(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】画像記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/48 20060101AFI20231221BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231221BHJP
B41J 11/00 20060101ALI20231221BHJP
B65H 7/04 20060101ALI20231221BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B41J29/48 C
B41J29/48 D
B41J29/38 204
B41J11/00 Z
B65H7/04
G03G15/00 401
G03G15/00 411
B41J29/48 A
(21)【出願番号】P 2020017757
(22)【出願日】2020-02-05
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亘理 孝彦
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-177884(JP,A)
【文献】実開昭59-079355(JP,U)
【文献】特開2015-199577(JP,A)
【文献】特開2016-050068(JP,A)
【文献】特開平07-172623(JP,A)
【文献】特開平07-172622(JP,A)
【文献】米国特許第05860053(US,A)
【文献】特開平8-169580(JP,A)
【文献】実開平3-049236(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/48
B41J 29/38
B41J 11/00
B65H 7/04
G03G 15/00
B65H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙又はカット紙を収容可能な収容部と、
前記ロール紙又は前記カット紙に画像を記録する記録部と、
前記収容部の上方に設けられ、発光部及び受光部を有する光学センサと、
制御部と、
を備え、
前記光学センサは、
前記発光部からの出射光の光軸が、前記カット紙からの反射光は前記受光部により受光されず前記ロール紙からの反射光は前記受光部により受光される、傾きとなるように配置され、
前記制御部は、
前記受光部が反射光を受光する場合には前記収容部に前記ロール紙が収容されていると判断するとともに、前記受光部が反射光を受光しない場合には前記収容部に前記カット紙が収容されていると判断する用紙判断処理と、
前記用紙判断処理で前記収容部に前記ロール紙が収容されていると判断された場合に、前記受光部の受光量に基づいて前記ロール紙の残量を決定するロール紙残量決定処理と、
を実行する
ことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記光学センサは、
前記光軸が、前記カット紙の紙面と垂直な方向に対し、鋭角である所定角度θをなすように配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記収容部は、
当該収容部の外殻を構成し、前記ロール紙を巻回したロールを内包する筐体を有し、
前記筐体は、
当該筐体の内外を連通する開口を前後方向の一方側に有し、
前記開口の前後方向の位置は、
前記ロールよりも前記一方側であり、
前記光学センサの前後方向の位置は、
前記開口よりも他方側でかつ前記ロールよりも前記一方側である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記収容部のうち前記ロールよりも前後方向の前記他方側に、前記ロールから繰り出された前記ロール紙を前記記録部へ向かって搬送する給紙ローラを備える
ことを特徴とする請求項3記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記光学センサの前記光軸の傾きを可変に調整する調整機構をさらに有し、
前記制御部は、さらに、
前記用紙判断処理で前記収容部に前記カット紙が収容されていると判断された場合に、 前記調整機構を制御して、前記受光部が前記カット紙からの反射光を受光するように前記光軸の傾きを調整する第1光軸調整処理と、
前記第1光軸調整処理がなされた後の前記受光部の受光量に基づいて前記カット紙の残量を決定するカット紙残量決定処理と、
を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記収容部は、
前記カット紙が配置される第1領域と、画像を記録可能な最小サイズの被記録紙が配置される第2領域とが、平面視にて前後方向にオーバーラップし、
前記第1光軸調整処理では、前記発光部からの出射光が前記第2領域に向けて出射されるように前記光軸の傾きを調整する
ことを特徴とする請求項5記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記制御部は、さらに、
前記用紙判断処理で前記収容部に前記ロール紙が収容されていると判断された場合に、 前記調整機構を制御して、前記ロール紙の残量の変化に応じて前記光軸の傾きを調整する第2光軸調整処理を実行する
ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記収容部は、
前記記録部及び前記光学センサを有する装置本体に対し、着脱可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記装置本体は、
前記収容部の上方でかつ前記光学センサよりも前後方向の一方側に、保護リブを有し、
前記保護リブの下端の上下方向位置は、前記光学センサの下端の上下方向位置よりも下方である
ことを特徴とする請求項8記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙又はカット紙に画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載のように、カット紙又はロール紙を選択的にセット可能に構成された画像記録装置が知られている。それらカット紙及びロール紙のいずれがセットされたかを知るために、この画像記録装置では、先端検出センサが設けられている。先端検出センサは、カット紙及びロール紙に対して、カット紙がセットされた状態では紙無し信号を発し、ロール紙がセットされた状態では紙あり信号を発するような位置関係で、設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ロール紙をセットして画像形成を行う場合、ロール紙の残量により搬送抵抗が変化する。すなわち、ロール紙の消費が少なく残量が多いときにはロール全体の重量が重いことから搬送抵抗が大きく、ロール紙の消費が進んで残量が少なくなるとロール全体の重量が軽くなり搬送抵抗が小さくなる。したがって、高い搬送精度を維持するためには、ロール紙の残量に応じたトルクの調整等、適切な搬送制御を行う必要がある。
【0005】
特許文献1に記載の画像記録装置では、先端検出センサによりロール紙がセットされたことは検知できるものの、セットされたロール紙の残量を検知することはできない。このため、ロール紙の残量を検知するためには新たに別のセンサを設ける必要があり、製造コストの増大及び装置の大型化を招くという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、カット紙又はロール紙のいずれがセットされたかの識別と、ロール紙がセットされたときの残量検知と、の両方を1つのセンサで実行できる画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、ロール紙又はカット紙を収容可能な収容部と、前記ロール紙又は前記カット紙に画像を記録する記録部と、前記収容部の上方に設けられ、発光部及び受光部を有する光学センサと、制御部と、を備え、前記光学センサは、前記発光部からの出射光の光軸が、前記カット紙からの反射光は前記受光部により受光されず前記ロール紙からの反射光は前記受光部により受光される、傾きとなるように配置され、前記制御部は、前記受光部が反射光を受光する場合には前記収容部に前記ロール紙が収容されていると判断するとともに、前記受光部が反射光を受光しない場合には前記収容部に前記カット紙が収容されていると判断する用紙判断処理と、前記用紙判断処理で前記収容部に前記ロール紙が収容されていると判断された場合に、前記受光部の受光量に基づいて前記ロール紙の残量を決定するロール紙残量決定処理と、を実行することを特徴とする。
【0008】
本願発明の画像記録装置において、光学センサは、発光部からの出射光の光軸が傾いて配置される。その傾きによって、発光部からの出射光が収容部のロール紙で反射した場合にはその反射光が受光部で受光される一方、発光部からの出射光が収容部のカット紙で反射した場合には、その反射光は受光されない。この違いを利用して、制御部は用紙判断処理を実行する。すなわち、受光部が反射光を受光した場合には収容部にロール紙が収容されていると判断され、受光部が反射光を受光しなかった場合には収容部にカット紙が収容されていると判断される。
【0009】
さらに、光学センサは、上記のように発光部から出射した光がロール紙で反射し、その反射光が受光部で受光される構成である。したがって、ロール紙の消費が進んで残量が少なくなると、ロール紙を巻回したロールの小径化によって、発光部から出射しロール紙で反射して受光部に戻ってくるまでの光路長が長くなり、受光量が減少する。この性質を利用して、制御部はロール紙残量決定処理を行う。すなわち、収容部にロール紙が収容されていると判断された場合には、受光部の受光量に基づいてロール紙の残量が決定される。
【0010】
以上のように、本願発明の画像記録装置では、1つの光学センサを設けるだけで、カット紙又はロール紙のいずれがセットされたかの識別と、ロール紙がセットされたときの残量検知と、の両方を実行することができる。この結果、2つのセンサを設ける場合のような、製造コストの増大及び装置の大型化を回避することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カット紙又はロール紙のいずれがセットされたかの識別と、ロール紙がセットされたときの残量検知と、の両方を1つのセンサで実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態による画像記録装置の全体構成を表す模式図である。
【
図2】シートに代えてロール紙をカセットに収容した場合を表す、
図1に示す構造の部分模式図である。
【
図3】画像記録装置の制御系を表すブロック図である。
【
図4】カセットにシートが収容されているときの光学センサの検出挙動を表す説明図である。
【
図5】光学センサにおける受光電位の変化を表すグラフである。
【
図6】カセットにロール紙が収容されているときの光学センサの検出挙動を表す説明図である。
【
図7】光学センサにおける受光電位の変化を表すグラフである。
【
図8】ASICのCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【
図9】光軸の傾きを変更してシートの残量検知も行う変形例における、光学センサの検出挙動を表す説明図である。
【
図10】ASICのCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【
図11】最小サイズの被記録用紙を配置したときの、光学センサの検出挙動を表す説明図である。
【
図12】ロール紙の残量減少に応じて光軸傾きを調整する変形例における、光学センサの検出挙動を表す説明図である。
【
図13】ASICのCPUによって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<画像記録装置の全体構成>
本発明の一実施形態による画像記録装置1の全体構成を
図1に示す。
図1において、画像記録装置1は、装置本体2を備えており、この装置本体2に、供給ユニット3と、搬送ユニット4と、画像形成ユニット5と、排出ユニット8と、が備えられている。なお、画像形成ユニット5が記録部の一例である。排出ユニット8のある側が画像記録装置1の前側であり、搬送ユニット4のある側が画像記録装置1の後側である。また供給ユニット3のある側が画像記録装置1の下側であり、画像形成ユニット5のある側が画像記録装置1の上側である。
【0014】
<供給ユニット>
供給ユニット3は、装置本体2の下部に着脱可能に装着されるカセット30と、給紙ローラ32と、を備えている。なお、カセット30が収容部の一例である。
【0015】
カセット30の下部には、底部30Aが備えられている。底部30Aは、画像記録装置1の前側から後側へ向かって、略平面状の平面部30aと、凹部30bと、略平面状の平面部30cと、を備えている。平面部30aと平面部30cとは、略同一平面上に位置している。凹部30bは、平面部30a及び平面部30cよりも下方に凹んで設けられている。
【0016】
またカセット30は、外殻を構成する筐体30Bを有している。筐体30B内には、画像形成の対象となるシートS、及び、ロール紙RSを繰り出し可能なロールR、のいずれか一方が収容可能である。
図1は、カセット30の筐体30B内にシートSが収容された場合を示している。なお、シートSはカット紙の一例である。
図1に示すようにシートSがカセット30に収容された場合には、それぞれ略水平に置かれた複数のシートSが上下方向に積層される。その際、最下部のシートSは、平面部30a及び平面部30cに当接しつつ載置され、凹部30bには当接しない。すなわち、最下部のシートSと凹部30bとの間には空隙が介在する状態で、複数のシートSはカセット30内に積層される。なお、カセット30の上記着脱構造の結果、筐体30Bのうち画像記録装置1の前側の壁面の上端部には、装置本体2との間に、筐体30Bの内外を連通する開口OPが存在している。画像記録装置1の前側は、前後方向の一方側の一例である。
【0017】
一方、
図2は、ロール紙RSがカセット30の筐体30B内に収容される場合を示している。この場合には、巻芯RCにロール紙RSを巻回したロールRがカセット30内に回転可能に配置される。すなわち、ロール紙RSがロールRから繰り出されて搬送されると、ロールRは、当該ロールRの下端部を凹部30b内に挿入した状態を維持しつつ、図示矢印方向に回転する。凹部30bは、上方からの平面視において、左右方向を長手方向とする長方形の形状を備えている。この例では、凹部30bは、上記長方形の長辺が巻芯RCの軸心kに平行となるように、配置されている。ロールRの最下部のロール紙RSは、凹部30bに当接しつつ載置されており、ロール紙RSが消費されてロールRが小径になるにつれて、軸心kの位置が降下する。
【0018】
図2及び
図1において、給紙ローラ32は、
図2に示すように、下端部を凹部30b内に挿入した状態のロールRの後側に設けられる。画像記録装置1の後側は、前後方向の他方側の一例である。画像記録装置1においては、給紙ローラ32から搬送ユニット4及び画像形成ユニット5を介して排出ユニット8へ至る搬送経路L1が形成されている。カセット30内にシートSが保持されている場合は、給紙ローラ32は、カセット30内のシートSを1枚ずつ取り出し、搬送経路L1に沿って搬送ユニット4及び画像形成ユニット5へ向けて搬送する。カセット30の凹部30bにロールRが保持されている場合は、給紙ローラ32は、凹部30b内で回転するロールRから繰り出されるロール紙RSを、搬送経路L1に沿って搬送ユニット4及び画像形成ユニット5へ向けて搬送する。
【0019】
<搬送ユニット>
搬送ユニット4は、供給ユニット3から供給されるシートS又はロール紙RSを保持して画像形成ユニット5に搬送する。搬送ユニット4は、図示しないモータによって駆動される搬送ローラ33aと、レジストローラ34と、を備えている。搬送ローラ33aは、シートS又はロール紙RSに搬送力を付与するローラである。給紙ローラ32から搬送ローラ33aに向けて搬送されてきたシートS又はロール紙RSは、搬送ローラ33aと紙粉取りローラ33bとで挟持され、搬送経路L1に沿ってレジストローラ34へ向けて搬送される。レジストローラ34は、シートS又はロール紙RSの姿勢を矯正した後、画像形成ユニット5へと搬送する。
【0020】
<画像形成ユニット>
画像形成ユニット5は、搬送ユニット4から搬送されてきたシートS又はロール紙RSに対し、周知の電子写真方式、若しくはインクジェット方式、若しくは熱転写方式、等によって画像を形成して印刷を行う。画像形成ユニット5から搬送ローラ37に向けて搬送されてきたシートS又はロール紙RSは、搬送ローラ37で挟持され、搬送経路L1に沿って排出ローラ81へ向けて搬送される。
【0021】
<排出ユニット>
排出ユニット8は、画像が形成され画像形成ユニット5から排出されたシートS又はロール紙RSを、画像記録装置1の外部へ排出する。排出ユニット8は、排出ローラ81と、排出コロ82と、排出口83と、排出トレイ84とを備えている。排出ローラ81は、前述のモータからの動力により回転駆動され、画像形成ユニット5から排出されたシートS又はロール紙RSを、排出トレイ84に向けて搬送する。なお、画像が形成されたロール紙RSが排出された場合には、排出口83に備えられた図示しない鋸歯状の切断刃を用いて、ロール紙RSのうち排出トレイ84に排出された部分をユーザが切断する。
【0022】
なお、光学センサ210及び保護リブ220については、後述する。
【0023】
<制御系>
前述のモータの回転及び停止を含む画像記録装置1各部の動作は、特定用途向け集積回路であるASIC(application specific integrated circuit)20により制御される。ASIC20を含む画像記録装置1の制御系を表すブロック図を
図3に示す。
図3に示すように、ASIC20には、CPU100が含まれる。ASIC20には、ROM110と、RAM120と、所望の表示を行うと共にユーザが操作可能なタッチパネル130と、画像形成ユニット5と、回転駆動回路150と、モデム160と、ネットワーク制御部170と、後述の光学センサ210と、がそれぞれ接続されている。なお、CPU100は、制御部の一例である。
【0024】
ROM110には、後述の
図8、
図10、
図13にそれぞれ示す各フローチャートを実行するための制御プログラムを含む、画像記録装置1が動作するのに必要な各種制御プログラムが記憶されている。CPU100は、ROM110から読み出したプログラムに従って各部の制御を行うとともに、後述する
図8、
図10、
図13にそれぞれ示す各フローチャートを実行する。
【0025】
また、CPU100は、ASIC20を介して画像形成ユニット5へ印刷指示信号を出力することで、当該画像形成ユニット5によるシートS又はロール紙RSへの画像形成を指示する。またCPU100は、ASIC20を介して前述のモータの回転を制御する回転駆動回路150へ駆動制御信号を出力することで、モータの回転を制御する。さらにCPU100は、ASIC20を介してネットワーク制御部170を制御することで、無線又は有線によるネットワーク通信を介し、外部端末300と情報の送受信を行う。
【0026】
<光学センサ>
上述したように、本実施形態の画像記録装置1においては、供給ユニット3のカセット30に、シートS又はロール紙RSを選択的に収容することができる。そして、それらシートS及びロール紙RSのいずれかが収容されているかを識別するために、光学センサ210が設けられている。
【0027】
図1及び
図2に示すように、光学センサ210は、装置本体2のうちカセット30の上方に位置する部位に、上下方向に対して斜めになるように設けられている。光学センサ210は、出射光を発光する発光部211aと、発光部211aから発光された出射光の反射光を受光可能な受光部211bと、を有する、反射型のセンサである。光学センサ210は、例えば、LED等の光学素子でそれぞれ構成された発光部211a及び受光部211bが、1つのセンサアンプ内に内蔵された構造である。光学センサ210は、後述の
図5及び
図7に示すように、受光部211が反射光を受光すると受光電位V=VLのLOW状態となり、受光部211が反射光を受光しないと受光電位V=VHのHIGH状態となるように構成されている。
【0028】
なお、装置本体2のうち、カセット30の上方でかつ光学センサ210よりも画像記録装置1の前側となる部位には、保護リブ220が設けられている。保護リブ220は左右方向に延設されており、保護リブ220の下端の上下方向位置は、光学センサ210の下端の上下方向位置よりも下方となっている。
【0029】
<シート収容時における光の挙動>
カセット30にシートSが収容されているときの光学センサ210の検出挙動を
図4及び
図5により説明する。
図4に示すように、光学センサ210は、シートSの紙面に直交する断面での側断面視において、発光部211aからの出射光Laの光軸kaが、シートSの紙面と垂直な軸kpに対し、鋭角である所定角度θをなすように斜めに配置されている。すなわち、発光部211aは、予め定められた方向に指向性を有し、その方向において光強度が最大となっている。そして、その光強度が最大となる方向が、発光部21aの光軸kaの方向となる。
【0030】
光学センサ210の上記斜め配置の結果、発光部211aからの出射光Laがカセット30内に積載された最上部のシートSの表面で反射した後、その反射光Lbは軸kpに関して光学センサ210とは反対方向へ反射し、受光部211へは入射しない。これにより、光学センサ210からASIC20へ出力される検出信号としての受光電位Vは、
図5に示すように、時間区分(I)、時間区分(II)、時間区分(III)のいずれにおいても、経過時間iによらず常にV=VHの略一定値となる。なお、時間区分(I)はカセット30内のシートSがまだ消費されていない状態に対応している。また、時間区分(II)はユーザによる画像記録装置1の使用によりカセット30内のシートSが徐々に消費されている状態に対応している。また、時間区分(III)はカセット30内のシートSがすべて消費されてシートSが存在しなくなった状態に対応している。
【0031】
<ロール収容時における光の挙動>
カセット30にロールRが収容されているときの光学センサ210の検出挙動を
図6及び
図7により説明する。
図6に示すように、光学センサ210は、上述した所定角度θとなる斜め配置の結果、発光部211aからの出射光Laの光軸kaが、概ね、ロールRの巻芯RCの軸心kへと向かうように配置される。これにより、発光部211aからの出射光LaがロールRの最外周に位置するロール紙RSの表面で反射した後、その反射光Lbは光学センサ210に向かって進み、受光部211において入射される。言い換えれば、光学センサ210は、発光部211aからの出射光Laの光軸kaが、シートSからの反射光Lbは受光部211bにより受光されずロール紙RSからの反射光Lbは受光部211bにより受光される、傾きとなるように配置されている。これにより、画像記録装置1においては、受光部211bでの受光挙動により、カセット30内にロール紙RSが配置されているか、シートSが配置されているか、を識別可能となる。
【0032】
ロール紙RSからの反射光Lbの受光挙動の結果、光学センサ210からASIC20へ出力される検出信号としての受光電位Vは、
図7に示す挙動となる。すなわち、ロール紙RSが消費されていない時間区分(I)においては、受光電位V=VLの略一定値となる。時間区分(II)においては、受光電位Vは、経過時間iの増大とともにVLからVHへの右上がりの直線で表される挙動、すなわちロール紙RSの消費量に略比例して増大する挙動となる。これは、ロール紙RSが消費されロールRが小径化すると光学センサ210からロールRまでの距離が遠くなるため、発光部211aから出射されて最外周のロール紙RSの表面で反射した後受光部211bで受光されるまでの光の光路長が徐々に長くなるからである。したがって、画像記録装置1においては、この時間区分(II)における受光電位Vの挙動を取得することで、ロールRにおけるロール紙RSの消費量、言い換えれば残量を検知可能となる。カセット30内のロール紙RSがすべて消費されて存在しなくなった時間区分(III)においては、受光電位V=VHの略一定値となる。
【0033】
なお、
図6に示すように、画像記録装置1の前後方向の位置関係において、前述の開口OPの位置はロールRよりも画像記録装置1の前側であり、光学センサ210の位置は開口Oよりも画像記録装置1の後側でかつロールRよりも画像記録装置1の前側となっている。また保護リブ220の位置は、開口OPよりも画像記録装置1の後側でかつ光学センサ210よりも画像記録装置1の前側となっている。
【0034】
<制御手順>
上記の手法を実現するための手法の一例として、CPU100が実行する制御手順を、
図8のフローチャートにより説明する。
【0035】
まずS10で、受光部211bで反射光Lbが受光されたか否かが判定される。受光されていればYes判定され、S20に移行する。S20では、カセット30内に収容されているのはロール紙RSであると識別される。
【0036】
その後S30では、受光部211bでの反射光Lbの受光量に応じて、ロールRにおけるロール紙RSの残量が決定される。画像記録装置1においては、例えば、予め、反射光Lbの受光量とロール紙RSの残量との相関がROM110等の適宜の箇所に記憶されており、S30においては、この相関を参照してロール紙RSの残量が決定される。S30で実行する処理がロール紙残量決定処理の一例である。
【0037】
そしてS40において、ロール紙RSの残量がゼロであるか否かが判定される。残量がゼロではなくNo判定の場合は上記S30に戻る。ロール紙RSの残量がゼロとなっておりYes判定の場合はS50に移行する。S50では、ロール紙RSが無くなったことを表す所定のアラーム報知が実行され、このフローを終了する。
【0038】
一方、S10において反射光Lbが受光されていなければNo判定され、S60に移行する。S60では、カセット30内に収容されているのはシートSであると識別され、その後、このフローを終了する。このS60及びS20で実行する処理が用紙判断処理の一例である。
【0039】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、光学センサ210は、発光部211aからの出射光Laの光軸kaが傾いて配置される。その傾きによって、発光部211aからの出射光Laがカセット30内のロール紙RSで反射した場合にはその反射光Lbが受光部211bで受光される一方、発光部211aからの出射光Laがカセット30内のシートSで反射した場合には、その反射光Lbは受光されない。この違いを利用して、CPU100により、受光部211bが反射光Lbを受光した場合にはカセット30にロール紙RSが収容されていると判断され、受光部211bが反射光Lbを受光しなかった場合にはカセット30にシートSが収容されていると判断される。
さらに、光学センサ210は、上記のように発光部211aからの出射光Laがロール紙RSで反射し、その反射光Lbが受光部211bで受光される構成である。したがって、ロール紙RSの消費が進んで残量が少なくなると、ロール紙RSを巻回したロールRの小径化によって、発光部211aから出射しロール紙RSで反射して受光部211bに戻ってくるまでの光路長が長くなり、受光量が減少する。この性質を利用して、CPU100により、カセット30にロール紙RSが収容されていると判断された場合には、受光部211bの受光量に基づいてロール紙RSの残量が決定される。
以上のように、本実施形態の画像記録装置1では、1つの光学センサ210を設けるだけで、シートS又はロール紙RSのいずれがセットされたかの識別と、ロール紙RSがセットされたときの残量検知と、の両方を実行することができる。この結果、2つのセンサを設ける場合のような、製造コストの増大及び装置の大型化を回避することができる。
【0040】
また、カセット30にシートSが収納された状態では、発光部211aがシートSに正対している場合に、シートSで反射した反射光Lbが受光部211bで受光されることとなる。本実施形態では特に、発光部211aからの出射光Laの光軸kaを、シートSの紙面に垂直な方向とせず、垂直な方向に対し鋭角である角度θをなすように配置する。これにより、発光部211aから出射した出射光LaがシートSで反射したとき、その反射光Lbは光学センサ210に向かってまっすぐ戻らず、ずれた方向に戻ってくることとなる。したがって、本実施形態によれば、カセット30にシートSが収納された状態において、シートSでの反射光Lbが確実に受光部211bに受光されないようにすることができる。
【0041】
また、本実施形態では特に、光学センサ210が、カセット30の筐体30Bの開口OPよりも画像記録装置1の後側で、ロールRよりも画像記録装置1の前側に配置される。すなわち、画像記録装置1の前側から後側に向かって、開口OP、光学センサ210、ロールRの順に配置されることとなる。このとき、光学センサ210は、ロール紙RSからの反射光Lbが受光部211bにより受光されるように傾いて配置されることから、上記の配置順に基づき受光部211bが開口OPに背を向ける姿勢となる。これにより、筐体30Bの開口OPから筐体30B内に外光が侵入したとしても、光学センサ210がその外光の影響を受けにくくなるため、検出精度を向上することができる。
【0042】
また、本実施形態では特に、カセット30に収容されたロール紙RSは、ロールRよりも画像記録装置1の後側に設けられた給紙ローラ32によって搬送される。その給紙ローラ32による搬送の際、給紙ローラ32とロール紙RSとの摩擦により紙粉が生じる場合がある。しかしながら、光学センサ210は、給紙ローラ32とは反対側となる、ロールRよりも画像記録装置1の前側に設けられており、給紙ローラ32からの距離が遠くなるため、紙粉による検出精度への悪影響を抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では特に、カセット30は装置本体2に対し着脱可能に構成される。これにより、カセット30内のロール紙RS又はシートSが消費された際には、ユーザは、カセット30を装置本体2から取り外した上で、カセット30内に新たなロールR又はシートSを補充することができる。
【0044】
また、本実施形態では特に、光学センサ210よりも画像記録装置1の前側に保護リブ220が設けられており、その保護リブ220の下端は光学センサ210の下端よりも下方に位置している。これにより、装置本体2に対し画像記録装置1の前側からユーザがカセット30を取り外したり装着したりするときに、誤ってユーザの手が光学センサ210に接触するのを防止することができる。
【0045】
<変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を、順を追って説明する。
【0046】
(1)シートについても残量検知を行う場合
前述したように、カセット30にシートSが収納された状態では、発光部211aがシートSに正対している場合に、シートSで反射した反射光Lbが受光部211bで受光されることとなる。この観点から、本変形例においては、
図9に示すように、光学センサ210は回動軸213を支点に回動可能に構成されている。そして、カセット30内にシートSが収容されている場合には、モータ214の回転が回動軸213に伝達されることによって光学センサ210の姿勢を変化させ、発光部211aからの出射光Laの光軸kaを可変に調整しシートSの紙面に垂直な方向とすることができる。なお、モータ214及び回動軸213が調整機構の一例である。これにより、前述と同様、受光部211bにおける反射光Lbの受光挙動に応じて、カセット30内のシートSの残量が取得される。なお、モータ214に代えて、ソレノイド等のその他のアクチュエータにより光学センサ210の姿勢を変化させてもよい。この場合は、回動軸213と当該アクチュエータとが調整機構の一例となる。
【0047】
<制御手順>
本変形例の上記の手法を実現するための手法の一例として、CPU100が実行する制御手順を、
図10のフローチャートにより説明する。
図10のフローでは、
図8のフローに対し、新たに、S70~S100が追加されている。
【0048】
すなわち、S60でカセット30内に収容されているのはシートSであると識別されると、S70に移行する。S70ではモータ214が駆動され、光学センサ210の光軸kaの傾きがシートSの紙面に垂直な方向となるように、言い換えれば、受光部211bがシートSからの反射光Lbを受光するように、調整される。S70で実行する処理が第1光軸調整処理の一例である。
【0049】
その後S80では、S30と同様、受光部211bでの反射光Lbの受光量に応じて、シートSの残量が決定される。この変形例の画像記録装置1においては、予め、反射光Lbの受光量とシートSの残量との相関がROM110等の適宜の箇所に記憶されており、S80においては、この相関を参照してシートSの残量が決定される。S80で実行する処理がカット紙残量決定処理の一例である。
【0050】
そしてS90において、シートSの残量がゼロであるか否かが判定される。残量がゼロではなくNo判定の場合は上記S80に戻る。シートSの残量がゼロとなっておりYes判定の場合はS100に移行する。S100では、シートSが無くなったことを表す所定のアラーム報知が実行され、このフローを終了する。
【0051】
<変形例の効果>
本変形例においても、上記実施形態と同様、1つの光学センサを210設けるだけで、シートS又はロール紙RSのいずれがセットされたかの識別と、ロール紙RSがセットされたときの残量検知と、の両方を実行することができる。
【0052】
また上記に加え、本変形例においては特に、光学センサ210の光軸kaの傾きを調整可能である。これにより、カセット30にシートSが収容されている場合に、光軸kaの傾きを調整することで、シートSからの反射光Lbを受光部211bにて受光させる。このようにすると、シートSの消費が進んで残量が少なくなると、カセット30内に収容されているシートSの積載高さの減少によって、発光部211aから出射しシートSで反射して受光部211bに戻ってくるまでの光路長が長くなり、受光量が減少する。この性質を利用して、本変形例では、上記の受光部211bでの反射光Lbの受光量に基づきシートSの残量が決定される。以上の結果、本変形例の画像記録装置1では、カセット30にロール紙RSがセットされたときにその残量検知を行えるだけでなく、カセット30にシートSがセットされたときにもその残量検知を行うことができる。またその際、例えばカセット30の平面部30aのうち、光軸kaとの交点となる部位及びその周辺を光吸収性の色彩、例えば黒色としておいてもよい。この場合、カセット30内にシートSが無くなると出射光Laが当該部位に当たって吸収され、受光部211における反射光Lbの光量が減少するため、CPU100により、カセット30内のシート切れを検知することが可能となる。
【0053】
なお、画像記録装置1において、上記シートSとしては、例えば、A4サイズ、B5サイズ、A3サイズ等の用紙を用いて所望の画像を記録することができる。これらに代えて、画像記録装置1において、カセット30に種々の被記録紙を配置して使用可能としてもよく、その際に最小サイズとして例えばはがきサイズの被記録紙SLを使用可能としてもよい。その場合、
図11に示すように、カセット30内にホルダ30dを介して被記録紙SLを配置する領域AR2と、
図9に示したシートSを配置する領域AR1とが、平面視において、画像記録装置1の前後方向にオーバーラップするように構成してもよい。領域AR1が第1領域の一例であり、領域AR2が第2領域の一例である。この例では、領域AR2の全部が、上記オーバーラップ部分となる。そしてこの場合さらに、シートSの残量検知を行うときに上記オーバーラップ部分に対し出射光Laが当たるように、光学センサ210の配置及び光軸kaの傾きを調整する。このようにすることで、
図11に示すように、被記録紙SLの配置時においても、前述と同様に残量検知を行うことができる。
【0054】
(2)ロール紙の残量減少に応じて光軸傾きを調整する場合
カセット30にロール紙RSを巻回したロールRを収容する際、上述したようにロールRの軸心kを支持せずにロールRの底部を回転可能に支持する構成と、ロールRの軸心kを回転可能に支持する構成と、の2通りがあり得る。前者の構成の場合、既に述べたように、ロール紙RSの残量が減少するにしたがってロールRの軸心kの位置が下降していく。この結果、そのままでは発光部211aからの出射光LaがロールRの最外周のロール紙RSに当たるときの位置及び角度が上記軸心kの下降によって変化し、正確に残量検知が行えなくなる虞がある。
【0055】
そこで本変形例では、例えば
図12(a)に示すロール紙RSの残量が十分でロールRが大径である場合に比べ、
図12(b)に示すロール紙RSの残量が少なくロールRが小径になった場合には、光軸kaの傾きをより下方に調整する。具体的には、この例では、
図12(a)及び
図12(b)に示すように、概ね、光軸kaがロールRの軸心kに向くように調整される。
【0056】
<制御手順>
本変形例の上記の手法を実現するための手法の一例として、CPU100が実行する制御手順を、
図13のフローチャートにより説明する。
図13のフローでは、
図10のフローに対し、新たに、S110が追加されている。
【0057】
すなわち、S40でロール紙RSの残量がゼロでないと判定されると、S110に移行する。S110ではモータ214が駆動され、光学センサ210の光軸kaの傾きがロール紙RSの残量に応じて調整される。具体的には、前述のように、光軸kaがロールRの軸心kに向くように、調整される。画像記録装置1においては、例えば、予め、ロール紙RSの残量とロールRの軸心kの位置との相関がROM110等の適宜の箇所に記憶されており、S110においては、この相関を参照して光軸kaの傾きが調整される。その後、上記S30に戻る。S110で実行する処理が第2光軸調整処理の一例である。
【0058】
<変形例の効果>
本変形例においても、上記実施形態と同様、上記実施形態と同様、1つの光学センサを210設けるだけで、シートS又はロール紙RSのいずれがセットされたかの識別と、ロール紙RSがセットされたときの残量検知と、の両方を実行することができる。またこれに加え、CPU100により、ロール紙RSの残量の変化に応じて光軸kaの傾きが調整されることにより、ロール紙RSの残量検知を高精度に行うことができる。
【0059】
(3)その他
以上においては、収容部としてのカセット30が、ロール紙RSとシートSとで兼用できるように構成されていたが、これに限られない。すなわち、ロール紙RS専用のカセットとシートS専用のカセットとが、別々に用意されており、それらを装置本体2に対し付け替えて使用するようにしてもよい。この場合も、前述のように光学センサ210を傾けて設置することで、ロール紙RS専用のカセットが装着された場合には反射光Lbが受光部211bで受光される一方、シートS専用のカセットが装着された場合には、反射光Lbは受光されない。したがって、この違いを利用して、CPU100により、ロール紙RS専用のカセットが装着されたのかロール紙RS専用のカセットが装着されたのかが判断される。そして、ロール紙RS専用のカセットの装着時には、前述と同様にして、受光部211bの受光量に基づいてロール紙RSの残量が決定される。これらにより、1つの光学センサ210を設けるだけで、シートS又はロール紙RSのいずれがセットされたかの識別と、ロール紙RSがセットされたときの残量検知と、の両方を実行できる。
【0060】
さらには、収容部として、装置本体2への着脱式のカセット30を用いるのにも限られず、上記カセット30と同様にロールR又はシートSを選択的に収容可能な構造を備え、装置本体2に固定される態様の収容部を用いてもよい。この場合も光学センサ210を傾けて配置することで、上記同様の効果を得られる。
【0061】
また、以上においては、
図2等に示すように、光学センサ210は、ロールRよりも画像記録装置1の前側において、光軸kaを画像記録装置1の後側に傾けるように配置されていたが、これに限られない。すなわち、光学センサ210が、ロールRよりも画像記録装置1の後側において、光軸kaを画像記録装置1の、前側に傾けるように配置していてもよい。この場合も、発光部211aからの出射光Laがロール紙RSで反射した場合には反射光Lbが受光部211bで受光される一方、発光部211aからの出射光Laがカセット30内のシートSで反射した場合には、その反射光Lbは受光されない。また、発光部211aからの出射光Laがロール紙RSで反射した反射光Lbを、受光部211bで受光させることができ、これを利用してロール紙RSの残量検知を行うことができる。それらの結果、1つの光学センサ210を設けるだけで、シートS又はロール紙RSのいずれがセットされたかの識別と、ロール紙RSがセットされたときの残量検知と、の両方を実行することができる。
【0062】
また、以上において、
図8、
図10、
図13に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0063】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0064】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 画像記録装置
5 画像形成ユニット(記録部の一例)
30 カセット(収容部の一例)
30B 筐体
32 給紙ローラ
100 CPU(制御部の一例)
210 光学センサ
211a 発光部
211b 受光部
213 回動軸(調整機構の一例)
214 モータ(調整機構の一例)
220 保護リブ
AR1 領域(第1領域の一例)
AR2 領域(第2領域の一例)
k ロールの軸心
ka 出射光の光軸
La 出射光
Lb 反射光
OP 開口
R ロール
RS ロール紙
S シート(カット紙の一例)
θ 所定角度