(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ドライヤー
(51)【国際特許分類】
A45D 20/12 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A45D20/12 H
A45D20/12 G
A45D20/12 B
A45D20/12 D
A45D20/12 K
A45D20/12 F
(21)【出願番号】P 2019182280
(22)【出願日】2019-10-02
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西山 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】小原 浩志
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2007-0022320(KR,A)
【文献】実開平04-010804(JP,U)
【文献】韓国登録実用新案第20-0367467(KR,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0016558(US,A1)
【文献】特開平10-132192(JP,A)
【文献】実開昭62-184806(JP,U)
【文献】実開平04-021306(JP,U)
【文献】特開2017-159059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 20/00-20/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部(1)は、吹出し口(14)と吸込み口(15)とを備えるドライヤー本体(5)と、ドライヤー本体(5)の内部に設けられた送風ファン(6)、同ファン(6)を駆動するモーター(7)、および送風ファン(6)から送給される乾燥風を加熱する熱源(8)とを含み、
本体部(1)の吸込み口(15)に吸風部(3)を備えており、
吸風部(3)が、ドライヤー本体(5)の吸込み口(15)に装着される筒状の吸気体(37)と、吸気体(37)に着脱可能に装着されるスタンド(38)で構成されており、
吸気体(37)は装着される側とは反対側の端部が開口しており、
吸気体(37)の筒壁には、吸気体開口(50)が形成されており、
ドライヤー本体(5)に装着した吸気体(37)を、スタンド(38)の上部の連結筒壁(55)に嵌係合することにより、ドライヤー本体(5)および吸気体(37)がスタンド(38)で起立姿勢に支持されており、
スタンド(38)の連結筒壁(55)に、吸気体(37)の吸気体開口(50)とスタンド内空間を連通するスタンド開口(48)が形成されており、
スタンド(38)が、載置面に載置される筒状のスタンド外壁(44)と、スタンド外壁(44)で支持される筒状のスタンド内壁(45)とを備えており、
スタンド外壁(44)の周囲壁には、スタンド外壁(44)の上縁から下縁にわたって開口する外開口(46)が設けられており、
スタンド内壁(45)の周囲壁には、スタンド内壁(45)の上縁から下縁にわたって開口する内開口(49)が設けられており、
モーター(7)および熱源(8)に駆動電流を供給する給電コード(57)が、スタンド内壁(45)の内部に外開口(46)と内開口(49)とを介して出し入れ可能に構成されていることを特徴とするドライヤー。
【請求項2】
スタンド外壁(44)がベルマウス状の裾拡がり筒壁で形成されており、
スタンド外壁(44)の周囲複数個所に縁開口(47)が形成されて、外開口(46)と縁開口(47)の間、および隣接する縁開口(47)の間にスタンド脚(53)が形成されている請求項1に記載のドライヤー。
【請求項3】
ドライヤー本体(5)から導出される給電コード(57)の導出基端が、コードアーマー(58)で覆われており、
コードアーマー(58)の自由端が、スタンド(38)のスタンド脚(53)の自由端より内側に位置している請求項
2に記載のドライヤー。
【請求項4】
コードアーマー(58)の自由端が、吸気体(37)の入口開口縁より外側に位置する状態で突出されている請求項
3に記載のドライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、載置面上に載置したスタンドで、ドライヤー本体を起立姿勢に支持できるようにしたドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のドライヤーは、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1のドライヤー(ヘアードライヤ)は、丸筒状の本体の内部に送風ファンとモーターと熱源(ヒーター)とが配置されており、本体下部の空気取入口から吸い込んだ外部空気を、送風ファンで本体上部の送風口に向って送給する。送風口にはドーム状の整風器が装着されており、整風器によって乾燥風の吹出し方向を90度変向できる。このヘアードライヤは、本体下部を化粧台などに載置した状態で、整風器から乾燥風を横向きに吹出して髪を乾燥することができる。また、従来のヘアードライヤと同様に、本体を片手で持って送風口あるいは整風器から吹出される乾燥風で髪を乾燥することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のヘアードライヤは、本体下部を化粧台などに載置した状態で髪を乾燥することができるとともに、従来のヘアードライヤと同様に、本体を片手で持って髪を乾燥することができる。しかし、本体を片手で持って使用する場合、ドライヤー本体の載置面側の構造部分も含めて連れ持つことになるため全体重量が増加することになり操作性に影響がでるものとなる。
【0005】
本発明の目的は、載置面上に載置したスタンドを残したままで、ドライヤー本体を片手で持って使用できるドライヤーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドライヤーは、本体部1が、吹出し口14と吸込み口15とを備えるドライヤー本体5と、ドライヤー本体5の内部に設けられた送風ファン6、同ファン6を駆動するモーター7、および送風ファン6から送給される乾燥風を加熱する熱源8とを含む。本体部1の吸込み口15に吸風部3を備えている。吸風部3が、ドライヤー本体5の吸込み口15に装着される吸気体37と、吸気体37に着脱可能に装着されるスタンド38で構成されている。載置面上に載置したスタンド38で、ドライヤー本体5および吸気体37が起立姿勢に支持される。
【0007】
スタンド38は、載置面に載置される筒状のスタンド外壁44と、スタンド外壁44で支持される筒状のスタンド内壁45とを備えている。スタンド外壁44の周囲壁には、スタンド外壁44の上縁から下縁にわたって開口する外開口46が設けられている。スタンド内壁45の周囲壁には、スタンド内壁45の上縁から下縁にわたって開口する内開口49が設けられている。モーター7および熱源8に駆動電流を供給する給電コード57は、スタンド内壁45の内部に外開口46と内開口49を介して出し入れ可能に構成されている。
【0008】
スタンド外壁44はベルマウス状の裾拡がり筒壁で形成されている。スタンド外壁44の周囲複数個所に縁開口47が形成されて、外開口46と縁開口47の間、および隣接する縁開口47の間にスタンド脚53が形成されている。
【0009】
筒状に形成した吸気体37の筒壁に、外部空気の通過を許す吸気体開口50が形成されている。
【0010】
ドライヤー本体5に装着した吸気体37を、スタンド38の上部の連結筒壁55に嵌係合することにより、ドライヤー本体5および吸気体37がスタンド38で起立姿勢に支持されている。スタンド38の連結筒壁55に、吸気体37の吸気体開口50とスタンド内空間を連通するスタンド開口48が形成されている。
【0011】
ドライヤー本体5から導出される給電コード57の導出基端が、コードアーマー58で覆われている。コードアーマー58の自由端がスタンド38のスタンド脚53の自由端より内側に位置している。
【0012】
コードアーマー58は、吸気体37の入口開口縁より外側に位置する状態で突出されている。
【0013】
スタンド38の外面にグリップハンドル63が設けられている。
【0014】
スタンド38の外面にハンドルホルダー62が立設されており、ハンドルホルダー62にグリップハンドル63が装着されている。
【0015】
グリップハンドル63はハンドルホルダー62に対して、連結構造を介して折畳み可能に連結されている。不使用時のグリップハンドル63をハンドルホルダー62に沿ってスタンド脚53側に折畳み収納できる。
【0016】
コードアーマー58の自由端が、縁開口47の奥側縁より外側に位置している。
【0017】
ドライヤー本体5とスタンド38の間に、両者5・38の連結状態を維持するロック構造が設けられている。ロック構造は、両者5・38の連結を維持するロック状態と、両者5・38の連結を解除するロック解除状態に切換え可能であって、ロック解除状態においてドライヤー本体5をスタンド38で起立支持できる。
【0018】
ドライヤー本体5の周面に、モーター7および熱源8の作動状態を切換えるスイッチ11・12が設けられている。グリップハンドル63は、前記スイッチ11・12の配置位置以外のドライヤー本体5の周面に位置している。
【0019】
グリップハンドル63はドライヤー本体5の側面に配置されている。電源スイッチ11と切換スイッチ12は、ドライヤー本体5の周面のうち、グリップハンドル63と同じ側面側の4半円部に配置されている。
【0020】
ドライヤー本体5の周面に、モーター7および熱源8の作動状態を切換える電源スイッチ11と、切換スイッチ12が設けられている。グリップハンドル63は、電源スイッチ11と切換スイッチ12の間に配置されている。
【0021】
ハンドルホルダー62に沿って折畳み収納したグリップハンドル63が、スタンド脚53と共に載置面で支持されている。
【0022】
連結構造はハンドルホルダー62で、ドライヤー使用位置と、グリップハンドル63が折畳まれて載置面で支持されるスタンド使用位置との間でスライド可能に支持されている。
【発明の効果】
【0023】
ドライヤー本体5の吸込み口15に装着される吸気体37と、吸気体37に装着されるスタンド38とで吸風部3を構成し、載置面上に載置したスタンド38で、ドライヤー本体5および吸気体37を起立姿勢に支持できるようにした。こうしたドライヤーによれば、スタンド38を化粧台などの載置面に載置して、ドライヤー本体5および吸気リング37を起立姿勢に支持し、吹出し口14から乾燥風を吹出して、ハンズフリー形態で髪を乾燥することができる。また、ドライヤー本体5の吸込み口15に吸気体37を装着し、さらに吸気体37にスタンド38を装着して吸風部3を構成するので、吸込み口15を吸気体37とスタンド38で保護できるうえ、吸気体37とスタンド38の分だけ吸込み口15を載置面から遠ざけて、異物が吸込み口15に吸込まれるのをよく防止できる。さらに、載置面上に載置したスタンドを残したままで、ドライヤー本体を片手で持って使用できるので、スタンドがない分だけ重量が軽くなり、操作性が向上する。
【0024】
スタンド38は、筒状のスタンド外壁44と、スタンド外壁44で支持される筒状のスタンド内壁45を備えるようにした。そのうえで、スタンド外壁44の周囲壁に、スタンド外壁44の上下縁にわたって開口する外開口46を設けるようにした。また、スタンド内壁45の周囲壁には、スタンド内壁45の上下縁にわたって開口する内開口49を設けるようにした。こうしたドライヤーによれば、外開口46と内開口49を介して給電コード57をスタンド内壁45の内部に出し入れできるので、ドライヤー本体5のスタンド38に対する着脱を、簡便かつ容易に行える。
【0025】
スタンド外壁44をベルマウス状の裾拡がり筒壁で形成し、スタンド外壁44の周囲複数個所に縁開口47を形成するようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5をスタンド38で起立姿勢に支持して、ハンズフリー形態で髪を乾燥するような場合に、スタンド外壁44の周囲の空気を載置面に沿って縁開口47からも吸込み、ベルマウス状のスタンド外壁44で吸込み口15に向って効率良く流動案内することができる。また、スタンド外壁44をベルマウス状の裾拡がり筒壁で形成し、さらに外開口46と縁開口47の間、および隣接する縁開口47の間にスタンド脚53を形成したので、スタンド外壁44を載置面に対して安定した状態で載置できる。従って、ハンズフリー形態においてドライヤー本体5が外力を受けて倒込むのをよく防止できる。
【0026】
吸気体37の筒壁に外部空気の通過を許す吸気体開口50を形成した。こうしたドライヤーによれば、吸気体37が装着された状態のドライヤー本体5を片手で持って髪の乾燥を行うような場合に、吸気体37の開口部分から周囲の空気を吸い込むのと同時に、吸気体37の吸気体開口50からも外部空気を吸込むことができるので、その分だけ送風ファン6の吸風効率を向上できる。
【0027】
ドライヤー本体5に装着した吸気体37を、スタンド38の連結筒壁55に嵌係合して、ドライヤー本体5をスタンド38で起立姿勢に支持するようにした。また、スタンド38の連結筒壁55に、吸気体37の吸気体開口50とスタンド内空間を連通するスタンド開口48を形成するようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5をスタンド38で起立姿勢に支持して、ハンズフリー形態で髪を乾燥するような場合に、各開口46~50から外部空気を吸込むことができるので、その分だけ送風ファン6の吸風効率を向上できる。
【0028】
ドライヤー本体5から導出される給電コード57の導出基端を、コードアーマー58で覆うようにした。また、コードアーマー58の自由端が、スタンド38のスタンド脚53の自由端より内側に位置させるようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5をスタンド38で起立姿勢に支持した状態において、コードアーマー58の下端が載置面に接触するのを防止して、スタンド38で支持したドライヤー本体5を常に安定した状態で起立支持できる。また、コードアーマー58の下端とスタンド38の載置面の間に隙間ができるので、コードアーマー58から導出された給電コード57を先の隙間部分で屈曲させて、載置面に沿ってスタンド38の外へ導出できる。
【0029】
コードアーマー58の自由端が、吸気体37の入口開口縁より外側に位置する状態で突出させるようにした。こうしたドライヤーによれば、吸気体37が装着された状態のドライヤー本体5を片手で持って髪の乾燥を行うような場合に、コードアーマー58から導出された給電コード57が吸気体37の入口開口縁に当たって屈曲するのを防止できる。また、給電コード57に作用する外力をコードアーマー58が弾性変形することで吸収できるので、全体としてドライヤーを使用するときの給電コード57の断線をよく防止できる。
【0030】
スタンド38の外面にグリップハンドル63を設けるようにした。こうしたドライヤーによれば、片手でグリップハンドル63を握った状態で、乾燥風を髪に向かって送給できる。例えば、ドライヤー本体5を往復揺動操作して風向きを小刻みに変化させながら乾燥風を送給するなど、従来のグリップ付きのドライヤーと同様の使用形態で楽に使用することができる。
【0031】
スタンド38の外面にハンドルホルダー62を立設し、ハンドルホルダー62にグリップハンドル63を装着するようにした。こうしたドライヤーによれば、片手でグリップハンドル63を握った状態で乾燥風を髪に向かって送給するとき、ドライヤー本体5をハンドルホルダー62で安定した状態の下に支持できる。また、ハンドルホルダー62がスタンド38と協同して、ドライヤー本体5をバランスよく支持できる。さらに、ドライヤー本体5をスタンド38に連結するとき、ハンドルホルダー62でドライヤー本体5を案内できるので、ドライヤー本体5とスタンド38の連結作業をより的確に、しかも簡便に行える。
【0032】
グリップハンドル63はハンドルホルダー62に対して、連結構造を介して折畳み可能に連結し、不使用時のグリップハンドル63をハンドルホルダー62に沿ってスタンド脚53側に折畳み収納できるようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5をスタンド38で起立姿勢に支持した状態において、グリップハンドル63を下向きに折畳み収納することにより、ドライヤー本体5およびスタンド38の合成された重心位置を低くして、ドライヤー本体5の支持をさらに安定した状態で行うことができる。
【0033】
コードアーマー58の自由端を縁開口47の奥側縁より外側に位置させるようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5を片手で持って髪の乾燥を行うような場合に、コードアーマー58から導出された給電コード57が、縁開口47の奥側縁に当たって屈曲するのを防止して、ドライヤーを使用するときの給電コード57の断線をよく防止できる。
【0034】
ドライヤー本体5とスタンド38の間に、両者5・38の連結を維持するロック状態と、両者5・38の連結を解除するロック解除状態に切換え可能なロック構造を設け、ロック解除状態においてドライヤー本体5をスタンド38で起立支持できるようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5を手で持って乾燥作業を行う場合に、単にドライヤー本体5をスタンド38に載置するだけで、ドライヤー本体5をスタンド38で一時的に起立支持できる。また、スタンド38で起立支持されているドライヤー本体5を握り持つだけで、ドライヤー本体5をスタンド38から分離して、即座に乾燥作業を行うことができる。さらに、ドライヤー本体5をスタンド38に装着してロックした状態では、スタンド38ごとドライヤー本体5を握り持って、髪の乾燥を行える。例えば、スタンド38にグリップハンドルが設けてあれば、ハンドルを握って使用することにより、後頭部側の髪の乾燥を、楽な姿勢で行うことができる。加えてスタンド38自体が静音構造の一部を構成している場合には、静音効果を向上できるなど、機能を向上したドライヤーを構成できる。
【0035】
ドライヤー本体5の周面に、モーター7および熱源8の作動状態を切換えるスイッチ11・12を設け、これらスイッチ11・12の配置位置以外のドライヤー本体5の周面にグリップハンドル63を位置させるようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5をスタンド38で起立支持した状態と、ドライヤー本体5を片手で握り持った状態のいずれの場合でも、スイッチ11・12をオン・オフ操作するだけでドライヤーの運転状態を容易に切換えることができ、とくにグリップハンドル63を握り持った状態のままで各スイッチ11・12を容易にオン・オフ操作できる。
【0036】
グリップハンドル63はドライヤー本体5の側面に配置した。また、電源スイッチ11と切換スイッチ12は、ドライヤー本体5の周面のうち、グリップハンドル63と同じ側面側の4半円部に配置するようにした。こうしたドライヤーによれば、グリップハンドル63を握った状態のままで各スイッチ11・12をオン・オフ操作できるので、ドライヤーの運転状態の切換えを容易化して、操作性を向上できる。
【0037】
ドライヤー本体5の周面に電源スイッチ11と切換スイッチ12を設け、これら両スイッチ11・12の間にグリップハンドル63を配置するようにした。こうしたドライヤーによれば、グリップハンドル63の一側に電源スイッチ11が位置し、他側に切換スイッチ12が位置することになるので、グリップハンドル63を握った状態で各スイッチ11・12をオン・オフ操作するとき、オン・オフ操作すべきスイッチ11・12を間違える余地がなく、ドライヤーの運転状態の切換えをさらに容易化して、操作性を向上できる。
【0038】
ハンドルホルダー62に沿って折畳み収納したグリップハンドル63が、スタンド脚53と共に載置面で支持されるようにした。こうしたドライヤーによれば、スタンド38で起立支持したドライヤー本体5を、グリップハンドル63とスタンド38が協同して支持するので、ドライヤー本体5をより安定した状態で化粧台などに載置できる。
【0039】
連結構造はハンドルホルダー62で、ドライヤー使用位置と、グリップハンドル63が折畳まれて載置面で支持されるスタンド使用位置との間でスライド可能に支持されるようにした。こうしたドライヤーによれば、グリップハンドル63を握ってドライヤーを使用するときと、グリップハンドル63を載置面に載置してドライヤー本体5を起立支持する状態とで、グリップハンドル63の位置を変更できる。従って、スタンド使用位置においては、スタンド38で起立支持したドライヤー本体5を、より安定した状態で化粧台などに載置でき、ドライヤー使用位置においてはドライヤー本体5をバランスよく支持して、ドライヤーの使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の実施例1に係るドライヤーの吹出部構造を示す縦断側面図である。
【
図2】実施例1に係るドライヤーの使用例を示す正面図である。
【
図3】実施例1に係るドライヤーの分解側面図である。
【
図4】実施例1に係るドライヤーの吹出部構造を示す分解斜視図である。
【
図7】実施例1に係るドライヤーの吸風部の構造を示す縦断正面図である。
【
図8】実施例1に係るドライヤーのスタンドを示す斜視図である。
【
図10】実施例2に係るドライヤーの分解正面図である。
【
図11】実施例2に係るドライヤーの使用例を示す側面図である。
【
図12】実施例2に係るドライヤーの正面図である。
【
図13】実施例2に係るドライヤー本体の連結構造を示す横断平面図である。
【
図14】実施例3に係るドライヤーの使用例を示す正面図である。
【
図15】実施例4に係るドライヤーの分解正面図である。
【
図16】実施例4に係るドライヤーのロック構造を示す正面図である。
【
図17】実施例5に係るドライヤーの送風調整構造を示す正面図である。
【
図19】実施例6に係るドライヤーの送風調整構造を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
(実施例1)
図1から
図9に本発明に係るドライヤーの実施例1を示す。本発明における
前後、左右、上下とは、
図2、
図3に示す交差矢印と、各交差矢印の近傍に表記した前後
、左右、上下の表示に従う。
図2および
図3において、ドライヤーは縦長丸筒状の本体部
1と、本体部1の上端に装着される吹出し部2と、本体部1の下端に装着される吸風部3
を備えている。本体部1は、上下端が開口する丸筒状のドライヤー本体5と、ドライヤー
本体5の内部の下側から順に配置される送風ファン6と、同ファン6を駆動するモーター
7と、送風ファン6から送給される乾燥風を加熱するヒーター(熱源)8と、イオン発生
用の放電電極9などで構成される。
【0042】
ドライヤー本体5の前面には、下側から順に電源スイッチ(スイッチ)11と、運転モ
ードの切換スイッチ(スイッチ)12と、運転モードに応じた発光表示を行う表示灯13
とが設けられている。電源スイッチ11は、商用電源からの電力の供給をオン・オフする
スイッチであって、同スイッチ11をオン操作した状態では、制御部で記憶したオフ前の
運転モードが起動される。切換スイッチ12は、モーター駆動(出力大)のみの冷風モー
ドと、モーター駆動(出力小)、ヒーター駆動(出力小)の弱温風モードと、モーター駆
動(出力大)、ヒーター駆動(出力大)の強温風モードに切換えることができ、電源スイ
ッチ11をオンした状態で切換えることができる。吹出し部2はドライヤー本体5の上端
の吹出し口14に装着され、吸風部3はドライヤー本体5の下端の吸込み口15に装着さ
れている。吹出し口14は、ドライヤー本体5に固定した吹出しリング16に設けられて
おり、吹出しリング16で前後に分割形成されたドライヤー本体5を分離不能に保持固定
している。図示していないが、吹出しリング16の内部には吹出しグリルが設けられてい
る。
【0043】
(吹出し部の構造)
図1ないし
図4において吹出し部2は、吹出し口14に外嵌装着される丸筒状のノズル
台19と、ノズル台19で支持される変向ノズル20と、ノズル台19の上開口を塞ぐ台
カバー21と、ノズル台19と変向ノズル20の装着部の間に設けた送風調整構造とで構
成されている。変向ノズル20はノズル内壁22と、ノズル内壁22の外面の周囲を覆う
ノズル外壁23で多重壁状に構成されており、ノズル台19を通過した乾燥風の送給方向
をノズル内壁22で前端のノズル吹出し口24へ向かって変向案内する。ノズル内壁22
はその下面側と前面側とが開口している。ノズル台19は上下面と前面が開口する筒体か
らなり、その内面下部に設けた係合リブ25を、吹出し口14の周囲に設けた連結筒26
の係合段部に係合することにより、吹出し部2の全体がドライヤー本体5に対して着脱自
在に装着される。なお、吹出し部2は本体部1に対して着脱自在に装着する必要はなく、
本体部1に対して一体的に固定してあってもよい。また、ノズル台19はドライヤー本体
5と一体化してあってもよい。
【0044】
ノズル内壁22の縦断側面形状は、概ね垂直の入口壁22aと、概ね水平の吹出し口壁
22cと、これら両壁22a・22cの間に形成される後突湾曲状の変向壁22bとでエ
ルボ状に形成される。各壁22a~22cの左右には、ノズル吹出し口24と正対する側
から見て上すぼまり状の変向側壁22dが滑らかに連続する状態で形成される(
図5参照
)。
図6に示すように、左右の変向側壁22dに連続する変向壁22bの横断面形状は後
突湾曲状に形成されている。ノズル吹出し口24は、ノズル台19に形成される固定開口
27と、変向ノズル20に形成される可動開口28とで構成されている。
【0045】
(送風調整構造)
変向ノズル20のノズル台19に対する連結姿勢を調整して、ノズル吹出し口24から
送給される乾燥風の送給領域と風速をユーザー自身で調整できるようにするために、送風
調整構造を設けている。送風調整構造は、
図1、
図4、及び
図5に示すように、変向ノズ
ル20のノズル外壁23の左右に設けた一対の調整腕31と、ノズル台19の内面上部に
設けた左右一対の係合リブ(固定係合体)32と、調整腕31の外面に設けられて係合リ
ブ32に係脱する上下多段状のリブ溝(可動係合体)33と、調整腕31の上端外面に設
けた半円状のノズル操作部(風調整部)34とで構成されている。ノズル操作部34は、
ノズル吹出し口24における乾燥風の送給中心軸Pと直交するノズル外壁23に設けられ
ている。係合リブ32は調整腕31の外面下部に設けることができ、その場合のリブ溝3
3の一群はノズル台19の内面に形成するとよい。
【0046】
調整腕31は、ノズル外壁23で支持されて内外へ弾性変形することが可能であり、一
対のノズル操作部34を押込み操作したとき、それまで係合リブ32と係合していたリブ
溝33を係合リブ32から分離させて、変向ノズル20のノズル台19に対する連結位置
を上下に調整することができる。変向ノズル20をノズル台19に対して、限界位置まで
押下げ操作した状態においても、ノズル操作部34をノズル台19の外面に露出させるた
めに、係合リブ32の上側のノズル外壁23に半円状の受入凹部35が切欠き形成されて
いる。上記のように、ノズル操作部34は、可動開口28から離れたノズル外壁23に設
けられている。また、変向ノズル20は、送風調整構造でノズル台19に対して上下方向
(軸方向)に出没可能に支持されている。
【0047】
上記の送風調整構造によれば、変向ノズル20をノズル台19に対して、限界位置まで
押下げ操作した状態では、
図5に示すように固定開口27と可動開口28の上下間隔が最
小になる。従って、ノズル吹出し口24の開口面積を最小にして、ノズル吹出し口24か
ら送給される乾燥風の送給領域を狭め、風速を増強し乾燥風をより遠くまで到達させるこ
とができる。逆に、変向ノズル20をノズル台19に対して上向きに抜出し操作した状態
では、
図1に示すように固定開口27と可動開口28の上下間隔を大きくすることができ
る。従って、ノズル吹出し口24の開口面積を増加させて、ノズル吹出し口24から送給
される乾燥風の送給領域を広域に拡大し、風速を低下させて乾燥風の到達距離を小さくし
、乾燥風を髪に緩やかに送給することができる。さらに、リブ溝33が上下多段状に設け
てあるので、狭い送給領域と広い送給領域の間で開口面積を微調整できる。
【0048】
(吸風部の構造)
図2と
図3とは吸風部3と本体部1の関係構造を示し、
図7ないし
図9は吸風部3の詳
細構造を示す。吸風部3は、ドライヤー本体5の吸込み口15に装着固定される吸気リン
グ(吸気体)37と、吸気リング37に着脱可能に装着されるスタンド38とで構成され
ている。吸気リング37は、ドライヤー本体5に連続する上下端が開口する丸筒体からな
り、その筒壁の周面4個所に外部空気の通過を許すスリット状の第5開口(吸気体開口)
50が3段ずつ形成されている。
図7に示すように吸気リング37は、ドライヤー本体5
の下端の連結筒39に外嵌固定されて、吹出しリング16と同様に前後に分割形成された
ドライヤー本体5を分離不能に保持固定している。吸込み口15はフィルター40と吸込
みグリル41で覆われており、吸気リング37はフィルター40および吸込みグリル41
を分離不能に押え保持する固定リングを兼ねている。吸込み口15の中央には、フィルタ
ー40および吸込みグリル41を吸気リング37と協同して固定保持するボス42が設け
られている。吸気リング37は、吸込み口15に着脱自在に装着してあってもよい。
【0049】
スタンド38は、ベルマウス状の裾拡がり筒壁からなるスタンド外壁44と、スタンド
外壁44で支持される筒状のスタンド内壁45とを一体に備えている。スタンド外壁44
の周囲壁の前部には、同外壁44の上縁から下縁にわたって開口する第1開口(外開口)
46が形成され、スタンド外壁44の下縁の周囲3個所には第2開口(縁開口)47が切
欠き形成されている。第1開口46と第2開口47の間、および隣接する第2開口47の
間は載置面で支持されるスタンド脚53になっており、その内面には補強壁54が設けら
れている。スタンド外壁44の上部には、吸気リング37に内嵌連結される連結筒壁55
が設けられており、この筒壁55の左右壁および後壁の3個所に、吸気リング37の第5
開口50とスタンド内空間を連通するスリット状の第3開口(スタンド開口)48が形成
されている。第3開口48と第5開口50は必ずしも必要ではなく省略してあってもよい
。
【0050】
スタンド内壁45は連結筒壁55の内部に形成されて、両者を繋ぐ放射壁56を介して
スタンド外壁44で支持されており、スタンド内壁45の前部には、スタンド内壁45の
上縁から下縁にわたって開口する第4開口(内開口)49が設けられている。
図8に示す
ように、第4開口49とスタンド外壁44の第1開口46は、いずれもスタンド38の前
部分において外部空間と連通しているので、ドライヤーをスタンド38に装着する場合に
は、第1開口46と第4開口49とを介して給電コード57をスタンド内壁45の内部に
装着する。ドライヤー本体5から導出される給電コード57の導出基端は、ドライヤー本
体5の下端に装着したコードアーマー58で覆われている。
図7に示すように、コードア
ーマー58の上端にはフランジ59が形成されており、このフランジ59を先に説明した
ボス42に内嵌し吸込みグリル41で固定保持することにより、コードアーマー58はド
ライヤー本体5に固定されている。コードアーマー58を設けることで、給電コード57
の導出基端が繰返し折曲げられて、早期に断線するのを防止できる。
【0051】
上記のように、スタンド38を含む吸風部3を備えたドライヤーによれば、ドライヤー
本体5に装着した吸気リング37を、スタンド38の上部の連結筒壁55に嵌係合するこ
とにより、ドライヤー本体5および吸気リング37をスタンド38で起立姿勢に支持する
ことができる。但し、ドライヤー本体5をスタンド38で起立姿勢に支持した状態では、
ドライヤー本体5から下向きに突出したコードアーマー58が、スタンド38の載置面に
当たって、スタンド脚53が載置面から浮き離れてしまうおそれがある。
【0052】
ドライヤーが不安定な姿勢のスタンド38で起立姿勢に支持されるのを防ぐために、図
2および
図7に示すように、ドライヤー本体5がスタンド38で起立姿勢に支持された状
態において、コードアーマー58の下端(自由端)をスタンド38のスタンド脚53の下
端(自由端)より上方、つまり、スタンド脚53の下端より内側に位置させて、給電コー
ド57を容易に屈曲変形できるようにしている。給電コード57は、第2開口47や第1
開口46からスタンド38の外へ導出される。また、コードアーマー58を吸気リング3
7の入口開口縁の下方、つまり、コードアーマー58の下端を吸気リング37の入口開口
縁よりも外側に位置する状態で突出させて、ドライヤー本体5をスタンド38から分離し
て片手で持って使用するとき、給電コード57が吸気リング37の入口開口縁と擦れあう
のを防止できるようにしている。コードアーマー58の自由端とは、ドライヤー本体5へ
の固定部と反対側の端部を意味し、スタンド38のスタンド脚53の自由端とは、連結筒
壁55への連結部と反対側の端部を意味している。さらに、コードアーマー58の自由端
を、縁開口47の奥側縁より外側に位置させている。
【0053】
以上のように構成した実施例1のドライヤーは、ドライヤー本体5および吸気リング3
7をスタンド38から取外し、吹出し部2を装着しないままで、ドライヤー本体5を片手
で持って使用する形態と、ドライヤー本体5および吸気リング37をスタンド38から取
外し、吹出し部2が装着されたドライヤー本体5を片手で持って使用する形態と、吸風部
3をドライヤー本体5に装着し、スタンド38を化粧台などに載置して、ドライヤー本体
5および吸気リング37をスタンド38で起立姿勢に支持して使用するハンズフリー形態
の、いずれかの形態で使用することができる。なお、ドライヤー本体5を片手で持って使
用する形態においては、いずれの場合にもドライヤー本体5の吸込み口15に吸気リング
37を装着したままにしておく。
【0054】
実施例1のドライヤーでは、ドライヤー本体5と変向ノズル20の間に送風調整構造を
設けたので、ユーザーが送風調整構造を調整操作することにより、変向ノズル20から送
給される乾燥風の送風領域と風速を調整できる。具体的には、変向ノズル20のノズル台
19に対する連結高さが低位置になるように送風調整構造を調整操作すると、ノズル吹出
し口24の開口面積を小さくして変向ノズル20から送給される乾燥風の送給領域を狭い
領域に限定し、風速を増強し乾燥風をより遠くまで到達させることができる。逆に、変向
ノズル20のノズル台19に対する連結高さを高位置になるように送風調整構造を調整操
作すると、ノズル吹出し口24の開口面積を増加させて、ノズル吹出し口24から送給さ
れる乾燥風の送給領域を広い領域に拡大し、風速を低下させて乾燥風の到達距離を小さく
し、乾燥風を髪に緩やかに送給することができる。従って、実施例1のドライヤーによれ
ば、髪や頭皮の状態、あるいは髪の量の違いなどに応じた髪の乾燥を、多様な乾燥形態で
行うことができる。
【0055】
変向ノズル20はノズル内壁22と、ノズル内壁22の外面の周囲を覆うノズル外壁2
3で多重壁状に構成するようにした。こうした変向ノズル20によれば、温風を吹出しな
がら連続して髪の乾燥を行うような場合に、ノズル内壁22の温度が高くなるのを避けら
れない。しかし、ノズル内壁22の周囲がノズル外壁23で覆われ、さらにノズル内壁2
2の上方が台カバー21で覆われているので、ユーザーの手指が誤って高温のノズル内壁
22に触れて不快感を覚えるのを確実に防止できる。また、台カバー21およびノズル外
壁23とノズル内壁22の間には隙間が介在しているので、隙間に存在する空気の断熱作
用でノズル内壁22の放射熱の伝導を極力避けて、台カバー21およびノズル外壁23が
過熱するのをよく防止できる。
【0056】
(実施例2)
図10ないし
図13に本発明に係るドライヤーの実施例2を示す。この実施
例2では、スタンド38の左側面(外面)にハンドルホルダー62を立設固定し、同ホル
ダー62にドライヤー本体5を支持するグリップハンドル63を装着するようにした。ハ
ンドルホルダー62の内側面には、スタンド38に連結したドライヤー本体5を支持する
受枠64が部分円弧状に凹み形成されており、ハンドルホルダー62の外側面の上部には
ブラケット65が設けられている。グリップハンドル63は、ブラケット65に対してハ
ンドル軸66を介して折畳み可能に連結されており、
図11に示すように、グリップハン
ドル63がハンドルホルダー62に対して直交する使用姿勢と、
図10に示すように、グ
リップハンドル63がハンドルホルダー62に沿ってスタンド脚53側へ向かって下向き
に折畳み収納される不使用姿勢とに姿勢変更することができる。
【0057】
実施例2のドライヤーでは、吹出し部2を45度エルボ状の変向ノズル20で構成して
、変向ノズル20をドライヤー本体5に装着した状態と、変向ノズル20をドライヤー本
体5から分離した状態の二つの手持ち形態で使用できるようにした。また、変向ノズル2
0をドライヤー本体5に装着し、さらにドライヤー本体5をスタンド38で支持したハン
ズフリー形態で使用できるようにした。ドライヤーを手持ち形態で使用する場合には、グ
リップハンドル63を握った状態のままで、電源スイッチ11や切換スイッチ12を操作
できるのが好ましい。そのために、実施例2のドライヤーでは、グリップハンドル63を
右手で握った状態において、電源スイッチ11および切換スイッチ12をドライヤー本体
5の右側面に臨ませて、グリップハンドル63を握った右手の親指で各スイッチ11・1
2を切換え操作できるようにした。
図12に示すように、電源スイッチ11および切換ス
イッチ12は、ドライヤー本体5の右側面から下周面側の約60度の範囲Zに設けてあっ
てもよく、その場合でも各スイッチ11・12がドライヤー本体5の右側面に臨ませてあ
る場合と同様に、グリップハンドル63を握った状態のままで各スイッチ11・12を支
障なく切換え操作することができる。電源スイッチ11および切換スイッチ12はドライ
ヤー本体5の周面のうち、グリップハンドル63と同じ側面側の4半円部、つまり
図12
に符号Qで示す範囲に配置してあればよい。
【0058】
グリップハンドル63を片手で握った状態でドライヤーを使用する場合には、
図11に
示すように、スタンド38および吸風リング37をドライヤー本体5に連結しておく必要
がある。しかし、ドライヤー本体5を往復揺動操作して風向きを小刻みに変化させながら
乾燥風を送給するような場合に、スタンド38と吸風リング37が運動慣性力を受けて分
離し、ドライヤー本体5が落下してしまうおそれがある。こうした不具合を解消するため
に、スタンド38と吸風リング37をバヨネット構造(ロック構造)で連結して、ユーザ
ーの明確な意図がない限り、吸風リング37がスタンド38から分離するのを防止してい
る。
図13においてバヨネット構造は、吸気リング37の筒壁の内面4個所に設けたバヨ
ネット溝69と、スタンド38の連結筒壁55の周面4個所に設けたバヨネット爪70と
、バヨネット爪70をバヨネット溝69に差込み装着するための縦案内溝72などで構成
してある。
【0059】
ドライヤー本体5に装着した吸気リング37をスタンド38に装着する場合には、
図1
0に示すように、ドライヤー本体5の正面と、スタンド38の第1開口46を同じ向きに
して、給電コード57およびコードアーマー58をスタンド内壁45の内部に位置させる
。次に、ドライヤー本体5を平面から見て反時計回転方向へ45度回転させ、バヨネット
爪70を縦案内溝72に差込む。さらに、ドライヤー本体5を平面から見て時計回転方向
へ45度回転させて、バヨネット爪70をバヨネット溝69に係合して溝端まで移動させ
る。図示していないが、バヨネット溝69の溝端寄りには、バヨネット爪70が反時計回
転方向へ回転するのを防ぐ節度突起が設けてあるので、ユーザーの明確な意図がない限り
吸風リング37がスタンド38から分離することはない。以上のように、バヨネット構造
を備えたドライヤーによれば、ドライヤー本体5に連結した吸気リング37とスタンド3
8を、両者37・38の連結を維持するロック状態と、両者37・38の連結を解除する
ロック解除状態とにワンタッチで切換えることができる。吸気リング37をスタンド38
に装着してロックした状態では、スタンド38をドライヤー本体5に装着した状態で使用
できる。また、バヨネット構造をロック解除状態に切換えた状態では、ハンズフリー形態
と、スタンド38から分離したドライヤー本体5を片手で握持って使用する形態のいずれ
でも使用することができる。
【0060】
(実施例3)
図14に本発明に係るドライヤーの実施例3を示す。この実施例3では、実
施例2のドライヤーと同様に、スタンド38に設けたハンドルホルダー62でグリップハ
ンドル63を使用姿勢と不使用姿勢に姿勢変更可能に支持する。さらに、ブラケット65
をハンドルホルダー62に設けた案内溝67で、上下スライド可能に案内支持して、グリ
ップハンドル63を想像線で示す上方のドライヤー使用位置と、実線で示す下方のスタン
ド使用位置の間で姿勢変更できるようにした。
【0061】
グリップハンドル63をスタンド使用位置に切換えた状態では、グリップハンドル63
の下端が化粧台などの載置面で受止められるので、ドライヤー本体5をスタンド38で起
立姿勢に支持して使用するハンズフリー形態において、スタンド38とグリップハンドル
63が協同して、ドライヤー本体5をより安定した状態で起立姿勢に保持できる。なお、
図示していないが、スタンド使用位置に切換えられたグリップハンドル63は、スタンド
姿勢から開く方向の動きを規制できるように節度構造(ロック構造)で位置保持されてい
る。スタンド使用位置に切換えられたグリップハンドル63を節度構造に逆らって開き操
作すると、グリップハンドル63をスタンド使用位置からドライヤー使用姿勢に切換える
ことができ、さらに上方へスライド移動させることでドライヤー使用位置に固定保持でき
る。以上のように、実施例3のドライヤーによれば、ハンドルホルダー62に沿って下向
きに折畳み収納したグリップハンドル63は、スタンド脚53と共にスタンド38の載置
面で支持される。また、グリップハンドル63のブラケット65は、ハンドルホルダー6
2の案内溝67で、上方のドライヤー使用位置と、グリップハンドル63が折畳まれてス
タンド38の載置面で支持される下方のスタンド使用位置との間で上下スライド可能に支
持されている。
【0062】
(実施例4)
図15および
図16に本発明に係るドライヤーの実施例4を示す。この実
施例4では、ドライヤー本体5の内部に収容される熱源をハロゲンランプ8で構成し、同
ランプ8から放射された光をリフレクターで集光投射して、光(赤外線)で髪を加熱乾燥
できるようにした。また、実施例2のドライヤーと同様に、スタンド38に設けたハンド
ルホルダー62でグリップハンドル63を使用姿勢と不使用姿勢に姿勢変更可能に支持し
た。さらに、スタンド38のスタンド内壁45を省略し、ドライヤー本体5の下部に設け
た装着段部72を、スタンド38のスタンド外壁44に嵌め込むことにより、ドライヤー
本体5を起立姿勢に保持できるようにした。装着段部72の横断面はC字状になっており
、ドライヤー本体5の正面で分断されている。第1開口46はスタンド外壁44の上縁か
ら下縁まで同じ幅の直線開口で形成した。さらに、ハンドルホルダー62とドライヤー本
体5の間にロック構造を設けて、ドライヤー本体5とスタンド38が分離するのを規制で
きるようにした。以上のように、吸気リング37は省略することができる。光(赤外線)
で髪を加熱乾燥するドライヤーにおいても、実施例1で説明した吹出し部2を吹出し口1
4に装着して、光および乾燥風を変向案内することができる。その場合には、例えばノズ
ル内壁22やノズル台19の内面に、鏡面状に仕上げられた金属などの反射体を壁面に沿
って配置して、光および乾燥風を変向案内するとよい。
【0063】
実施例4におけるロック構造は、ハンドルホルダー62の上端に設けたロック爪73と
、ドライヤー本体5の周面に凹み形成したロック凹部74とで構成される。ドライヤー本
体5の装着段部72を、スタンド38のスタンド外壁44に嵌め込むと、ハンドルホルダ
ー62が弾性変形した状態で、ロック爪73がドライヤー本体5の周面に対して相対スラ
イドしながらロック凹部74に落ち込み係合し、ドライヤー本体5とスタンド38が分離
するのを規制する。ドライヤー本体5をスタンド38から取外す場合には、ハンドルホル
ダー62を僅かに外向きへ弾性変形させて、ロック爪73とロック凹部74の係合を解除
し、この状態でドライヤー本体5とスタンド38のいずれかを分離操作するとよい。
【0064】
(実施例5)
図17および
図18は本発明に係るドライヤーの実施例5を示す。実施例
5は送風調整構造の変形例を示しており、ノズル台19を周方向へ回転操作することによ
り、ノズル吹出し口24の開口面積を調整し、ノズル吹出し口24から送給される乾燥風
の送給領域、および風速を変更できるようにした。詳しくは、変向ノズル20を吹出し口
14の連結筒26に対して回転不能に連結し、そのノズル吹出し口24を3個の吹出し開
口24aで構成する。また、ノズル台19を変向ノズル20に対して回転は可能に、しか
し、抜外れは不能に連結し、ノズル吹出し口24の外面を覆う筒壁に3個の吹出し開口2
4bを形成する。さらにノズル台19の筒壁の外面に、同台19を回転操作する操作ノブ
75を突設する。ノズル吹出し口24側の吹出し開口24aは実施例1における固定開口
として機能し、ノズル台19側の吹出し開口24bは実施例1における可動開口として機
能する。
【0065】
上記の送風調整構造によれば、操作ノブ75を掴んでノズル台19を回転操作すること
により、変向ノズル20側の吹出し開口24aと、ノズル台19側の吹出し開口24bの
重なり具合を調整して、ノズル吹出し口24から送給される乾燥風の送給領域、および風
速を変更することができる。内外の吹出し開口24a・24bの位相位置が合致している
状態では、ノズル吹出し口24の開口面積が最大になるので、ノズル吹出し口24から送
給される乾燥風の送給領域を広域に拡大し、風速を低下させて乾燥風の到達距離を小さく
し、乾燥風を髪に緩やかに送給することができる。また、変向ノズル20側の吹出し開口
24aがノズル台19の筒壁で覆われるのに従って、ノズル吹出し口24の開口面積が徐
々に小さくなるので、ノズル吹出し口24から送給される乾燥風の送給領域を狭め、風速
を増強し乾燥風をより遠くまで到達させることができる。
【0066】
(実施例6)
図19に本発明に係るドライヤーの実施例6を示す。この実施例6のドラ
イヤーの送風調整構造では、変向ノズル20をノズル台19に対して前後揺動させてノズ
ル吹出し口24の開口面積を調整し、ノズル吹出し口24から送給される乾燥風の送給領
域、および風速を変更できるようにした。詳しくは、ノズル台19にエルボ状の変向壁1
9aを設け、変向ノズル20の左右壁20cの下端を一対の支軸77で前後揺動可能に支
持して、ノズル台19側の固定開口27と変向ノズル20側の可動開口28がノズル吹出
し口24を構成するようにした。変向ノズル20は、ノズル台19の変向壁19aの外面
に沿って往復スライドする湾曲壁20aと、湾曲壁20aの前端に連続する直線壁20b
と、支軸77で軸支される左右壁20cを一体に備えており、湾曲壁20aおよび直線壁
20bの上面がカバー体20dで覆われている。カバー体20dの左右両側には、滑り止
めリブ20eが形成されている。
【0067】
上記の送風調整構造によれば、左右の滑り止めリブ20eに指先をあてがって、変向ノ
ズル20を前後に揺動操作することにより、ノズル吹出し口24の開口面積を大小に調整
することができる。変向ノズル20を
図19に実線で示すように、ノズル台19側の固体
開口27に最も接近させた状態では、ノズル吹出し口24の開口面積を小さくして、変向
ノズル20から送給される乾燥風の送給領域を狭い領域に限定し、風速を増強し乾燥風を
より遠くまで到達させることができる。逆に、変向ノズル20を
図19に想像線で示すよ
うに後傾させると、ノズル吹出し口24の開口面積を増加させて、ノズル吹出し口24か
ら送給される乾燥風の送給領域を広い領域に拡大し、風速を低下させて乾燥風の到達距離
を小さくして、乾燥風を髪に緩やかに送給することができる。
【0068】
(各実施例で説明したドライヤーの作用効果)
上記の各実施例で説明したドライヤーにおいては、ドライヤー本体5の吹出し口14に
乾燥風の送給方向を変向案内する変向ノズル20を設け、ドライヤー本体5と変向ノズル
20の間に、変向ノズル20から送給される乾燥風の送風領域と風速を調整する送風調整
構造を設けるようにした。こうしたドライヤーによれば、送風調整構造を調整操作するこ
とにより、変向ノズル20に設けたノズル吹出し口24の開口面積を大小に調整して、乾
燥風の送給領域および風速をユーザー自身で自由に調整することができる。例えば、ノズ
ル吹出し口24の開口面積が小さくなるように送風調整構造を調整操作した場合には、変
向ノズル20から送給される乾燥風の送給領域を狭い領域に限定し、風速を増強し乾燥風
をより遠くまで到達させることができる。逆に、ノズル吹出し口24の開口面積が大きく
なるように送風調整構造を調整操作した場合には、変向ノズル20から送給される乾燥風
の送給領域を広い領域に拡大し、風速を低下させて乾燥風の到達距離を小さくし、乾燥風
を髪に緩やかに送給することができる。従って、ユーザーの好みや乾燥対象部位の違い等
などに応じて、多様な送風形態で乾燥を行えるドライヤーを提供できる。
【0069】
変向ノズル20は、吹出し口14から送給される乾燥風を変向案内するノズル内壁22
と、ノズル内壁22の外面の周囲を覆う少なくとも1個のノズル外壁23で多重壁状に構
成するようにした。こうしたドライヤーによれば、温風を吹出しながら連続して髪の乾燥
を行うような場合に、ノズル内壁22の温度が高くなったとしても、ノズル内壁22の周
囲がノズル外壁23で覆われているので、手指が誤って高温のノズル内壁22に触れて、
ユーザーに不快感を与えるのを防止できる。
【0070】
ノズル台19に形成される固定開口27と、変向ノズル20に形成される可動開口28
でノズル吹出し口24を構成し、変向ノズル20の姿勢を送風調整構造で調整して、ノズ
ル吹出し口24の開口面積を変化させ、ノズル吹出し口24から送給される乾燥風の送風
領域と風速を調整できるようにした。そのうえで、送風調整構造を調整操作する風調整部
34を、可動開口28から離れたノズル壁に設けるようにした。こうしたドライヤーによ
れば、変向ノズル20の姿勢を調整するだけで、ノズル吹出し口24の開口面積を容易に
、しかも確実に変更することができる。また、風調整部34を可動開口28から離れたノ
ズル壁に設けるので、風調整部34を操作するとき、高温になりやすい可動開口28に指
先が接触するのを防止して、ユーザーに不快感を与えるのを解消できる。
【0071】
ノズル台19と変向ノズル20の間に送風調整構造を設け、送風調整構造を調整操作す
ることで、変向ノズル20がノズル台19に対して出没できるようにした。こうしたドラ
イヤーによれば、調整後の変向ノズル20のノズル台19に対する上下位置の違いから、
ノズル吹出し口24の開口度合いを視覚的に確認することができる。例えば、変向ノズル
20のノズル外壁23がノズル台19から大きく突出している場合には、ノズル吹出し口
24の開口面積が大きいことを直感的に知ることができ、逆に変向ノズル20のノズル外
壁23の殆どの部分がノズル台19に入込んでいる場合には、ノズル吹出し口24の開口
面積が小さいことを直感的に知ることができる。また、変向ノズル20のノズル外壁23
の半分程度がノズル台19から露出していることで、ノズル吹出し口24の開口面積が中
程度であることを把握できる。
【0072】
ノズル内壁22とノズル外壁23を備えた多重壁状の変向ノズル20において、ノズル
外壁23に風調整部34を設けるようにした。こうしたドライヤーによれば、ノズル内壁
22に比べて低温のノズル外壁23の風調整部34を調整操作すればよいので、高温にな
りやすい可動開口28やノズル内壁22に指先が接触するのをさらに確実に防止して、ユ
ーザーに不快感を与えるのを解消できる。
【0073】
風調整部34を、ノズル吹出し口24における乾燥風の送給中心軸Pと直交するノズル
外壁23に設けるようにした。こうしたドライヤーによれば、風調整部34をノズル吹出
し口24から充分に離れた位置に配置できるので、風調整部34を調整操作するとき、可
動開口28やノズル内壁22に指先が接触するのを確実に防止して、ユーザーに不快感を
与えるのを解消できる。
【0074】
ノズル外壁23に設けた左右一対の調整腕31と、ノズル台19の内面上部に設けた左
右一対の固定係合体32と、調整腕31の外面に設けられて固定係合体32に係脱する複
数の可動係合体33と、調整腕31に設けた風調整部34で送風調整構造を構成した。ま
た、風調整部34は、ノズル台19の外面に臨む調整腕31の上端に設けるようにした。
こうしたドライヤーによれば、一対の風調整部34を押込み操作し、調整腕31を弾性変
形させて可動係合体33と固定係合体32の係合状態を解除し、変向ノズル20をノズル
台19に対して上下スライド操作することで、ノズル吹出し口24の開口面積の調整を行
える。このとき、調整腕31は変向ノズル20のノズル外壁23と一体に設けてあるので
、風調整部34を押込み操作した状態のままで、変向ノズル20を上下にスライド操作す
ればよく、ノズル吹出し口24の開口面積の調整を容易に、しかも軽快に行うことができ
る。
【0075】
ノズル内壁22の縦断側面形状は、入口壁22aおよび吹出し口壁22cと、これら両
壁22a・22cの間の湾曲壁からなる変向壁22bで形成するようにした。こうしたド
ライヤーによれば、ドライヤー本体5の吹出し口14から送給された上向きの乾燥風を、
湾曲する変向壁22bでノズル吹出し口24へ向かって円滑に変向案内できる。従って、
乾燥風が変向ノズル20を通過しながら変向されるときの抵抗損失を極力小さくして、ド
ライヤーの送風効率を向上できる。
【0076】
ノズル吹出し口24と正対する側から見て、変向壁22bに連続する左右の変向側壁2
2dを上すぼまり状に形成するようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本
体5の吹出し口14から送給された上向きの乾燥風を、上すぼまり状の一対の変向側壁2
2dで吹出し口壁22cに向かって円滑に流動案内し集約させることができる。従って、
乾燥風が変向ノズル20を通過しながら変向されるときの抵抗損失を極力小さくして、ド
ライヤーの送風効率を向上できる。
【0077】
変向側壁22dと、左右の変向側壁22dに連続する変向壁22bの横断面形状を、後
突湾曲状に形成するようにした。こうしたドライヤーによれば、変向壁22bで案内され
る乾燥風を、吹出し口壁22cおよび左右の変向側壁22dに向って円滑に変向案内でき
る。従って、乾燥風が変向ノズル20を通過しながら変向されるときの抵抗損失を極力小
さくして、ドライヤーの送風効率を向上できる。
【0078】
ドライヤー本体5の吸込み口15に装着される吸気体37と、吸気体37に装着される
スタンド38で吸風部3を構成し、載置面上に載置したスタンド38で、ドライヤー本体
5および吸気体37を起立姿勢に支持できるようにした。こうしたドライヤーによれば、
スタンド38を化粧台などの載置面に載置して、ドライヤー本体5および吸気リング37
を起立姿勢に支持し、変向ノズル20から乾燥風を横向きに吹出して、ハンズフリー形態
で髪を乾燥することができる。また、ドライヤー本体5の吸込み口15に吸気体37を装
着し、さらに吸気体37にスタンド38を装着して吸風部3を構成するので、吸込み口1
5を吸気体37とスタンド38で保護できるうえ、吸気体37とスタンド38の分だけ吸
込み口15を載置面から遠ざけて、異物が吸込み口15に吸込まれるのをよく防止できる
【0079】
スタンド38は、筒状のスタンド外壁44と、スタンド外壁44で支持される筒状のス
タンド内壁45を備えるようにした。そのうえで、スタンド外壁44の周囲壁に、スタン
ド外壁44の上下縁にわたって開口する外開口46を設けるようにした。また、スタンド
内壁45の周囲壁には、スタンド内壁45の上下縁にわたって開口する内開口49を設け
るようにした。こうしたドライヤーによれば、外開口46と内開口49を介して給電コー
ド57をスタンド内壁45の内部に出し入れできるので、ドライヤー本体5のスタンド3
8に対する着脱を、簡便かつ容易に行える。
【0080】
スタンド外壁44をベルマウス状の裾拡がり筒壁で形成し、スタンド外壁44の周囲複
数個所に縁開口47を形成するようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本
体5をスタンド38で起立姿勢に支持して、ハンズフリー形態で髪を乾燥するような場合
に、スタンド外壁44の周囲の空気を載置面に沿って縁開口47からも吸込み、ベルマウ
ス状のスタンド外壁44で吸込み口15に向って効率良く流動案内することができる。ま
た、スタンド外壁44をベルマウス状の裾拡がり筒壁で形成し、さらに外開口46と縁開
口47の間、および隣接する縁開口47の間にスタンド脚53を形成したので、スタンド
外壁44を載置面に対して安定した状態で載置できる。従って、ハンズフリー形態におい
てドライヤー本体5が外力を受けて倒込むのをよく防止できる。
【0081】
吸気体37の筒壁に外部空気の通過を許す吸気体開口50を形成した。こうしたドライ
ヤーによれば、吸気体37が装着された状態のドライヤー本体5を片手で持って髪の乾燥
を行うような場合に、吸気体37の開口部分から周囲の空気を吸い込むのと同時に、吸気
体37の吸気体開口50からも外部空気を吸込むことができるので、その分だけ送風ファ
ン6の吸風効率を向上できる。
【0082】
ドライヤー本体5に装着した吸気体37を、スタンド38の連結筒壁55に嵌係合して
、ドライヤー本体5をスタンド38で起立姿勢に支持するようにした。また、スタンド3
8の連結筒壁55に、吸気体37の吸気体開口50とスタンド内空間を連通するスタンド
開口48を形成するようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5をスタ
ンド38で起立姿勢に支持して、ハンズフリー形態で髪を乾燥するような場合に、各開口
46~50から外部空気を吸込むことができるので、その分だけ送風ファン6の吸風効率
を向上できる。
【0083】
ドライヤー本体5から導出される給電コード57の導出基端を、コードアーマー58で
覆うようにした。また、ドライヤー本体5がスタンド38で起立姿勢に支持された状態に
おいて、コードアーマー58の自由端が、スタンド38のスタンド脚53の自由端より内
側に位置させるようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5をスタンド
38で起立姿勢に支持した状態において、コードアーマー58の下端が載置面に接触する
のを防止して、スタンド38で支持したドライヤー本体5を常に安定した状態で起立支持
できる。また、コードアーマー58の下端とスタンド38の載置面の間に隙間ができるの
で、コードアーマー58から導出された給電コード57を先の隙間部分で屈曲させて、載
置面に沿ってスタンド38の外へ導出できる。
【0084】
コードアーマー58は、吸気体37の入口開口縁の下方に突出させるようにした。こう
したドライヤーによれば、吸気体37が装着された状態のドライヤー本体5を片手で持っ
て髪の乾燥を行うような場合に、コードアーマー58から導出された給電コード57が吸
気体37の入口開口縁に当たって屈曲するのを防止できる。また、給電コード57に作用
する外力をコードアーマー58が弾性変形することで吸収できるので、全体としてドライ
ヤーを使用するときの給電コード57の断線をよく防止できる。
【0085】
コードアーマー58は、吸気体37の入口開口縁の下方に突出させるようにした。こう
したドライヤーによれば、吸気体37が装着された状態のドライヤー本体5を片手で持っ
て髪の乾燥を行うような場合に、コードアーマー58から導出された給電コード57が吸
気体37の入口開口縁に当たって屈曲するのを防止できる。また、給電コード57に作用
する外力をコードアーマー58が弾性変形することで吸収できるので、全体としてドライ
ヤーを使用するときの給電コード57の断線をよく防止できる。
【0086】
スタンド38の外面にグリップハンドル63を設けるようにした。こうしたドライヤー
によれば、片手でグリップハンドル63を握った状態で、乾燥風を髪に向かって送給でき
る。例えば、ドライヤー本体5を往復揺動操作して風向きを小刻みに変化させながら乾燥
風を送給するなど、従来のグリップ付きのドライヤーと同様の使用形態で楽に使用するこ
とができる。
【0087】
スタンド38の外面にハンドルホルダー62を立設し、ハンドルホルダー62にグリッ
プハンドル63を装着するようにした。こうしたドライヤーによれば、片手でグリップハ
ンドル63を握った状態で乾燥風を髪に向かって送給するとき、ドライヤー本体5をハン
ドルホルダー62で安定した状態の下に支持できる。また、ハンドルホルダー62がスタ
ンド38と協同して、ドライヤー本体5をバランスよく支持できる。さらに、ドライヤー
本体5をスタンド38に連結するとき、ハンドルホルダー62でドライヤー本体5を案内
できるので、ドライヤー本体5とスタンド38の連結作業をより的確に、しかも簡便に行
える。
【0088】
グリップハンドル63はハンドルホルダー62に対して、連結構造を介して折畳み可能
に連結し、不使用時のグリップハンドル63をハンドルホルダー62に沿ってスタンド脚
53側に折畳み収納できるようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤー本体5
をスタンド38で起立姿勢に支持した状態において、グリップハンドル63を下向きに折
畳み収納することにより、ドライヤー本体5およびスタンド38の合成された重心位置を
低くして、ドライヤー本体5の支持をさらに安定した状態で行うことができる。
【0089】
ドライヤー本体5がスタンド38で起立姿勢に支持された状態において、コードアーマ
ー58の自由端を縁開口47の奥側縁より外側に位置させるようにした。こうしたドライ
ヤーによれば、ドライヤー本体5を片手で持って髪の乾燥を行うような場合に、コードア
ーマー58から導出された給電コード57が、縁開口47の上縁に当たって屈曲するのを
防止して、ドライヤーを使用するときの給電コード57の断線をよく防止できる。
【0090】
ドライヤー本体5とスタンド38の間に、両者5・38の連結を維持するロック状態と
、両者5・38の連結を解除するロック解除状態に切換え可能なロック構造を設け、ロッ
ク解除状態においてドライヤー本体5をスタンド38で起立支持できるようにした。こう
したドライヤーによれば、ドライヤー本体5を手で持って乾燥作業を行う場合に、単にド
ライヤー本体5をスタンド38に載置するだけで、ドライヤー本体5をスタンド38で一
時的に起立支持できる。また、スタンド38で起立支持されているドライヤー本体5を握
り持つだけで、ドライヤー本体5をスタンド38から分離して、即座に乾燥作業を行うこ
とができる。さらに、ドライヤー本体5をスタンド38に装着してロックした状態では、
スタンド38ごとドライヤー本体5を握り持って、髪の乾燥を行える。例えば、スタンド
38にグリップハンドルが設けてあれば、ハンドルを握って使用することにより、後頭部
側の髪の乾燥を、楽な姿勢で行うことができる。加えてスタンド38自体が静音構造の一
部を構成している場合には、静音効果を向上できるなど、機能を向上したドライヤーを構
成できる。
【0091】
ドライヤー本体5の周面に、モーター7および熱源8の作動状態を切換えるスイッチ1
1・12を設け、これらスイッチ11・12の配置位置以外のドライヤー本体5の周面に
グリップハンドル63を位置させるようにした。こうしたドライヤーによれば、ドライヤ
ー本体5をスタンド38で起立支持した状態と、ドライヤー本体5を片手で握り持った状
態のいずれの場合でも、スイッチ11・12をオン・オフ操作するだけでドライヤーの運
転状態を容易に切換えることができ、とくにグリップハンドル63を握り持った状態のま
まで各スイッチ11・12を容易にオン・オフ操作できる。
【0092】
グリップハンドル63はドライヤー本体5の側面に配置した。また、電源スイッチ11
と切換えスイッチ12は、ドライヤー本体5の周面のうち、グリップハンドル63と同じ
側面側の4半円部に配置するようにした。こうしたドライヤーによれば、グリップハンド
ル63を握った状態のままで各スイッチ11・12をオン・オフ操作できるので、ドライ
ヤーの運転状態の切換えを容易化して、操作性を向上できる。
【0093】
ドライヤー本体5の周面に電源スイッチ11と切換えスイッチ12を設け、これら両ス
イッチ11・12の間にグリップハンドル63を配置するようにした。こうしたドライヤ
ーによれば、グリップハンドル63の一側に電源スイッチ11が位置し、他側に切換えス
イッチ12が位置することになるので、グリップハンドル63を握った状態で各スイッチ
11・12をオン・オフ操作するとき、オン・オフ操作すべきスイッチ11・12を間違
える余地がなく、ドライヤーの運転状態の切換えをさらに容易化して、操作性を向上でき
る。
【0094】
ハンドルホルダー62に沿って下向きに折畳み収納したグリップハンドル63が、スタ
ンド脚53と共に載置面で支持されるようにした。こうしたドライヤーによれば、スタン
ド38で起立支持したドライヤー本体5を、グリップハンドル63とスタンド38が協同
して支持するので、ドライヤー本体5をより安定した状態で化粧台などに載置できる。
【0095】
連結構造はハンドルホルダー62で、上方のドライヤー使用位置と、グリップハンドル
63が折畳まれて載置面で支持される下方のスタンド使用位置との間で上下スライド可能
に支持されるようにした。こうしたドライヤーによれば、グリップハンドル63を握って
ドライヤーを使用するときと、グリップハンドル63を載置面に載置してドライヤー本体
5を起立支持する状態とで、グリップハンドル63の上下位置を変更できる。従って、ス
タンド使用位置においては、スタンド38で起立支持したドライヤー本体5を、より安定
した状態で化粧台などに載置でき、ドライヤー使用位置においてはドライヤー本体5をバ
ランスよく支持して、ドライヤーの使い勝手を向上できる。
【符号の説明】
【0096】
1 本体部
2 吹出し部
3 吸風部
5 ドライヤー本体
6 送風ファン
7 モーター
8 ヒーター(熱源)
11 電源スイッチ
12 切換スイッチ
14 吹出し口
15 吸込み口
16 吹出しリング
19 ノズル台
20 変向ノズル
22 ノズル内壁
23 ノズル外壁
24 ノズル吹出し口
27 固定開口
28 可動開口
31 調整腕
32 係合リブ(固定係合体)
33 リブ溝(可動係合体)
34 ノズル操作部(風調整部)
37 吸気リング
38 スタンド
44 スタンド外壁
45 スタンド内壁
46 第1開口(外開口)
49 第4開口(内開口)
53 スタンド脚
57 給電コード
58 コードアーマー
62 ハンドルホルダー
63 グリップハンドル