(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】幹細胞機能維持剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20231221BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20231221BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20231221BHJP
A61K 36/73 20060101ALI20231221BHJP
A61K 36/736 20060101ALI20231221BHJP
A61K 36/85 20060101ALI20231221BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231221BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20231221BHJP
A23L 2/52 20060101ALN20231221BHJP
A23L 2/38 20210101ALN20231221BHJP
【FI】
A61K8/9789
A23L33/105
A61K36/185
A61K36/73
A61K36/736
A61K36/85
A61P43/00 107
A61Q19/08
A23L2/00 F
A23L2/38 C
(21)【出願番号】P 2019192314
(22)【出願日】2019-10-21
(62)【分割の表示】P 2014078818の分割
【原出願日】2014-04-07
【審査請求日】2019-11-09
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000162021
【氏名又は名称】共栄化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩野 英生
(72)【発明者】
【氏名】小椋 貴子
(72)【発明者】
【氏名】澤木 茂
(72)【発明者】
【氏名】澤木 茂豊
【合議体】
【審判長】木村 敏康
【審判官】瀬良 聡機
【審判官】赤澤 高之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-289021(JP,A)
【文献】特開平4-312513(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2638933(EP,A1)
【文献】フレグランスジャーナル(FRAGRANCE JOURNAL)、2012年2月、第40巻、第2号、p.82
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K8/00-8/99
A61Q1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モモの未成熟果実の水、水と低級アルコール(メタノールを除く)の混合溶媒又は水と多価アルコールの混合溶媒の抽出物
;ムラサキシキブ果実の水、水と低級アルコール(メタノールを除く)の混合溶媒又は水と多価アルコールの混合溶媒の抽出物
;及びハゴロモグサの葉の水、水と低級アルコール(メタノールを除く)の混合溶媒又は水と多価アルコールの混合溶媒の抽出物のうちのいずれか1以上の抽出物を有効成分として含有する
間葉系幹細胞の酸化ダメージ抑制剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物抽出物から得られ、すぐれた幹細胞酸化ダメージ抑制効果を有する組成物及びかかる組成物を配合してなる皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
幹細胞(Stem Cell)とは、多様な細胞を生み出す能力のある細胞であり、その中でも間葉系幹細胞は、骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、軟骨細胞など、間葉系に属する細胞への分化能を有するとされる細胞で、骨や血管、心筋の再構築などの再生医療への応用が期待されている。また、真皮にも間葉系幹細胞が存在することが確認され、この幹細胞は線維芽細胞を生み出す能力が高いことが知られている。これら間葉系幹細胞は、加齢、酸化ストレス等の要因により減少、機能低下し、それにより細胞、組織の再生や修復力が低下することが明らかになってきた。このことから、例えば、真皮の間葉系幹細胞の機能維持に関する研究が行われている(特許文献1)。
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上記背景に鑑みてなされたもので、その課題は、間葉系幹細胞の機能を維持する天然物由来成分を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ヘチマ、モモ、ダイズ、ムラサキシキブ、アンズ、ハゴロモグサからなる群より選択される1又は2以上の植物の抽出物又はその加水分解物を有効成分とする幹細胞機能維持剤である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、天然物由来で生体安全性にすぐれ、かつ、間葉系幹細胞の機能維持剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、コメ、ヘチマ、モモ、ダイズ、ムラサキシキブ、アンズ、ハゴロモグサからなる群より選択される1又は2以上の植物の抽出物又はその加水分解物を有効成分とする幹細胞機能維持剤である。
【0008】
本発明において、「コメ」とは、イネ科(Poaceae)イネ属(Oryza)の植物から得られるものであって、本発明においては、玄米、発芽玄米、有色素米(黒米、赤米、紫米、緑米等)、又はそれらから糠を除いた精米、発芽米、或いは玄米、発芽玄米、有色素米を精米する過程で得られる赤糠若しくは白糠の使用が可能である。
【0009】
本発明において、「ヘチマ」とは、ウリ科(Cucurbitaceae)ヘチマ属(Luffa)の植物である。本発明において使用可能な部位としては、その全草、果実、花、種子、葉、茎及び根等が挙げられる。
【0010】
また、本発明において、「モモ」とは、バラ科(Rosaceae) サクラ属(Prunus)の植物である。本発明において使用可能な部位としては、その全草、果実、花、種子、葉、茎、根等が挙げられる。また、果実を使用する場合は、未成熟のものも使用可能である。
【0011】
また、本発明において、「ダイズ」とは、マメ科(Fabaceae)ダイズ属(Glycine)の植物であって、白大豆、黒大豆、赤大豆、青大豆等のいずれでもあっても使用の可能である。本発明において使用可能な部位としては、その全草、花、種子、茎、葉、根が挙げられる。
【0012】
また、本発明において、「ムラサキシキブ」とは、ムラサキシキブ属(Callicarpa)に属する植物であって、例えば、ムラサキシキブ(Callicarpa japonica)、オオムラサキシキブ(Callicarpa japonica var. luxurians)、コムラサキ(Callicarpa dichotoma)、ホウライムラサキ等が知られている。本発明において使用可能な部位としては、その全草、花、種子、茎、葉、根等が挙げられる。
【0013】
また、本発明に用いられる「アンズ」とは、バラ科サクラ属のアンズ(Prunus armeniaca)であっていずれの品種(変種もしくは亜種、或いは交配種)のものであっても良い。また、アンズの近縁植物であるスモモ(Prunus salicina)又はウメ(Prunus mume)であっても良い。本発明において使用可能な部位としては、その全草、果実、果皮、葉、花部、茎、種子、根等、いずれを用いても良い。
【0014】
また、本発明で用いられる「ハゴロモグサ」とは、バラ科(Rosaceae)ハゴロモグサ属(Alchemilla)の植物である。本発明において使用可能な部位としては、全草、果実、果皮、葉、花部、茎、種子、根等が挙げられる。
【0015】
抽出物の調製は、まず、各植物の使用部位を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、抽出溶媒と接触させて抽出を行う方法(例えば、浸漬法、向流抽出法など適宜の手段)により調製することができる。また、超臨界抽出法を用いてもよい。さらに、使用部位(果実など)をそのまま圧搾するか、もしくは使用部位を破砕したのち、その破砕物を圧搾することにより調製してもよい。また、使用部位を乾燥したのち粉砕して乾燥粉砕物とするか、あるいは、使用部位、又は場合によっては搾汁液に凍結乾燥等を施して得られる乾燥粉末を溶媒で抽出することによっても調製することができる。
【0016】
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n-ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
【0017】
本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類などの親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、又は多価アルコール(特に、1,3-ブチレングリコール)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3-ブチレングリコール,グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水単独、又は水と1,3-ブチレングリコールの混合溶媒が特に好ましい。
【0018】
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水と1,3-ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:10~20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:10~25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:10~20:1の範囲とすることが好ましい。
【0019】
また、各植物の使用部位抽出溶媒との重量比は好ましくは1:1~1:50の範囲であり、より好ましくは、1:3~1:35の範囲である。
【0020】
抽出物の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には3~9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
【0021】
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水もしくは1,3-ブチレングリコール、又は水と1,3-ブチレングリコールとの混液を溶媒とする浸漬法の場合であれば、抽出温度は一般に0~90℃、好ましくは4℃から80℃の範囲である。抽出時間は、0.5~3日間、好ましくは、1~6時間の範囲である。
【0022】
なお、本発明の抽出処理に先立って、又は抽出処理と並行して、あるいは抽出処理後、必要に応じて加水分解処理を施してもよい。これによって、抽出物をより有効に利用できる可能性がある。加水処理の方法としては、酸処理、アルカリ処理、酵素処理等が挙げられるが、それらの中でも酵素処理が最も好ましい。使用する酵素としては、蛋白分解酵素、澱粉分解酵素、繊維素分解酵素及び脂肪分解酵素から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
【0023】
蛋白分解酵素は、動物由来酵素、植物由来酵素、及び微生物由来の酵素のいずれでも良い。例えば、アクチナーゼ類、ペプシンなどのペプシン類、トリプシンなどのトリプシン類、パパイン、キモパパインなどのパパイン類、グリシルグリシンペプチターゼ、カルボキシペプチターゼ、アミノペプチターゼなどのペプチターゼ類およびブロメラインなどがあげられ、これらの1種以上が用いられる。また、澱粉分解酵素としては、グルコアミラーゼ、α-アミラーゼ等が挙げられる。また、繊維素分解酵素としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等が挙げられる。また、脂肪分解酵素としてはリパーゼ等が挙げられる。使用する酵素としては、いずれかの酵素群から選ばれた1種又は2種以上を用いても、それらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
酵素の添加量は、各植物の使用部位の固形分に対して、合計で0.01~10重量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1~2.0重量%の範囲である。
【0025】
上述のように調製した抽出物は、一般にはpHを3~8に調製した上で、これをそのままの状態で皮膚外用剤配合剤として使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
【0026】
上述のように調製した抽出物は、化粧品又は医薬部外品の配合剤としてヒト又は動物に適用し、或いは医薬品の配合剤としてヒト又は動物に適用することができる。また、各種の美容用又は健康増進用飲食品或いは飼料等に配合して、ヒト及び動物に摂取させることもできる。
【0027】
例えば、本発明に係る抽出物を含む化粧品又は医薬部外品としては、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、毛髪用シャンプー、石けんなどが挙げられ、また、育毛剤、さらには浴剤等も挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
【0028】
化粧品、医薬部外品又は医薬品の配合剤としての本発明の抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、0.0001~1.0重量%(固形分重量%、以下同じ)が好ましい。また、美容用又は健康増進用組成物における抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、0.1~15重量%の範囲が好ましい。
【0029】
本発明に係る抽出物を化粧品又は医薬部外品の配合剤として使用する場合には、必須成分の抽出物のほかに、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、乳化剤又は乳化助剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、その他の生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明に係る抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて配合することも何ら差し支えない。
【0030】
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis-11-エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2-エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
【0031】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α-スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級~第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2-アルキル-1-アルキル-1-ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N-ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N-トリアルキル-N-アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N-アシルアミドプロピル-N′,N′-ジメチル-N′-β-ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
【0032】
乳化剤乃至乳化助剤としては、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)等を配合することもできる。
【0033】
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0034】
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体、アルカリゲネス産生多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0035】
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2-ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、大根発酵液等がある。
【0036】
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
【0037】
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-ターシャリーブチル-4-メトキシベンゾイルメタン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
【0038】
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)、シャクヤク抽出物、シラン根(白及)抽出物等がある。
【0039】
美白剤としては、t-シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'-ジプロピル-ビフェニル-2,2’-ジオール)、4-HPB(ロドデノール、4-(4-ヒドロキシフェニル)-4-ブタノール))、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α-ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
【0040】
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL-アスコルビン酸-2-リン酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-リン酸エステルマグネシウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルナトリウム、L-アスコルビン酸-2-硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L-アスコルビン酸-2-グルコシド、L-アスコルビン酸-5-グルコシドなどのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L-アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL-アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3-O-エチルアスコルビン酸、L-アスコルビン酸-2-リン酸-6-O-パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン-β-D-グルコピラノシド)、α-アルブチン(ハイドロキノン-α-D-グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)などが挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、4-イソアミルレゾルシノール等が、2,5-ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5-ジアセトキシ安息香酸、2-アセトキシ-5-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ-5-プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α-ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α-ヒドロキシオクタン酸等がある。
【0041】
生理活性成分としては、美白成分として、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、ダマスクバラ抽出物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が上げられ、抗老化成分として、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米醗酵エキス、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t-シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
【0042】
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
【0043】
製造例1.コメ抽出物の調製(1)
発芽玄米200gに精製水1000gと乳酸1gを加え、1日間攪拌抽出した後、ろ布で粗ろ過して残った発芽玄米の残渣を除去した。その抽出液を水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、液量に対して、液化酵素(α-アミラーゼ 0.1%)を加え、70℃で1時間酵素分解処理を行い、その後80℃で1時間加熱して酵素を失活したのち、さらに液量に対して、蛋白分解酵素(アクチナーゼAS0.1%、パパイン0.1%)を加え、40℃で2時間酵素分解処理を行い、その後80℃で1時間加熱して酵素を失活させ、室温まで冷却した。こうして得られた酵素処理液を精製ろ過し、淡黄色の発芽玄米加水分解物溶液783gを得た(固形分濃度:1.9%)
【0044】
製造例2.コメ抽出物の調製(2)
精白した黒米250gに1000gの0.1%水酸化ナトリウム水溶液を加え、1日間撹拌抽出した後、ろ布で粗ろ過して残った黒米の残渣を除去した。その抽出液を希塩酸で中和した後, 液量に対して, 蛋白分解酵素(アクチナーゼAS0.02%、パパイン0.02%)を加え, 40℃で2時間酵素分解処理を行い、その後80℃で1時間加熱して酵素を失活させ、室温まで冷却した。こうして得られた酵素処理液を精製ろ過し、淡褐色透明の黒米加水分解物溶液817gを得た(固形分濃度:1.71%)。
【0045】
製造例3.コメ抽出物の調製(3)
精白米250gに1000gの0.1%水酸化ナトリウム水溶液を加え、1日間撹拌抽出した後、ろ布で粗ろ過して残った米の残渣を除去した。その抽出液を希塩酸で中和した後, 液量に対して, 蛋白分解酵素(アクチナーゼAS0.02%、パパイン0.02%)を加え, 40℃で2時間酵素分解処理を行い、その後80℃で1時間加熱して酵素を失活させ、室温まで冷却した。こうして得られた酵素処理液を精製ろ過し、淡褐色透明の米加水分解物溶液805gを得た(固形分濃度:1.69%)。
【0046】
製造例4.ヘチマ抽出物の調製(1)
ヘチマの果実および茎・葉の乾燥物10gに精製水100gを加え、40℃で3時間抽出した。得られた溶液をろ過して、褐色透明の溶液(固形分濃度2.6%)73.2gを得た。これをヘチマ抽出物溶液とした。
【0047】
製造例5.ヘチマ抽出物の調製(2)
ヘチマの生果実200gを裁断後、搾汁し、得られた溶液を40℃で1時間加熱した。加熱後、ろ過し、113gを得た(固形物濃度4.4%)。精製水で2倍希釈し、ヘチマ圧搾抽出物溶液とした。
【0048】
製造例6.モモの抽出物の調製
モモ(Prunus persica Batsch)の未成熟果実60gに精製水600gを混合し、静置した状態で、80℃下において2時間抽出を行い、抽出物溶液456.2gを得た。その後、得られた抽出物溶液をろ過し、さらに、ろ過した溶液に対して1%の活性炭(和光純薬株式会社製)を添加して活性炭処理を1時間行い、淡褐色のモモの未成熟果実の抽出物溶液445.1gを得た(pH4.2、固形分濃度3.58%)。
【0049】
製造例7.ダイズ抽出物の調製
黒大豆の種子(黒豆)の乾燥粉砕物10gに精製水200gを加え、80℃で1時間抽出した。得られた抽出液を粗ろ過したものをpH5に希塩酸を用いて調整した後、ニューラーゼ(天野エンザイム(株)製)を0.01%の濃度となるように添加し、40℃で3時間作用させた。次に80℃で1時間処理して酵素を失活させた後ろ過し、淡褐色透明の黒大豆抽出物の加水分解物溶液(固形分濃度1.14%)158gを得た。
【0050】
製造例8.ムラサキシキブ抽出物の調製
ムラサキシキブの果実3.0gに精製水30gを加え、40℃で3時間抽出した。得られた溶液をろ過して、褐色透明の溶液(固形分濃度1.90%)15.4gを得た。これを精製水で10倍に希釈し、ムラサキシキブ抽出物溶液とした。
【0051】
製造例9.アンズ抽出物の調製
バラ科サクラ属のホンアンズの果実から果皮及び種子を取り除き、粉砕器でペースト状にした。この果実ペースト90gに1,3-ブチレングリコールを210g添加した後4℃で抽出した。これに精製水を405g添加した後ろ過し、褐色透明のホンアンズ果実抽出物溶液587gを得た(固形分濃度1.63%)。
【0052】
製造例10.ハゴロモグサ抽出物の調製
ハゴロモグサの葉10gに精製水100gを加え、40℃で2時間抽出した。得られた抽出物溶液をろ過し、さらに、ろ過した溶液に対して1%の活性炭(和光純薬株式会社製)を添加して活性炭処理を1時間行い、淡褐色のハゴロモグサ抽出物溶液(固形分濃度2.30%)60gを得た。これを精製水で10倍に希釈し、ハゴロモグサ抽出物溶液とした。
【0053】
処方例1.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の抽出物溶液 5.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
【0054】
処方例2.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例2の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0055】
処方例3.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例3の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0056】
処方例4.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例4の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0057】
処方例5.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例5の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0058】
処方例6.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例6の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0059】
処方例7.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例7の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0060】
処方例8.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例8の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0061】
処方例9.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例9の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0062】
処方例10.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例10の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
【0063】
処方例11.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例6の抽出物溶液 3.0
L-アスコルビン酸-2-グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
【0064】
処方例12.乳液
処方例11のB成分中、L-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例10と同様にして乳液を得た。
【0065】
処方例13.乳液
処方例11のB成分中、L-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例10と同様にして乳液を得た。
【0066】
処方例14.乳液
処方例11のB成分中、L-アスコルビン酸-2-グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてニコチン酸アミド3.0部を用いるほかは処方例10と同様にして乳液を得た。
【0067】
処方例15.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例9の抽出物溶液 5.0
L-アスコルビン酸-2-グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
アルブチン 3.0
グリセリン 3.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
【0068】
処方例16.ローション
[成分] 部
製造例2の抽出物溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3-ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
【0069】
処方例17.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
製造例3の抽出物溶液 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
【0070】
処方例18.エッセンス
処方例17の成分中製造例1の抽出物溶液に代えて製造例4の抽出物溶液5.0部を用いるほかは処方例17と同様にしてエッセンスを得た。
【0071】
実施例19.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例5の抽出物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
【0072】
処方例20.ボディシャンプー
[A成分] 部
N-ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例8の抽出物溶液 5.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
【0073】
処方例21.育毛料
[成分] 部
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
モノニトログアヤコールナトリウム 0.02
塩酸ピリドキシン 0.03
l-メントール 0.8
タマサキツヅラフジ根エキス 0.3
褐藻エキス 0.3
オタネニンジンエキス 0.3
ゲンチアナエキス 2.0
製造例6の抽出物 3.5
トリメチルグリシン 0.5
乳酸 0.2
1,3-ブチレングリコール 10.0
フェノキシエタノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4
L-アルギニン 適量
エタノール 20.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を十分攪拌混合して育毛料を得た。
【0074】
処方例22.ヘアシャンプー
[A成分] 部
N-ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例1の抽出物 2.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアシャンプーを得た。
【0075】
実施例23.ヘアコンディショナー
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2-エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の抽出物 2.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアリンスを得た。
【0076】
処方例24.飲料
[成分] 部
製造例1の抽出物 10.0
コラーゲン 8.0
クエン酸 0.1
甘味料(スクロース) 0.01
酸化防止剤(ビタミンC) 0.01
精製水 全量が100部となる量
【0077】
処方例25.錠剤
[成分] 部
製造例3の抽出物 20.0
ビタミンC 20.0
脂肪酸エステル 10.0
乳酸カルシウム 20.0
乳糖 30.0
上記重量部の各成分を混合した後、加圧成形し、錠剤とした。
【0078】
試験例1.幹細胞酸化ダメージ抑制評価
ヒト皮膚由来間葉系幹細胞(Yub637s)を、専用培地(M-061101:(株)グライコテクニカ製)を入れた96穴マイクロプレートに8×103個/穴播種し、37℃、5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、製造例1~10の各抽出物を試料溶液として培地に添加し、同条件でさらに1日間培養した。ここで、試料溶液は、培地全量に対する溶液としての終濃度が2.0%となるように調製した。次に、培地を除去し、ハンクス緩衝塩類溶液を用いて終濃度1mMに調整した過酸化水素溶液を添加し、1時間、37℃、5.0%CO2の条件下に静置した。その後、溶液を除去し、0.03%のMTTを添加して37℃に1時間保持した後、生成したホルマザンをイソプロパノールで抽出し、マイクロプレートリーダー(Model680、バイオラッド社製)を用いて波長570-630nmでMTT値を測定した。試料溶液に代えてPBS(-)を添加した試料無添加の場合を2区設定し、一方は過酸化水素を曝露しない区「コントロール(1)」(未曝露対照)、他方は曝露する区「コントロール(2)」(曝露対照)として上記と同様の操作を行い、コントロール未曝露対照区のMTT値に対する各試料添加時のMTT値の相対値を求め、幹細胞の生存率(%)とした。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照として1mMのアスコルビン酸リン酸マグネシウム塩(APM)を添加した場合についても、同様の試験を行った。
【0079】
【0080】
表1に示すように、本発明に係る製造例1~10の抽出物は、過酸化水素による肝細胞の酸化ダメージが顕著に抑制され、細胞の生存率が高まっていることが示された。また、陽性対照である「APM」も同様に細胞生存率の亢進が認められたことから、本試験系が正常に行われたことも確認された。
【0081】
以上のように、本発明によれば、間葉系幹細胞を酸化ダメージ抑制して、その機能を維持することができる。従って、本発明は、皮膚の修復・再生、機能の維持、細胞の修復・再生、抗線維化、多発性硬化症や糖尿病等の各種疾患の予防・治療、メタボリックシンドローム等の慢性炎症に基づく各種状態の予防・改善等の目的に適用される剤として、極めて有用である。