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特許7406957チャックピン、基板処理装置、基板処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】チャックピン、基板処理装置、基板処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20231221BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/304 643A
H01L21/304 648A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019202226
(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2021077734
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】藤内 裕史
(72)【発明者】
【氏名】橋本 光治
(72)【発明者】
【氏名】森岡 利仁
(72)【発明者】
【氏名】蒲 裕充
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-241390(JP,A)
【文献】実開昭64-034108(JP,U)
【文献】国際公開第2018/186409(WO,A1)
【文献】特開昭63-245333(JP,A)
【文献】特開平10-340946(JP,A)
【文献】特開平09-040019(JP,A)
【文献】特開2014-045028(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0164786(US,A1)
【文献】特開2018-113298(JP,A)
【文献】特開2005-145461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が第1の方向を法線方向として保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部と、
前記ピン部が嵌合する溝を有する本体と
を備え、
前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口し、
前記溝は前記第2の方向に沿って見て、前記第1の方向に対して傾斜する第4の方向に開口する、チャックピン。
【請求項2】
基板が第1の方向を法線方向として保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部と、
前記ピン部が嵌合する溝を有する本体と
を備え、
前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口し、
前記本体には、前記第2の方向側において前記ピン部を前記第2の方向側で露出させる孔が開口される、チャックピン。
【請求項3】
前記溝に嵌合した前記ピン部と前記溝との間に前記第2の方向に沿った流路が形成され、前記流路が前記孔と連通する、請求項に記載のチャックピン。
【請求項4】
基板が第1の方向を法線方向として保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部と、
前記ピン部が嵌合する溝を有する本体と
を備え、
前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口し、
前記溝は前記第2の方向に対する段差を有する、チャックピン。
【請求項5】
基板が第1の方向を法線方向として保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部と、
前記ピン部が嵌合する溝を有する本体と
を備え、
前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口し、
前記本体は、
前記ピン部の前記第2の方向側への移動を拘束する面
を更に有する、チャックピン。
【請求項6】
基板が第1の方向を法線方向として保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部と、
前記ピン部が嵌合する溝を有する本体と
を備え、
前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口し、
前記本体は前記第1の方向に沿った軸を中心とする回転が可能である、チャックピン。
【請求項7】
前記ピン部は、
前記周縁を把持する把持部と、
前記基板を前記第1の方向に沿って前記把持部へ案内するガイド面と
を有する、請求項に記載のチャックピン。
【請求項8】
基板に対して処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、
前記基板へ前記処理液を供給する供給機構と、
前記基板を第1の方向を法線方向として載置するスピンベースと、
前記スピンベースを回転軸を中心として回転させる回転駆動機構と、
前記スピンベースに設けられ、前記基板が保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部を有するチャックピンと
を備え、
前記チャックピンは、
前記ピン部が嵌合する溝を有する本体
を更に有し、
前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口し、
前記本体は前記スピンベースに対して着脱可能である、基板処理装置。
【請求項9】
基板に対して処理液を用いた処理を行う基板処理装置であって、
前記基板へ前記処理液を供給する供給機構と、
前記基板を第1の方向を法線方向として載置するスピンベースと、
前記スピンベースを回転軸を中心として回転させる回転駆動機構と、
前記スピンベースに設けられ、前記基板が保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部を有するチャックピンと
を備え、
前記チャックピンは、
前記ピン部が嵌合する溝を有する本体
を更に有し、
前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口し、
前記本体を前記第1の方向に沿った軸を中心として回転させるチャックピンシャフトと、
前記チャックピンシャフトを回転自在に支持するベース部と、
前記ベース部を前記軸の周囲で囲むいずれも環状の第1のパッキングおよび第2のパッキングと
を更に備え、
前記第2のパッキングは前記第1のパッキングと比較して前記軸から離れ、かつ耐薬品性が高い、基板処理装置。
【請求項10】
前記本体は前記スピンベースに対して着脱可能である、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
請求項から請求項10のいずれか一項に記載の基板処理装置と、
前記基板処理装置への前記基板の搬送を行う搬送機構と
を備える、基板処理システム。
【請求項12】
基板に対して処理液を用いた処理を行う基板処理装置と、
前記基板処理装置への前記基板の搬送を行う搬送機構と
を備える、基板処理システムであって、
前記基板処理装置は、
前記基板へ前記処理液を供給する供給機構と、
前記基板を第1の方向を法線方向として載置するスピンベースと、
前記スピンベースを回転軸を中心として回転させる回転駆動機構と、
前記スピンベースに設けられ、前記基板が保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部を有するチャックピンと
を備え、
前記チャックピンは、
前記ピン部が嵌合する溝を有する本体
を更に有し、
前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口する、基板処理システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を保持する技術に関する。保持の対象となる基板には、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置(以下「枚葉型処理装置」と称す)や、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式の基板処理装置が用いられる。一般的な枚葉型処理装置では、処理室内において1枚の基板が水平に保持され、処理の内容に応じて基板の回転や、基板への処理液(薬液やリンス液)が供給される。
【0003】
枚葉型処理装置は、例えば回転軸を中心として回転するスピンベース上に、回転方向に沿って複数のチャックピンを備えている場合がある。このような枚葉型処理装置では、チャックピンが基板の周縁を挟む(以下「把持する」と称す)ことにより、基板が保持される。
【0004】
例えば、特許文献1~4では、スピンベース上に設けられた複数のチャックピンを用いて基板が保持される技術が例示される。チャックピンの機能を担う構造として例えば特許文献1では、スピンベース上に設けられた本体材と基板保持部材とが、鉛直軸に沿って互いに螺合し合う締結用ネジと支持ベース部材とで挟まれる構造が開示される。
【0005】
チャックピンの機能を担う構造として例えば特許文献4では、心材が締結部材によって支持部材に固定され、締結部材には雄ねじが。支持部材には雌ねじが、それぞれ設けられる構造が開示される。心材は基板の外周部に押しつけられる導電性部材に覆われる。支持部材はチャック開閉機構に接続されて鉛直な支持部材の中心線を中心として回動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-19701号公報
【文献】特開2014-241390号公報
【文献】特開2015-170609号公報
【文献】特開2017-228582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
チャックピンは、変形したり、消耗したりすることを考慮して、特にその基板を保持する部分の交換が可能であることが望ましい。特許文献1,4に開示された構造では基板を保持する部分の交換にはネジを回転させる操作が必要であり、当該操作には多くの時間が必要となる。
【0008】
本発明は、基板を保持するための部分を交換しやすいチャックピンを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するためにチャックピンは、基板が第1の方向を法線方向として保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部と、前記ピン部が嵌合する溝を有する本体とを備える。前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口する。
【0010】
1態様のチャックピンでは、前記溝は前記第2の方向に沿って見て、前記第1の方向に対して傾斜する第4の方向に開口する。
【0011】
2態様のチャックピンでは、前記本体には、前記第2の方向側において前記ピン部を前記第2の方向側で露出させる孔が開口される。
【0012】
態様は、第態様のチャックピンであって、前記溝に嵌合した前記ピン部と前記溝との間に前記第2の方向に沿った流路が形成され、前記流路が前記孔と連通する。
【0013】
4態様のチャックピンで、前記溝は前記第2の方向に対する段差を有する。
【0014】
5態様のチャックピンで、前記本体は、前記ピン部の前記第2の方向側への移動を拘束する面を更に有する。
【0015】
態様のチャックピンで、前記本体は前記第1の方向に沿った軸を中心とする回転が可能である。
【0016】
態様は、第態様のチャックピンであって、前記ピン部は、前記周縁を把持する把持部と、前記基板を前記第1の方向に沿って前記把持部へ案内するガイド面とを有する。
【0017】
板に対して処理液を用いた処理を行う基板処理装置、前記基板へ前記処理液を供給する供給機構と、前記基板を第1の方向を法線方向として載置するスピンベースと、前記スピンベースを回転軸を中心として回転させる回転駆動機構と、前記スピンベースに設けられ、前記基板が保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部を有するチャックピンとを備える。前記チャックピンは、前記ピン部が嵌合する溝を有する本体を更に有し、前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口する。
【0018】
第8態様の基板処理装置で、前記本体は前記スピンベースに対して着脱可能である。
【0019】
9態様の基板処理装置、前記本体を前記第1の方向に沿った軸を中心として回転させるチャックピンシャフトと、前記チャックピンシャフトを回転自在に支持するベース部と、前記ベース部を前記軸の周囲で囲むいずれも環状の第1のパッキングおよび第2のパッキングとを更に備える。前記第2のパッキングは前記第1のパッキングと比較して前記軸から離れ、かつ耐薬品性が高い。
第10態様は、第9態様の基板処理装置であって、前記本体は前記スピンベースに対して着脱可能である。
【0020】
第1態様は基板処理システムであって、第態様から第1態様のいずれかの基板処理装置と、前記基板処理装置への前記基板の搬送を行う搬送機構とを備える。
第12態様は基板処理システムであって、基板に対して処理液を用いた処理を行う基板処理装置と、前記基板処理装置への前記基板の搬送を行う搬送機構とを備える。前記基板処理装置は、前記基板へ前記処理液を供給する供給機構と、前記基板を第1の方向を法線方向として載置するスピンベースと、前記スピンベースを回転軸を中心として回転させる回転駆動機構と、前記スピンベースに設けられ、前記基板が保持されるときに前記基板の周縁を把持するピン部を有するチャックピンとを備える。前記チャックピンは、前記ピン部が嵌合する溝を有する本体を更に有する。前記溝は、前記第1の方向に対して傾斜する第2の方向および前記第2の方向と反対の方向である第3の方向に沿って前記ピン部を移動可能に案内し、前記第2の方向および前記第3の方向を除く方向への前記ピン部の移動を拘束し、前記第3の方向側で開口する。
【発明の効果】
【0021】
上述のチャックピンによると、基板が保持されるときにその周縁を把持するピン部は、第3方向に沿って本体から離脱され、第3方向側から溝へ第2方向に沿って本体に装着されることにより、交換が簡易である。
【0022】
態様のチャックピンによると、ネジ止めが不要で第1の方向へのピン部の移動が抑制される。
【0023】
態様のチャックピンによると、孔からピン部を押して、ピン部を本体から離脱させることが容易である。
【0024】
態様のチャックピンによると、基板に供給された処理液がチャックピンを経由して排出される。
【0025】
態様のチャックピンによると、着脱時以外においてピン部が本体から離脱することが制限される。
【0026】
態様のチャックピンによると、スピンベースの回転時においてピン部に働く遠心力に抗してピン部が支えられる。
【0027】
態様のチャックピンによると、本体の回転によってピン部による基板の周縁の把持の有無が実現される。
【0028】
態様のチャックピンによると、本体の回転によってピン部による基板の周縁の把持の有無が実現される。
【0029】
上述の基板処理装置によると、基板が保持されるときにその周縁を把持するピン部は、第3方向に沿って本体から離脱され、第3方向側から溝へ第2の方向に沿って本体に装着されることにより、交換が簡易である。
【0030】
第8の態様及び第10の態様の基板処理装置によると、本体も交換可能である。
【0031】
の態様の基板処理装置によると、第1のパッキングの劣化が防止される。
【0032】
第11の態様および第12の態様の基板処理システムによると、基板が保持されるときにその周縁を把持するピン部は、第3の方向に沿って本体から離脱され、第3の方向側から溝へ第2の方向に沿って本体に装着されることにより、交換が簡易である。

【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】基板処理システムの構成の概略を例示する平面図である。
図2】一つの基板処理装置の構成の概略を例示する全体図である。
図3】本体とピン部とを示す斜視図である。
図4】本体の側面図である。
図5】本体の断面図である。
図6】ピン部を示す斜視図である。
図7】チャックピンを示す斜視図である。
図8】チャックピンの断面図である。
図9】本体とピン部との断面図である。
図10】チャックピンの位置を示す平面図である。
図11】チャックピンの位置を示す平面図である。
図12】チャックピンの第1の変形を示す断面図である。
図13】チャックピンの第2の変形を示す断面図である。
図14】チャックピンの第3の変形を示す断面図である。
図15】チャックピンとチャック開閉機構との断面を部分的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態が説明される。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
【0035】
なお、本実施の形態において「保持」とは保持される対象の位置を保つことを指し、「載置」とは載置の対象を載せることを指し、「把持」とは保持の対象を直接的に支持することを指し、「保持」は「載置」と「把持」のいずれをも含む概念として用いられる。
【0036】
特に基板の周縁がチャックピンによって把持されている状態を「把持状態」と称し、基板の周縁がチャックピンによって把持されることなく基板が単にチャックピン上に載置される状態を「載置状態」と称する。また、把持状態および載置状態を問わず、基板が保持される状態を「保持状態」と称す。
【0037】
[基板処理システムの構成]
図1は基板処理システム700の構成の概略を例示する平面図である。本実施の形態において発明の理解を容易にするために、方向Zが導入される。典型的には方向Zは鉛直上向きの方向である。
【0038】
基板処理システム700は、基板処理装置710と、センターロボット708を備える。図1においては基板処理装置710は四つの組71に設けられ、組71の各々において3個ずつの基板処理装置710が設けられる場合が示される。
【0039】
基板処理装置710は基板Wに対して処理液を用いた処理を行う枚葉型処理装置である。処理液は後述する薬液およびリンス液を含む概念である。薬液の例として、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、および腐食防止剤のうちの少なくとも一つを含む液体が挙げられる。リンス液の例として、リンス液ノズル738に供給されるリンス液の例として、純水(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、IPA(イソプロピルアルコール)、および塩酸水が挙げられる。
【0040】
基板Wは例えば半導体ウエハであり、円板状である。センターロボット708は、基板処理装置710への基板Wの搬送を行う搬送機構である。
【0041】
基板処理システム700は流体キャビネット702、流体ボックス703、ロードポート706と、インデクサーロボット709とを更に備える。
【0042】
流体キャビネット702は上記の処理液を収容する。流体キャビネット702は更に基板Wを処理する際に採用されるガスを収容することができる。流体ボックス703は流体キャビネット702から処理液、あるいは処理液および上記のガスを基板処理装置710に供給する。図1においては流体ボックス703が組71毎に設けられる場合が例示される。
【0043】
いずれのロードポート706も基板Wを複数枚で収容可能である。例えば基板Wはロードポート706において積層されて収容される。センターロボット708とロードポート706との間において、基板Wはインデクサーロボット709によって搬送される。インデクサーロボット709と基板処理装置710との間において、基板Wはセンターロボット708によって搬送される。
【0044】
基板処理装置710の動作、センターロボット708の動作およびインデクサーロボット709の動作は、制御装置73によって制御される。図1においては制御装置73が基板処理システム700に備えられる場合が例示される。
【0045】
制御装置73は例えば制御部731および記憶部732を含む。制御部731はマイクロコンピュータで実現することができる。記憶部732はコンピュータプログラムを記憶する。制御部731は記憶部732が記憶するコンピュータプログラムを実行する。
【0046】
記憶部732は更にレシピデータを記憶する。レシピデータは複数のレシピを示す情報を含む。レシピの各々は基板Wの搬送および基板Wに対する処理のそれぞれについての内容および手順を規定する。
【0047】
記憶部732は主記憶装置と補助記憶装置とを含む。主記憶装置および補助記憶装置は、例えば半導体メモリーで実現される。補助記憶装置は他の記憶装置、例えばハードディスクドライブで実現されてもよいし、リムーバブルメディアで実現されてもよい。
【0048】
[基板処理装置の構成]
図2は一つの基板処理装置710の構成の概略を例示する全体図である。制御装置73は基板処理装置710に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する。
【0049】
基板処理装置710は、チャンバー74と、スピンチャック75と、処理液供給機構76と、カップ77とを含む。
【0050】
チャンバー74は箱形であって内部空間を有する。スピンチャック75はチャンバー74内で一枚の基板Wを水平な姿勢で保持する基板保持機構として機能する。スピンチャック75は鉛直な(ここでは方向Zと平行な)線である基板回転軸A1を中心として基板Wを回転させる。基板回転軸A1は例えば基板Wの中心を通る。処理液供給機構76はスピンチャック75に保持された基板Wの処理の対象となる表面(主面)に処理液を供給する。カップ77は筒状であって、基板回転軸A1を中心としてスピンチャック75を取り囲む。
【0051】
チャンバー74は、隔壁78と、FFU(ファンフィルターユニット)79と、排気ダクト72とを含む。隔壁78は箱形であってスピンチャック75等を収容する。FFU79は基板処理装置710の天井からチャンバー74内に下向きにクリーンエアー(フィルターによってろ過された空気)を送る送風ユニットである。FFU79は隔壁78の上方に位置し、隔壁78の上方から隔壁78内にクリーンエアーを送る。
【0052】
排気ダクト72はカップ77の下部からチャンバー74内の気体を排出する。排気ダクト72は、カップ77の底部に接続されており、基板処理装置710が設置される工場に設けられた排気設備(図示省略)に向けてチャンバー74内の気体を案内する。したがって、チャンバー74内を下方に流れるダウンフロー(下降流)が、FFU79および排気ダクト72によって形成される。基板Wの処理は、チャンバー74内にダウンフローが形成されている状態で行われる。
【0053】
スピンチャック75は、スピンベース711と、複数のチャックピン712と、チャック開閉機構713とを含む。スピンベース711は円板状であって水平な姿勢で保持される。複数のチャックピン712はスピンベース711の上面(鉛直方向の上方に露出する面)の外周の部位から上方に突出する。チャック開閉機構713は複数のチャックピン712を開閉させる。
【0054】
チャックピン712の「開閉」の「開」は載置状態を得ることができる位置にチャックピン712を移動させることを指し、「閉」は把持状態を得ることができる位置にチャックピン712を移動させることを指す。載置状態にあるチャックピン712が閉じられることで載置状態から把持状態に遷移する。把持状態にあるチャックピン712が開かれることで把持状態から載置状態に遷移する。
【0055】
基板処理装置710は、スピン軸714とスピンモータ715とを備える。スピン軸714はスピンベース711の中央部から鉛直下方に延びる。スピンモータ715はスピン軸714を回転させ、ひいてはスピンベース711およびチャックピン712を基板回転軸A1を中心として、例えば鉛直下方に沿って見て反時計回りの方向Rdrに回転させる。スピンモータ715およびスピン軸714は、スピンチャック75を鉛直方向に延びる基板回転軸A1を中心に回転する回転駆動機構716として機能する。
【0056】
スピンベース711の外径は、基板Wの直径よりも大きい。スピンベース711の中心線は、基板回転軸A1上に位置する。複数のチャックピン712は、スピンベース711の外周部でスピンベース711に保持されている。複数のチャックピン712は、周方向(基板回転軸A1を中心とする円周方向)に間隔を空けて位置する。チャックピン712の各々は、基板Wの周縁に接触する。
【0057】
これにより、基板Wの下面とスピンベース711の上面とが上下方向に離れた状態で、基板Wが方向Zを法線方向として、ここでは水平に保持される。チャックピン712は、基板Wの周縁を把持することで基板Wをスピンベース711から上側に離間させて保持する機能を有する。
【0058】
複数のチャックピン712によって基板Wが把持された状態でスピンモータ715がスピン軸714を回転させることにより、基板Wはスピンベース711およびチャックピン712と共に基板回転軸A1を中心として回転する。
【0059】
処理液供給機構76は、薬液ノズル734と、薬液配管735と、薬液バルブ736とを含む。薬液ノズル734は基板Wの上面に向けて薬液を吐出する上面ノズルとして機能する。薬液配管735は薬液ノズル734に接続される。薬液バルブ736は薬液配管735の途中に設けられる。薬液配管735には薬液バルブ736を介して流体ボックス703から薬液が供給される。
【0060】
薬液バルブ736が開かれると、薬液配管735から薬液ノズル734に供給された薬液が、薬液ノズル734から下方に吐出される。薬液バルブ736が閉じられると、薬液ノズル734からの薬液の吐出が停止される。
【0061】
薬液ノズル734は、基板Wの上面に対する薬液の着液位置が中央部と周縁との間で移動するように移動しながら薬液を吐出するスキャンノズルとして機能する。
【0062】
基板処理装置710は薬液ノズル移動装置737を含む。薬液ノズル移動装置737は薬液ノズル734を移動させることにより、薬液の着液位置を基板Wの上面内で移動させる。
【0063】
薬液ノズル移動装置737は、薬液ノズル734から吐出された薬液が基板Wの上面に着液する処理位置と、薬液ノズル734がスピンチャック75の周囲に退避した退避位置との間で薬液ノズル734を移動させる。
【0064】
処理液供給機構76は、リンス液ノズル738と、リンス液配管739と、リンス液バルブ740とを含む。リンス液ノズル738は、基板Wの上面に向けてリンス液を吐出する上面ノズルとして機能する。リンス液配管739はリンス液ノズル738に接続される。リンス液バルブ740はリンス液配管739の途中に設けられる。リンス液配管739にはリンス液バルブ740を介して流体ボックス703からリンス液が供給される。
【0065】
リンス液バルブ740が開かれると、リンス液配管739からリンス液ノズル738に供給されたリンス液が、リンス液ノズル738から下方に吐出される。リンス液バルブ740が閉じられると、リンス液ノズル738からのリンス液の吐出が停止される。
【0066】
リンス液ノズル738は、基板Wの上面に対するリンス液の着液位置が中央部と周縁との間で移動するように移動しながら処理リンス液を吐出するスキャンノズルとして機能する。
【0067】
基板処理装置710はリンス液ノズル移動装置741を含む。リンス液ノズル移動装置741は、リンス液ノズル738を移動させることにより、リンス液の着液位置を基板Wの上面内で移動させる。
【0068】
リンス液ノズル移動装置741は、リンス液ノズル738を移動させることにより、リンス液の着液位置を基板Wの上面内で移動させる。
【0069】
リンス液ノズル移動装置741は、リンス液ノズル738から吐出されたリンス液が基板Wの上面に着液する処理位置と、リンス液ノズル738がスピンチャック75の周囲に退避した退避位置との間でリンス液ノズル738を移動させる。
【0070】
カップ77は、保持状態にある基板Wよりも外方(基板回転軸A1から離れる方向)に位置する。カップ77は、外壁747と、複数の処理液カップと、複数のガードと、ガード昇降装置755とを含む。
【0071】
外壁747は筒状であってスピンチャック75を取り囲む。複数の処理液カップは第1処理液カップ748、第2処理液カップ749、第3処理液カップ750を含む。第1処理液カップ748、第2処理液カップ749、第3処理液カップ750は、いずれもスピンチャック75と外壁747との間でスピンチャック75を囲む。
【0072】
第1処理液カップ748は第2処理液カップ749よりもスピンチャック75に近く位置する。第2処理液カップ749は、第1処理液カップ748よりも外方に位置する。第3処理液カップ750は、第2処理液カップ749よりも外方に位置する。
【0073】
複数のガードは基板Wの周囲に飛散した処理液を受け止める。複数のガードはスピンチャック75と外壁747との間でスピンチャック75を取り囲む。複数のガードは第1ガード751、第2ガード752、第3ガード753、第4ガード754を含む。
【0074】
第1ガード751、第2ガード752、第3ガード753、第4ガード754はガード昇降装置755の制御により駆動され、独立して任意に昇降する。かかる昇降により、使用された処理液は、例えばその種類に応じて、第1処理液カップ748、第2処理液カップ749、第3処理液カップ750に導かれる。ガード昇降装置755は第1ガード751、第2ガード752、第3ガード753、第4ガード754を、互いに独立して昇降させる。第3処理液カップ750は第2ガード752と共に昇降する。第3処理液カップ750は例えば第2ガード752と一体である。
【0075】
第1処理液カップ748、第2処理液カップ749、第3処理液カップ750のいずれもが、上向きに開いた環状の溝を形成する。第1処理液カップ748、第2処理液カップ749、第3処理液カップ750に導かれた処理液は、これらの溝を通じて図示しない回収装置または廃液装置に送られる。
【0076】
第1ガード751、第2ガード752、第3ガード753、第4ガード754のいずれもが、傾斜部756と案内部757とを含む。傾斜部756は円筒状であり下方から上方に向かうに連れて内方へ向かう。案内部757は円筒状であり傾斜部756の下端から下方に延びる。四つの傾斜部756は上下に重なって位置する。四つの案内部757は、同軸的に位置する。
【0077】
第1ガード751、第2ガード752、第3ガード753、第4ガード754の上端部は、それぞれの傾斜部756の上端部で構成される。これらの上端部は基板Wおよびスピンベース711よりも大きな直径を有する。
【0078】
第1ガード751の案内部757は第1処理液カップ748内に、第2ガード752の案内部757は第2処理液カップ749内に、第3ガード753の案内部757は第3処理液カップ750内に、それぞれ出入り可能である。
【0079】
ガード昇降装置755が第1ガード751、第2ガード752、第3ガード753、第4ガード754の少なくとも一つを昇降させることにより、カップ77の展開および折り畳みが可能である。
【0080】
ガード昇降装置755は、第1ガード751の上端が基板Wより上方に位置する上位置と、第1ガード751の上端が基板Wより下方に位置する下位置との間で第1ガード751を昇降させ、上位置と下位置との間の任意の位置で第1ガード751を保持する機能を有する。ガード昇降装置755は、第2ガード752、第3ガード753、第4ガード754を同様に昇降させ、保持する機能を有する。
【0081】
基板Wへの処理液の供給および基板Wの乾燥は、複数のガードが、基板Wの周縁面に対向している状態で行われる。例えば第3ガード753を基板Wの周縁面に対向させる場合には、第1ガード751および第2ガード752が下位置に配置され、第3ガード753および第4ガード754が上位置に配置される。また、最も外側の第4ガード754を基板Wの周縁面に対向させる場合には、第4ガード754が上位置に配置され、第1ガード751、第2ガード752、第3ガード753が下位置に配置される。
【0082】
<チャックピン712>
次に、チャックピン712の詳細な構成が説明される。図3はチャックピン712を構成する本体1とピン部2とを示す斜視図である。本体1にピン部2が嵌挿されてチャックピン712が構成される。換言すればチャックピン712は、本体1とピン部2とを備える。
【0083】
図3においては、チャックピン712が構成された状態ではなく、本体1とピン部2とが分離された状態が示される。方向R2に沿って本体1にピン部2が嵌合されることが、方向R2に平行な四本の鎖線で示される。方向R2は方向Zに対して傾斜しており、例えば方向Zに対して略垂直である。
【0084】
ピン部2は方向R2に沿って本体1に装着される。方向R2は本体1の軸Qを中心とした回転によって変動する。方向R2の変動については後述される。
【0085】
方向R3は方向R2とは反対の方向であって、ピン部2は方向R3に沿って本体1から離脱できる。
【0086】
本体1は孔102が開口する環状部10と、シャフト101とを有する。孔102は方向Zに沿って貫通する。孔102は例えば蓋で覆われてもよい。当該蓋には、例えば、PTFE(polytetrafluoroethylene)を採用することができる。
【0087】
環状部10とシャフト101とは連結される。シャフト101は不図示の機構によって駆動され、環状部10が回転する。例えば孔102の中心軸は軸Qであり、環状部10は軸Qを中心として回転する。環状部10はスピンベース711の方向Z側の面(上面)に設けられ、シャフト101はスピンベース711を方向Zに沿って貫通する。
【0088】
ピン部2は、基板Wが方向Zを法線方向として保持されるときに基板Wの周縁を把持する。本体1は、ピン部2が嵌合する溝116を有する。溝116は方向R3側で開口し、方向R2,R3に沿ってピン部2を移動可能に案内する。ピン部2は方向R3側から方向R3に沿って移動して溝116へ挿入されることができ、方向R2に沿って移動して溝116から離脱されることができる。
【0089】
溝116は方向R2,R3を除く方向へのピン部2の移動を拘束する。この拘束を得るための具体的な形状が以下に説明される。
【0090】
図4は本体1を方向R2に沿って見た側面図である。溝116は底面111と、一対の側面113と、一対の上面115とを有する。底面111と上面115とは方向Zにおいて対向し、側面113は上面115と底面111とに挟まれて方向R2に沿って延在する。
【0091】
方向R2に沿って見れば、溝116は図4の右側において現れる部分が方向D4に向いて開口し、左側において現れる部分で方向D5に向いて開口する。
【0092】
方向D4,D5は方向Zに対して傾斜しており、例えば方向Z,R2,R3に対して垂直であり、互いに反対の方向である。この場合、一対の側面113は方向D4あるいは方向D5において対向する。
【0093】
本体1は、溝116よりも方向Z側において、方向D4,D5において対向する一対の側面114を有する。一対の側面114同士が対向する間隔は、一対の側面113同士が対向する間隔よりも狭い。
【0094】
図5は本体1の位置V-Vにおいて方向D4に沿って見た断面図である(図3参照)。位置V-Vは、側面113同士が対向する間の方向D4における中央にある(図4も参照)。図6はピン部2を示す斜視図である。図7はチャックピン712を示す斜視図であり、本体1とピン部2とが嵌合された状態(以下「嵌合状態」と仮称)が示される。図8はチャックピン712の位置VIII-VIIIにおいて方向D4に沿って見た断面図である。位置VIII-VIIIは、側面113同士が対向する間の方向D4における中央にある。図6においては嵌合状態が得られたときの方向をも付記した。
【0095】
なお図7において溝116の方向R3側の縁が端面231の方向R3側の縁からずれているように描かれる。かかる描写は図7が方向R2に対して俯角を有して傾斜した斜視図であることに起因し、溝116の方向R3側の縁が方向Zにおける位置を維持しつつ環状部10近傍において方向D4,D5に対して傾斜することが示される。
【0096】
ピン部2は基板Wの周縁を把持する把持部21と、ガイド面232と、溝116に嵌合する張り出し部22とを有する。把持部21は基板Wの周縁を把持する機能を有する凹部を呈する。当該凹部が開口する方向は、嵌合状態においては方向R3である。ガイド面232は、基板Wを方向Zに沿って把持部21へ案内する。ガイド面232の詳細は後述する。
【0097】
ピン部2は把持部21と張り出し部22との間、より具体的にはガイド面232と張り出し部22との間に側面214を有する。側面214は嵌合状態において側面114と方向D4,D5において対向する。
【0098】
張り出し部22は側面214に対して張り出す。その張り出す方向は嵌合状態において方向D4,D5に沿う。
【0099】
張り出し部22は一対の上面215、一対の側面213、底面211を有する。上面215は嵌合状態において上面115と方向Zにおいて対向する。側面213は嵌合状態において側面113と方向D4,D5において対向する。底面211は嵌合状態において底面111と方向Zに沿って対向する。
【0100】
(i)嵌合状態において上面115は上面215が方向Zに沿って移動することを抑制する。これにより、ピン部2は方向Zに沿った移動が拘束される。
【0101】
(ii)嵌合状態において上面115は上面215が方向Zに沿って移動することを抑制する。嵌合状態において底面111は底面211が方向Zと反対の方向に沿って移動することを抑制する。よって張り出し部22、ひいてはピン部2の、方向Zおよびこれと反対の方向に沿った移動が拘束される。
【0102】
(iii)嵌合状態において側面113は側面213が方向D4,D5に沿って移動することを抑制する。よって張り出し部22、ひいてはピン部2の、方向D4,D5に沿った移動が拘束される。
【0103】
上記(i),(ii),(iii)から理解されるように、溝116は、方向R2,R3を除く方向へのピン部2の移動を拘束する機能を果たす。
【0104】
このように、チャックピン712においては、ピン部2が本体1から脱着可能であり、しかもその脱着の方向、上述の例では方向R2,R3以外の方向における移動が拘束される。
【0105】
基板Wが保持されるときにその周縁を把持するピン部2は、方向R3に沿って本体1から離脱され、方向R3側から溝116へ方向R2に沿って本体1に装着される。よってチャックピン712の全体を交換する必要がないばかりか、ピン部2の交換も簡易である。
【0106】
溝116は方向D4,D5に開口するので、上記(i),(ii)から理解されるように、ネジ止めが不要で方向Zへのピン部2の移動が抑制される。
【0107】
以上のことから、下記の説明が可能である:チャックピン712は、本体1とピン部2とを有する。ピン部2はスピンベース711に設けられて基板Wが保持されるときに基板Wの周縁を把持する。本体1はピン部2が嵌合する溝116を有する。溝116は、方向Zに対して傾斜する方向R2および方向R2と反対の方向である方向R3に沿ってピン部2を移動可能に案内し、方向R2,R3を除く方向へのピン部2の移動を拘束し、方向R3側で開口する。
【0108】
下記の説明も可能である:基板処理装置710は基板Wに対して処理液を用いた処理を行う。基板処理装置710は、基板Wへ処理液を供給する処理液供給機構76と、基板Wを方向Zを法線方向として載置するスピンベース711と、スピンベース711を基板回転軸A1を中心として回転させる回転駆動機構716と、チャックピン712とを備える。
【0109】
下記の説明も可能である:基板処理システム700は、基板処理装置710と、基板処理装置710への基板Wの搬送を行う搬送機構として機能するセンターロボット708とを備える。
【0110】
例えば、本体1とピン部2とは異なる材料で作製される。例えば本体1をセラミックスで形成することは、膨張しにくい観点で望ましい。当該セラミックスとして炭化珪素(SiC)が例示できる。
【0111】
例えばピン部2は合成樹脂を含む材料で形成することは、基板Wの周縁を把持するときに基板Wが割れにくい観点で望ましい。当該材料としては、PTFE-CNT(carbon nanotube)、あるいはPFA(Perfluoroalkoxy alkane)-CF(carbon fiber)が例示される。これらの材料は導電性があって熱膨張率が小さい観点で有利である。PTFE-CNTは耐薬品性に富む観点で更に有利である。
【0112】
ピン部2は嵌合状態において方向R2側に位置する端面221と、方向R3側に位置する端面231とを有する。端面231は嵌合状態において方向R2に沿って見て、溝116によって方向D4,D5において挟まれて現れる(図7参照)。
【0113】
本体1には孔120が開口される。孔120は方向R2側においてピン部2を、より具体的には端面221を露出させる(図8参照)。
【0114】
嵌合状態にあるピン部2に対して、孔120からピン部2を押すことにより、例えば孔120を貫通する棒(不図示)を介してピン部2を方向R3へ押すことにより、ピン部2を本体1から離脱させることが容易である。
【0115】
図9は嵌合状態にある本体1とピン部2との断面図である。図9は、方向R2において溝116と張り出し部22とが現れる位置での、方向R2に沿って見た断面を示す。
【0116】
方向D4側(図面左側)に位置して互いに対向する側面114,214は互いに当接している状態が示される。方向D5側(図面右側)に位置して互いに対向する側面114,214は互いに当接している状態が示される。
【0117】
上述のようにピン部2が合成樹脂で形成され、本体1がセラミックスで形成された場合において、ピン部2が本体1へ嵌合される際に、ピン部2は本体1へ方向R2に沿って圧入される。よって本体1およびピン部2を製造する工程における公差を無視すれば、対向する側面114,214の間の距離が実質的に零となることも想定され得る。しかしながら、実際には当該公差は存在するので、必ずしも当該距離は実質的に零とならない。対向する上面115,215の間の距離も実質的には零とはならない。よって嵌合状態にある本体1とピン部2との間に処理液が、例えば側面114,214の間および上面115,215の間を経由して流れ込む場合が想定される。
【0118】
図7においては詳細には示されないが、方向D4側(図面左側)に位置して互いに対向する側面113,213の間に距離d31の隙間がある。図7においては詳細には示されないが、方向D5側(図面右側)に位置して互いに対向する側面113,213の間に距離d32の隙間がある。距離d31,d32は例えば数mm程度に設計される。これにより、溝116と嵌合したピン部2と溝116との間には方向R2に沿った流路が形成され、当該流路が孔120と連通する。よって嵌合状態にある本体1とピン部2との間に処理液が、例えば側面114,214の間を経由して流れ込んできた場合であっても、孔120から処理液がチャックピン712から排出される。
【0119】
つまり孔120は処理液の排出口として機能してもよい。基板Wに供給された処理液が排出されることは、基板W上に微粒子が残留することを抑制する観点で望ましい。
【0120】
側面114,214の少なくともいずれか一方に、あるいは上面115,215の少なくともいずれか一方に、方向R2に沿った切り込みが設けられてもよい。当該切り込みは方向Zに沿ってもよい。これらの切り込みは処理液の排出の際に流路となり得るので、側面113,213の間における流路が埋まっても、処理液が排出されやすい。
【0121】
図10および図11はチャックピン712の位置を示す平面図であり、いずれも方向Zとは反対の方向から見た図である。図10は載置状態を、図11は把持状態を、それぞれ示す。載置状態と把持状態とは、本体1が軸Qを中心として回転することによって実現される。換言すれば本体1が方向Zに沿った軸Qを中心とする回転が可能であり、当該回転によってピン部2による基板Wの周縁の把持の有無が実現される。
【0122】
視認性を高めるため、図10および図11のいずれにおいても基板Wの周縁が二点鎖線によって示される。図10においては把持状態においてのみ現れるチャックピン712の形状が一点鎖線によって、図11においては載置状態においてのみ現れるチャックピン712の形状が一点鎖線によって、それぞれ示される。
【0123】
載置状態では基板Wの周縁はガイド面232に載置され、把持部21による把持はなされない(図10参照)。把持状態では基板Wの周縁は把持部21によって把持され、ガイド面232から外れる(図11参照)。ガイド面232は本体1が回転することによって、ピン部2による基板Wの周縁の把持の有無を実現する。かかる機能を果たすべく、ガイド面232は傾斜を有し、当該傾斜は、嵌合状態において方向R2に向うにつれて方向Zへ上昇する。ガイド面232は方向R2に沿って基板Wを把持部21へ案内するということもできるし、ガイド面232は方向Zの方向に沿って基板Wを把持部21へ案内するということもできる。
【0124】
ガイド面232は嵌合状態において方向R2に向うにつれて幅広となる形状を呈する。かかる形状は処理液がチャックピン712に残留しない観点で望ましい。
【0125】
本体1が軸Qを中心として回転することで載置状態と把持状態とが切り替わるので、方向R2は載置状態と把持状態とで相違する(方向R2が変動する)。孔120が排出口として機能する観点からは、載置状態においても把持状態においても、基板回転軸A1からチャックピン712へ向う方向rに対して、方向R2は90度未満であることが望ましい。スピンベース711の回転に伴ってピン部2にかかる遠心力が、ピン部2を離脱させにくくし、孔120から処理液を排出しやすくするからである。
【0126】
ピン部2は本体1に対して圧入される。当該圧入が可能であれば、方向R2と垂直な方向のいずれかにおいて、ピン部2の長さの方が本体1の長さよりも長く設定されてもよい。圧入されたピン部2はクリープ現象により、本体1に対して密着しやすい。
【0127】
底面111には凹部112が設けられ(図3図5図8図9参照)、底面211には凸部212が設けられる(図6図8図9参照)。図9は方向R2において凹部112および凸部212が現れない位置における断面を示し、よって凹部112および凸部212は隠れ線として破線によって示される。
【0128】
ピン部2は本体1に対して圧入されることにより、凸部212が存在するにも拘わらず、溝116に沿って方向R2へ挿入されることができる。
【0129】
嵌合状態において凸部212は凹部112と嵌合する。この観点で、凹部112は溝116が有する第1嵌合部として機能し、凸部212はピン部2が有する第2嵌合部として機能する。
【0130】
凸部212が凹部112と嵌合することにより、方向R2または方向R3、あるいは方向R2,R3の両方におけるピン部2の移動が制限される。これはピン部2が着脱時以外において本体1から離脱することが制限される観点で望ましい。
【0131】
但し凸部212が凹部112と嵌合する強度は、ピン部2が方向R3に沿った外部から押されることによって離脱される程度に制限される。
【0132】
第1嵌合部は底面111以外、例えば上面115あるいは側面113に設けられてもよい。この場合、第2嵌合部はそれぞれ上面215や側面213に設けられる。
【0133】
但し、凸部212が設けられず、凹部112のみが設けられても、方向R2または方向R3、あるいは方向R2,R3の両方におけるピン部2の移動が制限される効果は得られる。ピン部2は本体1に対して圧入されることにより、圧入されたピン部2はクリープ現象によって凹部112へ侵入するからである。
【0134】
かかる観点からは、溝116は方向R2に対する段差を有することで上記効果が得られ、当該段差は凹部112によって形成されるといえる。
【0135】
但し凸部212が設けられない場合、いわゆる「しまりばめ」を伴って嵌合状態が得られることが望ましい。具体的には上面115と底面111との間隔よりも、嵌合状態が得られる前の上面215と底面211との間隔の方が、所定のはめあい公差で大きいことが望まれる。
【0136】
溝116がいずれか一方の側面113、あるいは一対の側面113の両方において方向R2に対する段差を有することでも、上記効果が得られる。第2嵌合部が設けられない場合には、一対の側面113同士の間隔よりも、嵌合状態が得られる前の一対の側面213同士の間隔の方が、所定のはめあい公差で大きいことが望まれる。
【0137】
本体1は、孔120よりも方向Z側に位置する部分12を有する。部分12は方向R3側に面121を、方向Z側に面122を、それぞれ呈する。嵌合状態において面121は端面221と当接する(図8参照)。かかる当接により、ピン部2の方向R2への移動が拘束される。換言すれば、本体1が有する面121は、ピン部2の方向R2側への移動を拘束する。かかる拘束は、スピンベース711の回転によってピン部2に働く遠心力に抗してピン部2を支える観点で望ましい。
【0138】
ピン部2は把持部21に対して端面221よりも方向Z側で面222を有する。嵌合状態において面222は面122と対向する。図8に例示されるように面222が面122と当接することは、処理液がピン部2と本体1との間に流れ込まない観点で望ましい。
【0139】
但し、チャックピン712において面222と面122との間、あるいは更に面121と端面221との間に処理液が流れたとしても、かかる処理液は孔120を経由してチャックピン712から排出される。
【0140】
本体1は方向Z側に上面123を有し、側面114と隣接する。上面123と側面114との境界は、典型的には方向R2に沿って延びる。ピン部2は方向Z側に上面233を有し、側面214と隣接する。上面233と側面214との境界が延びる方向は、典型的には嵌合状態においては方向R2に平行である。
【0141】
嵌合状態において本体1の方向Z側にはピン部2近傍に上面123が露出する。嵌合状態においてピン部2の方向Z側には本体1近傍に上面233が露出する。但し、上面233よりも更に方向Z側においてガイド面232が露出する。
【0142】
嵌合状態において上面233は上面123よりも距離tで方向Z側へ突出する(図7図8参照)。よって上面123と側面114との境界と、上面233と側面214との境界とは距離tを介して離間する。
【0143】
かかる離間は、本体1とピン部2との間に処理液が滞留することを抑制する観点で有利である。本体1とピン部2とが形成される工程によって、上記の二つの境界において面取りされていた場合、二つのチャンファー面によってV形状の溝が発生する。距離tが零であるときよりも距離tが正であるときの方が、当該溝の容積は小さくなる。
【0144】
嵌合状態において上面123が上面233よりも方向Z側へ突出することは望ましくない。上面123,233が凹部を形成し、却って処理液を滞留させるからである。
【0145】
[チャックピン712の変形例]
図12はチャックピン712の第1の変形を示す断面図である。図12は方向Zにおいて側面114,214が現れる位置での方向Zから見た断面を示す。第1の変形においては方向R2に向うに従って、側面114同士の間隔が拡がる。例えば側面114の方向R3側の端部と、方向R2側の端部との比較では、上記間隔は0.1~0.2mm拡がる。図12では方向D4,D5のそれぞれに向って側面114が拡がる場合が例示される。これによりピン部2が本体1に対して方向R3へ移動することが抑制される。
【0146】
嵌合状態において側面114,214は当接することが望ましい。よって側面214同士の間隔も、嵌合状態においては方向R2となる方向に向うに従って、拡がる。嵌合状態においてピン部2は方向R2に沿って方向D4,D5の少なくともいずれか一方においてサイズが増大する。ピン部2を本体1へ装着するためには、その装着の前に、互いに対向する側面114同士の方向D4に沿った長さの最小値(これは方向R3側で現れる)は、互いに対向する側面214同士の方向D4に沿った間隔の最大値(これは方向R2側で現れる)以上であることが望ましい。しかし、ピン部2を上述のように合成樹脂を主材料として形成することにより、クリープ現象によって側面114,214を当接させることができる。
【0147】
図13はチャックピン712の第2の変形を示す断面図である。図13は方向D4において底面111,211,上面115,215が現れる位置での方向D4から見た断面を示す。第2の変形においては方向R2に向うに従って、底面111と上面115との間隔が拡がる。例えば底面111の方向R3側の端部と、方向R2側の端部との比較では、上記間隔は0.1~0.2mm拡がる。図13では方向Zに向って上面115が広がり、方向Zとは反対の方向に向って底面111が広がる。これによりピン部2が本体1に対して方向R3へ移動することが抑制される。
【0148】
嵌合状態において底面111,211同士と、上面115,215同士はそれぞれ当接することが望ましい。よって上面215と底面211との間隔も、嵌合状態においては方向R2となる方向に向うに従って、拡がる。嵌合状態においてピン部2は方向R2に沿って方向Zおよび方向Zと反対の方向の少なくともいずれか一方においてサイズが増大する。ピン部2を本体1へ装着するためには、その装着の前に、上面115と底面111との方向Zに沿った長さの最小値(これは方向R3側で現れる)は、上面215と底面211との方向Zに沿ったの間隔の最大値(これは方向R2側で現れる)以上であることが望ましい。しかし、ピン部2を上述のように合成樹脂を主材料として形成することにより、クリープ現象によって底面111,211を当接させ、上面115,215同士を当接させることができる。
【0149】
第2の変形ではピン部2が方向R2に沿って、方向Zおよび方向Zと反対の方向および方向D4,D5のいずれでもない方向においてサイズが増大してもよい。
【0150】
図14はチャックピン712の第3の変形を示す断面図である。図14は方向D4において凸部212および凹部112が現れる位置での方向D4から見た断面を示す。第3の変形においては凹部112は方向Zに向うに従ってその径が拡がる。このような凹部112の形状は、凸部212が嵌合する強さを弱める方向へ調整でき、本体1へピン部2を着脱しやすくする観点で望ましい。
【0151】
嵌合状態において凹部112へ凸部212が当接することが望ましい。よって凸部212の形状も、嵌合状態においては方向Zとなる方向に向うに従って、拡がる。このような場合、溝116の方向R3側の方向Zに沿った長さよりも、張り出し部22の方向Zに沿った長さの方が広い。しかし、ピン部2を上述のように合成樹脂を主材料として形成することにより、圧入を行ってピン部2を本体1へ嵌合させることができる。
【0152】
[本体1とスピンベース711との結合]
本体1をも交換可能とする観点からは、スピンベース711に対して本体1も着脱可能であることが望ましい。
【0153】
図15はチャックピン712とチャック開閉機構713との断面を部分的に示す断面図である。当該断面は方向Zに平行である。
【0154】
チャック開閉機構713はチャックピンシャフト33と、支持機構32と、ベース部31とを有する。チャックピンシャフト33は本体1を、より具体的にはシャフト101を軸Qを中心として回転させる。ベース部31はチャックピンシャフト33を回転自在に支持する。支持機構32はベース部31をパッキング91,92を介して方向Zと反対側から支持し、チャックピンシャフト33を方向Zと傾斜する方向において支持する。本体1はベース部31に対して着脱可能であり、ベース部31も支持機構32から着脱可能である。
【0155】
パッキング91,92はいずれも環状であり、ベース部31を軸Qの周囲で囲む。パッキング92はパッキング91と比較すると軸Qから離れ、かつ耐薬品性が高い。
【0156】
例えばパッキング91の材料はFFKM(すべての側鎖がフルオロおよびパーフルオロアルキルまたはパーフルオロアルコキシ基であるゴム状共重合体)であり、パッキング92の材料はPTFEである。
【0157】
パッキング91,92のこのような配置により、チャック開閉機構713の周囲から処理液が接触しても、パッキング91の劣化が防止される。
【0158】
上記実施の形態においてチャックピン712は載置状態と把持状態の二つの状態を取り得た。しかしながら、本体1とピン部2との嵌合、および当該嵌合に資する構造は、載置状態と把持状態の二つの状態を取り得ることを前提としない。換言すれば、載置状態と把持状態とのいずれか一方の状態のみを取り得るチャックピンに対して、本体1とピン部2との嵌合、および当該嵌合に資する構造が適用され得る。
【0159】
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0160】
1 本体
2 ピン部
21 把持部
31 ベース部
33 チャックピンシャフト
91 (第1の)パッキング
92 (第2の)パッキング
112 凹部(段差)
116 溝
120 孔
121 面
232 ガイド面
700 基板処理システム
710 基板処理装置
711 スピンベース
712 チャックピン
716 回転駆動機構
708 搬送機構
D4,D5 (第4の)方向
Q 軸
R2 (第2の)方向
R3 (第3の)方向
W 基板
Z (第1の)方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15