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特許7406689指定席候補抽出プログラム、指定席候補抽出方法、指定席候補抽出装置、指定席券発券プログラム、指定席券発券方法、及び指定席券発券装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】指定席候補抽出プログラム、指定席候補抽出方法、指定席候補抽出装置、指定席券発券プログラム、指定席券発券方法、及び指定席券発券装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20231221BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20231221BHJP
【FI】
G06Q50/34
G06Q10/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020049211
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021149562
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶太
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-296423(JP,A)
【文献】特開2005-149151(JP,A)
【文献】特開2016-177424(JP,A)
【文献】特開2004-062303(JP,A)
【文献】特開2003-281309(JP,A)
【文献】特開2001-028030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員識別情報を取得し、
場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補を抽出する、
という処理をプロセッサに実行させることを特徴とする指定席候補抽出プログラム。
【請求項2】
前記指定席候補は、前記対応付け情報に名称が含まれる他場のうちで前記会員の過去の投票券購入回数が最も多い場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックに含まれる空席の指定席であって、当該空席の指定席のうちで前記会員の過去の指定席券購入回数が最も多い席種別の指定席である、
ことを特徴とする請求項1記載の指定席候補抽出プログラム。
【請求項3】
会員識別情報を取得し、
前記会員識別情報を指定席候補抽出装置に送信し、
前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補に関する情報を前記指定席候補抽出装置から受信し、
前記指定席候補に関する情報に基づいて、前記会員に案内する指定席候補を、他の空席の指定席と区別可能に表示部に表示させ、
前記表示部に表示させた前記指定席候補を含む空席の指定席の中から前記会員が購入する指定席を選択し、
選択した前記指定席の指定席券を発券し、
発券した前記指定席券の発券情報を前記指定席候補抽出装置に送信する、
という処理をプロセッサに実行させ
前記指定席候補は、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記指定席候補抽出装置により抽出される、
ことを特徴とする指定席券発券プログラム。
【請求項4】
会員識別情報を取得し、
場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補を抽出する、
ことを指定席候補抽出装置が行うことを特徴とする指定席候補抽出方法。
【請求項5】
会員識別情報を取得し、
前記会員識別情報を指定席候補抽出装置に送信し、
前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補に関する情報を前記指定席候補抽出装置から受信し、
前記指定席候補に関する情報に基づいて、前記会員に案内する指定席候補を、他の空席の指定席と区別可能に表示部に表示させ、
前記表示部に表示させた前記指定席候補を含む空席の指定席の中から前記会員が購入する指定席を選択し、
選択した前記指定席の指定席券を発券し、
発券した前記指定席券の発券情報を前記指定席候補抽出装置に送信する、
ことを指定席券発券装置が行い、
前記指定席候補は、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記指定席候補抽出装置により抽出される、
ことを特徴とする指定席券発券方法。
【請求項6】
会員識別情報を取得する情報取得部と、
場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報が記憶される指定席空席状況情報
記憶部と、
他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報が記憶される対応付け情報記憶部と、
各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報が記憶される投票券購入回数情報記憶部と、
各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報が記憶される指定席券購入回数情報記憶部と、
前記指定席空席状況情報記憶部と、前記対応付け情報記憶部と、前記投票券購入回数情報記憶部と、前記指定席券購入回数情報記憶部の各記憶部に記憶された情報に基づいて、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補を抽出する指定席候補抽出部と、
を備えることを特徴とする指定席候補抽出装置。
【請求項7】
会員識別情報を取得する会員識別情報取得部と、
前記会員識別情報を指定席候補抽出装置に送信する第1の送信部と、
前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補に関する情報を前記指定席候補抽出装置から受信する受信部と、
前記指定席候補に関する情報に基づいて、前記会員に案内する指定席候補を、他の空席の指定席と区別可能に表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示部に表示された前記指定席候補を含む空席の指定席の中から前記会員が購入する指定席を選択する選択部と、
前記選択部により選択された指定席の指定席券を発券する発券部と、
前記発券部により発券された指定席券の発券情報を前記指定席候補抽出装置に送信する第2の送信部と、
を備え
前記指定席候補は、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記指定席候補抽出装置により抽出される、
ことを特徴とする指定席券発券装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指定席候補を抽出するプログラム、方法、及び装置と、指定席券を発券するプログラム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、公営競技場での指定席券の発券方法として、有人による発券と自動発券機による発券がある。これらの発券方法には、例えば、次のような特徴がある。
【0003】
有人による発券では、発券係員と利用者との間でコミュニケーションを取りながら指定席券の発券が行われるため、発券にあたり、利用者は特に操作を行う必要が無い。また、利用者が常連の場合は、よく利用する指定席を発券係員に覚えて貰えるので、発券が早くなる。しかしながら、コミュニケーションを取りながら発券が行われることから、基本的に発券に時間がかかる。また、利用者が常連の場合であっても、発券係員が別の人に変わってしまうと、同様の問題が発生する。
【0004】
自動発券機による発券では、利用者が単独で発券を行うことができる。また、発券係員が不要になるので、運営側は人件費を抑えることができる。また、発券に係る金額計算は、人が行う場合と異なり、間違いが無い。しかしながら、過去に何度も利用した同じ指定席の指定席券を発券する場合であっても利用者は同じ操作を繰り返す必要があるため、効率的ではないし、スピーディーな発券とは言えない。
【0005】
このような事情から、利用者の要望に沿った指定席券をスピーディーに発券できる仕組みの登場が望まれている。
【0006】
従来技術として、例えば、観劇やスポーツ観戦などの興行における座席をユーザに割り当てる技術(特許文献1参照)や、イベントを見るための席又はエリアに対するユーザの満足度を向上させる技術(特許文献2参照)や、飛行機等の乗物の顧客に、好みの座席を予約候補として提示する技術(特許文献3参照)や、会場内の座席情報をより効率的にユーザに提供する技術(特許文献4参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-176483号公報
【文献】国際公開第2015/016094号
【文献】特開2018-081682号公報
【文献】特表2018-500682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年では、公営競技場の指定席を利用する利用者の中に、その場(例えば「川崎」)で行われるレース間の空き時間を利用して他場(例えば「大井」)の投票券を購入する利用者が増えてきている。このような利用者は、よく購入する他場の投票券を発売する発売機が設置された場所(発売所)の近くの指定席を要望する場合が多い。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑み、利用者の要望に沿った指定席候補を案内することにより指定席券のスピーディーな発券が可能になる指定席候補抽出プログラム、指定席券発券プログラム、指定席候補抽出方法、指定席券発券方法、指定席候補抽出装置、及び指定席券発券装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
プログラムの一観点は、会員識別情報を取得し、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補を抽出する、という処理をプロセッサに実行させることを特徴とする指定席候補抽出プログラムである。
【0011】
プログラムの他の一観点は、会員識別情報を取得し、前記会員識別情報を指定席候補抽出装置に送信し、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補に関する情報を前記指定席候補抽出装置から受信し、前記指定席候補に関する情報に基づいて、前記会員に案内する指定席候補を、他の空席の指定席と区別可能に表示部に表示させ、前記表示部に表示させた前記指定席候補を含む空席の指定席の中から前記会員が購入する指定席を選択し、選択した前記指定席の指定席券を発券し、発券した前記指定席券の発券情報を前記指定席候補抽出装置に送信する、という処理をプロセッサに実行させ、前記指定席候補は、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記指定席候補抽出装置により抽出される、ことを特徴とする指定席券発券プログラムである。
【0012】
方法の一観点は、会員識別情報を取得し、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補を抽出する、ことを指定席候補抽出装置が行うことを特徴とする指定席候補抽出方法である。
【0013】
方法の他の一観点は、会員識別情報を取得し、前記会員識別情報を指定席候補抽出装置に送信し、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補に関する情報を前記指定席候補抽出装置から受信し、前記指定席候補に関する情報に基づいて、前記会員に案内する指定席候補を、他の空席の指定席と区別可能に表示部に表示させ、前記表示部に表示させた前記指定席候補を含む空席の指定席の中から前記会員が購入する指定席を選択し、選択した前記指定席の指定席券を発券し、発券した前記指定席券の発券情報を前記指定席候補抽出装置に送信する、ことを指定席券発券装置が行い、前記指定席候補は、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記指定席候補抽出装置により抽出される、ことを特徴とする指定席券発券方法である。
【0014】
装置の一観点は、会員識別情報を取得する情報取得部と、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報が記憶される指定席空席状況情報記憶部と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報が記憶される対応付け情報記憶部と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報が記憶される投票券購入回数情報記憶部と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報が記憶される指定席券購入回数情報記憶部と、前記指定席空席状況情報記憶部と、前記対応付け情報記憶部と、前記投票券購入回数情報記憶部と、前記指定席券購入回数情報記憶部の各記憶部に記憶された情報に基づいて、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補を抽出する指定席候補抽出部と、を備えることを特徴とする指定席候補抽出装置である。
【0015】
装置の他の一観点は、会員識別情報を取得する会員識別情報取得部と、前記会員識別情報を指定席候補抽出装置に送信する第1の送信部と、前記会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補に関する情報を前記指定席候補抽出装置から受信する受信部と、前記指定席候補に関する情報に基づいて、前記会員に案内する指定席候補を、他の空席の指定席と区別可能に表示部に表示させる表示制御部と、前記表示部に表示された前記指定席候補を含む空席の指定席の中から前記会員が購入する指定席を選択する選択部と、前記選択部により選択された指定席の指定席券を発券する発券部と、前記発券部により発券された指定席券の発券情報を前記指定席候補抽出装置に送信する第2の送信部と、を備え、前記指定席候補は、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報と、他場の名称と当該他場の投票券を発売する前記場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報と、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報と、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報とに基づいて、前記指定席候補抽出装置により抽出される、ことを特徴とする指定席券発券装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者の要望に沿った指定席候補を案内することにより指定席券のスピーディーな発券が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施の形態に係る公営競技システムの構成を例示する図である。
図2】一実施の形態に係る指定席券発券装置の外観構成を例示する図である。
図3】一実施の形態に係る投票券発券装置の外観構成を例示する図である。
図4】一実施の形態に係る指定席券発券装置のハードウェア構成を例示する図である。
図5】一実施の形態に係る投票券発券装置のハードウェア構成を例示する図である。
図6】一実施の形態に係る指定席管理サーバのハードウェア構成を例示する図である。
図7】公営競技場の指定席エリアを例示する図である。
図8】第1の指定席空席状況情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
図9】第2の指定席空席状況情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
図10】対応付け情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
図11】会員情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
図12】投票券購入回数情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
図13】指定席券購入回数情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
図14】一実施の形態に係る指定席管理サーバの指定席候補抽出機能に係る機能構成を例示する図である。
図15】一実施の形態に係る指定席券発券装置の指定席券発券機能に係る機能構成を例示する図である。
図16A】一実施の形態に係る指定席券発券装置の指定席券発券処理の流れを例示するフローチャート(その1)である。
図16B】一実施の形態に係る指定席券発券装置の指定席券発券処理の流れを例示するフローチャート(その2)である。
図17A】一実施の形態に係る指定席管理サーバの指定席候補抽出処理の流れを例示するフローチャート(その1)である。
図17B】一実施の形態に係る指定席管理サーバの指定席候補抽出処理の流れを例示するフローチャート(その2)である。
図17C】一実施の形態に係る指定席管理サーバの指定席候補抽出処理の流れを例示するフローチャート(その3)である。
図18】一実施の形態に係る指定席券発券装置の表示画面を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、一実施の形態に係る公営競技システムの構成を例示する図である。
【0020】
図1に例示した公営競技システム1は、複数の指定席券発券装置10と、指定席管理サーバ(指定席候補抽出装置の一例)20と、複数の投票券発券装置30と、中央サーバ(ホストサーバ)40を含む。
【0021】
指定席券発券装置10は、例えば指定席券発売機であり、投票券発券装置30は、例えば投票券発払機である。
【0022】
複数の指定席券発券装置10と、指定席管理サーバ20と、複数の投票券発券装置30は、公営競技場に設けられ、中央サーバ40は、中央センターに設けられる。
【0023】
中央センターは、投票券の発売や払戻し等を管理するセンターであって、中央サーバ40は、その管理に必要な処理を行う。
【0024】
複数の指定席券発券装置10と複数の投票券発券装置30は、指定席管理サーバ20と通信可能に接続される。また、複数の投票券発券装置30と指定席管理サーバ20は、ネットワーク50を介して、中央サーバ40と通信可能に接続される。
【0025】
ネットワーク50は、インターネットを含んでもよい。
【0026】
図2は、一実施の形態に係る指定席券発券装置の外観構成を例示する図である。
【0027】
図2に例示した指定席券発券装置10は、指定席券発券口101、硬貨投入口102、硬貨排出口103、紙幣投入排出口104、会員カードリーダ105、及び表示入力部106を備える。
【0028】
指定席券発券口101は、発券された指定席券の排出口である。
【0029】
硬貨投入口102は、硬貨の投入口である。
【0030】
硬貨排出口103は、返却硬貨や釣銭硬貨の排出口である。
【0031】
紙幣投入排出口104は、紙幣の投入口であると共に、返却紙幣や釣札紙幣の排出口でもある。
【0032】
会員カードリーダ105は、非接触型ICカードリーダであって、当該会員カードリーダ105に翳された非接触型ICカードである会員カードから情報(会員ID等)を読み取る。会員IDは、会員識別情報の一例である。
【0033】
表示入力部106は、操作画面等の各種画面の表示や、利用者からの操作入力の受け付けを行う。表示入力部106は、タッチパネル付きディスプレイであり、後述のディスプレイ112及びタッチパネル113により構成される。
【0034】
図3は、一実施の形態に係る投票券発券装置の外観構成を例示する図である。
【0035】
図3に例示した投票券発券装置30は、運用状況表示窓301、投票券投入排出口302、投票券発券口303、投票カード投入排出口304、紙幣投入排出口305、硬貨投入口306、硬貨排出口307、表示入力部308、及び会員カードリーダ309を備える。
【0036】
運用状況表示窓301は、投票券の発券受付中又は発券停止中、及び、投票券の払戻受付中又は払戻停止中等といった投票券発券装置30の運用状況を表示する。
【0037】
投票券投入排出口302は、払い戻しされる投票券の投入口であると共に、払戻不可の場合に返却される投票券の排出口でもある。払戻不可の場合とは、投入された投票券が不的中投票券であった場合等である。
【0038】
投票券発券口303は、発券された投票券の排出口である。
【0039】
投票カード投入排出口304は、投票カードの投入口であると共に、投票カード読取不可の場合に返却される投票カードの排出口でもある。投票カード読取不可の場合とは、投票カードにマークミスがある場合等である。
【0040】
紙幣投入排出口305は、紙幣の投入口であると共に、返却紙幣や釣札紙幣の排出口でもある。
【0041】
硬貨投入口306は、硬貨の投入口である。
【0042】
硬貨排出口307は、返却硬貨や釣銭硬貨の排出口である。
【0043】
表示入力部308は、操作画面等の各種画面の表示や、利用者からの操作入力の受け付けを行う。表示入力部308は、タッチパネル付きディスプレイであり、後述のディスプレイ312及びタッチパネル313により構成される。
【0044】
会員カードリーダ309は、非接触型ICカードリーダであって、当該会員カードリーダ309に翳された非接触型ICカードである会員カードから情報(会員ID等)を読み取る。
【0045】
図4は、一実施の形態に係る指定席券発券装置のハードウェア構成を例示する図である。
【0046】
図4に例示した指定席券発券装置10は、制御部111、ディスプレイ112、タッチパネル113、紙幣処理ユニット114、硬貨処理ユニット115、指定席券発券ユニット116、及び会員カードリーダ105を備える。
【0047】
制御部111は、プロセッサ121、RAM(Random Access Memory)122、記憶装置123、通信インタフェース124、グラフィック処理部125、及び入出力インタフェース126を備え、各々がバス127を介して接続されている。
【0048】
プロセッサ121は、CPU(Central Processing Unit)等であって、OS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラム(指定席券発券プログラムを含む)を実行することにより、指定席券発券装置10の動作を制御する。
【0049】
RAM122は、プロセッサ121により実行されるプログラムの一部が一時的に格納されたり、プロセッサ121の作業用記憶領域として使用されたりする。
【0050】
記憶装置123は、HDD(Hard Disk Drive)等であって、プロセッサ121により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データが記憶される。
【0051】
通信インタフェース124は、指定席管理サーバ20と通信を行う。
【0052】
グラフィック処理部125には、ディスプレイ112が接続されている。グラフィック処理部125は、プロセッサ121からの制御信号に従って各種画面をディスプレイ112に表示させる。
【0053】
入出力インタフェース126には、タッチパネル113、紙幣処理ユニット114、硬貨処理ユニット115、指定席券発券ユニット116、及び会員カードリーダ105が接続されている。また、入出力インタフェース126には、可搬型記録媒体への情報の書き込みや可搬型記録媒体からの情報の読み出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースの接続も可能になっている。入出力インタフェース126は、プロセッサ121からの制御信号をタッチパネル113、紙幣処理ユニット114、硬貨処理ユニット115、指定席券発券ユニット116、及び会員カードリーダ105に出力する。また、入出力インタフェース126は、タッチパネル113、紙幣処理ユニット114、硬貨処理ユニット115、指定席券発券ユニット116、及び会員カードリーダ105からの信号(データ、情報)をプロセッサ121に出力する。
【0054】
ディスプレイ112は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である。
【0055】
タッチパネル113は、当該タッチパネル113に対する操作入力を検出し、その検出結果をプロセッサ121に出力する。
【0056】
なお、タッチパネル113はディスプレイ112上に配置され、このようなディスプレイ112とタッチパネル113は、上述の表示入力部106を構成する。
【0057】
紙幣処理ユニット114は、紙幣を紙幣投入排出口104から入出金する。また、紙幣処理ユニット114は、入金紙幣の計数、鑑別や、出金紙幣の計数等を行う。
【0058】
硬貨処理ユニット115は、硬貨投入口102から硬貨を入金し、硬貨排出口103から硬貨を出金する。また、硬貨処理ユニット115は、入金硬貨の計数、鑑別や、出金硬貨の計数等を行う。
【0059】
指定席券発券ユニット116は、発券する指定席券の内容(席番号等)を所定の印刷媒体に印刷して指定席券として発券し、指定席券発券口101から排出する。
【0060】
会員カードリーダ105は、上述のとおり、当該会員カードリーダ105に翳された会員カードから情報を読み取る。
【0061】
図5は、一実施の形態に係る投票券発券装置のハードウェア構成を例示する図である。
【0062】
図5に例示した投票券発券装置30は、制御部311、ディスプレイ312、タッチパネル313、紙幣処理ユニット314、硬貨処理ユニット315、投票カード読取ユニット316、投票券発券ユニット317、払戻投票券読取ユニット318、及び会員カードリーダ309を備える。
【0063】
制御部311は、プロセッサ321、RAM322、記憶装置323、通信インタフェース324、グラフィック処理部325、及び入出力インタフェース326を備え、各々がバス327を介して接続されている。
【0064】
プロセッサ321は、CPU等であって、OSのプログラムやアプリケーションプログラムを実行することにより、投票券発券装置30の動作を制御する。
【0065】
RAM322は、プロセッサ321により実行されるプログラムの一部が一時的に格納されたり、プロセッサ321の作業用記憶領域として使用されたりする。
【0066】
記憶装置323は、HDD等であって、プロセッサ321により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データが記憶される。
【0067】
通信インタフェース324は、指定席管理サーバ20と通信すると共に、ネットワーク50を介して中央サーバ40と通信する。
【0068】
グラフィック処理部325には、ディスプレイ312が接続されている。グラフィック処理部325は、プロセッサ321からの制御信号に従って各種画面をディスプレイ312に表示させる。
【0069】
入出力インタフェース326には、タッチパネル313、紙幣処理ユニット314、硬貨処理ユニット315、投票カード読取ユニット316、投票券発券ユニット317、払戻投票券読取ユニット318、及び会員カードリーダ309が接続されている。また、入出力インタフェース326には、可搬型記録媒体への情報の書き込みや可搬型記録媒体からの情報の読み出しが可能な可搬型記録媒体インタフェースの接続も可能になっている。入出力インタフェース326は、プロセッサ321からの制御信号をタッチパネル313、紙幣処理ユニット314、硬貨処理ユニット315、投票カード読取ユニット316、投票券発券ユニット317、払戻投票券読取ユニット318、及び会員カードリーダ309に出力する。また、入出力インタフェース326は、タッチパネル313、紙幣処理ユニット314、硬貨処理ユニット315、投票カード読取ユニット316、投票券発券ユニット317、払戻投票券読取ユニット318、及び会員カードリーダ309からの信号(データ、情報)をプロセッサ321に出力する。
【0070】
ディスプレイ312は、例えばLCDである。
【0071】
タッチパネル313は、当該タッチパネル313に対する操作入力を検出し、その検出結果をプロセッサ321に出力する。
【0072】
なお、タッチパネル313はディスプレイ312上に配置され、このようなディスプレイ312とタッチパネル313は、上述の表示入力部308を構成する。
【0073】
紙幣処理ユニット314は、紙幣を紙幣投入排出口305から入出金する。また、紙幣処理ユニット314は、入金紙幣の計数、鑑別や、出金紙幣の計数等を行う。
【0074】
硬貨処理ユニット315は、硬貨を硬貨投入口306から入金したり、硬貨を硬貨排出口307から出金したりする。また、硬貨処理ユニット315は、入金硬貨の計数、鑑別や、出金硬貨の計数等を行う。
【0075】
投票カード読取ユニット316は、投票カードを投票カード投入排出口304から受け入れて、投票カードの内容(投票内容等)を読み取る。この読み取りは、例えばイメージスキャナを用いて行われる。また、投票カード読取ユニット316は、読取不可により返却する投票カードを投票カード投入排出口304に排出する。
【0076】
投票券発券ユニット317は、投票内容を所定の印刷媒体に印刷して投票券として発券し、投票券発券口303から排出する。投票内容は、例えば、投票カード読取ユニット316による投票カードの読取結果に基づくものである。
【0077】
払戻投票券読取ユニット318は、払い戻しされる投票券を投票券投入排出口302から受け入れて、投票券の内容(投票内容や券種等)を読み取る。この読み取りは、例えばイメージスキャナを用いて行われる。また、払戻投票券読取ユニット318は、払戻不可により返却する投票券を投票券投入排出口302に排出する。
【0078】
会員カードリーダ309は、上述のとおり、当該会員カードリーダ309に翳された会員カードから情報を読み取る。
【0079】
図6は、一実施の形態に係る指定席管理サーバのハードウェア構成を例示する図である。
【0080】
図6に例示した指定席管理サーバ20は、プロセッサ201、メモリ202、入力装置203、出力装置204、記憶装置205、可搬型記録媒体209が収納される可搬型記録媒体駆動装置(可搬型記録媒体インタフェースでもある)206、及び通信インタフェース207を備え、その各々がバス208を介して接続されている。
【0081】
プロセッサ201は、CPU等であって、OSのプログラムやアプリケーションプログラム(指定席候補抽出プログラムを含む)を実行することにより、指定席管理サーバ20の動作を制御する。
【0082】
メモリ202は、RAM及びROM(Read Only Memory)である。RAMは、プロセッサ201により実行されるプログラムの一部が一時的に格納されたり、プロセッサ201の作業用記憶領域として使用されたりする。ROMは、プロセッサ201により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データが記憶される。
【0083】
入力装置203は、タッチパネル、キーボード、マウス等である。
【0084】
出力装置204は、表示装置(例えばLCD)等である。
【0085】
記憶装置205は、HDD等である。記憶装置205は、第1の指定席空席状況情報が記憶される第1の指定席空席状況情報記憶領域と、第2の指定席空席状況情報が記憶される第2の指定席空席状況情報記憶領域と、対応付け情報が記憶される対応付け情報記憶領域と、会員情報が記憶される会員情報記憶領域と、投票券購入回数情報が記憶される投票券購入回数情報記憶領域と、指定席券購入回数情報が記憶される指定席券購入回数情報記憶領域を有する。これらの記憶領域の詳細については後述する。また、記憶装置205には、更に、プロセッサ201により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データが記憶されてもよい。
【0086】
可搬型記録媒体駆動装置206は、可搬型記録媒体209を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬型記録媒体209にも、プロセッサ201により実行されるプログラムや、プログラムの実行に必要な各種データが記憶されてもよい。可搬型記録媒体209は、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等であり、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等も含まれる。
【0087】
通信インタフェース207は、指定席券発券装置10や投票券発券装置30と通信すると共に、ネットワーク50を介して中央サーバ40等と通信する。
【0088】
図7は、公営競技場の指定席エリアを例示する図である。
【0089】
図7に例示した指定席エリア60には、入口付近に設置された指定席券発券装置10と、他場投票券を発売する4つの投票所(投票券発売所)A、B、C、及びDと、縦方向席番号A~I番と横方向席番号1~20番とによって位置が特定される180席の指定席が設けられている。なお、入口付近に設置される指定席券発券装置10は複数でもよい。
【0090】
各投票所には、3台の投票券発券装置30(図7ではスペースの都合から「投票装置」と記す)が設けられて他場投票券の発売が行われる。詳しくは、投票所Aでは、他場である「大井」の投票券が発売される(「大井競馬発売」)。投票所Bでは、他場である「園田」の投票券が発売される(「園田競馬発売」)。投票所Cでは、他場である「名古屋」の投票券が発売される(「名古屋競馬発売」)。投票所Dでは、他場である「佐賀」の投票券が発売される(「佐賀競馬発売」)。
【0091】
180席の指定席は、4つの指定席ブロック(以下単に「ブロック」という)に区分されている。詳しくは、縦方向席番号がA~I番であって横方向席番号が1~5番の45席の指定席は、ブロック番号1のブロックに区分され、縦方向席番号がA~I番であって横方向席番号が6~10番の45席の指定席は、ブロック番号2のブロックに区分され、縦方向席番号がA~I番であって横方向席番号が11~15番の45席の指定席は、ブロック番号3のブロックに区分され、縦方向席番号がA~I番であって横方向席番号が16~20番の45席の指定席は、ブロック番号4のブロックに区分される。
【0092】
また、180席の指定席は、席の位置の高さという観点から、高位置、中位置、及び低位置という3種類の席種別がある。詳しくは、縦方向席番号がA~C番であって横方向席番号が1~20番の60席の指定席は、席種別が高位置の指定席とされ、縦方向席番号がD~F番であって横方向席番号が1~20番の60席の指定席は、席種別が中位置の指定席とされ、縦方向席番号がG~I番であって横方向席番号が1~20番の60席の指定席は、席種別が低位置の指定席とされる。
【0093】
また、180席の指定席は、席の位置が通路側であるか中央側であるかという観点から、通路側及び中央側という2種類の席種別がある。詳しくは、縦方向席番号がA~I番であって横方向席番号が1、5、6、10、11、15、16、及び20番の72席の指定席は、席種別が通路側の指定席とされ、それ以外の指定席である、縦方向席番号がA~I番であって横方向席番号が2~4番、7~9番、12~14番、及び17~19番の108席の指定席は、席種別が中央側の指定席とされる。
【0094】
これにより、180席の指定席の席種別は、高位置、中位置、及び低位置という3種類の席種別と、通路側及び中央側という2種類の席種別の組み合わせによって、高位置通路側、高位置中央側、中位置通路側、中位置中央側、低位置通路側、及び低位置中央側という6種類の席種別があることになる。
【0095】
また、180席の指定席は、4つのブロックと6種類の席種別の観点から、24の指定席グループ(以下単に「グループ」という)にも区分されている。
【0096】
詳しくは、ブロック番号1のブロックにおいて、席種別が高位置通路側の指定席は、グループ番号1のグループに区分され、席種別が高位置中央側の指定席は、グループ番号2のグループに区分され、席種別が中位置通路側の指定席は、グループ番号3のグループに区分され、席種別が中位置中央側の指定席は、グループ番号4のグループに区分され、席種別が低位置通路側の指定席は、グループ番号5のグループに区分され、席種別が低位置中央側の指定席は、グループ番号6のグループに区分される。これにより、ブロック番号1のブロックは、グループ番号1~6のグループに対応する。
【0097】
また、ブロック番号2のブロックにおいて、席種別が高位置通路側の指定席は、グループ番号7のグループに区分され、席種別が高位置中央側の指定席は、グループ番号8のグループに区分され、席種別が中位置通路側の指定席は、グループ番号9のグループに区分され、席種別が中位置中央側の指定席は、グループ番号10のグループに区分され、席種別が低位置通路側の指定席は、グループ番号11のグループに区分され、席種別が低位置中央側の指定席は、グループ番号12のグループに区分される。これにより、ブロック番号2のブロックは、グループ番号7~12のグループに対応する。
【0098】
また、ブロック番号3のブロックにおいて、席種別が高位置通路側の指定席は、グループ番号13のグループに区分され、席種別が高位置中央側の指定席は、グループ番号14のグループに区分され、席種別が中位置通路側の指定席は、グループ番号15のグループに区分され、席種別が中位置中央側の指定席は、グループ番号16のグループに区分され、席種別が低位置通路側の指定席は、グループ番号17のグループに区分され、席種別が低位置中央側の指定席は、グループ番号18のグループに区分される。これにより、ブロック番号3のブロックは、グループ番号13~18のグループに対応する。
【0099】
また、ブロック番号4のブロックにおいて、席種別が高位置通路側の指定席は、グループ番号19のグループに区分され、席種別が高位置中央側の指定席は、グループ番号20のグループに区分され、席種別が中位置通路側の指定席は、グループ番号21のグループに区分され、席種別が中位置中央側の指定席は、グループ番号22のグループに区分され、席種別が低位置通路側の指定席は、グループ番号23のグループに区分され、席種別が低位置中央側の指定席は、グループ番号24のグループに区分される。これにより、ブロック番号4のブロックは、グループ番号19~24のグループに対応する。
【0100】
このような指定席エリア60では、ブロック番号1のブロックは、投票所Aの最寄りのブロックとなり、ブロック番号2のブロックは、投票所Bの最寄りのブロックとなり、ブロック番号3のブロックは、投票所Cの最寄りのブロックとなり、ブロック番号4のブロックは、投票所Dの最寄りのブロックとなる。そのため、例えば、「大井」の投票券をよく購入する利用者は、「大井」の投票券が発売される投票所Aの最寄りのブロック番号1のブロックの指定席券を購入する可能性が高いと言える。
【0101】
図8は、第1の指定席空席状況情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
【0102】
図8に例示した第1の指定席空席状況情報記憶領域には、第1の指定席空席状況情報として、各指定席の席番号、席種別、状態、及びグループ番号に関する情報がグループ番号順に並べて記憶されている。ここで、状態は、指定席が「空」(空席)であるか「済」(非空席)であるかを示す。「空」は、その指定席券が購入されていない状態を示し、「済」は、その指定席券が購入されている状態を示す。
【0103】
図8の例示によれば、例えば、席番号「A1」の指定席は、状態が「済」であるので、その指定席券が購入されている状態であることを示す。なお、席番号「A1」は、縦方向席番号がA番で横方向席番号が1番であることを示す。
【0104】
図9は、第2の指定席空席状況情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
【0105】
図9に例示した第2の指定席空席状況情報記憶領域には、第2の指定席空席状況情報として、各グループの席種別及び空席数に関する情報がグループ番号順に並べて記憶されている。
【0106】
図9の例示によれば、例えば、グループ番号「1」のグループの指定席(ブロック番号1の席種別が「高位置通路側」の指定席でもある)において、空席数が「3」であることを示している。
【0107】
なお、第2の指定席空席状況情報記憶領域に記憶される第2の指定席空席状況情報は、例えば、第1の指定席空席状況情報記憶領域に記憶された第1の指定席空席状況情報に基づいて生成される。
【0108】
図10は、対応付け情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
【0109】
図10に例示した対応付け情報記憶領域には、対応付け情報として、他場名(他場の名称)と、当該他場の投票券を発売する場内(ここでは指定席エリア60でもある)の投票所の最寄りのブロックのブロック番号との対応付けに関する情報が記憶されている。
【0110】
図10の例示によれば、他場名「大井」とブロック番号「1」とが対応付けられ、他場名「園田」とブロック番号「2」とが対応付けられ、他場名「名古屋」とブロック番号「3」とが対応付けられ、他場名「佐賀」とブロック番号「4」とが対応付けられていることを示す。
【0111】
図11は、会員情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
【0112】
図11に例示した会員情報記憶領域には、会員情報として、各会員の会員ID及び氏名に関する情報が記憶されている。この例示では、総会員数が10名である(図12及び図13の例示でも同様)。
【0113】
図11の例示によれば、例えば、会員IDが「001」の会員の氏名が「A」であることを示している。
【0114】
図12は、投票券購入回数情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
【0115】
図12に例示した投票券購入回数情報記憶領域には、投票券購入回数情報として、各会員の場毎の過去の投票回数(投票券購入回数)に関する情報が、会員毎に投票回数が多い順に並べて記憶されている。
【0116】
なお、この例示では、投票券購入回数情報記憶領域において、会員一人当たりに与えられるレコード数は8つとされて、1つ目~7つ目のレコードは登録可能(使用可能)とされ、8つ目のレコードは未使用(使用不可)とされる。従って、会員一人当たりの登録可能場数は最大で7とされる。未登録又は未使用のレコードは空欄(スペース、null)とされる。
【0117】
図12の例示によれば、例えば、会員ID「001」の会員は、場「園田」での過去の投票回数が「35」回、場「名古屋」での過去の投票回数が「18」回、場「大井」での過去の投票回数が「15」回、場「川崎」での過去の投票回数が「10」回、場「浦和」での過去の投票回数が「4」回、場「船橋」での過去の投票回数が「3」回であることを示している。
【0118】
図13は、指定席券購入回数情報記憶領域のデータ構造を例示する図である。
【0119】
図13に例示した指定席券購入回数情報記憶領域には、指定席券購入回数情報として、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する情報が、会員毎に指定席券購入回数が多い順に並べて記憶されている。
【0120】
なお、この例示では、席種別が全部で6種類であるので、会員一人当たりに与えられるレコード数は6つとされる。また、席種別及び指定席券購入回数の空欄(スペース、null)は、席種別及び指定席券購入回数が未登録な状態を示している。
【0121】
図13の例示によれば、例えば、会員ID「001」の会員は、席種別「高位置通路側」の指定席券購入回数が「38」回、席種別「高位置中央側」の指定席券購入回数が「24」回、席種別「中位置通路側」の指定席券購入回数が「12」回、席種別「中位置中央側」の指定席券購入回数が「8」回であることを示している。
【0122】
なお、このような指定席券購入回数情報は、各会員の席種別の嗜好を表す情報でもある。
【0123】
図14は、一実施の形態に係る指定席管理サーバの指定席候補抽出機能に係る機能構成を例示する図である。
【0124】
図14に例示した指定席管理サーバ20は、指定席空席状況情報記憶部211、対応付け情報記憶部212、投票券購入回数情報記憶部213、指定席券購入回数情報記憶部214、情報取得部215、指定席候補抽出部216、送信部217、及び更新部218を備える。
【0125】
指定席空席状況情報記憶部211には、場内の指定席の空席状況に関する指定席空席状況情報が記憶される。指定席空席状況情報記憶部211は、例えば、記憶装置205の第1の指定席空席状況情報記憶領域と第2の指定席空席状況情報記憶領域に対応する。
【0126】
対応付け情報記憶部212には、他場の名称と当該他場の投票券を発売する場内の発売所の最寄りの指定席ブロックとの対応付けに関する対応付け情報が記憶される。対応付け情報記憶部212は、例えば、記憶装置205の対応付け情報記憶領域に対応する。
【0127】
投票券購入回数情報記憶部213には、各会員の場毎の過去の投票券購入回数に関する投票券購入回数情報が記憶される。投票券購入回数情報記憶部213は、例えば、記憶装置205の投票券購入回数情報記憶領域に対応する。
【0128】
指定席券購入回数情報記憶部214には、各会員の席種別毎の過去の指定席券購入回数に関する指定席券購入回数情報が記憶される。指定席券購入回数情報記憶部214は、例えば、記憶装置205の指定席券購入回数情報記憶領域に対応する。
【0129】
情報取得部215は、会員識別情報を取得する。情報取得部215により取得される会員識別情報は、例えば、指定席券発券装置10により取得された会員識別情報である。また、情報取得部215は、会員が指定席券発券装置10で購入した指定席券の発券情報も取得する。また、情報取得部215は、会員が投票券発券装置30で購入した投票券の発券情報も取得する。情報取得部215は、例えば、通信インタフェース207に対応する。
【0130】
指定席候補抽出部216は、指定席空席状況情報記憶部211、対応付け情報記憶部212、投票券購入回数情報記憶部213、及び指定席券購入回数情報記憶部214の各記憶部に記憶された情報に基づいて、情報取得部215により取得された会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補を抽出する。指定席候補は、例えば、対応付け情報記憶部212に記憶された対応付け情報に名称が含まれる他場のうちで会員の過去の投票券購入回数が最も多い場の投票券を発売する場内の発売所の最寄りの指定席ブロックに含まれる空席の指定席であって、当該空席の指定席のうちで会員の過去の指定席券購入回数が最も多い席種別の指定席である。指定席候補抽出部216は、例えば、プロセッサ201の機能の一部に対応する。
【0131】
送信部217は、指定席候補抽出部216により抽出された指定席候補に関する情報を指定席券発券装置10に送信する。送信部217は、例えば、通信インタフェース207に対応する。
【0132】
更新部218は、情報取得部215により取得された指定席券の発券情報に基づいて、指定席空席状況情報記憶部211に記憶された指定席空席状況情報及び指定席券購入回数情報記憶部214に記憶された指定席券購入回数情報を更新する。また、更新部218は、情報取得部215により取得された投票券の発券情報に基づいて、投票券購入回数情報記憶部213に記憶された投票券購入回数情報を更新する。更新部218は、例えば、プロセッサ201の機能の一部に対応する。
【0133】
図15は、一実施の形態に係る指定席券発券装置の指定席券発券機能に係る機能構成を例示する図である。
【0134】
図15に例示した指定席券発券装置10は、会員識別情報取得部131、第1の送信部132、受信部133、表示制御部134、表示部135、選択部136、発券部137、及び第2の送信部138を備える。
【0135】
会員識別情報取得部131は、会員識別情報を取得する。会員識別情報取得部131は、例えば、会員カードリーダ105に対応する。
【0136】
第1の送信部132は、会員識別情報取得部131により取得された会員識別情報を指定席管理サーバ20に送信する。第1の送信部132は、例えば、通信インタフェース124に対応する。
【0137】
受信部133は、会員識別情報取得部131により取得された会員識別情報に対応する会員に案内する指定席候補に関する情報を指定席管理サーバ20から受信する。受信部133は、例えば、通信インタフェース124に対応する。
【0138】
表示制御部134は、受信部133により受信された指定席候補に関する情報に基づいて、会員に案内する指定席候補を、他の空席の指定席と区別可能に表示部135に表示させる。表示制御部134は、例えば、プロセッサ121の機能の一部に対応する。表示部135は、例えば、ディスプレイ112に対応する。
【0139】
選択部136は、表示部135に表示された指定席候補を含む空席の指定席の中から会員が購入する指定席を選択する。選択部136は、例えば、タッチパネル113に対応する。
【0140】
発券部137は、選択部136により選択された指定席の指定席券を発券する。発券部137は、例えば、指定席券発券ユニット116に対応する。
【0141】
第2の送信部138は、発券部137により発券された指定席券の発券情報を指定席管理サーバ20に送信する。第2の送信部138は、例えば、通信インタフェース124に対応する。
【0142】
次に、公営競技システム1において実行される処理について説明する。
【0143】
ここでは、会員が会員カードを用いて指定席券発券装置10で指定席券を購入する場合の処理について、図16図18を用いて説明する。
【0144】
図16A及び図16Bは、一実施の形態に係る指定席券発券装置の指定席券発券処理の流れを例示するフローチャートである。図17A図17B、及び図17Cは、一実施の形態に係る指定席管理サーバの指定席候補抽出処理の流れを例示するフローチャートである。図18は、一実施の形態に係る指定席券発券装置の表示画面を例示する図である。
【0145】
公営競技システム1において、指定席券発券装置10は、処理を開始すると、図16Aに例示したように、まず、図18に例示した会員カード案内画面141を表示入力部106に表示し(S101)、会員カードリーダ105に会員カードが翳されたか否かを判定する(S102)。
【0146】
S102の判定結果がNOの場合は、本判定を繰り返す。
【0147】
一方、S102の判定結果がYESの場合、指定席券発券装置10は、会員カードリーダ105に翳された会員カードから会員IDを含む情報を読み取る(S103)。
【0148】
次に、指定席券発券装置10は、送信会員ID(送信対象の会員ID)として、S103で読み取った会員IDを設定して(S104)、当該送信会員IDを含む電文を指定席管理サーバ20に送信する(S105)。
【0149】
他方、指定席管理サーバ20は、処理を開始すると、図17Aに例示したように、まず、初期設定を行う(S201)。この初期設定では、例えば、記憶装置205に記憶された第1の指定席空席状況情報(例えば図8参照)の全ての席番号の状態を「空」に設定し、空席カウンタC=180に設定する。空席カウンタCは、指定席の空席数を表す変数である。また、記憶装置205に記憶された第2の指定席空席状況情報(例えば図9参照)の各グループ番号の空席数として、全ての指定席の状態が「空」である場合の空席数を設定する。これにより、例えば、グループ番号「1」の空席数として「6」が設定される。また、記憶装置205に記憶された対応付け情報(例えば図10参照)の他場名とブロック番号として、本日に公営競技が開催される他場と当該他場の投票券を発売する投票所の最寄りのブロックのブロック番号を設定する。この対応付け情報に係る設定は、例えば、出力装置204に表示された入力画面に対するオペレータの入力操作に応じて行われてもよい。
【0150】
次に、指定席管理サーバ20は、会員IDを含む電文を指定席券発券装置10から受信したか否かを判定する(S202)。
【0151】
S202の判定結果がNOの場合は、本判定を繰り返す。
【0152】
一方、S202の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、空席カウンタC=0であるか否かを判定する(S203)。
【0153】
S203の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、送信処理種別(送信対象の処理種別)として「2」を設定し(S204)、当該送信処理種別を含む応答電文を指定席券発券装置10に送信して(S205)、処理がS202に戻る。
【0154】
一方、S203の判定結果がNOの場合、指定席管理サーバ20は、i=1に設定する(S206)。ここで、iは、記憶装置205に記憶された会員情報(例えば図11参照)に含まれる会員IDの検索に使用される変数である。
【0155】
次に、指定席管理サーバ20は、受信会員ID(S202で受信した会員ID)が、会員情報(i)の会員IDであるか否かを判定する(S207)。ここで、会員情報(i)の会員IDとは、会員情報のi番目のレコードの会員IDであることを示す。例えば、図11の例示において、i=2の場合の会員IDは「002」である。
【0156】
S207の判定結果がNOの場合、指定席管理サーバ20は、i=i+1に設定し(S208)、処理がS207に戻る。
【0157】
一方、S207の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、j=1に設定する(S209)。ここで、jは、記憶装置205に記憶された投票券購入回数情報(例えば図12参照)に含まれる場名の検索に使用される変数である。
【0158】
次に、指定席管理サーバ20は、投票券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の場名がスペース(空欄、null)であるか否かを判定する(S210)。ここで、投票券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の場名とは、投票券購入回数情報の会員情報(i)の会員IDのj番目のレコードの場名であることを示す。例えば、図11図12の例示において、i=2、j=3の場合の場名は「浦和」である。
【0159】
S210の判定結果がYESの場合は、処理が図17CのS225に進む。
【0160】
一方、S210の判定結果がNOの場合、指定席管理サーバ20は、k=1に設定する(S211)。ここで、kは、記憶装置205に記憶された対応付け情報(例えば図10参照)に含まれる他場名の検索に使用される変数である。
【0161】
次に、指定席管理サーバ20は、投票券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の場名が、対応付け情報(k)の他場名であるか否かを判定する(S212)。ここで、対応付け情報(k)の他場名とは、対応付け情報のk番目のレコードの他場名であることを示す。例えば、図10の例示において、k=3の場合の他場名は「名古屋」である。
【0162】
S212の判定結果がYESの場合は、処理が図17BのS216に進む。
【0163】
S212の判定結果がNOの場合、指定席管理サーバ20は、k=k+1に設定し(S213)、k≦4であるか否かを判定する(S214)。
【0164】
S214の判定結果がYESの場合は、処理がS212に戻る。
【0165】
一方、S214の判定結果がNOの場合、指定席管理サーバ20は、j=j+1に設定し(S215)、処理がS210に戻る。
【0166】
上述のS212の判定結果がYESの場合は、図17Bに例示したように、指定席管理サーバ20は、j=1に設定する(S216)。ここで、jは、記憶装置205に記憶された指定席券購入回数情報(例えば図13参照)に含まれる席種別の検索に使用される変数である。
【0167】
次に、指定席管理サーバ20は、j≦6であるか否かを判定する(S217)。
【0168】
S217の判定結果がNOの場合は、処理が図17CのS225に進む。
【0169】
一方、S217の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、p=1に設定する(S218)。ここで、pは、記憶装置205に記憶された第2の指定席空席状況情報(例えば図9参照)に含まれる席種別の検索に使用される変数である。
【0170】
次に、指定席管理サーバ20は、指定席券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の席種別が、第2の指定席空席状況情報(対応付け情報(k)のブロック番号,p)の席種別であるか否かを判定する(S219)。ここで、指定席券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の席種別とは、指定席券購入回数情報の会員情報(i)の会員IDのj番目のレコードの席種別であることを示す。例えば、図11及び図13の例示において、i=2、j=3の場合の席種別は「高位置中央側」である。また、第2の指定席空席状況情報(対応付け情報(k)のブロック番号,p)の席種別とは、第2の指定席空席状況情報の対応付け情報(k)のブロック番号に対応するグループ番号のレコードにおけるp番目のレコードの席種別であることを示す。例えば、図9及び図10の例示において、k=2、p=2の場合の席種別は「高位置中央側」である。
【0171】
S219の判定結果がNOの場合、指定席管理サーバ20は、p=p+1に設定し(S220)、処理がS219に戻る。
【0172】
一方、S219の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、第2の指定席空席状況情報(対応付け情報(k)のブロック番号,p)の空席数が0であるか否かを判定する(S221)。
【0173】
S221の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、j=j+1に設定し(S222)、処理がS217に戻る。
【0174】
一方、S221の判定結果がNOの場合、指定席管理サーバ20は、送信文言(送信対象の文言)として、「”対応付け情報(k)の他場名”の投票券を発売する投票所の最寄りに空席が有ります。」を設定する(S223)。例えば、k=1の場合は、送信文言として、「”大井”の投票券を発売する投票所の最寄りに空席が有ります。」が設定される。
【0175】
次に、指定席管理サーバ20は、送信グループ番号(送信対象のグループ番号)として、第2の指定席空席状況情報(対応付け情報(k)のブロック番号,p)のグループ番号を設定する(S224)。例えば、図9及び図10の例示において、k=2、p=2の場合は、送信グループ番号として「8」が設定される。ここで、送信グループ番号として設定される、第2の指定席空席状況情報(対応付け情報(k)のブロック番号,p)のグループ番号のグループの空席の指定席は、会員情報(i)の会員IDに対応する会員に案内する指定席候補の一例である。従って、送信グループ番号が設定されることは、指定席候補が抽出されることでもある。
【0176】
S224の後は、処理が図17CのS225に進む。
【0177】
上述のS210の判定結果がYESの場合、上述のS217の判定結果がNOの場合、又は上述のS224の後は、図17Cに例示したように、指定席管理サーバ20は、送信対象の第1の指定席空席状況情報として、現時点の第1の指定席空席状況情報を設定する(S225)。
【0178】
次に、指定席管理サーバ20は、送信処理種別として「1」を設定し(S226)、当該送信処理種別と、S225で設定した送信対象の第1の指定席空席状況情報とを含む応答電文を指定席券発券装置10に送信する(S227)。但し、S225がS224の後に行われていた場合には、S227で送信される応答電文に、更に、S223で設定した送信文言及びS224で設定した送信グループ番号が含まれる。この場合の応答電文に含まれる送信文言、送信グループ番号、及び第1の指定席空席状況情報は、指定席候補に関する情報の一例である。また、S227で送信される応答電文には、会員情報(i)の氏名が含まれてもよい。
【0179】
他方、指定席券発券装置10は、図16AのS105で指定席管理サーバ20に電文を送信した後、指定席管理サーバ20から応答電文を受信したか否かを判定する(S106)。
【0180】
S106の判定結果がNOの場合は、本判定を繰り返す。
【0181】
一方、S106の判定結果がYESの場合は、受信処理種別(受信した応答電文に含まれる処理種別)が「1」であるか否かを判定する(S107)。
【0182】
S107の判定結果がNOの場合(受信処理種別が「2」の場合)、指定席券発券装置10は、指定席が満席であることを案内する案内画面を表示入力部106に表示し(S108)、処理がS101に戻る。
【0183】
一方、S107の判定結果がYESの場合、指定席券発券装置10は、受信した応答電文に含まれる第1の指定席空席状況情報に基づいて、指定席空席状況画面を生成する(S109)。指定席空席状況画面には、各指定席の空席状況(空席であるか否か)が表される。例えば、非空席の指定席は、グレーアウトされて表される。
【0184】
次に、指定席券発券装置10は、受信グループ番号有りか否か(受信した応答電文にグループ番号が含まれているか否か)を判定する(S110)。
【0185】
S110の判定結果がYESの場合、指定席券発券装置10は、指定席空席状況画面に表される指定席において、受信グループ番号(受信した応答電文に含まれるグループ番号)のグループの指定席における空席の指定席を、他の空席の指定席と区別可能にブリンク設定する(S111)。
【0186】
次に、指定席券発券装置10は、指定席空席状況画面に表される文言として、受信文言(受信した応答電文に含まれる文言)を設定する(S112)。
【0187】
S112の後、又は、S110の判定結果がNOの場合、指定席券発券装置10は、S109で生成した指定席空席状況画面を表示入力部106に表示する(S113)。但し、S111及びS112での設定が為されていた場合には、その設定に従って、図18に例示した指定席空席状況画面142のように、該当する空席の指定席(この例では「高位置通路側」で空席であるA1の指定席)がブリンク表示されると共に該当する文言(この例では「”大井”の投票券を発売する投票所の最寄りに空席が有ります。」)が表示される。図18に例示した指定席空席状況画面142において、会員の名前(「〇〇〇〇」)は、例えば、受信した応答電文に含まれる氏名としてもよいし、S103で会員カードから読み出された情報に含まれる氏名としてもよい。
【0188】
なお、S113で表示される指定席空席状況画面では、ブロック毎に指定席が表示され、左右の矢印ボタンの押下により、別のブロックの指定席を表示させることができる。また、空席の指定席(ブリンク表示されている指定席を含む)の何れかを押下(選択)して「決定」ボタンを押下することにより、その指定席の指定席券の購入が可能である。また、「取消」ボタンの押下により、指定席券の購入手続きの取り消しが可能である。
【0189】
S113の後は、図16Bに例示したように、指定席券発券装置10は、表示入力部106に表示された指定席空席状況画面において、「決定」ボタンと「取消」ボタンの何れか一方のボタンが押下されたか否かを判定する(S114)。
【0190】
S114の判定結果がNOの場合は、本判定を繰り返す。
【0191】
一方、S114の判定結果がYESの場合、指定席券発券装置10は、押下されたボタンが「決定」ボタンであるか否かを判定する(S115)。
【0192】
S115の判定結果がNOの場合(「取消」ボタンである場合)、指定席券発券装置10は、送信処理結果(送信対象の処理結果)として「取消」を設定して(S116)、当該送信処理結果を含む電文を指定席管理サーバ20に送信し(S117)、処理が図16AのS101に戻る。
【0193】
一方、S115の判定結果がYESの場合、指定席券発券装置10は、図18に例示した発券中画面143を表示入力部106に表示する(S118)。
【0194】
次に、指定席券発券装置10は、「決定」ボタンが押下された際に選択されていた指定席の指定席券を発券し、指定席券発券口101に排出する(S119)。
【0195】
次に、指定席券発券装置10は、送信席番号(送信対象の席番号)として、「決定」ボタンが押下された際に選択されていた指定席の席番号を設定すると共に、送信処理結果として「発券」を設定して(S120)、当該送信処理結果と送信席番号とを含む電文を指定席管理サーバ20に送信する(S121)。
【0196】
次に、指定席券発券装置10は、図18に例示した終了画面144を表示入力部106に表示する(S122)。
【0197】
次に、指定席券発券装置10は、指定席券発券口101に排出された指定席券が抜き取られたか否かを判定する(S123)。
【0198】
S123の判定結果がNOの場合は、本判定を繰り返す。
【0199】
一方、S123の判定結果がYESの場合は、処理が図16AのS101に戻る。
【0200】
他方、指定席管理サーバ20は、図17CのS227で指定席券発券装置10に応答電文を送信した後、その指定席券発券装置10から、処理結果(処理結果を含む電文)を受信したか否かを判定する(S228)。
【0201】
S228の判定結果がNOの場合は、本判定を繰り返す。
【0202】
一方、S228の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、受信処理結果(受信した電文に含まれる処理結果)が「取消」であるか否かを判定する(S229)。
【0203】
S229の判定結果がYESの場合は、処理が図17AのS202に戻る。
【0204】
一方、S229の判定結果がNOの場合(受信処理結果が「発券」の場合)、指定席管理サーバ20は、空席カウンタC=空席カウンタC-1に設定する(S230)。
【0205】
次に、指定席管理サーバ20は、第1の指定席空席状況情報の受信席番号(受信した電文に含まれる席番号)の状態を「済」に設定(更新)する(S231)。
【0206】
次に、指定席管理サーバ20は、qに、第1の指定席空席状況情報の受信席番号のグループ番号を設定する(S232)。
【0207】
次に、指定席管理サーバ20は、第2の指定席空席状況情報のグループ番号qの空席数を、当該空席数-1に設定(更新)する(S233)。
【0208】
次に、指定席管理サーバ20は、j=1に設定する(S234)。ここで、jは、指定席券購入回数情報に含まれる席種別の検索に使用される変数である。
【0209】
次に、指定席管理サーバ20は、指定席券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の席種別が、第1の指定席空席状況情報の受信席番号の席種別であるか否かを判定する(S235)。
【0210】
S235の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、指定席券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の指定席券購入回数を、当該回数+1に設定(更新)する(S236)。また、S236では、指定席券購入回数情報の会員情報(i)の会員IDのレコードを、指定席券購入回数が多い順に並べ変える。なお、このときの並べ替えによって、結果として順番が入れ替わらない場合もある。
【0211】
S236の後は、処理が図17AのS202に戻る。
【0212】
一方、S235の判定結果がNOの場合、指定席管理サーバ20は、j=j+1に設定し(S237)、指定席券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の席種別がスペースであるか否かを判定する(S238)。
【0213】
S238の判定結果がNOの場合は、処理がS235に戻る。
【0214】
一方、S238の判定結果がYESの場合、指定席管理サーバ20は、指定席券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の席種別に、第1の指定席空席状況情報の受信席番号の席種別を新たに設定(更新)する(S239)。
【0215】
次に、指定席管理サーバ20は、指定席券購入回数情報(会員情報(i)の会員ID,j)の指定席券購入回数に1を設定(更新)し(S240)、処理が図17AのS202に戻る。
【0216】
以上の処理が、会員が会員カードを用いて指定席券発券装置10で指定席券を購入する場合の処理である。
【0217】
また、公営競技システム1では、会員が会員カードを用いて投票券発券装置30で投票券を購入した場合に、次のような処理も行われる。
【0218】
まず、投票券発券装置30は、会員が購入した投票券の投票情報(場名を含む)と、会員カードから読み取られた会員IDを含む電文を指定席管理サーバ20に送信する。
【0219】
この電文を受信した指定席管理サーバ20は、受信した電文に含まれる会員IDと投票情報に基づいて、記憶装置205に記憶された投票券購入回数情報を更新する。
【0220】
詳しくは、指定席管理サーバ20は、まず、投票券購入回数情報に、受信会員ID(受信した電文に含まれる会員ID)の受信場名(受信した電文に含まれる投票情報に含まれる場名)が含まれているか否かを判定する。
【0221】
この判定において、投票券購入回数情報に受信会員IDの受信場名が含まれていた場合には、投票券購入回数情報の受信会員IDの受信場名の投票回数を、当該投票回数+1に設定(更新)すると共に、投票券購入回数情報の受信会員IDのレコードを、投票回数が多い順に並べ変える。なお、このときの並べ替えによって、結果として順番が入れ替わらない場合もある。
【0222】
一方、投票券購入回数情報に受信会員IDの受信場名が含まれていない場合には、投票券購入回数情報の受信会員IDのレコードにおける最も投票回数が少ないレコードの次のレコードに、場名として受信場名を設定し、投票回数として「1」を設定(更新)する。但し、投票券購入回数情報の受信会員IDのレコードに空き(使用可能なレコード)が無い場合は、例えば、投票券購入回数情報の更新を行わない。
【0223】
以上のように、公営競技システム1によれば、会員が会員カードを用いて指定席券発券装置10で指定席券を購入する場合に、その会員がよく購入する他場の投票券を発売する投票所の最寄りであって且つその会員がよく利用する席種別の空席の指定席を案内することができる。従って、例えば、レース間の空き時間を利用して他場の投票券をよく購入するような会員の要望に沿った空席の指定席を案内することができ、そのような会員に対して指定席券のスピーディーな発券が可能になる。このような会員は所謂常連であり、常連が希望の指定席券を購入し易くなることで、指定席利用者の確保や指定席券の売上増を見込める。また、スピーディーな発券が可能になることに伴い、指定席券発券装置10の導入台数の削減等といった運用コストの削減が可能になる。また、指定席券発売の回転率が上がるので、指定席券購入の行列や時間の緩和が可能になる。
【0224】
なお、上述の公営競技システム1は、変形が可能である。
【0225】
例えば、指定席券発券装置10や投票券発券装置30において、会員IDを取得する方式は、非接触型ICカードである会員カードから会員IDを非接触型ICカードリーダにより読み取る方式に限らず、他の方式により取得されてもよい。例えば、接触型ICカード又は磁気カード(磁気ストライプカード)である会員カードから会員IDを接触型ICカードリーダ又は磁気カードリーダにより読み取る方式でもよいし、会員が会員IDを直接入力する方式でもよい。或いは、指定席券発券装置10や投票券発券装置30において、会員の生体情報(顔画像、手のひらの静脈パターンデータ等)を取得し、当該生体情報を外部装置(本人認証サーバ等)に送信し、当該外部装置により当該生体情報に対応する会員IDが取得される方式でもよい。この場合は、その外部装置により取得された会員IDが指定席管理サーバ20に送信されるようにしてもよい。
【0226】
また、例えば、指定席券発券装置10に表示される指定席空席状況画面(例えば図18の指定席空席状況画面142参照)では、受信グループ番号のグループの空席の指定席が、他の空席の指定席と区別可能にブリンク表示されたが、その区別が可能な方法であれば、ブリンク表示に限らず、例えば表示色を変える等、他の方法でもよい。
【0227】
また、例えば、投票券発券装置30は、更に他場に設けられてもよい。そして、その投票券発券装置30で会員が会員カードを用いて投票券を購入した場合は、その投票券発券装置30から、会員ID及び投票情報を含む電文が、ネットワーク50を介して指定席管理サーバ20に送信されて、記憶装置205に記憶された投票券購入回数情報が更新されてもよい。
【0228】
また、例えば、会員が所謂インターネット投票によって投票券を購入した場合は、インターネット投票に使用された端末(PC(Personal Computer)やスマートフォン等)から、会員ID及び投票情報を含む電文が、ネットワーク50を介して指定席管理サーバ20に送信されて、記憶装置205に記憶された投票券購入回数情報が更新されてもよい。なお、インターネット投票に使用される端末では、会員が会員IDを直接入力するようにしてもよい。
【0229】
また、例えば、指定席券を更にインターネットで購入できるように構成してもよい。この場合は、会員がPCやスマートフォン等の端末を利用して所定のウェブサイトにアクセスすることによって、その端末と指定席管理サーバ20との間で、上述の指定席券発券装置10と指定席管理サーバ20との間で行われた処理と同様の処理が行われてもよい。また、この場合、会員は会員IDを端末に直接入力するようにしてもよい。
【0230】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0231】
1 公営競技システム
10 指定席券発券装置
20 指定席管理サーバ
30 投票券発券装置
40 中央サーバ
50 ネットワーク
60 指定席エリア
101 指定席券発券口
102 硬貨投入口
103 硬貨排出口
104 紙幣投入排出口
105 会員カードリーダ
106 表示入力部
111 制御部
112 ディスプレイ
113 タッチパネル
114 紙幣処理ユニット
115 硬貨処理ユニット
116 指定席券発券ユニット
121 プロセッサ
122 RAM
123 記憶装置
124 通信インタフェース
125 グラフィック処理部
126 入出力インタフェース
127 バス
131 会員識別情報取得部
132 第1の送信部
133 受信部
134 表示制御部
135 表示部
136 選択部
137 発券部
138 第2の送信部
141 会員カード案内画面
142 指定席空席状況画面
143 発券中画面
144 終了画面
201 プロセッサ
202 メモリ
203 入力装置
204 出力装置
205 記憶装置
206 可搬型記録媒体駆動装置
207 通信インタフェース
208 バス
209 可搬型記録媒体
211 指定席空席状況情報記憶部
212 対応付け情報記憶部
213 投票券購入回数情報記憶部
214 指定席券購入回数情報記憶部
215 情報取得部
216 指定席候補抽出部
217 送信部
218 更新部
301 運用状況表示窓
302 投票券投入排出口
303 投票券発券口
304 投票カード投入排出口
305 紙幣投入排出口
306 硬貨投入口
307 硬貨排出口
308 表示入力部
309 会員カードリーダ
311 制御部
312 ディスプレイ
313 タッチパネル
314 紙幣処理ユニット
315 硬貨処理ユニット
316 投票カード読取ユニット
317 投票券発券ユニット
318 払戻投票券読取ユニット
321 プロセッサ
322 RAM
323 記憶装置
324 通信インタフェース
325 グラフィック処理部
326 入出力インタフェース
327 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図18