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特許7406930ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20231221BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20231221BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20231221BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/45
A63F13/69
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019125927
(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公開番号】P2021010544
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安彦 信一
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-292136(JP,A)
【文献】特開2017-086923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上でプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの間のバトルゲームを制御するゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとを含む複数のキャラクタの各々に所定の情報が対応付けて格納されており、
前記バトルゲームが開始された場合、キャラクタ毎に当該キャラクタに対応付けられた前記所定の情報に基づいて優先順位を決定するためのデータを算出する処理と、
キャラクタ毎に算出されたデータ間の比較を行い、前記比較の結果に従って前記キャラクタ毎の行動順位を決定する処理と、
即時行動の要求を受け付けると、決定した前記キャラクタ毎の行動順位に関わらず前記即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行することを決定し、決定した前記キャラクタ毎の行動順位の前に前記即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行する処理と、
前記即時行動の要求後に特定のミッションの要求を、前記ゲームプログラムが前記コンピュータに発動させると、前記ミッションを達成するためのゲーム処理を実行する処理と、
前記ゲーム処理により前記ミッションを達成すると、特典を提供する処理と、
を有する、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記特典を、前記プレイヤキャラクタ、前記プレイヤキャラクタの味方のキャラクタ、前記敵キャラクタの少なくともいずれかに提供する、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
画面上でプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの間のバトルゲームを制御するゲーム処理をコンピュータが実行するゲームプログラムであって、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとを含む複数のキャラクタの各々に所定の情報が対応付けて格納されており、
前記バトルゲームが開始された場合、キャラクタ毎に当該キャラクタに対応付けられた前記所定の情報に基づいて優先順位を決定するためのデータを算出する処理と、
キャラクタ毎に算出されたデータ間の比較を行い、前記比較の結果に従って前記キャラクタ毎の行動順位を決定する処理と、
即時行動の要求を受け付けると、決定した前記キャラクタ毎の行動順位に関わらず前記即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行することを決定し、決定した前記キャラクタ毎の行動順位の前に前記即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行する処理と、
前記即時行動の要求後に特定のミッションの要求を、前記ゲームプログラムが前記コンピュータに発動させると、前記ミッションを達成するためのゲーム処理を実行する処理と、
前記ゲーム処理により前記ミッションを達成すると、特典を提供する処理と、
を有するゲーム処理方法。
【請求項4】
画面上でプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの間のバトルゲームを制御するゲーム処理を実行するゲーム実行部と、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとを含む複数のキャラクタの各々に所定の情報が対応付けて格納されており、
前記バトルゲームが開始された場合、キャラクタ毎に当該キャラクタに対応付けられた前記所定の情報に基づいて優先順位を決定するためのデータを算出する算出部と、
キャラクタ毎に算出されたデータ間の比較を行い、前記比較の結果に従って前記キャラクタ毎の行動順位を決定する決定部と、を有し、
前記決定部は、即時行動の要求を受け付けると、決定した前記キャラクタ毎の行動順位に関わらず前記即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行することを決定し、決定した前記キャラクタ毎の行動順位の前に前記即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行し、
更に、前記即時行動の要求後に特定のミッションの要求を、前記決定部が発動させると、前記ミッションを達成するためのゲーム処理を実行するゲーム実行部と、
前記ゲーム処理により前記ミッションを達成すると、特典を提供する特典提供部と、
を有する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バトルゲームにおいて自キャラクタと敵キャラクタとが所定のターンでプレイするターン制バトルゲームが提案されている。また、一のユーザが、他のユーザと協力してゲームをプレイできるゲームシステムであって、一のユーザが所有していない選択要素を利用できるバトルゲームが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6264659号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、一のユーザが所有していない選択要素を利用できるため、ゲームを多様化させることができる。しかしながら、所定の情報に基づいてキャラクタ毎に行動順位がある程度の規則性をもって決定されると、行動順位に意外性がなくなるおそれがあるため、より興趣性を高めたゲームの提供が望まれる。
【0005】
そこで、一側面では、複数のキャラクタの行動のタイミングに意外性を与えるゲームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一側面では、画面上でプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの間のバトルゲームを制御するゲーム処理をコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとを含む複数のキャラクタの各々に所定の情報が対応付けて格納されており、前記バトルゲームが開始された場合、キャラクタ毎に当該キャラクタに対応付けられた前記所定の情報に基づいて優先順位を決定するためのデータを算出する処理と、キャラクタ毎に算出されたデータ間の比較を行い、前記比較の結果に従って前記キャラクタ毎の行動順位を決定する処理と、即時行動の要求を受け付けると、決定した前記キャラクタ毎の行動順位に関わらず前記即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行することを決定する処理と、を有するゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、複数のキャラクタの行動のタイミングに意外性を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図。
図2】一実施形態に係るキャラクタ情報テーブルを示す図。
図3】一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示す図。
図4】一実施形態に係るゲーム処理を示すフローチャート。
図5】一実施形態に係る即時行動コマンドの使用とパラメータの表示例を示す図。
図6】一実施形態に係るミッションの表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0010】
本実施形態では、バトルゲームを実行する情報処理装置10を例に挙げる。バトルゲームとは、画面上でプレイヤが操作するプレイヤキャラクタや味方キャラクタが敵キャラクタと戦う戦闘ゲームをいう。情報処理装置10としては、ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯端末、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話が挙げられる。情報処理装置10は、HMD(Head Mount Display)、FMD(Face Mount Display)、腕時計型コンピュータ等のウェアラブル表示デバイスであってもよい。
【0011】
[情報処理装置の機能構成]
本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成の一例について、図1を参照しながら説明する。情報処理装置10は、受付部11、ゲーム実行部12、記憶部13、制御部14、グラフィック処理部16、サウンド処理部17、表示部18、音出力部19及び通信部20を有する。
【0012】
(受付部)
受付部11は、プレイヤのゲーム操作を受け付ける。例えば、受付部11は、プレイヤが操作するコントローラの操作キーや方向キーの操作を受け付ける。
【0013】
(ゲーム実行部/制御部)
ゲーム実行部12及び制御部14は、記憶部13に記憶されたゲームプログラムに従いゲーム処理を実行及び制御する。実行するゲームは、単独でプレイするゲームであってもよいし、ネットワークを介して他のプレイヤとプレイする通信ゲームであってもよい。ゲーム実行部12は、制御部14の制御に応じて、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとの間のバトルゲーム処理を実行する。
【0014】
(記憶部)
記憶部13は、キャラクタ情報テーブル131、パラメータ132を記憶する。キャラクタ情報テーブル131は、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとを含む複数のキャラクタの各々に所定の情報が対応付けて格納されているテーブルの一例である。図2に一例を示すキャラクタ情報テーブル131は、キャラクタ毎に紐付けられた係数を有する。例えば、キャラクタ情報テーブル131は、キャラクタのそれぞれに応じた特性を示す係数を設定してもよい。係数は、プレイヤキャラクタに実行させる行動に応じて予め設定された情報を数値化して示したものである。本実施形態では、各キャラクタに紐付けられる「所定の情報」の一例としてキャラクタC1~C6毎のスピードに関する係数を設定している。バトルゲームが開始された場合、キャラクタ情報テーブル131に記憶されたキャラクタ毎に当該キャラクタに対応付けられた係数に基づいて優先順位が決定される。図2では、キャラクタ情報テーブル131は、所定の情報として一つの係数を記憶しているが、これに限られず、複数の係数を記憶してもよい。
【0015】
所定の情報の他の例としては、ゲームの進行過程において派生した複数のキャラクタのそれぞれのステータスに応じて予め設定された情報が挙げられる。
【0016】
パラメータ132は、あらゆるコマンドで消費される。パラメータ132は、キャラクタが通常攻撃を行う毎に所定数だけ回復する。パラメータ132は、キャラクタがスキル、アイテム等のオブジェクトを使用すると消費される。また、パラメータ132は、エリアの移動や逃走を行うと消費される。パラメータ132の値を増加することで、様々な行動をすることができるようになる。なお、パラメータ132は、アイテムの使用やスキルの使用等によって消費される特定のパラメータであってもよい。パラメータ132は、アイテムやスキル等を使用したキャラクタのHP(ヒットポイント:体力)、MP(マジックパワー:魔力)又はその他のパラメータであってもよい。
【0017】
(算出部/決定部/特典提供部)
図1に戻り、制御部14は、算出部4、決定部5及び特典提供部6を有する。算出部4は、バトルゲームが開始された場合、キャラクタ毎に当該キャラクタに対応付けられた所定の情報に基づいて優先順位を決定するためのデータを算出する。
決定部5は、キャラクタ毎に算出された優先順位を決定するためのデータ間の比較を行い、前記比較の結果に従ってキャラクタ間の行動順位を決定する。また、決定部5は、即時行動の要求(即時行動コマンド)を受け付けると、決定したキャラクタ間の行動順位に関わらず即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行することを決定する。例えば、決定部5は、即時行動の要求に対応するキャラクタの行動順位を最先順位に決定してもよい。例えば、決定部5は、即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を即時行動の要求の直後に決定する等、決定した前記キャラクタ毎の行動順位の前に前記即時行動の要求に対応するキャラクタの行動を実行してもよい。
即時行動の要求後に特定のミッションの要求が発動される場合がある。この場合、ゲーム実行部12は、このミッションを達成するためのゲーム処理を実行する。特典提供部6は、実行されたゲーム処理により与えられたミッションが達成されると、特典を提供する。特典提供部6は、特典を、プレイヤキャラクタに提供してもよいし、味方キャラクタに提供してもよいし、敵キャラクタに提供してもよい。
【0018】
表示部18は、フィールドでバトルゲームを展開するキャラクタ達を表示する。また、表示部18は、即時行動の要求、特定のミッションの内容、及びパラメータ132等を表示する。
【0019】
グラフィック処理部16は、表示部18に接続され、ゲーム実行部12及び制御部14から描画命令が出力されると、表示部18にビデオ信号を出力する。これにより、表示部18は、ゲームの進行に合わせてゲームの画像を表示する。
【0020】
サウンド処理部17は、音出力部19に接続され、ゲーム実行部12及び制御部14からサウンド出力の指示命令が出力されると、音出力部19にサウンド信号を出力する。これにより、音出力部19は、ゲームの進行に応じた音声及びサウンドを出力する。
【0021】
通信部20は、サーバや他のプレイヤの端末装置と通信を行う。例えば、キャラクタ情報テーブル131がクラウド上の記憶装置に記憶されている場合がある。この場合、通信部20は、クラウド上の記憶装置から必要な情報を受信する。
【0022】
なお、図1は機能に着目したブロック図を描いており、これらの機能ブロックで示した各部は、下記ハードウェアによって実現できる。
【0023】
[情報処理装置のハードウェア構成]
次に、本実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例について、図3を参照しながら説明する。本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU21、ROM22、RAM23及びHDD24を有している。また、情報処理装置10は、グラフィックカード25、外部I/F26、通信I/F27、入力I/F28、ディスプレイ29及びスピーカ30を有している。各部はバスで相互に接続されている。
【0024】
ROM22は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。RAM23は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。ROM22及びRAM23には、ゲームプログラム及び各種のデータが記憶される。
【0025】
HDD24は、不揮発性の記憶装置である。HDD24には、基本処理プログラム、ゲームプログラム、各種のデータ、キャラクタ情報テーブル131が格納されてもよい。HDD24には、パラメータ132が格納されてもよい。CPU21は、例えばHDD24から基本処理プログラム、ゲームプログラム及び各種のデータを読み出し、RAM23に読み込む。
【0026】
CPU21は、基本処理プログラム、ゲームプログラムに基づき各種の処理を実行することで、情報処理装置10の全体の制御処理や個別のゲーム処理を実行する。
【0027】
外部I/F26は、情報処理装置10を外部装置に接続するインターフェースである。外部装置には、記録媒体26aなどがある。これにより、情報処理装置10は、外部I/F26を介して記録媒体26aの読み取り及び書き込みを行うことができる。記録媒体26aとしては、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)が挙げられる。
【0028】
例えば、情報処理装置10には、ゲームプログラム等が格納された記録媒体26aを装着することが可能である。この場合にも、CPU21は、ゲームプログラム等を、外部I/F26に読み出し、RAM23に読み込み、ゲームプログラムに基づきゲーム処理を実行する。
【0029】
CPU21は、ゲームプログラムを実行する際、グラフィックカード25にゲームの進行に応じた画像の出力を指示する。グラフィックカード25は、CPU21からの指示に従い画面に表示するゲームの画像処理を行い、ゲーム画像をディスプレイ29に出力する。グラフィックカード25は、フレーム単位で1枚の画像の描画を実行し、一秒間に30回~60回のフレームの画像を描画する。また、CPU21は、スピーカ30にゲームの進行に応じた音の出力を指示する。スピーカ30は、CPU21からの指示に応じた音、例えば、キャラクタの音声、効果音、ナレーション等の音を出力する。
【0030】
通信I/F27は、情報処理装置10をネットワークに接続させるためのインターフェースである。通信I/F27は、アンテナを有する通信ユニットを介して所定のデータを保持するサーバ及び他のプレイヤの端末装置と通信を行う。
【0031】
入力I/F28は、コントローラ40等の入力機器に接続するインターフェースである。コントローラ40は、操作ボタン及び方向キーを有する。プレイヤは、コントローラ40を用いてゲーム操作を行う。例えば、プレイヤは、操作ボタンを操作することでプレイヤキャラクタに所定の動作を行わせる。また、プレイヤは、方向キーを操作することでプレイヤキャラクタを所定の方向に移動させることができる。入力I/F28は、プレイヤがコントローラ40を用いて行った入力操作に基づく入力情報をRAM23に格納させる。また、プレイヤが、コントローラ40を操作してゲームの開始を指示したとき、入力I/F28が、その指示情報を入力することによりゲーム処理が開始される。画面へのタッチ操作に応じた入力を可能とするタッチパネルを情報処理装置10に搭載してもよい。
【0032】
CPU21が、RAM23に格納されたゲームプログラム及びデータに基づき、ゲーム処理における各種の演算処理を実行する。そうすると、所定のタイミングに入力I/F28はCPU21からの指示に従いRAM23に記憶したゲームのデータをメモリカード28aに保存させる。また、入力I/F28は、ゲーム処理を再開する際、メモリカード28aに保存したゲーム処理のデータを読み出してRAM23に転送し、RAM23に記憶させる。
【0033】
なお、図1の受付部11の機能は、例えば入力I/F28又はタッチパネルにより実現される。記憶部13の機能は、ROM22、RAM23、HDD24又はネットワークを介して情報処理装置10に接続されるクラウド上のサーバ等により実現される。
【0034】
ゲーム実行部12及び制御部14(算出部4、決定部5及び特典提供部6)の機能は、例えば、ゲームプログラムがCPU21に実行させることによりグラフィック処理が実現される。
【0035】
グラフィック処理部16の機能は、例えばグラフィックカード25により実現される。表示部18の機能は、例えばディスプレイ29により実現される。サウンド処理部17及び音出力部19の機能は、例えばスピーカ30により実現される。通信部20の機能は、例えば通信I/F27により実現される。
【0036】
[ゲーム処理]
次に、本実施形態に係るゲーム処理の一例について図4図6を参照して説明する。図4は、一実施形態に係るゲーム処理を示すフローチャートである。図5は、一実施形態に係る即時行動コマンドの使用とパラメータの表示例を示す図である。図6は、一実施形態に係るミッションの表示例を示す図である。
【0037】
先ず、図4においては省略されているが、電源が投入されると、ブートプログラムが読み出され、各部が初期化され、ゲームを開始するための処理がなされ、ゲームプログラムデータ、画像データ、音声データ、その他のデータが読み取られ、RAM23に格納される。そして、実際のゲームの進行に先立って各種設定がなされ、ゲーム進行可能な状態になる。この状態において本実施形態に係るゲーム処理が開始されると、バトルシーンまたはその他のシーン等になり、ステップS1に移行する。
【0038】
ステップS1において、ゲーム実行部12は、バトルシーンか否かを判定する。ゲーム実行部12は、バトルシーンでないと判定した場合、ステップS2において、その他(移動、会話または買物等)のシーンに応じたゲーム処理を実行し、ステップS10に進む。ステップS10において、ゲーム実行部12は、ゲームを終了するか否かを判定し、ゲームを終了すると判定すると、ゲーム終了に伴う各種処理を行った後、ゲームを終了させる。ゲーム実行部12は、ゲームを終了しないと判定すると、ステップS1に戻り、ステップS1以降の処理を実行する。
【0039】
ステップS1において、バトルシーンであると判定された場合、算出部4は、ステップS3において、行動順位判定処理に用いる所定の情報を取得する。本実施形態では、算出部4は、行動順位判定処理に用いる所定の情報として、プレイヤキャラクタに実行させる行動に応じて予め設定された情報を取得する。
【0040】
これらの行動順位判定処理に用いる所定の情報が取得されると、ステップS4において算出部4は、行動順位判定処理を実行する。具体的には、算出部4は、取得した所定の情報を用いて演算処理を行い、その演算結果に基づいて表示画面内の複数のキャラクタの行動順位を決定し、この判定結果をRAM23に記憶保持する。ステップS4において、行動順位判定処理が完了すると、表示部18がバトル用の各ウィンドウを表示する。
【0041】
次に、ステップS5において、算出部4は、即時行動の要求があったかを判定する。算出部4は、即時行動の要求がないと判定すると、ステップS6において、行動及び行動順位の決定を受け付けた状態になり、プレイヤの操作に応じてプレイヤキャラクタに実行させる行動(コマンド)を決定する。それに伴い、算出部4は、複数のキャラクタの行動順位を決定し、ステップS7において、ゲーム実行部12は、プレイヤの操作に応じて決定された行動(コマンド)を実行する。行動が実行されると、ステップS8において、ゲーム実行部12は、バトル終了か否かを判定する。ステップS8において、例えば、今回の攻撃で敵キャラクタを全て倒すことができず、バトル終了でないと判定された場合には、再びステップS3に戻され、ゲーム実行部12は、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0042】
また、ステップS8において、例えば、ゲーム実行部12は、今回の攻撃で全て敵キャラクタを倒すことができ、バトル終了であると判定された場合には、ステップS9において、表示部18がバトル用の各ウィンドウの表示を消去し、ステップS10に移行する。ステップS10において、ゲーム終了か否かが判定され、ゲーム終了でないと判定された場合には、再びステップS1に戻され、ステップS1以降の処理が繰り返される。そして、ステップS10において、ゲーム終了であると判定された場合に、ゲーム終了に伴う各種処理が行われた後、ゲームが終了する。
【0043】
ステップS5において、即時行動の要求があったと判定されると、決定部5は、算出部4が算出したキャラクタ毎の行動順位に関わらず、即時行動の要求に対応するキャラクタの行動順位を最先順位に決定する。ゲーム実行部12は、直ちに即時行動の要求に応じたキャラクタの行動を実行し、表示部18に即時行動の要求に応じた行動を表示させる(ステップS11)。
【0044】
図5は、一実施形態に係る即時行動コマンドの使用とパラメータ132の表示例を示す図である。図5(a)は、画面上に表示されるパラメータ132の一例を示す、パラメータ132の表示態様は、パラメータの最大値に対する割合を視覚的に示すゲージ132aと、パラメータの数値132bとを有する。パラメータ132は、スキルの実行、即時行動コマンドの使用、アイテムの使用により消費され、図5(b)に示すようにパラメータの値132bが減少する。パラメータ132は、敵キャラクタへの通常攻撃により図5(a)に示すように回復し、パラメータの値132bが増加する。なお、図5では、スキルの実行と即時行動コマンドの使用とアイテムの使用とを併記するが、即時行動コマンドを使用した場合、自分の好きなタイミングにスキルを使ったり、アイテムを使ったり、場所を移動したりする行動を起こすことができる。また、これに限られず、キャラクタ毎のパラメータやアイテム等の使用によって即時行動コマンドを使用できるようにしてもよい。
【0045】
図4において、次に、特典提供部6は、ミッションが発動されたかを判定する(ステップS12)。ミッションが発動されると、図6に一例を示すように、表示枠103、104にミッションの内容が表示される。本実施形態では、プレイヤキャラクタ以外のキャラクタのすべてが特別なミッションを提示する。ただし、特別なミッションを提示するキャラクタは、これに限られず、味方キャラクタのみが提示してもよいし、敵キャラクタのみが提示してもよいし、キャラクタ以外のオブジェクトがミッションを提示してもよい。
【0046】
ミッションの内容として、図6の例では、「敵に物理属性ダメージを与えてくれ!」の例が示されているが、これに限られない。ミッションの内容の他の例としては、「敵の弱点に合せた攻撃をして欲しい」、「特定の属性の攻撃をして欲しい」、「特定のアイテムを使って欲しい」、「パラメータ、HP、MPを回復して欲しい」、「(隣に来ないとHP等が回復しない場合)自分の隣りに来て欲しい」等が挙げられる。
【0047】
図4において、特典提供部6は、ミッションが発動されていないと判定すると、ステップS10に進む。特典提供部6は、ミッションが発動されていると判定すると、所定時間内にミッションを達成したかを判定する(ステップS13)。特典提供部6は、所定時間内にミッションを達成しなかったと判定すると、ステップS10に進む。特典提供部6は、所定時間内にミッションを達成したと判定すると、特典を提供し(ステップS14)、ステップS10に進む。ステップS10以降の処理は既に説明したので説明を省略する。
【0048】
ミッション達成の特典の一例としては、パラメータの回復、HPの回復、MPの回復、スキルの付与、アイテムの付与、敵キャラクタの必殺技の準備状態解除、敵キャラの一定時間行動不能、敵キャラクタが受けるダメージ増加、味方キャラクタの回復強化などが挙げられる。ミッション達成の特典は、プレイヤキャラクタ、味方キャラクタ、敵キャラクタの少なくともいずれかに提供され得る。
【0049】
図4のステップS3及びステップS4において実施される、行動順位判定処理に用いる所定の情報の取得と、その取得した所定の情報に基づいてなされる行動順位判定処理についてさらに具体例を挙げて説明する。例えば、前述した図2のキャラクタ情報テーブル131は、複数のキャラクタのそれぞれに付与されている特性に応じて予め設定された情報(係数)を示す。例えば、キャラクタの「スピード」の各数値に応じた係数がキャラクタ情報テーブル131に記憶され、行動順位判定処理に用いられる。なお、この係数は、予め固定的に設定されるか、もしくは、ゲームの進行状況等に応じて装置により自動設定されるもので、プレイヤが関与することができない数値である。
【0050】
算出部4は、かかる係数を用いて演算処理を行い、行動順位を判定するための評価値を算出する。例えば、演算処理としては、乗算が用いられ、評価値が係数から導出される。なお、行動順位の判定は、プレイヤキャラクタの取り得るコマンド毎になされ、例えば、プレイヤキャラクタが「スキル」を実行する場合の行動順位Aと、プレイヤキャラクタが「アイテム」を使用する場合の行動順位Bとが判定され、それぞれの判定結果が一旦RAM23に記憶保持される。
【0051】
プレイヤにより「スキル」が選択されているか否かが判定される。「スキル」がプレイヤにより選択されていないと判定された場合には、「アイテム」がプレイヤにより選択されているか否かが判定される。「アイテム」がプレイヤにより選択されていないと判定された場合には、「スキル」が選択されているかと、「アイテム」が選択されているかの判定処理が繰り返されて待機状態になる。
【0052】
プレイヤにより「スキル」が選択されていると判定された場合には、「スキル」により判定された行動順位AがRAM23から読み出されて表示される。また、「アイテム」がプレイヤにより選択されていると判定された場合には、「アイテム使用」により判定された行動順位BがRAM23から読み出されて表示される。
【0053】
プレイヤによりスクロールの操作指示がなされた場合には、その操作に応じて行動順位の表示がスクロールされ、所定のボタンが押された場合、前記行動及び行動順位に決定され、その行動を実施するための処理がなされて、一連の行動及び行動順位の決定受け付け処理が終了する。
【0054】
以上、本実施形態に係るゲーム処理によれば、所定の情報に基づきキャラクタ毎の行動順位が決定される。ただし、即時行動コマンドの使用を受け付けることで、複数のキャラクタの行動順位待ちの時間中であっても即座に特定のキャラクタに即時行動させることができる。つまり、本来プレイヤキャラクタが行動できないタイミングでも即時行動を要求すれば、その行動が許可される。これにより、キャラクタの行動のタイミングに意外性が与えられ、より興趣性を高めることができる。
【0055】
また、即時行動の要求後にはミッションが発動される。プレイヤキャラクタがミッションを達成すると特典を提供される。これにより、即時行動後のゲームの展開に対してより多くの期待感をプレイヤに与えることができる。
【0056】
以上、ゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置を上記実施形態により説明したが、本開示に係るゲームプログラム、ゲーム処理方法及び情報処理装置は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。また、上記実施形態及び変形例が複数存在する場合、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0057】
4 算出部
5 決定部
6 特典提供部
10 情報処理装置
11 受付部
12 ゲーム実行部
13 記憶部
14 制御部
16 グラフィック処理部
17 サウンド処理部
18 表示部
19 音出力部
20 通信部
131 キャラクタ情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6