(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】プロセスカートリッジ、現像装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20231221BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G03G21/18 114
G03G15/08 390B
(21)【出願番号】P 2019168213
(22)【出願日】2019-09-17
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】松丸 直樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 穰司
(72)【発明者】
【氏名】浜田 孝俊
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-151280(JP,A)
【文献】特開2018-128646(JP,A)
【文献】特開2011-253203(JP,A)
【文献】特開2008-261910(JP,A)
【文献】特開2013-076755(JP,A)
【文献】特開2017-107142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
現像剤像を担持する像担持体を備える第1ユニットと、
前記像担持体へ供給される現像剤を担持する現像剤担持体が支持される現像枠体を備える第2ユニットと、
前記第1ユニットと前記第2ユニットを結合させる結合部であって、
前記現像剤担持体が前記像担持体と接触する当接する第1位置と前記現像剤担持体が前記像担持体と離間する第2位置との間で、前記結合部を回転中心として前記第2ユニット
を前記第1ユニットに対して揺動可能
とする結合部と、を有するプロセスカートリッジであって、
前記現像枠体は、
前記画像形成装置の供給部と
連通した状態で前記供給部から現像剤が補給される補給口と、
前記
供給部と前記補給口
とに
当接し、前記供給部と前記補給口の間
の現像剤の漏れを
防ぐために前記供給部と前記補給口との間の隙間をシールする弾性変形可能なシール部材と、を備え、
前記
装置本体の前記供給部と前記補給口が
連通する際に発生する押圧力によって前記供給部と前記補給口の間で圧縮される前記シール部材の圧縮方向
にみたとき、前記
結合部は、前記シール部材と重な
る、ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されたときの姿勢において、前記補給口は、鉛直方向の上方へ開口するように設けられ、
前記結合部は、前記補給口よりも鉛直方向の下方に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記現像枠体は、前記現像剤担持体が前記第2位置から前記第1位置へ移動するように、前記装置本体から当接される被当接部を備え、
使用時の姿勢において、前記被当接部は、前記補給口よりも鉛直方向の上方に位置する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記補給口および前記シール部材は、前記回転中心を中心し、前記回転中心から前記被当接部までの距離を回転半径とする円形領域の内側に位置する、ことを特徴とする請求項3に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
使用時の姿勢において、長手方向からみたとき、前記回転中心を通る垂線を基準とした場合、前記被
当接部と前記像担持体は、互いに異なる側に位置する、ことを特徴とする請求項3または4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記現像枠体は、
前記現像剤担持体を収容する現像室と、使用時の姿勢における前記現像室の下方に位置し現像剤を収容する現像剤収容室と、を備え、
前記補給口は、前記現像剤収容室と連通するように前記現像枠体に設けられている、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
使用時の姿勢において、長手方向からみたとき、前記結合部は、前記補給口の直下に位置するように配置されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記補給口は、長手方向において、前記現像枠体の一方側の端部に設けられている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記現像剤は、一成分の非磁性現像剤である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記プロセスカートリッジは、前記画像形成装置の装置本体に対して着脱可能である、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
供給部と像担持体と回転支持部とを備える画像形成装置に用いられる現像装置であって、
現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体が支持される現像枠体と、
を備え、
前記現像枠体は、前記現像剤担持体が前記像担持体と当接する第1位置と前記現像剤担持体が前記像担持体と離間する第2位置との間で、前記回転支持部を回転中心として像担持
体に対して揺動可能
に前記回転支持部によって支持され、
前記現像枠体は、
前記画像形成装置の
前記供給部と
連通した状態で前記供給部から現像剤が補給される補給口と、
前記
供給部と前記補給口
とに
当接し、前記供給部と前記補給口の間
の現像剤の漏れを
防ぐために前記供給部と前記補給口との間の隙間をシールする弾性変形可能なシール部材と、を備え、
前記供給部と前記補給口が
連通する際に発生する押圧力によって前記供給部と前記補給口の間で圧縮される前記シール部材の圧縮方向
にみたとき、前記
回転支持部は、前記シール部材と重な
る、ことを特徴とする現像装置。
【請求項12】
前記現像装
置は、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能である、ことを特徴とする請求項11に記載の現像装置。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ、もしくは、請求項11または12に記載の現像装置、のいずれか一つと、
前記供給部と、を備える、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像形成装置に使用される現像装置、プロセスカートリッジに関する。特に、電子写真方式を採用する電子写真画像形成装置および電子写真画像形成装置に使用される現像装置、プロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、電子写真画像形成装置の装置本体に対して、現像カートリッジ(現像手段を含む)や、プロセスカートリッジ(現像手段および感光体ドラムを含む)などのような着脱(交換)可能な構成が知られている。
【0003】
その中、特許文献1では、現像ユニットをドラムユニットに揺動可能に取り付けると共に、押圧手段を用いて現像ユニットをドラムユニット側へ押圧することにより、現像ローラの外周面と感光体ドラムの外周面を安定的に当接させる構成が提案されている。
【0004】
一方、特許文献2では、現像剤の補給を目的とするトナー受入口を備え、外部からトナーを補給できるプロセスカートリッジが提案されている。なお、特許文献2のプロセスカートリッジには補給時のトナー漏れを防ぐために、トナー受入口に弾性体からなるシール部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-101165号公報
【文献】特開2014-191325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような押圧手段によって現像ユニットがドラムユニットに押圧される構成において、更に特許文献2のような現像剤の補給を目的とするトナー受入口およびシール部材を含む補給手段を取り入れる構成が考えられる。
【0007】
この場合、受入口に設けられたシール部材が応力を受けたとき、シール部材に弾性変形が発生しうる。シール部材の弾性変形によって、現像ローラの外周面と感光体ドラムの外周面の当接圧が変化する場合があり、感光体ドラムと現像ローラの当接状態が不安定になりやすい可能性がある。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みて、現像剤の補給を可能にすると共に、像担持体と現像剤担持体の当接状態の安定性を向上させたプロセスカートリッジ、現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプロセスカートリッジは、画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、現像剤像を担持する像担持体を備える第1ユニットと、像担持体へ供給される現像剤を担持する現像剤担持体が支持される現像枠体を備える第2ユニットと、前記第1ユニットと前記第2ユニットを結合させる結合部であって、前記現像剤担持体が像担持体と接触する当接する当接位置と現像剤担持体が像担持体と離間する離間位置との間で、結合部を回転中心として第2ユニットが第1ユニットに対して揺動可能である結合部と、を有するプロセスカートリッジであって、現像枠体は、装置本体の供給部と連通した状態で前記供給部から現像剤が補給される補給口と、供給部と前記補給口とに当接し、前記供給部と前記補給口の間で現像剤の漏れを防ぐために供給部と補給口との間の隙間をシールする弾性変形可能なシール部材と、を備え、供給部と補給口とが連通する際に発生する押圧力によって供給部と補給口の間で圧縮されるシール部材の圧縮方向にみたとき、結合部は、シール部材と重なる、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の現像装置は、供給部と像担持体と回転支持部とを備える画像形成装置に用いられる現像装置であって、現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤担持体が支持される現像枠体と、を備え、現像枠体は、現像剤担持体が像担持体と当接する当接位置と現像剤担持体が像担持体と離間する離間位置との間で、回転支持部を回転中心として像担持体に対して揺動可能に回転支持部によって支持され、現像枠体は、画像形成装置の供給部と連通した状態で供給部から現像剤が補給される補給口と、供給部と補給口に当接し、供給部と補給口の間で現像剤の漏れを防ぐために供給部と補給口との間の隙間をシールする弾性変形可能なシール部材と、を備え、供給部と補給口が連通する際に発生する押圧力によって供給部と補給口の間で圧縮されるシール部材の圧縮方向にみたとき、回転支持部は、シール部材と重なる、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、
前記プロセスカートリッジ、もしくは、前記現像装置、のいずれか一つと、
前記供給部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現像剤の補給を可能にすると共に、像担持体と現像剤担持体の当接状態の安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)本発明の実施例に係る画像形成装置に使用されるプロセスカートリッジの側面概念図;(b)補給口近傍の要部の拡大概念図;(c)は(a)に示す方向Mに沿って見た時のシール部材と結合部の位置関係を示す概念図
【
図2】本発明の実施例に係る画像形成装置の断面概念図
【
図3】(a)本発明の実施例のプロセスカートリッジの断面概念図;(b)現像剤担持体と像担持体における当接状態(当接位置)および離間状態(離間位置)を示す概念図
【
図4】本発明の実施例のプロセスカートリッジの非駆動側(上方から見た)斜視概念図
【
図5】本発明の実施例のプロセスカートリッジの駆動側(上方から見た)斜視概念図
【
図6】本発明の実施例のプロセスカートリッジにおける、結合部による結合前の駆動側(上方から見た)斜視概念図
【
図7】本発明の実施例に係る画像形成装置に使用されるトナーカートリッジの断面概念図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」と称する場合がある)、若しくは、画像形成装置の一部を構成するプロセスカートリッジ、現像装置のいずれかの形態としても実施可能である。
【0015】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して説明する。
【0016】
なお、以下に説明する実施例は、例示的に本発明を説明するものであって、以下に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置関係などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれに限定するものではない。
【0017】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0018】
また、画像形成装置に使用される現像装置は、少なくとも現像手段を有するものである。また、現像装置をカートリッジ化して電子写真画像形成装置の本体に着脱可能である。また、現像装置は、現像装置の枠体に対して着脱可能であり現像装置へトナーを補給可能なトナーカートリッジを備えてもよい。
【0019】
また、画像形成装置の一部を構成するプロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置の本体に対して着脱可能とするものである。また、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置の本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置の本体に着脱可能とするものである。なお、プロセスカートリッジを画像形成装置に固定して使用することも可能である。
【0020】
(実施例)
<画像形成装置100の全体構成>
まず、本実施例に係る画像形成装置100の全体構成について
図2、及び
図3を用いて説明する。
【0021】
図2は、本発明の実施例に係る画像形成装置の断面概念図である。
【0022】
図3(a)は、本発明の実施例のプロセスカートリッジの断面概念図である。
図3(b)は、現像剤担持体と像担持体における当接状態(当接位置)および離間状態(離間位置)を示す概念図である。
【0023】
なお、
図2には、使用時において、本実施例に係る画像形成装置100、プロセスカートリッジ1、及びトナーカートリッジ13の縦方向の断面が示されている。また、
図3には、プロセスカートリッジ1の長手方向と直交する断面が示されている。
【0024】
本実施例において、プロセスカートリッジ1、及び、トナーカートリッジ13は画像形成装置100の装置本体に対して着脱自在となっている。また、着脱方向は、プロセスカートリッジまたはトナーカートリッジの長手方向に沿う方向である。
【0025】
本実施例では、第1~4の画像形成部の構成と動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。したがって、以下において、特に区別を必要としない場合は、添え字であるY~Kを省略して総括的に説明する。
【0026】
第1~第4のプロセスカートリッジ1は水平方向に並んで配置されている。各プロセスカートリッジ1は、クリーニングユニット4(第1ユニット)と現像ユニット6(第2ユニット)から形成される。クリーニングユニット4は像担持体としての感光体ドラム7と、感光体ドラム7の表面を均一に帯電する帯電手段としての帯電ローラ8、及び、クリーニング手段としてのクリーニングブレード10を有する。現像ユニット6は、現像ローラ11(現像剤担持体)と現像剤T(以下、トナー)を収容し、感光体ドラム7上に静電潜像を現像する現像手段を有する。クリーニングユニット4と現像ユニット6は、互いに搖動可能に支持されている。なお、第1~第4のプロセスカートリッジ1(Y、M、C、K)は、現像ユニット6内にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーをそれぞれ収容している。
【0027】
プロセスカートリッジ1は、画像形成装置100に設けられた装着ガイド(不図示)、位置決め部材(不図示)などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能になっている。また、プロセスカートリッジ1の下方には静電潜像を形成するためのスキャナユニット12が配置されている。さらに、画像形成性装置においてプロセスカートリッジ1より後方(プロセスカートリッジ1の着脱方向下流側)に廃トナー搬送ユニット23が配置されている。
【0028】
第1~第4のトナーカートリッジ13は、各プロセスカートリッジ1に収容されるトナーの色と対応した順序で、プロセスカートリッジ1の下方にそれぞれ水平方向に並んで配置されている。即ち、第1~第4のトナーカートリッジ13(Y、M、C、K)は、イエロー(Y)マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナーをそれぞれ収納している。そして、各トナーカートリッジ13は、同色のトナーを収容したプロセスカートリッジ1にトナーを補給する。
【0029】
トナーカートリッジ13の補給動作は、画像形成装置100の装置本体に設けられた残量検知部(不図示)が、プロセスカートリッジ1内のトナー残量不足を検知した際に行われる。トナーカートリッジ13は、画像形成装置100に設けられた装着ガイド(不図示)、位置決め部材(不図示)などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能になっている。なお、プロセスカートリッジ1、トナーカートリッジ13の詳細説明は後述する。
【0030】
トナーカートリッジ13の下方には、第1~第4のトナー搬送装置14が各トナーカートリッジ13に対応して配置される。各トナー搬送装置14は各トナーカートリッジ13から受け取ったトナーを上方に搬送し、各現像ユニット6にトナーを供給する。
【0031】
プロセスカートリッジ1の上方には、中間転写体としての中間転写ユニット19が設けられている。中間転写ユニット19は、一次転写部S1側を下方にして略水平に配置されている。各感光体ドラム7に対向する中間転写ベルト18は、回転可能な無端状のベルトであり、複数の張架ローラに張架されている。
【0032】
中間転写ベルト18の内面には、一次転写部材として一次転写ローラ20が中間転写ベルト18を介して各感光体ドラム7と一次転写部S1を形成する位置にそれぞれ配置されている。また、二次転写部材である二次転写ローラ21は、中間転写ベルト18に接触し、中間転写ベルト18を介して対向側のローラと二次転写部S2を形成している。さらに、
図1に示す左右方向(二次転写部S2と中間転写ベルトが張架される方向)において、二次転写部S2と反対側に中間転写ベルトクリーニングユニット22が配置される。
【0033】
中間転写ユニット19のさらに上方には、定着ユニット25が配置されている。定着ユニットは加熱ユニット26と、加熱ユニットに圧接する加圧ローラ27とで構成される。
【0034】
また、装置本体の上面は、排出トレイ32が配設されており、排出トレイ32と中間転写ユニットの間に廃トナー回収容器24が配設されている。さらに、装置本体の最下部には記録材3を収容するための給紙トレイ2が配設されている。
【0035】
<画像形成プロセス>
次に、画像形成装置100における画像形成動作について、
図2、及び
図3を用いて説明する。
【0036】
画像形成時には、感光体ドラム7は
図3(a)の矢印A方向に所定の速度で回転駆動される。中間転写ベルト18は、矢印Bの方向(感光体ドラム7の回転に順方向)に回転駆動される。
【0037】
まず、感光体ドラム7の表面が帯電ローラ8によって一様に帯電される。次に、スキャナユニット12から照射されたレーザー光によって感光体ドラム7の表面が走査露光されることで、感光体ドラム7上に画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
【0038】
感光体ドラム7上に形成された静電潜像は、現像ユニット6によってトナー像として現像される。このとき、現像ユニット6は画像形成装置100本体に設けられた現像加圧ユニット(不図示)によって加圧されている。そして、感光体ドラム7上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ20によって中間転写ベルト18上に一次転写される。
【0039】
例えば、フルカラー画像の形成時には、第1~4の一次転写部である画像形成部S1Y~S1Kにおいて上述したプロセスが順次に行われることで、中間転写ベルト18上に各色のトナー像が順次に重ね合わされる。
【0040】
一方、給紙トレイ2に収容されている記録材3は、所定の制御タイミングで給送され、中間転写ベルト18の移動と同期して二次転写部S2へと搬送される。そして、記録材3を介して中間転写ベルト18に当接している二次転写ローラ21によって、中間転写ベルト18上の4色トナー像は一括して記録材3上に二次転写される。
【0041】
その後、トナー像が転写された記録材3は定着ユニット25に搬送される。定着ユニット25において記録材3が加熱・加圧されることで記録材3にトナー像が定着する。その後、定着済の記録材3が排出トレイ32に搬送されることで画像形成動作が完了する。
【0042】
また、一次転写工程後に感光体ドラム7上に残留した一次転写残トナー(廃トナー)は、クリーニングブレード10によって除去される。二次転写工程後に中間転写ベルト18上に残留した二次転写残トナー(廃トナー)は、中間転写ベルトクリーニングユニット22によって除去される。
【0043】
クリーニングブレード10、及び、中間転写ベルトクリーニングユニット22によって除去された廃トナーは、装置本体に設けられる廃トナー搬送ユニット23によって搬送され、廃トナー回収容器24に蓄積される。なお、画像形成装置100は、所望の単独またはいくつか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色またはマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
【0044】
<プロセスカートリッジ>
次に、本実施例に係る画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ1の全体構成について
図4~
図6を用いて説明する。
【0045】
図4は、本発明の実施例のプロセスカートリッジの非駆動側(上方から見た)斜視概念図である。また、
図5は、本発明の実施例のプロセスカートリッジの駆動側(上方から見た)斜視概念図である。
図6は、本発明の実施例のプロセスカートリッジにおける、結合部による結合前の駆動側(上方から見た)斜視概念図である。
【0046】
具体的には、
図4には、前方(プロセスカートリッジ着脱方向における上流側)から見たときのプロセスカートリッジ1の斜視図を示す。また、
図5には、後方(プロセスカートリッジ着脱方向における下流側)から見たときのプロセスカートリッジ1の斜視図を示す。
【0047】
プロセスカートリッジ1は、クリーニングユニット4と現像ユニット6から形成される。クリーニングユニット4は、クリーニングユニット4内の各種部材を支持するクリーニング枠体5を有する。
【0048】
また、クリーニングユニット4内には、感光体ドラム7、帯電ローラ8、クリーニングブレード10の他に、感光体ドラム7の回転軸線方向に平行な方向に延びる廃トナース搬送クリュー15を有する。
【0049】
クリーニング枠体5には、感光体ドラム7を回転可能に支持し、感光体ドラムから廃トナー搬送スクリュー15に駆動を伝達するためのクリーニングギア列を備えるクリーニング軸受33が、クリーニングユニット4の長手両端に配設されている。
【0050】
クリーニングユニット4に設けられる帯電ローラは、感光体ドラム7に向かって帯電ローラ加圧ばね(不図示)で矢印C方向に付勢されている。帯電ローラは感光体ドラムに対して従動するように設けられ、感光体ドラム7が画像形成時に矢印A方向に回転駆動されると、矢印Dの方向(感光体ドラム7の回転に順方向)に回転する。
【0051】
クリーニングユニット4に設けられるクリーニングブレード10は、一次転写後に感光体ドラム7の表面に残った転写残トナー(廃トナー)を除去するための弾性部材10aと、弾性部材10aを支持するための支持部材10bとから構成されている。
【0052】
クリーニングブレード10によって感光体ドラム7の表面から除去された廃トナーは、クリーニングブレード10とクリーニング枠体5により形成される廃トナー収容室9に収容される。廃トナー収容室9に収容された廃トナーは、廃トナー収容室9内に設置される廃トナー搬送スクリュー15によって画像形成装置100の後方(プロセスカートリッジ1の着脱方向下流側)に向かって搬送される。搬送された廃トナーは、廃トナー排出部35から排出され、画像形成装置100の廃トナー搬送ユニット23へと受け渡される。
【0053】
現像ユニット6は、現像ユニット6内の各種部材を支持する現像枠体16を有する。現像枠体16は、現像ローラ11と供給ローラ17とが内部に設けられる現像室16aと、トナーが収容され、撹拌部材29が内部に設けられるトナー収納室16b(現像剤収容室)とに分けられる。
【0054】
現像室16aには、現像ローラ11、供給ローラ17、現像ブレード28が設けられている。現像ローラ11は、トナーを担持しており、画像形成時は矢印E方向に回転し、感光体ドラム7と接触することで感光体ドラム7にトナーを搬送する。
【0055】
また、現像ローラ11は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部において現像軸受ユニット34によって回転可能に現像枠体16に支持されている。供給ローラ17は現像ローラ11と接触しつつ回転可能に現像軸受ユニット34によって回転可能に現像枠体16に支持されており、画像形成時は矢印F方向に回転する。さらに、現像ローラ11上に形成されるトナー層の厚みを規制する、層厚規制部材としての現像ブレード28が、現像ローラ11の表面に当接するように配置されている。
【0056】
トナー収納室16bには、収納されたトナーTを撹拌するとともに、現像室連通口16cを介して供給ローラ17へトナーを搬送するための撹拌部材29が設けられている。撹拌部材29は、現像ローラ11の回転軸線方向に平行な回転軸29aと、可撓性を有するシートである搬送部材としての撹拌シート29bとを有する。撹拌シート29bの一端が回転軸29aに取り付けられ、撹拌シート29bの他端が自由端となっており、回転軸29aが回転して撹拌シート29bが矢印G方向に回転することで、撹拌シート29bによってトナーが撹拌される。
【0057】
現像ユニット6は、現像室16aとトナー収納室16bとを連通する現像室連通口16cを有する。本実施例では、現像ユニット6が通常使用される姿勢(使用時の姿勢)において、現像室16aは、トナー収納室16bの上方に位置している。撹拌部材29によって汲み上げられたトナー収納室16b内のトナーは、現像室連通口16cを通って現像室16aに供給される。
【0058】
さらに、現像ユニット6には、着脱方向(即ち、長手方向A1)の一端側の端部101にトナー受入口40(補給口)が設けられる(
図5)。トナー受入口40は、鉛直方向A2の上方へ開口するように設けられている。
【0059】
トナー受入口40の上部には、受入口シール部材45(シール部材)と、プロセスカートリッジ1の着脱前後方向に移動可能なトナー受入口シャッタ41が配置されている。受入口シール部材45は、ポリエステル等からなる繊維部材45aとスポンジ等からなる弾性部材45bから構成され、トナー受入口40に両面テープ等の固定手段により固定されている。
【0060】
トナー受入口40は、プロセスカートリッジ1が画像形成装置100に装着されていない場合は受入口シャッタ41によって閉じられている。受入口シャッタ41は、プロセスカートリッジ1の着脱動作に連動し、画像形成装置100に付勢されて開く構成となっている。
【0061】
プロセスカートリッジが画像形成装置100に装着されると、受入口シール部材45は装置本体のトナー供給口と当接し、
図5中W方向(圧縮方向)に圧縮される。即ち、トナー供給口141からの押圧力F1によって受入口シール部材45が圧縮されることで発生する弾性力により、受入口シール部材45とトナー供給口は密閉され、トナー受入口40部周囲のトナー飛散を防ぐことができる。
【0062】
後述するトナーカートリッジ13から排出されたトナーは、画像形成装置100内に設けられたトナー搬送経路(不図示)内を搬送され、トナー受入口40を介して、プロセスカートリッジ1に供給される。
【0063】
また、
図3(a)に示すように、現像ユニット6にはトナー受入口40に連通して受入搬送路42が設けられ、内部には受入搬送スクリュー43が配置されている。さらに、現像ユニット6の長手中央付近にはトナー収納室16bへトナーを供給するための収納室連通口44が設けられ、受入搬送路42とトナー収納室16bを連通している。受入搬送スクリューは現像ローラ11や供給ローラ17の回転軸線方向と平行に延びており、トナー受入口40から受け入れたトナーを、収納室連通口44を介してトナー収納室16bに搬送するよう構成されている。
【0064】
以上に説明したように、現像ユニット6及びクリーニングユニット4は、互いに揺動可能に結合される。より具体的には、
図6に示すように、現像軸受ユニット34、クリーニング枠体5の長手方向両端部には穴部34a,5aがそれぞれ設けられ、回転支持ピン30(結合部)を介して結合される(長手方向片側のみ図示)。
【0065】
これにより、現像軸受ユニット34は、回転支持ピン30の中心軸30c(以下、第一の回転軸と記す)を軸線(回転中心30c1)としてクリーニングユニット4に対して揺動可能に支持されている。
【0066】
即ち、本実施例では、プロセスカートリッジ1は、
図3(b)に示すように、現像ローラ11は、感光体ドラム7に当接する位置(P1)と、感光体ドラム7から離間した位置(P2)とに移動可能である。つまり、当接位置P1(当接状態)に比べ、離間位置P2(離間状態)では、感光体ドラムの中心C1から現像ローラの中心C2が離れる方向に移動される。
【0067】
<トナーカートリッジ>
次に
図7を用いて本実施例に係るトナーカートリッジ13について説明する。
図7は、本発明の実施例に係る画像形成装置に使用されるトナーカートリッジの断面概念図である。
【0068】
トナーカートリッジ13は、トナーカートリッジ13内の各種部材を支持する補給枠体50と、内部にトナーを収納する補給トナー収納室51を備える。補給トナー収納室51内には、補給トナー撹拌部材53、補給トナー搬送スクリュー54が設けられている。
【0069】
補給トナー撹拌部材53は、トナーカートリッジ13の長手方向に平行に配置され、回転可能に補給枠体50に支持されている。また、補給トナー撹拌部材53は、回転軸部53aと,可撓性を有するシートで構成された補給撹拌搬送シート53bを有する。回転軸部53aが回転し、補給撹拌搬送シート53bが回転することで、トナーが補給搬送スクリュー54に搬送される。
【0070】
補給トナー搬送スクリュー54は、補給トナー撹拌部材53の回転軸線に平行に配置され、補給枠体50に回転可能に支持されている。補給トナー搬送スクリュー54は回転することで、補給トナー収納室51内のトナーを前方から後方(トナーカートリッジ着脱方向において上流から下流側)に搬送する。搬送されたトナーは補給トナー搬送スクリュー54の下流側に設けられたトナー排出口から画像形成装置100内のトナー搬送経路内に排出される。前述したように、画像形成装置100内のトナー搬送経路内に排出されたトナーは、
図5に示すトナー受入口40を介して現像ユニット6内に補給される。
【0071】
<受入口シール部材と第一の回転軸の位置関係>
次に
図1を用いて、本発明の特徴である受入口シール部材45と第一の回転軸30cの位置関係について説明する。
【0072】
図1(a)は、本発明の実施例に係る画像形成装置に使用されるプロセスカートリッジの側面概念図である。また、
図1(b)は、補給口近傍の要部拡大概念図である。
図1(c)は、(a)に示す方向Mに沿って見た時のシール部材と結合部の位置関係を示す概念図である。
【0073】
まず、前述したように、本実施例のプロセスカートリッジ1は、感光体ドラム7を備えるクリーニングユニット4と、現像ローラ11が支持される現像枠体16を備える現像ユニット6と、を備えている。
【0074】
また、クリーニングユニット4と現像ユニット6は、回転支持ピン30によって揺動可能に結合され、回転支持ピン30を回転中心30c1として現像ユニット6がクリーニングユニット4に対して揺動可能に構成される。
【0075】
そして、現像枠体16には、画像形成装置100の供給部141(
図1(b)を参照する)と接続可能なトナー受入口40を備える。トナー受入口40には、供給部141とトナー受入口40の間でトナーの漏れをシールする弾性変形可能な受入口シール部材45が備えられている。
【0076】
また、長手方向A1と直交する断面(
図3(a)を参照する)において、供給部141とトナー受入口40が接続する際、押圧力F1(
図1(b)を参照する)が発生する。押圧力F1によって供給部とトナー受入口の間で圧縮される受入口シール部材45の圧縮方向Wに沿ってみたとき、回転中心30c1は、受入口シール部材45と重なる位置45Sに配置されている。
【0077】
なお、本実施例では、プロセスカートリッジ1を画像形成装置の装置本体に装着した状態で、受入口40は、供給部141により鉛直方向の下方(W方向)への押圧力F1を受けている。
【0078】
より具体的には、現像ユニット6は回転支持ピン30の回りをクリーニングユニット4に対して揺動可能に支持されている。また、現像軸受ユニット34には、被押圧部34bが設けられ、画像形成時には、画像形成装置100に設けられた押圧手段(99)により、
図1(a)中H方向に押圧されるよう構成されている。ここで、
図1(a)は長手方向の片側のみを図示してあるが、他端側も同様に構成されている。これにより、現像ユニット6には、第一の回転軸30cまわりに矢印K方向のモーメントが作用し、現像ローラ11が感光体ドラムに対して所定の侵入量をもって当接することが可能となる。
【0079】
なお、本実施例では、使用時の姿勢において、長手方向A1からみたとき、回転中心(30c1)を通る垂線(C4)を基準とした場合、被押圧部34bが一方側(C5)に位置され、感光体ドラム7が他方側(C6)に位置される。
【0080】
また、前述したように、プロセスカートリッジ1を画像形成装置本体100に装着すると、トナー受入口40に設けられた受入口シール部材45は、画像形成装置本体100内に設けられたトナー供給口に当接し、図中M方向に押圧されるよう構成されている。
【0081】
本実施例では、
図1(c)に示すように、受入口シール部材45と回転支持ピン30の位置関係は、受入口シール部材の圧縮方向Wに沿ってみたとき、受入口シール部材45の領域内を第一の回転軸30cが通るようになる。即ち、圧縮方向Wに沿ってみたとき、シール部材45と回転中心30c1が重なる位置45Sに配置されている。
【0082】
これにより、受入口シール部材45が画像形成装置100のトナー供給口141(供給部)から受ける押圧力F1による第一の回転軸30c周りのモーメントは、
図1(c)中の第一の回転軸30cを境界として逆方向になる。つまり、
図1(c)において、第一の回転軸30cより左側の領域であるS1領域では、
図1(a)中K方向、第一の回転軸30cの右側の領域であるS2領域では、
図1(a)中N方向にモーメントが発生する。よって、S1、S2領域に発生するモーメントは互いに相殺され、第一の回転軸30cまわりに発生するモーメントを小さくすることができる。
【0083】
言い換えると、受入口シール部材45を第1の回転軸30cの直上に配置することにより、受入口シール部材45が受ける押圧力F1に起因する現像ローラ11が感光体ドラム7に押圧される押圧力F2に対する影響を小さくなるようにすることができる。
【0084】
これは、部品のばらつき等によって、受入口シール部材45の弾性力や、位置が変化した場合においても同様であり、前述の画像形成装置本体100の押圧手段99により、現像ローラ11を安定して感光体ドラム7に押圧させることが可能となる。
【0085】
また、プロセスカートリッジ1を使用している間に、受入口シール部材45にトナーが介在し、受入口シール部材45の弾性力が変化した場合においても、現像ローラ11を安定して感光体ドラム7に押圧することができる。
【0086】
なお、本実施例において、トナー受入口40及び受入口シール部材45は、第一の回転軸30cを中心とした、半径L1(回転半径)の円形の領域(C3)内に設けた(
図1(a))。ここで、
図1(a)に示すように、L1とは、第一の回転軸30c、及び被押圧部34bを第一の回転軸30cと直交する平面に投影した際の距離である。
【0087】
また、本実施例では、画像形成装置本体からの押圧力を受ける被押圧部34bよりも、受入口シール部材45が第一の回転軸30cに近い位置に配置されている。これにより、受入口シール部材45が受ける押圧力による現像ローラ11の感光体ドラム7への押圧力に対する影響を小さくなるようにすることができる。
【0088】
以上に説明した通り、本実施例のプロセスカートリッジによれば、受入口シール部材の弾性力や取り付け位置等がばらついた際にも、現像ローラ11を安定的に感光体ドラムへ押圧することができ、良好な画像を得ることができる。
【0089】
本発明の構成を以下のように纏めることができる。
【0090】
(1)本発明のプロセスカートリッジ(1)は、
現像剤像を担持する像担持体(7)を備える第1ユニット(4)と、
像担持体(7)へ供給される現像剤を担持する現像剤担持体(11)が支持される現像枠体(16)を備える第2ユニット(6)と、
第1ユニット(4)と第2ユニット(6)を結合させる結合部(30)であって、結合部を回転中心(30c1)として第2ユニット(6)が第1ユニット(4)に対して揺動可能である結合部(30)と、を有する。
【0091】
現像枠体(16)は、
画像形成装置(100)の供給部(141)と接続した状態で供給部から現像剤が補給される補給口(40)と、
補給口(40)に取り付けられ、供給部(141)と補給口の間で現像剤の漏れをシールする弾性変形可能なシール部材(45)と、を備える。
【0092】
長手方向(A1)と直交する断面において、
供給部(141)と補給口(40)が接続する際に発生する押圧力(F1)によって供給部と補給口の間で圧縮されるシール部材(45)の圧縮方向(W)に沿ってみたとき、回転中心(30c1)は、シール部材(45)と重なる位置(45S)に配置される。
【0093】
これにより、現像剤の補給を可能にすると共に、像担持体と現像剤担持体の当接状態の安定性を向上させることができる。
【0094】
(2)本発明のプロセスカートリッジでは、
使用時の姿勢において、補給口(40)を、鉛直方向(A2)の上方へ開口するように設け、
結合部(30)を、補給口(40)よりも鉛直方向(A2)の下方に位置する、ように構成してもよい。
【0095】
(3)本発明のプロセスカートリッジでは、
現像剤担持体(11)を、像担持体(7)に当接する第1位置(P1)と像担持体(7)から離間する第2位置(P2)とに移動可能に構成し、
現像枠体(16)を、現像剤担持体(11)が第2位置(P2)から第1位置(P1)へ移動するように、装置本体(100A)から当接される被当接部(34b)を備えることができる。
【0096】
また、使用時の姿勢において、被当接部(34b)を、補給口(40)よりも鉛直方向(A2)の上方に位置する、ように構成してもよい。
【0097】
(4)本発明のプロセスカートリッジでは、
補給口(40)およびシール部材(45)を、回転中心(30c1)を中心し、回転中心から被当接部(34b)までの距離を回転半径(L1)とする円形領域(C3)の内側に位置する、ように構成してもよい。
【0098】
(5)本発明のプロセスカートリッジでは、
使用時の姿勢において、長手方向(A1)からみたとき、回転中心(30c1)を通る垂線(C4)を基準とした場合、被押圧部(34b)と像担持体(7)を、互いに異なる側(C5,C6)に位置する、ように構成してもよい。
【0099】
(6)本発明のプロセスカートリッジでは、
現像枠体(16)は、
現像剤担持体(11)を収容する現像室(16a)と、使用時の姿勢における現像室の下方に位置し現像剤を収容する現像剤収容室(16b)と、を備え、
補給口(40)を、現像剤収容室(16b)と連通するように現像枠体(16)に設けるようにしてもよい。
【0100】
(7)本発明のプロセスカートリッジでは、
使用時の姿勢において、長手方向(A1)からみたとき、結合部(30)を、補給口(40)の直下に位置するように配置してもよい。
【0101】
(8)本発明のプロセスカートリッジでは、
補給口(40)を、長手方向(A1)において、現像枠体(16)の一方側の端部(1601)に設けてもよい。
【0102】
(9)本発明のプロセスカートリッジでは、
現像剤を、一成分の非磁性現像剤とするようにしてもよい。
【0103】
(10)本発明のプロセスカートリッジでは、
プロセスカートリッジ(1)を、画像形成装置(100)の装置本体(100A)に対して着脱可能とするようにしてもよい。
【0104】
(11)本発明の現像装置(6)は、
現像剤を担持する現像剤担持体(11)と、
現像剤担持体(11)が支持される現像枠体(16)と、
を備え、像担持体(7)を備えるユニット(4)と結合したとき、ユニット(4)に対して揺動可能である。
【0105】
現像枠体(16)は、
画像形成装置(100)の供給部(141)と接続した状態で供給部から現像剤が補給される補給口(40)と、
補給口(40)に取り付けられ、供給部(141)と補給口(40)の間で現像剤の漏れをシールする弾性変形可能なシール部材(45)と、を備える。
【0106】
長手方向(A1)と直交する断面において、
供給部(141)と補給口(40)が接続する際に発生する押圧力(F1)によって供給部と補給口の間で圧縮されるシール部材(45)の圧縮方向(W)に沿ってみたとき、
ユニット(4)に対して揺動する際の回転中心(30c1)は、シール部材(45)と重なる位置に配置される。
【0107】
(12)本発明の現像装置では、
現像装置(6)およびユニット(4)を、それぞれ画像形成装置(100)の装置本体(100A)に対して着脱可能とするようにしてもよい。
【0108】
(13)本発明の画像形成装置(100)は、
前記プロセスカートリッジ(1)、もしくは、前記現像装置(4)、のいずれか一つと、
供給部(141)と、を備える。
【符号の説明】
【0109】
1 プロセスカートリッジ
4 クリーニングユニット(第1ユニット)
6 現像ユニット(第2ユニット)
7 感光体ドラム(像担持体)
11 現像ローラ(現像剤担持体)
16 現像枠体
30 回転支持ピン(結合部)
30c1 回転中心
40 トナー受入口(補給口)
45 受入口シール部材(シール部材)
45S 重なる位置
100 画像形成装置
141 供給部
A1 長手方向
F1 押圧力
W 圧縮方向