(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】高温ガス冷却炉吸収ボール落下駆動装置
(51)【国際特許分類】
G21C 9/027 20060101AFI20231221BHJP
G21C 7/22 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G21C9/027
G21C7/22
(21)【出願番号】P 2023139897
(22)【出願日】2023-08-30
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】202211207702.8
(32)【優先日】2022-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523330628
【氏名又は名称】華能核能技術研究院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】張振魯
(72)【発明者】
【氏名】許傑
(72)【発明者】
【氏名】雷偉俊
(72)【発明者】
【氏名】汪景新
(72)【発明者】
【氏名】孟東旺
(72)【発明者】
【氏名】孫恵敏
(72)【発明者】
【氏名】羅勇
(72)【発明者】
【氏名】安娜
(72)【発明者】
【氏名】肖三平
(72)【発明者】
【氏名】斉炳雪
(72)【発明者】
【氏名】馬明徳
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-198894(JP,A)
【文献】特開平07-229991(JP,A)
【文献】特開平03-154894(JP,A)
【文献】特開昭60-147689(JP,A)
【文献】特開昭61-265597(JP,A)
【文献】特開平04-212095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 9/027
G21C 9/02
G21C 9/033
G21C 7/00-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞とボール落下口を有し、前記ボール落下口
はタンク本体の底部に設けられ、前記ボー
ル落下口は前記空洞と連通するタンク本体と、
前記空洞内に設けられて下端が開口した第1キャビティを含み、前記第1キャビティの開
口は前記ボール落下口と連通し
、阻止部材の周壁に第1ボール落下孔が設けられ、前記第
1ボール落下孔は前記空洞と前記第1キャビティを連通し、前記空洞内の吸収ボールが前
記第1ボール落下孔から前記ボール落下口に排出される阻止部材と、
前記タンク本体と連通し、前記タンク本体の軸線の周りに第1位置と第2位置間で回転可
能であり
、ボール落下棒の第1端は前記空洞内に配置され
、ボール落下棒の第2端は前記
タンク本体外側に配置されるボール落下棒と、を備え、
前記ボール落下棒は遮断部を含み、前記遮断部は前記第1キャビティ内に位置して前記ボ
ール落下棒の第1端に接続され、前記遮断部は下端が開口した第2キャビティを含み、前
記第2キャビティの開口は前記ボール落下口と連通し、前記遮断部の周壁に第2ボール落
下孔が設けられ、前記第2ボール落下孔は前記第2キャビティと連通し、
前記第1位置において、前記遮断部の周壁は前記第1ボール落下孔を遮断して、第1ボー
ル落下孔と前記ボール落下口を遮断するために使用され、
前記第2位置において、前記第2ボール落下孔は前記第1ボール落下孔と前記第2キャビ
ティを連通して、前記空洞内の吸収ボールが前記第1ボール落下孔、前記第2ボール落下
孔、前記第2キャビティおよび前記ボール落下口を通して前記タンク本体
から順次排出さ
れ、
受動駆動部材をさらに備え、前記受動駆動部材は前記タンク本体に設けられて前記ボール
落下棒の第2端に接続され、前記受動駆動部材は、前記ボール落下棒を駆動して前記第1
位置と前記第2位置間で移動させ、前記第1位置において、前記受動駆動部材は重力作用
下で移動可能であり、
前記受動駆動部材は第1軸線周りに回転可能であり、前記受動駆動部材はカウンターウエ
イトブロックをさらに含み、前記受動駆動部材の重心と前記第1軸線間に隙間を有し、前
記第1位置において、前記受動駆動部材の重心と前記第1軸線の連結線の延伸方向は、重
力方向と挟角をなし、前記第1軸線は前記タンク本体の軸線と直交し、
前記ボール落下棒は第1回転部を含み、前記第1回転部は前記ボール落下棒の第2端に設
けられ、前記第1回転部は前記受動駆動部材に接続され、前記受動駆動部材は前記ボール
落下棒を駆動して前記第1位置と前記第2位置間で回転させ、
攪乱ロッドをさらに備え、前記攪乱ロッドは前記タンク本体の軸線の周りに回転可能に前
記ボール落下棒に嵌設され、前記攪乱ロッドの第1端は前記空洞内に位置して前記ボール
落下口に隣接し、前記攪乱ロッドの第2端は前記タンク本体外側に位置し、前記攪乱ロッ
ドは突出部を有し、前記突出部は前記攪乱ロッドの第1端に隣接して前記タンク本体の内
壁面に向かって延伸する、
ことを特徴とする高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置。
【請求項2】
前記突出部は複数であり、複数の前記突出部は複数組に分かれ、各組の前記突出部は、前
記攪乱ロッドの周向に沿って配置された少なくとも2つの突出部を含み、複数組の前記突
出部は前記攪乱ロッドの延伸方向に沿って間隔をあけて配置される、ことを特徴とする請
求
項1に記載の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置。
【請求項3】
第2駆動部材をさらに備え、前記第2駆動部材は第2出力部を含み、前記第2出力部は前
記攪乱ロッドの第2端に接続され、前記第2駆動部材は、前記攪乱ロッドを回転させるよ
うに駆動する、ことを特徴とする請求
項2に記載の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置。
【請求項4】
前記第1ボール落下孔は複数であり、複数の前記第1ボール落下孔は前記阻止部材の周方
向に沿って間隔をあけて配置される、ことを特徴とする請求
項3に記載の高温ガス冷却炉
ボール落下駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉工学の技術分野に関し、具体的に、高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
高温ガス冷却炉に、制御棒システムと吸収ボールシステムという2つの独立したシャット
ダウンシステムがある。吸収ボールシステムは、ボール落下シャットダウンを補助し、バ
ックアップのためにボールを空気輸送するという機能を持っている。ここで、吸収ボール
は中性子吸収材料(例えば炭化ホウ素)を含む球状粒子であり、その直径は、5~10m
mのミリメートルレベルである。吸収ボールはボール貯蔵タンクに貯蔵され、ボール貯蔵
タンクは原子炉の炉心上方に配置される。原子炉の通常運転時に、ボール貯蔵タンクの底
部のボール落下口が遮断され、吸収ボールはボール貯蔵タンク内に貯蔵される。ボール落
下によりシャットダウンする必要がある場合、吸収ボールはボール貯蔵タンクの底部のボ
ール落下口から炉心側反射層ボール落下ポア内に落下し、中性子を吸収して原子炉をシャ
ットダウンする。
関連技術では、高温ガス冷却炉のボール落下駆動機構のモータの制動力が失われると、吸
収ボールがボール貯蔵タンクに長時間滞留し、炉心に入らなくなり、高温ガス冷却炉の故
障につながり、手動で分解して修理しかできず、作業強度が高く、危険係数が高くなる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、関連技術における技術的課題の少なくとも一部をある程度解決することを目的
とする。
この目的を達成するために、本発明の実施例は、高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置を提
供し、この高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、制動力がなくてもボール落下口の連通
を確保し、タンク本体に吸収ボールが蓄積されることを回避することができる。
本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、
空洞とボール落下口を有し、前記ボール落下口は前記タンク本体の底部に設けられ、前記
ボール落下口は前記空洞と連通するタンク本体と、
前記空洞内に設けられて下端が開口した第1キャビティを含み、前記第1キャビティの開
口は前記ボール落下口と連通し、前記阻止部材の周壁に第1ボール落下孔が設けられ、前
記第1ボール落下孔は前記空洞と前記第1キャビティを連通し、前記空洞内の吸収ボール
が前記第1ボール落下孔から前記ボール落下口に排出される阻止部材と、
前記タンク本体と連通し、前記タンク本体の軸線の周りに第1位置と第2位置間で回転可
能であり、前記ボール落下棒の第1端は前記空洞内に配置され、前記ボール落下棒の第2
端は前記タンク本体外側に配置されるボール落下棒と、を備え、
前記ボール落下棒は遮断部を含み、前記遮断部は前記第1キャビティ内に位置して前記ボ
ール落下棒の第1端に接続され、前記遮断部は下端が開口した第2キャビティを含み、前
記第2キャビティの開口は前記ボール落下口と連通し、前記遮断部の周壁に第2ボール落
下孔が設けられ、前記第2ボール落下孔は前記第2キャビティと連通し、
前記第1位置において、前記遮断部の周壁は前記第1ボール落下孔を遮断して、第1ボー
ル落下孔と前記ボール落下口を遮断するために使用され、
前記第2位置において、前記第2ボール落下孔は前記第1ボール落下孔と前記第2キャビ
ティを連通して、前記空洞内の吸収ボールが前記第1ボール落下孔、前記第2ボール落下
孔、前記第2キャビティおよび前記ボール落下口を通して前記タンク本体に順次排出され
る。
本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は制動力がない状態において、ボー
ル落下棒を回転させてボール落下棒を第2位置に配置し、すなわち、第2ボール落下孔は
第1ボール落下孔と第2キャビティを連通し、タンク本体の空洞中の吸収ボールは第1ボ
ール落下孔、第2ボール落下孔、第2キャビティおよびボール落下口を通して順次排出さ
れる。
したがって、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、制動力がない状態
において、第1ボール落下孔、第2ボール落下孔およびボール落下口の連通を確保し、タ
ンク本体に吸収ボールが蓄積されることを回避することができる。
いくつかの実施例では、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、受動駆
動部材をさらに備え、前記受動駆動部材は前記タンク本体に設けられて前記ボール落下棒
の第2端に接続され、前記受動駆動部材は、前記ボール落下棒を駆動して前記第1位置と
前記第2位置間で移動させ、前記第1位置において、前記受動駆動部材は重力作用下で移
動可能である。
いくつかの実施例では、前記受動駆動部材は第1軸線周りに回転可能であり、前記受動駆
動部材はカウンターウエイトブロックをさらに含み、前記受動駆動部材の重心と前記第1
軸線間に隙間を有し、前記第1位置において、前記受動駆動部材の重心と前記第1軸線の
連結線の延伸方向は、重力方向と挟角をなし、前記第1軸線は前記タンク本体の軸線と直
交する。
いくつかの実施例では、前記ボール落下棒は第1回転部を含み、前記第1回転部は前記ボ
ール落下棒の第2端に設けられ、前記第1回転部は前記受動駆動部材に接続され、前記受
動駆動部材は前記ボール落下棒を駆動して前記第1位置と前記第2位置間で回転させる。
いくつかの実施例では、前記高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は第1駆動部材をさらに
備え、前記第1駆動部材は第1出力部を含み、前記第1出力部は前記第1回転部に接続さ
れ、前記第1駆動部材は、前記ボール落下棒を駆動して前記第1位置と前記第2位置間で
回転させるように作動する。
いくつかの実施例では、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、攪乱ロ
ッドをさらに備え、前記攪乱ロッドは前記タンク本体の軸線の周りに回転可能に前記ボー
ル落下棒に嵌設され、前記攪乱ロッドの第1端は前記空洞内に位置して前記ボール落下口
に隣接し、前記攪乱ロッドの第2端は前記タンク本体外側に位置し、前記攪乱ロッドは突
出部を有し、前記突出部は前記攪乱ロッドの第1端に隣接して前記タンク本体の内壁面に
向かって延伸する。
いくつかの実施例では、前記突出部は複数であり、複数の前記突出部は複数組に分かれ、
各組の前記突出部は、前記攪乱ロッドの周向に沿って配置された少なくとも2つの突出部
を含み、複数組の前記突出部は前記攪乱ロッドの延伸方向に沿って間隔をあけて配置され
る。
いくつかの実施例では、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、第2駆
動部材をさらに備え、前記第2駆動部材は第2出力部を含み、前記第2出力部は前記攪乱
ロッドの第2端に接続され、前記第2駆動部材は、前記攪乱ロッドを回転させるように駆
動する。
いくつかの実施例では、前記阻止部材は、前記ボール落下口に向かう開口を有する切り欠
けをさらに含み、前記切り欠けは前記阻止部材の前記ボール落下口に近い一端に配置され
、前記切り欠けは前記第1ボール落下孔を形成する。
いくつかの実施例では、前記第1ボール落下孔は複数であり、複数の前記第1ボール落下
孔は前記阻止部材の周方向に沿って間隔をあけて配置される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置の構造概略図である。
【0005】
符号の説明
1 タンク本体
11 空洞
12 ボール落下口
13 ボール戻り口
2 阻止部材
21 周側壁
22 頂壁
221 連通孔
3 ボール落下棒
31 遮断部
32 第2キャビティ
33 第1回転部
4 受動駆動部材
41 カウンターウエイトブロック
5 第1駆動部材
51 第1出力部
6 第2駆動部材
61 第2出力部
62 第1ギア
7 攪乱ロッド
71 突出部
72 第2ギア
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例示は添付図面に示される。以下、
添付図面を参照して説明される実施例は例示に過ぎず、本発明を説明するためにのみ使用
され、本発明を限定するものとして理解されない。
図1に示すように、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、タンク本体
1、阻止部材2およびボール落下棒3を備える。
タンク本体1は空洞11およびボール落下口12を含み、ボール落下口12はタンク本体
1の底部に設けられ、ボール落下口12は空洞11と連通する。阻止部材2は空洞11内
に設けられ下端が開口した第1キャビティを含み、第1キャビティの開口はボール落下口
12と連通し、阻止部材2の周壁に第1ボール落下孔が設けられ、第1ボール落下孔は空
洞11と第1キャビティを連通し、空洞11内の吸収ボールが第1ボール落下孔を通して
ボール落下口12に排出される。
具体的に、
図1に示すように、阻止部材2はボール落下口12の周りに設けられ、阻止部
材2の下端はボール落下口12の上端に接続される。第1ボール落下孔は空洞11と第1
キャビティを連通すると、タンク本体1の空洞11中の吸収ボールは第1ボール落下孔、
第1キャビティおよびボール落下口12を通して順次排出され得る。
図1に示すように、阻止部材2は周側壁21および頂壁22を有し、周側壁21と頂壁2
2は第1キャビティを囲み、頂壁22に連通孔221が設けられ、連通孔221は攪乱ロ
ッド7の軸線に沿って頂壁22を貫通し、攪乱ロッド7の第1端の一部が連通孔221内
に収まっている。
【0007】
また、
図1に示すように、阻止部材2の周側壁21は環状であり、ボール落下口12を取
り囲んでおり、攪乱ロッド7の下端は連通孔221内に嵌合され得ることを理解されたい
。
好ましくは、連通孔221内に、攪乱ロッド7の下端に合致する軸受(図示せず)が設け
られ、攪乱ロッド7の下端は軸受に嵌合することにより、攪乱ロッド7の回転が容易にな
るとともに、攪乱ロッド7を支持することもできる。
ボール落下棒3はタンク本体1に接続され、ボール落下棒3はタンク本体1の軸線周りに
第1位置と第2位置間で回転可能であり、ボール落下棒3の第1端は空洞11内に配置さ
れ、ボール落下棒3の第2端はタンク本体1外側に配置され、ボール落下棒3は遮断部3
1を含み、遮断部31は第1キャビティ内に配置されてボール落下棒3の第1端に接続さ
れ、遮断部31は下端が開口した第2キャビティ32を含み、第2キャビティ32の開口
はボール落下口12と連通し、遮断部31の周壁に第2ボール落下孔が設けられ、第2ボ
ール落下孔は第2キャビティ32と連通する。
第1位置において、遮断部31の周壁は第1ボール落下孔を遮断し、第1ボール落下孔と
ボール落下口12を遮断し、第2位置において、第2ボール落下孔は第1ボール落下孔と
第2キャビティ32を連通し、空洞11内の吸収ボールは第1ボール落下孔、第2ボール
落下孔、第2キャビティ32およびボール落下口12を通してタンク本体1から順次排出
される。
具体的に、
図1に示すように、ボール落下棒3の下端は第1端であり、ボール落下棒3の
上端は第2端である。遮断部31はボール落下棒3の下端に接続されると、ボール落下棒
3が回転し、遮断部31を回転させるように駆動することができる。
ボール落下棒3が第1位置にあるとき、遮断部31の周壁は第1ボール落下孔を遮断する
と、タンク本体1の空洞11中の吸収ボールが第1ボール落下孔を通過することができず
、ボール落下棒3を回転させ、ボール落下棒3を第2位置に配置すると、遮断部31が回
転し、第2ボール落下孔が第1ボール落下孔と第2キャビティ32を連通し、空洞11内
の吸収ボールは第1ボール落下孔、第2ボール落下孔、第2キャビティ32およびボール
落下口12を通してタンク本体1から順次排出される。
すなわち、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、制動力がない状態に
おいて、ボール落下棒3を回転させ、ボール落下棒3を第1位置から第2位置に回転させ
ると、第2ボール落下孔が第1ボール落下孔と第2キャビティ32を連通し、タンク本体
1の空洞11中の吸収ボールは第1ボール落下孔、第2ボール落下孔、第2キャビティ3
2およびボール落下口12を通して順次排出される。
したがって、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、制動力がない状態
において、第1ボール落下孔、第2ボール落下孔およびボール落下口12の連通を確保し
、タンク本体1に吸収ボールが蓄積されることを回避することができる。
図1に示すように、タンク本体1はボール戻り口13をさらに含み、ボール戻り口13は
タンク本体1の周壁を貫通し、ボール戻り口13はタンク本体1のボール落下口12から
離れた一端に設けられ、吸収ボールがボール戻り口13を通して空洞11内に進入する。
すなわち、吸収ボールはボール戻り口13を通してタンク本体1の空洞11に進入し、ボ
ール戻り口13はボール落下口12から一定の距離に位置しているため、吸収ボールは一
定の衝撃を伴って空洞11に落下し、凝り固まった吸収ボールの破壊に寄与する。
いくつかの実施例では、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は受動駆動
部材4をさらに備え、受動駆動部材4はタンク本体1に設けられてボール落下棒3の第2
端に接続され、受動駆動部材4はボール落下棒3を第1位置と第2位置間で移動させるよ
うに駆動し、第1位置において、受動駆動部材4は重力作用下で移動可能である。
受動駆動部材4は重力作用下で移動および回転可能であり、例えば、受動駆動部材4はラ
ックピニオンアセンブリ、すなわちギアはボール落下棒3に接続され、ピニオンはヘリカ
ルギアペアを介してギアに接続されると、ギアが重力によって移動するとき、ヘリカルギ
アペアによりボール落下棒3に接続されたギアを回転させるように駆動し、ボール落下棒
3を回転させ、ボール落下棒3を第1位置と第2位置間で回転させるようにする。
選択可能に、受動駆動部材4は第1軸線周りに回転可能であり、受動駆動部材4はカウン
ターウエイトブロック41をさらに含み、受動駆動部材4の重心と第1軸線間に隙間があ
り、第1位置において、受動駆動部材4の重心と第1軸線の連結線の延伸方向は、重力の
方向との間に挟角をなし、第1軸線はタンク本体1の軸線と直交する。
好ましくは、ボール落下棒3は第1回転部33を含み、第1回転部33はボール落下棒3
の第2端に設けられ、第1回転部33は受動駆動部材4に接続され、受動駆動部材4がボ
ール落下棒3を第1位置と第2位置間で回転させるように駆動する。
具体的に、
図1に示すように、受動駆動部材4はギアであり、カウンターウエイトブロッ
ク41はこのギアに設けられ、カウンターウエイトブロック41とギアの回転軸間に隙間
がある。第1回転部33は受動駆動部材4と噛み合うギアであり、受動駆動部材4の回転
軸線はボール落下棒3の回転軸線と直交する。
なお、受動駆動部材4の重心と第1軸線の連結線の延伸方向は上下方向との間に挟角があ
ると、受動駆動部材4は重力作用で回転し、ボール落下棒3は第1位置から第2位置に回
転し、受動駆動部材4の重心と第1軸線の連結線の延伸方向は、上下方向との間の挟角は
0度である。
また、受動駆動部材4は不完全ギアであってもよく、例えば、受動駆動部材4は第1回転
部33と噛み合う半ギアである場合、受動駆動部材4は重力作用により回転し、第1回転
部33を回転させる。
いくつかの実施例では、高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は第1駆動部材5をさらに備
え、第1駆動部材5は第1出力部51を含み、第1出力部51は第1回転部33に接続さ
れ、第1駆動部材5は、ボール落下棒3を第1位置と第2位置間で回転させるように駆動
する。
図1に示すように、第1駆動部材5はモータであってもよく、第1出力部51は出力軸で
あり、第1出力軸に、第1回転部33と噛み合うギアが設けられ、第1駆動部材5はボー
ル落下棒3を回転させるように駆動する。
すなわち、第1駆動部材5は往復回転可能なモータであり、ボール落下棒3を第1位置と
第2位置間で回転させるように駆動する。
第1駆動部材5の往復回転周波数は、ボール落下口12からの吸収ボールの排出速度を制
御することができ、すなわち、ボール落下棒3が第1位置にあるとき、遮断部31は第1
ボール落下孔を遮断すると、タンク本体1内の吸収ボールはボール落下口12から排出さ
れることができず、ボール落下棒3が第2位置にあるとき、吸収ボールは第1ボール落下
孔、第2ボール落下孔、第2キャビティ32およびボール落下口12を通して排出される
。
いくつかの実施例では、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は攪乱ロッ
ド7をさらに備え、攪乱ロッド7はタンク本体1の軸線周りに回転可能にボール落下棒3
に嵌設され、攪乱ロッド7の第1端は空洞11内に配置されてボール落下口12に近接し
、攪乱ロッド7の第2端はタンク本体1外側に配置され、攪乱ロッド7は突出部71を含
み、突出部71は攪乱ロッド7の第1端に隣接してタンク本体1の内壁面に向かって延伸
する。
具体的に、
図1に示すように、攪乱ロッド7の下端は第1端であり、攪乱ロッド7の上端
は第2端である。攪乱ロッド7は回転し、突出部71を回転させ、突出部71がタンク本
体1の空洞11中の吸収ボールに接触し、凝り固まった吸収ボールを破壊し、ボール落下
口12からの吸収ボールの排出を促進する。
いくつかの実施例では、突出部71は複数であり、複数の突出部71は複数組に分けられ
、各組の突出部71は攪乱ロッド7の周方向に沿って配置された少なくとも2つの突出部
71を含み、複数組の突出部71は攪乱ロッド7の延伸方向に沿って間隔をあけて配置さ
れる。
図1に示すように、複数組の突出部71は上下方向に沿って間隔をあけて攪乱ロッド7に
配置されると、吸収ボールはタンク本体1内で蓄積された後、複数組の突出部71は吸収
ボールをより十分に攪乱し、凝り固まった吸収ボールの破壊を促進し、吸収ボールの凝り
固まりをさらに回避することができる。
いくつかの実施例では、本発明の実施例の高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は第2駆動
部材6をさらに備え、第2駆動部材6は第2出力部61を含み、第2出力部61は攪乱ロ
ッド7の第2端に接続され、第2駆動部材6は攪乱ロッド7を回転させるように駆動する
。
具体的に、
図1に示すように、第2駆動部材6はモータであってもよく、第2出力部61
はモータの出力軸であり、第2出力部61に第1ギア62が設けられ、攪乱ロッド7に、
第1ギア62と噛み合う第2ギア72が設けられ、第2駆動部材6は攪乱ロッド7を回転
させるように駆動し、タンク本体1の空洞11中の吸収ボールを攪乱し、吸収ボールの凝
り固まりを回避することができる。
図1に示すように、攪乱ロッド7はボール落下棒3の周壁面に嵌設されるため、第1回転
部33を第2ギア72の上方に設けることにより、第1回転部33と第2ギア72間の運
動干渉を回避する。
いくつかの実施例では、阻止部材2はボール落下口12に向かって開口した切り欠けをさ
らに含み、切り欠けは阻止部材2のボール落下口12に隣接する一端に設けられ、切り欠
けは第1ボール落下孔を形成する。
切り欠けの開口はボール落下口12の上端に隣接し、吸収ボールは切り欠けを通ってボー
ル落下口12に容易に入り、すなわち、切り欠けは阻止部材2の下端に開設され、タンク
本体1の空洞11と阻止部材2間に吸収ボールが過度に蓄積されることを回避する。
好ましくは、第1ボール落下孔は複数であり、複数の第1ボール落下孔は阻止部材2の周
方向に沿って間隔をあけて配置される。すなわち、複数の第1ボール落下孔は阻止部材2
の周方向に沿って均一に配置され、第1ボール落下孔、第1キャビティおよびボール落下
口12からの吸収ボール排出を促進することができる。
【0008】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ
」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、
「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周
方向」などの用語で示される方位または位置関係は、添付図面に基づく方位または位置関
係であり、本発明の説明および説明の簡略化の目的でのみ使用され、かかる装置またはデ
バイスは必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成および操作する必要があることを
指示または暗示するものではないため、本発明の限定として理解されない。
また、「第1」、「第2」の用語は説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性またはか
かる技術特徴の数を指示または暗示するものではない。これにより、「第1」、「第2」
で定義された特徴は、少なくとも1つの該特徴を含むことを明示または暗示する。本発明
の説明において、明確かつ具体的に限定しない限り、「複数」は少なくとも2つ、例えば
2、3などを意味する。
本発明において、特に明示的に規定および限定しない限り、「取付」、「連結」、「接続
」、「固定」などの用語は広義的に理解されたく、例えば、明確に限定しない限り、固定
的に接続してもよく、着脱可能に接続してもよく、または一体的であってもよいし、機械
的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、または通信可能であってもよいし、直接
に連結してもよく、中間媒体を介して間接的に連結してもよく、2つのデバイスの内部連
通または2つのデバイスの相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じ
て本発明における上記用語の具体的な意味を理解すればよい。
本発明において、明確に規定および限定しない限り、第1特徴は第2特徴「上」または「
下」にあることは、第1特徴と第2特徴の直接接触であってもよく、または第1特徴と第
2特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。さらに、第1特徴は第2特徴「の上
」、「上方」および「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上または斜め上方に
あってもよく、または第1特徴の水平高度が第2特徴よりも高いことでもよい。第1特徴
が第2特徴「の下」、「下方」および「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下
または斜め下方にあってもよく、または第1特徴の水平高度が第2特徴よりも小さいこと
でもよい。
本発明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体例」、または
「いくつかの例示」などの用語は、実施例または例示に関連して説明される具体的な特徴
、構造、材料または特性が本発明の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを
意味する。本明細書において、上記用語の模式的表現は必ずしも同一実施例または例示に
対応する必要がない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料または特性は任意の
1つまたは複数の実施例または例示で適切に組み合わせることができる。また、互いに矛
盾しない限り、当業者は、本明細書で説明される異なる実施例または例示と異なる実施例
または例示の特徴を結合して組み合わせることができる。
上記実施例を示して説明したが、上記実施例は例示的なものに過ぎず、本発明の限定とし
て理解されなく、当業者は、上記実施例に対して行われた変更、修正、置換および変形は
、すべて本発明の保護範囲内に含まれることを理解されたい。
【要約】 (修正有)
【解決手段】高温ガス冷却炉ボール落下駆動装置は、タンク本体、阻止部材およびボール落下棒を備え、タンク本体は空洞およびボール落下口を有し、阻止部材は空洞内に設けられて第1キャビティを有し、第1キャビティの開口はボール落下口と連通し、阻止部材に第1ボール落下孔が設けられ、第1ボール落下孔は空洞と第1キャビティを連通し、ボール落下棒はタンク本体に接続され、タンク本体の軸線周りに第1位置と第2位置間で回転可能であり、ボール落下棒は遮断部を含み、遮断部は第1キャビティ内に位置し、ボール落下棒の第1端に接続され、遮断部は下端が開口した第2キャビティを含み、第2キャビティの開口はボール落下口と連通し、遮断部に第2ボール落下孔が設けられ、第2ボール落下孔は第2キャビティと連通する。
【効果】第1ボール落下孔、第2ボール落下孔およびボール落下口の連通を確保、タンク本体内に吸収ボールが溜まることを防止できる。
【選択図】
図1