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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 43/06 20060101AFI20231221BHJP
   B63B 3/20 20060101ALI20231221BHJP
   B63B 3/56 20060101ALI20231221BHJP
   B63B 11/02 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B63B43/06 Z
B63B3/20
B63B3/56
B63B11/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019152499
(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公開番号】P2021030857
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2021-02-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】518022743
【氏名又は名称】三菱造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】恩塚 政憲
(72)【発明者】
【氏名】首藤 雄太
【合議体】
【審判長】筑波 茂樹
【審判官】沼生 泰伸
【審判官】久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-223913(JP,A)
【文献】特開2016-124467(JP,A)
【文献】特開平10-287289(JP,A)
【文献】特開2011-46269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 43/06
B63B 3/20
B63B 3/56
B63B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の舷側及び船底を有する船体と、
前記船体内を船首尾方向に区画することで機関区域を形成する隔壁と、
前記機関区域内における前記一対の舷側から船幅方向中央側に離間した位置で、前記機関区域を船幅方向に仕切らない水密区画として形成された浸水浮力部屋と、を備え、
前記機関区域内で前記浸水浮力部屋に対して船幅方向第一側と第二側とを連通する連通部をさらに備え、
前記浸水浮力部屋は、
何れの前記隔壁に対しても船首尾方向に離間して設けられており、
前記浸水浮力部屋の内側に、少なくとも主機が収容されている
船舶。
【請求項2】
前記浸水浮力部屋は、乾舷甲板の下方に形成されている請求項に記載の船舶。
【請求項3】
前記浸水浮力部屋の一部が、前記乾舷甲板の上方に突出して設けられている請求項に記載の船舶。
【請求項4】
乾舷甲板の上側に、前記一対の舷側から船幅方向中央側に離間した位置で水密区画として形成された上部浸水浮力部屋をさらに備える請求項1からの何れか一項に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、船体の内部が隔壁によって船体の長手方向に区画されることで形成された部屋の内部に、舷側の側壁または隔壁に接する浸水抑制水密区画室を設ける構成が開示されている。このような構成では、浸水が生じた場合に、浸水した水を浸水抑制水密区画室に留め、浸水領域が広がるのを抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-223913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、浸水抑制水密区画室以外に浸水が生じてしまったような場合にも、船舶の浮力を確保することが望まれる。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、浸水が生じた場合に船舶の浮力を確保することができる船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る船舶は、船体と、隔壁と、浸水浮力部屋と、を備える。前記船体は、一対の舷側及び船底を有する。前記隔壁は、前記船体内を船首尾方向に区画することで機関区域を形成する。前記浸水浮力部屋は、前記機関区域内における前記一対の舷側から船幅方向中央側に離間した位置で、前記機関区域を船幅方向に仕切らない水密区画として形成されている。前記機関区域内で前記浸水浮力部屋に対して船幅方向第一側と第二側とを連通する連通部をさらに備える。前記浸水浮力部屋は、何れの前記隔壁に対しても船首尾方向に離間して設けられており、前記浸水浮力部屋の内側に、少なくとも主機が収容されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の船舶によれば、浸水が生じた場合にも船舶の浮力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る船舶の側面図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る船舶の機関区域を示す平断面図である。
図3】本開示の第二実施形態に係る船舶の機関区域を示す平断面図である。
図4】本開示の第二実施形態の変形例に係る船舶の機関区域を示す平断面図である。
図5】本開示の第三実施形態に係る船舶の機関区域を示す平断面図である。
図6】本開示の第三実施形態の変形例に係る船舶の機関区域を示す平断面図である。
図7】本開示の実施形態の他の変形例に係る船舶に設けられた浸水浮力部屋を示す平断面図である。
図8】本開示の実施形態の他の変形例に係る船舶に設けられた上部浸水浮力部屋を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第一実施形態>
(船舶の構成)
以下、本開示の実施形態に係る船舶について、図1図2を参照して説明する。
図1図2に示すように、この実施形態の船舶1は、船体2と、隔壁12,13と、浸水浮力部屋31,32と、を備えている。船舶1の船種は、特定のものに限られない。船舶1の船種は、例えばフェリー、RORO船(Roll-on/Roll-off船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等を例示できる。
【0010】
(船体の構成)
船体2は、その外殻をなす、一対の舷側3A,3Bと、船底4と、を有している。舷側3A,3Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を有する。船底4は、これら舷側3A,3Bを接続する船底外板を有する。これら一対の舷側3A,3B及び船底4により、船体2の外殻は、船首尾方向FAに直交する断面において、U字状を成している。
【0011】
船体2は、その内部に、乾舷甲板5、上側甲板6、上甲板8を含む、複数層の甲板を備えている。この実施形態における乾舷甲板5は、満載喫水線よりも上方に配置される全通甲板のうち、最下層に配置される全通甲板である。上側甲板6は、乾舷甲板5の1層上方に配置される全通甲板である。上甲板8は、全通甲板のうち、最上層に配置される全通甲板である。この実施形態で例示する船体2は、更に、乾舷甲板5の下方に、甲板7を備えている。
【0012】
船舶1は、船体2内に、船首隔壁19Aと、船尾隔壁19Bとを備えている。船首隔壁19Aは、船体2の船首部2aに設けられている。船首隔壁19Aは、上甲板8と甲板7との間で、船幅方向Wに延びて一対の舷側3A,3Bの間を閉塞するよう設けられている。船尾隔壁19Bは、船体2の船尾部2bに設けられている。船尾隔壁19Bは、乾舷甲板5と甲板7との間で、船幅方向Wに延びて一対の舷側3A,3Bの間を閉塞するよう設けられている。
【0013】
図1図2に示すように、船体2は、乾舷甲板5と甲板7との間に、後部隔壁11と、隔壁12と、隔壁13と、前部隔壁14と、を備えている。後部隔壁11と、隔壁12とは、船首尾方向FAに間隔を空けて配置されている。隔壁12と、隔壁13とは、船首尾方向FAに間隔を空けて配置されている。隔壁13と、前部隔壁14とは、船首尾方向FAに間隔を空けて配置されている。後部隔壁11、隔壁12、隔壁13、及び前部隔壁14は、それぞれ舷側3Aから舷側3Bに至るとともに、それぞれ乾舷甲板5から甲板7に至っている。つまり、乾舷甲板5と甲板7との間の空間は、これら後部隔壁11、隔壁12、隔壁13、及び前部隔壁14により、船首尾方向に区切られている。
【0014】
(機関室の構成)
この実施形態において、乾舷甲板5と甲板7との間で且つ、後部隔壁11と前部隔壁14との間の区画は、機関室10とされている。機関室10は、機関区域A1としての主機関室10Aと、発電機室10Bと、軸室10Cと、を備えている。
【0015】
主機関室10Aは、舷側3A,3Bと、乾舷甲板5及び甲板7と、隔壁12と、隔壁13と、によって形成されている。つまり、隔壁12,13は、船体2内を船首尾方向FAに区画することで機関区域A1としての主機関室10Aを形成する。発電機室10Bは、舷側3A,3Bと、乾舷甲板5及び甲板7と、隔壁13と、前部隔壁14と、によって形成されている。軸室10Cは、舷側3A,3Bと、乾舷甲板5及び甲板7と、後部隔壁11と、隔壁12と、によって形成されている。主機関室10Aと発電機室10Bとは、船首尾方向FAで隣接している。主機関室10Aと軸室10Cとは、船首尾方向FAで隣接している。
【0016】
船舶1は、機関室10内に、主機21と、発電機用エンジン22と、を備えている。
主機21は、主機関室10A内に配置されている。主機21は、船舶1を航行させる推進力を発揮する。主機21は、スクリュー軸23を介して、船体2の船尾部2bの外部に設けられたスクリュー9を回転駆動させる。主機21は、例えばガスタービンや、レシプロエンジン等からなる。本開示の実施形態において、主機21は、例えば船幅方向Wにあけて2基が設けられている。
【0017】
スクリュー軸23は、主機関室10A内の主機21から船首尾方向FA船尾側に延び、隔壁12を貫通して軸室10C内に配置されている。スクリュー軸23は、軸室10Cから後部隔壁11を貫通して船尾部2bの下面から船外に延びている。後部隔壁11、隔壁12には、スクリュー軸23が貫通する部分に、水密性を確保するためのシール構造(図示無し)が設けられている。
【0018】
発電機用エンジン22は、発電機室10B内に配置されている。発電機用エンジン22は、発電機(図示せず)を駆動させる。発電機用エンジン22は、例えばガスタービンやレシプロエンジン等からなる。発電機用エンジン22で発生した回転エネルギーは、発電機で電気エネルギーに変換され、船体2内各部へ供給される。本開示の実施形態において、発電機用エンジン22は、例えば船幅方向Wにあけて3基が設けられている。
【0019】
(浸水浮力部屋の構成)
図2に示すように、浸水浮力部屋31,32は、主機関室10A内に設けられている。浸水浮力部屋31,32は、主機関室10A内で、主機関室10A内における一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。浸水浮力部屋31,32は、船首尾方向FAに間隔をあけて設けられている。この実施形態において、浸水浮力部屋31,32は、船幅方向Wに並ぶ複数の主機21の間に配置されている。
【0020】
船首尾方向FA船首側の浸水浮力部屋31は、隔壁13に接して設けられている。浸水浮力部屋31は、側部水密壁31a、31bと、後部水密壁31cと、を備えている。側部水密壁31a、31bは、乾舷甲板5と甲板7との間で、隔壁13から船首尾方向FA船尾側に向かって互いに平行に延びている。後部水密壁31cは、隔壁13に対して船首尾方向FA船尾側に間隔をあけて平行に配置されている。後部水密壁31cは、乾舷甲板5と甲板7との間で船幅方向Wに延びて、側部水密壁31a、31b同士を接続している。この浸水浮力部屋31は、その一部が隔壁13によって形成されている。浸水浮力部屋31は、隔壁13と、側部水密壁31a、31bと、後部水密壁31cとにより、平面視矩形の筒状に形成されている。
【0021】
船首尾方向FA船尾側の浸水浮力部屋32は、隔壁12に接して設けられている。浸水浮力部屋32は、側部水密壁32a、32bと、前部水密壁32cと、を備えている。側部水密壁32a、32bは、一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。側部水密壁32a、32bは、乾舷甲板5と甲板7との間で、隔壁12から船首尾方向FA船首側に向かって互いに平行に延びている。前部水密壁32cは、隔壁12に対して船首尾方向FA船首側に間隔をあけて隔壁12と平行に配置されている。前部水密壁32cは、浸水浮力部屋31の後部水密壁31cに対して、船首尾方向FA船尾側に間隔をあけて設けられている。前部水密壁32cは、乾舷甲板5と甲板7との間で船幅方向Wに延びて、側部水密壁32a、32b同士を接続している。この浸水浮力部屋32は、その一部が隔壁12によって形成されている。浸水浮力部屋32は、隔壁12と、側部水密壁32a、32bと、前部水密壁32cとにより、平面視矩形の筒状に形成されている。
このようにして、浸水浮力部屋31,32は、船首尾方向FAに間隔をあけて設けられている。
【0022】
(連通部の構成)
浸水浮力部屋31の後部水密壁31cと、浸水浮力部屋32の前部水密壁32cとの間には、連通部41が形成されている。連通部41は、船首尾方向FAに間隔をあけて設けられた浸水浮力部屋31の後部水密壁31cと、浸水浮力部屋32の前部水密壁32cとの間で、主機関室10A内で浸水浮力部屋31,32に対して船幅方向W第一側(この実施形態の舷側3A側)と第二側(この実施形態の舷側3B側)とを連通している。この連通部41により、浸水浮力部屋31,32は、主機関室10Aを船幅方向Wに仕切らない水密区画として形成されている。
【0023】
(作用効果)
上記構成の船舶1では、機関区域A1としての主機関室10A内における一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置で、主機関室10Aを船幅方向Wに仕切らない水密区画として形成された浸水浮力部屋31,32と、を備える。そして、上記実施形態の船舶1では、浸水浮力部屋31,32が、舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。
これにより、舷側3A,3Bが損傷した場合にも、その影響が浸水浮力部屋31,32に及ぶのを抑えることができる。浸水浮力部屋31,32は水密区画であるので、浸水発生時にも浸水浮力部屋31,32の内部への浸水を防ぐことができ、浮力を発生する。したがって、浸水が生じた場合にも船舶1の浮力を確保することができる。
【0024】
また、浸水発生時における船舶1の浮力を確保することで、浸水発生時の復原性を高めるために上部構造等を小さくして船舶1の重心高さを下げる必要が抑えられる。これにより、上部構造における居住区画等、各部の配置設計の自由度が高まる。また、浸水発生時における復原性を高めるために、船体2内の各部の水密区画の細分化も不要となるため、鋼材重量等の低減を図り、船舶1の建造コストの低減、推進性能の向上等を図ることもできる。
【0025】
上記実施形態の船舶1では、主機関室10A内で浸水浮力部屋31,32に対して船幅方向W第一側と第二側とを連通する連通部41が設けられている。これにより、浸水浮力部屋31,32を設けても、主機関室10Aが船幅方向Wに仕切られることがない。船幅方向W第一側、及び第二側の何れか一方から主機関室10A内に浸水した場合、侵入した水は、連通部41を通して主機関室10Aの船幅方向W第一側、及び第二側の他方にも流れ込む。これにより、船舶1の復原性を高めることができる。
【0026】
上記実施形態の船舶1では、浸水浮力部屋31,32の一部は隔壁12,13により形成されている。これにより、浸水浮力部屋31,32を形成するのに必要な鋼材量を抑えることができ、低コスト化を図ることができる。
【0027】
上記実施形態の船舶1では、浸水浮力部屋31,32が、乾舷甲板5の下方に形成されている。主機関室10A内に浸水が生じた場合に、浸水浮力部屋31,32の内側には浸水しないため、乾舷甲板5の下方への浸水量を抑えることができる。これにより、浸水浮力部屋31,32で発生する浮力による効果を、より効率的に発揮することができる。
【0028】
<第二実施形態>
次に、この発明に係る船舶の第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と浸水浮力部屋の構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
(船舶の構成)
以下、本開示の第二実施形態に係る船舶について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、船舶1は、船体2と、隔壁12,13と、浸水浮力部屋33と、を備えている。
【0029】
(浸水浮力部屋の構成)
浸水浮力部屋33は、機関区域A1としての主機関室10A内に設けられている。浸水浮力部屋33は、主機関室10A内で、主機関室10A内における一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。
【0030】
浸水浮力部屋33は、隔壁12,13のそれぞれに対し、船首尾方向FAに間隔をあけて設けられている。浸水浮力部屋33は、後部水密壁33aと、前部水密壁33bと、側部水密壁33c、33dと、を備えている。後部水密壁33aは、隔壁12に対して船首尾方向FA船首側に間隔をあけて平行に配置されている。後部水密壁33aは、乾舷甲板5と甲板7との間で船幅方向Wに延びて、側部水密壁33c、33d同士を接続している。前部水密壁33bは、隔壁13に対して船首尾方向FA船尾側に間隔をあけて平行に配置されている。前部水密壁33bは、乾舷甲板5と甲板7との間で船幅方向Wに延びて、側部水密壁33c、33d同士を接続している。側部水密壁33c、33dは、一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。側部水密壁33c、33dは、乾舷甲板5と甲板7との間で船首尾方向FAに平行に延びている。浸水浮力部屋33は、後部水密壁33aと、前部水密壁33bと、側部水密壁33c、33dとにより、平面視矩形の筒状に形成されている。
【0031】
この実施形態における浸水浮力部屋33内には、主機21を収容するようにしてもよい。この場合、主機21に接続されるスクリュー軸23や、主機21に燃料を供給する燃料供給管(図示無し)、主機21で発生する排気ガスを排出する排気管(図示無し)等が、浸水浮力部屋33を貫通する部分には、水密性を確保するシール構造等が設けられる。
【0032】
(連通部の構成)
浸水浮力部屋33の後部水密壁33a、前部水密壁33bと、隔壁12,13との間には、連通部42、43が形成されている。連通部42は、浸水浮力部屋33の後部水密壁33aと、隔壁12との間で、主機関室10A内で浸水浮力部屋33に対して船幅方向W第一側(舷側3A側)と第二側(舷側3B側)とを連通している。連通部43は、浸水浮力部屋33の前部水密壁33bと、隔壁13との間で、主機関室10A内で浸水浮力部屋33に対して船幅方向W第一側(舷側3A側)と第二側(舷側3B側)とを連通している。
これら連通部42、43により、浸水浮力部屋33は、主機関室10Aを船幅方向Wに仕切らない水密区画として形成されている。
【0033】
(作用効果)
上記第二実施形態の船舶1では、主機関室10A内における一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置で、主機関室10Aを船幅方向Wに仕切らない水密区画として形成された浸水浮力部屋33を備える。これにより、舷側3A,3Bが損傷した場合にも、その影響が浸水浮力部屋33に及ぶのを抑えることができる。浸水浮力部屋33は水密区画であるので、浸水発生時に浸水浮力部屋33の内部に浸水するのを防ぐことができ、浮力を発生することができる。したがって、浸水が生じた場合にも船舶1の浮力を確保することができる。
【0034】
上記第二実施形態の船舶1では、主機関室10A内で浸水浮力部屋33に対して船幅方向W第一側と第二側とを連通する連通部42,43が設けられている。これにより、連通部42,43によって、浸水浮力部屋33を設けても主機関室10Aが船幅方向Wに仕切られることがない。船幅方向W第一側、及び第二側の何れか一方から主機関室10A内に浸水した場合、侵入した水は、連通部42,43を通して主機関室10Aの船幅方向W第一側、及び第二側の他方にも流れ込む。これにより、船舶1の復原性を高めることができる。
【0035】
上記第二実施形態の船舶1では、浸水浮力部屋33が、隔壁12,13に対して船首尾方向FAに離間して設けられている。これにより、隔壁12,13と、浸水浮力部屋33との間に、主機関室10A内で浸水浮力部屋33に対して船幅方向W第一側と第二側とを連通する連通部42,43を形成することができる。
【0036】
上記第二実施形態の船舶1では、浸水浮力部屋33が、乾舷甲板5の下方に形成されている。主機関室10A内に浸水が生じた場合に、浸水浮力部屋33,32の内側には浸水しないため、乾舷甲板5の下方への浸水量を抑えることができる。これにより、浸水浮力部屋33で発生する浮力による効果を、より効率的に発揮することができる。
【0037】
(第二実施形態の変形例)
上記第二実施形態では、浸水浮力部屋33を、主機関室10A内に一つのみ設けるようにしたが、これに限らない。
例えば、図4に示すように、機関区域A1としての主機関室10A内に、複数(この実施形態の変形例では、例えば四つ)の浸水浮力部屋33を設けるようにしてもよい。この場合、複数の浸水浮力部屋33は、主機関室10A内で、主機関室10A内における一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。
【0038】
これら複数の浸水浮力部屋33と、隔壁12,13との間には、連通部42,43が形成されている。また、船首尾方向FAで互いに隣り合う浸水浮力部屋33同士の間には、連通部44が形成されている。これら連通部42~44により、複数の浸水浮力部屋33は、主機関室10Aを船幅方向Wに仕切らない水密区画として形成されている。
【0039】
<第三実施形態>
次に、この発明に係る船舶の第三実施形態について説明する。以下に説明する第三実施形態においては、第一、第二実施形態と浸水浮力部屋の構成のみが異なるので、第一、第二実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
(船舶の構成)
以下、本開示の第三実施形態に係る船舶について、図5を参照して説明する。
図5に示すように、船舶1は、船体2と、隔壁51,54と、浸水浮力部屋34,35と、を備えている。
【0040】
(船体の構成)
図1に示すように、船体2は、乾舷甲板5と甲板7との間に、隔壁51と、中間隔壁52と、中間隔壁53と、隔壁54と、を備えている。
図5に示すように、隔壁51と、中間隔壁52とは、船首尾方向FAに間隔を空けて配置されている。中間隔壁52と、中間隔壁53とは、船首尾方向FAに間隔を空けて配置されている。中間隔壁53と、隔壁54とは、船首尾方向FAに間隔を空けて配置されている。隔壁51、中間隔壁52、中間隔壁53、及び隔壁54は、それぞれ舷側3Aから舷側3Bに至るとともに、それぞれ乾舷甲板5から甲板7に至っている。つまり、乾舷甲板5と甲板7との間の空間は、これら隔壁51、中間隔壁52、中間隔壁53、及び隔壁54により、船首尾方向に区切られている。
【0041】
(機関室の構成)
この実施形態において、乾舷甲板5と甲板7との間で且つ、隔壁51と隔壁54との間の区画は、機関区域A2としての機関室50とされている。つまり、隔壁51,54は、船体2内を船首尾方向FAに区画することで機関区域A2としての機関室50を形成する。機関室50は、主機関室50Aと、発電機室50Bと、軸室50Cと、を備えている。
【0042】
主機関室50Aは、舷側3A,3Bと、乾舷甲板5及び甲板7と、中間隔壁52と、中間隔壁53と、によって形成されている。発電機室50Bは、舷側3A,3Bと、乾舷甲板5及び甲板7と、中間隔壁53と、隔壁54と、によって形成されている。軸室50Cは、舷側3A,3Bと、乾舷甲板5及び甲板7と、隔壁51と、中間隔壁52と、によって形成されている。主機関室50Aと発電機室50Bとは、船首尾方向FAで隣接している。主機関室50Aと軸室50Cとは、船首尾方向FAで隣接している。
【0043】
(浸水浮力部屋の構成)
浸水浮力部屋34,35は、機関室50内に設けられている。浸水浮力部屋34,35は、機関室50内で、機関室50内における一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。浸水浮力部屋34,35は、船首尾方向FAに間隔をあけて設けられている。
【0044】
船首尾方向FA船首側の浸水浮力部屋34は、中間隔壁53を貫通して船首尾方向FA両側に跨がるように設けられている。浸水浮力部屋34は、側部水密壁34a,34bと、後部水密壁34cと、前部水密壁34dと、を備えている。側部水密壁34a,34bは、乾舷甲板5と甲板7との間で、中間隔壁53から船首尾方向FA両側に互いに平行に延びている。後部水密壁34cは、主機関室50A内で、後述する浸水浮力部屋35の前部水密壁35cに対して船首尾方向FA船尾側に間隔をあけて配置されるとともに、前部水密壁35cと平行に配置されている。前部水密壁34dは、発電機室50B内で、隔壁54に対して船首尾方向FA船尾側に間隔をあけて配置されるとともに、隔壁54と平行に配置されている。後部水密壁34c、前部水密壁34dは、乾舷甲板5と甲板7との間で船幅方向Wに延びて、側部水密壁34a,34b同士を接続している。この浸水浮力部屋34は、主機関室50Aと、発電機室50Bとに跨がるように設けられている。浸水浮力部屋34は、側部水密壁34a,34bと、後部水密壁34cと、前部水密壁34dにより、平面視矩形の筒状に形成されている。
【0045】
船首尾方向FA船尾側の浸水浮力部屋35は、中間隔壁52を貫通して船首尾方向FA両側に跨がるように設けられている。浸水浮力部屋35は、側部水密壁35a,35bと、前部水密壁35cと、後部水密壁35dと、を備えている。側部水密壁35a,35bは、一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。側部水密壁35a、35bは、乾舷甲板5と甲板7との間で、中間隔壁52から船首尾方向FA両側に互いに平行に延びている。前部水密壁35cは、主機関室50A内で浸水浮力部屋34の後部水密壁34cに対して船首尾方向FA船尾側に間隔をあけて配置されている。後部水密壁35dは、軸室50C内で、隔壁51に対して船首尾方向FA船首側に間隔をあけて平行に配置されている。前部水密壁35c、後部水密壁35dは、乾舷甲板5と甲板7との間で船幅方向Wに延びて、側部水密壁35a、35b同士を接続している。この浸水浮力部屋35は、主機関室50Aと軸室50Cとに跨がるように設けられている。浸水浮力部屋35は、側部水密壁35a、35bと、前部水密壁35cと、後部水密壁35dとにより、平面視矩形の筒状に形成されている。
【0046】
このような浸水浮力部屋34、35内には、主機21、及び発電機用エンジン22を収容するようにしてもよい。
【0047】
(連通部の構成)
浸水浮力部屋34の後部水密壁34cと、浸水浮力部屋35の前部水密壁35cとの間には、連通部45が形成されている。連通部45は、船首尾方向FAに間隔をあけて設けられた浸水浮力部屋34の後部水密壁34cと、浸水浮力部屋35の前部水密壁35cとの間で、機関室50の主機関室50A内で浸水浮力部屋34,35に対して船幅方向W第一側(舷側3A側)と第二側(舷側3B側)とを連通する。
【0048】
連通部46は、浸水浮力部屋34の前部水密壁34dと、隔壁54との間に形成されている。連通部46は、船首尾方向FAに間隔をあけて設けられた浸水浮力部屋34の前部水密壁34dと、隔壁54との間で、機関室50の発電機室50B内で浸水浮力部屋34に対して船幅方向W第一側(舷側3A側)と第二側(舷側3B側)とを連通する。
【0049】
連通部47は、浸水浮力部屋35の後部水密壁35dと、隔壁51との間に形成されている。連通部47は、船首尾方向FAに間隔をあけて設けられた浸水浮力部屋35の後部水密壁35dと、隔壁51との間で、機関室50の軸室50C内で浸水浮力部屋35に対して船幅方向W第一側(舷側3A側)と第二側(舷側3B側)とを連通する。
これらの連通部45~47により、浸水浮力部屋34,35は、機関室50を船幅方向Wに仕切らない水密区画として形成されている。
【0050】
(作用効果)
上記第三実施形態の船舶1では、機関区域A2としての機関室50内における一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置で、機関室50を船幅方向Wに仕切らない水密区画として形成された浸水浮力部屋34,35と、を備える。これにより、舷側3A,3Bが損傷した場合にも、その影響が浸水浮力部屋34,35に及ぶのを抑えることができる。浸水浮力部屋34,35は水密区画であるので、浸水発生時にも浸水浮力部屋34,35の内部に浸水するのを防ぐことができ、浮力を発生することができる。したがって、浸水が生じた場合にも船舶1の浮力を確保することができる。
【0051】
また、このようにして浸水発生時における船舶1の浮力を確保することで、浸水発生時の復原性を高めるために上部構造等を小さくして船舶1の重心高さを下げる必要が抑えられる。これにより、上部構造における居住区画等、各部の配置設計の自由度が高まる。また、浸水発生時における復原性を高めるために、船体2内の各部の水密区画の細分化が不要となるため、鋼材重量等の低減を図り、船舶1の建造コストの低減、推進性能の向上等を図ることもできる。
【0052】
上記第三実施形態の船舶1では、機関室50内で浸水浮力部屋34,35に対して船幅方向W第一側と第二側とを連通する連通部45~47が設けられている。これにより、浸水浮力部屋34,35を設けても機関室50が船幅方向Wに仕切られることがない。船幅方向W第一側、及び第二側の何れか一方から機関室50の主機関室50A、発電機室50B、軸室50C内に浸水した場合、侵入した水は、連通部45~47を通して、主機関室50A、発電機室50B、軸室50Cの船幅方向W第一側、及び第二側の他方にも流れ込む。これにより、船舶1の復原性を高めることができる。
【0053】
上記実施形態の船舶1では、浸水浮力部屋34,35が、乾舷甲板5の下方に形成されている。機関室50内に浸水が生じた場合に、浸水浮力部屋34,35の内側には浸水しないため、乾舷甲板5の下方への浸水量を抑えることができる。これにより、浸水浮力部屋34,35で発生する浮力による効果を、より効率的に発揮することができる。
【0054】
(第三実施形態の変形例)
上記実施形態では、浸水浮力部屋34,35を、中間隔壁52,53に対して船首尾方向FA両側に跨がるように形成するようにしたが、例えば図6に示すように、浸水浮力部屋34内に、中間隔壁53に連続して船幅方向Wに延びる内部隔壁55を設けたり、浸水浮力部屋35内に、中間隔壁52に連続して船幅方向Wに延びる内部隔壁56を設けたりしてもよい。
【0055】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上記第一、第二実施形態では、浸水浮力部屋31~33を設ける機関区域A1として、主機関室10Aを例示したが、これに限るものではなく、例えば、浸水浮力部屋31~33は、発電機室10Bや、軸室10Cに設けるようにしてもよい。
また、上記第三実施形態では、浸水浮力部屋34、35を設けるようにしたが、その何れか一方のみを設けるようにしてもよい。
【0056】
また、上記第一~第三実施形態では、浸水浮力部屋31~35を、乾舷甲板5の下方に設けるようにしたが、これに限るものではない。
例えば、図7に示すように、浸水浮力部屋31~35の一部を、乾舷甲板5の上方に突出するように設けてもよい。
これにより、浸水浮力部屋31~35の容積を増大させ、浸水浮力部屋31~35で発生する浮力による効果をさらに高めることができる。
【0057】
また、図8に示すように、乾舷甲板5の上側であって、上甲板8よりも下方に、上部浸水浮力部屋60をさらに備えるようにしてもよい。この場合、上部浸水浮力部屋60は、乾舷甲板5により、浸水浮力部屋31~35とは区画されている。上部浸水浮力部屋60は、上記各実施形態で示した浸水浮力部屋31~35と同様、一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置で水密区画として形成されている。
これにより、浸水浮力部屋31~35に加えて、上部浸水浮力部屋60を設けることで、浸水浮力部屋31~35、及び上部浸水浮力部屋60で発生する浮力をさらに増大させることができる。
なお、この上部浸水浮力部屋60は、浸水浮力部屋31~35の直上に限らず、船首隔壁19Aと船尾隔壁19Bとの間、且つ乾舷甲板5と上甲板8との間であれば、他のいかなる位置に設けてもよい。
【0058】
また、上記第一~第三実施形態では、浸水浮力部屋31~35を、平面視矩形状としたが、これに限るものではなく、その形状等は適宜変更可能である。
加えて、浸水発生時には、浸水浮力部屋31~35内に外部から水等を送り込み、船舶1の安定性、復原性を高めるようにしてもよい。
【0059】
<付記>
各実施形態に記載の船舶1は、例えば以下のように把握される。
【0060】
(1)第1の態様に係る船舶1は、一対の舷側3A,3B及び船底4を有する船体2と、前記船体2内を船首尾方向FAに区画することで機関区域A1,A2を形成する隔壁12、13、51、54と、前記機関区域A1,A2内における前記一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置で、前記機関区域A1,A2を船幅方向Wに仕切らない水密区画として形成された浸水浮力部屋31~35と、を備える。
機関区域A1,A2の例としては、主機関室10A、発電機室10B、軸室10C、機関室50が挙げられる。
【0061】
この船舶1は、浸水浮力部屋31~35が、舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置に設けられている。これにより、舷側3A,3Bが損傷した場合にも、その影響が浸水浮力部屋31~35に及ぶのを抑えることができる。浸水浮力部屋31~35は水密区画であるので、浸水発生時にも浸水浮力部屋31~35の内部に浸水するのを防ぐことができ、浮力を発生することができる。したがって、浸水が生じた場合にも船舶1の浮力を確保することができる。
【0062】
(2)第2の態様に係る船舶1は、(1)の船舶1であって、前記機関区域A1,A2内で前記浸水浮力部屋31~35に対して船幅方向W第一側と第二側とを連通する連通部41~47をさらに備える。
【0063】
これにより、浸水浮力部屋31~35を設けても、機関区域A1,A2が船幅方向Wに仕切られることがない。船幅方向W第一側、及び第二側の何れか一方から機関区域A1,A2内に浸水した場合、侵入した水は、連通部41~47を通して機関区域A1,A2の船幅方向W第一側、及び第二側の他方にも流れ込む。これにより、船舶1の復原性を高めることができる。
【0064】
(3)第3の態様に係る船舶1は、(1)又は(2)の船舶1であって、前記浸水浮力部屋33~35の内側に、少なくとも主機21が収容されている。
【0065】
これにより、機関区域A1,A2内に浸水した場合であっても、浸水浮力部屋33~35の内側に収容された主機21の作動が停止してしまうのを抑えることができる。
【0066】
(4)第4の態様に係る船舶1は、(1)から(3)の何れか一つ船舶1であって、前記浸水浮力部屋33~35は、前記隔壁12、13、51、54に対して船首尾方向FAに離間して設けられている。
【0067】
これにより、隔壁12、13、51、54と、浸水浮力部屋33~35との間に、機関区域A1,A2内で浸水浮力部屋33~35に対して船幅方向W第一側と第二側とを連通する連通部42~47を形成することができる。
【0068】
(5)第5の態様に係る船舶1は、(1)から(4)の何れか一つ船舶1であって、前記浸水浮力部屋31~35は、乾舷甲板5の下方に形成されている。
【0069】
これにより、機関区域A1,A2内に浸水が生じた場合に、浸水浮力部屋31~35の内側には浸水しないため、浸水量を抑えることができる。これにより、浸水浮力部屋31~35で発生する浮力による効果を、より効率的に発揮することができる。
【0070】
(6)第6の態様に係る船舶1は、(5)の船舶1であって、前記浸水浮力部屋31~35の一部が、前記乾舷甲板5の上方に突出して設けられている。
【0071】
これにより、浸水浮力部屋31~35の容積を増大させ、浸水浮力部屋31~35で発生する浮力による効果をさらに高めることができる。
【0072】
(7)第7の態様に係る船舶1は、(1)から(6)の何れか一つ船舶1であって、乾舷甲板5の上側に、前記一対の舷側3A,3Bから船幅方向W中央側に離間した位置で水密区画として形成された上部浸水浮力部屋60をさらに備える。
【0073】
これにより、浸水浮力部屋31~35に加えて、上部浸水浮力部屋60を設けることで、浸水浮力部屋31~35、及び上部浸水浮力部屋60で発生する浮力をさらに増大させることができる。
【符号の説明】
【0074】
1…船舶
2…船体
2a…船首部
2b…船尾部
3A、3B…舷側
4…船底
5…乾舷甲板
6…上側甲板
7…甲板
8…上甲板
9…スクリュー
19A…船首隔壁
19B…船尾隔壁
10…機関室
10A…主機関室
10B…発電機室
10C…軸室
11…後部隔壁
12、13、51、54…隔壁
14…前部隔壁
21…主機
22…発電機用エンジン
23…スクリュー軸
31~35…浸水浮力部屋
31a、31b、32a、32b、33c、33d、34a、34b、35a、35b…側部水密壁
31c、33a、34c、35d…後部水密壁
32c、33b、34d、35c…前部水密壁
41~47…連通部
50…機関室
50A…主機関室
50B…発電機室
50C…軸室
52、53…中間隔壁
55、56…内部隔壁
60…上部浸水浮力部屋
A1、A2…機関区域
FA…船首尾方向
W…船幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8