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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】過熱水蒸気生成装置
(51)【国際特許分類】
   F22G 1/16 20060101AFI20231221BHJP
   F22G 5/12 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
F22G1/16
F22G5/12 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020081925
(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公開番号】P2021177102
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000110158
【氏名又は名称】トクデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】外村 徹
(72)【発明者】
【氏名】藤本 泰広
(72)【発明者】
【氏名】木村 昌義
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-083153(JP,A)
【文献】特開2015-200487(JP,A)
【文献】特開2016-176613(JP,A)
【文献】特開2020-042977(JP,A)
【文献】特開2019-138567(JP,A)
【文献】特開平11-082916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22G 1/16
F22G 5/12
H05B 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導入ポート及び導出ポートを有する水蒸気収容部を加熱し、前記導入ポートから導入された水蒸気を加熱して前記導出ポートから過熱水蒸気を導出する過熱水蒸気生成装置であって、
前記導出ポートから前記水蒸気が液化した水が導出されることを防止する出水防止機構を備え、
前記出水防止機構は、前記水蒸気収容部の温度を検出する温度センサと、前記水蒸気収容部の加熱を制御する制御装置とを有し、
前記導入ポート側に電動比例弁が設けられており、
前記制御装置は、前記導入ポートに前記水蒸気が導入される前に、前記温度センサの検出温度が100℃以上となるように前記水蒸気収容部の加熱を制御するとともに、前記温度センサの検出温度が100℃以上となった場合に、前記電動比例弁の弁開度が徐々に大きくするように開放するものであり、
前記制御装置は、前記電動比例弁における閉じた状態から開いた状態にするまでの時間を、前記導入ポートから導入される水蒸気の温度と前記温度センサの検出温度との差に基づいて調整する、過熱水蒸気生成装置。
【請求項2】
前記温度センサは、前記水蒸気収容部において前記導出ポート側に設けられている、請求項1に記載の過熱水蒸気生成装置。
【請求項3】
前記導出ポート側に設けられ、前記水蒸気が液化した水をトラップする導出側トラップ機構をさらに備える、請求項1又は2に記載の過熱水蒸気生成装置。
【請求項4】
前記導入ポート側に設けられ、前記水蒸気が液化した水をトラップする導入側トラップ機構をさらに備える、請求項1乃至の何れか一項に記載の過熱水蒸気生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気を加熱して過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、過熱水蒸気を用いて、被処理物の洗浄、乾燥又は殺菌を行う過熱水蒸気処理装置が考えられている(例えば特許文献1)。
【0003】
この過熱水蒸気生成装置は、水を加熱して飽和水蒸気を生成する飽和水蒸気生成部と、この飽和水蒸気を加熱して過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気生成部とを備えている。また、過熱水蒸気生成装置としては、飽和水蒸気生成部を有さず、外部で生成された飽和水蒸気が供給されて過熱水蒸気を生成するものもある。
【0004】
これらの過熱水蒸気生成装置では、例えば運転開始時のように過熱水蒸気生成部が100℃以下の温度である状態で水蒸気が供給されると、100℃以下の過熱水蒸気生成部において水蒸気が液化し、過熱水蒸気生成装置から水が導出されることになる。
【0005】
しかしながら、過熱水蒸気で熱処理される被処理物には、導出された水によって悪影響を受けてしまうものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-226561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、過熱水蒸気生成装置から液化した水が導出されることを防止することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る過熱水蒸気生成装置は、導入ポート及び導出ポートを有する水蒸気収容部を加熱し、前記導入ポートから導入された水蒸気を加熱して前記導出ポートから過熱水蒸気を導出する過熱水蒸気生成装置であって、前記導出ポートから前記水蒸気が液化した水が導出されることを防止する出水防止機構を備え、前記出水防止機構は、前記水蒸気収容部の温度を検出する温度センサと、前記水蒸気収容部の加熱を制御する制御装置とを有し、前記制御装置は、前記導入ポートに前記水蒸気が導入される前に、前記温度センサの検出温度が100℃以上となるように前記水蒸気収容部の加熱を制御することを特徴とする。
【0009】
このような過熱水蒸気生成装置であれば、出水防止機構により水蒸気収容部の温度を100℃以上に加熱した後に、導入ポートに水蒸気が導入されるように構成しているので、導出ポートから水蒸気が液化した水が導出されることを防ぐことができる。その結果、過熱水蒸気を用いて熱処理される被処理物に対して、液化した水が与える悪影響を抑制することができる。
【0010】
導出ポートから液化した水が導出されないようにするためには、少なくとも導出ポートの温度が100℃以上である必要がある。そのため、前記温度センサは、前記水蒸気収容部において前記導出ポート側に設けられていることが望ましい。
【0011】
本発明の過熱水蒸気生成装置は、前記導入ポート側に開閉電磁弁が設けられている構成とすることが考えられる。
この構成において自動的に出水防止機能が働くようにするためには、前記制御装置は、前記温度センサの検出温度が100℃以上となった場合に、前記開閉電磁弁を開放して、前記導入ポートに水蒸気を導入することが望ましい。また、飽和水蒸気生成装置と別々の装置構成の場合においても、過熱水蒸気生成装置が100℃以上になる前に水蒸気が導入されないように、過熱水蒸気生成装置の導入ポート側でコントロールすることができる。
【0012】
過熱水蒸気生成装置のヒートショックを緩和するためには、前記開閉電磁弁は、電動比例弁であり、前記制御装置は、前記電動比例弁の弁開度が徐々に大きくするように開放することが望ましい。
【0013】
また本発明の過熱水蒸気生成装置は、前記導出ポート側に設けられ、前記水蒸気が液化した水をトラップする導出側トラップ機構をさらに備えることが望ましい。
この構成であれば、過熱水蒸気生成装置から液化した水が導出されることをより一層防止することができる。
【0014】
さらに本発明に過熱水蒸気生成装置は、前記導入ポート側に設けられ、前記水蒸気が液化した水をトラップする導入側トラップ機構をさらに備えることが望ましい。
この構成であれば、過熱水蒸気生成装置に水蒸気が液化した水が導入されることを防止して、過熱水蒸気生成装置から液化した水が導出されることをより一層防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
このように構成した本発明によれば、過熱水蒸気生成装置が出水防止機構を有するので、過熱水蒸気生成装置から液化した水が導出されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る過熱水蒸気生成装置の構成を模式的に示す図である。
図2】同実施形態における過熱水蒸気生成装置の具体的な構成を模式的に示す斜視図である。
図3】同実施形態における過熱水蒸気生成装置の具体的な構成を模式的に示す断面図である。
図4】同実施形態における導体管の具体的な構成を模式的に示す斜視図である。
図5】同実施形態の停止状態から導入ポートに水蒸気を導入するまでの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明に係る過熱水蒸気生成装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
<1.装置構成>
本実施形態に係る過熱水蒸気生成装置100は、外部で生成された水蒸気を加熱して、100℃超(200℃~2000℃)の過熱水蒸気を生成するものである。なお、外部で水蒸気を生成する装置(水蒸気生成装置)としては、水から水蒸気を生成できるものであればよく、各種ボイラーを用いることができる。
【0019】
本実施形態の過熱水蒸気生成装置100は、図1に示すように、導入ポートP1から導入された水蒸気を誘導加熱して過熱水蒸気を生成し、当該過熱水蒸気を導出ポートP2から導出するものである。
【0020】
具体的にこの過熱水蒸気生成装置100は、図2及び図3に示すように、螺旋状に巻回された円筒状の導体管2を軸方向に短絡させて、当該導体管2の内側及び外側又はその一方に設けられた磁束発生機構3により誘導加熱して、導体管2を流れる水蒸気を加熱して過熱水蒸気を生成する。
【0021】
導体管2は、導入ポートP1及び導出ポートP2を有する水蒸気収容部である。この導体管2は、導電性を有する管を螺旋状に巻回することによって円筒状とされるとともに軸方向に短絡されたものであり、水蒸気が導入される導入ポートP1と過熱水蒸気を導出する導出ポートP2を有している。なお、導体管2に接続管を接続することにより、当該接続管が導入ポートP1を有する構成としても良いし、接続管が導出ポートP2を有する構成としても良い。また、導体管2の1巻に相当する巻回部分は互いに接触又は近接している。導体管2の材質としては、例えばオーステナイト系ステンレス鋼やインコネル合金を用いることができる。なお、導体管2の詳細な構成は後述する。
【0022】
磁束発生機構3は、導体管2の内側及び外側に設けられて導体管2を誘導加熱するものであり、導体管2の内面及び外面に沿って設けられた誘導コイル31を有している。なお、磁束発生機構3は、図示しない鉄心等の磁路形成部材を有するものであっても良い。誘導コイル31には、商用周波数(50Hz又は60Hz)の交流電源により交流電圧が印加される。
【0023】
このように構成された過熱水蒸気生成装置100では、誘導コイル31に50Hz又は60Hzの交流電圧を印加することによって、導体管2に誘導電流が流れて導体管2がジュール発熱する。そして、導体管2を流れる水蒸気が、導体管2の内面から熱を受けて加熱されて過熱水蒸気が生成される。
【0024】
そして、本実施形態の過熱水蒸気生成装置100では、図2及び図4に示すように、導体管2の導入ポートP1が導体管2の軸方向両端部に設けられるとともに、導体管2の導出ポートP2が導体管2の軸方向中央部に設けられている。本実施形態の導出ポートP2は、導体管2を軸方向に2等分した位置に設けられているがこれに限られない。
【0025】
具体的に導体管2は、図4に示すように、軸方向中央部において2つの導体管要素21、22に分割されている。そして、各導体管要素21、22の軸方向外側端部21a、22aに導入ポートP1が設けられており、各導体管要素21、22の軸方向内側端部21b、22bに導出ポートP2が設けられている。これら2つの導体管要素21、22を軸方向に連続して配置することによって、導体管2の導入ポートP1が導体管2の軸方向両端部に設けられるとともに、導体管2の導出ポートP2が導体管2の軸方向中央部に設けられることになる。
【0026】
各導体管要素21、22の互いに隣接する巻回部分が例えば溶接により電気的に接続されるとともに、2つの導体管要素の互いに隣接する対向部分が電気的に接続されて、導体管全体として短絡回路が構成されている。これにより、導体管2は1ターンの二次コイルとなる。なお、本実施形態の各導体管要素21、22は互いに同じ巻回数であるが、これに限られない。
【0027】
ここで2つの導体管要素21、22の対向部分において、導出ポートP2を除く部分が、周方向全体に亘って導電性を有する第1の接合要素(不図示)によって接合されている。この第1の接合要素は、溶接により形成されたものであっても良い。
【0028】
本実施形態では、各導体管要素21、22の導出ポートP2は、図4に示すように、各導体管要素21、22の軸方向内側端部21b、22bを管直径の2倍の曲率半径で曲げて形成されている。ここでは、導出ポートP2は、各導体管要素21、22の巻回部分を径方向外側に折り曲げられることによって形成されている。
【0029】
一方の導体管要素21の軸方向内側端部21bと他方の導体管要素22の軸方向内側端部22bとは、周方向において互いに相寄る構成であり、2つの導体管要素21、22の導出ポートP2は、互いに接触又は近接して設けられている。これら2つの導出ポートP2は、導電性を有する第2の接合要素23によって互いに電気的に接合されている。本実施形態では、2つの導出ポートP2の間に形成される空間を埋めるように第2の接合要素23により接合されている。第2の接合要素23は、導体管2と同材質又は概略同等物性である。
【0030】
このように構成された導体管2に対して磁束発生機構3は、図1及び図2に示すように、導体管2の内側及び外側に設けられている。導体管2の外側(導出ポートP2の引き出し側)に設けられた磁束発生機構3xは、軸方向に分割されて導出ポートP2の上側と下側とにそれぞれ設けられている。また、導体管2の内側(導出ポートP2の引き出し側とは反対側)に設けられた磁束発生機構3yは、軸方向に分割されずに一体構造とされている。
【0031】
<2.出水防止機構>
しかして、本実施形態の過熱水蒸気生成装置100は、図1に示すように、導出ポートP2から水蒸気が液化した水が導出されることを防止する出水防止機構4を備えている。
【0032】
この出水防止機構4は、導体管2に設けられ、当該導体管2の温度を検出する温度センサ41と、当該温度センサ41の検出温度が100℃以上の設定温度となるように誘導加熱を制御する制御装置42とを有している。
【0033】
温度センサ41は、導体管2において導出ポートP2側に設けられている。なお、温度センサ41を導出ポートP2側に設ける場合には、導出ポートP2が設けられた導体管2の延出部分(螺旋部分から延び出た部分)に設ける他、導出ポートP2に隣接する導体管2の螺旋部分(巻かれた部分)に設けても良いし、導出ポートP2に接続される接続管に設けても良い。
【0034】
制御装置42は、CPU、メモリ、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ等を備えたものであり、温度センサ41の検出温度に基づいて、導入ポートP1に水蒸気が導入される前に、温度センサ41の検出温度が100℃以上の設定温度となるように誘導加熱を制御する。なお、100℃以上の設定温度は、導体管2の全体が確実に100℃以上となるように設定されており、例えば150℃である。
【0035】
ここで、出水防止機構4は、導入ポートP1側に設けられた開閉電磁弁43をさらに有している。なお、開閉電磁弁43を導入ポートP1側に設ける場合には、導入ポートP1が設けられた導体管2の延出部分(螺旋部分から延び出た部分)に設ける他、導入ポートP1に接続される接続管に設けても良い。
【0036】
そして、制御装置42は、図5に示すように、例えば停止状態から運転開始後において、温度センサ41の検出温度が100℃以上の設定温度となった場合に、開閉電磁弁43を自動的に開放して、導入ポートP1に水蒸気を導入する。本実施形態の開閉電磁弁43は、電動比例弁であり、制御装置42は電動比例弁43の弁開度が徐々に大きくするように開放する。
【0037】
電動比例弁43の開閉時間(閉じた状態から開いた状態にするまでの時間)は、導入される水蒸気の温度と温度センサ41の検出温度との差などに基づいて、調整することができる。例えば、水蒸気の温度と検出温度との差が小さければヒートショックの影響は小さいので、開閉時間を短くすることが考えられ、それらの差が大きければヒートショックの影響も大きいので、開閉時間を長くすることが考えられる。
【0038】
その他、本実施形態では、図1に示すように、導出ポートP2側に、水蒸気が液化した水をトラップする導出側トラップ機構5が設けられている。導出側トラップ機構5は、液化した水を貯留する貯留部51と、当該貯留部51に溜まった水を排出する排出部52とを有している。なお、導出側トラップ機構5を導出ポートP2側に設ける場合には、導出ポートP2が設けられた導体管2の延出部分(螺旋部分から延び出た部分)に設ける他、導出ポートP2に接続される接続管に設けても良い。ここで、導出側トラップ5は、過熱水蒸気生成装置100の過熱水蒸気導出口にできるだけ近い位置に設けることが望ましい。
【0039】
また、導入ポートP1側に、水蒸気が液化した水をトラップする導入側トラップ機構6が設けられている。導入側トラップ機構6は、液化した水を貯留する貯留部61と、当該貯留部61に溜まった水を排出する排出部62とを有している。なお、導入側トラップ機構6を導入ポートP1側に設ける場合には、導入ポートP1が設けられた導体管2の延出部分(螺旋部分から延び出た部分)に設ける他、導入ポートP1に接続される接続管に設けても良い。ここで、導入側トラップ機構6は、導体管2の延出部分において螺旋部分にできるだけ近い位置に設けることが望ましい。
【0040】
<3.本実施形態の効果>
このように構成された本実施形態に係る過熱水蒸気生成装置100によれば、出水防止機構4により導出ポートP2側の温度を100℃以上に加熱した後に、導入ポートP1に水蒸気が導入されるように構成しているので、導出ポートP2から水蒸気が液化した水が導出されることを防ぐことができる。その結果、過熱水蒸気を用いて熱処理される被処理物に対して、液化した水が与える悪影響を抑制することができる。
【0041】
制御装置42は、温度センサ41の検出温度が100℃以上の設定温度となった場合に、開閉電磁弁43を開放して、導出ポートP1に水蒸気を導入するので、自動的に出水防止機能が働くようにできる。また、飽和水蒸気生成装置と別々の装置構成の場合において、過熱水蒸気生成装置が100℃以上になる前に水蒸気が導入されないように、過熱水蒸気生成装置の導入ポート側でコントロールすることができる。
【0042】
導出ポートP2側に導出側トラップ機構5を設けているので、過熱水蒸気生成装置100から液化した水が導出されることをより一層防止することができる。また、導入ポートP1側に導入側トラップ機構6を設けているので、過熱水蒸気生成装置100に水蒸気が液化した水が導入されることを防止して、過熱水蒸気生成装置100から液化した水が導出されることをより一層防止することができる。
【0043】
<4.その他の本実施形態の効果>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0044】
例えば、前記実施形態では、誘導加熱方式により導体管をジュール発熱させる構成であったが、直接通電加熱方式により導体管をジュール発熱させる構成であっても良い。また、導体管をジュール発熱させることなく、外部の熱源(例えばヒータ)により管を加熱することによって、当該管を流れる水蒸気を加熱する構成であっても良い。
【0045】
また、前記実施形態の温度センサ41は、導出ポートP2側に設けられているが、導体管2の温度が検出できる位置であれば、何れの位置であっても良い。
【0046】
さらに、前記実施形態の電磁開閉弁は、過熱水蒸気生成装置に設けられているが、過熱水蒸気生成装置に水蒸気を供給する水蒸気生成装置の導出側に設けられたものであっても良い。
【0047】
その上、導体管の構成は、前記実施形態に限られず、1本の導体管を螺旋状に巻回して構成したものであっても良い。
【0048】
前記実施形態の水蒸気収容部は、導体管を用いて構成されているが、水蒸気を収容する容器であっても良い。
【0049】
また、過熱水蒸気生成装置が前記実施形態の構成に加えて、水を加熱して水蒸気を生成する水蒸気生成部を有していても良い。
【0050】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0051】
100・・・過熱水蒸気生成装置
P1 ・・・導入ポート
P2 ・・・導出ポート
2 ・・・導体管
4 ・・・出水防止機構
41 ・・・温度センサ
42 ・・・制御装置
43 ・・・開閉電磁弁(電動比例弁)
5 ・・・導出側トラップ機構
6 ・・・導入側トラップ機構
図1
図2
図3
図4
図5