特許 7406847 情報処理プログラム、情報処理方法、及び、情報処理装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-12-20

(45)【発行日】2023-12-28

(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、及び、情報処理装置

(51)【国際特許分類】

   A63F 13/87 20140101AFI20231221BHJP

   A63F 13/80 20140101ALI20231221BHJP

   A63F 13/86 20140101ALI20231221BHJP

   A63F 13/847 20140101ALI20231221BHJP

   A63F 13/35 20140101ALI20231221BHJP

   H04L 67/131 20220101ALI20231221BHJP

【ＦＩ】

A63F13/87

A63F13/80 A

A63F13/86

A63F13/847

A63F13/35

H04L67/131

【請求項の数】 4

(21)【出願番号】P 2022165056

(22)【出願日】2022-10-13

【審査請求日】2023-02-15

【新規性喪失の例外の表示】特許法第３０条第２項適用 ウェブサイトによる発表（Ａ）令和３年１０月１４日ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｒｅｖｅｒｉ，（Ｂ）令和４年１月２８日ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｇｏｍｏｋｕ，（Ｃ）令和４年３月３１日ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｄａｉｆｕｇｏ，ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｐｏｐｐｉｎ，（Ｄ）令和４年５月２３日ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｎｏｖｅｌ，（Ｅ）令和４年５月３１日ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｋｏｂｕｓｈｉ，ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｔｏｗｅｒ，（Ｆ）令和４年７月２９日ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｍａｈｊｏｎｇ，（Ｇ）令和４年８月１０日ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｎｏｖｅｌｈｏｒｒｏｒ，（ｈ）令和４年８月３１日ｈｔｔｐｓ：／／ｆｉｎｇｇｅｒ．ｃｏｍ／ｇａｍｅｓ／ｊｐ．ｆｉｎｇｇｅｒ．ｈａｎａｆｕｄａ

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】521500627

【氏名又は名称】株式会社ｆｌａｇｇｓ

(74)【代理人】

【識別番号】100079108

【弁理士】

【氏名又は名称】稲葉 良幸

(74)【代理人】

【識別番号】100109346

【弁理士】

【氏名又は名称】大貫 敏史

(74)【代理人】

【識別番号】100117189

【弁理士】

【氏名又は名称】江口 昭彦

(74)【代理人】

【識別番号】100134120

【弁理士】

【氏名又は名称】内藤 和彦

(72)【発明者】

【氏名】吉江 直人

(72)【発明者】

【氏名】金 景華

(72)【発明者】

【氏名】吉田 海

(72)【発明者】

【氏名】的野 亮介

(72)【発明者】

【氏名】清水 夏生

【審査官】上田 泰

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１９－０９７７６８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２１－１１５１１０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２２－１５１３８４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１９－１６５８６８（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０２１／００２６５８８（ＵＳ，Ａ１）

【文献】特開２０１９－１９５５３６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２０－０３６１３４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２３－０６４１９９（ＪＰ，Ａ）

【文献】『ニコスクリプト』新機能と仕様変更，ニコニコインフォ [online]，2008年06月19日，［2023年9月13日検索］，＜http://blog.nicovideo.jp/niconews/ni001298.html＞

【文献】ニコニコ動画、「ニコスクリプト」に新機能追加，CodeZine [online]，2008年06月19日，［2023年9月13日検索］，＜https://codezine.jp/article/detail/2704＞

【文献】Rom Tell_DA（ろむてる），よく見るけど実は知らない人のためのニコニココメント紹介 第6回「＠ピザ」おまけつき，ニコニコ動画 [online] [video]，2021年03月05日，［2023年9月13日検索］，＜https://www.nicovideo.jp/watch/sm38370833＞

【文献】『Mirrativ（ミラティブ）』大富豪やクイズ、対戦ゲームも遊べる！配信者と視聴者いっしょに楽しめるライブゲームをプレイリポート，ファミ通App [online]，2022年05月18日，［2023年9月13日検索］，＜https://app.famitsu.com/20220518_1939805/＞

【文献】みんなで有栖川ドットの世界に参加しよう！，Hatena Blog [online]，2019年01月13日，［2020年12月15日検索］，＜https://jonasan72.hatenablog.com/entry/2019/01/13/165838＞

【文献】ギフト機能がはじまります！，Mirrativ [online]，2018年12月14日時点のウェブアーカイブ，2018年12月14日，［2020年9月14日検索］，＜https://web.archive.org/web/20181214025245/https://mirrativtmbr.tumblr.com/post/178631446973/ギフト機能がはじまります＞

【文献】『AKIBA’S TRIP2（アキバズトリップ2）』“DEMO MODE”が公開、視聴者がゲーム実況に参加できる“チャットコマンド”の一部も明らかに［動画あり］，ファミ通.com [online]，2014年06月24日，［2020年11月10日検索］，＜https://www.famitsu.com/news/201406/24055841.html＞

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ６３Ｆ １３／００－１３／９８

Ａ６３Ｆ ９／２４

Ｇ０６Ｑ ５０／１０

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

配信者がプレイするゲームを実行するコンピュータを、
前記ゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末で表示する複数の択であって、前記ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成する択生成部と、
前記一又は複数の視聴者端末から受け付けた前記複数の択に対する投票を前記ゲームのプレイ中に集計する投票集計部と、
集計された前記投票の結果に基づいて、前記複数の択から特定の択を決定する択決定部と、
決定された前記特定の択に基づいて、前記ゲームを進行させるゲーム進行部と、
前記一又は複数の視聴者に、前記ゲームのプレイ内容を含む第１画面を提示する第１画面提示部と、
前記配信者に、前記ゲームのプレイ内容を含む第２画面を提示する第２画面提示部と、
として機能させ、
前記ゲームは、前記配信者と前記一又は複数の視聴者とが対戦するための対戦ゲームを含み、
前記投票集計部は、前記対戦ゲームの進行に影響を与えるための複数の択に対する投票を前記対戦ゲームのプレイ中に集計し、
前記択決定部は、集計された前記投票の結果に基づいて、該複数の択から特定の択を決定し、
前記ゲーム進行部は、決定された前記特定の択に対応する内容を前記対戦ゲームに反映させるように該対戦ゲームを進行させ、
前記ゲーム進行部は、前記投票及び前記対戦ゲームのイベントを発生させるためのコメントであって前記投票とは異なるコメントの受け付けに関する所定の条件に基づいて、前記イベントを発生させ、
前記第１画面及び前記第２画面の少なくとも一方には、前記所定の条件の進捗状況に関する表示が含まれる、
情報処理プログラム。

【請求項2】

前記第１画面には、前記対戦ゲームの進行に影響を与えるための前記複数の択が含まれ、
前記第２画面には、前記対戦ゲームの進行に影響を与えるための前記複数の択が含まれない、
請求項１に記載の情報処理プログラム。

【請求項3】

配信者がプレイするゲームを実行するコンピュータが、
前記ゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末で表示する複数の択であって、前記ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成するステップと、
前記一又は複数の視聴者端末から受け付けた前記複数の択に対する投票を前記ゲームのプレイ中に集計するステップと、
集計された前記投票の結果に基づいて、前記複数の択から特定の択を決定するステップと、
決定された前記特定の択に基づいて、前記ゲームを進行させるステップと、
前記一又は複数の視聴者に、前記ゲームのプレイ内容を含む第１画面を提示するステップと、
前記配信者に、前記ゲームのプレイ内容を含む第２画面を提示するステップと、
を実行し、
前記ゲームは、前記配信者と前記一又は複数の視聴者とが対戦するための対戦ゲームを含み、
前記集計するステップは、前記対戦ゲームの進行に影響を与えるための複数の択に対する投票を前記対戦ゲームのプレイ中に集計し、
前記決定するステップは、集計された前記投票の結果に基づいて、該複数の択から特定の択を決定し、
前記進行させるステップは、決定された前記特定の択に対応する内容を前記対戦ゲームに反映させるように該対戦ゲームを進行させ、
前記進行させるステップは、前記投票及び前記対戦ゲームのイベントを発生させるためのコメントであって前記投票とは異なるコメントの受け付けに関する所定の条件に基づいて、前記イベントを発生させ、
前記第１画面及び前記第２画面の少なくとも一方には、前記所定の条件の進捗状況に関する表示が含まれる、
情報処理方法。

【請求項4】

配信者がプレイするゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末で表示する複数の択であって、前記ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成する択生成部と、
前記一又は複数の視聴者端末から受け付けた前記複数の択に対する投票を前記ゲームのプレイ中に集計する投票集計部と、
集計された前記投票の結果に基づいて、前記複数の択から特定の択を決定する択決定部と、
決定された前記特定の択に基づいて、前記ゲームを進行させるゲーム進行部と、
前記一又は複数の視聴者に、前記ゲームのプレイ内容を含む第１画面を提示する第１画面提示部と、
前記配信者に、前記ゲームのプレイ内容を含む第２画面を提示する第２画面提示部と、
を備え、
前記ゲームは、前記配信者と前記一又は複数の視聴者とが対戦するための対戦ゲームを含み、
前記投票集計部は、前記対戦ゲームの進行に影響を与えるための複数の択に対する投票を前記対戦ゲームのプレイ中に集計し、
前記択決定部は、集計された前記投票の結果に基づいて、該複数の択から特定の択を決定し、
前記ゲーム進行部は、決定された前記特定の択に対応する内容を前記対戦ゲームに反映させるように該対戦ゲームを進行させ、
前記ゲーム進行部は、前記投票及び前記対戦ゲームのイベントを発生させるためのコメントであって前記投票とは異なるコメントの受け付けに関する所定の条件に基づいて、前記イベントを発生させ、
前記第１画面及び前記第２画面の少なくとも一方には、前記所定の条件の進捗状況に関する表示が含まれる、
情報処理装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法、及び、情報処理装置に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、オンラインゲームのデータの共有を通じて協力プレイ等が実現可能なゲームシステムが知られている。

【0003】

例えば、特許文献１には、オンラインゲームにおけるプレイヤ間で情報共有を活発に行ってコミュニケーションサイトを盛り上げることができるブラウザ型オンラインゲームシステムが記載されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開２００７－２０６８２３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

特許文献１に記載されているような従来のゲームを実行するゲームシステムでは、上記のとおり、オンラインゲームのデータの共有を通じて協力プレイ等が実現される。しかし、従来の上記ゲームシステムにおいては、オンラインゲームにおける一のプレイヤ自らのプレイ状況に関して他のプレイヤに意見を求めたり、他のプレイヤからの投票を受け付けたりする等の構成は存在しない。したがって、従来のゲームシステムにおいては、他のプレイヤは、一のプレイヤによりプレイされるゲームの進行に影響を与えることができなかった。

【0006】

そこで、本発明のいくつかの態様はかかる事情に鑑みてなされたものであり、視聴者の投票によって配信者がプレイするゲームの進行に影響を与えることが可能な情報処理技術を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、配信者がプレイするゲームを実行するコンピュータを、ゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末で表示する複数の択であって、ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成する択生成部と、一又は複数の視聴者端末から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計する投票集計部と、集計された投票の結果に基づいて、複数の択から特定の択を決定する択決定部と、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させるゲーム進行部と、として機能させる。

【0008】

本発明の一態様に係る情報処理方法は、配信者がプレイするゲームを実行するコンピュータが、ゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末で表示する複数の択であって、ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成するステップと、一又は複数の視聴者端末から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計するステップと、集計された投票の結果に基づいて、複数の択から特定の択を決定するステップと、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させるステップと、を実行する。

【0009】

本発明の一態様に係る情報処理装置は、配信者がプレイするゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末で表示する複数の択であって、ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成する択生成部と、一又は複数の視聴者端末から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計する投票集計部と、集計された投票の結果に基づいて、複数の択から特定の択を決定する択決定部と、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させるゲーム進行部と、を備える。

【0010】

なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、１つの「部」や装置が有する機能が２つ以上の物理的手段や装置により実現されても、２つ以上の「部」や装置の機能が１つの物理的手段や装置により実現されても良い。

【発明の効果】

【0011】

本発明によれば、視聴者の投票によって配信者がプレイするゲームの進行に影響を与えることが可能な情報処理技術を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図（システム構成図）である。

【図2】本発明の実施形態に係る情報処理サーバと、配信者端末及び視聴者端末との概略構成図（ブロック図）である。

【図3】本発明の実施形態に係る情報処理サーバの機能的構成の一例を示す概略構成図（ブロック図）である。

【図4】本発明の実施形態に係る配信者端末の機能的構成の一例を示す概略構成図（ブロック図）である。

【図5】本発明の実施形態に係る視聴者端末の機能的構成の一例を示す概略構成図（ブロック図）である。

【図6】本発明の実施形態に係るゲーム進行処理の一例を示すフローチャートである。

【図7】本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図8】本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図9】本発明の実施形態に係るゲーム進行処理の変形例を示すフローチャートである。

【図10】本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図11】本発明の実施形態に係る配信者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図12】本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図13】本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図14】本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図15】本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図16】本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図17】本発明の実施形態に係る配信者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図18】本発明の実施形態に係る配信者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図19】本発明の他の実施形態に係る情報処理サーバの機能的構成の一例を示す概略構成図である。

【図20】本発明の他の実施形態に係る配信者端末の機能的構成の一例を示す概略構成図である。

【図21】本発明の他の実施形態に係るゲーム進行処理の一例を示すフローチャートである。

【図22】本発明の他の実施形態に係る配信者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【図23】本発明の他の実施形態に係る視聴者端末の出力部の画面の一例を示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。

【0014】

＜システム構成＞
図１は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成図（システム構成図）である。図１に示すように、情報処理システム１００は、例示的に、情報処理サーバ１（情報処理装置）と、ゲームをプレイし、ゲームを配信する配信者が操作する配信者端末２と、ゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作するｎ台（ｎは、１以上の任意の整数値）の視聴者端末３と、ネットワークＮとを含んで構成される。

【0015】

情報処理システム１００は、いわゆるクライアント・サーバシステムである。情報処理システム１００は、クライアントである配信者端末２及びｎ台の視聴者端末３と、情報処理サーバ１とがネットワークＮを介して相互に通信を行うことにより実現される。

【0016】

情報処理サーバ１は、例えば、サーバ装置により実現される。また、配信者端末２及び視聴者端末３は、例えば、スマートフォンや、ゲーム機や、パーソナルコンピュータにより実現される。更に、ネットワークＮは、例えば、インターネット、携帯電話網といったネットワーク、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、あるいはこれらを組み合わせたネットワークにより実現される。

【0017】

なお、図中には、ｎ台の視聴者端末３として、視聴者端末３ａ及び視聴者端末３ｎを図示している。ただし、以下の説明において、これらｎ台の視聴者端末３を区別することなく説明する場合には、符号を一部省略して、単に「視聴者端末３」と呼ぶ。また、図中の配信者端末２は、１台であるが複数台であってもよい。

【0018】

ここで、情報処理システム１００の概要について説明する。例えば、情報処理システム１００は、ゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末３で表示する複数の選択肢（択）であって、ゲームの進行に影響を与えるための複数の選択肢を生成する。情報処理システム１００は、一又は複数の視聴者端末３から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計する。情報処理システム１００は、集計された投票の結果に基づいて、複数の選択肢から特定の択を決定する。情報処理システム１００は、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させる。

【0019】

このように、情報処理システム１００は、ゲーム進行に影響を与える複数の選択肢に対する投票の結果に応じて、ゲームの進行を制御する。したがって、視聴者の投票によって配信者がプレイするゲームの進行に影響を与えることが可能な情報処理技術を提供することができる。また、情報処理システム１００は、投票結果を一のゲームのプレイ途中に集計するから、例えば、当該一のゲームにおいて、投票結果を反映したゲームの次手をリアルタイムに決定可能である。

【0020】

「ゲーム」は、例えば、配信者及び一又は複数の視聴者の双方がプレイするゲームを含む。配信者及び一又は複数の視聴者の双方がプレイするゲームは、例えば、配信者と一又は複数の視聴者とが対戦するための対戦ゲーム（「第１例」のゲーム）を含む。「第１例」のゲームは、例えば、配信者及び視聴者が対戦するリバーシゲーム（オセロゲーム）、五目並べ、又は、運試しゲーム（例えば、仮想魔物を閉じ込めた仮想箱にある複数の仮想穴に、配信者と視聴者が交互に仮想剣を刺し、特定の仮想穴に仮想剣が刺さると、仮想魔物が仮想箱から飛び出すというゲーム）を含む。「第１例」のゲームは、例えば、大富豪、又は、麻雀ゲームを含んでもよい。なお、配信者及び視聴者の双方がプレイするゲームは、対戦ゲームに限られず、両者が協力してプレイするゲーム等を含んでもよい。

【0021】

「ゲーム」は、例えば、配信者に対するゲームにおける１又は複数の課題を一又は複数の視聴者の投票により決定するゲーム（「第２例」のゲーム）を含む。第２例のゲームは、例えば、複数のジャンルに関するブロック（課題）を落とさず積み上げていくゲームを含む。第２例のゲームは、例えば、クイズゲームを含んでもよい。

【0022】

「ゲーム」は、例えば、ゲームシナリオを一又は複数の視聴者の投票により決定するゲーム（「第３例」のゲーム）を含む。第３例のゲームは、例えば、配信者が主人公となるゲームのシナリオを視聴者の投票によって決定する恋愛ゲーム、又は、ホラー関連のゲームを含む。

【0023】

図２は、本発明の実施形態に係る情報処理サーバ１のハードウェアの構成と、配信者端末２及び視聴者端末３のハードウェアの構成とを示すブロック図である。なお、図中では、情報処理サーバ１のハードウェアに対応する符号には括弧を付すことなく記載し、配信者端末２及び視聴者端末３のハードウェアに対応する符号には括弧を付して記載する。

【0024】

情報処理サーバ１は、例示的に、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）１１と、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）及びＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）等からなるメモリ１３と、バス１４と、入出力インターフェース１５と、入力部１６と、出力部１７と、記録部１８と、通信部１９と、を備えている。なお、メモリ１３は、フラッシュメモリ等のＰＲＯＭ（Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）をさらに備えてもよい。

【0025】

ＣＰＵ１１は、メモリ１３に記録されているプログラム、又は、記録部１８からメモリ１３にロードされたプログラムにしたがって各種の処理を実行する。

【0026】

メモリ１３には、ＣＰＵ１１が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。ＣＰＵ１１及びメモリ１３は、バス１４を介して相互に接続されている。このバス１４には、入出力インターフェース１５も接続されている。入出力インターフェース１５には、入力部１６と、出力部１７と、記録部１８と、通信部１９と、が接続されている。

【0027】

入力部１６は、各種ボタン、タッチパネルあるいはマイク等で構成され、情報処理サーバ１の管理者等の指示操作に応じて各種情報を入力する。なお、入力部１６は、情報処理サーバ１の他の各部を収容する本体とは独立した、キーボードやマウス等の入力装置により実現してもよい。

【0028】

出力部１７は、ディスプレイやスピーカ等で構成されており、画像データや音楽データを出力する。出力部１７が出力した画像データや音楽データは、ディスプレイやスピーカ等から、画像や音楽としてプレイヤが認識可能に出力される。

【0029】

記録部１８は、ＤＲＡＭ（Ｄｙｎａｍｉｃ Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）等の半導体メモリで構成され、各種データを記録する。

【0030】

通信部１９は、他の装置との間で行う通信を実現する。例えば、通信部１９は、ネットワークＮを介して、視聴者端末３との間で相互に通信を行う。

【0031】

なお、情報処理サーバ１には、不図示であるがドライブを必要に応じて適宜設けられる。ドライブには、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等から構成されるリムーバブルメディアが適宜装着される。リムーバブルメディアには、ゲーム実行するためのプログラムや、画像データ等の各種データが格納される。ドライブによってリムーバブルメディアから読み出されたプログラムや、画像データ等の各種のデータは、必要に応じて記録部１８にインストールされる。

【0032】

次に、配信者端末２及び視聴者端末３のハードウェアの構成について説明をする。配信者端末２及び視聴者端末３は、図２に示すように、例示的に、ＣＰＵ３１と、メモリ３３と、バス３４と、入出力インターフェース３５と、入力部３６と、出力部３７と、記録部３８と、通信部３９と、を備えている。これら各部は、上述の情報処理サーバ１が備える、符号のみが異なる同名の各部と同等の機能を有している。したがって、重複する説明を省略する。

【0033】

＜情報処理サーバの機能的構成＞
図３は、本発明の実施形態に係る情報処理サーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。情報処理サーバ１は、例示的に、ゲームの進行に関する処理を実行する情報処理部４０と、情報処理部４０の処理の実行に必要な情報及び実行結果に関する情報を記録する記録部１８と、を備えて構成される。情報処理部４０は、機能的に、択生成部４１と、視聴者画面提示部４２（第１画面提示部）と、配信者画面提示部４３（第２画面提示部）と、投票受付部４４と、投票集計部４５と、択決定部４６と、ゲーム進行部４７と、を備える。

【0034】

択生成部４１と、視聴者画面提示部４２と、配信者画面提示部４３と、投票受付部４４と、投票集計部４５と、択決定部４６と、ゲーム進行部４７とは、例えば、図２に示すメモリ１３や記録部１８に格納されているプログラムをＣＰＵ１１が実行することにより実現することができる。

【0035】

情報処理サーバ１は、視聴者端末３のゲーム動作部５３が動作させるゲームの進行に必要な情報を管理する。例えば、情報処理サーバ１は、配信者端末２及び視聴者端末３の少なくとも一方においてゲームがプレイされる際に、ゲームの進行に必要な情報を配信者端末２及び視聴者端末３の少なくとも一方に提供する。情報処理サーバ１は、配信者端末２及び視聴者端末３の少なくとも一方において実行されるゲームの進捗に基づいて更新された情報を、配信者端末２及び視聴者端末３の少なくとも一方から任意のタイミングで取得し記録部１８に記録する。

【0036】

択生成部４１は、図１に示す一又は複数の視聴者端末３で表示する複数の選択肢（択）であって、ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成する。「ゲームの進行に影響を与えるための複数の択」とは、例えば、一のゲームの途中において一のゲームの進行にリアルタイムに影響を与えるための選択肢を含む。より具体的には、「ゲームの進行に影響を与えるための複数の択」は、黒石を操作する配信者と、白石を共同して（投票によって）操作する一又は複数の視聴者とが対戦するリバーシゲームにおいて、一又は複数の視聴者の白石の次手としての、盤面の複数の候補位置に対応する複数の選択肢を含む。

【0037】

視聴者画面提示部４２は、図１に示す一又は複数の視聴者端末３に、ゲームのプレイ内容を含む視聴者画面（第１画面）を提示する。視聴者画面提示部４２は、視聴者画面を、一又は複数の視聴者端末３に表示させるための表示情報を生成して、一又は複数の視聴者端末３に送信する。視聴者画面は、視聴者向けのゲーム画面であり、例えば、ゲームのプレイ開始画面、ゲーム進行中の画面、ゲーム進行中において複数の選択肢を含む画面、又は、ゲーム終了画面を含む。

【0038】

配信者画面提示部４３は、図１に示す配信者が操作する配信者端末２に、ゲームのプレイ内容を含む配信者画面（第２画面）を提示する。配信者画面提示部４３は、配信者画面を、一又は配信者端末２に表示させるための表示情報を生成して、配信者端末２に送信する。配信者画面は、配信者向けのゲーム画面であり、例えば、ゲームのプレイ開始画面、ゲーム進行中の画面、ゲーム進行中において複数の選択肢を含む画面、又は、ゲーム終了画面を含む。

【0039】

なお、視聴者画面及び配信者画面とは、共通する内容が表示されてもよいし、視聴者画面には表示される内容が、配信者画面には表示されないように制御されてもよいし、配信者画面には表示される内容が、視聴者画面には表示されないように制御されてもよい。

【0040】

投票受付部４４は、一又は複数の視聴者端末３から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に受け付ける。例えば、投票受付部４４は、一又は複数の視聴者端末３から受け付けた複数の択に対する投票を受け付けるためのタイマー機能を有しており、プレイ中における投票開始から投票終了（締切）までの投票期間を設定する。投票受付部４４は、投票期間において一又は複数の視聴者端末３からの投票を受け付ける。

【0041】

「投票期間」は任意であり、例えば２０秒～３０秒と設定される。「投票期間」は、一のゲームにおいて一又は複数回設定されてもよい。

【0042】

「投票」は、「投票期間」において一の視聴者が一回投票することが許容される。なお、「投票」は、「投票期間」において一の視聴者が複数回投票することが許容されてもよい。「投票」はポイント制（１回投票につき１ポイント）で管理されるが、他の方式で管理されてもよい。

【0043】

投票集計部４５は、一又は複数の視聴者端末３から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計する。例えば、投票集計部４５は、投票期間が終了すると、当該投票期間における、一又は複数の視聴者端末３から受け付けた複数の択に対する投票結果をプレイ中に集計する。

【0044】

択決定部４６は、集計された投票の結果に基づいて、複数の択から特定の択を決定する。例えば、択決定部４６は、複数の択ごとに、集計された投票の数（例えば投票ポイント）に基づいて特定の択を決定する。特定の択の決定手法は、任意であり、例えば、択決定部４６は、より多くの投票ポイントを獲得した一の択を特定の択として決定する。択決定部４６は、より少ない投票ポイントを獲得した一の択を特定の択として決定してもよい。「特定の択」は一つの択に限られず複数の択であってもよい。

【0045】

ゲーム進行部４７は、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させる。例えば、ゲームが黒石を操作する配信者と、白石を共同して操作する一又は複数の視聴者とが対戦するリバーシゲーム（「第１例」のゲーム）である場合、決定された特定の択は、一又は複数の視聴者の白石の次手（例えば、盤面において白石を配置するための特定位置）に対応する。つまり、ゲーム進行部４７は、リバーシゲームにおいて、決定された特定の択に対応する盤面の特定位置に白石を配置する。

【0046】

記録部１８は、ゲームに関するゲーム情報ＧＩと、配信者に関する配信者情報ＤＩと、一又は複数の視聴者に関する視聴者情報ＡＩと、択生成部４１によってゲーム中に生成された複数の択に関する択情報ＳＩと、を記録する。記録部１８は、上記各情報を互いに関連づけて記録してもよい。ゲーム情報ＧＩは、ゲーム動作情報ＧＯＩと同様にゲームの実行・進行に必要な情報を含む。ゲーム情報ＧＩは、上記した第１例のゲーム、第２例のゲーム、及び、第３例のゲームに関する情報を含む。配信者又は視聴者の選択に応じて、記録部１８からゲーム情報ＧＩが読みだされ、特定のゲームが実行されうる。

【0047】

配信者情報ＤＩは、各種ゲームに配信者として参加するユーザに関するＩＤ、氏名等の識別情報と、当該配信者がプレイするゲーム内容とが関連づけて記録されている。視聴者情報ＡＩは、各種ゲームに視聴者として参加するユーザに関するＩＤ、氏名等の識別情報と、当該視聴者が視聴及びプレイの少なくとも一方を実行するゲーム内容とが関連づけて記録されている。情報処理サーバ１は、配信者情報ＤＩ及び視聴者情報ＡＩに基づいて、ゲームにおける配信者と一又は複数の視聴者を管理する。また、一のゲームに配信者として参加するユーザに関するＩＤと当該一のゲームに配信者として参加するユーザに関するＩＤとは、共通であってもよいし、異なってもよい。なお、記録部１８は、配信者が配信サービスを利用して配信している動画を特定するために配信サービスにおけるユーザＩＤや配信動画に関するＩＤをさらに記録してもよい。

【0048】

＜配信者端末の機能的構成＞
図４は、本発明の実施形態に係る配信者端末の機能的構成の一例を示す概略構成図（ブロック図）である。図４に示すように、配信者端末２は、例示的に、ゲームを動作させるための処理を実行する情報処理部５０と、当該処理の実行に必要な情報を記録する記録部３８と、を備えて構成される。

【0049】

情報処理部５０は、機能的に、配信者画面表示部５１と、操作受付部５３と、ゲーム動作部５５と、を含んで構成されている。なお、配信者画面表示部５１、操作受付部５３、及びゲーム動作部５５は、例えば、図２に示す配信者端末２のメモリ３３や記録部３８に格納されているプログラムをＣＰＵ３１が実行したりすることにより実現することができる。

【0050】

配信者画面表示部５１は、図３に示す情報処理サーバ１の配信者画面提示部４３が生成し送信した配信者画面を表示するための表示情報に基づいて、配信者画面を出力部３７に表示させる。

【0051】

操作受付部５３は、配信者からゲームに関する操作を受け付ける。操作受付部５３は、配信者による入力部３６を用いたゲームに関する操作を受け付ける。操作受付部５３は、受け付けた操作内容を、ゲーム動作部５５に対して出力する。

【0052】

ゲーム動作部５５は、ゲームを動作させるための処理を実行する。ゲーム動作部５５は、記録部３８に記録されたゲーム動作情報ＧＯＩに含まれるゲームソフトウェアと、図２に示す入力部３６から入力された配信者の操作内容とに基づいてゲームを動作させる。ゲーム動作部５５は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報ＧＯＩに含まれる画像データからゲーム用の画像を生成し、生成した画像を出力部３７に出力させるための制御処理を行う。同様にして、ゲーム動作部５５は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報ＧＯＩに含まれる音楽データや音声データからゲーム用の音楽や音声を生成し、生成した音楽や音声を出力部３７から出力させるための制御処理を行ってもよい。

【0053】

上述したとおり、ゲーム動作部５５が動作させるゲームにおける各種情報、例えば、視聴者による投票結果、ゲーム内通貨、及び、ゲームの進行に必要な消費ポイントといったパラメータ等が情報処理サーバ１にて管理される。そのため、ゲーム動作部５５は、ゲームにおいて、これらの各種情報の変化が伴う処理（例えば、視聴者による投票の実施、又は、パラメータ等の内容変更が伴う処理）が発生する場合には、情報処理サーバ１との通信を行うことにより、情報処理サーバ１が管理する各種情報及びパラメータを更新させる。そして、ゲーム動作部５５は、更新後のパラメータを情報処理サーバ１から受信し、この更新後のパラメータに基づいてゲームの動作を継続する。

【0054】

＜視聴者端末の機能的構成＞
図５は、本発明の実施形態に係る視聴者端末の機能的構成の一例を示す概略構成図（ブロック図）である。図５に示すように、視聴者端末３は、例示的に、ゲームを動作させるための処理を実行する情報処理部６０と、当該処理の実行に必要な情報を記録する記録部３８と、を備えて構成される。

【0055】

情報処理部６０は、機能的に、視聴者画面表示部６１と、操作受付部６３と、ゲーム動作部６５と、を含んで構成されている。なお、視聴者画面表示部６１、操作受付部６３、及びゲーム動作部６５は、例えば、図２に示す視聴者端末３のメモリ３３や記録部３８に格納されているプログラムをＣＰＵ３１が実行したりすることにより実現することができる。

【0056】

視聴者画面表示部６１は、図３に示す情報処理サーバ１の視聴者画面提示部４２が生成し送信した視聴者画面を表示するための表示情報に基づいて、視聴者画面を出力部３７に表示させる。

【0057】

操作受付部６３は、視聴者からゲームに関する操作を受け付ける。操作受付部６３は、視聴者による入力部３６を用いたゲームに関する操作を受け付ける。操作受付部６３は、視聴者画面に含まれる複数の選択肢に対する視聴者の投票操作（例えば、一の択に対する投票操作）を受け付ける。操作受付部６３は、受け付けた投票内容を情報処理サーバ１に送信する。操作受付部６３は、受け付けた操作内容を、ゲーム動作部６５に対して出力する。

【0058】

ゲーム動作部６５は、ゲームを動作させるための処理を実行する。ゲーム動作部６５は、記録部３８に記録されたゲーム動作情報ＧＯＩに含まれるゲームソフトウェアと、図２に示す入力部３６から入力された視聴者の操作内容とに基づいてゲームを動作させる。ゲーム動作部６５は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報ＧＯＩに含まれる画像データからゲーム用の画像を生成し、生成した画像を出力部３７に出力させるための制御処理を行う。同様にして、ゲーム動作部６５は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報ＧＯＩに含まれる音楽データや音声データからゲーム用の音楽や音声を生成し、生成した音楽や音声を出力部３７から出力させるための制御処理を行ってもよい。

【0059】

上述したとおり、ゲーム動作部６５が動作させるゲームにおける各種情報、例えば、視聴者の投票結果、及び、ゲーム内通貨、及び、ゲームの進行に必要な消費ポイントといったパラメータ等が情報処理サーバ１にて管理される。そのため、ゲーム動作部６５は、ゲームにおいて、これらの各種情報の変化が伴う処理（例えば、視聴者による投票の実施、又は、パラメータ等の内容変更が伴う処理）が発生する場合には、情報処理サーバ１との通信を行うことにより、情報処理サーバ１が管理する各種情報及びパラメータを更新させる。そして、ゲーム動作部６５は、更新後のパラメータを情報処理サーバ１から受信し、この更新後のパラメータに基づいてゲームの動作を継続する。

【0060】

＜ゲーム進行処理＞
＜第１例＞
図６から図８を参照して、ゲーム進行処理の第１例を説明する。図６は、本発明の実施形態に係るゲーム進行処理の第１例を示すフローチャートである。前提として、情報処理サーバ１、配信者端末２及び複数の視聴者端末３のそれぞれには、第１例のゲーム（例えば対戦ゲーム）を実行するためのゲームプログラムがインストールされ、情報処理サーバ１、配信者端末２及び複数の視聴者端末３のそれぞれは、当該ゲームプログラムを実行することによってゲームを実行・進行可能である。なお、この点に関して、後述するゲーム進行処理の第２例及び第３例でも同様である。また、配信者画面及び視聴者画面は、ゲームの進行等に応じて適宜更新されうる。

【0061】

図６に示すように、情報処理サーバ１は、ゲームを実行・進行する（ステップＳ１）。情報処理サーバ１は、ゲームのホーム画面及びプレイ開始画面等を含む配信者画面Ｇ２を配信者端末２に提示し（ステップＳ３）。

【0062】

情報処理サーバ１は、ゲームのホーム画面及びプレイ開始画面等を含む視聴者画面Ｇ３ａを視聴者端末３ａに提示し（ステップＳ５）、ゲームのホーム画面及びプレイ開始画面等を含む視聴者画面Ｇ３ｎを視聴者端末３ｎに提示する（ステップＳ７）。ただし、以下の説明において、これらｎ個の視聴者端末３のそれぞれの視聴者画面Ｇ３ａ～Ｇ３ｎを区別することなく説明する場合には、符号を一部省略して、単に「視聴者画面Ｇ３」と呼ぶ。

【0063】

図７は、本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部に表示される視聴者画面、特にプレイ開始画面の一例を示す図である。視聴者画面Ｇ３には、リバーシゲームに関する盤面ＢＤが表示され、盤面ＢＤにはプレイ開始ボタンＢ１が表示される。同様に、配信者端末２の出力部にも視聴者画面Ｇ３と同様の配信者画面が表示される。そして、配信者が配信者端末２においてマウス操作又はタッチディスプレイ上でのタッチ操作によってプレイ開始ボタンＢ１を押下すると、ゲームが開始される。配信者によってプレイ開始ボタンＢ１が押下される様子が、視聴者画面Ｇ３にも表示され、一又は複数の視聴者は、ゲームが開始される状況を把握可能である。視聴者画面Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力したコメント（後述する「投票コメント」以外のコメント）がリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ１が含まれる。なお、配信者画面Ｇ２にも同様に、一又は複数の視聴者による入力コメントが表示されるコメント領域が含まれてもよい。

【0064】

図６に示すように、情報処理サーバ１は、一のゲームの途中において、一のゲームの進行に影響を与えるための複数の選択肢（択）を生成する（ステップＳ９）。情報処理サーバ１は、複数の選択肢を含む配信者画面Ｇ２を配信者端末２に提示する（ステップＳ１１）。情報処理サーバ１は、複数の選択肢を含む視聴者画面Ｇ３ａを視聴者端末３ａに提示し（ステップＳ１３）、複数の選択肢を含む視聴者画面Ｇ３ｎを視聴者端末３ｎに提示する（ステップＳ１５）。

【0065】

図８は、本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部に表示される視聴者画面、特に選択肢表示画面（視聴者のターン）の一例を示す図である。選択肢表示画面である視聴者画面Ｇ３の例は、白石を操作する配信者と、黒石を共同して操作する複数の視聴者とが対戦するリバーシゲームの例である。視聴者画面Ｇ３には、複数の視聴者に対応する黒石の次手としての、盤面ＢＤの複数の候補位置Ｏ１～Ｏ５に対応する複数の選択肢（座標Ｂ６，Ｃ６，Ｄ６，Ｅ６，Ｆ６）が表示される。なお、配信者画面Ｇ２においても、同様に、盤面ＢＤの複数の候補位置Ｏ１～Ｏ５に対応する複数の選択肢（座標Ｂ６，Ｃ６，Ｄ６，Ｅ６，Ｆ６）が表示されてもよい。

【0066】

図６及び図８に示すように、複数の視聴者のそれぞれは、視聴者端末３を操作して、複数の選択肢に対して、本ゲームで設定される投票期間（例えば２０秒）において投票を実施する（ステップＳ１７及びＳ１９）。視聴者画面Ｇ３には、投票期間のうち残りの投票期間（図８の例では９秒）を表示するためのアイコンＩ１が表示される。これにより、複数の視聴者のそれぞれは残りの投票期間を容易に把握可能である。例えば、複数の視聴者のそれぞれは、各自の視聴者端末３を操作して、投票コメント（ハッシュタグ付きのコメント）「＃座標」（例えば「＃Ｃ６」）を含むコメントを入力する。情報処理サーバ１においてコメントを投票コメントとして認識するために、コメントにおいて「座標」の前に特殊記号「＃」を設ける。つまり、情報処理サーバ１においては、コメントに含まれる特殊記号「＃」の存在に基づいて、特殊記号「＃」の直後に配置された数字、漢数字、及び、アルファベット等の文字を投票コメントとして認識する。なお、特殊記号は、情報処理サーバ１においてコメントを投票コメントとして認識可能とする記号であればよく、任意であり「＃」に限られない。

【0067】

視聴者画面Ｇ３には、複数の視聴者による投票の状況が表示される。図６に示すように、情報処理サーバ１は、投票状況を含む配信者画面Ｇ２を配信者端末２に提示する（ステップＳ２１）。情報処理サーバ１は、投票状況を含む視聴者画面Ｇ３ａを視聴者端末３ａに提示し（ステップＳ２３）、投票状況を含む視聴者画面Ｇ３ｎを視聴者端末３ｎに提示する（ステップＳ２５）。投票の実施状況の表示手法は任意である。

【0068】

図８に示すように、例えば、視聴者画面Ｇ３の候補位置Ｏ１の選択肢（座標Ｂ６）には、一票が投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰ１が関連づけて表示され、視聴者画面Ｇ３の候補位置Ｏ２の選択肢（座標Ｃ６）には、二票が投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰ２が関連づけて表示され、視聴者画面Ｇ３の候補位置Ｏ３の選択肢（座標Ｄ６）には、二票が投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰ３が関連づけて表示される。視聴者画面Ｇ３は、ゲームの進行等に応じて適宜更新されうる。視聴者画面Ｇ３において投票状況が更新される場合、リアルタイムで投票ポイントアイコンに含まれる数（投票ポイント）が更新される。なお、配信者画面Ｇ２においても、複数の視聴者による投票の状況が適宜表示されてもよい。

【0069】

視聴者画面Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力した投票コメント「＃座標」のうち「座標」のテキスト情報がリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ３が含まれる。なお、配信者画面Ｇ２にも同様に、一又は複数の視聴者による投票コメントが表示されるコメント領域が含まれてもよい。また、視聴者画面Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力した通常コメント（投票コメント以外のコメント）がリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ１が含まれる。なお、配信者画面Ｇ２にも同様に、一又は複数の視聴者による入力コメントが表示されるコメント領域が含まれてもよい。ここで、例えば、入力されたコメントが「＃座標ＸＸＸ」（「ＸＸＸ」は座標ではないテキスト情報）である場合には、「座標」部分に対応するテキスト情報（投票コメント）は、コメント領域ＣＦ３に表示され、「ＸＸＸ」部分に対応するテキスト情報（通常コメント）は、コメント領域ＣＦ１に表示される。上記のコメント表示方法については、図８以外の他の視聴者画面及び配信者画面の少なくとも一方においても同様に適用されてもよい。

【0070】

図６に示すように、情報処理サーバ１は、複数の視聴者端末３から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計する（ステップＳ２７）。情報処理サーバ１は、集計された投票の結果に基づいて、複数の択から特定の択を決定する（ステップＳ２９）。例えば、択決定部４６は、より多くの投票ポイントを、図８に示す「座標Ｃ６」（候補位置Ｏ２）が獲得した場合、「座標Ｃ６」を特定の択として決定する。

【0071】

情報処理サーバ１は、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させる（ステップＳ３１）。例えば、情報処理サーバ１は、決定された特定の択（「座標Ｃ６」）に対応する盤面ＢＤの特定位置（候補位置Ｏ２）に、複数の視聴者の共通する次手として、黒石を配置する。情報処理サーバ１は、候補位置Ｏ２に黒石が配置されたことを表示する配信者画面Ｇ２を配信者端末２に提示する（ステップＳ３３）。情報処理サーバ１は、候補位置Ｏ２に黒石が配置されたことを表示する視聴者画面Ｇ３ａを視聴者端末３ａに提示し（ステップＳ３５）、候補位置Ｏ２に黒石が配置されたことを表示する視聴者画面Ｇ３ｎを視聴者端末３ｎに提示する（ステップＳ３７）。なお、図１に示す情報処理システム１００において、上記ステップＳ９～Ｓ３７を繰り返し実行することによって、リバーシゲームにおいて、黒石及び白石が交互に継続して配置される。また、図８に示すように、特定の択として決定された位置に配置された黒石（例えば、「座標Ｄ３」上の黒石）に重畳して、当該択に投票した視聴者のアイコンを表示してもよい。当該アイコンの表示方法は任意であるが、例えば、決定された特定の択に投票した視聴者の中から所定の抽選処理で選択された視聴者のアイコンを、特定の択として決定された位置に配置された石上に表示してもよい。さらに、本情報処理システムにおいて、各回の投票において特定の択に投票した視聴者を管理し、特定の択に投票した回数の多い視聴者を、図８に示す「投票採用ＴＯＰ３」という表示形態で表示してもよい。

【0072】

ゲーム進行処理の第１例によれば、情報処理システム１００は、第１例のゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末３で表示する複数の択であって、ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成する。情報処理システム１００は、一又は複数の視聴者端末３から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計し、集計された投票の結果に基づいて、複数の択から特定の択を決定し、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させる。このように、情報処理システム１００は、ゲーム進行に影響を与える複数の選択肢に対する投票の結果に応じて、ゲームの進行を制御する。したがって、視聴者の投票によって配信者がプレイするゲームの進行に影響を与えることが可能である。

【0073】

＜第１例の変形例＞
図９から図１１を参照して、ゲーム進行処理の第１例の変形例を説明する。ゲーム進行処理の第１例の変形例では、視聴者画面には、第１例のゲームの進行に影響を与えるための複数の択が含まれる一方で、配信者画面には、対戦ゲームの進行に影響を与えるための複数の択が含まれない点で、視聴者画面及び配信者画面の双方に複数の択が含まれ得るゲーム進行処理の第１例とは異なる。以下では、ゲーム進行処理の第１例の変形例について、ゲーム進行処理の第１例と異なる点について特に説明する。なお、第１例の変形例のゲームとして、大富豪ゲームを例に挙げて説明するがこれに限られない。

【0074】

図９は、本発明の実施形態に係るゲーム進行処理の第１例の変形例を示すフローチャートである。図９と図６とを比較すると明らかなとおり、図６に示すゲーム進行処理の第１例を示すフローチャートに含まれるステップＳ１１及びＳ２１が、図９に示すゲーム進行処理の第１例の変形例を示すフローチャートには含まれない。以下では、図１０及び図１１をさらに参照して、より具体的に、ゲーム進行処理の第１例の変形例を説明する。

【0075】

図１０は、本発明の実施形態に係る視聴者端末の出力部の視聴者画面の一例を示す図である。図９に示すステップＳ１３及びＳ１５において提示される、図１０に示す視聴者画面Ｇ３には、本ゲームの参加者として、一又は複数の視聴者を含む視聴者Ｖに対応する「大貧民」と、配信者Ｄに対応する「大富豪」と、複数のコンピュータプレイヤＣＰ１「貧民」及びＣＰ３「富豪」と、が表示される。視聴者画面Ｇ３には、複数の視聴者に対応する次手（次に切るカード候補）としての、盤面ＢＤの複数のカード候補Ｏ１～Ｏ４（「＃１」～「＃４」）と、「リフレッシュ」Ｏ５（「＃９」）及び「パス」Ｏ６（「＃０」）と、が表示される。「パス」とは、例えば、出せるカードがない場合、又は、出せるカードがあるが出したくない場合等に宣言をして次のプレイヤに順番を送ることをいう。

【0076】

視聴者画面Ｇ３には、視聴者Ｖが保有する保有カードの一覧が表示されるカード領域ＴＦ１が表示される。視聴者Ｖに関連づけられた一又は複数の視聴者は、カード領域ＴＦ１における保有カード一覧を確認しながら、次手を検討し、盤面ＢＤの複数のカード候補Ｏ１～Ｏ４に対して投票する。図１０の例では、カード候補Ｏ４（ハート５）には、投票コメント（「＃４」）を含むコメントが１３回投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰが関連づけて表示されている。

【0077】

視聴者画面Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力した投票コメント「＃数字」のうち「数字」のテキスト情報がリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ３が含まれる。また、視聴者画面Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力した通常コメントがリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ１が含まれる。また、視聴者画面Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力したコメント（例えば投票コメント、及び、通常コメントをすべて含むコメント）がリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ５が含まれてもよい。

【0078】

視聴者画面Ｇ３には、大富豪ゲームにおける「革命」を実行可能なゲージの進捗状況を表示する革命ゲージＲＧが表示されてもよい。大富豪ゲームにおける「革命」とは、例えば、同じ数字のカードが４枚以上場に出されると発生するイベントであり、「革命」が発生すると、ジョーカー以外のカードの強さが逆転するなどの効果がある。革命ゲージは、一又は複数の視聴者による投票（投票コメント）や革命を実行するための他のコメントに応じて変動する。革命ゲージが例えば「３００」に到達すると「革命」を実行可能に設定されてもよい。

【0079】

図１１は、本発明の実施形態に係る配信者端末の出力部の配信者画面の一例を示す図である。図１１に示すように、配信者画面Ｇ２には、図１０に示す視聴者画面Ｇ３とは異なり、第１例の変形例の大富豪ゲームの進行に影響を与えるための複数の択が含まれない。つまり、図１１に示す配信者画面Ｇ２には、配信者Ｄの保有カードの一覧が表示されるカード領域ＴＦ３が表示される。他方で、配信者画面Ｇ２には、複数の視聴者に対応する次手（次に切るカード候補）としての、盤面ＢＤの複数のカード候補等は表示されない。

【0080】

ゲーム進行処理の第１例の変形例によれば、情報処理システム１００において、視聴者画面Ｇ３には、第１例の変形例の大富豪ゲームの進行に影響を与えるための複数の択が含まれる一方で、配信者画面Ｇ２には、当該ゲームの進行に影響を与えるための複数の択が含まれない。このように、大富豪のような配信者と視聴者の対戦ゲームにおいて、配信者には、視聴者の次手候補（複数の択）が開示されない。したがって、配信者が視聴者のターンにおいて視聴者の次手候補を確認しながら自らの次手を検討可能な機会を排除可能であり、対戦ゲームにおける配信者及び視聴者の公平性が担保可能である。

【0081】

＜第２例＞
図１２から図１５を参照して、ゲーム進行処理の第２例を説明する。上記のとおり、「第２例」のゲームは、例えば、配信者に対するゲームにおける１又は複数の課題を一又は複数の視聴者の投票により決定するゲームを含む。具体的には、第２例のゲームとして、複数のジャンルに関するブロック（課題）を落とさず積み上げていくブロック積み上げゲームを例に挙げて以下説明する。なお、「ジャンル」は、後述する「都道府県」に限らず、「文字」、「動物」、又は「実験器具」等のジャンルを含んでもよい。「課題」は、ブロックに限らず、所定面に積み上げることが可能な箱や石を模した仮想物体を含む。さらに、第２例のゲームは特定の仮想物体を積み上げる形式のゲームである必要はなく、複数の特定の仮想物体を横方向に並べるゲームであってもよい。

【0082】

図１２～図１５は、本発明の実施形態に係る視聴者画面Ｇ３及び配信者画面Ｇ２の一例を示す図である。第２例では、視聴者画面Ｇ３及び配信者画面Ｇ２の内容がほぼ共通であるとして、視聴者画面Ｇ３及び配信者画面Ｇ２を表示画面Ｇ２，Ｇ３として以下説明する。図１２（Ａ）は、第２例のゲームにおいて配信者がプレイ可能な複数のステージＳ１～Ｓ４を選択するためのステージ選択画面を含む表示画面Ｇ２，Ｇ３である。配信者は、配信者端末２において表示される表示画面Ｇ２，Ｇ３における、ステージＳ１である「ＳＴＡＧＥ１」（「都道府県」）を、配信者端末２を操作することによって選択する。

【0083】

配信者によって「ＳＴＡＧＥ１」（「都道府県」）が選択されると、図１２（Ｂ）に示すように、「都道府県」に関するブロックを積み上げていくブロック積み上げゲームが開始される。表示画面Ｇ２，Ｇ３では、投票期間（例えば２０秒）の残り時間（例えば１６秒）を示すためのアイコンＩ５が表示されている。一又は複数の視聴者は、アイコンＩ５を確認しながら投票期間が終了するまでに、積み上げるための、「都道府県」を模した複数の候補ブロック（例えば、山梨県を模した山梨県ブロックＢＬ１、石川県を模した石川県ブロックＢＬ３、奈良県を模した奈良県ブロックＢＬ５、及び、佐賀県を模した佐賀県ブロックＢＬ７）に対して投票を行う。一又は複数の視聴者による投票コメントは、その投票タイミングに表示画面Ｇ２，Ｇ３にコメント領域ＣＦ５とは異なる領域（例えば、ブロックが積み上げられる様子を表示する領域）において表示されてもよい。

【0084】

なお、表示画面Ｇ２，Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力したコメント（例えば投票コメント、及び、通常コメントをすべて含む）がリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ５が含まれてもよい。

【0085】

表示画面Ｇ２，Ｇ３では、「都道府県」を模した複数のブロックには、投票状況を示す投票ポイントアイコンが関連づけて表示されている。例えば、表示画面Ｇ２，Ｇ３では、山梨県ブロックＢＬ１には、投票コメント（例えば「＃やまなし」、「＃山梨」、「＃ヤマナシ」、又は「＃山梨県」）を含むコメントが１回投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰ５が関連づけて表示され、石川県ブロックＢＬ３には、投票コメント（例えば「＃いしかわ」、「＃石川」、「＃イシカワ」、又は「＃石川県」）を含むコメントが６回投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰ７が関連づけて表示される。図１２（Ｂ）の例によれば、残り時間１６秒のタイミングでは、積み上げられるブロックとして、石川県ブロックである可能性が高いことが把握できる。

【0086】

図１３（Ａ）は、投票期間が終了して積み上げられるブロックが決定した場合の表示画面Ｇ２，Ｇ３である。図１３（Ａ）の例では、投票ポイントアイコンＶＰ７が示すように、最も多くの投票ポイント、つまり、投票ポイント「３６」を集めた石川県ブロックＢＬ３が積み上げられるブロックとして決定している。図１３（Ｂ）は、石川県ブロックＢＬ３が表示画面Ｇ２，Ｇ３の上部から下部に向けて下降する様子を示している。図１３（Ｂ）では、積み上げられるブロックとして決定した石川県ブロックＢＬ３に代えて、新たに長崎県を模した長崎県ブロックＢＬ９が候補ブロックとして設定されている。

【0087】

図１４（Ａ）に示すように、石川県ブロックＢＬ３は、降下する際に向きが変更可能であり、また、降下位置が変更可能である。その後、図１４（Ｂ）に示すように、石川県ブロックＢＬ３がステージＳＴに積み上げられる。石川県ブロックＢＬ３がステージＳＴに積み上げられると、次に積み上げるための候補ブロックが投票により決定される。図１５（Ａ）の例では、次の積み上げるためのブロックとして、奈良県ブロックＢＬ５が決定され、奈良県ブロックＢＬ５が画面上部から下部に下降している。このように、積み上げるためのブロックを次々と視聴者の投票によって決定して（崩れないように）積み上げていくことによって、図１５（Ｂ）に示すように、都道府県を模した複数のブロックによってタワー状の形状が形成され得る。

【0088】

ゲーム進行処理の第２例によれば、情報処理サーバ１（図３に示す投票集計部４５）は、１又は複数のブロックに関連づけられた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計する。情報処理サーバ１（択決定部４６）は、集計された投票の結果に基づいて、当該複数の択から特定の択を決定する。情報処理サーバ１（ゲーム進行部４７）は、決定された特定の択に対応するブロックを配信者に提供するようにゲームを進行させる。したがって、配信者に対するゲームにおける１又は複数の課題を一又は複数の視聴者の投票により決定することによって、視聴者の投票によって配信者がプレイする当該ゲームの進行に影響を与えることが可能である。

【0089】

＜第３例＞
図１６から図１８を参照して、ゲーム進行処理の第３例を説明する。上記のとおり、第３例のゲームは、ゲームシナリオを一又は複数の視聴者の投票により決定するゲームを含む。具体的には、第３例のゲームとして、例えば、配信者が主人公の少女となるゲームのシナリオを一又は複数の視聴者の投票によって決定する恋愛ゲームを例に挙げて以下説明する。

【0090】

図１６は、本発明の実施形態に係る視聴者画面の一例を示す図である。図１６に示す視聴者画面Ｇ３では、投票期間（例えば２０秒）の残り時間（例えば９秒）を示すためのアイコンＩ７が表示されている。一又は複数の視聴者は、アイコンＩ７を確認しながら投票期間が終了するまでに、複数のゲームシナリオ候補、例えば、「一緒に行こうかな」Ｏ１１、「ひとりで行こうかな」Ｏ１２、及び、「Ｚちゃんと行くことにしてる」Ｏ１３に対して投票を行う。例えば、投票コメント「＃１」を含むコメントが入力されると、ゲームシナリオ候補Ｏ１１に対して投票ポイントが加算される。

【0091】

図１６に示す視聴者画面Ｇ３の例（残り時間９秒の時点）では、ゲームシナリオ候補Ｏ１１に対して、投票コメントが１４回投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰ１１が関連づけて表示され、ゲームシナリオ候補Ｏ１２に対して、投票コメントが６回投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰ１２が関連づけて表示され、ゲームシナリオ候補Ｏ１３に対して、投票コメントが２４回投票されたことを示す投票ポイントアイコンＶＰ１３が関連づけて表示される。仮に、投票期間が終了した際に、ゲームシナリオ候補Ｏ１３に対して最も多くの投票がされている場合には、当該ゲームシナリオ候補Ｏ１３に対応するゲームシナリオ「美咲ちゃんと行くことにしてる」が直近のゲームシナリオとして決定される。

【0092】

視聴者画面Ｇ３においては、本恋愛ゲームにおいて所定のタイミングで複数のゲームシナリオ候補が提示され、その都度、視聴者による投票が行われる。したがって、本恋愛ゲームを進行していくにあたり複数のタイミングで視聴者による投票が行われ、その投票結果に応じて都度ゲームシナリオが変動し得る。

【0093】

視聴者画面Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力した投票コメント「＃数字」に対応するテキスト情報がリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ３が含まれる。視聴者画面Ｇ３には、一又は複数の視聴者が各自の視聴者端末３を使用して入力した通常コメントがリアルタイムに時系列で表示されるコメント領域ＣＦ１が含まれる。

【0094】

図１７及び図１８は、本発明の実施形態に係る配信者画面の一例を示す図である。図１７（Ａ）に示すように、配信者（主人公の少女）は、複数のゲームシナリオ候補、例えば、行先として、「Ａくんが話していたジャンパーシティ」Ｏ１５、「Ｂくんが話してた美術館」Ｏ１６、及び、「Ｃくんが話していたカラオケ」Ｏ１７のいずれかをルーレットで決定可能である。ルーレットＲの比率、つまり、ゲームシナリオ候補Ｒ１５に対応する「５８％」、ゲームシナリオ候補Ｒ１６に対応する「２１％」、及び、ゲームシナリオ候補Ｒ１７に対応する「２１％」は、本恋愛ゲームに登場する主人公の、キャラクタ（Ａくん、Ｂくん、及びＣくん）に対する好感度に応じて設定される。

【0095】

主人公の、キャラクタ（Ａくん、Ｂくん、及びＣくん）に対する好感度は、本恋愛ゲームにおける複数のゲームシナリオを決定する際の投票内容等に基づいて設定される。例えば、ゲームシナリオとして、主人公がＡくんと一緒に行動してよい印象を抱くようなシナリオが投票によって決定されると、主人公のＡくんに対する好感度は高まる。例えば、ルーレットＲの比率は、主人公のキャラクタへの好感度が高ければ高いほど大きく設定され、主人公のキャラクタへの好感度が低ければ低いほど小さく設定される。配信者画面Ｇ２においては、主人公の各キャラクタへの好感度が表示されてもよい。例えば、配信者画面Ｇ２には、主人公のＡくんに対する好感度「１１０」を含む画像ＦＩ１、主人公のＢくんに対する好感度「４０」を含む画像ＦＩ２、及び、主人公のＣくんに対する好感度「４０」を含む画像ＦＩ３が表示される。

【0096】

配信者が、配信者端末２を操作して、配信者画面Ｇ２においてルーレット開始ボタンＢ５を押下すると、図１７（Ｂ）に示すようにルーレットＲの回転が開始される。図１８（Ａ）に示すように、配信者が、配信者端末２を操作して、ルーレット停止ボタンＢ７を押下すると、ルーレットＲの回転が止まる。そして、図１８（Ｂ）に示すように、ルーレットＲの停止位置に基づいてゲームシナリオ「Ａくんが話していたジャンパーシティ」Ｏ１５が決定される。

【0097】

ゲーム進行処理の第３例によれば、情報処理サーバ１（図３に示す投票集計部４５）は、ゲームシナリオに関連づけられた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計する。情報処理サーバ１（択決定部４６）は、集計された投票の結果に基づいて、当該複数の択から特定の択を決定する。情報処理サーバ１（ゲーム進行部４７）は、決定された特定の択に対応するプレイシナリオを信者に提供するようにゲームを進行させる。したがって、ゲームシナリオを一又は複数の視聴者の投票により決定することによって、視聴者の投票によって配信者がプレイする当該ゲームの進行に影響を与えることが可能である。

【0098】

＜他の実施形態＞
なお、上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更／改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。

【0099】

上記したとおり、図３に示す情報処理サーバ１は、択生成部４１と、視聴者画面提示部４２と、配信者画面提示部４３と、投票受付部４４と、投票集計部４５と、択決定部４６と、ゲーム進行部４７と、を備える。しかしながら、図３に示す情報処理サーバ１が備える各機能の少なくとも一部は、配信者端末２が備えてもよい。図３に示す情報処理サーバ１が備える各機能の少なくとも一部が、配信者端末２が備える一例を図１９及び図２０を参照して説明する。

【0100】

図１９は、本発明の他の実施形態に係る情報処理サーバの機能的構成の一例を示す概略構成図である。図２０は、本発明の他の実施形態に係る配信者端末（情報処理装置）の機能的構成の一例を示す概略構成図である。例えば、図１９に示すように、情報処理サーバ１は、情報処理部４０の投票受付部４４と、ゲーム情報ＧＩ、配信者情報ＤＩ及び視聴者情報ＡＩを記録する記録部１８と、を備える。例えば、図２０に示すように、配信者端末２は、択生成部４１と、視聴者画面提示部４２と、配信者画面提示部４３と、投票受付部４４と、投票集計部４５と、択決定部４６と、ゲーム進行部４７と、をさらに備えた情報処理部５０を備える。また、配信者端末２は、択情報ＳＩをさらに記録する記録部３８を備える。図１９に示す情報処理サーバ１と、図２０に示す配信者端末２と、図５に示す視聴者端末３と、ゲーム画面をストリーミング配信するストリーミング配信サーバ５と、を備える情報処理システムが実行するゲーム進行処理の一例を、図２１を参照して説明する。

【0101】

図２１は、本発明の他の実施形態に係るゲーム進行処理の一例を示すフローチャートである。図２１に示すように、配信者端末２は、例えば情報処理サーバ１からゲームプログラムをダウンロードするとゲームを実行又は進行する（ステップＳ４１）。

【0102】

図２２は、本発明の他の実施形態に係る配信者画面の一例を示す図である。配信者端末２（図２０の配信者画面提示部４３）は、図２２に示す、本ゲームのゲーム画面である配信者画面Ｇ２を生成する。配信者は、配信者端末２において、配信者画面Ｇ２を確認しながらゲームをプレイ可能である。

【0103】

図２３は、本発明の他の実施形態に係る視聴者画面の一例を示す図である。配信者端末２（図２０の視聴者画面提示部４２）は、本ゲームのゲーム画面である配信者画面Ｇ２を含む、図２３に示す視聴者画面Ｇ３を生成して、ストリーミング配信サーバ５に配信する（ステップＳ４３）。なお、配信者端末２は、生成した視聴者画面Ｇ３を出力部において出力してもよい。ストリーミング配信サーバ５は、配信者端末２からの視聴者画面Ｇ３に対応する視聴者画面Ｇ３ａ及びＧ３ｎを視聴者端末３ａ，３ｎに配信する（ステップＳ４５及びＳ４７）。例えば、配信者端末２は、生成した配信者画面Ｇ２に、所定の動画編集ソフトウェアを使用して、コメント領域ＣＦ５等を含む領域Ａ（画面）を合成することによって、視聴者画面Ｇ３を生成する。複数の視聴者は、各視聴者端末３において出力される各視聴者画面Ｇ３でゲームを視聴可能である。

【0104】

配信者端末２は、一のゲームの途中において、一のゲームの進行に影響を与えるための複数の選択肢（択）を生成する（ステップＳ４９）。配信者端末２は、複数の選択肢を含む配信者画面Ｇ２（ゲーム画面）を生成する。配信者端末２は、生成した当該配信者画面Ｇ２を含む視聴者画面Ｇ３を生成し、当該視聴者画面Ｇ３をストリーミング配信サーバ５に送信する（ステップＳ５１）。ストリーミング配信サーバ５は、複数の選択肢を含む視聴者画面Ｇ３に基づく視聴者画面Ｇ３ａ及びＧ３ｎを各視聴者端末３ａ及び３ｎに配信する（ステップＳ５３及びＳ５５）。

【0105】

視聴者端末３ａは、複数の視聴者のそれぞれは、視聴者端末３を操作して、複数の選択肢に対して、本ゲームで設定される投票期間（例えば２０秒）において投票を実施する（ステップＳ５７及びＳ５９）。

【0106】

情報処理サーバ１は、ストリーミング配信サーバ５に対してポーリングを実行する（ステップＳ６１）。ストリーミング配信サーバ５はポーリングに対して、投票コメント及び通常コメントの少なくとも一方を情報処理サーバ１に送信する（ステップＳ６３）。配信者端末２は、情報処理サーバ１に対してポーリングを実行する（ステップＳ６５）。情報処理サーバ１はポーリングに対して、投票コメント及び通常コメントの少なくとも一方を配信者端末２に送信する（ステップＳ６７）。

【0107】

配信者端末２は、複数の視聴者端末３からの、複数の択に対する投票（投票コメント）をゲームのプレイ中に集計する（ステップＳ６９）。配信者端末２は、集計された投票の結果に基づいて、複数の択から特定の択を決定する（ステップＳ７１）。配信者端末２は、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させる（ステップＳ７３）。

【0108】

配信者端末２は、ゲーム進行（例えば、リバーシゲームの場合は、候補位置に石が配置されたこと）が反映された配信者画面Ｇ２を生成する。配信者端末２は、生成した当該配信者画面Ｇ２を含む視聴者画面Ｇ３を生成し、当該視聴者画面Ｇ３をストリーミング配信サーバ５に送信する（ステップＳ７５）。ストリーミング配信サーバ５は、反映後の視聴者画面Ｇ３に基づく反映後の視聴者画面Ｇ３ａ及びＧ３ｎを各視聴者端末３ａ，３ｎに配信する（ステップＳ７７及びＳ７９）。なお、他の実施形態における情報処理システムにおいても、上記ステップＳ４９～Ｓ７９を繰り返し実行することによって、視聴者の投票のたびに、配信者がプレイするゲームの進行に影響を与えることが可能である。

【符号の説明】

【0109】

１…情報処理サーバ、２…配信者端末、３…視聴者端末、５…ストリーミング配信サーバ、１１（３１）…ＣＰＵ、１３（３３）…メモリ、１４（３４）…バス、１５（３５）…入出力インターフェース、１６（３６）…入力部、１７（３７）…出力部、１８（３８）…記録部、１９（３９）…通信部、４０，５０，６０…情報処理部、４１…択生成部、４２…視聴者画面提示部、４３…配信者画面提示部、４４…投票受付部、４５…投票集計部、４６…択決定部、４７…ゲーム進行部、５１…配信者画面表示部、５３，６３…操作受付部、５５，６５…ゲーム動作部、６１…視聴者画面表示部、１００…情報処理システム

【要約】

【課題】視聴者の投票によって配信者がプレイするゲームの進行に影響を与えることが可能な情報処理技術を提供すること。
【解決手段】配信者がプレイするゲームを実行するコンピュータを、ゲームを視聴する一又は複数の視聴者が操作する一又は複数の視聴者端末３で表示する複数の択であって、ゲームの進行に影響を与えるための複数の択を生成する択生成部４１と、一又は複数の視聴者端末３から受け付けた複数の択に対する投票をゲームのプレイ中に集計する投票集計部４５と、集計された投票の結果に基づいて、複数の択から特定の択を決定する択決定部４６と、決定された特定の択に基づいて、ゲームを進行させるゲーム進行部４７と、として機能させる情報処理プログラム。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】