(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20231221BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20231221BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2019210339
(22)【出願日】2019-11-21
【審査請求日】2022-10-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成31年3月1日 ウェブサイトにて、ユーザが商品の購入及び売却を行った場合にポイント還元を受けられる技術を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】514053169
【氏名又は名称】株式会社メルカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】守月 葵
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 研一郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 宗高
(72)【発明者】
【氏名】中島 功之祐
(72)【発明者】
【氏名】中川 雄太
(72)【発明者】
【氏名】瀬谷 絢子
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-182522(JP,A)
【文献】特開2011-242935(JP,A)
【文献】特開2003-122940(JP,A)
【文献】特開2014-006938(JP,A)
【文献】特開2018-147298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のプロセッサを含み、電子商取引プラットフォームを提供する情報処理装置が行う情報処理方法であって、
前記1つ又は複数のプロセッサが、
メモリから、前記電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う出品行為に関する第1指標を取得すること、
前記メモリから、前記電子商取引プラットフォームにおいて前記ユーザが行う購入行為に関する第2指標を取得すること、
取得した前記第1指標が、前記第1指標に対して設定される第1条件を満たすか否かを判定すること、
取得した前記第2指標が、前記第2指標に対して設定される第2条件を満たすか否かを判定すること、
前記第1指標が前記第1条件を満た
し、かつ、前記第2指標が前記第2条件を満たす場合に、前記ユーザにインセンティブを付与すること、
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記第1指標は、前記電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数、前記電子商取引プラットフォームに出品した商品の販売額の合計、又は、前記電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の販売額の合計を含み、
前記第1条件は、前記電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数が第1回数以上であること、前記電子商取引プラットフォームに出品した商品の販売額の合計が第1金額以上であること、又は、前記電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の販売額の合計が第2金額以上であることを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数は、第1期間内に前記電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数であり、
前記電子商取引プラットフォームに出品した商品の販売額の合計は、第2期間内に前記電子商取引プラットフォームに出品した商品の販売額の合計であり、
前記電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の販売額の合計は、第3期間内に前記電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち、前記第3期間内に他のユーザに購入された商品の販売額の合計である、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記第1指標が前記第1条件を満たさない場合、前記ユーザに、前記第1条件を満たすために必要な出品行為に関する情報を通知すること、を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記第1指標は、
前記電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う出品行為において、出品した商品に関する情報の充実度を示す指標が所定の指標以上である商品についての出品行為に関する指標、又は、
前記電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う出品行為において、出品した商品に関する販売価格の妥当性を示す指標が所定の指標以上である商品についての出品行為に関する指標、
である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記第2指標は、前記電子商取引プラットフォームで他のユーザから商品を購入した回数、又は、前記電子商取引プラットフォームで他のユーザから購入した商品の購入額の合計を含み、
前記第2条件は、前記電子商取引プラットフォームで他のユーザから商品を購入した回数が第2回数以上であること、又は、前記電子商取引プラットフォームで他のユーザから購入した商品の購入額の合計が第3金額以上であること、を含む、
請求項
1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数のプロセッサが、
前記第2指標が前記第2条件を満たさない場合、前記ユーザに、前記第2条件を満たすために必要な購入行為に関する情報を通知すること、を含む、
請求項
1~6のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記インセンティブを付与することは、前記第1指標と前記第2指標とに基づいて、前記ユーザに付与する前記インセンティブの量を決定することを含む、
請求項
1~
7のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記インセンティブを付与することは、前記ユーザにインセンティブを付与するか否かを所定の確率に基づいて決定することを含む、
請求項1~
8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
1つ又は複数のプロセッサを含み、電子商取引プラットフォームを提供する情報処理装置であって、
前記1つ又は複数のプロセッサが、
メモリから、前記電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う出品行為に関する第1指標を取得し、
前記メモリから、前記電子商取引プラットフォームにおいて前記ユーザが行う購入行為に関する第2指標を取得し、
取得した前記第1指標が、前記第1指標に対して設定される第1条件を満たすか否かを判定し、
取得した前記第2指標が、前記第2指標に対して設定される第2条件を満たすか否かを判定し、
前記第1指標が前記第1条件を満た
し、かつ、前記第2指標が前記第2条件を満たす場合に、前記ユーザにインセンティブを付与する、情報処理装置。
【請求項11】
電子商取引プラットフォームを提供する情報処理装置に含まれる1つ又は複数のプロセッサに、
メモリから、前記電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う出品行為に関する第1指標を取得させ、
前記メモリから、前記電子商取引プラットフォームにおいて前記ユーザが行う購入行為に関する第2指標を取得させ、
取得した前記第1指標が、前記第1指標に対して設定される第1条件を満たすか否かを判定させ、
取得した前記第2指標が、前記第2指標に対して設定される第2条件を満たすか否かを判定させ、
前記第1指標が前記第1条件を満た
し、かつ、前記第2指標が前記第2条件を満たす場合に、前記ユーザにインセンティブを付与させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インターネット等のネットワークを介してユーザ間で商品の売買をすることが可能な電子商取引プラットフォームが提供されている。例えば、特許文献1には、インターネットを利用してフリーマーケットに類似する売買方式を提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フリーマーケットのような電子商取引を活性化させるためには、商品の出品を促進させる必要がある。しかしながら、特許文献1には、売買の仕組みは開示されているが、出品を充実させるための仕組みについては触れられていない。
【0005】
本開示は、商品の出品を促進させることが可能な情報処理方法、情報処理装置及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、1つ又は複数のプロセッサを含み、電子商取引プラットフォームを提供する情報処理装置が行う情報処理方法であって、前記1つ又は複数のプロセッサが、メモリから、前記電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う出品行為に関する第1指標を取得すること、取得した前記第1指標が、前記第1指標に対して設定される第1条件を満たすか否かを判定すること、前記第1指標が前記第1条件を満たす場合に、前記ユーザにインセンティブを付与すること、を含む。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、商品の出品を促進させることが可能な情報処理方法、情報処理装置及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態における情報処理システムの一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るクライアントコンピュータを示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るサーバコンピュータを示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
本実施形態では、クライアントコンピュータとサーバコンピュータから構成される情報処理システムについて説明する。サーバコンピュータは、マーケットプレイス等の電子商取引プラットフォームを提供する情報処理装置である。クライアントコンピュータは、ユーザが使用する情報処理装置である。当該電子商取引プラットフォームでは、ユーザは、商品の出品(販売)と、他のユーザが出品した商品の購入とを行うことができる。
【0011】
<システムの適用例>
図1は、本実施形態における情報処理システム10の一例を示す図である。
図1に示す例では、クライアントコンピュータ500とサーバコンピュータ600とが、ネットワークNを介して接続される。
図1にはクライアントコンピュータ500が1つ図示されているが、情報処理システム10には、複数のクライアントコンピュータ500が含まれていてもよい。
【0012】
クライアントコンピュータ500は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)などである。
【0013】
サーバコンピュータ600は、1又は複数の装置により構成されてもよい。また、サーバコンピュータ600は、物理的なサーバであってもよいし、ハイパーバイザー上で動作する仮想的なサーバであってもよい。サーバコンピュータ600は、情報処理装置と称されてもよい。
【0014】
図1に示す例では、サーバコンピュータ600は、ユーザが行う出品行為に関する指標(以下、「出品関連指標」及び「第1指標」と言う。)が、当該出品行為に関する指標に対して設定される条件(以下、「出品関連指標に関する条件」及び「第1条件」と言う。)を満たす場合に、当該ユーザにインセンティブを付与する。
【0015】
<構成の一例>
図2は、本実施形態に係るクライアントコンピュータを示すブロック図である。クライアントコンピュータ500は典型的には、1つ又は複数の処理装置(CPU)502、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース506、メモリ504、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス514を含む。
【0016】
クライアントコンピュータ500はまた、ディスプレイ510及びキーボード及び/又はマウス(又は他の何らかのポインティングデバイス)512を備えるユーザインタフェース508も含み得る。
【0017】
メモリ504は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであり、また、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリでもよい。
【0018】
また、メモリ504の他の例として、CPU502から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。本実施形態において、メモリ504は次のプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0019】
オペレーティングシステム516は、例えば、様々な基本的なシステムサービスを処理するとともにハードウェアを用いてタスクを実行するためのプロシージャを含む。
【0020】
ネットワーク通信モジュール518は、例えば、クライアントコンピュータ500を他のコンピュータに、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース506及び、インターネット、他の広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワークなどの1つ又は複数の通信ネットワークを介して接続するために使用される。
【0021】
クライアントアプリケーション530は、本実施形態においてクライアントコンピュータ500が提供する各種機能を実現する。例えば、クライアントアプリケーション530は、各種画面をディスプレイ510に表示する。
【0022】
1つ又は複数の処理装置(CPU)502は、メモリ504から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数の処理装置(CPU)502は、メモリ504に格納されているネットワーク通信モジュール518を実行することで、通信部を構成してもよい。また、1つ又は複数の処理装置(CPU)502は、メモリ504に格納されているクライアントアプリケーション530を実行することで、UI(User Interface)部を構成してもよい。
【0023】
本実施形態において、クライアントアプリケーション530は、クライアントコンピュータ500のメモリ504に格納されるスタンドアロンアプリケーションであってもよい。さらに本実施形態において、クライアントアプリケーション530は別のアプリケーションへのアドオン又はプラグインであってもよい。例えば、クライアントアプリケーション530は、ウェブブラウザアプリケーション又は電子メールアプリケーションへのプラグインであってもよい。
【0024】
本実施形態において、受信されたデータ項目はメモリ504に局所的にキャッシュされ得る。同様に、ユーザにより入力されたデータもまた、メモリ504に局所的にキャッシュされ得る。
【0025】
上記に示した要素の各々は、先述の記憶装置の1つ又は複数に格納され得る。上記に示したモジュールの各々は、上述される機能を実行するための命令のセットに対応する。上記に示したモジュール又はプログラム(すなわち、命令のセット)は別個のソフトウェアプログラム、プロシージャ又はモジュールとして実装される必要はないとともに、従ってこれらのモジュールの様々なサブセットは様々な実施形態で組み合わされるか、或いは再構成されてもよい。本実施形態において、メモリ504は上記に示されるモジュール及びデータ構造のサブセットを格納し得る。さらには、メモリ504は上述されない追加的なモジュール及びデータ構造を格納し得る。
【0026】
図3は、本実施形態に係るサーバコンピュータを示すブロック図である。サーバコンピュータ600は典型的には、1つ又は複数の処理装置(CPU)602、1つ又は複数のネットワーク又は他のネットワーク通信インタフェース606、メモリ604、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス610を含む。
【0027】
サーバコンピュータ600は場合によりユーザインタフェース608を含んでもよく、これとしては、ディスプレイ装置(図示せず)、及びキーボード及び/又はマウス(図示せず)を挙げることができる。
【0028】
メモリ604は、例えば、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリであり、また、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリでもよい。
【0029】
また、メモリ604の他の例は、CPU602から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置を挙げることができる。本実施形態において、メモリ604は次のプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0030】
オペレーティングシステム612は、例えば、様々な基本的なシステムサービスを処理するとともにハードウェアを用いてタスクを実行するためのプロシージャを含む。
【0031】
ネットワーク通信モジュール614は、例えば、サーバコンピュータ600を他のコンピュータに、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース606及びインターネット、他の広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワークなどの1つ又は複数の通信ネットワークを介して接続するために使用される。
【0032】
ユーザDB616は、ユーザID、ユーザのニックネーム、プロフィール及びユーザが保持する所定価値の残高等を格納する。
【0033】
商品DB618は、電子商取引プラットフォームに商品を出品するユーザ(出品者)を識別するユーザID、ユーザが出品した商品に関する各種の情報を格納する。
【0034】
取引履歴DB620は、ユーザ間で行われた商品の売買に関する履歴を格納する。
【0035】
取得モジュール622は、メモリ604から、電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う出品行為についての出品関連指標を取得する。また、取得モジュール622は、メモリ604から、電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う購入行為に関する指標(以下、「購入関連指標」及び「第2指標」と言う。)を取得する。
【0036】
判定モジュール624は、インセンティブの付与を行うか否かを判定する処理を行う。より詳細には、判定モジュール624は、取得モジュール622で取得された出品関連指標が、出品関連指標に関する条件を満たすか否かを判定する。また、判定モジュール624は、更に、取得モジュール622で取得された購入関連指標が、購入関連指標に対して設定された条件(以下、「購入関連指標に関する条件」及び「第2条件」と言う。)を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
【0037】
付与モジュール626は、判定モジュール624で、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たすと判定された場合に、ユーザにインセンティブを付与する。また、付与モジュール626は、判定モジュール624で、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たし、かつ、購入関連指標が購入関連指標に関する条件を満たすと判定された場合に、ユーザにインセンティブを付与するようにしてもよい。
【0038】
通知モジュール628は、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たさない場合、ユーザに、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たすために必要な出品行為に関する情報を通知する。また、通知モジュール628は、購入関連指標が購入関連指標に関する条件を満たさない場合、ユーザに、購入関連指標が購入関連指標に関する条件を満たすために必要な購入行為に関する情報を通知するようにしてもよい。
【0039】
上記に示した要素の各々は上述される記憶装置の1つ又は複数に格納され得る。上記に示したモジュールの各々は、上述される機能を実行するための命令のセットに対応する。上記に示したモジュール又はプログラム(すなわち、命令のセット)は別個のソフトウェアプログラム、プロシージャ又はモジュールとして実装される必要はないとともに、従ってこれらのモジュールの様々なサブセットが様々な実施形態で組み合わされるか、或いは再構成され得る。本実施形態において、メモリ604は上記に示されるモジュール及びデータ構造のサブセットを格納し得る。さらには、メモリ604は上述されない追加的なモジュール及びデータ構造を格納し得る。
【0040】
1つ又は複数の処理装置(CPU)602は、メモリ604から、必要に応じて各モジュールを読み出して実行する。例えば、1つ又は複数の処理装置(CPU)602は、メモリ604に格納されているネットワーク通信モジュール614を実行することで、通信部を構成してもよい。また、1つ又は複数の処理装置(CPU)602は、メモリ604に格納されている取得モジュール622を実行することで、取得部を構成してもよい。また、1つ又は複数の処理装置(CPU)602は、メモリ604に格納されている判定モジュール624を実行することで、判定部を構成してもよい。また、1つ又は複数の処理装置(CPU)602は、メモリ604に格納されている付与モジュール626を実行することで、付与部を構成してもよい。また、1つ又は複数の処理装置(CPU)602は、メモリ604に格納されている通知モジュール628を実行することで、通知部を構成してもよい。
【0041】
図3は「サーバコンピュータ」を示すが、
図3は、本明細書に記載される実施形態の構造的な概略としてよりも、サーバのセットに存在し得る様々な特徴についての説明が意図されている。実際には、当業者により認識されるとおり、別個に示される項目が組み合わされ得るであろうとともに、ある項目が別個にされ得るであろう。例えば、
図3において別個に示される項目は単一サーバ上に実装され得るであろうとともに、単一の項目が1台又は複数のサーバにより実装され得るであろう。
【0042】
<データ構造の一例>
図4は、ユーザDB616の一例を示す図である。ユーザDB616には、電子商取引プラットフォームにおいてユーザを一意に特定する「ユーザID」と、当該ユーザの「ニックネーム」と、「プロフィール」と、当該ユーザが所持する所定価値の量を示す「残高」とが対応づけて格納される。なお、所定価値は、金銭そのもの、金銭と交換可能な価値又は金銭と同等に利用可能な価値であり、例えば、チャージ額及びポイント等を含む。
【0043】
図5は、商品DB618の一例を示す図である。商品DB618には、電子商取引プラットフォームに商品を出品したユーザのユーザIDを示す「ユーザID(出品者)」と、出品された商品を示す「商品ID」と、出品された日時を示す「出品日時」と、出品された価格(すなわち販売額)を示す「出品価格」と、出品された商品に関する情報(例えば商品名、商品の説明、商品の画像等)を示す「商品情報」とが対応づけて格納される。
【0044】
図6は、取引履歴DB620の一例を示す図である。取引履歴DB620には、電子商取引プラットフォームで行われた取引を識別する「取引ID」と、電子商取引プラットフォームに商品を出品したユーザのユーザIDを示す「ユーザID(出品者)」と、出品された商品を示す「商品ID」と、商品を購入したユーザのユーザIDを示す「ユーザID(購入者)」と、商品の売買が成立した日時を示す「成約日時」と、商品の販売額(売却額)を示す「成約金額」とが対応づけて格納される。
【0045】
<動作説明>
次に、本実施形態に係る情報処理システム10の動作について説明する。
図7は、本実施形態に係る情報処理システム10が行う処理の一例を示すシーケンス図である。
図7を用いて、インセンティブを付与するキャンペーンが行われている間、サーバコンピュータ600が、インセンティブを付与するか否かの判定を、商品の出品や商品の購入が発生する度に行う場合の処理手順を説明する。
図7に示す例では、インセンティブが付与される条件を満たしたユーザには、キャンペーン期間の終了を待たずにインセンティブが付与される。
【0046】
(ステップS100)
サーバコンピュータ600は、電子商取引プラットフォームを管理する管理者等から、キャンペーンの開始を受け付ける。より具体的には、サーバコンピュータ600は、インセンティブの付与を開始することの指示とインセンティブを付与する条件の入力とを受け付ける。
【0047】
(ステップS101)
クライアントコンピュータ500は、ユーザから、商品を出品する際に必要な各種情報の入力、又は、他のユーザが出品している商品の購入指示を受付ける。また、クライアントコンピュータ500は、ユーザから受け付けた各種情報又は購入指示をサーバコンピュータ600に送信する。
【0048】
(ステップS102)
サーバコンピュータ600は、クライアントコンピュータ500から受け付けた商品の出品に関する各種情報を、商品DBに格納する。また、サーバコンピュータ600は、クライアントコンピュータ500から受け付けた商品の購入指示に基づき、商品の取引に係る各種処理を実行するとともに、当該取引に係る情報を取引履歴DBに格納する。
【0049】
(ステップS103)
サーバコンピュータ600の判定モジュール624は、商品の出品又は商品の購入が行われたタイミングで、商品を出品したユーザ及び/又は商品を購入したユーザに対し、インセンティブを付与するか否かを判定する。
【0050】
判定モジュール624は、商品を出品したユーザの出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たす場合、商品を出品したユーザにインセンティブを付与すると判定し、満たさない場合はインセンティブを付与しないと判定するようにしてもよい。つまり、判定モジュール624は、出品関連指標に基づいてインセンティブの付与を判定するようにしてもよい。若しくは、判定モジュール624は、商品を出品したユーザの出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たし、かつ、当該ユーザの出品関連指標が購入関連指標に関する条件を満たす場合に、当該ユーザにインセンティブを付与すると判定し、満たさない場合はインセンティブを付与しないと判定するようにしてもよい。つまり、判定モジュール624は、出品関連指標及び購入関連指標の両方に基づいてインセンティブの付与を判定するようにしてもよい。
【0051】
ここで、インセンティブの付与判定に用いる「出品関連指標」、「出品関連指標に関する条件」、「購入関連指標」及び「購入関連指標に関する条件」について具体的に例示する。条件例1-1~1-6は、「出品関連指標」及び「出品関連指標に関する条件」について具体例であり、条件例2-1~2-2は、「購入関連指標」及び「購入関連指標に関する条件」についての具体例である。
【0052】
[条件例1-1]
出品関連指標は、ユーザが電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数(又は個数)を含んでいてもよい。また、出品関連指標に関する条件は、ユーザが電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数(又は個数)が第1回数以上(又は第1個数以上)であることを含んでいてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第1回数以上(又は第1個数以上)出品したユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。これにより、より多くの商品を出品するユーザが増加することが期待できる。
【0053】
なお、電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数(又は個数)は、第1期間内に電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数(又は個数)とするようにしてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第1期間内に第1回数以上(第1個数以上)出品したユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。第1期間は、例えばキャンペーン期間と同一であってもよい。期間を限定することで、ユーザに対し、当該期間内でより多くの商品の出品を促すことが可能になる。
【0054】
[条件例1-2]
出品関連指標は、ユーザが電子商取引プラットフォームに出品した商品の販売額(出品価格)の合計を含んでいてもよい。また、出品関連指標に関する条件は、ユーザが電子商取引プラットフォームに出品した商品の販売額(出品価格)の合計が第1金額以上であることを含んでいてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、出品した商品の販売額の合計が第1金額以上であるユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。これにより、より多くの商品を出品するユーザが増加することが期待できる。
【0055】
なお、電子商取引プラットフォームに出品した商品の販売額の合計は、第2期間内に電子商取引プラットフォームに出品した商品の販売額の合計とするようにしてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第2期間内に商品を第1個数以上出品したユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。第2期間は、例えばキャンペーン期間と同一であってもよい。期間を限定することで、ユーザに、より多くの商品の出品を促すことが可能になる。
【0056】
[条件例1-3]
出品関連指標は、ユーザが電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の販売額の合計を含んでいてもよい。また、出品関連指標に関する条件は、ユーザが電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の販売額の合計が第2金額以上であることを含んでいてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、実際に売れた商品の販売額の合計が第2金額以上であるユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。これにより、より多くの商品を出品するユーザが増加することが期待できる。
【0057】
なお、電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の販売額の合計は、ユーザが第3期間内に電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち、当該第3期間内に他のユーザに購入された商品の販売額の合計とするようにしてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第3期間内に出品した商品のうち第3期間内に売れた商品の販売額の合計が第2金額以上であるユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。第3期間は、例えばキャンペーン期間と同一であってもよい。期間を限定することで、ユーザに、より多くの商品の出品を促すことが可能になる。
【0058】
[条件例1-4]
出品関連指標は、電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の数を含んでいてもよい。また、出品関連指標に関する条件は、ユーザが電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の数が第2個数以上であることを含んでいてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、売れた商品の個数が第2個数以上であるユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。これにより、売れそうな商品をより多く出品するユーザが増加することが期待できる。
【0059】
なお、電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の数は、ユーザが第4期間内に電子商取引プラットフォームに出品した商品のうち、当該第4期間内に他のユーザに購入された商品の数の合計とするようにしてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第4期間内に出品した商品のうち第4期間内に売れた商品の数が第2個数以上であるユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。第4期間は、例えばキャンペーン期間と同一であってもよい。期間を限定することで、ユーザに、より多くの商品の出品を促すことが可能になる。
【0060】
[条件例1-5]
出品関連指標は、電子商取引プラットフォームにおいてユーザが行う出品行為において、出品した商品に関する情報の充実度を示す指標が所定の指標以上である商品についての「出品行為に関する指標(出品関連指標)」とするようにしてもよい。ここで、出品した商品に関する情報の充実度を示す指標とは、例えば、ユーザが出品した商品における商品説明の文字数であり、所定の条件とは、商品説明の文字数が、同一又は同一カテゴリの他の商品における商品説明の文字数の平均数に所定の正の係数(例えば0.8など)を掛けた数以上であることであってもよい。つまり、出品関連指標は、ユーザが出品した商品のうち、商品に関する情報が充実していると判定された商品に限定した指標とするようにしてもよい。
【0061】
具体例を説明する。例えば、出品関連指標が、条件例1-1と同様、ユーザが電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数であるとする。この場合、判定モジュール624は、ユーザが出品した商品のうち、商品説明の文字数が所定条件を満たさない商品については出品回数にカウントしないようにする。これにより、インセンティブを取得するために、商品説明を十分に記載することなく架空の商品を多数出品するようなユーザの行為を抑制することができる。
【0062】
[条件例1-6]
出品関連指標は、ユーザが出品した商品のうち、商品に関する販売価格の妥当性を示す指標が所定の条件を満たす商品についての「出品行為に関する指標(出品関連指標)」とするようにしてもよい。ここで、販売価格の妥当性を示す指標とは、例えば、ユーザが出品した商品の販売価格と同一又は同一カテゴリの他の商品における販売価格の平均値であり、所定の条件とは、商品の販売価格が、販売価格の妥当性を示す指標を中心とした所定範囲(例えばプラスマイナス20%以内など)に収まっていることであってもよい。つまり、出品関連指標は、ユーザが出品した商品のうち、商品の販売価格が妥当であると判定された商品に限定した指標とするようにしてもよい。
【0063】
具体例を説明する。例えば、出品関連指標が、条件例1-1と同様、ユーザが電子商取引プラットフォームに商品を出品した回数であるとする。この場合、判定モジュール624は、ユーザが出品した商品のうち、商品価格が、同一又は同一カテゴリの他の商品の販売価格から所定範囲に設定されていない商品については出品回数にカウントしないようにする。これにより、インセンティブを取得するために、販売価格を検討せずに架空の商品を多数出品するようなユーザの行為を排除することができる。
【0064】
以上説明した条件例1-5及び条件例1-6は、条件例1-1~1-4で説明した出品関連指標に適用することが可能である。
【0065】
[条件例2-1]
購入関連指標は、ユーザが電子商取引プラットフォームで他のユーザから商品を購入した回数(又は個数)を含んでいてもよい。また、購入関連指標に関する条件は、ユーザが電子商取引プラットフォームで他のユーザから商品を購入した回数(又は個数)が第2回数(又は第3個数)以上であることを含んでいてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第2回数以上(又は第3個数以上)商品を購入したユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。これにより、商品をより多く購入するユーザが増加することが期待できる。
【0066】
なお、電子商取引プラットフォームで商品を購入した回数は、第5期間内に電子商取引プラットフォームで商品を購入した回数とするようにしてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第5期間内に第2回数以上(又は第3個数以上)商品を購入したユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。第5期間は、例えばキャンペーン期間と同一であってもよい。期間を限定することで、ユーザに、より短期間で多くの商品の購入を促すことが可能になる。
【0067】
[条件2-2]
購入関連指標は、ユーザが電子商取引プラットフォームで他のユーザから購入した商品の購入額の合計を含んでいてもよい。また、購入関連指標に関する条件は、ユーザが電子商取引プラットフォームで他のユーザから購入した商品の購入額の合計が第3金額以上であることを含んでいてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第3金額以上商品を購入したユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。これにより、より商品をより多く購入するユーザが増加することが期待できる。
【0068】
なお、電子商取引プラットフォームで購入した商品の購入額の合計は、第5期間内に電子商取引プラットフォームで購入した商品の購入額の合計とするようにしてもよい。つまり、サーバコンピュータ600は、第5期間内に第3金額以上商品を購入したユーザに対してインセンティブを付与することとしてもよい。第5期間は、例えばキャンペーン期間と同一であってもよい。期間を限定することで、ユーザに、より短期間でより多くの商品の購入を促すことが可能になる。
【0069】
なお、判定モジュール624は、条件例1-1~条件例1-6のうち複数を組み合わせて判定を行うようにしてもよい。例えば、判定モジュール624は、条件例1-1と条件例1-3の2つを満たす場合に、インセンティブを付与することとしてもよい。
【0070】
また、判定モジュール624が、出品関連指標及び購入関連指標の両方に基づいてインセンティブの付与を判定する場合、以上説明した条件例1-1~1-6と条件例2-1~2-2とを、任意に組み合わせることが可能である。例えば、出品関連指標については条件例1-3を適用し、購入関連指標については条件例2-1を適用して判定を行うようにしてもよい。また、例えば、例えば、出品関連指標については条件例1-2及び条件例1-4を適用し、購入関連指標については条件例2-1及び条件例2-2を適用して判定を行うようにしてもよい。
【0071】
(ステップS104)
ステップS103の処理手順で、インセンティブ付与対象外と判定された場合、通知モジュール628は、商品を出品したユーザ又は商品を購入したユーザに対し、インセンティブが付与されるために満たすべき条件を示す情報を通知する。
【0072】
ここで、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たすことでインセンティブが付与されるとする。この場合、通知モジュール628は、インセンティブが付与されるために満たすべき条件を示す情報として、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たすために必要な出品行為に関する情報を通知する。具体例を説明する。まず、インセンティブの付与条件が、第1回数以上出品をすることであるとする。また、出品をしたユーザの出品回数は第1回数未満であるとする。この場合、通知モジュール628は、出品をしたユーザに対し、あと何回出品をすれば出品回数が第1回数に到達するのかを示す情報を、当該ユーザのクライアントコンピュータ500に通知する。
【0073】
また、商品を出品したユーザの出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たし、かつ、購入関連指標が購入関連指標に関する条件を満たすことでインセンティブが付与されるとする。この場合、通知モジュール628は、インセンティブが付与されるために満たすべき条件を示す情報として、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たすために必要な出品行為に関する情報と、購入関連指標が購入関連指標に関する条件を満たすために必要な購入行為に関する情報とを通知する。具体例を説明する。まず、インセンティブの付与条件が、所定期間内(ある時点から1ヵ月以内)に出品した商品のうち、当該所定期間内に他のユーザに購入された商品の販売額が第1金額以上であり、かつ、当該所定期間に他のユーザから購入した商品の購入額が第2金額以上であることであるとする。また、ユーザが所定期間内に出品した商品のうち他のユーザに購入された商品の販売額は第1金額を超えているが、当該ユーザが所定期間内に他のユーザから購入した購入額は第2金額を下回っているとする。この場合、通知モジュール628は、商品の購入をしたユーザに対し、所定期間が到達するまでの間に幾ら商品を購入すれば、商品の購入額の合計が第2金額に到達するのかを示す情報を、当該ユーザのクライアントコンピュータ500に通知する。
【0074】
(ステップS105)
クライアントコンピュータ500は、サーバコンピュータ600から通知された付与条件を、ディスプレイに表示する。
【0075】
(ステップS106)
ステップS103の処理手順で、インセンティブ付与対象であると判定された場合、付与モジュール626は、商品を出品したユーザ又は商品を購入したユーザに対し、インセンティブを付与する処理を行う。なお、キャンペーン期間中に繰り返しインセンティブの付与を受けることが許容される場合、判定モジュール624は、インセンティブが付与された後、インセンティブの付与判定に用いた出品関連指標及び購入関連指標をリセットする。例えば、出品関連指標が、出品した商品の数であった場合、インセンティブを付与したユーザが出品した商品の数をゼロにリセットする。また、キャンペーン期間中に繰り返しインセンティブの付与を受けることが許容されない場合、判定モジュール624は、インセンティブを付与したことを示すフラグを、ユーザDB616に記録する。
【0076】
ここで、インセンティブの付与は、ユーザに所定価値を付与することであってもよいし、所定価値とは異なる価値を付与することであってもよい。
【0077】
ユーザに付与されるインセンティブの量は、ユーザが出品した商品の数が多いほど又は販売価格の合計が高いほど多くなるように設定されていてもよい。同様に、ユーザに付与されるインセンティブの量は、ユーザが購入した商品の数が多いほど又は購入額の合計が高いほど多くになるように設定されていてもよい。
【0078】
インセンティブを付与することには、出品関連指標と購入関連指標とに基づいて、ユーザに付与するインセンティブの量を決定することを含んでいてもよい。例えば、付与モジュール626は、出品関連指標と購入関連指標との比率に基づいて付与するインセンティブの量を決定するようにしてもよい。
【0079】
具体例を説明する。出品関連指標は、出品した商品の販売額の合計であり、購入関連指標は、購入した商品の購入額の合計であるとする。この場合、商品の購入額の合計を商品の販売額の合計で割ることで求められる比率が大きいほど(つまり、販売額の合計の方が大きいほど)、インセンティブが増加するように設定されていてもよい。これにより、商品を出品するユーザが増加することが期待できる。また、商品の購入額の合計を商品の販売額の合計で割ることで求められる比率が小さいほど(つまり、購入額の合計の方が大きいほど)、インセンティブが増加するように設定されていてもよい。これにより、商品を購入するユーザが増加することが期待できる。
【0080】
また、インセンティブを付与することは、ユーザにインセンティブを付与するか否かを所定の確率に基づいて(すなわち抽選で)決定することを含んでいてもよい。より具体的には、付与モジュール626は、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たす場合(若しくは、出品関連指標が出品関連指標に関する条件を満たし、かつ、購入関連指標が購入関連指標に関する条件を満たす場合)、インセンティブを付与するか否かを所定の確率で決定するようにしてもよい。例えば確率が70%とした場合、付与モジュール626は、条件を満たす場合、70%の確率でインセンティブを付与し、30%の確率でインセンティブを付与しないようにしてもよい。これにより、インセンティブの支払にゲーム性を持たせることが可能になる。
【0081】
(ステップS107)
通知モジュール628は、インセンティブが付与されたことと、付与されたインセンティブの内容とをユーザのクライアントコンピュータ500に通知する。なお、ステップS106の処理手順で、抽選によりインセンティブを付与しないこととされた場合、通知モジュール628は、抽選に外れた結果インセンティブが付与されなかったことを、ユーザのクライアントコンピュータ500に通知するようにしてもよい。
【0082】
(ステップS108)
クライアントコンピュータ500は、サーバコンピュータ600から通知された、付与されたインセンティブの内容を、ディスプレイに表示する。
【0083】
図8は、本実施形態に係る情報処理システム10が行う処理の一例を示すシーケンス図である。
図8を用いて、インセンティブを付与するキャンペーンが行われている間、サーバコンピュータ600が、インセンティブを付与するか否かの判定を、キャンペーン期間終了時にまとめて行う場合の処理手順を説明する。
図8に示す例では、インセンティブが付与される条件を満たしたユーザには、キャンペーン期間が終了してからインセンティブが付与される。
【0084】
(ステップS200)
サーバコンピュータ600は、電子商取引プラットフォームを管理する管理者等から、キャンペーンの開始を受け付ける。より具体的には、サーバコンピュータ600は、インセンティブの付与を開始することの指示と、インセンティブを付与する条件の入力とを受け付ける。
【0085】
(ステップS201)
ステップS201の処理手順は、
図7のステップS101の処理手順と同一であるため説明は省略する。
【0086】
(ステップS202)
ステップS202の処理手順は、
図7のステップS102の処理手順と同一であるため説明は省略する。
【0087】
ステップS201及びステップS202の処理手順は、ステップS203の処理手順が行われるまでの間、繰り返し行われる。
【0088】
(ステップS203)
ステップS203で、サーバコンピュータ600は、電子商取引プラットフォームを管理する管理者等から、キャンペーンの終了を受け付ける。より具体的には、サーバコンピュータ600は、インセンティブの付与を終了することの指示を受け付ける。なお、サーバコンピュータ600は、ステップS200の処理手順において、インセンティブの付与を開始することの指示と同時に、インセンティブの付与を終了するタイミングに関する指示を受け付けるようにしてもよい。その場合、ステップS203の処理手順は省略される。
【0089】
(ステップS204)
サーバコンピュータ600の判定モジュール624は、取引履歴DB620を検索することで、キャンペーンの開始から終了までの間において、電子商取引プラットフォームを利用する各ユーザが、インセンティブを付与する条件に該当するか否かを判定する。判定モジュール624が行う判定処理については、
図7のステップS103の処理手順で説明した判定処理と同一であるため説明は省略する。
【0090】
(ステップS205)
サーバコンピュータ600の付与モジュール626は、ステップS204の処理手順でインセンティブを付与する条件に該当したユーザに対してインセンティブを付与する処理を行う。インセンティブを付与する処理については、
図7のステップS106の処理手順で説明した処理と同一であるため説明は省略する。
【0091】
(ステップS206)
ステップS206の処理手順は、
図7のステップS107の処理手順と同一であるため説明は省略する。
【0092】
(ステップS207)
ステップS206の処理手順は、
図7のステップS108の処理手順と同一であるため説明は省略する。
【0093】
<変形例>
通知モジュール628は、ユーザが電子商取引プラットフォームにおいて過去に購入した商品の中から商品を選択し、選択した商品の出品をユーザに促すメッセージをクライアントコンピュータ(購入者)500-2に通知するようにしてもよい。ユーザに、より多くの商品の出品を促すことが可能になる。
【0094】
通知モジュール628は、各ユーザのクライアントコンピュータ500から問合せを受けた場合に、インセンティブが付与されるために満たすべき条件を示す情報を、クライアントコンピュータ500に通知するようにしてもよい。ユーザは、商品を何個出品すればインセンティブが付与されるのかといった情報を任意のタイミングで把握することが可能になる。
【0095】
<まとめ>
サーバコンピュータ600は、出品関連指標が、出品関連指標に関する条件を満たすユーザに対して、インセンティブを付与するようにした。これにより、各ユーザは、インセンティブを取得するためにより多くの出品を行うことになり、電子商取引プラットフォームにおいて商品の出品を促進させることが可能になる。また、インセンティブの付与をサーバコンピュータ600が自動的に行うことから、商品の出品や購入のタイミングからインセンティブが付与されるまでの一連の処理について一定の処理速度を確保することが可能になる。
【0096】
また、サーバコンピュータ600は、出品関連指標が、出品関連指標に関する条件を満たし、かつ、購入関連指標が、購入関連指標に関する条件を満たすユーザに対して、インセンティブを付与するようにした。これにより、各ユーザは、インセンティブを取得するためにより多くの出品及び商品の購入を行うことになり、電子商取引プラットフォームにおいて商品の流通を促進させることが可能になる。また、ユーザ1人あたりの購入単価と購入回数を増やすことが可能になる。
【0097】
また、インセンティブの付与をサーバコンピュータ600が自動的に行うことから、商品の出品や購入のタイミングからインセンティブが付与されるまでの一連の処理について一定の処理速度を確保することが可能になる。
【符号の説明】
【0098】
10 情報処理システム
500 クライアントコンピュータ
502 処理装置(CPU)
504 メモリ
506 ネットワーク通信インタフェース
508 ユーザインタフェース
510 ディスプレイ
512 マウス
514 通信バス
516 オペレーティングシステム
518 ネットワーク通信モジュール
530 クライアントアプリケーション
600 サーバコンピュータ
602 処理装置(CPU)
604 メモリ
606 ネットワーク通信インタフェース
608 ユーザインタフェース
610 通信バス
612 オペレーティングシステム
614 ネットワーク通信モジュール
616 ユーザDB
618 商品DB
620 取引履歴DB
622 取得モジュール
624 判定モジュール
626 付与モジュール
628 通知モジュール