(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231221BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G07G1/12 321Z
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
G07G1/12 321K
(21)【出願番号】P 2023015480
(22)【出願日】2023-02-03
(62)【分割の表示】P 2018163158の分割
【原出願日】2018-08-31
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】岡田 悠里
(72)【発明者】
【氏名】河村 理華
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-272121(JP,A)
【文献】特開2016-115202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入条件が定められている特定商品を含む商品を登録する登録手段と、
前記購入条件を満たしていることをキー入力により入力する入力手段と、
前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力された場合に、前記特定商品の販売を許可する許可手段と
、
を備え、
前記入力手段は、商品の登録が可能となった後、前記登録手段によって前記特定商品が登録される前に、前記購入条件を満たしていることを入力可能であ
り、
前記登録手段は、前記入力手段において前記購入条件を満たしていることが入力された後においても、商品の登録が可能であることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
購入条件が定められている特定商品を販売可能であり、前記購入条件を満たしていることをキー入力により入力する入力手段を備えた商品販売データ処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記特定商品を含む商品を登録する登録手段と、
前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力された場合に、前記特定商品の販売を許可する許可手段と
、
して機能させ、
前記入力手段は、商品の登録が可能となった後、前記登録手段によって前記特定商品が登録される前に、前記購入条件を満たしていることを入力可能であ
り、
前記登録手段は、前記入力手段において前記購入条件を満たしていることが入力された後においても、商品の登録が可能であることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
酒やタバコなど、購入条件が定められている商品がある。こうした酒やタバコを未成年者に販売しないようにするため、レジでは年齢確認ボタンを設け、客に押下させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
年齢確認ボタンは、購入条件を満たしていることを入力するためのボタンであるが、明らかに購入条件を満たす客に対して店員は年齢確認ボタンの押下を促す必要があり、また客は年齢確認ボタンを押下しなければならないなど、年齢確認ボタンの押下に手間取ることも多いため、商品販売データ処理装置の生産性が低下するという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、商品販売データ処理装置の生産性を向上可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理装置は、購入条件が定められている特定商品を含む商品を登録可能な登録手段と、前記購入条件を満たしていることを入力可能な入力手段と、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力された場合に、前記特定商品の販売を許可する許可手段と、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力されていない場合に、前記特定商品の販売を禁止する禁止手段と、を備え、前記入力手段は、前記登録手段によって前記特定商品が登録される前に、前記購入条件を満たしていることを入力可能であることを特徴とする。
【0007】
上記によれば、商品販売データ処理装置の生産性を向上可能となる。
【0008】
上記商品販売データ処理装置において、前記入力手段は、店員によって前記購入条件を満たしていることを入力可能としてもよい。
【0009】
上記によれば、客に入力を促す必要がないため、客に入力を促す場合と比較して、商品販売データ処理装置の生産性を向上可能となる。
【0010】
上記商品販売データ処理装置において、前記入力手段は、客によって前記購入条件を満たしていることを入力可能としてもよい。
【0011】
上記によれば、客により予め入力させることができるため、客により予め入力させることができない場合と比較して商品販売データ処理装置の生産性を向上可能となる。
【0012】
上記商品販売データ処理装置において、前記購入条件を満たしている場合に、前記入力手段への入力を促す促進表示を表示する促進表示手段を備え、前記促進表示手段は、前記登録手段によって前記特定商品が登録されたときと、前記登録手段によって前記特定商品が登録されていないときとで、前記促進表示の態様を異ならせて表示してもよい。
【0013】
上記によれば、態様を異ならせることで客が気づきやすくなるため、客に分かりやすく入力を促すことができ、また客の入力忘れを防止することができる。
【0014】
上記商品販売データ処理装置において、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力されると、客の属性に応じた情報を表示する情報表示手段を備えてもよい。
【0015】
上記によれば、客の属性に応じた情報を表示することができるので、ターゲットを絞った情報を表示できることから、情報の販促効果を高めることができる。
【0016】
上記商品販売データ処理装置において、前記属性は客の年齢であり、前記情報表示手段は、客の年齢に応じた情報を表示してもよい。
【0017】
上記によれば、客の年齢に応じた情報を提供することができる。
【0018】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理システムは、購入条件が定められている特定商品を含む商品を登録可能な登録手段と、前記購入条件を満たしていることを入力可能な入力手段と、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力された場合に、前記特定商品の販売を許可する許可手段と、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力されていない場合に、前記特定商品の販売を禁止する禁止手段と、を備え、前記入力手段は、前記登録手段によって前記特定商品が登録される前に、前記購入条件を満たしていることを入力可能であることを特徴とする。
【0019】
上記によれば、商品販売データ処理システムの生産性を向上可能となる。
【0020】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理方法は、購入条件が定められている特定商品を含む商品を登録可能な登録手段と、前記購入条件を満たしていることを入力可能な入力手段と、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力された場合に、前記特定商品の販売を許可する許可手段と、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力されていない場合に、前記特定商品の販売を禁止する禁止手段と、を備え、前記入力手段は、前記登録手段によって前記特定商品が登録される前に、前記購入条件を満たしていることを入力可能であることを特徴とする。
【0021】
上記によれば、商品販売データ処理システムの生産性を向上可能となる。
【0022】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、購入条件が定められている特定商品を販売可能であり、前記購入条件を満たしていることを入力可能な入力手段を備えた商品販売データ処理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記特定商品を含む商品を登録可能な登録手段と、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力された場合に、前記特定商品の販売を許可する許可手段と、前記入力手段に前記購入条件を満たしていることが入力されていない場合に、前記特定商品の販売を禁止する禁止手段と、して機能させ、前記入力手段は、前記登録手段によって前記特定商品が登録される前に、前記購入条件を満たしていることを入力可能であることを特徴とするプログラムである。
【0023】
上記によれば、商品販売データ処理装置の生産性を向上可能となる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、商品販売データ処理装置の生産性を向上可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】POS端末の動作モードの概略を説明する図である。
【
図5】POS端末の動作モードの概略を説明する図である。
【
図6】POS端末の動作モードの概略を説明する図である。
【
図9】商品の登録が可能となってから小計画面を表示するまでの処理を示すフローチャートである。
【
図10】商品の登録が可能となってから小計画面を表示するまでの処理を示すフローチャートである。
【
図11】商品の登録が可能となってから小計画面を表示するまでの処理を示すフローチャートである。
【
図12】フルセルフモードでの画面の遷移例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係るPOS(Point Of Sales)端末20の設置例を示す図である。POS端末20は、商品販売データ処理装置の一例である。
図1(A)は、POS端末20等を客側から見た斜視図である。
図1(B)は、POS端末20等を店員側から見た斜視図である。
図1(A)に示すように客側から見てPOS端末20の右側にカウンタが置かれている。
【0027】
図2は、POS端末20の外観例を示す図である。
図2(A)は、POS端末20を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、POS端末20を店員側から見た斜視図である。
図3は、POS端末20の構成例を示す図である。
図2及び
図3において、同一部分には同一符号を付している。
【0028】
以下、
図2を参照しつつ、
図3に示したPOS端末20の構成例を説明する。POS端末20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、客側撮像部216と、客側人感センサ217と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215、店員側撮像部218と、店員側人感センサ219とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0029】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0030】
RAM203は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ30から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報(例えば、登録処理において生成した登録情報、精算処理において生成した精算情報等)を記憶する。
【0031】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0032】
客側表示部205は、客用として設けられたタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。客側表示部205は、第2表示手段の一例である。客側スキャナ部206は、客用として設けられたスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等の識別情報)等に光(レーザ光)を照射して光学的に読み取る。
【0033】
なお、客側スキャナ部206は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部205に、商品の注文ボタン等が表示されている場合、客は、注文ボタンを操作(押下)し、商品を登録することができる。客側撮像部216は、釣銭機209を含む客側方向を撮像する。客側人感センサ217は、人(主に客)の接近を検知する。
【0034】
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等)による決済機構である。本実施形態のカード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。
【0035】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。なお、当該釣銭機209は、客側に向けられており、客が操作するものである。このように、POS端末20は、顧客側に金銭を入出金するための入出金部を備える。
【0036】
店員側表示部210は、店員用として設けられたタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210は、第1表示手段の一例である。
キー操作部211は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部212は、店員用として設けられたスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等の識別情報)や店員の名札に付された店員コード等に光(レーザ光)を照射して光学的に読み取る。
【0037】
なお、店員側スキャナ部212は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録することができる。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録することができる。店員側撮像部218は、店員側方向を撮像する。店員側人感センサ219は、人(主に店員)の接近を検知する。
【0038】
印刷部213は、媒体を排出する印刷部であり、例えば、レシート等の種々の媒体を印刷、発行する。印刷部213は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更可能な1台の印刷部である。印刷部の向きは、手動で変更してもよいし、例えば動作モード(詳細は後述)の移行に応じて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。なお、印刷部の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。このように、印刷部213は、印刷物の排出先を店員側と顧客側のいずれか一方に切り替え可能である。
【0039】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部215は、他端末(他のPOS端末20)との間において情報を送受信する。
【0040】
(各動作モードの概要)
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。POS端末20は、複数の動作モードを有する。例えば、POS端末20は、通常モード、フルセルフモード、セミセルフモードを有する。なお、以下の説明する動作モードは、通常業務中の動作モード(商品登録処理や会計処理に係る動作モード)であり、売上や在高等を集計、照会等する集計モード、店員や保守員等が設定作業や保守作業を行う際のメンテナンスモード、新人がトレーニングを行う際のトレーニングモード等は含まない。
【0041】
図4~
図6は、POS端末20の動作モードの概略を説明する図である。
図4は、通常モードの概略を説明する図である。
図4(A)は通常モードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(店員、客)の動作を表した模式図であり、
図4(B)は通常モードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
図5は、フルセルフモードの概略を説明する図である。
図5(A)はフルセルフモードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、
図5(B)はフルセルフモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
図6は、セミセルフモードの概略を説明する図である。
図6(A)はセミセルフモードにおける処理(商品登録処理、会計処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、
図6(B)及び
図6(C)はセミセルフモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
【0042】
なお、以下の説明において、上述の動作モード(通常モード、フルセルフモード、セミセルフモード)の分類とは別の切り口として、POS端末20が、商品登録処理を実行するモードを登録モード、精算処理を実行するモードを会計モードと称する場合がある。
【0043】
(通常モード)
通常モードは、
図4(A)に示すように、店員側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、
図4(B)に示すように、通常モードの場合、店員側が登録モードになり、客側が会計モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理~精算処理の全体を通して見た場合、登録会計モードとして動作する。
【0044】
通常モードの場合、店員は、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(
図4(A)の上段)。
【0045】
店員による登録処理が完了した場合、客は、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(
図4(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(
図4(A)の下段)。
【0046】
つまり、通常モードでは、
図4(B)に示すように、初めは店員側において、例えば店員側スキャナ部212により商品がスキャン等され(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後は(ステップS30:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。なお、ステップS30に小計キーは、登録処理を完了させるための操作キーであり、小計ボタン、登録完了キー、登録完了ボタン、お会計キー、お会計ボタンなどと称する場合もある。
【0047】
なお、客は、店員による登録処理が完了する迄(合計金額が確定する迄)、待機していてもよいが、登録処理が完了する前に釣銭機209に貨幣を投入してもよい。つまり、POS端末20は、登録処理中において入金を受付可能である(
図4(A)の上段)。
【0048】
また、店員は、客による精算が完了する迄(客がお釣りやレシートが取る迄)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である(
図4(A)の下段)。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい(
図4(A)の下段)。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
【0049】
また、POS端末20は、お釣りがある場合には、お釣りの取り忘れを防止するため、釣銭機209による釣銭・釣札の払出しを制御し、客が釣銭・釣札を取り除いたことをセンサ等で認識した上で、印刷部213によるレシートの発行を制御する。他の動作モードにおいても同様である。なお、上述したように、通常モードでは、お釣りを受け取る客の前に店員がいる場合といない場合とがあるが、店員がいる場合は、必ずしも上述した制御を行わなくてもよい(即ち、釣銭・釣札の払出とレシートの発行とを同時に行ってもよいし、先にレシートを発行してもよい)。また、現在の動作モードや店員の存在/不在(例えば、店員の存在/不在はセンサにより認識)に応じて、釣銭・釣札の払出しとレシートの発行のタイミング等を制御してもよい。
【0050】
(フルセルフモード)
フルセルフモードは、
図5(A)に示すように、客側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、
図5(B)に示すように、フルセルフモードの場合、客側が登録モードにも会計モードにもなる。つまり、POS端末20は、登録処理~精算処理の全体を通して見た場合、登録会計モードとして動作する。
【0051】
フルセルフモードの場合、客は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する。つまり、POS端末20は、客の操作等(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する(
図5(A)の上段)。
【0052】
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(
図5(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(
図5(A)の下段)。
【0053】
つまり、フルセルフモードでは、
図5(B)に示すように、客側において、例えば客側スキャナ部206により商品がスキャン等され(ステップS20:YES)、商品を登録する(ステップS21)。登録完了キー(例えば、客側表示部205に表示された登録完了キー等)の押下後は(ステップS40:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。なお、ステップS40に係る登録完了キーは、登録処理を完了させるための操作キーであり、登録完了ボタン、小計キー、小計ボタン、お会計キー、お会計ボタンなどと称する場合もある。
【0054】
なお、フルセルフモードは、上述したように、客側にて登録処理も精算処理も実行するが、店員側は何もできないという訳ではない。つまり、POS端末20は、フルセルフモードで動作しているときであっても、例えば、店員側スキャナ部212にて店員コードのスキャンが可能である。なお、店員側及び客側の両側にて登録処理を実行している状態(動作モード)を、ダブルスキャンモードと称する場合もある。
【0055】
他の動作モードからダブルスキャンモードへの移行条件を設定可能としてもよい。この移行条件として、例えば、店員コード入力やパスワード入力等が挙げられる。移行条件を設定しておくことで、店員側からの誤操作を防止可能となる。さらに、ダブルスキャンモードの実行の可否を設定可能してもよい。この場合、ダブルスキャンモードの実行しないように設定されている場合には、ダブルスキャンモードでの運用は一切許可されない。上記移行条件や、ダブルスキャンモードの実行の可否を、初期設定として設定可能としてもよい。
【0056】
(セミセルフモード)
セミセルフモードは、店員側にて登録処理を実行する登録専用モードと、客側にて精算処理を実行する会計専用モードとに区別される。
図6の例は、POS端末20-1が登録専用モードで動作し、POS端末20-2が会計専用モードで動作している例である。
【0057】
セミセルフモードの場合、店員は、登録専用モードのPOS端末20-1において、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20-1は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(
図6(A)の上段)。
【0058】
店員による登録処理が完了した場合、客は、会計専用モードのPOS端末20-2に移動し、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(
図6(A)の下段)。つまり、POS端末20-2は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(
図6(A)の下段)。
【0059】
登録専用モードのPOS端末20(
図6の例ではPOS端末20-1)において登録処理が完了した場合、客は、登録専用モードのPOS端末20から会計専用モードのPOS端末20(
図6の例ではPOS端末20-2)に移動するが、移動先のPOS端末20には、精算処理に必要な情報(登録情報等)が供給される。
【0060】
登録専用モードのPOS端末20(
図6の例ではPOS端末20-1)から会計専用モードのPOS端末20(
図6の例ではPOS端末20-2)への精算処理に必要な情報の供給方法としては、登録専用モードのPOS端末20から会計専用モードのPOS端末20に精算処理に必要な情報を送信(ストアコントローラ30を介して送信してもよい。以下同様)する方法や、登録専用モードのPOS端末20において媒体(精算処理に必要な情報を取得するためのバーコード等が印刷された媒体)を発行する方法がある。
【0061】
なお、
図6の例では、会計専用モードのPOS端末20は1台(POS端末20-2)しか存在していないが、会計専用モードのPOS端末20が2台以上存在している場合には、登録専用モードのPOS端末20(
図6の例ではPOS端末20-1)において、精算処理を実行させるPOS端末(会計専用モードのPOS端末20)を指定してもよい。なお、登録専用モードのPOS端末20において、媒体(精算処理に必要な情報を取得するためのバーコード等が印刷された媒体)を発行した場合には、当該媒体を読み取った会計専用モードのPOS端末20において精算処理が実行される。
【0062】
つまり、セミセルフモードでは、はじめは、登録専用モードのPOS端末20(POS端末20-1)の店員側において商品を登録する。例えば、
図6(B)に示すように、店員側スキャナ部212のスキャン等により(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後に(ステップS30:YES)、例えば会計専用モードのPOS端末20(POS端末20-2)が指定されると(ステップS31:YES)、指定されたPOS端末20に登録情報が送信され(ステップS32)、処理が完了する。
【0063】
なお、
図6(B)の例では、商品登録の終了時にはまずは小計キーを押下し、続いて(小計キーの押下後に)、POS端末20を指定するといった処理手順であるが、商品登録の終了時に、直接(小計キーを押下せずに)、POS端末20を指定するといった処理手順であってもよい。後者の場合、画面上に小計キーを表示しなくてもよい。
【0064】
続いて、
図6(C)に示すように、登録専用モードのPOS端末20(POS端末20-1)によって指定されたPOS端末20(POS端末20-2)は、登録情報の受信後(ステップS49:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
【0065】
なお、店員は、登録情報を送信した後(若しくは媒体を発行した後)は、次の客の買上商品を登録可能である(
図6(A)の下段)。また、店員は、登録情報を送信した後は、不在であってもよい(
図6(A)の下段)。
【0066】
なお、
図6の例では、会計専用モードのPOS端末20-2は、登録専用モードのPOS端末20-1において登録された商品の登録情報を用いて精算処理を実行している。つまり、会計専用モードのPOS端末20-2が精算処理に用いる登録情報は、POS端末20-1が登録専用モードとして動作しているときに登録した商品の登録情報である。しかしながら、会計専用モードのPOS端末20-2に登録情報を送信可能であれば(若しくはお会計券を発行可能であれば)、会計専用モードのPOS端末20-2が精算処理に用いる登録情報は、必ずしも、POS端末20-1が登録専用モードとして動作しているときに登録した商品の登録情報でなくてもよい。
【0067】
一例として、会計専用モードのPOS端末20-2が精算処理に用いる登録情報は、POS端末20-1が通常モードとして動作しているときに登録した商品の登録情報であってもよい。つまり、会計専用モードのPOS端末20-2は、POS端末20-1が通常モードとして動作しているときに登録した商品の登録情報を用いて精算処置を実行してもよい。
【0068】
なお、POS端末20-1の店員側において登録処理を終了したとき(登録情報を送信しようとするときやお会計券を発行しようとするとき)に、客側において精算の操作(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)が既に開始されていた場合には、登録情報の送信若しくはお会計券の発行を禁止してもよいし、精算の操作をキャンセルしてもよい。
【0069】
また、
図6の例では、POS端末20-2は、会計専用モードとして動作しているときに、登録情報を受信し(若しくはお会計券を読み取り)、精算処理を実行している。しかしながら、登録情報を受信した後(若しくはお会計券を読み取った後)に精算処理が実行可能であれば、POS端末20-2が登録情報を受信する(若しくはお会計券を読み取る)ときの動作モードは、必ずしも、会計専用モードでなくてもよい。
【0070】
一例として、POS端末20-2は、フルセルフモードで動作しているときに、POS端末20-1から登録情報を受信し、他端末から受信した登録情報を用いて精算処理を実行してもよい。なお、POS端末20-2は、他端末から受信した登録情報を用いて精算処理を実行する前にフルセルフモードから会計専用モードに移行する(会計専用モードの精算処置として他端末から受信した登録情報を処理する)。なお、POS端末20-2は、他端末から受信した登録情報を用いて精算処理を実行する前にフルセルフモードから会計専用モードに移行してもしなくてもよい(フルセルフモードの精算処置として他端末から受信した登録情報を処理してもよい)。
【0071】
(動作モードの移行)
POS端末20は、店員による明示的なモード移行操作(例えば、画面上の入力、選択操作等)、店員による明示的なモード移行操作以外の他の操作(例えば、店員コードの読取等)に従って動作モードが移行する。また、POS端末20は、店員の操作に拠らない所定条件(経過時間や所定時刻(スケジュール)等の時間に関する条件、他端末等との間における情報の送受信に関する条件等)に基づいて動作モードが移行する。
【0072】
次に、購入条件が定められている特定商品の販売について説明する。購入条件が定められている特定商品として、酒やタバコなどの年齢制限商品が挙げられる。この場合の購入条件は、客が成人であることである。年齢制限商品の他に、一部の化学薬品も特定商品に該当する。この場合の購入条件は、書類の提出や身分証の提示等である。こうした特定商品は、購入条件を満たしていることが入力された場合に販売が許可される。一方、購入条件を満たしていないことが入力された場合に販売が禁止される。以下の説明では、特定商品として年齢制限商品を例にして説明する。
【0073】
本実施形態では、通常モード及びセミセルフモードにおいて、客が成人であることを満たしていることを入力するための年齢確認ボタンとして、店員が押下可能なボタン(以下、「店側年確ボタン」という)と、客が押下可能なボタン(以下、「客側年確ボタン」という)とが設けられている。店側年確ボタンは、店員側表示部210に表示される。客側年確ボタンは、客側表示部205に表示される。このように、本実施形態では、店員の判断によって、客が購入条件を満たすことを入力することができる。この場合、客が客側年確ボタンを押下せずとも年齢制限商品の販売が許可される。店側年確ボタン及び客側年確ボタンを特に区別しない場合には、単に年確ボタンと表現する。
【0074】
客側年確ボタンについて、従来技術では、年齢制限商品の登録後から押下可能であったが、本実施形態では、商品の登録中であれば年齢制限商品が登録される前であっても押下することができる。従って、年確ボタンは、商品の登録が可能となったとき(例えば、店員がPOS端末20にログインしたとき、または前の客の精算が終了したとき)から、店員及び客が押下することができる。
【0075】
さらに、本実施形態では、店員が店側年確ボタンを押下した後に、再び店側年確ボタンを押下した場合には、店側年確ボタンを押下したことが取り消される。すなわち、店員は購入条件を満たすと判断し、店側年確ボタンを押下した後に、やはり客に客側年確ボタンを押下させた方がいいと判断した場合には、店側年確ボタンを押下したことを取り消すことができる。
【0076】
例えば、店員が店側年確ボタンを押下した後にタバコが登録された場合には、その時点では客側表示部205に後述する年齢確認画面は表示されないが、その後店員が再び店側年確ボタンを押下し、酒がスキャンされた場合、客側表示部205に年齢確認画面が表示される。一度でも客が客側年確ボタンを押下すると、その後に年齢確認画面が表示されることはない。
【0077】
店側年確ボタン及び客側年確ボタンの表示例について説明する。
図7(A)は、年確ボタンの押下前の態様を示す図である。
図7(A)には、店側年確ボタン301が示されている。店側年確ボタン301は、客側表示部205に客側年確ボタンを表示していることを示す「年確表示」が表示される。店員は、店側年確ボタン301をいつでも押下することができる。なお、
図7(A)では、一例として商品が全く登録されていない画面が表示されているが、商品が登録されていてもよく、その場合でも年確ボタンの押下前であれば、店側年確ボタン301の態様は同じである。
【0078】
図7(B)は、店側年確ボタン301の押下後の態様を示す図である。
図7(B)には、店側年確ボタン301が示されている。店側年確ボタン301は、客側表示部205に客側年確ボタンを表示していないことを示す「非年確表示」が表示される。さらに、店側年確ボタン301の押下時には、登録商品表示欄302に「年齢確認ボタン非表示」と一定時間表示される。
【0079】
なお、
図7(B)に示される店側年確ボタン301は、店側年確ボタン301の押下後の態様であって、客側年確ボタンの押下後の態様ではないことに注意されたい。客側年確ボタンの押下後の店側年確ボタン301の態様は、
図7(B)の態様とは異なり、グレーアウトされ、押下不能となる。これは、客が購入条件を満たしていると既に認めているため、店員の操作が不要となるためである。
【0080】
図7(C)は、店側年確ボタン301非押下かつ客側年確ボタン非押下で年齢制限商品スキャン時の態様を示す図である。
図7(C)には、店側年確ボタン301とポップアップ画面303が示されている。年確ボタンが押下されることなく、年齢制限商品がスキャンされた場合には、ポップアップ画面303が表示される。ポップアップ画面303には、「年齢確認が必要です」というメッセージと、「20歳以上」ボタンと、「商品取消」ボタンとが表示される。「20歳以上」ボタンは、店員が、客が購入条件を満たしていると判断した場合に店員が押下するためのボタンであり、店側年確ボタンでもある。「商品取消」ボタンは、当該商品の登録を取り消すために店員が押下するボタンである。
【0081】
このポップアップ画面303が表示されているときは、客側表示部205に年齢確認画面が表示される。ポップアップ画面303は、「20歳以上」ボタン、「商品取消」ボタン、及び年齢確認画面に表示された客側年確ボタンのいずれか1つが押下された場合に消去される。なお、
図7(C)では、一例として商品が6点登録されている画面が表示されているが、商品が登録されていなくてもよく(例えば登録する最初の商品が年齢制限商品の場合)、その場合でもポップアップ画面303の態様は同じである。
【0082】
図7で説明したように、本実施形態では、店員によって購入条件を満たしていることを入力可能となっている。次に、客側年確ボタンの表示例について説明する。
図8(A)は、年確ボタンの押下前の態様を示す図である。
図8(A)には、客側年確ボタン305、広告欄306、登録欄307、合計欄308、及び利用可能カード欄309が示されている。広告欄306には、広告が表示される。登録欄307には、現時点で最も遅く登録された商品の商品名、点数、合計金額が表示される。合計欄308には、現時点までに登録された商品の点数、合計金額が表示される。利用可能カード欄309には、POS端末20で利用可能なクレジットカードやプリペイドカード等が表示される。
【0083】
客は、客側年確ボタン305をいつでも押下することができる。なお、
図8(A)では、一例として商品が6点登録されている画面が表示されているが、商品が登録されていなくてもよく、その場合でも客側年確ボタン305の態様は同じである。
【0084】
図8(B)は、年確ボタンの押下後の態様を示す図である。すなわち、店員によって店側年確ボタン301または客によって客側年確ボタン305が押下された場合の態様を示す図である。押下前と異なる点は、客側年確ボタン305が消去され、客側年確ボタン305の領域に、利用可能電子マネー欄310が表示される点である。利用可能電子マネー欄310には、POS端末20で利用可能な電子マネーが表示される。このように、客が利用可能な電子マネーを表示することで、画面を有効に利用することができる。
【0085】
図8(B)の例では、利用可能電子マネー欄310が表示されたが、これに代えて、年確ボタンが押下されると、客の属性に応じた情報を表示してもよい。例えば、属性は客の年齢であり、客の年齢に応じた情報を表示してもよい。客の年齢に応じた情報として、例えば酒やタバコの広告が挙げられる。この場合は、20歳以上という客の年齢に応じて、酒やタバコの広告を表示する。このように、本実施形態では、適切に年齢制限商品の広告を表示することが可能である。さらに、客側年確ボタン305が表示されていた領域に利用可能電子マネー欄310が表示されるが、これに限らず、例えば客側年確ボタン305が表示されていた領域を含む大きい領域や、広告欄306と利用可能カード欄309と利用可能電子マネー欄310とを1つの領域とし、その領域に情報を表示してもよい。また、年確ボタンが押下され、かつ所定の時間帯の場合には、酒を飲む映像広告などを表示してもよい。
【0086】
図8(C)は、店側年確ボタン301非押下かつ客側年確ボタン305非押下で年齢制限商品スキャン時の態様を示す図である。
図8(C)に示される画面が年齢確認画面である。年齢確認画面には、「20歳以上ですか?」というメッセージと、客側年確ボタン311と、登録欄307と、合計欄308とが表示される。客は、購入条件を満たしている場合には、客側年確ボタン305を押下し、購入条件を満たしていない場合には、店員に伝える。購入条件を満たしていないことが伝えられた店員は、
図7(C)で示したポップアップ画面303において、「商品取消」ボタンを押下することで、年齢制限商品の販売を禁止する。
【0087】
図8で説明したように、本実施形態では、客によって購入条件を満たしていることを入力可能としている。また、
図8(A)に示されるように、客側年確ボタン305に「20歳以上です」と表示することで、客が購入条件を満たしている場合に、客側年確ボタン305への押下を促す促進表示を行っている。
図8(C)に示される画面も同様に、「20歳以上ですか?」と表示することで、客が購入条件を満たしている場合に、客側年確ボタン305への押下を促す促進表示を行っている。また、
図8(A)に示される画面は、年齢制限商品が登録されていないときの表示態様であり、
図8(C)に示される画面は、年齢制限商品が登録されたときの表示態様であり、それぞれ態様が異なっている。
【0088】
客は年齢制限商品が登録される前に、購入条件を満たしていることを入力可能とすることで、予め客側年確ボタンを押下できることから、POS端末20の生産性を向上させることができる。さらに、従来では明らかに購入条件を満たしている客に客側年確ボタンの押下を促すため、客が不快に感じることもあり、この場合は顧客満足度を低下させ、客の来店動機を損ねる恐れがあったが、本実施形態では店員が店側年確ボタンを押下可能なため、客を不快に感じさせず、また来店動機を損ねることもない。
【0089】
以上説明した年確ボタンに関する処理についてフローチャートを用いて説明する。
図9、
図10は、商品の登録が可能となってから小計画面を表示するまでの処理を示すフローチャートである。
【0090】
図9において、POS端末20は、店フラグ、客フラグ、及び非客フラグに0をセットする(ステップS101)。店フラグとは、店側年確ボタンが押下された場合に1を示し、押下されていない場合に0を示すフラグである。客フラグは、客側年確ボタンが押下された場合に1を示し、押下されていない場合に0を示すフラグである。従って、ステップS101では、いずれの年確ボタンも押下されていない状態に店フラグ及び客フラグを初期化する。また非客フラグとは、客側年確ボタンが押下されていないが、店側年確ボタンが押下されている状態で、年齢制限商品が登録された場合に1を示し、そうでない場合には0を示すフラグである。よって、非客フラグは、店員の判断のみによって登録された年齢制限商品があるか否かを示すフラグである。
【0091】
POS端末20は、商品に付されたバーコードがスキャンされたか否かを判定する(ステップS102)。バーコードがスキャンされていない場合には(ステップS102:NO)、POS端末20は、客フラグが1か否かを判定する(ステップS107)。客フラグが1の場合には(ステップS107:YES)、ステップS102に戻る。一方、客フラグが0の場合には(ステップS107:NO)、POS端末20は、店側年確ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS108)。
【0092】
店側年確ボタンが押下された場合には(ステップS108:YES)、POS端末20は、店フラグと1の排他的論理和を店フラグに改めてセットする(ステップS109)。
図9に示される二項演算「^」は排他的論理和演算を示す。POS端末20は、店フラグに応じて店側年確ボタンを更新する(ステップS110)。具体的に、POS端末20は、店フラグが0の場合には、「年確表示」と表示された店側年確ボタンを表示し、店フラグが1の場合には、「年確非表示」と表示された店側年確ボタンを表示する。次いで、POS端末20は、客側年確ボタンを消去し(ステップS114)、ステップS102に戻る。これにより、客側表示部205に利用可能電子マネー欄310が表示される。
【0093】
ステップS108において、店側年確ボタンが押下されていない場合には(ステップS108:NO)、POS端末20は、客側年確ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS111)。客側年確ボタンが押下されていない場合には(ステップS111:NO)、
図11のステップS301に進む。客側年確ボタンが押下された場合には(ステップS111:YES)、POS端末20は、客フラグに1をセットし(ステップS112)、店側年確ボタンをグレーアウトし(ステップS113)、客側年確ボタンを消去し(ステップS114)、ステップS102に戻る。これにより、客側表示部205に利用可能電子マネー欄310が表示される。
【0094】
ステップS102において、バーコードがスキャンされた場合には(ステップS102:YES)、POS端末20は、バーコードがスキャンされた商品が年齢制限商品か否かを判定する(ステップS103)。バーコードによりスキャンされた商品は仮登録され、後述するステップS210で本登録される。バーコードがスキャンされた商品が年齢制限商品ではない場合には(ステップS103:NO)、
図10のステップS210に進む。バーコードがスキャンされた商品が年齢制限商品の場合には(ステップS103:YES)、POS端末20は、客フラグが1か否かを判定する(ステップS104)。客フラグが1の場合には(ステップS104:YES)、
図10のステップS210に進む。
【0095】
客フラグが0の場合には(ステップS104:NO)、POS端末20は、店フラグが1か否かを判定する(ステップS105)。店フラグが0の場合には(ステップS105:NO)、
図10のステップS201に進む。店フラグが1の場合には(ステップS104:YES)、POS端末20は、POS端末20は、非客フラグに1をセットし(ステップS106)、
図10のステップS210に進む。
【0096】
図10のステップS201において、POS端末20は、客側表示部205に年齢確認画面を表示し(ステップS201)、店員側表示部210にポップアップ画面303を表示する(ステップS202)。POS端末20は、店側年確ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS203)。店側年確ボタンが押下された場合には(ステップS203:YES)、POS端末20は、店フラグに1をセットし(ステップS204)、非客フラグに1をセットし(ステップS205)、POS端末20は、店フラグに応じて店側年確ボタンを更新する(ステップS206)。
【0097】
POS端末20は、年齢確認画面を消去し(ステップS207)、客側年確ボタンを消去する(ステップS208)。これにより、
図8(B)に示した画面が表示される。POS端末20は、店員側表示部210に表示されたポップアップ画面を消去する(ステップS209)。POS端末20は、バーコードがスキャンされた商品を登録し(ステップS210)、
図11のステップS301に進む。
【0098】
ステップS203において、店側年確ボタンが押下されていない場合には(ステップS203:NO)、POS端末20は、客側年確ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS211)。客側年確ボタンが押下された場合には(ステップS211:YES)、POS端末20は、客フラグに1をセットし(ステップS212)、店側年確ボタンをグレーアウトし(ステップS213)、ステップS207に進む。
【0099】
ステップS211において、客側年確ボタンが押下されていない場合には(ステップS211:NO)、POS端末20は、「商品取消」ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS214)。「商品取消」ボタンが押下されていない場合には(ステップS214:NO)、ステップS203に戻る。「商品取消」ボタンが押下された場合には(ステップS214:YES)、POS端末20は、年齢確認画面を消去し(ステップS215)、客側年確ボタンを消去し(ステップS216)、ポップアップ画面を消去し(ステップS217)、
図11のステップS301に進む。
【0100】
図11のステップS301において、POS端末20は、小計ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS301)。小計ボタンが押下されていない場合には(ステップS301:NO)、ステップS102に進む。小計ボタンが押下された場合には(ステップS301:YES)、POS端末20は、非客フラグが1で、かつ店フラグが0で、かつ客フラグが0か否かを判定する(ステップS302)。このステップでは、店員の判断のみによって登録された年齢制限商品があり、かつ、その年齢制限商品登録後に店員が再び店側年確ボタンを押下し、かつ客は客側年確ボタンを押下していないか否かを判定している。
【0101】
非客フラグが0、または店フラグが1、または客フラグが1の場合(ステップS302:NO)、POS端末20は、小計画面を表示して(ステップS306)、処理を終了する。一方、非客フラグが1で、かつ店フラグが0で、かつ客フラグが0の場合(ステップS302:YES)、POS端末20は、年齢確認画面を表示し(ステップS303)、ポップアップ画面を表示し(ステップS304)、客側年確ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS305)。客側年確ボタンが押下された場合(ステップS305:YES)、POS端末20は、小計画面を表示して(ステップS306)、処理を終了する。このように、年確ボタンによって購入条件を満たしていることが入力されていない場合には、小計画面が表示されないため、年齢制限商品の販売が禁止される。
【0102】
客側年確ボタンが押下されていない場合(ステップS305:NO)、POS端末20は、「商品取消」ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS307)。「商品取消」ボタンが押下されていない場合には(ステップS214:NO)、ステップS305に戻る。「商品取消」ボタンが押下された場合には(ステップS307:YES)、POS端末20は、登録データを破棄し(ステップS308)、未登録画面を表示して(ステップS309)、処理を終了する。
【0103】
以上説明した処理により、客が購入条件を満たしていると店員が判断し、店員が年齢制限商品の登録前に店側年確ボタンを押下し、かつ小計ボタン押下時に店側年確ボタンが「年確非表示」となっている場合には、客に客側年確ボタンを押下させることなく年齢制限商品の販売を許可することができる。これにより、明らかに購入条件を満たしている客に客側年確ボタンを押下させなくてもよいため、客を不快に感じさせず、また来店動機を損ねることもない。
【0104】
また、店員は購入条件を満たすと判断し、店側年確ボタンを押下した後に、やはり客に客側年確ボタンを押下させた方がいいと判断した場合には、店側年確ボタンを押下したことを取り消すことができるので、店員の操作性を向上させることができる。
【0105】
さらに、客はいつでも客側年確ボタンを押下できるので、客の利便性を向上することができる。具体的に、例えば客が酒を購入した場合には、酒がスキャンされたときに客側年確ボタンを押下しなければならないことは客も知っていることから、予め客側年確ボタンを押下することで、年齢確認画面を表示させることなく商品を登録できることから、POS端末20の生産性を向上することができる。また、店員がいつ年齢制限商品をスキャンするのか客が注意して見ていない場合に年齢確認画面が表示されると、客は不意打ちとなって、客側年確ボタンを押すタイミングが遅れてしまう。特に買い上げ点数が多く、また年齢制限商品のスキャンが後の方になった場合、客側年確ボタンを押すタイミングが遅れることが多い。本実施形態によれば、そうした遅れを排除できることから、POS端末20の生産性を向上することができる。
【0106】
以上説明した実施形態では、通常モード及びセミセルフモードにおける適用例について説明したが、フルセルフモードでの適用例について説明する。以下に説明するフルセルフモードは、店員により店側年確ボタンが押下された場合にのみ年齢制限商品の販売が許可される形態で運用されているとする。
【0107】
図12は、フルセルフモードでの画面の遷移例を示す図である。
図12(A)は、年齢制限商品がスキャンされる前に客側表示部205に表示される登録画面の一例を示す図である。
図12(A)に示される登録画面には、登録された商品を表示する登録商品表示欄323や清算を行う場合に客が押下するお会計ボタン325に加え、客が20歳以上であることを宣言する宣言ボタン327が表示される。宣言ボタン327は、商品の登録の開始を宣言したとき(または前の客の精算が終了したときであってもよい)から押下することができる。従って、客は、購入する商品に年齢制限商品が含まれる場合に、年齢制限商品をスキャンする前に予め宣言ボタン327を押下することができる。
【0108】
図12(B)は、客が宣言ボタン327の押下した時の登録画面を示す図である。客が宣言ボタン327を押下すると、宣言ボタン327には店員による確認操作を待っている状態であることを示す「店員操作待ちです」というメッセージが表示される。この状態であっても、年齢制限商品以外の商品を登録可能である。
【0109】
図12(C)は、客が宣言ボタン327の押下した時に店員側表示部210に表示される確認画面を示す図である。確認画面には、「お客様は20歳以上ですか?」というメッセージと、「はい」ボタンと、「いいえ」ボタンとが表示される。店員が、店側年確ボタンに該当する「はい」ボタンを押下すると、年齢制限商品の販売が許可され、店員が「いいえ」ボタンを押下すると、年齢制限商品の販売が許可されない。
【0110】
図12(D)は、確認画面で店員により「はい」ボタンが押下された後の登録画面を示す図である。宣言ボタン327には、店員による確認操作が終了したことを示す「年齢確認済みです」というメッセージが表示される。これにより、年齢制限商品の販売が許可され、客は年齢制限商品の登録及び精算が可能となる。
【0111】
図12に示したように、本実施形態では、客は年齢制限商品を登録する前から宣言ボタン327を押下することができる。従来は、年齢制限商品をスキャンしたときや、お会計ボタン325のような精算に移行するためのボタンを押下したときに、店員による確認を行っていたが、フルセルフモードでの運用時に配置されている店員は少ないため、近くに店員がいなかったり、店員が他の客の対応をしていたりすることがあり、その間客は待たされることとなった。
【0112】
そこで、本実施形態のように、特定商品が登録される前に、購入条件を満たしていることを入力可能とすることで、上述した客の待ちを抑制することができるので、POS端末20の生産性を向上することができる。また、客が予め宣言ボタンを押下することで、店員が確認操作を行うことが可能な時間も増加するため、店員が効率よく作業を行うことが可能となることから、好適な店舗運営を行うことが可能となる。
【0113】
以上説明したように、本実施形態は、通常モードやフルセルフモードのような1台で登録と精算を行う装置や、セミセルフモードのような、登録装置と精算装置とで構成されるシステムにおいても適用することができる。また、上述したように、一部の化学薬品も購入条件が定められているため、年齢制限商品に限ることなく、特定商品であれば本実施形態を適用することができる。
【0114】
ここで、上述したセミセルフモードにおける指定方法について説明する。セミセルフモードでは、登録モードで動作するPOS端末から、会計モードで動作するPOS端末を指定する必要がある。以下の説明では、登録モードで動作するPOS端末を登録装置と表現し、会計モードで動作するPOS端末を会計装置と表現する。
【0115】
複数の会計装置のうちから会計処理を実行させる会計装置を指定する態様としては、会計処理を実行させる会計装置を、店員が登録装置にて指定する態様(第1の指定態様)と、客に手渡しされるお会計券を登録装置から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの会計装置に読み取らせる態様(第2の指定態様)とがあるが、会計装置を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下のように会計装置を指定する態様であってもよい。
【0116】
1つの態様として、商品登録の完了に応じて表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置が、例えば会計装置に状態の問合せを行って会計処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)会計装置を認識し、使用中でない会計装置のうちから所定の規則(例えば会計装置番号順)に従って、1つの会計装置を決定する。そして、登録装置は、決定した会計装置に会計情報を送信して会計処理の実行を指示する。
【0117】
もう1つの態様として、予め会計装置について会計処理の優先順位を設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、会計装置への会計情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置は、設定された優先順位に従った順で会計装置の会計処理が可能であるか否かを確認し、会計処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の会計装置について確認するようにする。そのうえで、登録装置は、最初に会計処理が可能であることが確認された会計装置に会計情報を送信して会計処理の実行を指示する。
【0118】
もう1つの態様として、登録装置は、全ての会計装置に会計情報を送信する。会計情報を受信した会計装置は、自己が受信した会計情報に含まれる会計情報を利用して会計処理を実行可能な状態となると、自己が会計処理を実行することを通知する会計処理実行通知を会計情報の送信元の登録装置に送信する。
【0119】
登録装置は、会計処理実行通知の受信に応じて、会計処理実行通知の送信先の会計装置を示す表示(会計処理実行表示)を行う。店員は、会計処理実行表示を見て、会計処理を実行する会計装置がいずれであるのかを客に伝えればよい。
【0120】
この際、会計処理実行表示とともに、会計処理実行通知を送信した会計装置のサインポールを所定のパターンで点灯させたり、会計装置から所定の報知音を出力させたりすることで、自己が会計処理を実行することを報知するようにしてよい。
【0121】
もう1つの態様として、登録装置にて商品登録を終えた商品が容れられた買い物カゴを、店員が、会計装置ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれかに買い物カゴを移動させる。
【0122】
カゴ置き場には、載置された買い物カゴを検出するセンサが備えられる。センサによりカゴ置き場買い物カゴが載置されたことが判定されると、対応の会計装置が要求を行って、登録装置から対応の会計情報を取得し、会計処理を実行するようにされる。この場合にも、会計処理を実行することとなった会計装置が、サインポールの点灯や報知音の出力などにより、自己が会計処理を実行することを報知するようにしてよい。
【0123】
もう1つの態様として、登録装置は、会計情報と、複数の会計装置間での転送順を設定した転送順情報とを含む会計指示情報を、或る1つの会計装置に送信する。転送順情報は、会計装置間で循環的に転送順を指定するものであってよい。
【0124】
会計指示情報を受信した会計装置は、自己が会計処理を実行可能であれば、会計指示情報の送信元の登録装置に対して、会計処理実行通知を送信し、受信された会計指示情報に含まれる会計情報を利用して会計処理を実行する。
【0125】
一方、会計指示情報を受信した会計装置は、自己が会計処理を実行不可である場合、受信された会計指示情報に含まれる転送順情報に従って、転送順が次の会計装置に対して、受信された会計指示情報を転送する。このようにして、会計装置間で会計指示情報が順次転送されるようにすることによっても、会計処理を実行させるべき会計装置の指定に相当する手順が実現される。
【0126】
なお、以上に説明したPOS端末20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0127】
20…POS端末
30…ストアコントローラ
101…CPU
102…ROM
103…RAM
104…ハードディスク
105…客側表示部
108…カード決済部
109…釣銭機
110…店員側表示部
111…キー操作部
112…スキャナ部
113…印刷部
114…音声出力部
115…通信部
201…CPU
202…ROM
203…RAM
204…ハードディスク
205…客側表示部
206…客側スキャナ部
208…カード決済部
209…釣銭機
210…店員側表示部
211…キー操作部
212…店員側スキャナ部
213…印刷部
214…音声出力部
215…通信部