(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬を調製するための方法
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20231221BHJP
A61P 43/00 20060101ALN20231221BHJP
A61P 9/12 20060101ALN20231221BHJP
A61P 11/00 20060101ALN20231221BHJP
A61P 9/04 20060101ALN20231221BHJP
A61P 9/10 20060101ALN20231221BHJP
A61P 29/00 20060101ALN20231221BHJP
A61P 7/02 20060101ALN20231221BHJP
A61P 13/12 20060101ALN20231221BHJP
A61P 1/16 20060101ALN20231221BHJP
A61P 15/10 20060101ALN20231221BHJP
A61P 15/08 20060101ALN20231221BHJP
A61P 3/10 20060101ALN20231221BHJP
A61P 27/02 20060101ALN20231221BHJP
A61P 9/00 20060101ALN20231221BHJP
A61K 31/4985 20060101ALN20231221BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20231221BHJP
【FI】
C07D487/04 144
C07D487/04 CSP
A61P43/00 111
A61P9/12
A61P11/00
A61P9/04
A61P9/10 101
A61P29/00
A61P7/02
A61P13/12
A61P43/00 105
A61P1/16
A61P15/10
A61P15/08
A61P3/10
A61P27/02
A61P9/00
A61K31/4985
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2020546498
(86)(22)【出願日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 US2019021076
(87)【国際公開番号】W WO2019173548
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-03-04
(32)【優先日】2018-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523398868
【氏名又は名称】ティセント セラピューティクス インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100187540
【氏名又は名称】國枝 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】ストルツ,トーマス
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/045276(WO,A1)
【文献】特表2017-527604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
C07B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3-置換1,2,4-トリアゾール化合物を調製するための方法であって、3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式IA
【化1】
またはその塩で表され:
式IIAで表されるアミドラゾン化合物
【化2】
またはその塩を、
R
11C(O)OH、R
11C(O)X’、R
11C(S)X’、R
11C(O)OE’、R
11C(O)SR’、またはR
11C(O)OR”
、および塩基と反応させる工程を含み、R
11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する、前記方法
(式中、
環EおよびAは、分子のコアを形成し、芳香族であり;XおよびYの各例は、N、NR
nおよびCから独立して選択され;XおよびYの最大4つの例は同時にNであり、R
nは、HまたはC
1-6アルキルであり;
Wは、
i)存在せず、J
Bが、2つのJ基を有する炭素原子に直接結合しており、各Jは、独立して、水素またはメチルであり、nは1であり、J
Bは、フッ素の最大9つの例で任意選択で置換されたC
1-7アルキル鎖であるか;または
ii)
環Bであって:フェニル
;C
3-7シクロアルキル環
;または
1または2個の環窒素原子を含む5もしくは6員ヘテロアリール環ある環B
、のいずれかであり;
環Bがフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環である場合;各Jは、独立して、水素またはメチルであり;nは、0から3から選択される整数であり;各J
Bは、ハロ、-CN、C
1-6脂肪族、-OR
BおよびC
3-8脂環式環から独立して選択され;
環BがC
3-7シクロアルキル環である場合;各Jは水素であり;nは、0から3から選択される整数であり、各J
Bは、ハロ、-CN、C
1-6脂肪族および-OR
B1から独立して選択され;
C
1-6脂肪族である各J
BおよびC
3-8脂環式環である各J
Bは、R
3の最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各R
Bは、独立して、C
1-6脂肪族またはC
3-8脂環式環であり;前記R
Bは、R
3aの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各R
B1は、水素、C
1-6脂肪族およびC
3-8脂環式環から独立して選択され;前記C
1-6脂肪族のそれぞれおよび前記C
3-8脂環式環のそれぞれは、R
3bの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各R
3、R
3aおよびR
3bは、各例において、ハロ、-CN、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、-O(C
1-4アルキル)および-O(C
1-4ハロアルキル)から独立して選択され;
pは、1、2または3から選択される整数であり;
各J
Cは、水素、ハロ、C
1-4脂肪族、C
1-4アルコキシおよび-CNから独立して選択され;各前記C
1-4脂肪族およびC
1-4アルコキシは、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、-OHまたはハロの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され、
R
11は、H、-NR
a2R
b2、-C(O)NR
a2R
b2、-C(O)R
15a、-CN、R
b2の0~2つの発生で、任意選択で独立して置換されたC
2-6アルケニル、R
b2の0~2つの発生で、任意選択で独立して置換されたC
2-6アルキニル;R
15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC
1-6アルキル、R
15の0~5つの発生で、任意選択で独立して置換されたC
1-6アルコキシ、R
15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたフェニル、R
15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された5から6員ヘテロアリール、R
15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC
3-8シクロアルキルまたはR
15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された3~8員ヘテロシクリルであり;前記5から6員ヘテロアリールのそれぞれおよび前記3~8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OおよびSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
R
15は、ハロ、-OR
b2、-SR
b2、-NR
a2R
b2、-C(O)R
b2、-C(O)NR
a2R
b2、-NR
b2C(O)OR
b2、-OC(O)NR
a2R
b2、C
2-4アルケノキシ、R
18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC
3-8シクロアルキル、R
18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたフェニル、R
18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された5もしくは6員ヘテロアリールまたはR
18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された3~10員ヘテロシクリルであり;前記5または6員ヘテロアリール環のそれぞれおよび前記3~10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OおよびSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
R
15aは、R
18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC
3-8シクロアルキル、R
18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたフェニル、R
18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された5もしくは6員ヘテロアリールまたはR
18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された3~10員ヘテロシクリルであり;前記5または6員ヘテロアリール環のそれぞれおよび前記3~10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OおよびSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
各R
18は、ハロ、ヒドロキシル、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6ハロアルキルおよびフェニルから独立して選択され;
R
a2は、水素、-C(O)R
b2、C
1-6アルキルまたはC
1-6ハロアルキルであり;
R
b2は、水素、C
1-6アルキルまたはC
1-6ハロアルキルであり;
X’はハロゲン化物であり;
OE’は活性化エステルの脱離基であり;
SR’はチオエステルの脱離基であり;
R”は、C(O)R
11、C(O)R
11a、N=CR
11bR
11c、P(O)(OH)
2、またはPH(O)OHであり;
R
11aはC
1-6アルキルであり;
R
11bおよびR
11cは、それぞれ独立して、C
1-6アルキルまたはフェニルであるか、またはR
11bおよびR
11cは、これらに結合する炭素原子とともにC
4-6シクロアルキルを形成し;
G
1はアミドラゾン保護基である)。
【請求項2】
(i)3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式ICのもの
【化3】
またはその塩であり、
アミドラゾン化合物が、式IICのもの
【化4】
またはその塩であるか;
(ii)3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式IDのもの
【化5】
またはその塩であり、
アミドラゾン化合物が、式IIDのもの
【化6】
またはその塩であり、
YがNまたはCであるか;
(iii)3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式IEのもの
【化7】
またはその塩であり、
アミドラゾン化合物が、式IIEのもの
【化8】
またはその塩であるか;
(iv)3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式IGのもの
【化9】
またはその塩であり、
アミドラゾン化合物が、式IIGのもの
【化10】
またはその塩であり、
Xが、CまたはNであるか;
(v)3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式IHのもの
【化11】
またはその塩であり、
アミドラゾン化合物が、式IIHのもの
【化12】
またはその塩であるか;
(vi)3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式IJのもの
【化13】
またはその塩であり、
アミドラゾン化合物が、式IIJのもの
【化14】
であるか;あるいは
(vii)3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式ILのもの
【化15】
またはその塩であり、
アミドラゾン化合物が、式IILのもの
【化16】
またはその塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が、式IFのもの
【化17】
またはその塩であり、
アミドラゾン化合物が、式IIFのもの
【化18】
またはその塩である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
R
11が、ハロの0~3つの発生で任意選択で独立して置換されたC
1-6アルキルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
G
1が、カルバメートアミノ保護基、アミドアミノ保護基、またはスルホニルアミノ保護基であり、
任意選択で、G
1が、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、メチルスルホニル、p-トルエンスルホニル(Tos)、4-ニトロベンゼンスルホニル(NOSyl)、2-ニトロベンゼンスルホニル、p-ブロモベンゼンスルホニル(Brosyl)、トリフルオロアセチル、アセチルまたはベンゾイルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
アミドラゾン化合物を、R
11C(O)OE’(式中、-OE’は、-O-(C
1-6アルキル)、-O-(C
1-6ハロアルキル)、-O-(フェニル)、-O-(ヘテロアリール)、-O-(ヘテロシクリル)であり、フェニル、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、SO
3H、およびSO
3C
1-6アルキルから独立して選択される1から6個の基で任意選択で置換されている)と反応させる工程を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
アミドラゾン化合物を、
(i)R
11C(O)OR”(式中、R”は、N=CR
11bR
11c、P(O)(OH)
2、またはPH(O)OHである)と反応させる工程;
(ii)R
11C(O)OHと、活性化剤の存在下で反応させる工程、任意選択で、ここで活性化剤が、カルボジイミド、ウロニウム、ホスホニウム、2-アルキル-1-アルキルカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、2-アルコキシ-1-アルコキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、シアノヒドロキシイミノ酢酸エチル(Oxyma(登録商標))、またはクロロギ酸アルキルである;あるいは
(iii)R
11C(O)SR’(式中、-SR’は、-S-(アリール)、-S-(C
1-20アルキル)、または-S-(ヘテロアリール)である)と反応させる工程
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
塩基が、トリアルキルアミン、ホスファゼン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、グアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、任意選択で置換されたピリジンまたは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン(DABCO)からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
必要であれば、アミドラゾン化合物と、カルボン酸、酸ハロゲン化物、ハロゲン化チオアシル、活性化エステル、チオエステルまたは酸無水物との反応後に、反応生成物をアミドラゾン脱保護剤と反応させることによってアミドラゾン保護基を脱保護する工程を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
式IIAのアミドラゾン化合物またはその塩が、式IIIAの化合物
【化19】
またはその塩を、
最初に第2の塩基と、次に式H
2NNHG
1の化合物と、反応溶媒中で反応させる工程を含む方法によって調製され、任意選択で、ここで式H
2NNHG
1の化合物が、H
2NNHC(O)OC(CH
3)
3、H
2NNHC(O)OCH
2CCl
3、H
2NNHC(O)Oベンジル、H
2NNHC(O)OCH
2(9-フルオレニル)、NH
2NHSO
2CH
3、NH
2NHSO
2(p-トルエン)、NH
2NHSO
2(4-ニトロフェニル)、NH
2NHSO
2(2-ニトロフェニル)、NH
2NHSO
2(4-ブロモフェニル)、NH
2NHC(O)CF
3、H
2NNHC(O)フェニルまたはH
2NNHC(O)CH
3である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
1,2,4-トリアゾール化合物が、式IF
【化20】
またはその塩で表され、
式IIFaのアミドラゾン
【化21】
またはその塩を、CF
3C(O)OCH
2CF
3と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、任意選択で、ここで塩基がDABCOである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
式IIFaのアミドラゾン化合物またはその塩が、式IIIFaの化合物
【化22】
またはその塩を、
最初に第2の塩基と、次にH
2NNHC(O)OC(CH
3)
3と、反応溶媒中で反応させる工程を含む方法によって調製され、任意選択で:ここで反応溶媒が任意選択でMeOHであるアルコールである;および/またはここで第2の塩基がNaOMeである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
式IIA
【化23】
またはその塩で表される化合物(式中、
環EおよびAは、分子のコアを形成し、芳香族であり;XおよびYの各例は、N、NR
nおよびCから独立して選択され;XおよびYの最大4つの例は同時にNであり、R
nは、HまたはC
1-6アルキルであり;
Wは、
i)存在せず、J
Bが、2つのJ基を有する炭素原子に直接結合しており、各Jは、独立して、水素またはメチルであり、nは1であり、J
Bは、フッ素の最大9つの例で任意選択で置換されたC
1-7アルキル鎖であるか;または
ii)
環Bであって:フェニル
;C
3-7シクロアルキル環
;または
1または2個の環窒素原子を含む5もしくは6員ヘテロアリール環である環B
、のいずれかであり;
環Bがフェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環である場合;各Jは、独立して、水素またはメチルであり;nは、0から3から選択される整数であり;各J
Bは、ハロ、-CN、C
1-6脂肪族、-OR
BおよびC
3-8脂環式環から独立して選択され;
環BがC
3-7シクロアルキル環である場合;各Jは水素であり;nは、0から3から選択される整数であり、各J
Bは、ハロ、-CN、C
1-6脂肪族および-OR
B1から独立して選択され;
C
1-6脂肪族である各J
BおよびC
3-8脂環式環である各J
Bは、R
3の最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各R
Bは、独立して、C
1-6脂肪族またはC
3-8脂環式環であり;前記R
Bは、R
3aの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各R
B1は、水素、C
1-6脂肪族およびC
3-8脂環式環から独立して選択され;前記C
1-6脂肪族のそれぞれおよび前記C
3-8脂環式環のそれぞれは、R
3bの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各R
3、R
3aおよびR
3bは、各例において、ハロ、-CN、C
1-4アルキル、C
1-4ハロアルキル、-O(C
1-4アルキル)および-O(C
1-4ハロアルキル)から独立して選択され;
pは、1、2または3から選択される整数であり;
各J
Cは、水素、ハロ、C
1-4脂肪族、C
1-4アルコキシおよび-CNから独立して選択され;各前記C
1-4脂肪族およびC
1-4アルコキシは、C
1-4アルコキシ、C
1-4ハロアルコキシ、-OHまたはハロの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
G
1は
、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、メチルスルホニル、p-トルエンスルホニル(Tos)、4-ニトロベンゼンスルホニル(NOSyl)、2-ニトロベンゼンスルホニル、p-ブロモベンゼンスルホニル(Brosyl)、アセチル、およびベンゾイルからなる群から選択されるアミドラゾン保護基である)。
【請求項14】
化合物が、
(i)式IICのもの
【化24】
またはその塩であるか;
(ii)式IIDのもの
【化25】
またはその塩であるか;
(iii)式IIEのもの
【化26】
またはその塩であるか;
(iv)式IIGのもの
【化27】
またはその塩であり、
Xが、CまたはNであるか;
(v)式IIHのもの
【化28】
またはその塩であるか;
(vi)式IIJのもの
【化29】
またはその塩であるか;
(vii)式IILのもの
【化30】
またはその塩であり、
任意選択で、ここで:
(i)J
Bが、独立して、ハロまたはハロの最大3つの例で任意選択で置換されたC
1-6アルキルであり;
各J
Cが、存在する場合、水素、ハロ、-CN、およびハロの最大3つの例で任意選択で独立して置換されたC
1-4アルキルから独立して選択され;
pが、存在する場合、1または2である、
請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
化合物が式IIFa
【化31】
またはその塩で表される、請求項13に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]本出願は、米国特許法第119条に基づき、2018年3月7日に出願された米国特許仮出願第62/639,642号の出願日の利点を主張するものであり、この出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
発明の分野
[0002]本発明は、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬を調製するための新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)を刺激する化合物は、一酸化窒素(NO)もしくはサイクリックグアノシン3’,5’-一リン酸(cGMP)もしくはこれらの両方の濃度の増加、またはNO経路の上方調節が望ましい多くの疾患および状態を処置するために使用することができる。そのような疾患および状態としては、これらに限定されるものではないが、肺高血圧症、動脈性高血圧症、心不全、アテローム性動脈硬化症、炎症、血栓症、腎線維症および腎不全、肝硬変、勃起不全、女性の性的障害、糖尿病と関連する障害、眼障害および他の関連する心血管障害がある。sGC刺激薬は、異常なNO経路を標的とするか、またはNO経路の上方調節が有益な疾患を対象とする他の現在の代替療法よりも多数の利点をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0004]sGC刺激薬は、米国特許出願公開第15/693,758号で開示されており、その教示全体は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。新規の治療剤の商品化を成功させるには、薬剤を高収率および高純度で調製するための効率的な方法が必要である。その結果、より効率的で大規模な規模製造方法に好適なsGC刺激薬を調製するための改良された方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]本発明は、sGC刺激薬としての3-置換1,2,4-トリアゾール化合物およびその合成前駆体を調製するためのさまざまな方法を提供する。すでに開示されている方法と比較して、本発明の方法は、sGC刺激薬を高収率および高純度で生成することができる。特に、本方法は、最終製品を極めて高純度で供給する、短くより実用的で高収率の合成順序を介してsGC刺激薬を生成し、同時に全てのクロマトグラフィー精製と、試薬として危険なヒドラジンの使用とを排除することができる(したがって大規模製造により好適である)。これらの方法は、大規模製造方法により好適である。
【0005】
[0006]第1の態様において、3-置換1,2,4-トリアゾール化合物を調製するための方法であって、アミドラゾン化合物を、カルボン酸、活性化エステル、チオエステル、酸ハロゲン化物、ハロゲン化チオアシルまたは酸無水物と、塩基の存在下で反応させる工程を含む方法が本明細書において開示される。カルボン酸が使用される場合、活性化剤も存在する。アミドラゾン化合物は、任意選択で置換されたアリールまたはヘテロアリールに結合されたアミドラゾンを含み;3-置換1,2,4-トリアゾール化合物の3位の置換基は、アミドラゾン化合物に結合され、任意選択で置換されたアリールまたはヘテロアリールであり;3-置換1,2,4-トリアゾール化合物は、5位で任意選択で置換されていてもよい。
【0006】
[0007]開示される方法は、米国特許出願公開第15/693,758号で開示される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物を調製するために有利に使用することができる。特に、第1の態様の第1の実施形態は、式IAで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0007】
【0008】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIAで表されるアミドラゾン化合物
【0009】
【0010】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。式IA、式IIA、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、以下のように定義される:
環EおよびAは、分子のコアを形成し、芳香族であり;XおよびYの各例は、N、NRnおよびCから独立して選択され;XおよびYの最大4つの例は同時にNであり、Rnは、HまたはC1-6アルキルであり;
Wは、
i)存在せず、JBは、2つのJ基を有する炭素原子に直接結合しており、各Jは、独立して、水素またはメチルであり、nは1であり、JBは、フッ素の最大9つの例で任意選択で置換されたC1-7アルキル鎖であるか;または
ii)1または2個の環窒素原子を含む、フェニル、C3-7シクロアルキル環または5もしくは6員ヘテロアリール環である環Bのいずれかであり;
環Bが、フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環である場合;各Jは、独立して、水素またはメチルであり;nは、0から3から選択される整数であり;各JBは、ハロ、-CN、C1-6脂肪族、-ORBおよびC3-8脂環式環から独立して選択され;
環BがC3-7シクロアルキル環である場合;各Jは水素であり;nは、0から3から選択される整数であり、各JBは、ハロ、-CN、C1-6脂肪族および-ORB1から独立して選択され;
C1-6脂肪族である各JBおよびC3-8脂環式環である各JBは、R3の最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各RBは、独立して、C1-6脂肪族またはC3-8脂環式環であり;前記RBは、R3aの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各RB1は、水素、C1-6脂肪族およびC3-8脂環式環から独立して選択され;前記C1-6脂肪族のそれぞれおよび前記C3-8脂環式環のそれぞれは、R3bの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各R3、R3aおよびR3bは、各例において、ハロ、-CN、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、-O(C1-4アルキル)および-O(C1-4ハロアルキル)から独立して選択され;
pは、1、2および3から選択される整数であり;
各JCは、水素、ハロ、C1-4脂肪族、C1-4アルコキシおよび-CNから独立して選択され;各前記C1-4脂肪族およびC1-4アルコキシは、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、-OHまたはハロの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
R11は、H、-NRa2Rb2、-C(O)NRa2Rb2、-C(O)R15a、-CN、Rb2の0~2つの発生で、任意選択で独立して置換されたC2-6アルケニル、Rb2の0~2つの発生で、任意選択で独立して置換されたC2-6アルキニル;R15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC1-6アルキル、R15の0~5つの発生で、任意選択で独立して置換されたC1-6アルコキシ、R15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたフェニル、R15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された5から6員ヘテロアリール、R15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC3-8シクロアルキルまたはR15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された3~8員ヘテロシクリルであり;前記5から6員ヘテロアリールのそれぞれおよび前記3~8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OおよびSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
R15は、ハロ、-ORb2、-SRb2、-NRa2Rb2、-C(O)Rb2、-C(O)NRa2Rb2、-NRb2C(O)ORb2、-OC(O)NRa2Rb2、C2-4アルケノキシ、R18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC3-8シクロアルキル、R18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたフェニル、R18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された5または6員ヘテロアリールまたはR18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された3~10員ヘテロシクリルであり;前記5または6員ヘテロアリール環のそれぞれおよび前記3~10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OおよびSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
R15aは、R18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC3-8シクロアルキル、R18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたフェニル、R18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された5または6員ヘテロアリールまたはR18の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された3~10員ヘテロシクリルであり;前記5または6員ヘテロアリール環のそれぞれおよび前記3~10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OおよびSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
各R18は、ハロ、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキルおよびフェニルから独立して選択され;
Ra2は、水素、-C(O)Rb2、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり;
Rb2は、水素、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり;
X’はハロゲン化物であり;
OE’は活性化エステルの脱離基であり;
SR’はチオエステルの脱離基であり;
R”は、C(O)R11、C(O)R11a、N=CR11bR11c、P(O)(OH)2、またはPH(O)OHであり;
R11aはC1-6アルキルであり;
R11bおよびR11cは、それぞれ独立して、C1-6アルキルまたはフェニルであるか、またはR11bおよびR11cは、これらに結合する炭素原子とともにC4-6シクロアルキルを形成し;
G1はアミドラゾン保護基である。
【0011】
[0008]第2の態様において、本発明は、本発明の方法のための合成中間体を提供する。第2の態様の第1の実施形態は、式IIAで表される化合物
【0012】
【0013】
またはその塩である(式中、
環EおよびAは、分子のコアを形成し、芳香族であり;XおよびYの各例は、N、NRnおよびCから独立して選択され;XおよびYの最大4つの例は同時にNであり、Rnは、HまたはC1-6アルキルであり;
Wは、
i)存在せず、JBは、2つのJ基を有する炭素原子に直接結合しており、各Jは、独立して、水素またはメチルであり、nは1であり、JBは、フッ素の最大9つの例で任意選択で置換されたC1-7アルキル鎖であるか;または
ii)1または2個の環窒素原子を含む、フェニル、C3-7シクロアルキル環または5もしくは6員ヘテロアリール環である環Bのいずれかであり;
環Bが、フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環である場合;各Jは、独立して、水素またはメチルであり;nは、0から3から選択される整数であり;各JBは、ハロ、-CN、C1-6脂肪族、-ORBおよびC3-8脂環式環から独立して選択され;
環BがC3-7シクロアルキル環である場合;各Jは水素であり;nは、0から3から選択される整数であり、各JBは、ハロ、-CN、C1-6脂肪族および-ORB1から独立して選択され;
C1-6脂肪族である各JBおよびC3-8脂環式環である各JBは、R3の最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各RBは、独立して、C1-6脂肪族またはC3-8脂環式環であり;前記RBは、R3aの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各RB1は、水素、C1-6脂肪族およびC3-8脂環式環から独立して選択され;前記C1-6脂肪族のそれぞれおよび前記C3-8脂環式環のそれぞれは、R3bの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
各R3、R3aおよびR3bは、各例において、ハロ、-CN、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、-O(C1-4アルキル)および-O(C1-4ハロアルキル)から独立して選択され;
pは、1、2または3から選択される整数であり;
各JCは、水素、ハロ、C1-4脂肪族、C1-4アルコキシおよび-CNから独立して選択され;各前記C1-4脂肪族およびC1-4アルコキシは、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、-OHまたはハロの最大3つの例で、任意選択で独立して置換され;
G1は、アミドラゾン保護基またはその塩である)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0009]ここで、本発明のある特定の実施形態を詳細に参照し、その例は、添付の構造および式で示されることになる。本発明は、列挙された実施形態とともに記載されることになるが、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図しないことは理解されるであろう。反対に、本発明は、特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲内に含まれる全ての代替物、改良物、および等価物をカバーすることが意図され得る。当業者であれば、本発明の実施において使用することができる、本明細書で記載されるものと同様のまたは同等の多くの方法および材料を認識するであろう。
【0015】
[0010]本明細書において記載される実施形態のいずれも、明示的に放棄されていないかまたは不適切ではない限り、本発明の1つまたは複数の他の実施形態と組み合わせることができることを理解されたい。実施形態の組合せは、複数の従属請求項を介して請求されるこれらの特定の組合せに限定されない。
定義
[0011]本開示の目的のため、化学元素は、CASバージョン、およびHandbook of Chemistry and Physics、第75版、1994年の元素周期表に従って同定される。更に、有機化学の一般的な原理は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999年、ならびに「March’s Advanced Organic Chemistry」、第5版、Smith,M.B.およびMarch,J.編、John Wiley & Sons、New York:2001年に記載され、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0016】
[0012]本明細書において記載される式IAまたはIIAの化合物は、以下に全体的に示されるように、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種類によって例示されるように、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。「任意選択で置換された」という句は、「置換されたまたは置換されていない」という句と区別せずに使用される。一般的に、「置換された」という用語は、所与の構造における1つまたは複数の水素ラジカルを、特定の置換基のラジカルで置き換えることを指す。別段指示がない限り、任意選択で置換された基は、基の各置換可能な位置において置換基を有していてもよい。所与の構造における1か所を超える位置が特定の基から選択される1つを超える置換基で置換され得る場合、置換基は、特に規定がない限り、各位置において同じであっても、異なっていてもよい。「任意選択で独立して」という用語は、この状況を記載するために使用してもよい。例として、本明細書において開示される1つの置換基はR11であり、これは、他の選択肢のうちの1つであるR15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC1-6アルキルであってもよい。この場合、C1-6アルキルは、「任意選択で置換されて」いてもよく:置換されていなくても(すなわち、R15の0の発生)、置換されていても(すなわち、R15の1、2、または3つの発生)よい。R15が複数(例えば、2つ)発生する場合、各R15は、同じ置換基であっても(例えば、2つのフルオロ原子)異なっていても(例えば、-OHおよびクロロ)よい。当業者であれば明らかであろうように、-H、ハロゲン、-NO2、-CN、-OH、-NH2または-OCF3等の基は、置換可能な基ではないことになる。
【0017】
[0013]本明細書において使用される「最大」という句は、ゼロまたは句に続く数と等しいかもしくはそれ未満である任意の整数を指す。例えば、「最大3」は、0、1、2、または3のうちのいずれか1つを意味する。本明細書において記載される原子の特定の数の範囲は、その中の任意の整数を含む。例えば、1~4個の原子を有する基は、1、2、3または4個の原子を有することができる。0~3個の原子を有する基は、0、1、2、または3個の原子を有することができる。任意の可変文字が、任意の位置において1回を超える回数で発生する場合、各発生におけるその定義は、全ての他の発生から独立される。
【0018】
[0014]本明細書において開示される化合物、例えば、式IAもしくはIIAの化合物または他の化合物は、その遊離形態(例えば非晶質形態、または結晶形態または多形)で存在していてもよい。特定の条件下で、化合物はまたコフォーム(co-form)を形成してもよい。本明細書において使用されるコフォームという用語は、多成分結晶形態という用語と同義である。塩の形成は、混合物を形成するパートナー間のpKaにおける差がどの程度大きいかによって決定される。本開示の目的に関して、例え「薬学的に許容される塩」という用語が明確に記されていなくても、化合物は薬学的に許容される塩を含む。
【0019】
[0015]異性体のうちの1つのみが具体的に描かれないかまたは1つのみに名称が付けられない限り、本明細書において図示される構造は、構造の全ての立体異性(例えば、エナンチオ、ジアステレオ、アトロプ異性(atropoisomeric)およびシス-トランス異性)形態;例えば、各不斉中心に関するRおよびS配置、各不斉軸に関するRaおよびSa配置、(Z)および(E)二重結合配置、ならびにシスおよびトランス配座異性体を含むことも意味する。その結果、単一の立体化学異性体、ならびにラセミ体、および本発明の化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー、およびシス-トランス異性体(二重結合または配座)の混合物は、本開示の範囲内である。特に記載がない限り、本開示の化合物の全ての互変異性体も発明の範囲内である。
【0020】
[0016]本開示はまた、1つまたは複数の原子が、通常は自然において認められる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられるという事実のため、本明細書において列挙されるものと同一である同位体標識化合物を包含する。規定されるような任意の特定の原子または元素の全ての同位体が、本発明の化合物およびその使用の範囲内で検討される。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、およびヨウ素同位体、例えばそれぞれ2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I、および125Iがある。本発明の同位体標識化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム(すなわち、3H)および炭素14(すなわち、14C)同位体は、これらの調製が容易で検出可能であるために有用である。更に、より重い同位体、例えばジューテリウム(すなわち、2H)での置換は、優れた代謝安定性(例えば、in vivo半減期の増加または必要な投薬量の減少)に起因するある特定の治療的利点をもたらす場合があり、したがって、状況によっては好ましい場合がある。陽電子放出同位体、例えば15O、13N、11C、および18Fは、基質受容体占有率を検討するための陽電子放射断層法(PET)研究に有用である。本発明の化合物で標識された同位体は、非同位体標識試薬を同位体標識試薬で置換することによって、以下のスキームおよび/または本明細書の例で開示されるものと類似している以下の手順に従って一般的に調製することができる。
【0021】
[0017]本明細書において使用される「脂肪族」または「脂肪族基」または「脂肪族鎖」という用語は、完全に飽和されているか、または不飽和の1つまたは複数の単位を含む、直鎖状鎖(すなわち、非分岐状)または分岐状、置換または非置換炭化水素鎖を意味する。特に規定がない限り、脂肪族基は、1~20個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1~10個の脂肪族炭素原子を含む。他の実施形態において、脂肪族基は、1~8個の脂肪族炭素原子を含む。更に他の実施形態において、脂肪族基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含む。他の実施形態において、脂肪族基は、1~4個の脂肪族炭素原子を含み、更に他の実施形態において、脂肪族基は、1~3個または1~2個の脂肪族炭素原子を含む。好適な脂肪族基としては、これらに限定されるものではないが、直鎖状または分岐状、置換または非置換アルキル、アルケニル、またはアルキニル基がある。脂肪族基の特定の例としては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、ビニル、sec-ブチル、tert-ブチル、ブテニル、プロパルギル、アセチレン等がある。脂肪族基は、「Cx-y脂肪族」という用語で表されることになる(式中、xおよびyは、脂肪族鎖を形成する炭素原子の最小数および最大数である。
【0022】
[0018]本明細書において使用される「アルキル」(「アルキル鎖」または「アルキル基」にあるような)という用語は、飽和直鎖状または分岐状鎖一価炭化水素ラジカルを指す。特に規定がない限り、アルキル基は、1~20個の炭素原子(例えば、1~20個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~8個の炭素原子、1~7個の炭素原子、1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子または1~3個の炭素原子)を含む。アルキル基の例としては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル(sec-ブチル)、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等がある。アルキル基は、「Cx-yアルキル」という用語で表されることになる(式中、xおよびyは、アルキル鎖を形成する炭素原子の最小数および最大数である。
【0023】
[0019]「アルケニル」(「アルケニル鎖」または「アルケニル基」にあるような)という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素、sp2二重結合を有する直鎖状または分岐状鎖一価炭化水素ラジカルを指し、アルケニルラジカルは、「シス」および「トランス」配向、あるいは「E」および「Z」配向を有するラジカルを含む。特に規定がない限り、アルケニル基は、2~20個の炭素原子(例えば、2~20個の炭素原子、2~10個の炭素原子、2~8個の炭素原子、2~6個の炭素原子、2~4個の炭素原子または2~3個の炭素原子)を含む。例としては、これらに限定されるものではないが、ビニル、アリル等がある。アルケニル基は、「Cx-yアルケニル」という用語で表されることになる(式中、xおよびyは、アルケニル鎖を形成する炭素原子の最小数および最大数である。
【0024】
[0020]「アルキニル」(「アルキニル鎖」または「アルキニル基」にあるような)という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素sp三重結合を有する、直鎖状または分岐状一価炭化水素ラジカルを指す。特に規定がない限り、アルキニル基は、2~20個の炭素原子(例えば、2~20個の炭素原子、2~10個の炭素原子、2~8個の炭素原子、2~6個の炭素原子、2~4個の炭素原子または2~3個の炭素原子)を含む。例としては、これらに限定されるものではないが、エチニル、プロピニル等がある。アルキニル基は、「Cx-yアルキニル」という用語で表されることになる(式中、xおよびyは、アルキニル鎖を形成する炭素原子の最小数および最大数である)。
【0025】
[0021]「脂環式」(または「非芳香族炭素環」、「非芳香族カルボシクリル」、「非芳香族炭素環式」または「脂環式環」)という用語は、完全に飽和されているか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含むが、芳香族ではなく、分子の残りに単一の結合点を有する環式炭化水素を指す。1つの実施形態において、「脂環式」という用語は、単環式C3-8炭化水素または単環式C3-12炭化水素を指す。脂環式環は、「Cx-y脂環式」という用語で表されることになる(式中、xおよびyは、脂環式環を形成する炭素原子の最小数および最大数である。好適な脂環式基としては、これらに限定されるものではないが、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニルがある。脂肪族基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルボルニル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル等がある。
【0026】
[0022]本明細書において使用される「シクロアルキル」または「シクロアルキル環」は、完全に飽和され、分子の残りに単一の結合点を有する環系を指す。1つの実施形態において、「シクロアルキル」という用語は、単環式C3-12飽和炭化水素を指す。例えば、「シクロアルキル」という用語は、単環式C3-7飽和炭化水素または単環式C3-8飽和炭化水素を指す。好適なシクロアルキル基としては、これらに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル等がある。シクロアルキル環は、「Cx-yシクロアルキル」という用語で表されることになる(式中、xおよびyは、シクロアルキル環を形成する炭素原子の最小数および最大数である)。
【0027】
[0023]本明細書において使用される「アリール」は、その中の環の各原子が炭素である、置換または非置換単環式芳香族基を指す。好ましくは、環は、5から7員環、より好ましくは6員環である。アリール基としては、これらに限定されるものではないが、フェニル、フェノール、アニリン等がある。「アリール」という用語は、2つ以上の原子が2つの隣接する環で共通である2つ以上の環を有する、「ポリシクリル」、「多環」、および「多環式」環系も含み、例えば、環は「縮合環」であり、少なくとも環のうちの1つは芳香族であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、または芳香環とすることができる。いくつかの好ましい実施形態において、多環は2~3個の環を有する。ある特定の好ましい実施形態において、多環式環系は、その中の両方の環が芳香族である2個の環式環を有する。多環の環は、それぞれ置換または非置換とすることができる。ある特定の実施形態において、多環の各環は、環中に3から10個の、好ましくは5から7個の炭素原子を含む。例えば、アリール基としては、これらに限定されるものではないが、フェニル(ベンゼン)、トリル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、およびナフチル、ならびにベンゾ融合炭素環式部分、例えば5,6,7,8-テトラヒドロナフチル等がある。いくつかの実施形態において、アリールは単環式芳香族基である。いくつかの実施形態において、アリールは2環芳香族基である。いくつかの実施形態において、アリールは3環芳香族基である。
【0028】
[0024]本明細書において使用される「複素環」(または「ヘテロシクリル」または「複素環式」または「複素環式環」)は、その中の1つまたは複数の環員子が、独立して選択されたヘテロ原子であり、完全に飽和されているか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含むが、芳香族ではなく、分子の残りに単一の結合点を有する環系を指す。特に規定がない限り、本開示を通して、複素環は、「非芳香族複素環」の同義語として使用される。場合によってはこの用語は、「芳香族複素環」という句において使用することができ、この場合、以下で定義されるような「ヘテロアリール基」を指すことになる。いくつかの実施形態において、複素環は、その中の1つまたは複数の環員子が窒素、酸素または硫黄から独立して選択されるヘテロ原子である3~8個の環員子または3~10個の環員子を有する。他の実施形態において、複素環は、3~7個の環員子(2~6個の炭素原子および1~4個のヘテロ原子)を有する単環であってもよい。例えば、最大3つの環ヘテロ原子が、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される。
【0029】
[0025]複素環式環の例としては、これらに限定されるものではないが、以下の単環:2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチオフェニル、3-テトラヒドロチオフェニル、2-モルホリノ、3-モルホリノ、4-モルホリノ、2-チオモルホリノ、3-チオモルホリノ、4-チオモルホリノ、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、1-テトラヒドロピペラジニル、2-テトラヒドロピペラジニル、3-テトラヒドロピペラジニル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、1-ピラゾリニル、3-ピラゾリニル、4-ピラゾリニル、5-ピラゾリニル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、2-チアゾリジニル、3-チアゾリジニル、4-チアゾリジニル、1-イミダゾリジニル、2-イミダゾリジニル、4-イミダゾリジニル、5-イミダゾリジニルがある。
【0030】
[0026]単独で、または「ヘテロアリールアルキル」もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」にあるような大きな部分の一部として使用される「ヘテロアリール」(または「ヘテロ芳香族」または「ヘテロアリール基」または「芳香族複素環」または「ヘテロアリール環」)という用語は、芳香族であり、1つまたは複数の環ヘテロ原子(例えば、1個または2個の環窒素原子)を含み、5から6個の間の環員子を有し、分子の残りに単一の結合点を有する環を指す。ヘテロアリール環としては、これらに限定されるものではないが、以下の単環:2-フラニル、3-フラニル、N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、N-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、ピリダジニル(例えば、3-ピリダジニル)、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、テトラゾリル(例えば、5-テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば、2-トリアゾリルおよび5-トリアゾリル)、2-チエニル、3-チエニル、ピラゾリル(例えば、2-ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニルがある。
【0031】
[0027]「環原子」という用語は、芳香環、脂環式環、複素環式またはヘテロアリール環の環の一部である原子、例えばC、N、OまたはSを指す。「置換可能な環原子」は、少なくとも1つの水素原子に結合された環炭素または窒素原子である。水素は、好適な置換基で任意選択で置き換えることができる。したがって、「置換可能な環原子」という用語は、2個の環が融合された場合に共有される窒素または炭素原子を含まない。更に、「置換可能な環原子」は、水素以外の1つまたは複数の部分にすでに結合し、置換に利用可能な水素がないことを構造が示す場合に、環炭素または窒素原子を含まない。
【0032】
[0028]「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素のうちの1つまたは複数を指し、窒素、硫黄の任意の酸化形態、任意の塩基性窒素の四級化形態、または複素環式またはヘテロアリール環、例えば、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルと同様に)、NH(ピロリジニルと同様に)またはNR+(N-置換ピロリジニルと同様に)の置換可能な窒素を含む。
【0033】
[0029]いくつかの実施形態において、2つの独立した可変文字の発生は、各可変文字が結合している原子と一緒になって、5~8員アリールもしくはヘテロアリール環または3~8員脂環式環(例えば、4~6員シクロアルキル)もしくはヘテロシクリルを形成してもよい。置換基の2つの独立した発生が、各可変文字が結合している原子と一緒になった場合に形成される例示的な環としては、これらに限定されるものではないが、a)同じ原子に結合し、原子と一緒になって環を形成し、置換基の両方の発生がこれらに結合する原子と一緒になってヘテロシクリル、ヘテロアリール、脂環式またはアリール環を形成した場合、基は、単一の結合点によって分子の残りに結合する、置換基の2つの独立した発生;およびb)異なる原子に結合し、これらの原子の両方と一緒になって、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、脂環式またはアリール環を形成し、形成される環は、分子の残りと共に2つの結合点を有する、置換基の2つの独立した発生を含む。
【0034】
[0030]置換基の2つの独立した発生が、各置換基が結合している原子と一緒になった場合に、さまざまな他の環を形成することができること、および上記で詳述した例は限定を意図するものではないことは理解されるであろう。
【0035】
[0031]本明細書において記載されるように、置換基から多環系内の1つの環の中心へ引かれる結合(以下に示すような)は、多環系内の環のうちのいずれかの任意の置換可能な位置における置換基の置換を表す。例えば、式D3は、式D4に示す位置のうちのいずれかにおいて可能な置換を表す。
【0036】
【0037】
[0032]しかし、多環系の2つの環が、各環の中心から引かれる異なる置換基をそれぞれ有する場合、そして特に規定がない限り、各置換基は、それが結合している環上での置換のみを表す。例えば、式D6では、Yは、環Aのみに対する任意の置換基であり、Xは、環Bのみに対する任意の置換基である。
【0038】
【0039】
[0033]本明細書において使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して分子に、または別の鎖もしくは環に結合された、すでに定義された通りのアルキル基(「アルコキシ」すなわち、-O-アルキル)を指す。「アルケノキシ」という用語は、酸素原子を介して分子に、または別の鎖もしくは環に結合した、すでに定義された通りのアルケニル基(「アルケノキシ」すなわち、-O-アルケニル)を指す。
【0040】
[0034]本明細書において使用される「ハロ」、「ハロゲン」および「ハロゲン化物」という用語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を意味する。
【0041】
[0035]「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、「ハロ脂肪族」、および「ハロアルコキシ」という用語は、場合によっては1つまたは複数のハロゲン原子で置換された、アルキル、アルケニル、脂肪族またはアルコキシを意味する。例えば、C1-3ハロアルキルは、-CFHCH2CHF2とすることができ、C1-2ハロアルコキシは-OC(Br)HCHF2とすることができる。この用語は、ペルフルオロ化アルキル基、例えば-CF3および-CF2CF3を含む。
【0042】
[0036]本明細書において使用される「シアノ」という用語は、-CNまたは-C≡Nを指す。
[0037]「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」という用語は、-OHを指す。
【0043】
[0038]本明細書において使用される単独でまたは別の基と関連して使用される「カルボニル」は、-C(O)-または-C(O)Hを指す。例えば、本明細書において使用される「アルコキシカルボニル」は、-C(O)O(アルキル)等の基を指す。
【0044】
[0039]本明細書において使用される「オキソ」は、=Oを指し、オキソは、必ずとは限らないが、通常炭素原子に結合される(例えば、硫黄原子に結合していてもよい)。脂肪族鎖は、カルボニル基によって任意選択で割り込まれていてもよいか、またはオキソ基によって任意選択で置換されていてもよく、両方の表現は同じもの、例えば-CH2-C(O)-CH3を指す。「オキソ」基が、環または別の部分もしくは基(例えばアルキル鎖)上の可能な置換基として挙げられる場合、前記オキソ基の酸素とそれが結合された環または部分との間の結合は、二重結合であることになるが、全般的に単一の線で描かれる場合があると理解されるであろう。
【0045】
[0040]本明細書において使用される「カルボン酸」は、カルボキシル(-C(=O)-OH)基を含む有機化合物である。
[0041]本明細書において使用される「活性化エステル」は、アミン基またはアミドラゾン基によって容易に置き換えられるエステル基を指す。例えば、活性化エステル基は、-C(=O)OE’基(式中、-OE’は容易に置き換えることができる優れた脱離基である)からなる。例えば、-OE’は、-O-(CH2CF3)、-O-(ニトロフェニル)(例えば、2または4-ニトロフェニル)、-O-(ジニトロフェニル)(例えば2,4-ジニトロフェニルエステル)、-O-(トリクロロフェニル)(例えば、2,4,5-トリクロロフェニル)、-O-(ペンタフルオロフェニル)、-O-(スルホ-テトラフルオロフェニル)(例えば、4-スルホ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)、-O-(スクシンイミジル)、-O-(ベンゾトリアゾール)、-O-(7-アザベンゾトリアゾール)、-O-(フタルイミジル)、-O-(5-ノルボルネン-エンド-2,3-ジカルボキシイミド)、または-O-(スルホ-スクシンイミジル)から選択される。特に、-OE’は-O-(CH2CF3)である。1つの実施形態において、活性化エステルはCF3C(=O)OCH2CF3である。
【0046】
[0042]本明細書において使用される「チオエステル」は、アミン基またはアミドラゾン基によって容易に置き換えられるチオエステル基を指す。例えば、チオエステル基は、-C(=O)SR’基(式中、-SR’は、容易に置き換えることができる優れた脱離基である)からなる。
【0047】
[0043]本明細書において使用される「酸ハロゲン化物」は、-C(=O)-X(式中、Xはハロゲンである)を含む有機化合物である。
[0044]本明細書において使用される「ハロゲン化チオアシル」は、-C(=S)-X(式中、Xはハロゲンである)を含む有機化合物である。
【0048】
[0045]本明細書において使用される「酸無水物」は、同じ酸素原子に結合された2つのアシル基を有する有機化合物である。2つのアシル基のうちの1つがリン酸、ホスホン酸またはオキシム基に由来する混合無水物も含まれる。
【0049】
[0046]本明細書において使用される「アミドラゾン」は、-C(=NH)-NH-NH-部分を含む有機化合物である。
[0047]本明細書において使用される「塩基」は、電子または水酸化物イオンを供与するかまたはプロトンを受容する化合物である。例示的な塩基としては、これらに限定されるものではないが、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン)、アルコキシド(例えば、NaOMe)、アルカリ金属水酸化物(例えば、LiOH、NaOH、またはKOH)、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、ホスファゼン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、グアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、任意選択で置換されたピリジン(例えば、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP))または1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン(DABCO)があり得る。1つの実施形態において、塩基は、アミン、アミジン、グアニジン、置換ピリジン、またはホスファゼン塩基から選択される。特に、塩基は、アミン、アミジン、グアニジン、または置換ピリジン塩基であり、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン)、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、グアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、任意選択で置換されたピリジン(例えば、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP))または1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン(DABCO)から選択される。1つの実施形態において、塩基は、トリアルキルアミン、炭酸塩、ホスファゼン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、グアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、任意選択で置換されたピリジンまたは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン(DABCO)から選択される。1つの実施形態において、塩基はDMAPである。別の実施形態において、塩基はDABCOである。
【0050】
[0048]更に、例示的な塩基としては、アルカリ水酸化物(例えば、NaOH、KOHおよびLiOH)、アルカリアルコキシド(例えば、NaOMe、NaOEt、KOMeおよびKOEt)があり得る。1つの実施形態において、第2の塩基は、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン)、アルコキシド(例えば、NaOMe、NaOMe、NaOEt、KOMe、KOEt、カリウムtert-ブトキシド)、アルカリ金属水酸化物(例えば、LiOH、NaOH、またはKOH)、アルカリ土類金属水酸化物、および炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム)から選択される。1つの実施形態において、第2の塩基はNaOMeである。別の実施形態において、第2の塩基はKOMeである。
【0051】
[0049]「保護基」または「保護部分」という用語は、特定の官能基をブロックまたは保護し、同時に化合物、その誘導体、またはそのコンジュゲート上の他の官能基を反応させるために通常用いられる置換基を指す。例えば、「アミドラゾン保護基」は、化合物のアミドラゾン官能基をブロックまたは保護するアミドラゾン-NH-基に結合された置換基である。通常使用されるアミノ保護基は、アミドラゾン保護基として使用することができる。そのようなアミノ保護基も当技術分野において周知である(例えば、P.Wuts and T.Greene、2007年、Protective Groups in Organic Synthesis、第7章、J.Wiley & Sons、NJを参照されたい)。好適なアミドラゾン保護基としては、これらに限定されるものではないが、カルバメートアミノ保護基、アミドアミノ保護基、またはスルホニルアミノ保護基がある。例えば、アミドラゾン保護基は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、メチルスルホニル、p-トルエンスルホニル(Tos)、4-ニトロベンゼンスルホニル(NOSyl)、2-ニトロベンゼンスルホニル、p-ブロモベンゼンスルホニル(Brosyl)、トリフルオロアセチル、アセチル、ベンゾイル、2-トリメチルシリルエチル、(2-フェニル-2-トリメチルシリル)エチル、トリイソプロピルシロキシ、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、アリルオキシカルボニル、および2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニルからなる群から選択される。保護基およびその使用の一般的な説明に関しては、P.G.M.Wuts & T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、New York、2007年を参照されたい。
【0052】
[0050]本明細書において使用される「アミドラゾン脱保護剤」という用語は、アミドラゾン保護基を開裂させ、遊離アミドラゾンを形成することができる試薬を指す。通常使用されるアミン脱保護剤を、アミダゾン脱保護剤として使用してもよい。そのようなアミン脱保護剤は、当技術分野において周知である(例えば、P.Wuts and T.Greene、2007年、Protective Groups in Organic Synthesis、第2章、J.Wiley & Sons、NJを参照されたい)。いくつかの実施形態において、アミドラゾン脱保護剤は、酸、フッ素含有薬剤、シリコン含有薬剤、および金属含有薬剤、およびアミンから選択される。金属含有薬剤中の金属の例は、亜鉛、カドミウム、ニッケル、パラジウム、コバルト、アルミニウム、および水銀等である。そのようなアミドラゾン脱保護剤の例としては、これらに限定されるものではないが、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリケート、フッ化水素またはこれらの溶媒和物、フッ化水素ピリジン、四フッ化ケイ素、ヘキサフルオロケイ酸、フッ化セシウム、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ピリジニウムp-トルエンスルホネート、p-トルエンスルホン酸(p-TsOH)、ギ酸、過ヨウ素酸、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ヒドラジン、ヨウ化トリメチルシリル、リン酸、およびトリフルオロ酢酸がある。ある特定の実施形態において、アミドラゾン脱保護剤は、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、酢酸、フッ化水素ピリジン、フッ化セシウム、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、ヒドラジン、ヨウ化トリメチルシリル、およびトリフルオロ酢酸から選択される。
【0053】
[0051]本明細書において使用される「活性化剤」は、アミドラゾン基の反応性を増加させ、カルボニル基の反応性を増加させ、および/またはヒドロキシル基を活性化し、カルボン酸とアミドラゾン基との間のカップリング反応を促進する試薬または部分を指す。そのような活性化剤または部分の例としては、カルボジイミド、ウロニウム、活性エステル、ホスホニウム、2-アルキル-1-アルキルカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、2-アルコキシ-1-アルコキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、シアノヒドロキシイミノ酢酸エチル(Oxyma(登録商標))、およびクロロギ酸アルキルがある。特定の実施形態において、活性化剤はカルボジイミドである。更に特定の実施形態において、活性化剤は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、またはジイソプロピルカルボジイミド(DIC)である。別の特定の実施形態において、活性化剤は、N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリンである。別の実施形態において、活性化剤は、クロロギ酸エチルおよび2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン(EDDQ)から選択される。別の実施形態において、活性化剤は、ウロニウム、例えばO-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)またはそのテトラフルオロボレート等価物TBTUである。
【0054】
[0052]本明細書において使用される「塩」という用語は、本発明の化合物の有機または無機塩を指す。例示的な塩としては、これらに限定されるものではないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、スクシン酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩「メシル酸塩」、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩(すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩))、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、およびアンモニウム塩がある。塩は、別の分子、例えばアセテートイオン、スクシネートイオンまたは他の対イオンの包含を伴っていてもよい。対イオンは、親化合物の電荷を安定する任意の有機または無機部分であってもよい。更に、塩は、その構造内に1つを超える荷電原子を有していてもよい。複数の荷電原子が塩の一部であるという場合、例は、複数の対イオンを有していてもよい。したがって、塩は、1つまたは複数の荷電原子および/または1つもしくは複数の対イオンを有していてもよい。
【0055】
[0053]「脱離基」という用語は、求核または求電子置換または置き換え中に脱離する荷電または非荷電部分の基を指す。そのような脱離基は、当技術分野において周知であり、そのような脱離基としては、これらに限定されるものではないが、ハロゲン、エステル、オキシムエステル、アルコキシ、ヒドロキシル、トシレート、トリフレート、メシレート、ニトリル、アジド、カルバメート、ジスルフィド、チオエステル、チオエーテルおよびジアゾニウム化合物がある。
本発明の方法
[0054]本発明は、3-置換1,2,4-トリアゾール化合物を調製するための新規な方法を提供する。
【0056】
[0055]第1の態様において、第2の実施形態は、式IBで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0057】
【0058】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIBで表されるアミドラゾン化合物
【0059】
【0060】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。式IB、式IIB、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0061】
[0056]第1の態様において、第3の実施形態は、式ICで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0062】
【0063】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IICで表されるアミドラゾン化合物
【0064】
【0065】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。式IC、式IIC、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0066】
[0057]第1の態様において、第4の実施形態は、式IDで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0067】
【0068】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIDで表されるアミドラゾン化合物
【0069】
【0070】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。この実施形態において、式IDおよび式IID中のYは、NまたはCであり;式ID、式IID、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0071】
[0058]第1の態様において、第5の実施形態は、式IEで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0072】
【0073】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIEで表されるアミドラゾン化合物
【0074】
【0075】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。この実施形態において、式IE、式IIE、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1および/または第4の実施形態に関して定義された通りである。
【0076】
[0059]第1の態様において、第6の実施形態は、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0077】
【0078】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIFで表されるアミドラゾン化合物
【0079】
【0080】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。この実施形態において、R11はCF3であり、式IIF、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0081】
[0060]第1の態様において、第7の実施形態は、式IGで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0082】
【0083】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIGで表されるアミドラゾン化合物
【0084】
【0085】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。この実施形態において、Xは、CまたはNであり;式IG、式IIG、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0086】
[0061]第1の態様において、第8の実施形態は、式IHで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0087】
【0088】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIHで表されるアミドラゾン化合物
【0089】
【0090】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。この実施形態において、式IH、式IIH、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1および/または第7の実施形態に関して定義された通りである。
【0091】
[0062]第1の態様において、第9の実施形態は、式IJで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0092】
【0093】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIJで表されるアミドラゾン化合物
【0094】
【0095】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。この実施形態において、式IJ、式IIJ、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0096】
[0063]第1の態様において、第10の実施形態は、式ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0097】
【0098】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IILで表されるアミドラゾン化合物
【0099】
【0100】
またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する。この実施形態において、式IL、式IIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0101】
[0064]第1の態様において、第11の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第7または第9の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IG、IJで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IG、IIG、IJおよびIIJ中の、環Bは、1または2個の環窒素原子を含む、フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環であり、他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4および/または第7の実施形態に関して定義された通りである。
【0102】
[0065]第1の態様において、第12の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中のJB、JC、pおよびR11は、以下のように更に定義される:
JBは、独立して、ハロまたはハロの最大3つの例で任意選択で置換されたC1-6アルキルであり;
各JCは、存在する場合、水素、ハロ、-CN、およびハロの最大3つの例で任意選択で独立して置換されたC1-4アルキルから独立して選択され;
pは、存在する場合、1または2であり;
R11は、H、-NRa2Rb2、-C(O)NRa2Rb2、-C(O)R15a、-CN、R15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC1-6アルキル、Rb2の0~2つの発生で、任意選択で独立して置換されたC2-6アルケニル、Rb2の0~2つの発生で、任意選択で独立して置換されたC2-6アルキニル;R15の0~5つの発生で、任意選択で独立して置換されたC1-6アルコキシ、R15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたフェニル、R15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された5から6員ヘテロアリール、R15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換されたC3-8シクロアルキルまたはR15の0~3つの発生で、任意選択で独立して置換された3~8員ヘテロシクリルであり;前記5から6員ヘテロアリールのそれぞれおよび前記3~8員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
R15は、ハロ、-ORb2、-SRb2、-NRa2Rb2、-C(O)Rb2、-C(O)NRa2Rb2、-NRb2C(O)ORb2、-OC(O)NRa2Rb2、C2-4アルケノキシ、C3-8シクロアルキル、フェニル、5または6員ヘテロアリール、または3~10員ヘテロシクリルであり;前記5または6員ヘテロアリール環のそれぞれおよび前記3~10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
R15aは、C3-8シクロアルキル、フェニル、5または6員または3~10員ヘテロシクリルであり;前記5または6員ヘテロアリール環のそれぞれおよび前記3~10員ヘテロシクリルのそれぞれは、N、OまたはSから独立して選択される最大3つの環ヘテロ原子を含み;
Ra2は、水素、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり;
Rb2は、水素、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルである。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7および/または第11の実施形態に関して定義された通りである。
【0103】
[0066]第1の態様において、第13の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJおよびIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中のR11は-NRa2Rb2、ハロの0~3つの発生で任意選択で独立して置換されたC1-6アルキル、ハロの0~3つの発生で任意選択で独立して置換された5から6員ヘテロアリール、またはハロの0~3つの発生で任意選択で独立して置換されたC3-8シクロアルキルである。JBおよびJCは、第1の態様の第12の実施形態に関して定義された通りである。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4および/または第7の実施形態に関して定義された通りである。
【0104】
[0067]第1の態様において、第14の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJおよびIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中のR11は、ハロの0~3つの発生で任意選択で独立して置換されたC1-6アルキルである。JBおよびJCは、第1の態様の第12の実施形態に関して定義された通りである。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4および/または第7の実施形態に関して定義された通りである。
【0105】
[0068]第1の態様において、第15の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJおよびIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中のR11はCF3である。JBおよびJCは、第1の態様の第12の実施形態に関して定義された通りである。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4および/または第7の実施形態に関して定義された通りである。
【0106】
[0069]第1の態様において、第16の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJおよびIIL中のG1は、カルバメートアミノ保護基、アミドアミノ保護基、またはスルホニルアミノ保護基である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14および/または第15の実施形態に関して定義された通りである。
【0107】
[0070]第1の態様において、第17の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJおよびIIL中のG1は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、メチルスルホニル、p-トルエンスルホニル(Tos)、4-ニトロベンゼンスルホニル(NOSyl)、2-ニトロベンゼンスルホニル、p-ブロモベンゼンスルホニル(Brosyl)、トリフルオロアセチル、アセチルまたはベンゾイルである。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14および/または第15の実施形態に関して定義された通りである。
【0108】
[0071]第1の態様において、第18の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OE’(式中、-OE’は、-O-(C1-6アルキル)、-O-(C1-6ハロアルキル)、-O-(フェニル)、-O-(ヘテロアリール)、-O-(ヘテロシクリル)であり、フェニル、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルは、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、SO3H、およびSO3C1-6アルキルから独立して選択される1から6個の基で任意選択で置換される)と、塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16および/または第17の実施形態に関して定義された通りである。
【0109】
[0072]第1の態様において、第19の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OE’(式中、-OE’は、-O-(C1-6ハロアルキル)である)と、塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16および/または第17の実施形態に関して定義された通りである。
【0110】
[0073]第1の態様において、第20の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OE’(式中、-OE’は、-O-(CH2CF3)、-O-(ニトロフェニル)(例えば、2または4-ニトロフェニル)、-O-(ジニトロフェニル)(例えば2,4-ジニトロフェニルエステル)、-O-(トリクロロフェニル)(例えば、2,4,5-トリクロロフェニル)、-O-(ペンタフルオロフェニル)、-O-(スルホ-テトラフルオロフェニル)(例えば、4-スルホ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)、-O-(スクシンイミジル)、-O-(ベンゾトリアゾール)、-O-(7-アザベンゾトリアゾール)、-O-(フタルイミジル)、-O-(5-ノルボルネン-エンド-2,3-ジカルボキシイミド)、または-O-(スルホ-スクシンイミジル)である)と、塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16および/または第17の実施形態に関して定義された通りである。
【0111】
[0074]第1の態様において、第21の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OR”(式中、R”はN=CR11bR11c、P(O)(OH)2、またはPH(O)OHである)と、塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16および/または第17の実施形態に関して定義された通りである。
【0112】
[0075]第1の態様において、第22の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OHと、活性化剤の存在下、塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16および/または第17の実施形態に関して定義された通りである。
【0113】
[0076]第1の態様において、第23の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OHと、活性化剤の存在下、塩基の存在下で反応させる工程を含み、活性化剤が、カルボジイミド、ウロニウム、ホスホニウム、2-アルキル-1-アルキルカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、2-アルコキシ-1-アルコキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン、シアノヒドロキシイミノ酢酸エチル(Oxyma(登録商標))、またはクロロギ酸アルキルである方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16および/または第17の実施形態に関して定義された通りである。
【0114】
[0077]第1の態様において、第24の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)SR’(式中、-SR’は、-S-(アリール)、-S-(C1-20アルキル)、または-S-(ヘテロアリール)である)と、塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16および/または第17の実施形態に関して定義された通りである。
【0115】
[0078]第1の態様において、第25の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)SR’(式中、-SR’は、-S-(エチル)、-S-(ドデシル)、-S-(p-クロロフェニル)、または-S-(2-ベンゾチアゾリル)である)と、塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL中の他の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16および/または第17の実施形態に関して定義された通りである。
【0116】
[0079]第1の態様において、第26の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在し、塩基が、トリアルキルアミン、炭酸塩、ホスファゼン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、グアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、任意選択で置換されたピリジンまたは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン(DABCO)からなる群から選択されるか、または特定の実施形態において、塩基が、トリアルキルアミン、ホスファゼン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)、グアニジン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、任意選択で置換されたピリジンまたは1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]-オクタン(DABCO)からなる群から選択される方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、第24および/または第25の実施形態に関して定義された通りである。
【0117】
[0080]第1の態様において、第27の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在し、塩基が4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)である方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、第24および/または第25の実施形態に関して定義された通りである。
【0118】
[0081]第1の態様において、第28の実施形態は、第1の態様の第7、第8、第9または第10の実施形態の反応させる工程を含む、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在し、塩基がDABCOである方法である。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、第24および/または第25の実施形態に関して定義された通りである。
【0119】
[0082]第1の態様において、第29の実施形態は、第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10の実施形態において記載されるような、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。方法は、必要であれば、アミドラゾン化合物と、カルボン酸、酸ハロゲン化物、ハロゲン化チオアシル、活性化エステル、チオエステルまたは酸無水物との反応後に、反応生成物をアミドラゾン脱保護剤と反応させることによってアミドラゾン保護基を脱保護する工程を更に含む。式IA、IIA、IB、IIB、IC、IIC、ID、IID、IE、IIE、IF、IIF、IG、IIG、IH、IIH、IJ、IIJ、ILおよびIIL、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”中の可変文字の値、および塩基は、第1の態様の第1、第4、第7、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、第24、第25、第26、第27および/または第28の実施形態に関して定義された通りである。
【0120】
[0083]第1の態様において、第30の実施形態は、第1の態様の第1の実施形態において記載されるような、式IAで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する方法である。式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、式IIIAの化合物
【0121】
【0122】
またはその塩を、
[0084]最初に第2の塩基と、次に式H2NNHG1の化合物と反応溶媒中で反応させる工程を含む方法によって調製される。式IA、IIA、IIIA、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。1つの実施形態において、式IIIAで表される化合物またはその塩は、式IIIBの化合物である。
【0123】
【0124】
式IA、IIA、IIIB、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。1つの実施形態において、式IIIAで表される化合物またはその塩は、式IIICの化合物である。
【0125】
【0126】
式IA、IIA、IIIC、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。1つの態様において、式IIIAで表される化合物またはその塩は、式IIIDの化合物である。
【0127】
【0128】
式IA、IIA、IIID、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。1つの態様において、式IIIAで表される化合物またはその塩は、式IIIEの化合物である。
【0129】
【0130】
式IA、IIA、IIIE、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。1つの態様において、式IIIAで表される化合物またはその塩は、式IIIFの化合物である。
【0131】
【0132】
式IA、IIA、IIIF、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。ある特定の実施形態において、上述の式IIIA、IIIB、IIIC、IIID、IIIEまたはIIIFに関しては、Wは、1または2個の環窒素原子を含む、フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環である環Bである。より詳細には、Wはフェニルである。ある特定の実施形態において、上述の式IIIA、IIIB、IIIC、IIID、IIIEまたはIIIFに関しては、JBは、独立して、ハロまたはハロの最大3つの例で任意選択で置換されたC1-6アルキルであり;
各JCは、存在する場合、水素、ハロ、-CN、およびハロの最大3つの例で任意選択で独立して置換されたC1-4アルキルから独立して選択され;pは、存在する場合、1または2である。
【0133】
[0085]第1の態様において、第31の実施形態は、第1の態様の第1の実施形態において記載されるような、式IAで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する方法である。式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、第30の実施形態において記載される通りに調製され、式IIIAの化合物を、最初に第2の塩基と、次に式H2NNHG1の化合物と反応溶媒中で反応させる工程を含み、反応溶媒はアルコールである。式IA、IIA、IIIA、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0134】
[0086]第1の態様において、第32の実施形態は、第1の態様の第1の実施形態において記載されるような、式IAで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する方法である。式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、第30の実施形態において記載される通りに調製され、式IIIAの化合物を、最初に第2の塩基と、次に式H2NNHG1の化合物と反応溶媒中で反応させる工程を含み、反応溶媒はMeOHである。式IA、IIA、IIIA、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0135】
[0087]第1の態様において、第33の実施形態は、第1の態様の第1の実施形態において記載されるような、式IAで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する方法である。式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、第30、第31、第32の実施形態において記載される通りに調製され、式IIIAの化合物を、最初に第2の塩基と、次に式H2NNHG1の化合物と反応溶媒中で反応させる工程を含み、第2の塩基はNaOMeである。式IA、IIA、IIIA、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、R11C(O)OR”、およびH2NNHG1中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0136】
[0088]第1の態様において、第34の実施形態は、第1の態様の第1の実施形態において記載されるような、式IAで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”と、塩基の存在下で反応させる工程を含み、R11C(O)OHが使用される場合、活性化剤も存在する方法である。式IIAで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、第30、第31、第32、または第33の実施形態において記載される通りに調製され、式H2NNHG1の化合物は、H2NNHC(O)OC(CH3)3、H2NNHC(O)OCH2CCl3、H2NNHC(O)Oベンジル、H2NNHC(O)OCH2(9-フルオレニル)、NH2NHSO2CH3、NH2NHSO2(p-トルエン)、NH2NHSO2(4-ニトロフェニル)、NH2NHSO2(2-ニトロフェニル)、NH2NHSO2(4-ブロモフェニル)、NH2NHC(O)CF3、H2NNHC(O)フェニルまたはH2NNHC(O)CH3である。式IA、IIA、IIIA、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’およびR11C(O)OR”中の可変文字の値は、第1の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
【0137】
[0089]第1の態様において、第35の実施形態は、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物
【0138】
【0139】
またはその塩を調製する方法である。方法は、式IIFaで表されるアミドラゾン
【0140】
【0141】
またはその塩を、CF3C(O)OCH2CF3と塩基の存在下で反応させる工程を含む。
[0090]第1の態様において、第36の実施形態は、第1の態様の第35の実施形態において記載されるような、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。塩基はDABCOである。
【0142】
[0091]第1の態様において、第37の実施形態は、第1の態様の第35または第36の実施形態において記載されるような、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。方法は、式IFの3-置換1,2,4-トリアゾール化合物を結晶化によって精製する工程を更に含む。
【0143】
[0092]第1の態様において、第38の実施形態は、第1の態様の第35または第36の実施形態において記載されるような、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法である。方法は、式IFの3-置換1,2,4-トリアゾール化合物を結晶化によって精製する工程であって、結晶化が、式IIFaで表されるアミドラゾン化合物とCF3C(O)OCH2CF3との間の反応の完了後、n-ヘプタンを反応混合物に添加することによって行われる工程を更に含む。
【0144】
[0093]第1の態様において、第39の実施形態は、第1の態様の第35、第36、第37または第38の実施形態において記載されるような、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIFaで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、CF3C(O)OCH2CF3と塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IIFaで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、式IIIFaの化合物
【0145】
【0146】
またはその塩を、最初に第2の塩基と、次にH2NNHC(O)OC(CH3)3の化合物と反応溶媒中で反応させる工程を含む方法によって調製される。
[0094]第1の態様において、第40の実施形態は、第1の態様の第35、第36、第37または第38の実施形態において記載されるような、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIFaで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、CF3C(O)OCH2CF3と塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IIFaで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、第39の実施形態において記載されるような方法によって調製され、式IIIFaの化合物またはその塩を、最初に第2の塩基と、次にH2NNHC(O)OC(CH3)3と反応溶媒中で反応させる工程を含み、反応溶媒はアルコールである。
【0147】
[0095]第1の態様において、第41の実施形態は、第1の態様の第35、第36、第37または第38の実施形態において記載されるような、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIFaで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、CF3C(O)OCH2CF3と塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IIFaで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、第39の実施形態において記載されるような方法によって調製され、式IIIFaの化合物またはその塩を、最初に第2の塩基と、次にH2NNHC(O)OC(CH3)3と反応溶媒中で反応させる工程を含み、反応溶媒はMeOHである。
【0148】
[0096]第1の態様において、第42の実施形態は、第1の態様の第35、第36、第37または第38の実施形態において記載されるような、式IFで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩を調製する方法であって、式IIFaで表されるアミドラゾン化合物またはその塩を、CF3C(O)OCH2CF3と塩基の存在下で反応させる工程を含む方法である。式IIFaで表されるアミドラゾン化合物またはその塩は、第39、第40または第41の実施形態において記載されるような方法によって調製され、式IIIFaの化合物またはその塩を、最初に第2の塩基と、次にH2NNHC(O)OC(CH3)3と反応溶媒中で反応させる工程を含み、第2の塩基はNaOMeである。
【0149】
[0097]本明細書において記載される反応のために任意の好適な有機溶媒を使用してもよい。例示的な溶媒としては、これらに限定されるものではないが、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、酢酸エチル、酢酸イソプロピル(IPAC)、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン等がある。
【0150】
[0098]1つの実施形態において、アミドラゾン化合物と、R11C(O)OH、R11C(O)X’、R11C(S)X’、R11C(O)OE’、R11C(O)SR’、またはR11C(O)OR”との間の反応は、IPAC中で行われる。
【0151】
[0099]いくつかの実施形態において、式IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、ILで表される3-置換1,2,4-トリアゾール化合物またはその塩は、結晶化によって精製される。1つの実施形態において、結晶化は、共溶媒を3-置換1,2,4-トリアゾール化合物を含む溶液へ添加することによって行われる。
【0152】
本明細書において使用される「共溶媒」は、その中では、3-置換1,2,4-トリアゾール化合物が不溶性であるか、または難溶解性を有する溶媒を指す。例示的な共溶媒としては、これらに限定されるものではないが、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等がある。
本発明の化合物
[00100]第2の態様の第2の実施形態では、化合物は式IIB
【0153】
【0154】
またはその塩で表され、可変文字の値は、第2の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
[00101]第2の態様の第3の実施形態において、化合物は式IIC
【0155】
【0156】
またはその塩で表され、可変文字の値は、第2の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
[00102]第2の態様の第4の実施形態において、化合物は式IID
【0157】
【0158】
またはその塩で表され、Yは、NまたはCであり;他の可変文字の値は、第2の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
[00103]第2の態様の第5の実施形態において、化合物は式IIE
【0159】
【0160】
またはその塩で表され、
可変文字の値は、第2の態様の第1および/または第4の実施形態に関して定義された通りである。
【0161】
[00104]第2の態様の第6の実施形態において、化合物は式IIF
【0162】
【0163】
またはその塩で表され、可変文字の値は、第2の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
[00105]第2の態様の第7の実施形態において、化合物は式IIG
【0164】
【0165】
またはその塩で表され、Xは、CまたはNであり;他の可変文字の値は、第2の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
[00106]第2の態様の第8の実施形態において、化合物は式IIH
【0166】
【0167】
またはその塩で表され、可変文字の値は、第2の態様の第1および/または第7の実施形態に関して定義された通りである。
[00107]第2の態様の第9の実施形態において、化合物は式IIJ
【0168】
【0169】
またはその塩で表され、可変文字の値は、第2の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
[00108]第2の態様の第10の実施形態において、化合物は式IIL
【0170】
【0171】
またはその塩で表され、
可変文字の値は、第2の態様の第1の実施形態に関して定義された通りである。
[00109]第2の態様の第11の実施形態において、化合物は、式IIA、IIB、IIC、IID、IIG、IIJまたはその塩で表され、環Bは、1または2個の環窒素原子を含む、フェニルまたは5もしくは6員ヘテロアリール環であり;他の可変文字の値は、第2の態様の第1、第4および/または第7の実施形態に関して定義された通りである。
【0172】
[00110]第2の態様の第12の実施形態において、化合物は、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILまたはその塩で表され、
JBは、独立して、ハロまたはハロの最大3つの例で任意選択で置換されたC1-6アルキルであり;
各JCは、存在する場合、水素、ハロ、-CN、またはハロの最大3つの例で任意選択で独立して置換されたC1-4アルキルから独立して選択され;
pは、存在する場合、1または2であり;
他の可変文字の値は、第2の態様の第1、第4、第7および/または第11の実施形態に関して定義された通りである。
【0173】
[00111]第2の態様の第13の実施形態において、化合物は、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILまたはその塩で表され、G1は、カルバメートアミノ保護基、アミドアミノ保護基、またはスルホニルアミノ保護基であり;他の可変文字の値は、第2の態様の第1、第4、第7、第11および/または第12の実施形態に関して定義された通りである。
【0174】
[00112]第2の態様の第14の実施形態において、化合物は、式IIA、IIB、IIC、IID、IIE、IIF、IIG、IIH、IIJ、IILまたはその塩で表され、G1は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル(Troc)、ベンジルオキシカルボニル(Z)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、メチルスルホニル、p-トルエンスルホニル(Tos)、4-ニトロベンゼンスルホニル(NOSyl)、2-ニトロベンゼンスルホニル、p-ブロモベンゼンスルホニル(Brosyl)、トリフルオロアセチル、アセチルまたはベンゾイルであり;他の可変文字の値は、第2の態様の第1、第4、第7、第11および/または第12の実施形態に関して定義された通りである。
【0175】
[00113]第2の態様の第15の実施形態において、化合物は式IIFa
【0176】
【0177】
またはその塩で表される。
【実施例】
【0178】
[00114]例において提供される全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。本明細書において使用される全ての略語、記号および表記法は、同時期の科学文献において使用されるものと一致する。例えば、Janet S.Dodd編、The ACS Style Guide:A Manual for Authors and Editors、第2版、Washington,D.C.:American Chemical Society、1997年を参照されたく、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0179】
実施例1
8-(2-フルオロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-カルボニトリル(ニトリル)の合成
【0180】
【0181】
表題化合物を、特許文献(WO2015/187470A1)の手順に従って、2ステップで黄色固形物として合成した(0.60g、2ステップで収率39%)。1H NMR (500 MHz, メタノール-d4) δ (ppm) 9.09 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.91 (s, 1 H), 7.35 (t, 1 H), 7.28 (m, 1 H), 7.10 (m, 2 H), 4.60 (s, 2 H).
tert-ブチル2-((8-(2-フルオロベンジル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イル)(イミノ)メチル)ヒドラジン-1-カルボキシレート(BOC-アミドラゾン)の合成
【0182】
【0183】
ニトリル化合物1mol(252.25g)、続いて乾燥メタノール(1.5L)を、機械的撹拌機を備えた2Lの円筒型反応器に入れた。120~140RPMで撹拌し、黄土色の粒子が大きい懸濁液を得た。懸濁液に、メタノール中の5mol%(100mL、0.5M溶液)のナトリウムメトキシドを室温で添加した。反応器のジャケットの温度を18℃に設定し、混合物を、HPLCが中間体メチルイミデートへ完全に変換されたことを示すまで、窒素下で撹拌した(LC-MS:100A%MH+285)。次いで、t-ブチルカルバゼート1.03eq(136g)を15分かけて少しずつ添加した。温度が9.2℃に低下し、酢酸(0.1eq.、5.7mL)を、シリンジを用い、セプタムを介してゆっくりと添加した。反応混合物の温度が11.2℃から17.2℃へゆっくりと上昇し、透明なコーヒー茶色の溶液を得た。反応器のジャケットの温度を18℃に上昇させ、撹拌速度を165RPMに上げた。1時間後、非常に濃厚な黄色懸濁液が形成された(反応混合物の温度は約21℃)。次いで、追加の乾燥MeOH(550mL)を添加した。約24時間後、LC-MSによって、BOC-アミドラゾンへ完全に変換されたことが示され(MH+385)、LC-MSによってメチルイミデートを検出することはできなかった。懸濁液を8~10℃に冷却し、1M NaOH水溶液0.06eq.(60mL)、続いて飽和NaCl水溶液(150mL)およびDI水(200mL)を添加した。得られた混合物を数時間撹拌してから、pHを、10%炭酸ナトリウム水溶液を用いて8~9に調整した。次いで得られた混合物を水(250mL)で希釈し、2Lの多孔質ガラスフリット媒体(medium poros. glass frit)に通してろ過し、DI水(3×300mL)で洗浄し、フィルター上で約45分間吸引乾燥した。湿った固形物(wetcake)を、n-ヘプタンで洗浄し(4×200mL)、フィルター上で1時間吸引乾燥し、次いで、40℃の真空乾燥オーブン中で恒量になるまで乾燥した。生成物を淡黄色粉末状材料358.86g(93%)として得た。Mp(DSC)181℃。HPLC(RP)[240nm]:99.8A%。MS:MH+385(100%)。
1H-NMR (D6-DMSO): δ ppm 1.47 (s, 9 H), 4.56 (s, 2 H), 6.34 (s, 2 H), 7.12 (t, J=7.48 Hz, 1 H), 7.15 - 7.21 (m, 1 H), 7.25 - 7.33 (m, 1 H), 7.42 (t, J=7.63 Hz, 1 H), 7.82 (s, 1 H), 8.29 (s, 1 H), 9.00 - 9.09 (m, 1 H), 9.13 (br s, 1 H).
13C-NMR (D6-DMSO): δ ppm 28.15, 31.91, 78.44, 115.04, 116.28, 116.50,124.14, 124.37, 128.56, 131.58, 131.79, 135.40, 139.09, 142.53, 149.66, 152.87, 160.39.
8-(2-フルオロベンジル)-6-(3-(トリフルオロメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピラジン(化合物IF)の合成。
【0184】
【0185】
BOC-アミドラゾン50mmol(19.22g)およびDABCO(12.34g)2.2eq.を、磁気撹拌子を備えた500mlのナシ型フラスコに入れた。次いで、酢酸イソプロピル(300mL)を添加し、混合物を窒素下、室温で2分間撹拌し、白色の薄い懸濁液を得た。懸濁液に、2,2,2-トリフルオロエチルトリフルオロアセテート(TFAOTfeまたはCF3C(=O)OCH2CF3、2.5eq.、25g)を添加し、懸濁液を、HPLCおよびLC-MSによって出発材料が完全に変換されたことが示されるまで、窒素下、室温で撹拌した。得られた懸濁液を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液および蒸留水で連続的に洗浄した。有機相を、短いシリカゲル/セライトプラグに通してろ過し、ロータリーエバポレーター(水浴の温度:45~50°C)で濃縮し、体積を減少させた(約50~70mL)。暖かい懸濁液をn-ヘプタン(150mL)でただちに希釈し、20℃へゆっくりと冷却しながら2時間撹拌し、次いで更に5℃で2時間撹拌し、ろ過した。湿った固形物をn-ヘプタン(2×50mL)で洗浄し、真空乾燥オーブン中で恒量に乾燥した。生成物を雪のような白色の粉末16.7g(92%)として得た。Mp(DSC)196℃。HPLC(RP)[240nm]:99.8A%。MS:MH+363(100%)。
1H-NMR (D6-DMSO): δ ppm 4.60 (s, 2 H) 7.05 - 7.11 (m, 1 H) 7.14 - 7.20 (m, 1 H) 7.22 - 7.29 (m, 1 H) 7.43 (br t, J=7.63 Hz, 1 H) 7.84 -7.87 (m, 1 H) 8.23 - 8.27 (m, 1 H) 9.44 (d, J=1.83 Hz, 1 H) 15.43 (br s, 1 H).
13C-NMR (D6-DMSO): δ ppm 160.90, 158.95, 154.13, 152.73, 152.43, 151.76, 138.89, 135.50, 130.91, 130.87, 128.34, 128.27, 126.39, 124.11, 124.02, 122.47, 120.33, 119.12, 118.18, 116.68, 116.04, 115.01, 114.84, 31.64, 31.61.
19F-NMR (D6-DMSO): δ ppm -116.96, -63.93.
[00115]本明細書において挙げられる全ての参考文献は、その内容全体が参照により明示的に組み込まれるものとする。