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特許7406687弁装置及び弁装置中でパイロット圧を制御するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】弁装置及び弁装置中でパイロット圧を制御するための方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/10 20060101AFI20231221BHJP
   F16F 9/34 20060101ALI20231221BHJP
   F16F 9/46 20060101ALI20231221BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20231221BHJP
   F16F 15/023 20060101ALI20231221BHJP
   B60G 13/08 20060101ALI20231221BHJP
   B60G 17/015 20060101ALI20231221BHJP
   F16K 17/06 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
F16K17/10
F16F9/34
F16F9/46
F16F15/02 B
F16F15/023 A
B60G13/08
B60G17/015 A
F16K17/06 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020544262
(86)(22)【出願日】2019-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2019053299
(87)【国際公開番号】W WO2019162127
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】18157676.0
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】523416081
【氏名又は名称】ドライブ・オートモーティブ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DRiV Automotive Inc.
【住所又は居所原語表記】15701 Technology Dr., Northville, MI 48168, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルムボリ、ホーカン
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン、フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】シェルネ、ビョルン
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/062572(WO,A1)
【文献】特開2017-8970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 17/00-17/168
F16F 9/34, 9/46
F16F 15/00-15/36
B60G 13/08,17/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショックアブソーバのための弁装置(1)であって、前記弁装置は、
第1及び第2のポート(7,8)を備える弁ハウジング(2)、
前記第1及び/又は第2のポートと流体連通しているパイロットチャンバ(3)、ここにおいて、パイロット圧(Pp)は、前記パイロットチャンバ中の液圧によって規定される、
前記弁ハウジング中に軸方向に移動可能に配置され、主弁部材に作用する前記パイロット圧に応じて前記第1のポートと第2のポート(7,8)との間で主流体流(21)を制限するために、前記弁ハウジングの主弁座(9)と相互作用するように配置される主弁部材(4)、
前記主弁部材(4)に対して軸方向に移動可能であり、前記パイロットチャンバ(3)に向かう方向に弾性的に負荷される制御弁部材(5)
を備え、前記弁装置が、
アクティブ制御モード中に、パイロット流体流(PFC,PFR)が、前記制御弁部材(5)に作用する作動力に応じて制御され、
フェイルセーフ制御モード中に、前記パイロット流体流(PFC,PFR)が、前記制御弁部材(5)に作用する前記パイロット圧に応じて制御され、
前記パイロット流体流(PFC,PFR)が、アクティブ制御モード及びフェイルセーフ制御モード中の両方で少なくとも1つの共通制限部(R2)によって制限される
ように構成されることを特徴とする、弁装置。
【請求項2】
前記制御弁部材(5)は、前記アクティブ制御モード中に圧力解放される、請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記制御弁部材(5)は、前記フェイルセーフ制御モード中に圧力制御される、請求項1又は2に記載の弁装置。
【請求項4】
前記フェイルセーフ制御モード中に前記制御弁部材(5)に作用する前記パイロット圧は、パイロット圧制限部(R1)と、前記パイロットチャンバ(3)に向かう方向に第1の移動可能な制限部材(31)を弾性的に負荷する付勢部材(12)からのばね力とによって調整される、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項5】
前記弁装置は、前記第1の移動可能な制限部材(31)が付勢方向にストッパを超えて軸方向に移動することを防止するための幾何学的に定義された軸方向ストッパ(13)を更に備える、請求項4に記載の弁装置。
【請求項6】
前記パイロット圧は、前記軸方向ストッパ(13)と前記第1の移動可能な制限部材(31)との間に形成された前記パイロット圧制限部(R1)において調整される、請求項5に記載の弁装置。
【請求項7】
アクチュエータ(35)は、前記制御弁部材(5)の対応するストローク長を可能にする作動力範囲の特性を有する、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項8】
前記フェイルセーフ制御モード中に前記制御弁部材(5)に作用する前記パイロット圧は、前記アクチュエータ(35)の前記作動力範囲の中間部分にある力に対応する、請求項7に記載の弁装置。
【請求項9】
前記制御弁部材(5)内で軸方向に移動可能なパイロット弁部材(6)を更に備え、前記パイロット弁部材は、前記パイロットチャンバから流出する前記パイロット流体流(PFC,PFR)を制限するために、前記制御弁部材のパイロット弁装置(30)と相互作用するように配置される、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の弁装置。
【請求項10】
前記パイロット弁装置(30)は、第1の移動可能な制限部材(31)、第2の移動可能な制限部材(32)、及び第1の移動可能な制限部材(31)と第2の移動可能な制限部材(32)との間に配置された付勢部材(12)とを備える、請求項9に記載の弁装置。
【請求項11】
前記パイロット弁装置(30)は、前記付勢部材(12)が配置されたスリーブ部材(33)を更に備え、前記スリーブ部材(33)は、前記第1の移動可能な制限部材(31)と第2の移動可能な制限部材(32)との間に軸方向に配置される、請求項10に記載の弁装置。
【請求項12】
前記スリーブ部材(33)は、前記共通制限部(R2)及びパイロット圧制限部(R1)をそれぞれ有効にする前記第1の移動可能な制限部材(31)及び前記第2の移動可能な制限部材(32)の少なくとも1つを封入するように互いに嵌め合う少なくとも2つの別個の部分を備える、請求項11に記載の弁装置。
【請求項13】
車両サスペンションのためのショックアブソービングデバイス(100)であって、
少なくとも1つの作業チャンバ(101,102)と、
前記ショックアブソービングデバイスの減衰特性を制御するために、前記少なくとも1つの作業チャンバへの/からの減衰媒体流体の流れを制御するための、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載の弁装置と
を備える、ショックアブソービングデバイス。
【請求項14】
ショックアブソーバのための弁装置(1)中でパイロット圧を制御するための方法であって、前記弁装置は、主弁部材に対して軸方向に移動可能な制御弁部材(5)、第1のポート(7)及び/又は第2のポート(8)と流体連通しているパイロットチャンバ(3)を備え、パイロット圧(Pp)は、前記パイロットチャンバ中の液圧によって規定され、前記方法は、
アクティブ制御モード中に、
前記制御弁部材(5)を圧力解放すること(AMS1)と、
前記パイロット圧(Pp)を制御するために作動力を印加すること(AMS2)と フェイルセーフ制御モード中に、
前記パイロット圧(Pp)によって前記制御弁部材(5)を制御すること(FMS1)と
前記アクティブ制御モード及び前記フェイルセーフ制御モード中の両方で、
少なくとも1つの共通弁座(R2)によってパイロット流体流(PFC,PFR)を制限すること(S3)と
のステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、弁装置の分野に関する。特に、本発明は、ショックアブソーバ中の減衰媒体の流れを制御するための弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パイロット弁を含むショックアブソーバの技術分野内では、圧力レギュレータ、即ち、弁装置が、ショックアブソーバの減衰媒体充填チャンバ中のピストンの往復運動中に圧縮チャンバとリバウンドチャンバとの間の減衰媒体の流れを制御するために使用される。ピストンは、ピストンロッドを介して、ホイール又はシャーシのうちのいずれかに接続されるのに対して、チャンバは、ピストンが接続されていないホイール又はシャーシのうちの1つに接続される。圧縮ストローク中、ピストンは、圧縮チャンバに向かう方向に軸方向に移動し、それにより圧縮チャンバ中の減衰媒体を加圧する。リバウンドストローク中、ピストンは、リバウンドチャンバに向かって、即ち反対方向に、軸方向に移動し、それによりリバウンドチャンバ中の減衰媒体を加圧する。ショックアブソーバの機能に従って、加圧された減衰媒体は、加圧されたチャンバから他方のチャンバに、即ち、圧縮チャンバからリバウンドチャンバに、又はその逆に移される必要がある。減衰媒体の流れは、ピストン及びこのことからショックアブソーバの減衰効果を得るために、即ち、ホイールとシャーシとの間の相対運動を減衰させるために、制御される必要がある。
【0003】
ショックアブソーバ中の減衰媒体の流れにおける圧力の制御は、弁装置によって生成される圧力に依存する。ショックアブソーバ中の圧力レギュレータは通常、座部に対して作用するワッシャ、コーン、又はシムなどの軸方向に移動可能又は偏向可能な弁部材を設けられる。圧力制御は、力の平衡又は均衡、例えば、一方向で弁部材に作用する圧力及び/又は流れ力と、反対方向で弁部材に作用するばね力、摩擦力、又はパイロット圧力のうちの1つ以上などの反作用力又は対抗力との間の平衡によって達成される。ショックアブソーバのピストンが、圧力及び/又は流れ力が対抗力又は反作用力よりも大きくなるようなある特定の速度で移動するとき、移動可能な弁部材は、座部から離れるように強制され、それにより流路を開く。このことから、移動可能な弁部材は、圧力レギュレータの調整エリアに作用する圧力によって生成される流れの関数として定義されるストロークで開くように強制される。
【0004】
上述された圧力調整タイプの従来の弁装置は一般に、ソレノイド又は制御システムに電気的又は機械的な故障が生じたときに、弁が開状態又は閉状態のままになり得、開状態のままになると、圧縮チャンバとリバウンドチャンバとの間の流路が開かれ、その結果、前記チャンバ間の液圧流体の流れが実質的に制限されず、その結果として、減衰力が実質的になくなるという欠点を有する。代替として、故障が弁の閉状態をもたらすとき、流路は、実質的に閉じられ、高すぎる減衰力をもたらす。
【0005】
ショックアブソーバのための最新の弁装置は、バイパス流がチャンバ間の減衰媒体の所定の流れを可能にするフェイルセーフ制御モードを有する。しかしながら、これらのバイパス流は一般に、所望される減衰特性に能動的減衰よりも適合されない減衰力を提供する。
【0006】
従って、選択された用途のためのフェイルセーフ制御モード中に改善された減衰特性を有するショックアブソーバで使用するための弁装置に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、改善された減衰特性を有するフェイルセーフ制御モードを有する改善された弁装置を提供することである。
【0008】
本発明は、弁装置を形成することによって、パイロット流体流がアクティブ制御モード及びフェイルセーフ制御モード中の両方で少なくとも1つの共通制限部によって制限され、フェイルセーフ制御モードにおける減衰がアクティブ制御モードに対して行われる調整に従うことになるので、フェイルセーフ制御モードにおいて改善された減衰特性が提供され得るという本発明者らの洞察に基づく。
【0009】
一実施形態では、本目的は、ショックアブソーバのための弁装置によって達成され、弁装置は、第1及び第2のポートを備える弁ハウジング、第1及び/又第2のポートと流体連通しているパイロットチャンバを備える。パイロット圧は、パイロットチャンバ中の液圧によって規定され、主弁部材は、弁ハウジング中に軸方向に移動可能に配置され、主弁部材に作用するパイロット圧に応じて第1のポートと第2のポートとの間で主流体流を制限するために、弁ハウジングの主弁座と相互作用するように配置される。装置は、主弁部材に対して軸方向に移動可能であり、パイロットチャンバに向かう方向に弾性的に負荷される制御弁部材を更に備える。更に、アクティブ制御モード中に、パイロット流体流が、制御弁部材に作用する作動力に応じて制御される。最後に、フェイルセーフ制御モード中に、パイロット流体流は、制御弁部材に作用するパイロット圧に応じて制御され、パイロット流体流は、アクティブ制御モード及びフェイルセーフ制御モード中の両方で少なくとも1つの共通制限部によって制限される。
【0010】
これにより、パイロット流体流は、アクティブ制御モード及びフェイルセーフ制御モードの両方において同じ弁座によって制限されるので、フェイルセーフ制御モードにおける弁特性は、アクティブ制御モードにおける特性に従うことになる。即ち、フェイルセーフ制御モード中の圧力対流れ曲線は、選択された作動力についてのアクティブ制御モード中の圧力対流れ曲線に従うことになる。アクチュエータは、例えば、ソレノイドアクチュエータ又は任意の他のタイプの力発生器であり得る。
【0011】
一実施形態では、制御弁部材は、アクティブ制御モード中に圧力解放される。これにより、パイロットレギュレータは、ソレノイド力によってのみ制御される。
【0012】
一実施形態では、制御弁部材は、フェイルセーフ制御モード中に圧力制御される。
【0013】
一実施形態では、フェイルセーフ制御モード中に制御弁部材に作用するパイロット圧は、パイロット圧制限部と、パイロットチャンバに向かう方向に第1の移動可能な制限部材を弾性的に負荷する付勢部材からのばね力とによって調整される。
【0014】
一実施形態では、弁装置は、第1の移動可能な制限部材が付勢方向にストッパを超えて軸方向に移動することを防止するための幾何学的に定義された軸方向ストッパを更に備える。
【0015】
一実施形態では、パイロット圧は、軸方向ストッパと第1の移動可能な制限部材との間に形成されたパイロット圧制限部において調整される。
【0016】
一実施形態では、アクチュエータは、制御弁部材の対応するストローク長を可能にする作動力範囲の特性を有する。一実施形態では、アクチュエータに対する供給電流は、0~3Aの間の範囲を有する。一実施形態では、そのような供給電流は、アクチュエータに対して約2~3mmのストローク長を発生させ、及び/又は約0~30Nの力範囲能力を発生させる。
【0017】
更なる一実施形態では、フェイルセーフ制御モード中に制御弁部材に作用するパイロット圧は、アクチュエータの作動力範囲の中間部分にある力に対応する。一実施形態では、アクチュエータの作動力範囲の中間部分は、供給電流が全電流能力の約20%~80%、例えば、3Aの全能力に対して約0.6A~2.4Aであるときである。更なる一実施形態では、アクチュエータの作動力範囲の中間部分は、供給電流が全電流能力の約30%~70%であるときである。
【0018】
一実施形態では、弁装置は、制御弁部材内で軸方向に移動可能なパイロット弁部材を更に備え、パイロット弁部材は、パイロットチャンバから流出するパイロット流体流を制限するために、制御弁部材のパイロット弁装置と相互作用するように配置される。
【0019】
一実施形態では、パイロット弁装置は、第1の移動可能な制限部材、第2の移動可能な制限部材、及び第1の制限部材と第2の制限部材との間に配置された付勢部材とを備える。
【0020】
一実施形態では、パイロット弁装置は、付勢部材が配置されたスリーブ部材を更に備え、スリーブ部材は、第1の制限部材と第2の制限部材との間に軸方向に配置される。
【0021】
一実施形態では、スリーブ部材は、共通パイロット流制限部及びパイロット圧制限部を有効にする制限手段を封入するように互いに嵌め合う少なくとも2つの別個の部分を備える。一実施形態では、スリーブ部材は、3つの別個の部分を備える。
【0022】
一実施形態では、付勢部材の自由長は、制御弁部材に作用する作動力が所定の値未満であるときに、軸方向ストッパに対して制御弁部材を押し付けるように適合される。
【0023】
本発明の第2の態様によると、本目的は、少なくとも1つの作業チャンバと、ショックアブソービングデバイスの減衰特性を制御するために、少なくとも1つの作業チャンバへの/からの減衰媒体流体の流れを制御するための、上述された実施形態のうちのいずれかによる弁装置とを備える、車両サスペンションのためのショックアブソービングデバイスによって達成される。
【0024】
本発明の第3の態様によると、本目的は、ショックアブソーバのための弁装置中でパイロット圧を制御するための方法によって達成され、弁装置は、主弁部材に対して軸方向に移動可能な制御弁部材、第1のポート及び/又は第2のポートと流体連通しているパイロットチャンバを備え、パイロット圧は、パイロットチャンバ中の液圧によって規定される。方法は、アクティブ制御モード中に、制御弁部材を圧力解放することと、パイロット圧を制御するために作動力を印加することとのステップを備える。更に、フェイルセーフ制御モード中に、パイロット圧によって制御弁部材を制御すること。そして最後に、アクティブ制御モード及びフェイルセーフ制御モード中の両方で、少なくとも1つの共通弁座によってパイロット流体流を制限すること。
【0025】
本発明の更なる利点及び有利な特徴が、以下の説明において開示される。その上、上述された実施形態は、この開示の範囲から逸脱することなく、任意の方法で組み合わされ得る。更に、求められる保護の範囲は、添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0026】
本発明の更なる詳細及び態様は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】装置の実施形態の分解図を示す。
図2】アクティブ制御モードにおける弁装置の実施形態の断面図を示す。
図3a】同じく弁装置の断面図であるが、フェイルセーフ制御モードを示す。
図3b】スリーブ部材をより詳細に例示するための、図3aの拡大図である。
図4】リバウンド主流体流の拡大断面図である。
図5】圧縮主流体流の拡大断面図を示す。
図6a】一定のフェイルセーフ流量における圧力のグラフを示す。
図6b】いくつかの異なる定電流に対する圧力範囲のグラフを示す。
図7】その中に弁装置を備えるショックアブソービングデバイスの断面図を示す。
図8】一実施形態による方法ステップの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここから、本発明の現在好ましい実施形態が示される添付の図面を参照して、本発明が以下により十分に説明されことになる。本発明は、しかしながら、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供され、本発明の範囲を当業者に十分に伝える。同様の参照符号は、本願全体を通じて同様の要素を指す。
【0029】
第1の図、即ち、図1は、弁装置の断面分解図を例示する。この図は、より多くの機能及び流路が例示される後続の図における異なる部分を読者が理解するのを助けるために提供される。弁装置1は、弁ハウジング2を備える。弁ハウジングは、図の上部に上側部分を有し、図の下部に下側部分を有し、それらは、図では分離されているが、使用時には、例えば、圧嵌又はねじ山係合によって機械的に結合される。弁ハウジング2は、上側部分に第2のポート8を更に備える。
【0030】
この装置は、主弁部材4及び制御弁部材5を更に備え、制御弁部材5の内側には、圧力レギュレータとして作用するパイロット弁部材6がある。弁部材は、付勢手段14、19(この例ではばねとして例示される)によってハウジングの内側に付勢されている。付勢手段は、適切なばね力を提供し、ハウジング空間に適合する任意のタイプのばね要素であり得る。
【0031】
その上、この装置は、移動可能な主弁座部材9を備え、その機能は、図4~5に関連して更に考察される。
【0032】
図2は、アクティブ制御モードにおける弁装置の断面図を示す。このモードでは、アクチュエータ(図示されていないが、例示の上にあり、アクチュエータロッド35に接続されている)は、アクチュエータロッド35を介してパイロット弁装置30に力を及ぼし、それは、まず付勢部材12を圧縮し、次いで弁部材5を制御する。これにより、パイロット流PFC PFRは、上記の発明の概要において考察されたように、共通制限部R2において制限される。これはまた、フェイルセーフ制御モード中のケースであり、それは、同じ弁装置であるが、アクチュエータロッド35が係合解除状態で格納されるフェイルセーフ制御モードを例示する、後続の図3に例示される。
【0033】
図2は、弁装置が弁ハウジング2、パイロットチャンバ3、主弁部材4、制御弁部材5、及びパイロット弁部材6を備えることを再び示す。弁ハウジング2は、第1及び第2のポート7、8を備える。例示された実施形態では、第1及び第2のポートは、それぞれ、液圧流体の入口及び出口のための入口ポート及び出口ポートとして作用する。パイロットチャンバ3は、主弁部材4の上面と弁ハウジング2の内壁との間に形成される空間によって画定される。パイロットチャンバ3は、主弁部材4中の第1の軸方向貫通孔42を介して第1のポート7と流体連通し、主弁部材4中の第2の軸方向貫通孔43を介して第2のポート8と流体連通する。これらの目的のために、主弁部材中にいくつかの軸方向の孔が設けられ得る。図2に破線で例示される2つの流れがあり、第1の流れPFCは、圧縮ストローク中のパイロット流体流を例示し、第2の流れPFRは、リバウンドストローク中のパイロット流体流を例示する。その上、主弁部材4の上面41に作用するパイロット圧Ppは、パイロットチャンバ3中の液圧によって規定される。更に、フェイルセーフ制御モード中、パイロット圧Ppは、パイロット圧制限部R1によって制御され、それは、図3bの拡大図に例示される。
【0034】
主弁部材4は、弁ハウジング2中に軸線方向に移動可能に配置され、主弁部材4の上面41に作用するパイロット圧Ppに応じて第1のポート7と第2のポート8との間の主流体流21(図4及び5に図示)中の圧力を制限又は調整するために、移動可能な主弁座部材9と相互作用するように配置される。例示されたスナップショットでは、主弁部材4は、主弁座部材9に向かって閉位置に保持される。閉位置では、ブリード流20のみが許容される(図3aに図示)。図4及び5では、主流21の2つの開状態が例示される。主弁部材は、任意のバネ部材によって弾性的に負荷され得るか、又は移動可能な主弁座部材9に向かって所望される弾性的負荷を達成するようにそれ自体が可撓性及び/又は弾性であり得る。
【0035】
制御弁部材5は、実質的に円筒形状であり、主弁部材と同軸上に、少なくとも部分的にその内部に配置される。制御弁部材5は、制御弁部材に作用する作動力に応じて、主弁部材に対して軸方向に更に移動可能である。この実施形態では、作動力は、作動ロッド35によって伝達される。作動ロッドは、ソレノイドが電流に応じて力を及ぼす軸方向に移動可能な部材であり得る。
【0036】
更に、図2に示される閉状態は、主弁部材4がパイロットチャンバ3に向かって持ち上げられるときにポート7及び/又は8からの圧力がまだ閾値に達していないことから導出され得る。この閾値は、主弁部材4の上昇エリアに作用する第1又は第2のポート7、8のうちのいずれか1つにおける圧力から発生する上昇力が、主弁部材4の上面41に作用するパイロットチャンバ3中のパイロット圧Ppからの反作用力を超えるときに対応する。
【0037】
図3a及び3bに移ると、弁装置が、これらの図ではフェイルセーフ制御モードで例示される。図3a及び3bにあるのは、図2に関連して既に説明されたのと同じ弁装置である。しかしながら、アクチュエータは、非アクティブ制御モード(格納位置)にある。これは、作動ロッド35が非係合位置にあり、移動可能な弁部材の位置に影響を与えないことによって示される。
【0038】
図3bに最も明確に見られるように、パイロット弁装置30は、3つの別個の部品、即ち、上部部品33a、中間部品33b、及び下部部品33cを備えるスリーブ部材33を備える。3つの部品33a、33b、33cは、通常の使用中に互いに対して動かないように、互いに圧嵌される。3つの部品はまた、付勢部材12、第1の移動可能な制限部材31、及び第2の移動可能な制限部材32を共に封入する。第1及び第2の制限部材31、32は、例えば、シム又はスペーサであり得る。この構築は、第1の制限部材31の外周と上部部品33aとの間に第1の制限部R1を可能にする。第1の制限部R1は、フェイルセーフモード中にパイロットチャンバ3中のパイロット圧Ppを制御する(アクティブモードでは、R1は開かれ、その結果として、R1の両側の圧力は実質的に同じである)。その上、この構築は、第2の制限部材32の外周と中間部品33bとの間で第2の制限部R2を可能にする。この第2の制限部R2は、フェイルセーフ制御モード及びアクティブ制御モードの両方において共通制限部として作用し、パイロット流体流を制御する。
【0039】
第1の制限部材31の軸方向位置は、スリーブ部材の上部部品33aとスリーブ部材の中間部品33bとによって限定される。第1の制限部材31とスリーブ部材の上部部品33aとの間の軸方向距離が、第1の制限部R1を構成する。
【0040】
例示される例では、下部の付勢部材14の自由長は、制御弁部材に作用する作動力が所定の値未満であるときに、軸方向ストッパ13に対してパイロット弁部材6を押し付けるように適合される。これは、制御弁部材に作用する力を発生させる電流が存在しないときに、少なくともフェイルセーフ制御モードで生じるであろう。更に、「~に対して押し付ける」は、制御弁部材が軸方向ストッパによって直接又は間接的に制限されると解釈されるべきである。即ち、(例示されるように)他の要素が制御弁部材5と軸方向ストッパ13との間に配置されることが、「~に対して押し付ける」という用語から逸脱することなく、完全に可能である。
【0041】
次に移ると、図4は、図の右下部分の拡大断面図を示し、それにおいて、リバウンド主流体流21が例示される。主流体流21は、このケースでは、第2のポート8から第1のポート7に向けられ、それは、移動可能な主弁座部材9をハウジング2に対して保持し、主弁部材4を上方に持ち上げる。制御弁部材5が圧力解放されると、主弁部材の軸方向位置は、ソレノイド力によって制御されるアクティブ状態にある。しかしながら、フェイルセーフ制御モードでは、制御弁部材5は、パイロット圧と、付勢手段12からの反作用ばね予負荷とによって制御される。これは、特定の電流でソレノイド力に等しい力を発生させ、それは、弁装置がフェイルセーフ制御モード及びアクティブ制御モードの両方において同じ減衰特性を有することを可能にする。図4に例示されるリバウンド流中、移動可能な主弁座部材9は、ハウジング2上に静止し、座として作用する。しかしながら、図5に例示され、以下でより詳細に説明されるような圧縮流中、移動可能な主弁座部材9は、主弁部材4に対して上方に保持され、連動して移動するように主弁部材4と共に弁部材として作用する。
【0042】
図5は、図4と同じ拡大断面図を示すが、それにおいて、圧縮主流体流21が例示される。この位置では、弁装置は、第1のポート7から第2のポート8への調整された主流21、即ち、圧縮ストローク中の流れを可能にするように適合される。圧縮主流体流は、移動可能な主弁座部材9を持ち上げ、主弁部材4に対して上方位置に保持することになる。これは、流れが、半径方向内壁26及び半径方向外壁27を有する(弁ハウジング2の)円周方向アパーチャ25を通過することを可能にするアパーチャ及び2つの壁は、(移動可能な主弁座部材9と共に)圧縮ストロークにおいてソフトな開放を提供する流れを調整するために使用される2つの直列且つ協働する制限部を構成する。
【0043】
図6a及び6bに移ると、定流量(図6a)及びいくつかの定電流レベル(図6b)のパイロット圧のグラフが示される。図6bにおける圧力対流れは、ソフトな開放(圧力相対流の指数関数的増加と線形増加との間のソフトな遷移)を伴う圧縮ストローク中に例示されるが、リバウンド流における曲線は、ソフトな開放特性を伴わずに、原則的に同じとなる。更に、図6aでは、圧力対電流のグラフは、圧縮及びリバウンド流の両方に適用可能である。
【0044】
図6aは、2つの極端なフェイルセーフ制御モード構成(フェイルセーフが構成されるべき範囲を示す)を示す。FSmaxは、フェイルセーフ制御モード中の最大パイロット圧であり、FSminは、フェイルセーフ制御モード中の最小パイロット圧である。更に、図6aは、流れが一定に保たれるとき、アクチュエータへの供給電流に応じて圧力が変化することを示す。これは、供給電流が閾値を下回ると、圧力が一定の流れで増加し、そのために、特定の供給電流(FSmax及びFSminの範囲内のどこかで選択される)に対応するフェイルセーフ減衰特性を生成することを示す。
【0045】
この関数は、図6bにも示されているが、ここで、グラフは、定電流に対して流体流と共に流体圧が増加することを示す。図6bにおける3つの曲線Imax、Imiddle、及びIminの各々は、アクチュエータへの供給電流を表す。一番上の曲線であるImaxは、ソレノイドに供給される最大電流、例えば、3.0Aを表す。この電流の場合、圧力は、曲線の始めに、典型的にはブリード流20中にかなり急峻に(指数関数的に)増加し、その後、主流体流21が開かれると比較的低い線形増加で増加することになる。他の2つの曲線Imiddle、Iminは、同じ原理に従うが、供給電流がより低く、従って作動力もより低いので、同じ流れに対してより低い圧力を有する。更に、図に見られるように、2つのフェイルセーフ曲線FSmax及びFSminは、フェイルセーフ制御モードが構成され得る圧力範囲を示す。このことからに、フェイルセーフ制御モードはこれにより、上述されたように、アクチュエータの作動力範囲の中間部分にある力に対応する制御弁部材に作用するパイロット圧に従う減衰特性を提示し得る。
【0046】
図7は、上述された実施形態のうちのいずれかによる弁装置1がその中に配置されたショックアブソーバ100の側断面図を示す。ショックアブソーバの全ての詳細が示されるわけではなく、代わりに、図8は単に、本明細書で説明される弁装置がショックアブソーバにおいてどのように実装され得るかを示すための例示に過ぎない。ショックアブソーバは、第1の作業チャンバ101及び第2の作業チャンバ102を備える。更に、ショックアブソーバ100は、弁装置1のハウジングに取り付けられたピストンロッド103を備える。密閉部材104が、弁ハウジングに配置され、第1の作業チャンバ101を第2の作業チャンバ102から分割する。第1の作業チャンバ101は、弁装置の第1のポート7に流体接続され、第2の作業チャンバ102は、弁装置1の第2のポート8に流体接続される。図1におけるショックアブソーバはまた、弁装置1が、例えば、車両用のフロントフォーク又は同等の減衰装置にどのように取り付けられるかを例示することが更に理解されるべきである。密閉部材104は、本明細書に説明される弁装置1の流制限部を補完するために、1つ以上の並列又は直列の受動又は能動弁を有し得ることが更に理解される。
【0047】
最後に、図8は、ショックアブソーバ100のための弁装置1中のパイロット圧を制御するための方法を例示する。方法は、上述された実施形態のうちのいずれかによる弁装置によって実行され得る。そのような装置は、主弁部材に対して軸方向に移動可能な制御弁部材5を備え得、パイロットチャンバ3は、第1のポート7及び/又は第2のポート8と流体連通する。更に、パイロット圧Ppは、前記パイロットチャンバ中の液圧によって規定される。例示された方法は、2つの工程、即ち、アクティブ制御モード及びフェイルセーフ制御モードを備える。両方の工程は同時に実行されないが、両方の工程は、2つの工程の最後の共通ステップを実行するために、又は実行することを可能とするために、同じシステムで達成することが可能でなければならないことが理解されるべきである。例示は、アクティブ制御モード中に2つのステップ、即ち、制御弁部材5を圧力解放することAMS1と、制御弁部材5に対する圧力を制御するために作動力を印加することAMS2とを更に備える。更に、フェイルセーフ制御モード中、方法は、制御弁部材に作用するパイロット圧Ppによって制御弁部材を制御するステップFMS1を備える。最後に、アクティブ制御モード及びフェイルセーフ制御モード中の両方で、最後のステップは、少なくとも1つの共通弁座R2によってパイロット流体流PFC,PFRを制限することS3である。
【0048】
本発明の例証的な実施形態が示され、説明されてきたが、本明細書で説明されたような本発明のいくつかの変更及び修正、又は代替が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。その上、上述された異なる実施形態は、本発明の概念の範囲から逸脱することなく、異なる方法で組み合わされ得る。このことから、本発明の上記の説明及び添付の図面は、その非限定的な例と見なされるべきであり、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲において定義されることが理解されるべきである。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ショックアブソーバのための弁装置(1)であって、前記弁装置は、
第1及び第2のポート(7,8)を備える弁ハウジング(2)、
前記第1及び/又は第2のポートと流体連通しているパイロットチャンバ(3)、ここにおいて、パイロット圧(Pp)は、前記パイロットチャンバ中の液圧によって規定される、
前記弁ハウジング中に軸方向に移動可能に配置され、主弁部材に作用する前記パイロット圧に応じて前記第1のポートと第2のポート(7,8)との間で主流体流(21)を制限するために、前記弁ハウジングの主弁座(9)と相互作用するように配置される主弁部材(4)、
前記主弁部材(4)に対して軸方向に移動可能であり、前記パイロットチャンバ(3)に向かう方向に弾性的に負荷される制御弁部材(5)
を備え、前記弁装置が、
アクティブ制御モード中に、パイロット流体流(PFC,PFR)が、前記制御弁部材(5)に作用する作動力に応じて制御され、
フェイルセーフ制御モード中に、前記パイロット流体流(PFC,PFR)が、前記制御弁部材(5)に作用する前記パイロット圧に応じて制御され、
前記パイロット流体流(PFC,PFR)が、アクティブ制御モード及びフェイルセーフ制御モード中の両方で少なくとも1つの共通制限部(R2)によって制限される
ように構成されることを特徴とする、弁装置。
[2] 前記制御弁部材(5)は、前記アクティブ制御モード中に圧力解放される、[1]に記載の弁装置。
[3] 前記制御弁部材(5)は、前記フェイルセーフ制御モード中に圧力制御される、[1]又は[2]に記載の弁装置。
[4] 前記フェイルセーフ制御モード中に前記制御弁部材(5)に作用する前記パイロット圧は、第1の制限部(R1)と、前記パイロットチャンバ(3)に向かう方向に第1の移動可能な制限部材(31)を弾性的に負荷する付勢部材(12)からのばね力とによって調整される、[1]~[3]のうちのいずれか一項に記載の弁装置。
[5] 前記弁装置は、前記第1の移動可能な制限部材(31)が付勢方向にストッパを超えて軸方向に移動することを防止するための幾何学的に定義された軸方向ストッパ(13)を更に備える、[4]に記載の弁装置。
[6] 前記パイロット圧は、前記軸方向ストッパ(13)と前記第1の移動可能な制限部材(31)との間に形成されたパイロット圧制限部(R1)において調整される、[5]に記載の弁装置。
[7] アクチュエータ(35)は、前記制御弁部材(5)の対応するストローク長を可能にする作動力範囲の特性を有する、[1]~[6]のうちのいずれか一項に記載の弁装置。
[8] 前記フェイルセーフ制御モード中に前記制御弁部材(5)に作用する前記パイロット圧は、前記アクチュエータ(35)の前記作動力範囲の中間部分にある力に対応する、[7]に記載の弁装置。
[9] 前記制御弁部材(5)内で軸方向に移動可能なパイロット弁部材(6)を更に備え、前記パイロット弁部材は、前記パイロットチャンバから流出する前記パイロット流体流(PFC,PFR)を制限するために、前記制御弁部材のパイロット弁装置(30)と相互作用するように配置される、[1]~[8]のうちのいずれか一項に記載の弁装置。
[10] 前記パイロット弁装置(30)は、第1の移動可能な制限部材(31)、第2の移動可能な制限部材(32)、及び前記第1の制限部材(31)と第2の制限部材(32)との間に配置された付勢部材(12)とを備える、[9]に記載の弁装置。
[11] 前記パイロット弁装置(30)は、前記付勢部材(12)が配置されたスリーブ部材(33)を更に備え、前記スリーブ部材(33)は、前記第1の制限部材(31)と第2の制限部材(32)との間に軸方向に配置される、[10]に記載の弁装置。
[12] 前記スリーブ部材(33)は、前記共通パイロット流制限部(R2)及びパイロット圧制限部(R1)を有効にする制限手段を封入するように互いに嵌め合う少なくとも2つの別個の部分を備える、[11]に記載の弁装置。
[13] 付勢部材(12,14)の自由長は、前記制御弁部材に作用する前記作動力が所定の値未満であるときに、前記軸方向ストッパ(13)に対して前記制御弁部材(5)押し付けるように適合される、[5]に記載の弁装置。
[14] 車両サスペンションのためのショックアブソービングデバイス(100)であって、 少なくとも1つの作業チャンバ(101,102)と、
前記ショックアブソービングデバイスの減衰特性を制御するために、前記少なくとも1つの作業チャンバへの/からの減衰媒体流体の流れを制御するための、[1]~[13]のうちのいずれか一項に記載の弁装置と
を備える、ショックアブソービングデバイス。
[15] ショックアブソーバのための弁装置(1)中でパイロット圧を制御するための方法であって、前記弁装置は、主弁部材に対して軸方向に移動可能な制御弁部材(5)、第1のポート(7)及び/又は第2のポート(8)と流体連通しているパイロットチャンバ(3)を備え、パイロット圧(Pp)は、前記パイロットチャンバ中の液圧によって規定され、前記方法は、
アクティブ制御モード中に、
前記制御弁部材(5)を圧力解放すること(AMS1)と、
前記パイロット圧(Pp)を制御するために作動力を印加すること(AMS2)と フェイルセーフ制御モード中に、
前記パイロット圧(Pp)によって前記制御弁部材(5)を制御すること(FMS1)と
前記アクティブ制御モード及び前記フェイルセーフ制御モード中の両方で、
少なくとも1つの共通弁座(R2)によってパイロット流体流(PFC,PFR)を制限すること(S3)と
のステップを備える、方法。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8