(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】液体吐出ヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
B41J2/01 301
(21)【出願番号】P 2019192819
(22)【出願日】2019-10-23
【審査請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】小土井 拓真
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-200948(JP,A)
【文献】特開2013-176881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子を備える素子基板と、
前記素子基板を駆動するための信号を前記素子基板に伝達する電気配線基板と、
前記素子基板と前記電気配線基板とを電気的に接続するフレキシブル配線基板と、
を有する液体吐出ヘッドにおいて、
前記電気配線基板には第1のコネクタが設けられており、
前記フレキシブル配線基板には前記第1のコネクタに着脱可能な第2のコネクタが設けられており、
前記フレキシブル配線基板と前記電気配線基板は、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが互いに篏合することにより接続されて
おり、
前記フレキシブル配線基板は、前記フレキシブル配線基板の第1の面が内側となるように曲げられており、
前記第2のコネクタは、前記フレキシブル配線基板の前記第1の面の裏面である第2の面に設けられており、
前記フレキシブル配線基板の前記第1の面であって、前記第2のコネクタが設けられている位置の反対側の位置に当接する当接部を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記第2のコネクタは、前記フレキシブル配線基板の前記電気配線基板側の端部から全長の5分の1の位置までの位置に設けられている請求項
1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第2のコネクタは、前記フレキシブル配線基板の前記電気配線基板側の端部から全長の7分の1の位置までの位置に設けられている請求項
1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記第2のコネクタは、前記フレキシブル配線基板の前記電気配線基板側の端部から全長の9分の1の位置までの位置に設けられている請求項
1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記電気配線基板を支持し、前記第1の面に面する支持筐体を有し、
前記第1のコネクタまたは第2のコネクタのうちオスの方のコネクタの篏合ストロークをS、前記フレキシブル配線基板の前記第1の面と前記支持筐体との距離をT、とするとき、S>Tを満たす請求項1ないし
4のいずれか1項に液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記フレキシブル配線基板は、複数回曲げられている請求項
1ないし
5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記フレキシブル配線基板は、同じ方向に複数回曲げられている請求項
6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの接続部を覆うカバー部材を有する請求項1ないし
7のいずれか1項の記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記電気配線基板を支持する
複数の支持筐体を有し、前記電気配線基板は前記複数の支持筐体の間に配されている請求項1ないし
8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記液体吐出ヘッドは、被記録媒体の幅に対応したページワイド型ヘッドである請求項1ないし
9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
吐出口から液体を吐出して記録を行う液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口を有する素子基板を備え、素子基板を駆動するための電力や信号が電気配線基板から素子基板に供給される。特許文献1に記載の構成のように、一般に、電気配線基板と素子基板はフレキシブル配線基板を介して電気的に接続され、電力や信号が素子基板に供給される。フレキシブル配線基板と電気配線基板との接続は、所謂ワイヤーボンディングにより行われる。また、素子基板とフレキシブル配線基板との電気接続もワイヤーボンディングにより行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ワイヤーボンディングによる接続方法は、加熱されたワイヤーを直接、電気接続箇所に付着させるため、再接続可能な状態でその電気接続を解除することが困難である。そのため、例えば、一つの素子基板のみに不具合が生じる場合や、一か所だけワイヤーボンディングによる電気接続が適当に行われなかった場合においても、その不具合の箇所のみを交換することができず、液体吐出ヘッド全体を処分しなければならなかった。特に、紙等の被記録媒体の幅に対応した、所謂ページワイド型ヘッドの場合には、多数の素子基板を備え、電気接続箇所も多数あるため、不具合が生じる場合が多かった。
【0005】
上記課題を鑑み、本発明は、フレキシブル配線基板と電気配線基板との電気接続を、着脱可能な状態で行うことができる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち本発明は、吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子を備える素子基板と、前記素子基板を駆動するための信号を前記素子基板に伝達する電気配線基板と、前記素子基板と前記電気配線基板とを電気的に接続するフレキシブル配線基板と、を有する液体吐出ヘッドにおいて、前記電気配線基板には第1のコネクタが設けられており、前記フレキシブル配線基板には前記第1のコネクタに着脱可能な第2のコネクタが設けられており、前記フレキシブル配線基板と前記電気配線基板は、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが互いに篏合することにより接続されており、前記フレキシブル配線基板は、前記フレキシブル配線基板の第1の面が内側となるように曲げられており、前記第2のコネクタは、前記フレキシブル配線基板の前記第1の面の裏面である第2の面に設けられており、前記フレキシブル配線基板の前記第1の面であって、前記第2のコネクタが設けられている位置の反対側の位置に当接する当接部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フレキシブル配線基板と電気配線基板との電気接続を、着脱可能な状態で行うことができる液体吐出ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】吐出モジュールおよび電気配線基板を示す概略図。
【
図5】第2の実施形態における
図1(c)に示すA-A´断面の概略図。
【
図6】他の実施形態の液体吐出ヘッドの斜視図および断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態の例を説明する。以下の説明においては、液体を吐出して記録を行う液体吐出ヘッドとして、インクを吐出して記録を行うインクジェットプリンターに搭載される液体吐出ヘッドを例に、説明を行う。
【0010】
(第1の実施形態)
(液体吐出ヘッド)
液体吐出ヘッドについて、
図1および
図2を参照しながら説明する。
図1(a)は、液体吐出ヘッド2の斜視図である。
図1(b)は、
図1(a)に示す液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
図1(c)は、保護板金22を取り外して液体吐出ヘッド2を見た斜視図である。
図2(a)は、
図1(c)に示す破線で囲った部分である吐出モジュール56を示す概略図である。
図2(b)は、電気配線基板21を示す概略図である。液体吐出ヘッド2は、紙等の被記録媒体1に対して1パスで記録を行うことができる、所謂ページワイド型ヘッドである。液体吐出ヘッド2は、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)インクによるフルカラー印刷が可能である。
【0011】
液体吐出ヘッド2は、主に、素子基板14と、電気配線基板21と、フレキシブル配線基板17と、集積回路基板11と、から構成されている。素子基板14は、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子(不図示)を有しており、エネルギー発生素子を駆動することにより吐出口6(
図2(a))から液体を被記録媒体1に吐出する。電気配線基板21は、エネルギー発生素子を駆動するための電力と液体の吐出を制御する信号とを素子基板14に伝達しており、複数の電気部品が搭載されている。フレキシブル配線基板17は、素子基板14と電気配線基板21とを電気的に接続するために、素子基板14と電気配線基板21のそれぞれと接続されている。集積回路基板11は、吐出を制御する信号を電気配線基板21に伝達するための集積回路素子10を搭載し、信号の送信などを行っている。また、液体吐出ヘッド2には、集積回路基板11を保護するための保護板金12や保護板金13、電気配線基板21を保護するための保護板金22が取り付けられている。電気配線基板21は、固定部材55を用いて電気配線基板支持筐体54(以下、支持筐体54と称す。)に固定されている。
【0012】
吐出モジュール56は、
図2に示すように、素子基板14とフレキシブル配線基板17とから構成される。素子基板14とフレキシブル配線基板17とは、ワイヤー(不図示)を用いたワイヤーボンディングにより接続されている。
図2(s)においては、素子基板14とフレキシブル配線基板17との電気接続部が熱硬化性樹脂57により封止されているため、ワイヤーは図示されていない。
【0013】
電気配線基板21には、オスまたはメスの第1のコネクタ50が設けられている。フレキシブル配線基板17には、第1のコネクタ50と対(第1のコネクタ50がオスの場合にはメス)になり、第1のコネクタ50に着脱可能な第2のコネクタ51が設けられている。この第1のコネクタ50と第2のコネクタ51とが互いに篏合することにより、フレキシブル配線基板17と電気配線基板21とが電気的に接続される。
【0014】
(電気接続)
フレキシブル配線基板17と電気配線基板21との電気接続について、
図3および
図4を参照しながら説明する。
図3は、
図1(c)に示すA-A´断面の概略図である。前述したように、従来は、フレキシブル配線基板17と電気配線基板21とをワイヤーボンディングにより接続していた。したがって、電気接続箇所を再度電気接続可能な状態で容易に取り外すことが困難であった。
【0015】
そこで、本発明においては、上述したように、電気配線基板21に第1のコネクタ50を、フレキシブル配線基板17に第2のコネクタ51をそれぞれ設ける。そして、第1のコネクタ50と第2のコネクタ51とを篏合することにより、両部材の電気接続を行う。これにより、電気接続した後に電気検査等により素子基板14(吐出モジュール56)に不具合が生じていることが判明しても、その不具合が生じている吐出モジュール56のみを再度電気接続可能な状態で電気配線基板21から取り外すことができる。したがって、その後、新たな素子基板(吐出モジュール)を電気配線基板21に取り付けることができる。不具合が生じた部品のみを交換することができるため、液体吐出ヘッドの製造コストを抑えることが可能となる。フレキシブル配線基板17の配線ピッチは狭ピッチであるため、使用するコネクタは狭ピッチに対応するものが好ましい。具体的には、例えばパナソニック製のP4Sシールドタイプ(0.4mmピッチ)を使用することができる。素子基板14の吐出口は、インクの固着等によりインクを吐出することが困難となる場合がある。したがって、例えば、電気配線基板21に搭載された各種部品よりも素子基板14は不具合となる場合が多い。このため、素子基板14と接合されているフレキシブル配線基板17と電気配線基板21のそれぞれにコネクタを設け、容易に吐出モジュール56を取り外すことができるようにした。特に、ページワイド型の液体吐出ヘッドは、搭載する素子基板14の数が多い分、不具合となる素子基板14も生じやすいため、本発明の効果がより発揮される。
【0016】
また、従来は、ワイヤーボンディングによる電気配線基板21とフレキシブル配線基板17との接続箇所を封止する封止部材を硬化させるために、数時間にわたって100度以上の温度を電気配線基板21にかけていた。この熱による影響が電気配線基板21に及ぶことを避けるため、電気配線基板21等の電気部品には高温耐性のある部品を使用せざるを得なかった。しかしながら、上述したように、本発明においては、フレキシブル配線基板17と電気配線基板21との接続をコネクタにより行っているので、電気接続箇所を封止する封止部材を使用しなくて済むようになった。したがって、本発明によれば、高温耐性のある部品を使用しなくてもよいため、電気配線基板21等の部品の選択の自由度が高まり、液体吐出ヘッド2の製造のコストダウンにも寄与することができる。
【0017】
また、本実施形態においては、吐出口から液体(インク)を吐出する際に発生するインクミストがコネクタの電気接続の箇所に付着することを抑制するため、フレキシブル配線基板17を覆うようにカバー部材58を設けている。ここでは、板金形状のカバー部材58を示している。
【0018】
図4(a)は、第2のコネクタ51を示す概略図である。
図4(b)は、メスの第1のコネクタ50とオスの第2のコネクタ51とが篏合している様子を示す概略図である。オスの第2のコネクタ51には電極15が複数設けられており、この電極15がメスの第1のコネクタ50に挿入されることにより、第1のコネクタ50と第2のコネクタ51の電気接続が行われる。第2のコネクタ51の篏合ストローク(第1のコネクタ50内部に挿入される部分)の長さをS、フレキシブル配線基板17の第1の面3(内側に曲げられる側の面)と支持筐体54との距離をT、とする。このとき、S>Tの関係になっていることが、コネクタ間の接続の安定性を確保する観点からより好ましい。第2のコネクタ51に+Y方向の何らかの力が加わって第2のコネクタ51が第1のコネクタ50から外れようとする場合であっても、S>Tを満たすことにより、第2のコネクタ51が完全に外れる前に、第2のコネクタ51が支持筐体54に接触する。これにより、第2のコネクタ51が第1のコネクタ50から外れることを抑制することができる。また、フレキシブル配線基板17と支持筐体54との間に隙間がなく(T=0)、フレキシブル配線基板17が支持筐体54に当接している構成であっても、同様の効果が得られる。
【0019】
(フレキシブル配線基板の曲げ)
フレキシブル配線基板17の曲げについて、
図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、フレキシブル配線基板17は、電気配線基板21側の面(第2の面)4の裏面(第1の面)3が内側となるように、ほぼ直角に曲げられている。そして、このように曲げられたフレキシブル配線基板17の第1の面3に第2のコネクタ51が取り付けられている。曲げられたフレキシブル配線基板17には、元の形状に戻ろうとする力(復元力)が生じるため、第2のコネクタ51が取り付けられている側の端部は、-Y方向に動こうとする。
【0020】
第1のコネクタ50と第2のコネクタ51との接続は、第2のコネクタ51を第1のコネクタ50に押圧して第1のコネクタ50と篏合させることにより行われている。即ち、コネクタの接続方向(-Y方向)とフレキシブル配線基板17が元に戻ろうとする方向(-Y方向)が同じである。このため、コネクタ間の接続が安定し、例えば、液体吐出ヘッド2の組み立て過程においてコネクタ間の接続が外れることを抑制することができる。したがって、フレキシブル配線基板17に設けられる第2のコネクタ51は、復元しようとする方向に面する面(第2の面)に設けることが好ましい。
【0021】
図2(b)に示した電気配線基板21の第1のコネクタ50以外の部品は、電気配線基板21の両面のうちどちらの面に搭載してもよい。しかしながら、部品実装の工程であるリフローを簡略化するために、第1のコネクタ50が搭載されている同一面に全て載せた方が効率やコストの面でより好ましい。また、各種部品が支持筐体54側と向きあう側の面にあると、記録により生じるインクミストが部品に付着することも抑制することができる。
【0022】
曲げられたフレキシブル配線基板17の復元力による第2のコネクタ51を第1のコネクタ50に篏合させるようとする力(モーメント)は、フレキシブル配線基板17の曲げの箇所から遠い位置ほど強い。したがって、フレキシブル配線基板17に設けられる第2のコネクタ51は、電気配線基板側の端部7からフレキシブル配線基板17の全長の5分の1の位置までの間に設けられていることがより好ましい。さらには、電気配線基板側の端部7からフレキシブル配線基板17の全長の7分の1の位置までの間に第2のコネクタ51が設けられていることが、コネクタ同士の接合をより安定させるために好ましい。より好ましくは、電気配線基板側の端部7からフレキシブル配線基板17の全長の9分の1の位置までの間に第2のコネクタ51を設ける。
【0023】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について、
図5を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の箇所については同一の符号を付し、説明は省略する。
図5は、
図1(c)に示すA-A´断面の本実施形態における概略図である。本実施形態においては、フレキシブル配線基板17の第1の面3であって第2のコネクタ51が設けられている位置の反対側の位置に当接し、第2のコネクタ51を電気配線基板21側に押圧するコネクタ押さえ部(当接部)53を支持筐体54に設けている。コネクタ押さえ部53を設けることにより、コネクタ押さえ部53が第2のコネクタ51を-Y方向に押圧し、第1のコネクタ50と第2のコネクタ51とが外れることをより抑制することができる。
【0024】
コネクタ押さえ部53の材質は、ある程度軟質なものであって絶縁体であるものが好ましい。コネクタによる接続箇所が複数ある液体吐出ヘッド2においては、それぞれのコネクタの取り付け位置(場所)が製造誤差などにより多少ばらつくため、コネクタ間の接触力が取り付け位置によって異なる。そのため、コネクタ押さえ部53の材質を軟質とすることにより、取り付け位置によっては接触力が強い箇所においても接触力をコネクタ押さえ部53で和らげることができ、コネクタやフレキシブル配線基板の損傷を抑制することができる。
【0025】
(他の実施形態)
他の実施形態について、
図6ないし
図8を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の箇所については同一の符号を付し、説明は省略する。
図6(a)は、他の実施形態の一つの液体吐出ヘッド5を示す斜視図である。
図6(b)は、
図6(a)に示すB面における断面図である。液体吐出ヘッド5は、1つの素子基板14に複数(2つ)のフレキシブル配線基板17が取り付けられている。本発明は、このように1つの素子基板14に複数のフレキシブル配線基板17が取り付けられ、そのそれぞれのフレキシブル配線基板17に設けた第2のコネクタ51と、電気配線基板21に設けた第1のコネクタ50とを篏合して接続してもよい。
【0026】
図7は、
図6に示す液体吐出ヘッドとは異なる他の実施形態の液体吐出ヘッドの断面図である。
図7に示す液体吐出ヘッドにおいては、支持筐体54を複数有し、電気配線基板21が支持筐体54の内側に配置されている。電気配線基板21が内側に配されることで、電気接続部へのインクミストの侵入を更に抑制することができる。
【0027】
図8は、
図6および
図7に示す液体吐出ヘッドとは異なる他の実施形態の液体吐出ヘッドの断面図である。
図8に示す液体吐出ヘッドのフレキシブル配線基板18は、2回曲げられている。1つ目の曲げの箇所は、素子基板14とフレキシブル配線基板18との接続部の近傍8である。2つ目の曲げの箇所は、支持筐体54の近傍9である。このように、本発明は、フレキシブル配線基板が複数回曲げられていてもよい。フレキシブル配線基板を複数回曲げて電気接続することにより、任意の箇所に電気接続箇所を設定することができる。なお、複数回曲げられる方向は、同じ方向に(同じ面が内側となるように)曲げられていることがより好ましい。同じ方向に複数回曲げられることにより、フレキシブル配線基板が元の形状に戻ろうとする力がより強くなり、コネクタ間の接続がより安定する。
【符号の説明】
【0028】
2 液体吐出ヘッド
14 素子基板
17 フレキシブル配線基板
21 電気配線基板
50 第1のコネクタ
51 第2のコネクタ