(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】窒化物半導体の結晶基板の製造方法及び窒化物半導体の結晶基板
(51)【国際特許分類】
C30B 29/38 20060101AFI20231221BHJP
C30B 23/08 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
C30B29/38 D
C30B23/08 M
C30B29/38 Z
(21)【出願番号】P 2019210212
(22)【出願日】2019-11-21
【審査請求日】2022-11-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)2019年度電気関係学会東北支部連合大会論文集、電気関係学会東北支部連合、2019年8月22日発行 (2)2019年度電気関係学会東北支部連合大会、国立大学法人秋田大学 手形キャンパス、2019年8月23日講演
(73)【特許権者】
【識別番号】504409543
【氏名又は名称】国立大学法人秋田大学
(74)【代理人】
【識別番号】100155882
【氏名又は名称】齋藤 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100154678
【氏名又は名称】齋藤 博子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 嘉一
【審査官】西田 彩乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-121008(JP,A)
【文献】特開2006-104411(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0076878(US,A1)
【文献】特表2019-515860(JP,A)
【文献】Y.Sato et al.,Vertical alignment of InN- and GaN-based nanopillar crystals grown on a multicrystalline Si substrate,Journal of crystal growth,2020年,doi.org/10.1016/j.crystalgro.2020.125603
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 29/38
C30B 23/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子線エピタキシー装置を用い窒素プラズマセルにより
非単結晶基板の表面に窒素ガスを供給するとともにガリウム及びインジウムを供給することにより前記
非単結晶基板の表面に窒化ガリウムベースのナノ結晶を垂直に成長させてステアリング結晶を成長する工程と、
前記ステアリング結晶上に
窒化インジウムベースのナノ柱状結晶をさらに成長させる工程を含むことを特徴とする窒化物半導体の結晶基板の製造方法。
【請求項2】
前記ステアリング結晶を成長させる工程において、前記ガリウム及び前記インジウムは、同量かつ同時に供給されることを特徴とする
請求項1記載の窒化物半導体の結晶基板の製造方法。
【請求項3】
非単結晶基板の表面に垂直に成長された窒化ガリウムベースのナノ結晶をステアリング結晶として含み、
前記ステアリング結晶上に窒化
インジウムベースのナノ柱状結晶が垂直にさらに成長されたことを特徴とする窒化物半導体の結晶基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶基板の表面上にナノ柱状結晶を形成するための窒化物半導体の製造方法及び窒化物半導体の結晶基板に関し、特に非単結晶基板上に垂直に配向するナノ柱状結晶を形成するための窒化物半導体の結晶基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
III族窒化物半導体は、紫外域から赤外域まで幅広く変化する直接遷移型のエネルギーバンドギャップがあるため、高効率の光電子デバイスの実現が可能である(非特許文献1-4)。これらの半導体の固有の特性を使用して、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)などの光電子デバイスが既に開発されており、種々のアプリケーションで広く利用されている(非特許文献5-8)。
いくつかの例外はあるが、窒化物半導体ベースの光電子デバイスのほとんどは、本質的に点光源型発光デバイスである。対照的に、例えば、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、面光源型のデバイスである。これによりまぶしさの少ない均一な強度の光で広い範囲を照らすことができる(非特許文献9)。窒化物半導体から製造されたデバイスは、点光源型発光に制限されている。これは、ほとんどの窒化物半導体結晶がサファイアなどの単結晶基板上で成長するためである(非特許文献4,10-15)。そのような単結晶基板の表面積は通常制限されており、そのコストも比較的高い。
【0003】
一方、多結晶(polycrystalline又はmulticrystalline)およびアモルファス材料で構成される非単結晶基板は非常に多様である。通常、それらの表面積を増大させることができ、そのコストは対応する単結晶のコストよりも低くすることができる。したがって、高い結晶性を有する窒化物半導体結晶を非単結晶基板上で成長させることができれば、非常に価値がある。発明者らは、いくつかの非単結晶基板上における窒化物半導体薄膜の成膜を試みた(非特許文献16)。しかし、非単結晶基板上に単結晶薄膜を成膜させることは依然として困難である。通常、基板上に成長する結晶の結晶配向効果がほとんどないため、非単結晶基板を使用してエピタキシャル成長を形成することは困難である。
【0004】
ナノワイヤやナノカラムなどのナノ結晶構造の利用は、上記の問題を解決する方法の1つと考えられている。たとえば、窒化物エピタキシャル薄膜の成長でしばしば観察される貫通転位や内部応力の発生などの主要な欠陥(非特許文献14)は、ナノカラム構造(非特許文献17)を使用して克服された。非単結晶基板(非特許文献18-20)を使用したこのような成長の達成に関する報告はほとんどない。最近、我々は、多結晶Si基板上での窒化ガリウム(GaN)ベースの半導体のナノ柱状結晶の成長を報告した(非特許文献21,22)。多結晶Siは、低コストの太陽電池の製造に広く適用されており、その表面積と形状はほぼ自由に設計できる。したがって、大面積の光電子デバイスなどのアプリケーションに非常に適している。多結晶Si基板上にGaNベースのナノ柱状結晶を成長させることに成功した。その結果、基板表面に垂直に整列したナノ柱状結晶は、AlN層などの中間層を挿入することなく、基板上で直接成長できた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】V. Yu. Davydov, A. A. Klochikhin, V. V. Emtsev, D. A. Kurdyukov, S. V. Ivanov, V. A. Vekshin, F. Bech-stedt, J. Furthmuller, J. Aderhold, J. Graul, A. V. Mudryi, H. Harima, A. Hashimoto, A. Yamamoto and E. E. Haller, Phys. Status Solidi B, 234, 787 (2002).
【文献】J. Wu, W. Walukiewicz, K. M. Yu, J. W. Ager III, E. E. Haller, H. Lu, W. J. Schaff, Y. Saito and Y. Nanishi, Appl. Phys. Lett., 80, 3967 (2002).
【文献】T. Matsuoka, H. Okamoto, M. Nakao, H. Harima and E. Kurimoto, Appl. Phys. Lett., 81, 1246 (2002).
【文献】H. P. Maruska and J. J. Tietjen, Appl. Phys. Lett., 15, 327 (1969).
【文献】H. Amano, M. Kito, K. Hiramatsu, and I. Akasaki, Jpn. J. Appl. Phys., 28, L2112 (1989).
【文献】I. Akasaki, H. Amano, M. Kito, and K. Hiramatsu, J. Lumin. 48-49, 666 (1991).
【文献】S. Nakamura, T. Mukai, and M. Senoh, Appl. Phys. Lett., 64, 1687 (1994).
【文献】S. Nakamura, M. Senoh, S. Nagahama, N. Iwasa, T. Yamada, T. Matsushita, H. Kiyoku, and Y. Sugimoto, Jpn. J. Appl. Phys., 35, L74 (1996).
【文献】F. So, J. Kido, and P. Burrows, MRS Bulletin, 33, 663 (2008).
【文献】J. I. Pankove, J. E. Berkeyheiser, and E. A. Miller, J. Appl. Phys., 45, 1280 (1974).
【文献】O. Lagerstedt and B. Monemar, J. Appl. Phys., 45, 2266 (1974).
【文献】Y. Ohki, Y. Toyoda, H. Kobayashi, and I. Akasaki, Inst. Phys. Conf. Ser., 63, 479 (1981).
【文献】S. Yoshida, S. Misawa, and S. Gonda, Appl. Phys. Lett., 42, 427 (1983).
【文献】H. Amano, N. Sawaki, I. Akasaki, and Y. Toyoda, Appl. Phys. Lett., 48, 353 (1986).
【文献】S. Nakamura, Y. Harada, and M. Seno, Appl. Phys. Lett., 58, 2012 (1991).
【文献】Y. Sato, A. Kurosaki, and S. Sato, J. Cryst. Growth, 189/190, 42 (1998).
【文献】A. Kikuchi, M. Kawai, M. Tada, and K. Kishino, Jpn. J. Appl. Phys., 43, L1524 (2004).
【文献】B. J. May, A. T. M. G. Sarwar, and R. C. Myers, Appl. Phys. Lett., 108, 141103 (2016).
【文献】G. Calabrese, P. Corfdir, G. Gao, C. Pf¨uller, A. Trampert, O. Brandt, L. Geelhaar, and S. Fern´andez-Garrido, Appl. Phys. Lett., 108, 202101 (2016).
【文献】J. W. Min, H. Y. Hwang, E. K. Kang, K. Park, C. H. Kim, D. S. Lee, Y. D. Jho, S. Y. Bae, and Y. T. Lee, Jpn. J. Appl. Phys., 55, 05FB03 (2016).
【文献】A. Fujiwara and Y. Sato, AIP Adv., 8, 015004 (2018).
【文献】Y. Sato, K. Saito, K. Sato, S. Saito, A. Fujiwara, and T. Saito, Jpn. J. Appl. Phys., 58, 068009 (2019).
【文献】Y. Sato, A. Fujiwara, S. Ishizaki, S. Nakane, and Y. Murakami, Phys. Stat. Solidi C, 14, 1600151 (2017).
【文献】Y. Sato and K. Funaki, Jpn. J. Appl. Phys., 52, 08JD08 (2013).
【文献】A. G. Bhuiyan, A. Hashimoto, and A. Yamamoto, J. Appl. Phys., 94, 2779 (2003).
【文献】Y. Sato and S. Sato, J. Cryst. Growth, 146, 262 (1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、現在、垂直に成長するナノ柱状結晶は、大量のインジウム、ガリウム、および活性窒素が高い成長温度で同時に供給される場合にのみ、非単結晶基板に直接形成される。成長中のインジウムの再蒸発率が高いため、ナノピラー結晶のインジウム含有量は少なくなる(非特許文献23)。さらに、最も重大な問題は、ナノ結晶の組成と成長条件がGaNベースのナノ柱状結晶のそれらと大きく異なる場合、ナノ柱状結晶の結晶軸の方向がランダムに配向されることである。このことはさまざまな組成のナノ柱状結晶を取得したり、電流が垂直方向に流れるpn接合を備えたデバイスを製造したりするには適していない。
【0007】
本発明は、さまざまな成長条件と組成で非単結晶基板の表面上に成長した窒化ガリウムベースのナノ柱状結晶の配列を制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る第1の発明は、窒化物半導体の結晶基板の製造方法に関し、分子線エピタキシー装置を用い窒素プラズマセルにより非単結晶基板の表面に窒素ガスを供給するとともにガリウム及びインジウムを供給することにより前記非単結晶基板の表面に窒化ガリウムベースのナノ結晶を垂直に成長させてステアリング結晶を成長する工程と、前記ステアリング結晶上に窒化インジウムベースのナノ柱状結晶をさらに成長させる工程を含むことを特徴とする。
この発明によれば、非単結晶基板の表面から垂直に延びるステアリング結晶を成長させることによって、その後の工程で成長させるナノ柱状結晶も垂直に成長させることができる。
ステアリング結晶とは、結晶基板の表面に直接成長されるものであり、ナノ柱状結晶の成長の方向を制御する結晶である。より具体的には、ナノメートルサイズの直径を有する窒化ガリウムベースの柱状結晶であり、その結晶軸が基板面に対して垂直方向に揃っている結晶である。
結晶基板を非単結晶基板とすることにより、より面積が広く、かつ低コストの窒化物半導体の提供が可能となる。
【0009】
第1の発明の前記ステアリング結晶を成長させる工程において、前記ガリウム及び前記インジウムは、同量かつ同時に供給される。
これによりステアリング結晶は結晶基板の表面から垂直に成長し、その後のナノ柱状結晶も垂直に成長させることができる。また、窒化物半導体全体の製造に用いるガリウム及びインジウムの量を低減させることが可能となる。
【0011】
この発明に係る第2の発明は、窒化物半導体の結晶基板に関し、非単結晶基板の表面に垂直に成長された窒化ガリウムベースのナノ結晶をステアリング結晶として含み、前記ステアリング結晶上に窒化インジウムベースのナノ柱状結晶が垂直にさらに成長されたことを特徴とする。
この発明によれば、結晶基板の表面から垂直に延びるステアリング結晶を有することにより、その上に形成されるナノ柱状結晶を垂直に成長させることができ、電流が垂直方向に流れるpn接合を備えたデバイスの製造を容易にする。
結晶基板を非単結晶基板とすることにより、より面積が広く、かつ低コストの窒化物半導体の提供が可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、結晶基板の表面に垂直に成長した窒化ガリウムベースのナノ結晶をステアリング結晶として設けることにより、ナノ柱状結晶の配列の制御が可能である。特にステアリング結晶と垂直に成長することによりナノ柱状結晶も垂直に成長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ステアリング結晶がない状態で多結晶基板上に直接成長しランダムに配向したInNナノ柱状結晶の表面形態であって、成長温度は(a)590℃、(b)630℃である。スケールバーは100 nmを示す。
【
図2】多結晶基板上にステアリング結晶がない状態で直接成長しランダムに配向したInNナノ柱状結晶のXRDパターンであって、成長温度は(a)590℃、(b)630℃である。
【
図3】基板表面に垂直に配列されたGaNベースのステアリング結晶上に成長したInNナノ柱状結晶を示したものであって、(a)は表面形態、(b)は断面である。InNナノ柱状結晶の成長温度は590℃、スケールバーは100 nmを示す。
【
図4】基板表面にすでに垂直に配列されたGaNベースのステアリング結晶上に成長したInNナノ柱状結晶のXRDパターンである。InNナノ柱状結晶の成長温度は590℃である。
【
図5】GaNベースのナノ柱状結晶の表面形態であって、(a)はGaNベースのステアリング結晶非存在下、(b)は存在下の状態を示す。スケールバーは100 nmを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実験)
無線周波数(RF;13.56 MHz)窒素プラズマセルを2セット備えた分子線エピタキシー(MBE)装置を使用して、ナノ結晶を成長させた(非特許文献24)。すべてのプラズマセルは同じ条件で操作された。すなわち、精製されたN2ガスが3 sccmで供給され、RF電力が400 Wに設定された。高純度のガリウム(7N)およびインジウム(7N)は従来のクヌーセンセル(Kセル)によって供給された。この実施形態で用いた非単結晶基板は、多結晶Siウェーハである。ウェーハの厚さは400μmであり、高いp型導電率を有する。表面の片側は鏡面研磨され、成長はその表面で行われた。有機溶剤を用いた超音波洗浄及びロードロックチャンバーで250℃でのベーキングを行った後、基板をメインチャンバーにセットした。その後、基板を965℃のメイン真空チャンバーで10分間熱洗浄した。垂直に整列したGaNベースのナノ結晶は、ステアリング結晶として成長した。このとき、インジウムとガリウムを900℃の成長温度でほぼ同じ量で同時供給した(非特許文献21-23)。窒化物結晶の他の組成物は、ナノ結晶が常に垂直に整列した形で成長するとは限らない様々な成長条件で、すでに垂直に整列したGaNベースのステアリング結晶上で成長した。得られたサンプルの構造を、電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を使用して観察した。さらに、X線回折(XRD)の測定も行い、結晶の方向を確認した。
【0016】
(結果及び考察)
多結晶基板上でランダムに配向したナノ柱状結晶が得られる典型的な場合として、ステアリング結晶なしで基板上に窒化インジウム(InN)柱状結晶を直接成長させた。この場合、ガリウムを含まずにインジウムのみが供給され、成長中の成長温度は590℃と630℃に保たれた。得られたサンプルの表面形態を
図1に示す。これらの場合、2セットの窒素プラズマセルを同時に操作したため、成長条件は窒素が豊富であると推察される。したがって、インジウム吸着原子と活性窒素の間の反応速度が速く、基板表面でのインジウム吸着原子の表面移動の程度は低いと考えられた。その後、分離されたナノ結晶は、ナノ結晶間の横方向の接続なしに成長した。InNナノ柱状結晶は、主に長軸方向、つまりウルツ鉱型InN結晶のc軸方向に向かって成長した。InNナノ柱状結晶のランダムに分散した結晶方位もXRD測定によって確認された。結果を
図2に示す。窒化物半導体は、前述したとおりウルツ鉱型の結晶構造を有しており、回折パターンにはInNに関連する多くの回折ピークが観察される。
【0017】
ここで得られたInNナノ柱状結晶と、ガリウムとほぼ同じ量のインジウムの同時供給によって以前に得られたGaNベースのナノ柱状結晶との間には大きな違いがある。その場合、GaNベースのナノ柱状結晶の長軸方向は、ほとんど基板表面に対して垂直に整列する(非特許文献21,22)。一方、ここで得られたInNナノ柱状結晶は、ランダムな方向を示す。供給材料と基板温度の違いにより、この違いは確実に発生する。このような場合、ナノ柱状結晶内にp型層とn型層を連続して積み重ねることが難しいため、ナノ柱状結晶からなるpn接合デバイスの製造が困難になる。さらに、電流が主軸に向かって流れることは困難である。
【0018】
図3(a)および(b)は、多結晶Siウェーハの上に垂直に配向したGaNベースのステアリング結晶をおよそ150 nmの高さまで成長し、その上部に通常はランダムな方向を向いて成長するInNナノ柱状結晶を成長した場合の表面および断面の形態である。上部のInNナノ柱状結晶は下部のステアリング結晶に比べ直径が大きくなっているが、ステアリング結晶の方向に従って成長していることが確認される。また、これらの結晶軸の方向は
図4のXRDパターンにおいても確認できる。すなわち、GaNベースのステアリング結晶に関する回折ピークであるGaN (0002)、InNナノ柱状結晶に関する回折ピークであるInN (0002)および(0004)のみが同図内で強く現れており、これはGaNおよびInNのc軸が基板表面に垂直に配向していることを示している。
【0019】
図5より、GaNベースのナノ柱状結晶は、ステアリング結晶存在下において、通常、基板上に直接、垂直に成長させることが困難である成長条件で成長することが確認された。