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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】問い合わせ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/30 20200101AFI20231221BHJP
   G06F 40/263 20200101ALI20231221BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231221BHJP
【FI】
G06F40/30
G06F40/263
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022030159
(22)【出願日】2022-02-28
(65)【公開番号】P2023106269
(43)【公開日】2023-08-01
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0008517
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520068548
【氏名又は名称】マインドウェアワークス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(74)【代理人】
【識別番号】100207022
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 弘之
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェイン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ヒョンソン
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-513693(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107577662(CN,A)
【文献】国際公開第2020/261944(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0217603(US,A1)
【文献】国際公開第2019/142427(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/087811(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 40/00-40/58
G06F 16/00-16/958
G10L 15/00-17/26
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーがサービスまたは仕事処理を提供するサービスプロバイダーに送信する問い合わせを処理する装置において、
ユーザーから送信されてくる音声またはテキストのタイプの問い合わせを入力処理する問い合わせ入力処理部と、
入力処理された前記問い合わせが一つの意図を含む単純な問い合わせであるか、あるいは、少なくとも二つ以上の意図を含んで複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせであるかを判断する問い合わせ類型判断部と、
前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれの意図が把握できるように前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれを解釈して分析する問い合わせ分析部と、
前記問い合わせ分析部の分析結果を踏まえて、前記サービスプロバイダーが提供するサービスまたは仕事処理に関わる複数の処理タスクを保存管理する問い合わせ処理データベース部を照会して、前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを抽出して確定する問い合わせ処理部と、
を備えてなり、
前記問い合わせ処理部は、
前記問い合わせの類型が単純な問い合わせである場合、前記問い合わせ処理データベース部を検索データベースとして、前記問い合わせ分析部により解釈及び分析が終わった前記単純な問い合わせに含まれる少なくとも一つの単語をキーワードとして用いて検索を行うことにより、前記単純な問い合わせに対応する処理タスクを前記少なくとも一つのキーワードとの関連の正確度が最も高い最上位の処理タスクである第1の処理タスクから正確度が最も低い第nの処理タスク(ここで、nは自然数)まで順番に前記問い合わせ処理データベース部から抽出して取得し、予め設定された基準正確度以上の正確度を有する最上位の処理タスクが、取得した処理タスクの中に存在するかを判断し、
予め設定された基準正確度以上の正確度を有する最上位の処理タスクが、取得した処理タスクの中に存在すると判断された場合、前記単純な問い合わせに対応する最上位の処理タスクを抽出して前記ユーザーに送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、前記単純な問い合わせに対応する処理タスクを確定し、
前記問い合わせの類型が複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせである場合、前記問い合わせ処理データベース部を検索データベースとして、前記問い合わせ分析部により解釈及び分析が終わった前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに含まれる少なくとも一つの単語をキーワードとして用いて検索を行うことにより、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを前記少なくとも一つのキーワードとの関連の正確度が最も高い最上位の処理タスクである第1の処理タスクから正確度が最も低い第nの処理タスク(ここで、nは、後記のmより大きい自然数)まで順番に前記問い合わせ処理データベース部から抽出して取得し、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応していずれも予め設定された基準正確度以上の正確度を有する最上位の処理タスクが、取得した処理タスクの中に存在するかを判断し、
前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応していずれも予め設定された基準正確度以上の正確度を有する最上位の処理タスクが、取得した処理タスクの中に存在すると判断された場合、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する最上位の処理タスクを抽出して前記ユーザーに送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定し、
前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応して少なくとも一つが予め設定された基準正確度以上の正確度を有する最上位の処理タスクが、取得した処理タスクの中に存在しないと判断された場合、予め設定された基準正確度以上の正確度を有する最上位の処理タスクが存在しない個別の問い合わせに対応する1~m番目(ここで、mは、予め設定された正確度が高い順番であり、2以上の自然数)に正確度が高い上位グループの処理タスクを前記ユーザーに送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定することを特徴とする、問い合わせ処理装置。
【請求項2】
前記問い合わせ入力処理部は、前記ユーザーから音声タイプで問い合わせが送信されてくる場合、前記音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換し、入力される音声タイプの問い合わせがベトナム語または中国語であると判別されれば、ベトナム語または中国語ならではの固有の特徴及び体系に相当する六声または四声が表記されるように前記音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換することを特徴とする、請求項1に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項3】
前記問い合わせ分析部は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語が含まれている場合、問い合わせ分析データベース部を照会して前記同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語の意味を前記問い合わせ分析データベース部から取得することによって前記同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語の意味を分析し、取得された前記同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語の意味を用いて前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに含まれている意図を把握し、ここで、前記問い合わせ分析データベース部は、同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語のそれぞれの意味のうち、前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域に関わる意味のみを保存管理することを特徴とする、請求項1に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項4】
前記問い合わせ分析部は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに韓国以外の国の言語が含まれている場合、問い合わせ分析データベース部を照会して前記韓国以外の国の言語の意味を前記問い合わせ分析データベース部から取得することによって前記韓国以外の国の言語の意味を分析し、取得された前記韓国以外の国の言語の意味を用いて前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに含まれている意図を把握し、ここで、前記問い合わせ分析データベース部は、前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域において用いられる韓国以外の国の言語のそれぞれに対する複数の表記を意味に対応付けて保存管理することを特徴とする、請求項1に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項5】
前記問い合わせ分析部は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれを解釈して分析する過程において、問い合わせを送信するユーザーの履歴情報を保存管理する履歴情報データベース部を照会し、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせを送信した特定のユーザーの履歴情報を前記履歴情報データベース部から取得し、取得した特定のユーザーの履歴情報を用いて前記問い合わせに対する解釈及び分析を行うことを特徴とする、請求項1に記載の問い合わせ処理装置。
【請求項6】
前記問い合わせ処理部は、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定した後、確定した前記処理タスク同士が互いに前後関係または依存関係にあると判断されれば、前記ユーザーに確定した前記処理タスクの処理順番を送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、確定した前記処理タスクの処理順番を確定することを特徴とする、請求項に記載の問い合わせ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーがサービスまたは仕事処理を提供するサービスプロバイダーに送信する問い合わせ(クエリ)を処理する装置に係り、特に、少なくとも二つ以上の意図を含んで複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせが生じた場合、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを抽出して確定できるように構成することにより、ユーザーがリクエストした複合的な問い合わせに対して速やかにかつ的確に処理できるようにする問い合わせ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーが様々なサービスまたは様々な仕事処理を提供するサービスプロバイダーに質問や問い合わせを送信すれば、サービスプロバイダーは、問い合わせ処理装置を用いてユーザーが願望するサービスまたは仕事の処理が行われるようにする。
【0003】
前記サービスプロバイダーは、特定のサービスまたは仕事(例えば、金融、医療、旅行、教育、宿泊、買い物など)を自ら行ったり代行したりする業体に相当し、前記ユーザーは、特定のサービスまたは仕事を前記サービスプロバイダーに処理してもらおうとするサービスまたは仕事処理のリクエスターに相当する。
【0004】
前記ユーザーが前記問い合わせ処理装置に送信可能な問い合わせは、一つの意図を含む単純な問い合わせであってもよく、少なくとも二つ以上の意図を含む、すなわち、各意図を含む複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせであってもよい。
【0005】
ところが、これまで、問い合わせ処理装置は、単純な問い合わせに対してしか自動的に処理できないレベルにとどまっており、複合的な問い合わせを一括して処理することができないのが現状である。
【0006】
例えば、ワクチンの接種の予約をしたユーザーが発話を通して「先ほど予約したワクチンの接種をキャンセルし、新たにスケジュールを早めて予約してほしい!」といった複合的な問い合わせを行えば、現在の問い合わせ処理装置は、このような複合的な問い合わせを速やかにかつ的確に処理することができない。すなわち、このような場合、現在の問い合わせ処理装置は、それぞれの個別の問い合わせに相当する「ワクチンをキャンセルしてほしい」と理解したり、「新たな予約をしてほしい」と認識したりするレベルにとどまっている。
【0007】
この場合、ユーザーがワクチンの接種の予約をキャンセルし、払い戻しを受けようとするのであるか、あるいは、キャンセルをし、他の意図を有しているのであるか、といったように、場合の数が多すぎるため、このような複合的な問い合わせを処理可能な装置が未だに存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】大韓民国公開特許第10-2014-0025364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような従来の技術が抱える不都合を解決するために案出されたものであり、少なくとも二つ以上の意図を含んで複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせが生じた場合、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを抽出して確定できるように構成することにより、ユーザーがリクエストした複合的な問い合わせに対して速やかにかつ的確に処理できるようにする問い合わせ処理装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような課題を成し遂げるために提案された本発明に係る問い合わせ処理装置は、該装置を構成する構成手段として、ユーザーがサービスまたは仕事処理を提供するサービスプロバイダーに送信する問い合わせを処理する装置において、ユーザーから送信されてくる音声またはテキストのタイプの問い合わせを入力処理する問い合わせ入力処理部と、入力処理された前記問い合わせが一つの意図を含む単純な問い合わせであるか、あるいは、少なくとも二つ以上の意図を含んで複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせであるかを判断する問い合わせ類型判断部と、前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれの意図が把握できるように前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれを解釈して分析する問い合わせ分析部と、前記問い合わせ分析部の分析結果を踏まえて、問い合わせ処理データベース部を照会して、前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを抽出して確定する問い合わせ処理部と、を備えてなることを特徴とする。
【0011】
ここで、前記問い合わせ入力処理部は、前記ユーザーから音声タイプで問い合わせが送信されてくる場合、前記音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換し、前記ユーザーが外国人に相当する場合には前記外国人が使用する外国語の特徴及び体系が表記されるように前記音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換することを特徴とする。
【0012】
また、前記問い合わせ分析部は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語が含まれている場合、問い合わせ分析データベース部を照会して前記同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語の意味を分析し、ここで、前記問い合わせ分析データベース部は、同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語のそれぞれの意味のうち、前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域に関わる意味のみを保存管理することを特徴とする。
【0013】
さらに、前記問い合わせ分析部は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに外国語が含まれている場合、問い合わせ分析データベース部を照会して前記外国語の意味を分析し、ここで、前記問い合わせ分析データベース部は、前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域において用いられる外国語のそれぞれに対する複数の表記を意味に対応付けて保存管理することを特徴とする。
【0014】
さらにまた、前記問い合わせ分析部は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれを解析する過程において、問い合わせを送信するユーザーの履歴情報を保存管理する履歴情報データベース部を照会することを特徴とする。
【0015】
さらにまた、前記問い合わせ処理部は、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応していずれも選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在すると判断された場合、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する最上位の処理タスクを抽出して前記ユーザーに送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定することを特徴とする。
【0016】
さらにまた、前記問い合わせ処理部は、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応して少なくとも一つが選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在しないと判断された場合、選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在しない個別の問い合わせに対応する上位グループの処理タスクを前記ユーザーに送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定することを特徴とする。
【0017】
ここで、前記問い合わせ処理部は、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定した後、確定した前記処理タスク同士が互いに前後関係または依存関係にあると判断されれば、前記ユーザーに確定した前記処理タスクの処理順番を送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、確定した前記処理タスクの処理順番を確定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記のような目的及び解決手段を有する本発明に係る問い合わせ処理装置によれば、少なくとも二つ以上の意図を含んで複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせが生じた場合、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを抽出して確定できるように構成することにより、ユーザーがリクエストした複合的な問い合わせに対して速やかにかつ的確に処理できるようにするというメリットが生じる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る問い合わせ処理装置の構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る問い合わせ処理装置を用いた問い合わせの処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に基づいて、上記のような課題、解決手段及び効果を有する本発明に係る問い合わせ処理装置に関する好適な実施形態について詳しく説明する。
【0021】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る問い合わせ処理装置100は、ユーザーがサービスまたは仕事処理を提供するサービスプロバイダーに送信する問い合わせを処理する装置に相当し、このために、問い合わせ入力処理部10、問い合わせ類型判断部30、問い合わせ分析部50及び問い合わせ処理部70を備えてなり、関連するデータベースとしての問い合わせ分析データベース部51、履歴情報データベース部53及び問い合わせ処理データベース部71をさらに備えてなる。
【0022】
前記問い合わせ入力処理部10は、ユーザーから送信されてくる音声またはテキストのタイプの問い合わせを入力処理する動作を行う。すなわち、前記問い合わせ入力処理部10は、テキストタイプの問い合わせだけではなく、発話を通して生成される音声タイプの問い合わせもまた入力して処理する。
【0023】
前記ユーザーは、音声及びテキストのうちの少なくとも一方を送信可能なユーザー端末を用いて、音声またはテキストのタイプの問い合わせを問い合わせ処理装置100に送信することができる。すると、前記問い合わせ入力処理部10は、前記音声またはテキストのタイプの問い合わせを入力されて予め設定された処理方法に従って処理する。
【0024】
具体的に、前記問い合わせ入力処理部10は、前記ユーザーから音声タイプで問い合わせが送信されてくる場合、前記音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換する。したがって、前記問い合わせ類型判断部30は、前記テキストタイプに変換された問い合わせを分析して問い合わせ類型を判断することができ、前記問い合わせ分析部50もまた、前記テキストタイプに変換された問い合わせを分析して問い合わせに含まれている意図が解釈できかつ分析できるようにする。
【0025】
また、前記問い合わせ入力処理部10は、発話を通して生成される音声タイプの問い合わせを送信する前記ユーザーが外国人に相当する場合には、前記外国人が使用する外国語の特徴及び体系が表記されるように前記音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換する動作を行うことが好ましい。
【0026】
前記問い合わせ入力処理部10は、入力される音声タイプの問い合わせを分析して、当該問い合わせが外国人により送信されてくる外国語に相当するか否かを判別することができ、外国語に相当する場合、外国語の種類(英語、中国語、日本語、ベトナム語など)を判別可能な動作を自動的に行うことができる。これとは異なり、前記問い合わせ入力処理部10は、前記音声タイプの問い合わせを送信したユーザーに国籍及び使用外国語の種類を確かめる過程を通して、前記音声タイプの問い合わせに関する外国語の種類を確かめてもよい。
【0027】
前記問い合わせ入力処理部10は、前記入力される音声タイプの問い合わせが外国語であると判別されるか、あるいは、確かめられれば、前記外国語の音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換する過程において、前記判別された外国語ならではの固有の特徴及び体系が表記されるように変換する動作を行う。例えば、前記問い合わせ入力処理部10は、前記入力される音声タイプの問い合わせがベトナム語または中国語であると判別されれば、ベトナム語または中国語ならではの固有の特徴及び体系に相当する六声または四声が表記されるように音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換する動作を行う。
【0028】
したがって、前記問い合わせ類型判断部30は、前記外国語で送信されてきた問い合わせの類型(単純な問い合わせまたは複合的な問い合わせ)を手軽に判断することができ、前記問い合わせ分析部50は、問い合わせ分析データベース部51を照会して、前記外国語で送信されてきた問い合わせに含まれている意図をさらに手軽にかつ明確に解釈しかつ分析することができる。
【0029】
一方、前記問い合わせ入力処理部10は、前記ユーザーからテキストタイプで問い合わせが送信されてくる場合、そのまま前記問い合わせ類型判断部30及び問い合わせ分析部50に引き渡されるようにしてもよく、場合によっては、簡単な加工、例えば、分かち書きの校正などを行ったうえで引き渡されるようにしてもよい。
【0030】
前記問い合わせ類型判断部30は、前記問い合わせ入力処理部10を介して入力処理された問い合わせが一つの意図を含む単純な問い合わせであるか、あるいは、少なくとも二つ以上の意図を含んで複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせであるかを判断する動作を行う。
【0031】
前記問い合わせ類型判断部30は、前記問い合わせ入力処理部10において入力処理された問い合わせ(テキストタイプの問い合わせまたは音声タイプの問い合わせから変換されたテキストタイプの問い合わせ)を分析して、単純な問い合わせであるか、あるいは、複合的な問い合わせであるかを判断する。前記単純な問い合わせは、一つの意図しか含んでいない問い合わせに相当し、前記複合的な問い合わせは、少なくとも二つ以上の意図を含んで複数の個別の問い合わせから構成される問い合わせに相当し、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれは、一つの意図を含んでいる。
【0032】
例えば、前記問い合わせ類型判断部30は、前記入力処理された問い合わせが「ワクチンの接種の予約をキャンセルしてください。」であれば、既存の「ワクチンの接種の予約のキャンセル」という一つの意図しか含んでいないため、単純な問い合わせであると判断する。これに対し、前記問い合わせ類型判断部30は、前記入力処理された問い合わせが「ワクチンの接種の予約をキャンセルして、それから、新たにスケジュールを早めて予約してください。」であれば、「既存のワクチンの接種の予約のキャンセル」と「新たなワクチンの接種の予約」という二つの意図を含んで二つの個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせであると判断する。
【0033】
前記問い合わせ類型判断部30は、前記例示において複合的な問い合わせであると判断した場合、「既存のワクチンの接種の予約のキャンセル」を第1の意図を含む第1の個別の問い合わせであると判断し、「新たなワクチンの接種の予約」を第2の意図を含む第2の個別の問い合わせであると判断する。
【0034】
前記問い合わせ類型判断部30は、既存の様々な自然語処理機または様々な自然語の処理方法により行われることができるので、具体的な方法については説明を省略する。
【0035】
前記問い合わせ類型判断部30により前記入力処理された問い合わせが単純な問い合わせであるか、あるいは、複合的な問い合わせであるかが判断されれば、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれの意図が把握できるように前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれを解釈して分析する動作を行う。
【0036】
前記問い合わせ分析部50は、前記入力処理された問い合わせが一つの意図しか含んでいない単純な問い合わせであると判断された場合には、前記単純な問い合わせに含まれている一つの意図を明らかに把握できるように解釈しかつ分析する。具体的に、前記問い合わせ分析部50は、前記問い合わせ分析データベース部51を照会して、前記単純な問い合わせに含まれている単語の意味を明らかに解釈しかつ分析して、前記単純な問い合わせに含まれている意図が明らかに把握できるようにする。
【0037】
また、前記問い合わせ分析部50は、前記入力処理された問い合わせが少なくとも二つ以上の意図を含んで複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせであると判断された場合には、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに含まれている意図を明らかに把握できるように解釈しかつ分析する。具体的に、前記問い合わせ分析部50は、前記問い合わせ分析データベース部51を照会して、前記複合的な問い合わせを構成するそれぞれの個別の問い合わせに含まれている単語の意味を明らかに解釈しかつ分析して、前記それぞれの個別の問い合わせに含まれている意図が明らかに把握できるようにする。
【0038】
ここで、前記問い合わせ分析データベース部51は、例えば、数多くの単語とそれらの単語の意味をマッチングして保存管理することから、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成するそれぞれの個別の問い合わせに含まれている単語の意味を明らかに解釈しかつ分析することができる。
【0039】
前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに含まれている単語の意味または表記が明らかであるか、あるいは、直ちに特定可能である場合(例えば、当該単語の意味が一つである場合、または当該単語が一つの表記に統一化された場合)には、前記問い合わせ分析データベース部51を照会して、単語の意味を明らかに解釈しかつ分析することにより、意図が的確に把握できるようにする。
【0040】
これに対し、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに明らかではないか、あるいは、直ちに特定できない単語が含まれている場合、例えば、同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語が含まれている場合には、当該単語の意味を直ちに特定し難いため、速やかにかつ明らかに意図を把握するうえで困難さを生じさせる。
【0041】
例えば、問い合わせに同音異義語に相当する単語の「
」が含まれている場合、前記問い合わせ分析部50は、前記単語の「
」が「走る動物の馬」という意味を有するか、あるいは、「言語や言葉」の意味を有するかを直ちに特定し難いために、速やかにかつ的確に意図を把握するうえで困難さを生じさせる。このような問題を解決するために、本発明に適用される前記問い合わせ分析データベース部51は、単語に対して開放ドメイン(open domain)、すなわち、様々なあらゆるサービスまたは様々なあらゆる仕事領域において用いられる意味をいずれも対応付けて保存管理するわけではなく、閉鎖ドメイン(closed domain)またはローカルドメイン(local domain)、すなわち、問い合わせ処理装置を用いて問い合わせの処理を行う前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域に関わる意味のみを対応付けて保存管理することが好ましい。
【0042】
したがって、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語が含まれている場合、問い合わせ分析データベース部51を照会して、前記同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語の意味を分析する。ここで、前記問い合わせ分析データベース部51は、同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語のそれぞれの意味のうち、前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域に関わる意味のみを保存管理する。
【0043】
例えば、前記サービスプロバイダーが動物園または自然史博物館に関わる特定のサービスまたは仕事を提供する場合、前記問い合わせ分析データベース部51は、単語の「
」に関わる様々な意味のうち、「言語や言葉」の意味は対応付けて保存管理せず、動物園または自然史博物館に相当する特定のサービスまたは特定の仕事領域に関わる「走る動物の馬」の意味のみを対応付けて保存管理する。
【0044】
したがって、特定のサービスまたは特定の仕事処理を提供するサービスプロバイダーが本発明に係る問い合わせ処理装置を介してユーザーが送信またはリクエストした問い合わせに対して処理する場合、前記問い合わせ分析データベース部51は、同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語の様々な意味のうち、前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域に関わる意味のみを単語に対応付け保存管理することから、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに同音異義語または場面に応じて異なるように解釈される単語が含まれている場合であっても、速やかにかつ的確に当該単語の意味を解釈しかつ分析することができる。
【0045】
一方、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに外国語表記が含まれている場合、例えば、多種多様に表記可能な外国語の単語が含まれている場合、前記問い合わせ分析データベース部51を照会して、当該外国語の単語の意味を把握するが、前記問い合わせ分析データベース部51に外国語の単語に対する様々な表記が保存管理されない場合には、当該外国語の単語の意味を解釈することができないか、あるいは、直ちに特定し難いため、速やかにかつ明らかに意図を把握するうえで困難さを生じさせる。
【0046】
例えば、音声タイプの問い合わせをテキストタイプの問い合わせに変換して処理された問い合わせに高速処理計算機または情報処理機の意味を有する「
」の外国語表記が含まれ、前記問い合わせ分析データベース部51が高速処理計算機または情報処理機の意味に対応付けて「
」の外国語表記を保存管理せず、「
」のみを保存管理しているのであれば、処理された問い合わせに含まれている「
」の外国語表記の意味を解釈することができない。このような問題を解決すべく、本発明に適用される前記問い合わせ分析データベース部51は、外国語の意味に対応付けて、様々な外国語表記を対応付けて保存管理することが好ましく、さらに、問い合わせに含まれている外国語の解釈に対する正確度及び迅速性を向上させるために、閉鎖ドメイン(closed domain)またはローカルドメイン(local domain)、すなわち、問い合わせ処理装置を用いて問い合わせの処理を行う前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域において用いられる外国語のそれぞれに対する複数の表記を各外国語意味に対応付けて保存管理することが好ましい。
【0047】
したがって、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに外国語が含まれている場合、問い合わせ分析データベース部51を照会して前記外国語の意味を分析する。ここで、前記問い合わせ分析データベース部51は、前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域において用いられる外国語のそれぞれに対する複数の表記を外国語単語の意味に対応付けて保存管理する。
【0048】
例えば、前記サービスプロバイダーが電子製品に関わる特定のサービスまたは仕事を提供する場合、前記問い合わせ分析データベース部51は、高速処理計算機または情報処理機の意味を有する外国語である「
(computer)」に対応付けて、電子製品に関わる特定のサービスまたは特定の仕事領域において使える様々な表記、例えば、「
」、「
」、「
」、「
」などの様々な複数の外国語表記を保存管理する。
【0049】
したがって、特定のサービスまたは特定の仕事処理を提供するサービスプロバイダーが本発明に係る問い合わせ処理装置を介してユーザーが送信またはリクエストした問い合わせに対して処理する場合、前記問い合わせ分析データベース部51は、各外国語の意味に対応付けて前記サービスプロバイダーが提供する特定のサービスまたは特定の仕事領域において用いられる様々な複数の外国語単語表記を前記外国語の意味に対応付けて保存管理することから、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに少なくとも複数の外国語表記が含まれている場合であっても、速やかにかつ的確に当該外国語単語の意味を解釈しかつ分析することができる。
【0050】
一方、本発明に係る問い合わせ処理装置100は、問い合わせを送信したりリクエストしたりするユーザーの履歴情報を保存管理する履歴情報データベース部53をさらに備えてなる。前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれを解釈して分析する過程において、各問い合わせに含まれる単語または意図をさらに速やかにかつ的確に解釈したり把握したりするために前記ユーザーの履歴情報を保存管理する履歴情報データベース部53を照会する。
【0051】
すなわち、前記問い合わせ分析部50は、前記単純な問い合わせまたは前記複数の個別の問い合わせのそれぞれを解釈して分析する過程において、問い合わせを送信するユーザーの履歴情報を保存管理する履歴情報データベース部53を照会する。
【0052】
前記ユーザーの履歴情報は、特定のサービスまたは仕事処理をリクエストするためにあらかじめ設定登録されたユーザーの基本的な顧客情報(例えば、保険商品情報、発給されたカード商品情報など、かつてリクエストまたは送信した問い合わせ情報、かつてリクエストまたは送信した問い合わせに関する処理情報など)などを含む。したがって、前記問い合わせ分析部50は、特定のユーザーが送信した問い合わせを分析する過程において、前記履歴情報データベース部53に保存管理される前記特定のユーザーの履歴情報を参照して前記問い合わせに対する解釈及び分析をさらに速やかにかつ的確に行うことができる。
【0053】
前記問い合わせ分析部50を用いた、前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせにそれぞれに含まれる単語または意図に対する解釈及び分析が終わると、前記問い合わせ処理部70は、前記問い合わせ分析部50の分析結果を踏まえて、問い合わせ処理データベース部71を照会して、前記単純な問い合わせまたは前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを抽出して確定する。ここで、前記問い合わせ処理データベース部71は、前記サービスプロバイダーが提供するサービスまたは仕事処理に関わる複数の処理タスクを保存管理する。
【0054】
前記問い合わせの類型が単純な問い合わせである場合、前記問い合わせ処理部70は、前記問い合わせ分析部50の分析結果を踏まえて、問い合わせ処理データベース部71を照会して、前記単純な問い合わせに対応する処理タスクを抽出して確定する動作を行う。
【0055】
具体的に、前記問い合わせ処理部70は、前記問い合わせ処理データベース部71を検索データベースとして、前記問い合わせ分析部50により解釈及び分析が終わった前記単純な問い合わせに含まれる少なくとも一つの単語をキーワードとして用いて検索を行う。
【0056】
すると、前記単純な問い合わせに対応する処理タスクが前記少なくとも一つのキーワードとの関連正確度の順に抽出される。すなわち、正確度が最も高い第1の処理タスクから正確度が最も低い第nの処理タスクまで順番に抽出される(ここで、nは自然数)。ここで、前記正確度が最も高い第1の処理タスクを最上位の処理タスクと称し、前記正確度が最も高い第1の処理タスクから予め設定された正確度が高い順番の処理タスク(例えば、三番目に高い正確度を有する第3の処理タスク)までを上位グループの処理タスク(例えば、第1の処理タスク、第2の処理タスク及び第3の処理タスク)と称する。
【0057】
前記問い合わせ処理部70は、前記検索を行った後、予め設定された選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在すると判断された場合には、前記最上位の処理タスクを抽出して前記ユーザーに送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、前記単純な問い合わせに対応する処理タスクを確定する。
【0058】
前記予め設定された選定基準は、例えば、予め設定された基準正確度以上(例えば、正確度80%以上)になってもよい。したがって、前記問い合わせ処理部70は、正確度80%以上の最上位の処理タスクが存在すれば、前記最上位の処理タスクを抽出して前記ユーザーに送信する。
【0059】
前記ユーザーは、前記送信された最上位の処理タスクが自分の意図と合致されれば、合致の旨のフィードバックを前記問い合わせ処理部70に送信してもよく、合致されなければ、不合致の旨のフィードバックとともに、ユーザーの意図に相当する処理タスクを前記問い合わせ処理部70に送信してもよい。前記問い合わせ処理部70は、前記ユーザーから合致の旨のフィードバックを送信されれば、前記最上位の処理タスクを前記単純な問い合わせに対応する処理タスクと最終的に確定し、前記ユーザーから不合致の旨のフィードバックを送信されれば、前記ユーザーから送信されたユーザーの意図に相当する処理タスクを前記単純な問い合わせに対応する処理タスクと最終的に確定する。前記問い合わせ処理部70は、前記処理タスクが最終的に確定されれば、前記最終的に確定された処理タスクが行われるようにする手続きを行う。
【0060】
一方、前記問い合わせの類型が複数の個別の問い合わせから構成される複合的な問い合わせである場合、前記問い合わせ処理部70は、前記問い合わせ分析部50の分析結果を踏まえて、問い合わせ処理データベース部71を照会して、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを抽出して確定する動作を行う。
【0061】
具体的に、前記問い合わせ処理部70は、前記問い合わせ処理データベース部71を検索データベースとして、前記問い合わせ分析部50により解釈及び分析が終わった前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに含まれる少なくとも一つの単語をキーワードとして用いて検索を行う。すなわち、前記問い合わせ分析部50は、それぞれの個別の問い合わせごとに検索を行う。
【0062】
すると、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクが前記少なくとも一つのキーワードとの関連正確度の順に抽出される。すなわち、それぞれの個別の問い合わせに対応して、正確度が最も高い第1の処理タスクから正確度が最も低い第nの処理タスクまで順番に抽出される(ここで、nは自然数)。ここで、前記正確度が最も高い第1の処理タスクを最上位の処理タスクと称し、前記正確度が最も高い第1の処理タスクから予め設定された正確度が高い順番の処理タスク(例えば、三番目に高い正確度を有する第3の処理タスク)までを上位グループの処理タスク(例えば、第1の処理タスク、第2の処理タスク及び第3の処理タスク)と称する。
【0063】
前記問い合わせ処理部70は、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応していずれも選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在すると判断された場合、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する最上位の処理タスクを抽出して前記ユーザーに送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定する。
【0064】
前記予め設定された選定基準は、例えば、予め設定された基準正確度以上(例えば、正確度80%以上)になってもよい。したがって、前記問い合わせ処理部70は、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれがいずれも予め設定された選定基準に相当する正確度80%以上である最上位の処理タスクが存在すれば、前記各個別の問い合わせに対応付けてそれぞれ最上位の処理タスクを抽出して前記ユーザーに送信する。
【0065】
例えば、前記複合的な問い合わせが第1の個別の問い合わせ、第2の個別の問い合わせ及び第3の個別の問い合わせから構成され、前記第1の個別の問い合わせ、第2の個別の問い合わせ及び第3の個別の問い合わせに対応していずれも予め設定された選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在すれば、前記問い合わせ処理部70は、前記三つの個別の問い合わせに対応する三つの最上位の処理タスクを抽出して前記ユーザーに送信する。
【0066】
前記ユーザーは、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応して送信されてきた最上位の処理タスクがいずれも自分の意図と合致すれば、合致の旨のフィードバックを前記問い合わせ処理部70に送信してもよく、少なくとも一つの最上位の処理タスクが自分の意図と合致しなければ、不合致の旨のフィードバックとともに、前記自分の意図と合致しない最上位の処理タスクに置き換えられるユーザーの意図に相当する処理タスクを前記問い合わせ処理部70に送信してもよい。
【0067】
前記問い合わせ処理部70は、前記ユーザーから合致の旨のフィードバックを送信されれば、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応付けて送信していた最上位の処理タスクを前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクと最終的に確定し、前記ユーザーから不合致の旨のフィードバックを送信されれば、自分の意図と合致しない最上位の処理タスクを置き換えるために前記ユーザーから送信された処理タスクとユーザーにより置き換えられない最上位の処理タスクとを前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクと最終的に確定する。前記問い合わせ処理部70は、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクが最終的に確定されれば、前記最終的に確定された処理タスクが行われるようにする手続きを行う。
【0068】
例えば、前記問い合わせ処理部70が第1の個別の問い合わせ、第2の個別の問い合わせ及び第3の個別の問い合わせにそれぞれ対応付けて第1の最上位の処理タスク、第2の最上位の処理タスク及び第3の最上位の処理タスクをユーザーに送信してもよい。
【0069】
すると、ユーザーは、三つの最上位の処理タスクがいずれも対応する三つの個別の問い合わせに見合うものであると判断されれば、合致の旨のフィードバックを送信してもよい。この場合、前記問い合わせ処理部70は、前記送信した三つの最上位の処理タスクを最終的な処理タスクとして確定する。
【0070】
これに対し、ユーザーは、三つの最上位の処理タスクのうち、第1の個別の問い合わせに対応する第1の最上位の処理タスクが第1の個別の問い合わせに見合うものではないと判断されれば、不合致の旨のフィードバックとともに、第1の最上位の処理タスクに置き換えるために第1の個別の問い合わせに見合う処理タスクを送信してもよい。この場合、前記問い合わせ処理部70は、前記第1の最上位の処理タスクに置き換えるために送信された処理タスクと前記第2の最上位の処理タスク及び第3の最上位の処理タスクとを最終的な処理タスクとして確定する。
【0071】
一方、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応して予め設定された選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在しないこともある。例えば、複数の個別の問い合わせのうち、特定の個別の問い合わせに対応して検索されて抽出された処理タスクのうち、正確度が最も高い最上位の処理タスクの正確度が予め設定された選定基準(例えば、正確度が80%以上)に見合わないこともある。この場合には、前記上位グループの処理タスク(例えば、正確度が高い順に第1の処理タスク、第2の処理タスク及び第3の処理タスク)をユーザーに送信して、ユーザーが特定の個別の問い合わせに見合う処理タスクを的確に確定できるようにする。
【0072】
このために、前記問い合わせ処理部70は、前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応して少なくとも一つが選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在しないと判断された場合、選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在しない個別の問い合わせに対応する上位グループの処理タスクを前記ユーザーに送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定する。
【0073】
具体的に、前記問い合わせ処理部70は、選定基準に見合う最上位の処理タスクが存在しない個別の問い合わせに対応する上位グループの処理タスクを前記ユーザーに送信する。すると、前記ユーザーは、前記上位グループの処理タスクのうち、対応する個別の問い合わせに含まれる自分の意図に見合う処理タスクが存在すれば、見合う処理タスクを選んで前記問い合わせ処理部70にフィードバックする。もし、前記ユーザーが、前記上位グループの処理タスクのうち、対応する個別の問い合わせに含まれる自分の意図に見合う処理タスクが存在しないと判断されれば、前記ユーザーは、自分の意図に見合う処理タスクを新たに決めて前記問い合わせ処理部70にフィードバックする。
【0074】
すると、前記問い合わせ処理部70は、複数の個別の問い合わせのうち、特定の個別の問い合わせに対応して前記ユーザーにより選ばれたり、あるいは、新たに決められた処理タスクと残りの個別の問い合わせのそれぞれに対応して予め設定された選定基準に見合う最上位の処理タスクとを前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクとして抽出して前記ユーザーにもう一回送信してもよい。
【0075】
これに対し、前記ユーザーは、上述したように、送信された複数の処理タスクがいずれも自分の意図に見合うものであれば、合致の旨のフィードバックを前記問い合わせ処理部70に送信してもよく、この場合、前記問い合わせ処理部70は、上述したように、合致の旨のフィードバックに基づいて、前記ユーザーに送信した複数の処理タスクを前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する最終的な処理タスクとして確定してもよい。
【0076】
これに対し、前記ユーザーは、複数の処理タスクのうち、自分の意図に見合わない処理タスクが存在する場合には、不合致の旨のフィードバックとともに、置き換えるべき処理タスクを前記問い合わせ処理部70に送信してもよい。この場合、前記問い合わせ処理部70は、上述したように、前記送信されてきた置き換えるべき処理タスクと、ユーザーにより置き換えられていない、ユーザーの意図に見合う残りの処理タスクとを前記複合的な問い合わせを構成する複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する最終的な処理タスクとして確定してもよい。
【0077】
このように、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクが確定されれば、前記問い合わせ処理部70は、確定した前記処理タスク同士が互いに前後関係性または依存関係性にあるか否かを判断し、判断の結果、互いに前後関係性または依存関係性にあると判断されれば、前記ユーザーが確かめることにより確定した処理タスクの処理順番を確定する動作を行うことが好ましい。
【0078】
すなわち、前記問い合わせ処理部70は、前記複数の個別の問い合わせのそれぞれに対応する処理タスクを確定した後、確定した前記処理タスクが互いに前後関係性または依存関係性にあると判断されれば、前記ユーザーに確定した前記処理タスクの処理順番を送信した後、前記ユーザーのフィードバックに基づいて、確定した前記処理タスクの処理順番を確定する。
【0079】
前記問い合わせ処理部70は、確定した前記処理タスクを処理するときに時間的に前後関係をもって処理される必要があるか、あるいは、互いに紐付けられて時間差をおいて処理される必要があるかを判断する。前記確定した処理タスク同士の相互間の前後関係性または依存関係性の存否は、予め処理タスク同士の前後関係及び依存関係を取り決めて保存管理することにより判断することができる。
【0080】
前記問い合わせ処理部70は、確定した前記処理タスク同士が互いに前後関係または依存関係にあると判断されれば、確定した前記処理タスク同士の処理順番を定めて前記ユーザーに送信する。すると、前記ユーザーは、送信された前記処理順番が自分の意図と合致すれば、合致の旨のフィードバックを前記問い合わせ処理部70に送信する。この場合、前記問い合わせ処理部70は、前記ユーザーに送信した処理順番を確定した前記処理タスクの処理順番として確定する。前記問い合わせ処理部70は、確定した前記処理タスクの処理順番が確定されれば、前記処理順番の通りに順次に確定した前記処理タスクが処理されるようにする。
【0081】
これに対し、前記ユーザーは、送信された前記処理順番が自分の意図と合致しなければ、不合致の旨のフィードバックとともに、自分の意図に見合う処理順番に変更して前記問い合わせ処理部70に送信する。この場合、前記問い合わせ処理部70は、前記ユーザーから送信されてきた変更済みの処理順番を確定した前記処理タスクの処理順番として確定する。前記問い合わせ処理部70は、確定した前記処理タスクの処理順番が確定されれば、前記処理順番の通りに順次に確定した前記処理タスクが処理されるようにする。
【0082】
以上において本発明に係る実施形態が説明されたが、これは、単なる例示的なものにすぎず、当該分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形例及び均等な範囲の実施形態が採用可能であるということが理解できるはずである。よって、本発明の真の技術的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により定められるべきである。
【符号の説明】
【0083】
10 問い合わせ入力処理部
30 問い合わせ類型判断部
50 問い合わせ分析部
51 問い合わせ分析データベース部
53 履歴情報データベース部
70 問い合わせ処理部
71 問い合わせ処理データベース部
100 問い合わせ処理装置
図1
図2