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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 13/06 20210101AFI20231221BHJP
   G03B 17/04 20210101ALI20231221BHJP
【FI】
G03B13/06
G03B17/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019165456
(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公開番号】P2021043340
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】毛井 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】岩井 圭太
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 真吾
(72)【発明者】
【氏名】奥野 良治
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0029380(US,A1)
【文献】特開2013-138376(JP,A)
【文献】特開2017-068181(JP,A)
【文献】特開平11-271843(JP,A)
【文献】国際公開第2015/166688(WO,A1)
【文献】特開2019-023685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 13/00 -13/28
G03B 17/04 -17/17
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、前記本体部に対して収納される収納状態と前記本体部に対して突出する突出状態とを遷移する電子ビューファインダユニットと、を有する撮像装置であって、
前記電子ビューファインダユニットは、回動ユニットと、前記回動ユニットを回転軸を
中心として回動可能に保持する保持カバーと、前記回動ユニットの回動を係止する回動係止部材と、を備え、
前記回動ユニットは、電子表示ユニットと、接眼部と、前記接眼部を覆う接眼窓と、前
記電子表示ユニットから発光した光束を前記接眼部に導光するファインダレンズを保持す
るレンズホルダと、を備え、
前記回動係止部材は、前記回動ユニットが回動動作しているとき、前記本体部に対して
前記電子ビューファインダユニットが前記収納状態へ移動することを規制し、
前記回動係止部材は、前記ファインダレンズの光軸方向に延びた回動係止軸によって前記保持カバーが固定された固定部材に軸支され、
前記回動係止部材は、付勢ばねによって付勢されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
本体部と、前記本体部に対して収納される収納状態と前記本体部に対して突出する突出状態とを遷移する電子ビューファインダユニットと、を有する撮像装置であって、
前記電子ビューファインダユニットは、回動ユニットと、前記回動ユニットを回転軸を
中心として回動可能に保持する保持カバーと、前記回動ユニットの回動を係止する回動係止部材と、を備え、
前記回動ユニットは、電子表示ユニットと、接眼部と、前記接眼部を覆う接眼窓と、前
記電子表示ユニットから発光した光束を前記接眼部に導光するファインダレンズを保持す
るレンズホルダと、を備え、
前記回動係止部材は、前記回動ユニットが回動動作しているとき、前記本体部に対して
前記電子ビューファインダユニットが前記収納状態へ移動することを規制し、
前記回動係止部材は、前記回動ユニットの回動方向において、前記電子ビューファインダユニットが前記収納状態へ移動することを規制する規制位置、前記回動ユニットの回動
動作を係止する係止位置、前記回動ユニットの回動動作の係止を解除する解除位置の順に
回動可能であり、
前記規制位置において、前記回動係止部材の一端に前記本体部と係合する突き当て部が
形成されていることを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記回動係止部材の他端に前記回動ユニットに係止して回動動作を規制する当接面を備
え、
前記回動係止部材は、前記ファインダレンズの光軸方向に延びた回動係止軸によって前
記保持カバーが固定された固定部材に軸支され、
前記接眼窓側から見た場合、前記当接面と前記突き当て部は、前記回動係止軸を挟んで
反対側に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記回動係止部材の他端の当接面に隣接して前記回動ユニットが回動動作している状態から係止位置へと戻すためのテーパー面が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビューファインダを備えた撮像装置に関する。特に、デジタルカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子ビューファインダ(以降ファインダ)を備えたカメラにおいては、ファインダ接眼部をファインダ光軸方向に並進可能としたものがある。
【0003】
ファインダ接眼部は、使用状態においては、ファインダ光軸方向に引き出されることでファインダ光学系が使用位置となる。
【0004】
ファインダ接眼部は、ファインダの非使用時にファインダ接眼部を収納することで小型な構成となっている。
【0005】
また、カメラ本体に対してファインダを回動可能とし、撮影者の撮影姿勢自由度を拡大したものが知られている。
【0006】
特許文献1には、回転機構を用いてファインダを回動可能に備えた撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-021303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の構成において、ファインダ部は、カメラ外形に対し、常に突出した状態となる。
【0009】
その為、撮影操作時の妨げとなったり、カメラ非使用時の持ち運びなど、携帯性に支障を与えていた。
【0010】
そこで、ファインダ部を非使用時にはカメラ本体から突出せず、使用時にはカメラ本体に対して突出状態とすることで携帯性を向上することができる。
【0011】
つまり、ファインダの使用時には、カメラ本体に対して突出状態となり、さらにファインダ接眼部を引き出する。
【0012】
さらにカメラ本体に対して突出状態で回動可能とすることで、小型で撮影者の撮影姿勢自由度を拡大したファインダとすることができる。
【0013】
そのような構成においては、
a)ファインダ部のカメラ本体に対する収納と突出の状態を遷移させる。
b)ファインダ部の回動と非回動の状態を遷移させる。
c)ファインダ接眼部の使用位置と非使用位置の引き出し、といった状態の遷移がある。
【0014】
たとえば、ファインダ接眼部が使用時に引き出された状態で、カメラ本体に対して突出状態から収納状態へ遷移してしまうと、ファインダ接眼部が破損する危険性がある。
【0015】
また、不用意に突出状態から収納状態へ遷移してしまうと、使用時の利便性を損なうおそれがある。
【0016】
上記問題に鑑みて、本発明では、非使用時にはカメラ本体から突出せず、使用時にはカメラ本体に対して突出状態で回動可能である。
【0017】
そして、突出状態において不用意に意図しない状態へ遷移することを防止した小型ファインダを有した撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、本体部と、前記本体部に対して収納される収納状態と前記本体部に対して突出する突出状態とを遷移する電子ビューファインダユニットと、を有する撮像装置であって、
前記電子ビューファインダユニットは、回動ユニットと、前記回動ユニットを回転軸を
中心として回動可能に保持する保持カバーと、前記回動ユニットの回動を係止する回動係
止部材と、を備え、
前記回動ユニットは、電子表示ユニットと、接眼部と、前記接眼部を覆う接眼窓と、前
記電子表示ユニットから発光した光束を前記接眼部に導光するファインダレンズを保持す
るレンズホルダと、を備え、
前記回動係止部材は、前記回動ユニットが回動動作しているとき、前記本体部に対して
前記電子ビューファインダユニットが前記収納状態へ移動することを規制し、
前記回動係止部材は、前記ファインダレンズの光軸方向に延びた回動係止軸によって前記保持カバーが固定された固定部材に軸支され、
前記回動係止部材は、付勢ばねによって付勢されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ファインダ非使用時には撮像装置の本体部に対し、突出部の無い小型で回動可能なファインダを有する。
【0020】
よって、ファインダが、不用意に意図しない状態へ遷移することによる利便性の低下や、カメラの破損を防止した撮像装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の斜視図である。
図2】ファインダ20を突出させた撮像装置の斜視図である。
図3(a)】ファインダ20の構成について説明する展開斜視図である。
図3(b)】ファインダ20の構成について説明する展開斜視図である。
図3(c)】ファインダ20の構成について説明する展開斜視図である。
図4】ファインダユニット21の構成詳細ついて説明する図である。
図5】ファインダユニット21の回動動作の規制について説明する図である。
図6(a)】接眼部28とファインダユニット21の回動動作の規制について説明する図である。
図6(b)】接眼部28とファインダユニット21の回動動作の規制について説明する図である。
図6(c)】接眼部28とファインダユニット21の回動動作の規制について説明する図である。
図6(d)】接眼部28とファインダユニット21の回動動作の規制について説明する図である。
図6(e)】接眼部28とファインダユニット21の回動動作の規制について説明する図である。
図7】ファインダユニット21の回動動作状態において、突出状態から収納状態への移動を抑制する構成に関して説明する図である。
図8】本発明の実施形態における全体構成について説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
(撮像装置1の斜視図の説明)
図1を参照して、本発明の実施形態に係る撮像装置の一例である撮像装置1の構成について説明する。
【0024】
撮像装置は、本体部に対して収納される収納状態と本体部に対して突出する突出状態とに可動する電子ビューファインダユニット21と、撮影光学系を有するレンズ鏡筒ユニット2とを有する。
【0025】
EVF(electronic viewfinder)は、電子ビューファインダを示す。
【0026】
図1は撮像装置1の斜視図である。図1(a)および図1(b)はそれぞれ、撮像装置1の正面斜視図および背面斜視図である。
【0027】
撮像装置1は、撮影光学系(不図示)を備えるレンズ鏡筒ユニット2を備える。矢印Gは、撮像装置1の撮影レンズの光軸方向を示している。
【0028】
また、撮影光学系を構成する複数の撮影レンズを介して結像された被写体の光学像を光電変換して画像データを生成する撮像素子(不図示)を備える。
【0029】
レンズ鏡筒ユニット2は、沈胴式で、収納時は撮像装置1の内部に沈胴する。
【0030】
また、撮像装置1には、撮像素子で生成された画像データをデジタル情報に変換する処理回路を載せた主基板(不図示)や補助基板(不図示)等で構成されている。
【0031】
レリーズボタン4は、全押し操作されると、撮影され、記録媒体(不図示)に被写体像の画像データが記録される。
【0032】
ズームレバー5は、レリーズボタン4の外周に回動可能に保持されている。ズームレバー5が回動操作されると、ズーム動作が行われる。
【0033】
電源ボタン6は、撮影者によって押下されオン状態(使用状態)、またはオフ状態(不使用状態)に切り替えられる。
【0034】
表示装置15は、撮像装置1の背面に設けられ、撮影する被写体像の確認や、撮像画像の再生表示のために用いられる。
【0035】
撮像装置1は、フロントカバー9、リアカバー10、トップカバー16の外装部材で覆われている。
【0036】
トップカバー16は撮像装置1の上部の外観面を形成するとともに、ファインダ20の開口部を形成している。
【0037】
ファインダ20は、撮像装置1に内蔵されており、収納時は、ロック機構によって撮像装置1の内部に保持された状態でロックされている。
【0038】
撮像装置1の側面には、外観面の一部を形成しているサイドカバー13が構成される。
【0039】
サイドカバー13には、解除レバー14がスライド操作可能に保持されており、解除レバー14を操作することによって、ファインダ20のロックを解除して撮像装置1の上方へと突出動作を行う。
【0040】
図8のブロック図の説明)
図8に本発明の撮像装置の一例としての撮像装置1の構成例を示すブロック図を示す。光学系は、撮影レンズ201、絞り機能を備えるシャッター202を含む。
【0041】
撮像部203は、光学系を通して入力される光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等を含む。
【0042】
A/D変換部204は、撮像部203から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する場合、および、音声制御部205から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する場合に用いられる。
【0043】
レンズバリア206は、撮像装置1のレンズ201を含む撮像部203を覆う事により、それらの汚れや破損を軽減する。
【0044】
タイミング発生部207は、メモリ制御部208およびシステム制御部209により制御され、撮像部203、音声制御部205、A/D変換部204、D/A変換部210にクロック信号や制御信号を供給する。
【0045】
画像処理部211は、A/D変換部204からの出力データおよびメモリ212に記憶されたデータに対し、所定の画素補間、縮小等のリサイズ処理や色変換処理を行う。
【0046】
また、画像処理部211では、撮像した画像データに対して所定の演算を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部209が露光制御、測距制御を行う。
【0047】
これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。
【0048】
画像処理部211では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行なう。
【0049】
A/D変換部204からの出力データは、画像処理部211およびメモリ制御部208を介して、或いは、直接メモリ制御部208を介して、メモリ212に書き込まれる。
【0050】
メモリ212は、マイク213にて録音された音声データ、撮影した静止画像や動画像、および画像ファイルを構成する場合のファイルヘッダ等の画像に付帯する情報を格納する。
【0051】
このメモリ212は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0052】
圧縮伸長部214は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長するもので、シャッター202をトリガにしてメモリ212に格納された撮影画像を読み込んで圧縮処理を行い、処理を終えたデータをメモリ212に書き込む。
【0053】
また、記録媒体215などからメモリ212に読み込まれた圧縮画像を読み込んで伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ212に書き込む。
【0054】
圧縮伸長部214によりメモリ212に書き込まれた画像データは、システム制御部209のファイル処理部においてファイル化され、記録媒体I/F216を介して記録媒体215に記録される。
【0055】
また、メモリ212は画像表示用のメモリを兼ねており、メモリ212に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換部210を介して画像表示部217により表示される。
【0056】
マイク213から出力された音声信号は、アンプ等で構成される音声制御部205を介してA/D変換部204においてデジタル信号に変換された後、メモリ制御部208によってメモリに格納される。
【0057】
一方、記録媒体215に記録されている音声データは、メモリに読み込まれた後、D/A変換部210を介し音声制御部205において処理された信号がスピーカー218により発音される。
【0058】
システム制御部209は、撮像装置1全体を制御する。システムメモリ219は、システム制御部209の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。
【0059】
不揮発性メモリ220は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
【0060】
シャッタースイッチ(SW1)、シャッタースイッチ(SW2)、および操作部221は、システム制御部209に、利用者が各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0061】
モード切替えスイッチ222は、システム制御部209の動作モードを、静止画撮影モード、連続撮影(連写)モード、動画モード、再生モード等に切り替えるために利用者に使用される。
【0062】
シャッタースイッチ(SW1)は、撮像装置1に設けられたシャッターボタン223の操作途中(半押し)でONとなる。
【0063】
そして、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。
【0064】
シャッタースイッチ(SW2)は、シャッターボタン223の操作完了(全押し)でONとなり、撮像部203からの信号読み出しから、記録媒体!に画像データを書き込むまでの一連の撮像処理の動作開始を指示する。
【0065】
操作部203は各種ボタンやタッチパネル等からなる。
【0066】
具体的に例示すると、以下の通りとなる。消去ボタンや、メニューボタン、SETボタン、十字に配置された4方向キーなどから構成される。
【0067】
メニューボタンが押されると各種設定が可能なメニュー画面が画像表示部217に表示される。
【0068】
利用者は、画像表示部217に表示されたメニュー画面と、4方向キーやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0069】
また、操作部材への利用者の指やペンの接触を検出して、表示部!に表示されたアイコンを、ボタンやダイヤル等のスイッチやダイヤルの操作と同様に検知してもよい。
【0070】
さらに、ジョグダイヤル等の回転を検出できる操作部材を用いることにより、双方向キーと同様の操作を行うようにしてもよい。
【0071】
電源ボタン224は、電源オン、電源オフを切り替える。
【0072】
電源制御部225は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。
【0073】
また、検出結果及びシステム制御部209の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体215を含む各部へ供給する。
【0074】
電源部226はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0075】
カメラ側電源コネクタと、電源コネクタにより、電源部226と電源制御部225とが接続される。
【0076】
RTC227(Real Time Clock)は、電源制御部!とは別に内部に電源部を保持し、電源部226が落ちた状態であっても、計時を続けている。
【0077】
システム制御部209は起動時にRTC227より取得した日時を用いてタイマー制御を行う。
【0078】
記録媒体着脱検知部228は、記録媒体スロットに記録媒体215が装着されているか否かを検出する。
【0079】
通信部229は、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信処理を行う。
【0080】
通信コネクタ230(無線通信の場合はアンテナ)は、通信部229を介して撮像装置1を他の機器と接続する。
【0081】
検出部231はファインダ20が引き出されて使用可能な状態にあるのかを検出するためのものであり、機械的および光学的方法を利用したセンサを用いることができる。
【0082】
検出部231によりファインダ20が使用可能な状態にあると判断されたときに、画像表示部217の画像はファインダ20へと切り替えられる。そして、使用者はファインダ20に映し出された画像を確認することができる。
【0083】
(ファインダ20の動作の説明)
次に、図2を参照して、図1に示されている本発明のファインダ20の動作について説明する。
【0084】
図2は、ファインダ20を突出させた撮像装置の背面斜視図である。
【0085】
図2(a)は、前述の撮像装置1の側面に配置された解除レバー14を操作することによって、ファインダユニット21が撮像装置1に収納状態から上方へと突出した状態を示している。
【0086】
接眼部28は、接眼窓22が固定されている。センサ窓23は、接眼窓22の上側に設けられている。
【0087】
センサ窓23は、内部のセンサ、例えば光学式検知センサの光路のために設けられている。
【0088】
ユーザーである使用者が接眼部28をのぞいたことを内部の光学式センサが検知して、電子ビューファインダユニット21への表示に切り替える。
【0089】
図2(b)は、図2(a)のファインダユニット21の突出状態から、ファインダユニット21の接眼部28を、撮像装置1の背面側へと引き出した状態を示す。
【0090】
ファインダ20は接眼部28を手前へと引き出した状態において使用可能となり、接眼部28から、撮影する被写体像の確認や撮影画像の再生表示などを確認することを可能とする。
【0091】
さらに、図2(c)は、図2(b)のファインダ20の使用可能な状態において、接眼部28を含むファインダ回動部41が回動した状態を示す。
【0092】
ファインダ回動部41は、接眼部28がトップカバー16と平行な位置まで約90度回動する。
【0093】
つまり、接眼窓22は、カメラ本体部の天面を向く状態まで回動する。
【0094】
センサ窓23を接眼窓22の上部に設ける。
【0095】
その場合、回動ユニットとしてのファインダ回動部41が回動した範囲内において、不図示の内部のセンサはユーザーである使用者が接眼部28をのぞいたことを検知することが可能となる。
【0096】
よって、撮影者は、カメラ上面側から撮影する被写体像の確認や撮影画像の再生表示などを確認することも可能となる。
【0097】
視度調整レバー120は、図2(b)に示される撮像装置1の姿勢において接眼窓22側から見て、接眼部28の下側に配置されている。
【0098】
そのため、視度調整レバー120は、ファインダユニット21の接眼部28を引き出し、且つファインダ回動部41が約90度回動した状態で露出する。
【0099】
使用者は、視度調整レバー120を回転させることでファインダ20の視度を調整できる。
【0100】
(ファインダ20の構成の説明)
図3を参照して、ファインダ20の構成について説明する。
【0101】
図3(a)に示されるように、ファインダ20は、電子ビューファインダユニット21と、収納状態と突出状態を切り替える、上下動のポップアップ機構部51からなる。
【0102】
図3(a)は、ファインダ20を構成する上下動のポップアップ機構部51を説明する展開斜視図である。
【0103】
固定部材としてのベースプレート32は、金属板で形成され、金属材料で形成されるガイドバー33が2本、加締められている。
【0104】
また、ベースプレート32には、係止ピン32aが形成されている。
【0105】
ガイドバー33は、一部径方向へと大きくなるようにフランジ形状部33aが形成される。
【0106】
EVFホルダ30は樹脂材料によって形成され、前述のベースプレート32に加締められた2本のガイドバー33が挿通されて、上下にスライド移動可能に保持している。
【0107】
この際、ガイドバー33のフランジ形状部33aがEVFホルダ30に対して当接することで突出時のスライド位置が決まる。
【0108】
EVFホルダ30は図1に示されるフロントカバー9に対して位置決め固定される。
【0109】
突出バネ38はEVFホルダ30内部に収納されて、ガイドバー33を上方へと付勢している。
【0110】
バネホルダ35は板金材料によって形成されており、突出バネ38の端部を抑えるようにEVFホルダ30へと固定される。
【0111】
ロックレバー36は、加締めピン37によってバネホルダ35に対して回動可能に保持されており、係止爪部36aを備える。
【0112】
付勢バネ34は、一端をロックレバー36に係止され、他端をバネホルダ35に係止されて保持されており、ロックレバー36を一方向へと付勢している状態で構成される。
【0113】
ロックレバー36は、図1に記載の解除レバー14を操作することで、加締めピン37を中心に回動動作を行うように構成される。
【0114】
ファインダ20は、収納時にはロックレバー36の係止爪部36aによってベースプレート32の係止ピン32aが係止されることによって、収納状態で保持されている。
【0115】
ファインダ20の使用時には解除レバー14を操作することで、ロックレバー36が回動して係止ピン32aの係止を解除することで、突出動作を行う。
【0116】
次に、ファインダユニット21の構成について説明する。
【0117】
図3(b)は、ファインダユニット21の展開斜視図である。
【0118】
電子ビューファインダユニット21は、回動ユニットとしてのファインダ回動部41、ファインダ回動部41を覆うファインダカバー49を有する。
【0119】
ファインダユニット21には、トップカバー16とともに上面の外観面を形成するファインダトップカバー31が設けられている。
【0120】
また、突出状態において、可動方向に平行な2面となる側面49aを有するファインダカバー49を備える。
【0121】
ファインダカバー49の側面49aは、ファインダレンズの光軸を挟んで左側に位置する第1の側面、右側に位置する第2の側面を有する。
【0122】
ファインダユニット21を構成するファインダ回動部41は、ファインダレンズを保持するレンズホルダ42、レンズホルダ42をファインダレンズの光軸方向に並進可能に保持するファインダ案内筒43、ファインダ案内筒43のフランジ部43aを有する。
【0123】
視度調整レバー120には、カム形状部121が一体で設けられている。視度調整レバー120を回動させると、レンズホルダ42は、カム形状部121によって、ファインダ案内筒43の内側で並進移動する。
【0124】
フランジ部43aには、ファインダ案内筒43を直動可能にガイドするガイドシャフト44が貫通している。
【0125】
ガイドシャフト44の一端は、ファインダ固定筒45に固定されている。
【0126】
接眼部28は、ファインダ案内筒43の側面に設けられた係止爪43cによってファインダ案内筒43に係止される。
【0127】
接眼部28は、手前へと引き出すことで、ガイドシャフト44に軸支されたファインダ案内筒43が内部のレンズホルダ42と一体で並進移動し使用可能な状態となる。
【0128】
ファインダ案内筒43のフランジ部43aの外周にはシール部材43bを設けている。シール部材43bは、ファインダ固定筒45とファインダ案内筒43の間を密閉し、防塵構造を構成している。
【0129】
表示ユニットホルダ47は、電子表示ユニット46を保持している。
【0130】
表示ユニットホルダ47の側面には係止爪47aが設けられており、ファインダ固定筒45側の係止部45fによって一体となっている。
【0131】
表示パネル付勢板48は腕部48aがファインダ固定筒45に固定され、表示ユニット46を表示ユニットホルダ47側に付勢している。
【0132】
腕部48aの先端48bは、接眼部28を手前へと引き出す際に一体で動作するファインダ案内筒43に対してクリック部を兼ねている。表示パネル付勢板48は、ファインダ回動部41とともに回動する。
【0133】
ファインダユニット21の下部で収納と突出の上下動のポップアップ機構部51の間には基板ベース60が設けられている。
【0134】
基板ベース60は、ファインダカバー49とともにベースプレート32に対して複数の締結ビスによって固定される。
【0135】
ファインダ基板24は、基板ベース60に固定されている。
【0136】
ファインダ基板24は、撮像装置1内部の主基板からの画像信号を伝達するためのフレキシブル基板(不図示)が接続される。
【0137】
さらに電子表示ユニット46に接続されるフレキシブル基板61によって信号を伝達する。
【0138】
フレキシブル基板カバー62は基板ベース60に固定されている。フレキシブル基板61は、ファインダカバー49の連結面49bとフレキシブル基板カバー62の間隙に配置されている。
【0139】
回動係止部材130は、付勢ばね132によって付勢されている。回動係止軸131は、回動係止部材130を貫通し、基板ベース60によって保持されている。
【0140】
つまり、回動係止部材130は、回動係止軸131に対し回転動作する部材である。回動係止軸131は、回動係止部材130と一体で形成されていても良い。
【0141】
回動係止部材130は、ファインダ固定筒45を係止している。
【0142】
回動係止部材130は、ファインダ固定筒45を係止している状態において、ファインダカバー49の面49aよりもファインダレンズの光軸側に配置されている。
【0143】
その結果、回動係止部材130は、ファインダユニット21が撮像装置1に収納されている状態から上方へと突出した状態へ遷移するまで、周囲の部材との干渉を防ぐことが可能となる。
【0144】
よって、ファインダ回動部41は、ファインダユニット21が撮像装置1に収納されている状態から上方へと突出した状態へ遷移するまで、不用意な状態へ遷移をすることなく、確実に係止される。
【0145】
カム形状部121は、視度調整レバー120に対し一体となっている。視度調整レバー120と一体化されたカム形状部121は、ファインダ案内筒43に摺動嵌合している。
【0146】
視度調整レバー120を回動させると、レンズホルダ42は、カム形状部121によってファインダ案内筒43の内側で並進移動させられる。よって、視度調整レバー120を回動することで、使用者は、ファインダ20の視度調整を行える。
【0147】
(ファインダ回動動作の説明)
次に、図3(c)を参照して、ファインダ回動動作について説明する。
【0148】
図3(c)は、ファインダカバー49とファインダ固定筒45の関係を示す図である。
【0149】
ファインダカバー49は、ファインダレンズの光軸方向と平行で且つ、ファインダユニット21の可動方向に平行な第1の面及び第2の面49aを備えている。
【0150】
回転軸50は第1の面49a及び第2の面49aに設けられた穴部49cによって保持されている。
【0151】
ファインダユニット回転軸50は、第1の面を貫通する第1の軸、第2の面を貫通する第2の軸の2体に分割されている。
【0152】
ファインダユニット回転軸50は2本の部材に分割されているが、1本の構成でも良い。
【0153】
第1の面及び第2の面49aは、第1の面及び第2の面49aより被写体側に位置する第3の面49bで連結される。
【0154】
第1の面及び第2の面49a及び第3の面49bは、収納状態と突出状態との可動方向Vと直交する断面Fにおいて、略コの字型となっている。
【0155】
ファインダユニット回転軸50は、ファインダ回動部41を構成する固定筒45に設けられた軸穴部45bと回動可能に嵌合し、ファインダカバー49の第1の面及び第2の面49aで保持されている。
【0156】
ファインダユニット回転軸50は、剛性を有するファインダカバー49に結合することで回転軸として強度を確保可能となる。
【0157】
ファインダ固定筒45は、ファインダユニット回転軸50の一部が軸穴部45bと回動可能に嵌合している。
【0158】
ファインダユニット回転軸50は、レンズホルダ42を基準としてファインダレンズの光軸について接眼部28の反対側でかつ、ファインダレンズの光軸よりファインダユニット21が突出する側に設けられている。
【0159】
よって、ファインダ固定筒45はファインダカバー49に対し回動可能となる。また、ファインダカバー49には回動ストッパー部49dが設けられている。
【0160】
ファインダ固定筒45は、約90度回動すると当接部45dが回動ストッパー部49dに当接する構成となっている。
【0161】
ファインダ回動部41は、ファインダレンズ光軸が撮影光学系の光軸と略平行である0度から90度の間で回動可能となる。
【0162】
回動ユニット41は、電子表示ユニット46と、接眼部28と、接眼部を覆う接眼窓22と、電子表示ユニットから発光した光束を接眼部28に導光するファインダレンズを保持するレンズホルダ42と、を備えている。
【0163】
ファインダ固定筒45の外側には、係止部145が設けられている。
【0164】
回動係止部材130は、ファインダ固定筒45側に付勢ばね132によって付勢されている。
【0165】
回動係止部材130は、付勢ばね132による付勢力により、ファインダ固定筒45に設けられた係止部145と係合する。
【0166】
ここで、回動係止部材130は、ファインダカバー49の面49aに鉛直な方向からみると、ファインダユニット回転軸50に対し対角側に配置している。
【0167】
よって、ファインダ固定筒45は、ファインダユニット回転軸50に対し、最も遠い位置で係止することとなる。
【0168】
その結果、ファインダ固定筒45は、確実に係止される。
【0169】
よって、ファインダ20は、撮像装置1に収納されている状態から上方へと突出した状態へ遷移するまで、ファインダ回動部41は確実に、係止される。
【0170】
(ファインダユニット21の構成の詳細の説明)
次に、図4を参照して、ファインダユニット21の構成詳細について説明する。
【0171】
図4(a)は、撮像装置1の内部にあるファインダユニット21が、撮像装置1に収納されている状態のファインダ20と、レンズ鏡筒ユニット2を、撮像装置1の背面側から見た図である。
【0172】
ファインダ20は、レンズ鏡筒ユニット2の左側に配置され、隣り合っている。
【0173】
また、ファインダユニット21が撮像装置1に収納されている状態において、接眼部28の右下側には、レンズ鏡筒ユニット2が配置されている関係となる。
【0174】
また、図2で説明したように、センサ窓23は、接眼窓22の上側に設けられている。
【0175】
図4(b)は、ファインダ回動部41を構成するファインダ案内筒43を説明する図である。
【0176】
ファインダ案内筒43を直動可能にガイドするガイドシャフト44は、ファインダ案内筒43に設けられたフランジ部43aの左上角を貫通している。
【0177】
レンズホルダ付勢ばね146は、ファインダ案内筒43の内側で並進移動するレンズホルダ42の右上角に配置されている。
【0178】
つまり、ガイドシャフト44とレンズホルダ付勢ばね146は、ファインダ案内筒43の異なる上側角部に配置されている。
【0179】
ファインダ案内筒43に設けられた係止爪43cは、接眼部28とファインダ案内筒43を係止している。係止爪43cは、ファインダ案内筒43の左右下側に配置されている。
【0180】
視度調整レバー120は、接眼窓22側から見て接眼部28の下面側に配置され、ファインダ案内筒43に摺動嵌合している。
【0181】
視度調整レバー120が摺動嵌合しているファインダ案内筒43の面は、係止爪43cが設けられている面と隣接している。
【0182】
つまり、接眼窓22側から見てファインダレンズを中心として、それぞれの位置関係を記す。
【0183】
レンズホルダ42の右上角にはレンズホルダ付勢ばね146、ファインダ案内筒43の左上角にはガイドシャフト44、ファインダ案内筒43の左右下側に係止爪43cとなる。
【0184】
ここで、図4(a)で説明したように、接眼窓22側から見てファインダユニット21が撮像装置1に収納されている状態において接眼部28の右下側には、レンズ鏡筒ユニット2が配置されている関係である。
【0185】
さらに、図3(c)で説明したように、ファインダ固定筒45は、ファインダユニット回転軸50に対し対角側が最適である。
【0186】
そのため、図3(b)に示されるファインダ回動部41の回動を規制する係止手段は、接眼窓22側から見てファインダ回動部41の左下角側に回動係止部材130を配置する。
【0187】
その結果、撮像装置1を大型化することなく、ファインダ回動部41は、不用意な状態へ遷移することなく、確実に係止されることを可能にする。
【0188】
(電子ビューファインダユニット21の回動動作の規制の説明)
次に、図5を参照して、突出状態となった後の電子ビューファインダユニット21の回動動作の規制について説明する。
【0189】
図5は、接眼部28が収納状態である電子ビューファインダユニット21を示している。
【0190】
図5(a)において、把持部157は、接眼部28を引き出すために把持する部位である。そのため、把持部157は、接眼部28の他の部分と比べて、部分的に厚肉部となっている。
【0191】
規制形状部153は、接眼部28に一体に設けられている。規制形状部153は、把持部157と比べると肉薄部となっている。回動係止部材130は、接眼部28が収納状態において規制形状部153の内側にある。
【0192】
図5(b)は図5(a)のファインダ光軸に直交する断面である。
【0193】
回転軸131に直交する断面において、回動係止部材130は、係止当接面154と誘い込み面155と、回動規制面156を有している。
【0194】
係止当接面154は、固定筒45に設けられた係止部145に当接している。よって、ファインダユニット21を構成するファインダ回動部41は、ファインダレンズ光軸と撮像レンズ(不図示)と平行な状態で係止される。
【0195】
接眼部28が収納状態において、回動係止部材130は、接眼部28に設けられている規制形状部153の内側にある。
【0196】
よって、回動係止部材130は、付勢ばね132の付勢力に抗して回動しようとしても、回動規制面156が規制形状部153と干渉することで回動することが規制されている。
【0197】
つまり、接眼部28が収納状態において、固定筒45は、係止状態が解除されることがなく、回動することができない。
【0198】
保持カバーとしてのファインダカバー49の面49aからみると、テーパー面としての誘い込み面155と回動規制面156の交点Pは、把持部157の投影内にある。
【0199】
把持部157は、強度確保のために厚肉部となっている。そのため回動規制面156が規制形状部153と干渉しても、規制形状部153は、弾性変形することはない。
【0200】
よって、接眼部28が収納状態において、固定筒45は、確実に係止され、ファインダ回動部41が不用意に回動し状態遷移することはない。
【0201】
(回動係止部材130の説明)
図6(a)は、接眼部28が使用位置まで引き出された状態であるファインダユニット21を示している。
【0202】
図6(b)は、図6(a)のファインダ光軸に直交する断面である。
【0203】
図6(c)は図6(a)に示される接眼部28が使用位置まで引き出された状態から回動部41が回動を開始した状態を示している。
【0204】
図6(d)は図6(c)の撮像装置1の撮影レンズの光軸方向Gに直交する断面である。
【0205】
図6(a)において、接眼部28に一体に設けられた規制形状部153は、接眼部28のファインダ光軸方向の延伸部に切り欠き形状158が設けられている。
【0206】
接眼部28が使用位置まで引き出された状態において、切り欠き形状158があるため、回動規制面156は、接眼部28から露出する。
【0207】
よって、回動係止部材130に設けられた回動規制面156は、規制形状部153との干渉が回避される。
【0208】
次に図6(c)は、回動係止部材130が回動を開始した状態を示している。係止当接面154は、固定筒45に設けられた係止部145によって付勢方向とは逆に押されて回動する。
【0209】
切り欠き形状158があるため、回動係止部材130が回動し始めた際に、回動規制面156は、規制形状部153との干渉が回避される。
【0210】
よって、回動係止部材130は、付勢ばね132の付勢力に抗して回動可能である。
【0211】
図6(d)は、撮像装置1の撮影レンズの光軸方向Gに直交する、図6(c)の断面である。
【0212】
図6(d)に示されるように、固定筒45の回動に伴って、回動係止部材130は、回動係止軸131を回動中心として回動する。
【0213】
テーパー面としての誘い込み面155と回動規制面156の交点Pは、接眼部28の最外形よりも外側へと移動する。
【0214】
よって、回動係止部材130の係止当接面154は固定筒45に設けられた係止部145から離間し係止が解除される。
【0215】
つまり、固定筒45は所定の角度まで回動可能となる。
【0216】
図6(e)は、固定筒45が所定の角度回動した状態から0度の収納状態へ遷移する途中におけるファインダユニット21のファインダ光軸に直交する断面を示している。
【0217】
回動係止部材130は、付勢ばね132の付勢力によって付勢されている。
【0218】
固定筒45が所定の角度回動した状態から0度の収納状態へ遷移する際に、図6(e)に示されるように、誘い込み面155は係止部145に当接する。
【0219】
誘い込み面155が係止部145によって、付勢方向に抗した方向へ回動係止軸131を回転中心として、回動係止部材130は回動する。
【0220】
つまり、係止部145は、回動係止部材130を回動させる。
【0221】
テーパー面としての誘い込み面155は、係止部145に接触しながら、図6(c)の状態へ戻る。
【0222】
よって、電子ビューファインダユニット21は、所定の角度回動した状態から0度の収納状態へ遷移し、再び係止される。
【0223】
係止当接面154、誘い込み面155と回動規制面156は、隣接している。よって、回動係止部材130は小型化可能になる。その結果、回動係止部材130はファインダカバー49の内側において固定筒45を係止することが可能となる。
【0224】
よって、ファインダユニット21が突出した状態において、接眼部28が引き出されて使用状態となることで、ファインダユニット21は、回動可能になる。
【0225】
また、接眼部28が収納状態において、回動係止部材130は、接眼部28に設けられた規制形状部153によって容易に回動できないよう規制され、ファインダ回動部41が不用意に状態遷移することを抑制可能となる。
【0226】
電子ビューファインダユニット21が本体部に対し突出状態において、接眼窓22側から見た場合を考える。
【0227】
ファインダレンズの光軸を中心として回動ユニット41の回転軸50と反対側で、且つファインダレンズの光軸を中心としてレンズ鏡筒ユニット2と反対側に回動ユニット41の回動を係止する回動係止部材130が配置されている。
【0228】
電子ビューファインダユニット21は、本体部に対して収納される収納状態と本体部に対して突出する突出状態とに並進移動可能である。
【0229】
回動ユニット41は、レンズホルダ42を保持する案内筒43と、レンズホルダ42を案内筒43の内部でファインダレンズの光軸に並進移動させるための視度調整レバー120を備えている。
【0230】
また、回動ユニット41は、撮像装置1の表示部15への表示切り替えを行うための検知センサと、検知センサの光路に設けられたセンサ窓23と、を備えている。
【0231】
接眼窓22側から見た場合、センサ窓23は、電子ビューファインダユニット21の並進方向において接眼窓22を中心として回動ユニット41の回転軸50側に配置されている。
【0232】
視度調整レバー120は、電子ビューファインダユニット21の並進方向において接眼窓22を中心として回動ユニット41の回転軸50と反対側に配置されている。
【0233】
回動ユニット41は、案内筒43をファインダレンズの光軸に直動可能に収容する固定筒45とを備えている。
【0234】
接眼部28は、案内筒43と係止され、案内筒43とともにファインダレンズの光軸方向に並進移動する。
【0235】
接眼窓22側から見た場合を考える。
【0236】
案内筒43は、電子ビューファインダユニット21の並進方向において接眼窓22を中心として回動ユニット41の回転軸50側にレンズホルダ42をガイドするガイドシャフト44及びレンズホルダ42を付勢する付勢バネ146が設けられている。
【0237】
案内筒43は、接眼窓22側から見た場合、電子ビューファインダユニット21の並進方向において接眼窓22を中心として回動ユニット21の回転軸50と反対側に、接眼部28との複数の係止爪43cが設けられている。
【0238】
保持カバー49は、撮影光学系の光軸方向Gと平行で、且つ撮像装置1の本体部に対し、収納状態と突出状態の可動方向に平行な方向に平板が伸びた2つの面49aを備えている。
【0239】
回動ユニット41は、突出状態において、回動ユニット41の回転軸50によって前記保持カバー49内で、回動可能に軸支される。
【0240】
回動係止部材130は、保持カバー49の面49aに垂直な方向から見た場合、回動ユニット21の回転軸50に対し固定筒45を中心として対角側に配置されている。
【0241】
固定筒45は、回動係止部材130との係止部145が設けられている。
【0242】
更に、保持カバー49とともに固定部材32に固定される基板60を備え、
回動係止部材130は、基板60によって軸支され、回動係止部材130は、ファインダレンズの光軸方向に延びた回転軸を中心として回動可能である。
【0243】
回動係止部材130は、付勢ばね132によって係止部145に当接する側に付勢されている。
【0244】
接眼窓側から見た場合、回動係止部材130は、固定筒45の係止部145を係止している状態において、保持カバー49の面49aよりもファインダレンズの光軸に近い位置に配置されている。
【0245】
回動係止部材130は、回動ユニット41が回動動作しているとき、本体部1に対して電子ビューファインダユニット21が前記収納状態へ移動することを規制する。
【0246】
回動係止部材130は、ファインダレンズの光軸方向に延びた回動係止軸131によって保持カバー49が固定された固定部材32に軸支される。
【0247】
回動係止部材130は、付勢ばね132によって付勢さている。
【0248】
回動係止部材130は、回動ユニット41の回動方向において、電子ビューファインダユニット21が収納状態へ移動することを規制する規制位置に移動する。
【0249】
その後、回動係止部材130は、回動ユニット41の回動動作を係止する係止位置、回動ユニット41の回動動作の係止を解除する解除位置の順に回動可能である。
【0250】
規制位置において、回動係止部材130の一端に本体部1と係合する突き当て部137が形成されている。
【0251】
回動係止部材130の他端に回動ユニット41に係止して回動動作を規制する当接面154を備える。
【0252】
接眼窓22側から見た場合、当接面154と突き当て部137は、回動係止軸131を挟んで反対側に形成されている。
【0253】
回動係止部材130の一端の当接面154を有する回転規制部は、回動ユニット41が回動動作している状態から係止位置へと戻すためのテーパー面155を有する。
【0254】
(スライド防止機構の説明)
次に、図7を参照して、電子ビューファインダユニット21の回動動作時の収納状態位置へのスライド防止機構に関して説明する。
【0255】
図7(a)は、ファインダ回動部41を回動させた状態における回動係止部材130の構成を示した断面図である。
【0256】
図7(b)は、回動係止部材130の詳細部を示した拡大図である。
【0257】
図7(a)において、ファインダ回動部41は、前述の図2(c)のように90度回動した状態を示しており、回動係止部材130は回転係止部軸131を中心に付勢ばね132によって回転し、基板ベース60に対して当接した状態で停止している。
【0258】
図7(b)に示す回動係止部材130の上部には、固定筒45に係止して回動動作を規制する係止当接面154を有し、回転係止部軸131を挟んで反対側には本体収納突き当て部137が形成されている。
【0259】
図7において、回動係止部材130は、ファインダユニット21の回動動作を規制する係止位置(図5(b)の状態)から付勢されている。
【0260】
そのため、さらに回転したオーバーストローク位置まで回転している。
【0261】
この時、回動係止部材130の一部に設けられた本体収納突き当て部137も係止位置(図5(b)の状態)からさらに回転し、係止位置よりも外側まで回転して停止している。
【0262】
図3(a)で説明したように、バネホルダ35は前述のEVFホルダ30(図3(a)記載)に対して固定されている。
【0263】
突き当て部35aは、回動係止部材130がオーバーストローク位置に停止している際に、本体収納突き当て部137と対向するようにバネホルダ35に設けられている。
【0264】
これにより、ファインダユニット21は、回動している状態において、撮像装置本体1に対して収納状態へと移動しようとする。
【0265】
その場合、本体収納突き当て部137がバネホルダ35の突き当て部35aへと当接することで収納状態へのスライド移動を防止する。
【0266】
このように、回動係止部材130は、係止位置から付勢され、オーバーストローク位置まで回転する。
【0267】
そして、本体収納突き当て部137がバネホルダ35の突き当て部35aへと当接することで収納状態へのスライド移動を防止する。
【0268】
回動係止部材130は、1つの部材で、固定筒45の回動を係止することでファインダユニット21の回動動作の抑制と、ファインダユニット21が収納状態方向へ移動の抑制を、共に可能としている。
【0269】
つまり、ファインダユニット21は、少ない部品点数で不用意に意図しない状態へ遷移することが防止される。
【0270】
結果として、ファインダユニット21は、カメラ使用時にファインダユニット21の回動動作後に不用意に収納状態方向へ下がってしまい、ファインダ表示画像を視認できなくなるといった不具合がなくなる。
【0271】
以上説明したように、回動係止部材130に設けられた係止当接面154は、固定筒45に設けられた係止部145に当接している。
【0272】
接眼部28が収納状態において、回動係止部材130は、回動係止部材130に設けられた回動規制面156が接眼部28に設けられた規制形状部153によって回動が規制されている。
【0273】
よって、ファインダユニット21を構成するファインダ回動部41は、ファインダレンズ光軸と撮像レンズ(不図示)と平行な状態で係止される。
【0274】
また、回動係止部材130に設けられた本体収納突き当て部137がバネホルダ35の突き当て部35aへと当接することで収納状態へのスライド移動を防止する。
【0275】
接眼部28の状態によって、ファインダ20は、不用意に意図しない状態へ遷移することによる利便性の低下や、カメラの破損を防止することが可能となる。
【0276】
別の実施形態として、ファインダユニット21の回動動作の抑制する機能と収納状態方向への移動を抑制する機能を、別部材に持たせてもよい。
【0277】
回動係止部材130の回転規制部は、回動規制面156を有しており、接眼部28は、規制面153を有している。
【0278】
回動ユニット41が保持カバー49に収納された状態において、規制面153が回動規制面156に係合することで、回動ユニット41の回動が規制される。
【0279】
規制面153に切り欠き部158が形成されており、接眼部28が使用位置まで引き出された状態において、ファインダレンズの光軸方向について回動係止部材130の回動規制面156が切り欠き部158に位置する。
【0280】
よって、規制面153が回動規制面156に係合しない。
【0281】
回動ユニット41は、レンズホルダ42を保持する案内筒43と、案内筒43をファインダレンズの光軸に直動可能に収容する固定筒45とを備える。
【0282】
回動ユニット41の回動動作を係止する係止位置において、当接面154は、固定筒45に設けられた係止部145に当接する。
【0283】
テーパー面155は、回動ユニット41が回動動作している状態から係止位置へと戻すときに固定筒45に設けられた係止部145に当接する。
【0284】
接眼窓22側から見た場合、テーパー面155と回動規制面156は隣接し、テーパー面155と当接面154は隣接している。
【0285】
保持カバー49は、撮影光学系の光軸方向Gと平行で、且つ撮像装置1の本体部に対し、収納状態と突出状態の可動方向に平行な方向に平板が伸びた2つの面49aを備えている。
【0286】
隣接するテーパー面155と回動規制面156の延長上に形成された交点Pは、保持カバー49の面49a側から見た場合、規制面153の厚肉部の投影内にある。
【0287】
規制面153の厚肉部は、接眼部28を引き出すために把持する把持部157である。
【0288】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0289】
1 撮像装置
9 フロントカバー
16 トップカバー
14 解除レバー
20 ファインダ
21 ファインダユニット
22 接眼窓
28 接眼部
31 ファインダトップカバー
35a 突き当て部
41 ファインダ回動部
44 ガイドシャフト
45 ファインダ固定筒
45b 軸穴部
49 ファインダカバー
50 ファインダユニット回転軸
51 上下動機構部
130 回動係止部材
131 回動係止軸
132 付勢ばね
137 本体収納突き当て部
145 係止部
153 規制形状部
154 係止当接面
155 誘い込み面
156 回動規制面
157 把持部
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図6(d)】
図6(e)】
図7
図8