の第二面の側に配置され、薬剤に対して第二面の側から照明する第三照明装置の一例である。実施形態に記載の第四照明装置490は薬剤を第一面の側から照明する第四照明装置の一例である。
【0232】
薬剤12の表面は、
図25等に示す載置台402へ薬剤12を載置した際に、薬剤12の載置台402と反対の側となる面を示す。薬剤12の裏面は、
図25等に示す載置台402へ薬剤12を載置した際に、薬剤12の載置台402の側となる面であり、薬剤12の表面と反対の側の面を示す。
【0233】
第一撮影装置440、第一照明装置450、第二照明装置460、第二撮影装置470、第三照明装置480及び第四照明装置490は、フレーム500を用いて支持される。フレーム500は、上部構造体502を備える。上部構造体502は、第一撮影装置440、第二照明装置460及び第三照明装置480を支持する。
【0234】
第一撮影装置440は
図2等に示す撮影装置22と同様の構成を適用可能である。第二照明装置460は、リング照明が適用される。リング照明は複数のLED素子が円周上に配置される構造を有する。
図28には、第一撮影装置440の周囲を囲む形状を有し、第一撮影装置440の周囲を囲む位置に配置されるリング照明を図示する。
【0235】
第三照明装置480は、
図2等に示す第一照明装置80と同様に、LED光源が適用される。第三照明装置480は、第二撮影装置470の受光面と対向する位置に配置される。
【0236】
フレーム500は、下部構造体504を備える。下部構造体504は、第二撮影装置470、第四照明装置490及び第一照明装置450を支持する。第二撮影装置470は
図2等に示す撮影装置22と同様の構成を適用可能である。第四照明装置490は第二照明装置460と同様の構成及び配置を適用可能である。第一照明装置450は第三照明装置480と同様の構成及び配置を適用可能である。
【0237】
フレーム500は、フレーム移動機構510を用いて、移動可能に支持される。フレーム移動機構510は、リニアガイド512、ガイドレール514、ベルト516、駆動プーリー518、従動プーリー520、フレーム移動モータ522及び支持プレート524を備える。フレーム移動機構510は、撮影装置原点位置センサ及び位置出し用センサを備える。上記したセンサの図示は省略する。
【0238】
フレーム500は、リニアガイド512と連結される。リニアガイド512はガイドレール514を用いて支持される。リニアガイド512はベルト516と連結される。ベルト516は無端状であり、駆動プーリー518及び従動プーリー520に巻き掛けられる。駆動プーリー518はフレーム移動モータ522の回転軸と連結される。ガイドレール514及びフレーム移動モータ522は支持プレート524を用いて支持される。
【0239】
フレーム移動モータ522の回転に応じてベルト516が走行する。ベルト516の走行に応じてリニアガイド512はガイドレール514に沿って移動する。リニアガイド512の移動に応じてフレーム500は移動する。
【0240】
〔撮影装置及び照明装置の動作例〕
図29は第三実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤をセットした状態を示す斜視図及び側面図である。同図に示す符号530は斜視図を示し、符号532は側面視野図を示す。
【0241】
なお、
図29では、
図25から
図28に図示した符号の図示を適宜省略する。また、側面視野
図532では、薬剤12及び薬剤12が分包される分包紙14の図示を省略する。
【0242】
図29に示すように、識別対象の薬剤12は、載置台402の台座403の位置に位置決めされ、載置台402へ載置される。識別対象の薬剤12は、押さえ板430を用いて分包紙14を密着させる。
図29の斜視
図530には、薬剤12と分包紙14とを密着させた状態を図示する。
【0243】
図30は第三実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤の表面撮影を実施する際の状態を示す斜視図及び側面視野図である。同図に示す符号534は斜視図を示し、符号536は側面視野図を示す。なお、側面視野
図536では、薬剤12及び薬剤12が分包される分包紙14の図示を省略する。
【0244】
フレーム移動機構510を動作させ、識別対象の薬剤12の表面に対して第一撮影装置440が位置決めされる。薬剤12の表示形式及び分包紙14の種類に応じて、第一照明装置450又は第二照明装置460を適用し、第一撮影装置440を用いて識別対象の薬剤12の撮影が実施される。
【0245】
なお、実施形態に記載の第一撮影装置440を用いた透過光撮影を実施して取得される透過光画像は、第一透過光画像の一例である。実施形態に記載の第一撮影装置440を用いた反射光撮影を実施して取得される反射光画像は、第一反射光画像の一例である。
【0246】
図31は第三実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤の裏面撮影を実施する際の状態を示す斜視図及び側面視野図である。同図に示す符号538は斜視図を示し、符号540は側面視野図を示す。なお、側面視野
図540では、薬剤12及び薬剤12が分包される分包紙14の図示を省略する。
【0247】
フレーム移動機構510を動作させ、識別対象の薬剤12の裏面に対して第二撮影装置470が位置決めされる。薬剤12の表示形式及び分包紙14の種類に応じて、第三照明装置480又は第四照明装置490を適用し、第二撮影装置470を用いて識別対象の薬剤12の撮影が実施される。
【0248】
なお、実施形態に記載の第二撮影装置470を用いた透過光撮影を実施して取得される透過光画像は、第二透過光画像の一例である。実施形態に記載の第二撮影装置470を用いた反射光撮影を実施して取得される反射光画像は、第二反射光画像の一例である。
【0249】
〔変形例〕
図32は第三実施形態に係る薬剤識別システムの変形例を示す斜視図である。なお、
図32では、
図28等に示すフレーム移動機構510の図示を省略する。また、
図32では、
図28に図示した符号の図示を適宜省略する。
【0250】
図32には、
図28に示す第一照明装置450及び第三照明装置480が削除され、第一撮影装置440と第二撮影装置470との位置が合わせられている。
図32に示す態様は、第一撮影装置440及び第二撮影装置470を移動させずに、識別対象の薬剤12の表面及び裏面の撮影が可能であり、識別対象の薬剤12の表面及び裏面の同時撮影も可能である。
【0251】
図28から
図32には、第二照明装置460としてリング照明を例示したが、
図2等に示す四方向から薬剤12を照明する構成を適用してもよい。かかる態様によれば、透明の分包紙14を用いて分包される薬剤12について刻印強調が可能となる。
【0252】
[第三実施形態の作用効果]
第三実施形態に係る薬剤識別システムによれば、識別対象の薬剤12の表面と裏面との反転をさせずに、識別対象の薬剤12の表面及び裏面の自動撮影を実施し得る。これにより、識別対象の薬剤12の表面の撮影画像及び識別対象の薬剤12の裏面の撮影画像を効率よく取得し得る。
【0253】
[第四実施形態]
〔構成例〕
図33は第四実施形態に係る薬剤識別システムの構成例を示す斜視図である。第四実施形態に係る薬剤識別システムは、
図25に示す押さえ機構400が適用される。なお、
図33では、
図25に図示した符号の図示を適宜省略する。
【0254】
第四実施形態に係る薬剤識別システムは、撮影装置600及び第一照明装置602及び第二照明装置604が一体に構成される。撮影装置600及び第一照明装置602及び第二照明装置604はフレーム610を用いて支持される。フレーム610は
図28に示すフレーム500と同様の構造が適用される。
【0255】
図33に示す撮影装置600は、
図28に示す第一撮影装置440と同様の構成及び配置が適用される。
図33に示す第一照明装置602及び第二照明装置604は、それぞれ
図28に示す第一照明装置450及び第二照明装置460と同様の構成及び配置が適用される。
【0256】
フレーム610は、反転機構620を用いて、撮影装置600及び第二照明装置604と、第一照明装置602との配置関係を反転可能に支持される。反転機構620は、フレーム回転軸622、駆動プーリー624、ベルト626、反転モータ628及び支持プレート630を備える。また、反転機構620は、原点検出センサ、位置検出センサ及び回転位置検出センサを備える。なお、上記したセンサの図示を省略する。
【0257】
フレーム回転軸622は、フレーム610と連結される。フレーム回転軸622と駆動プーリー624との間には無端状のベルト626が巻き掛けられる。駆動プーリー624は反転モータ628の回転軸と連結される。フレーム回転軸622及び反転モータ628は支持プレート630を用いて支持される。
【0258】
反転モータ628の回転に応じてベルト626が走行する。ベルト626の走行に応じてフレーム回転軸622は回転する。フレーム回転軸622の回転に応じて、フレーム610は回転軸の周りを回転する。すなわち、反転モータ628の回転に応じて、撮影装置600及び第二照明装置604と、第一照明装置602との配置関係が反転する。
【0259】
フレーム610及び反転機構620は、移動機構640を用いて移動可能に支持される。移動機構640は、撮影装置600等を、識別対象の薬剤12を撮影する撮影位置と、撮影装置600等を反転させる反転位置との間を移動させる。移動機構640の構成は
図28に示すフレーム移動機構510と同様の構成が適用される。なお、実施形態に記載の反転機構620は反転装置の一例である。
【0260】
〔動作例〕
図34は第四実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤の表面撮影を実施する際の状態を示す斜視図である。なお、
図34では、
図33に図示した符号の図示を適宜省略する。
【0261】
まず、識別対象の薬剤12をセットする。識別対象の薬剤12
のセットは第三実施形態と同様であり、説明を省略する。移動機構640を動作させ、載置台402へ載置された識別対象の薬剤12に対して撮影装置600を位置決めし、薬剤12の表面撮影を実施する。
図34に示す矢印線は、撮影装置600等の移動方向を示す。
【0262】
図35は第四実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、表面撮影と裏面撮影との切り替え状態を示す斜視図である。識別対象の薬剤12の表面撮影の後に、移動機構640を動作させ、撮影装置600等を反転位置へ移動させる。移動機構640へ付した矢印線は撮影装置600等の移動方向を示す。
【0263】
反転位置において、反転機構620を動作させて、撮影装置600及び第二照明装置604と、第一照明装置602との配置関係を反転させる。反転機構620へ付した矢印線は撮影装置600等の移動方向を示す。
図35には、識別対象の薬剤12の裏面撮影を実施可能な撮影装置600等の配置状態を示す。
【0264】
図36は第四実施形態に係る薬剤識別システムの動作説明図であり、薬剤の裏面撮影を実施する際の状態を示す斜視図である。移動機構640を動作させ、識別対象の薬剤12に対して撮影装置600を位置決めし、薬剤12の裏面撮影を実施する。
図36に示す矢印線は、撮影装置600等の移動方向を示す。
【0265】
[第四実施形態の作用効果]
第四実施形態に係る薬剤識別システムによれば、以下の作用効果を得ることが可能である。
【0266】
〔1〕
識別対象の薬剤12の表面と裏面との反転をさせずに、識別対象の薬剤12の表面及び裏面の自動撮影を実施し得る。これにより、識別対象の薬剤12の表面の撮影画像及び識別対象の薬剤12の裏面の撮影画像を効率よく取得し得る。
【0267】
〔2〕
撮影装置600及び第二照明装置604と第一照明装置602との配置関係を反転させる。これにより、撮影装置600、第一照明装置602及び第二照明装置604を複数備えずに、識別対象の薬剤12の表面撮影及び識別対象の薬剤12の裏面撮影を実施し得る。
【0268】
〔薬剤の表示形式に基づく薬剤の区別〕
図37は薬剤の表示形式の説明図である。
図1等に示す識別対象の薬剤12は、刻印タイプ及び印刷タイプに大別される。
図37に示す錠剤700は、表面702及び裏面704のいずれにも刻印を用いて表示がされる刻印タイプである。錠剤710は表面712に印刷を用いて表示がされる印刷タイプである。錠剤710の裏面714は無地である。
【0269】
錠剤720は表面722及び裏面724に印刷を用いて表示がされ、かつ、表面722に割線が形成される。錠剤720は通常印刷タイプに区分される。錠剤730は表面732及び裏面734とも無地の非表示タイプである。非表示タイプは通常印刷タイプとして取り扱われる。
【0270】
識別対象の薬剤12は、分包がされていない場合がある。非分包の薬剤12は、分包がされている薬剤12と同様に、刻印タイプと印刷タイプに区分し得る。なお、非分包の薬剤12の刻印タイプは、印刷タイプに区分し、反射光撮影を実施してもよい。
【0271】
薬剤12の表面及び裏面は、便宜上規定されているのであって、薬剤12の一方の面及び他方の面といった、相対的な関係を表している。
【0272】
〔薬剤の識別可能性〕
薬剤12の撮影画像に基づく識別を実施する場合、識別可能性が考慮される。識別可能性は、刻印又は印刷が有する識別に関する情報量及び同一内容の刻印等の情報を有する薬剤の数の複合的な概念である。
【0273】
例えば、
図37に示す錠剤740は、表面742の刻印と裏面744の刻印とが相違する。錠剤740は表面742が裏面744よりも識別可能性が高い。一方、錠剤750は表面752の刻印と裏面754の刻印とが相違するが、表面752及び裏面754の識別可能性は同程度である。
【0274】
錠剤760は、表面762が錠剤740の表面742と同一であり、かつ、色及び大きさも錠剤740と同一である。一方、錠剤760は、裏面764が錠剤740の裏面744と相違する。そうすると、錠剤760は裏面764だけでは識別可能性が低い。かかる場合は、錠剤760の表面762及び裏面764の両面の情報を取得し、表面762の情報及び裏面764の情報を併用して識別を行う。これにより、錠剤760の識別可能性を向上させ得る。
【0275】
識別可能性が低い例として、類似する表示内容を有する薬剤が多数存在する場合、情報量が少ない場合が挙げられる。情報量が少ない場合の例として、数字のみが表示される場合、一文字のみ等の文字数が少ない場合、製薬会社のマーク等のみの場合、割線のみ場合及び無地の場合が挙げられる。
【0276】
〔一回の薬剤識別の入力情報として用いる面〕
識別対象の薬剤12の表面の情報及び裏面の情報を取得する場合、システムの側では、薬剤12の表面の情報取得及び薬剤12の裏面の情報取得は順不同で対応できる必要がある。
【0277】
識別対象の薬剤12の撮影画像とマスタ画像とを照合する場合、識別対象の薬剤12の表面の撮影画像は、マスタ画像の表面及びマスタ画像の裏面との照合が実施される。同様に、識別対象の薬剤12の裏面の撮影画像は、マスタ画像の表面及びマスタ画像の裏面との照合が実施される。複数のマスタ画像が存在する場合は、複数のマスタ画像について、表面及び裏面を総当たりで照合される。照合結果として、それぞれの場合についてスコアを算出し得る。すなわち、識別対象の薬剤12の識別と、識別対象の薬剤12の表面及び裏面の判定を一括して実施し得る。
【0278】
[識別結果の表示例]
図38は
図1に示すディスプレイ装置へ表示される画面の構成例を示す説明図である。同図には一覧表形式が適用される識別結果の表示例を示す。一覧表L1の領域L1Aはマスタ画像として薬剤Aの撮影画像が表示される。また、領域L1Bは、マスタ画像として表示される薬剤Aの属性情報が表示される。
【0279】
領域L1Cは、薬剤Aとして識別された全ての薬剤12の撮影画像が表示される。
図38では、薬剤Aとして識別された全ての薬剤12の表面の撮影画像を表示させる態様を例示したが、領域L1Cは、薬剤12の裏面の撮影画像を含めて表示してもよい。
【0280】
領域L1Cは、識別対象の薬剤12が分包ごと及び服用タイミングごとに表示される。領域L1Cは、識別
対象の薬剤12に関連する支援情報が表示される。支援情報は薬剤の識別の効率的な実施に利用される情報が含まれる。
図38には、支援情報の例として、分包番号及び服用日を例示する。
【0281】
領域L1Dは、戻るボタンB1、進むボタンB2及びメニュー遷移ボタンB3が表示される。なお、
図38に示す各種のボタンは例示であり、他の操作ボタンを追加してもよい。
【0282】
図39は
図1に示すディスプレイ装置へ表示される識別結果の第二表示例を示す説明図であり、照合エラーが非発生の場合の説明図である。また、
図40は
図1に示すディスプレイ装置へ表示される識別結果の第二表示例を示す説明図であり、照合エラーが発生している場合の説明図である。
【0283】
図39及び
図40には指定された薬剤B及び指定された薬剤Bと類似する薬剤Dについての識別結果を示す。
図39及び
図40に示す一覧表L8は、薬剤Bの識別結果を表す一覧表L8A及び薬剤Dの識別結果を表す一覧表L8Bが含まれる。
【0284】
図40に示す一覧表L8Aは、薬剤Dが薬剤Bと識別されるエラーの発生を表す。同図に示す一覧表L8Bは、薬剤Bが薬剤Dと識別されるエラーの発生を表す。このように、互いに類似する薬剤Bと薬剤Dとが入れ替わっている場合であっても、薬剤Bの識別結果を表す一覧表L8A及び薬剤Dの識別結果を表す一覧表L8Bが表示されるので、オペレータは照合エラーの発生を把握し得る。
【0285】
[識別対象の薬剤が分包されていない場合の例]
図41は識別対象の薬剤が分包されていない場合の模式図である。識別対象の薬剤12が分包されていない場合は、識別対象の薬剤12はシャーレ等の容器800へ収容される。容器800の底面802は、照明光及び照明光の反射光を透過させる材料が適用される。
【0286】
[ネットワークシステムへの適用例]
図42は薬剤識別システムのネットワークシステムへの適用例を示す模式図である。同図に示す薬剤識別システム900は、撮影ユニット920、処理装置930、ディスプレイ装置940、サーバ装置950、記憶装置960を備える。処理装置930は、ネットワーク970を介してサーバ装置950及び記憶装置960と通信可能に接続される。
【0287】
サーバ装置950は、処理装置930の機能を有していてもよい。サーバ装置950が処理装置930の機能を有する場合、撮影ユニット920はネットワーク970を介してサーバ装置950と通信可能に接続される。
【0288】
サーバ装置950は、
図7に示す薬剤情報取得部230の機能を備えてもよい。サーバ装置950はクラウドコンピューティングを適用してもよい。
【0289】
ネットワーク970は、医療機関の内部に適用される小規模ネットワークを適用してもよいし、インターネット等の大規模ネットワークを適用してもよい。ネットワーク970は、複数のネットワークを含んで構成されてもよい。
【0290】
[プログラムへの適用例]
図7に示すプロセッサ200が実現する各種の機能及び
図21に示す各工程をコンピュータに実現させるプログラムを構成し得る。
【0291】
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。また、実施形態、変形例及び応用例は適宜組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0292】
10 薬剤識別システム
10A 薬剤識別システム
12 薬剤
14 分包紙
20 撮影ユニット
20A 撮影ユニット
20E 撮影ユニット
22 撮影装置
24 照明装置
26 載置台
26A 貫通穴
26B 上面
27 台座部材
27A 貫通穴
27B 台座部材の斜視図
27C 台座部材の断面図
27D 台座部材
27E 貫通穴
28 押さえ機構
28A 押さえ機構
28B 押さえ機構
28C 押さえ機構
28D 押さえ機構
28E 押さえ機構
29 リング
29A 貫通穴
30 処理装置
40 ディスプレイ装置
50 入力装置
52 キーボード
54 マウス
60 透過光撮影の模式図
62 透過光画像
70 フレーム
72 カメラ
74 光軸
80 第一照明装置
82 第二照明装置
84 フレーム
86 LEDアレイ
90 押さえ板
90A 押さえ板
90C フィルム
91 押さえ板ブラケット
92 押さえ板駆動機構
93 昇降モータ
94 揺動機構
95 押さえ板アーム
96 揺動モータ
97 スポンジ
100 第一リニアガイド
102 第二リニアガイド
104 バネ
106 ガイドレール
108 軸
110 タイミングベルト
112 駆動プーリー
114 従動プーリー
200 プロセッサ
202 メモリ
204 マスタ画像記憶部
206 入力インターフェース
208 入出力ポート
220 システム制御部
222 照明制御部
224 撮影制御部
226 画像処理部
228 駆動制御部
230 薬剤情報取得部
232 薬剤認識処理部
234 ディスプレイドライバー
300 撮影ユニット
302 ケース
302A 上面
304 蓋部
304A 裏面
306 押さえ板部材
308 窓部
310 撮影装置
312 第二照明装置
314 底面
318 第一照明装置
322 クッション材
330 押さえ板
332 ヒンジ
334 貫通穴
400 押さえ機構
402 載置台
402A 上面
403 台座
403A 貫通穴
404 押さえ板駆動機構
406 フレーム
408 昇降モータ
410 第一リニアガイド
412 第二リニアガイド
414 バネ
416 ガイドレール
420 タイミングベルト
422 駆動プーリー
424 従動プーリー
430 押さえ板
432 押さえ板ブラケット
440 第一撮影装置
450 第一照明装置
460 第二照明装置
470 第二撮影装置
480 第三照明装置
490 第四照明装置
500 フレーム
502 上部構造体
504 下部構造体
510 フレーム移動機構
512 リニアガイド
514 ガイドレール
516 ベルト
518 駆動プーリー
520 従動プーリー
524 支持プレート
530 斜視図
532 側面視野図
534 斜視図
536 側面視野図
538 斜視図
540 側面視野図
600 撮影装置
602 第一照明装置
604 第二照明装置
610 フレーム
620 反転機構
622 フレーム回転軸
624 駆動プーリー
626 ベルト
628 反転モータ
630 支持プレート
640 移動機構
700 錠剤
702 表面
704 裏面
710 錠剤
712 表面
714 裏面
720 錠剤
722 表面
724 裏面
730 錠剤
732 表面
734 裏面
740 錠剤
742 表面
744 裏面
750 錠剤
752 表面
754 裏面
800 容器
802 底面
900 薬剤識別システム
920 撮影ユニット
930 処理装置
940 ディスプレイ装置
950 サーバ装置
960 記憶装置
970 ネットワーク
B1 ボタン
B2 ボタン
B3 メニュー遷移ボタン
LA 照明光
LB 光
L1 一覧表
L1A 領域
L1B 領域
L1C 領域
L1D 領域
L8 一覧表
L8A 一覧表
L8B 一覧表
S10からS24 薬剤識別処理方法の各工程