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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】つり革及び把持部材
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/02 20060101AFI20231221BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B60N3/02 B
A61L2/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020009246
(22)【出願日】2020-01-23
(62)【分割の表示】P 2018176211の分割
【原出願日】2018-09-20
(65)【公開番号】P2020063049
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000413
【氏名又は名称】永大産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】原田 和信
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1803197(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0054226(KR,A)
【文献】中国実用新案第207523517(CN,U)
【文献】中国実用新案第204605608(CN,U)
【文献】韓国公開実用新案第20-2017-0002155(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/02
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線を発する発光素子と、
使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される持ち手と、
該持ち手を吊り下げるための支持部材と
を備え、
前記持ち手は直棒状の把持体を有し、
前記接触面は前記把持体の周面であり、
前記発光素子は、前記発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の一端に近い側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の他端に近い側に配されており、
前記発光素子が発した紫外線は前記把持体の外部を通って前記接触面に照射されることを特徴とするつり革。
【請求項2】
紫外線を発する複数の発光素子と、
使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される把持部と
を備え、
前記把持部は直棒状の把持体を有し、
前記接触面は前記把持体の周面であり、
発光素子は、発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の一端に近い側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の他端に近い側に配されており、
前記発光素子が発した紫外線は前記把持体の外部を通って前記接触面に照射されることを特徴とする把持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者に把持されるつり革及び把持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
列車、又はバス等の乗客は、車内で体を支えるために、つり革を利用することがある。つり革は、車内に設けられたつり革保持パイプから垂下するストラップと、ストラップによって吊り下げられる持ち手とを備える。乗客は持ち手を把持する。
つり革は不特定多数の乗客に使用される。つり革の持ち手を除菌することによって、各種の病原菌、ウイルスによる感染リスクの低減を図ることができる。
【0003】
特許文献1には、つり革の輪の衛生具が記載されている。つり革の輪の衛生具は、消毒剤を担持する第1の部材と、第1の部材を包容する第2の部材とを備える。第2の部材は、第1の部材がつり革の輪(持ち手)を囲繞し、且つ、つり革の輪が回転可能であるように、つり革ベルト(ストラップ)に掛止されている。乗客は、つり革の輪を把持する際に、つり革の輪を回転させる。つり革の輪の回転に伴い、つり革の輪が消毒剤によって消毒される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平6-12175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているつり革の輪の衛生具の場合、消毒剤による除菌効果を維持するためには、消毒剤の追加又は第1の部材の交換等、頻繁な保守管理が不可欠である。
しかも、一般的な消毒剤(アルコール、次亜塩素酸ナトリウム等)による除菌効果は限定的である。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、長期的且つ効果的に除菌することができるつり革及び把持部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態に係るつり革は、紫外線を発する発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される持ち手と、該持ち手を吊り下げるための支持部材とを備え、前記持ち手は棒状の把持体を有し、前記接触面は前記把持体の周面であり、前記発光素子は、前記発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の一端側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の他端側に配されていることを特徴とする。
本実施の形態に係るつり革は、紫外線を発する発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される持ち手と、該持ち手を吊り下げるための支持部材と、前記持ち手が把持されているか否かを検出する把持検出部と、該把持検出部とは別体であり、前記持ち手の周囲における人の在否を検出する在否検出部と、該把持検出部の検出結果に応じて前記発光素子を点灯させ、所定時間の経過後に前記発光素子を消灯させる制御部と、前記在否検出部の検出結果が、前記人の不在を示す場合に、前記発光素子を点灯させ、所定時間の経過後に前記発光素子を消灯させる素子制御部とを備えることを特徴とする。
本実施の形態に係る把持部材は、紫外線を発する発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される把持部とを備え、前記把持部は棒状の把持体を有し、前記接触面は前記把持体の周面であり、前記発光素子は、前記発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の一端側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の他端側に配されていることを特徴とする。
本実施の形態に係る把持部材は、紫外線を発する発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される把持部と、前記把持部が把持されているか否かを検出する把持検出部と、該把持検出部とは別体であり、前記把持部の周囲における人の在否を検出する在否検出部と、該把持検出部の検出結果に応じて前記発光素子を点灯させ、所定時間の経過後に前記発光素子を消灯させる制御部と、前記在否検出部の検出結果が、前記人の不在を示す場合に、前記発光素子を点灯させ、所定時間の経過後に前記発光素子を消灯させる素子制御部とを備えることを特徴とする。
本実施の形態に係るつり革は、紫外線を発する発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される持ち手と、該持ち手を吊り下げるための支持部材とを備え、前記持ち手は直棒状の把持体を有し、前記接触面は前記把持体の周面であり、前記発光素子は、前記発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の一端側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の他端側に配されており、前記発光素子が発した紫外線は前記把持体の外部を通って前記接触面に照射されることを特徴とする。
本実施の形態に係る把持部材は、紫外線を発する発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される把持部とを備え、前記把持部は直棒状の把持体を有し、前記接触面は前記把持体の周面であり、前記発光素子は、前記発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の一端側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の他端側に配されており、前記発光素子が発した紫外線は前記把持体の外部を通って前記接触面に照射されることを特徴とする。
本実施の形態に係るつり革は、紫外線を発する発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される持ち手と、該持ち手を吊り下げるための支持部材とを備え、前記持ち手は直棒状の把持体を有し、前記接触面は前記把持体の周面であり、前記発光素子は、前記発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の一端に近い側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の他端に近い側に配されており、前記発光素子が発した紫外線は前記把持体の外部を通って前記接触面に照射される。
本実施の形態に係る把持部材は、紫外線を発する発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される把持部とを備え、前記把持部は直棒状の把持体を有し、前記接触面は前記把持体の周面であり、前記発光素子は、前記発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の一端に近い側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の他端に近い側に配されており、前記発光素子が発した紫外線は前記把持体の外部を通って前記接触面に照射される。
本実施の形態に係る把持部材は、紫外線を発する複数の発光素子と、使用者に把持され、該使用者の手に接触する接触面を有し、該接触面に前記発光素子が発した紫外線が照射される把持部とを備え、前記把持部は直棒状の把持体を有し、前記接触面は前記把持体の周面であり、各発光素子は、該発光素子の光軸が前記把持体の長手方向に沿って該把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の一端に近い側に向き、且つ前記把持体に向かないようにして、前記把持体の前記長手方向の中心よりも前記把持体の前記長手方向の他端に近い側に配されており、前記発光素子が発した紫外線は前記把持体の外部を通って前記接触面に照射されることを特徴とする。
【0008】
本実施の形態にあっては、使用者が持ち手を把持することによって、持ち手の接触面に使用者の手が接触する。
持ち手の接触面には紫外線が照射される。紫外線(特に、280nm以下の短波長を有する紫外線C波)は、あらゆる種類の病原菌、ウイルスを短時間で有効に死滅させることができる。故に、持ち手の接触面を効果的に除菌することができる。
発光素子が発する紫外線を用いて除菌が行なわれるので、保守管理を頻繁に行なう必要がなく、長期的に除菌効果を維持することができる。
【0009】
本実施の形態にあっては、接触面が導光体の表面の一部である。
発光素子から導光体の表面の他部に向けて照射された紫外線は、導光体の内部を通って接触面に導かれる。故に、導光体を通して接触面に紫外線を照射することができる。
【0010】
本実施の形態にあっては、接触面が導光体の周面の上部である。
発光素子の光軸が導光体の周面の下部に向くので、発光素子が発した紫外線は、導光体の周面の下部から導光体の内部に入射し、接触面に導かれる。故に、接触面が上向きの面であるにもかかわらず、紫外線を上向きに照射することができる。
【0011】
本実施の形態にあっては、接触面が把持体の周面である。
発光素子の光軸が把持体の一端側に向き、発光素子が把持体の他端側に配される。発光素子が発した紫外線は、接触面に照射される。故に、紫外線を横向きに照射することができる。
【0012】
本実施の形態にあっては、把持体の周方向に並置された複数の発光素子夫々が紫外線を発する。また、把持体の周面に設けられた凹凸によって紫外線が拡散する。故に、紫外線を把持体の周面に満遍なく行き渡らせることができる。
【0013】
本実施の形態にあっては、持ち手が把持されている場合、即ち導光体の接触面が使用者の手で覆われている場合に発光素子が点灯するので、持ち手と共に持ち手を把持する手も除菌することができる。
発光素子の点灯後、所定時間が経過した場合に発光素子が消灯されるので、持ち手及び持ち手を把持する手が紫外線に長時間曝される虞がない。
【0014】
本実施の形態にあっては、持ち手が把持されていない場合に発光素子が点灯するので、持ち手を把持する手が紫外線に曝される虞がない。
発光素子の点灯後、所定時間が経過した場合に発光素子が消灯されるので、持ち手が紫外線に長時間曝される虞がない。
【0015】
本実施の形態にあっては、持ち手の周囲に人がいない場合に発光素子が点灯するので、人が紫外線に曝される虞がない。
発光素子の点灯後、所定時間が経過した場合に発光素子が消灯されるので、持ち手が紫外線に長時間曝される虞がない。
【0016】
本実施の形態にあっては、つり革の外部から与えられた命令に従って発光素子が点灯するので、命令を与える者が望むタイミングで持ち手の除菌を行なうことができる。
発光素子の点灯後、所定時間が経過した場合に発光素子が消灯されるので、持ち手が紫外線に長時間曝される虞がない。
【0017】
本実施の形態にあっては、持ち手が把持された場合にスイッチが切り替わって発光素子が点灯し、把持された持ち手から手が離れた場合にスイッチが切り替わって発光素子が消灯される。又は、把持された持ち手から手が離れた場合にスイッチが切り替わって発光素子が点灯し、持ち手が把持された場合にスイッチが切り替わって発光素子が消灯される。
故に、簡易な構成で持ち手の除菌を行なうことができる。
【0018】
本実施の形態にあっては、持ち手が把持されていることを示す情報、又は持ち手が把持されていないことを示す情報をつり革の外部に送信することができる。持ち手が把持されていることを示す情報、及び持ち手が把持されていないことを示す情報は、例えば乗車率の推定に利用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本実施の形態のつり革及び把持部材によれば、持ち手及び把持部を長期的且つ効果的に除菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態1に係るつり革を示す斜視図である。
図2】つり革を示す断面図である。
図3】つり革の制御系の構成を示すブロック図である。
図4】つり革で実行される除菌処理の手順を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2に係るつり革の制御系の構成を示すブロック図である。
図6】実施の形態3に係るつり革の制御系の構成を示すブロック図である。
図7】つり革で実行される除菌処理の手順を示すフローチャートである。
図8】実施の形態4に係るつり革の制御系の構成を示すブロック図である。
図9】実施の形態5に係るつり革を示す斜視図である。
図10】つり革を示す断面図である。
図11】つり革を示す他の断面図である。
図12】つり革で実行される除菌処理の手順を示すフローチャートである。
図13】実施の形態6に係るつり革を示す斜視図である。
図14】つり革を示す断面図である。
図15】つり革の制御系の構成を示すブロック図である。
図16】実施の形態7に係る把持部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0022】
実施の形態 1.
図1は、実施の形態1に係るつり革を示す斜視図である。
図中1はつり革であり、つり革1は、持ち手2及びストラップ3(支持部材)を備える。
持ち手2は多角形環状をなす。本実施の形態では、上底部21が短く、下底部が長い等脚台形環状の持ち手2を例示する。
ストラップ3は無端状の帯である。ストラップ3は、持ち手2の上底部21と保持パイプ41とに巻き掛けられている。
【0023】
保持パイプ41は、車両(例えば列車又はバス)の内部に設けられている。保持パイプ41は横方向(以下、左右方向という)に延びる。保持パイプ41は、車両の天井から下向きに突設された図示しない支持体に支持されている。
ストラップ3は、保持パイプ41から垂れ下がる。持ち手2は、上底部21が上側になり、下底部が下側になるようにして、吊り下げられる。
ストラップ3の上下方向の中央部において、ストラップ3の前側の一部と後側の一部とが適宜の留め具で互いに留められている。
【0024】
保持パイプ41の上部には門型部材42が固定されている。門型部材42は、ストラップ3の保持パイプ41に巻き掛けられている部分を左右方向に跨ぐ。門型部材42は、ストラップ3が左右方向に位置ずれすることを防止する。
【0025】
車両の乗客は、自分の身体を支えるために、持ち手2の下底部を把持する。
持ち手2を除菌するために、つり革1においては、紫外線(特に好ましくは紫外線C波)が持ち手2に向けて照射される。
【0026】
図2は、つり革1を示す断面図である。
持ち手2は、上底部21、2つの脚部22,22、下側保持部23、及び導光体24を備える。
図1及び図2に示す上底部21、脚部22,22、及び下側保持部23夫々は棒状をなし、遮光性を有する。上底部21、脚部22,22、及び下側保持部23は、上底部21を上底とし、下側保持部23を下底とする台形環状に一体的に設けられている。上底部21の両端部から脚部22,22が斜め下に延び、脚部22,22夫々の下端部に下側保持部23の両端部が連続している。
【0027】
下側保持部23の内部には、左右方向に延びる空間が設けられている。下側保持部23の周面の上部には、左右方向に延びる上向きの開口が設けられている。下側保持部23の開口は、下側保持部23の内部空間に連通している。
脚部22,22夫々の内部には、下側保持部23の内部空間に連通する連通路が設けられている。
上底部21の内部には、脚部22,22夫々の連通路に連通する連通路が設けられている。上底部21の周面の上部には、上向きの開口が設けられている。上底部21の開口は、上底部21の連通路に連通している。上底部21の開口は、上底部21にストラップ3が巻き掛けられることによって、目隠しされている。
【0028】
導光体24は、例えば石英ガラス製である。導光体24は、矩形断面を有する棒状をなす。導光体24の4つの周面のひとつ(以下、下面241という)には、導光体24の長手方向に沿って、複数個の凹部242,242,…が並設されている。導光体24の、下面241に対向する面(以下、上面243という)と他の2つの周面との角部は、凸面状に面取りされている。
【0029】
なお、導光体24の下面241を除く部分は、使用者が把持し易い形状であればよい。例えば、使用者の指を置くための複数の凹みが導光体24の長手方向に並設されていてもよい。
導光体24の長手方向の両端面には、導光体24の内部から導光体24の端面に入射した光を導光体24の内部へ反射させる反射部が設けられていることが望ましい。
【0030】
図2に示すLED51,51,…夫々は、紫外線を発する発光素子である。LED51,51,…は、短冊状のLED基板511の一面に、LED基板511の長手方向に並設されている。
【0031】
LED基板511は、LED基板511の長手方向が左右に向き、LED51,51,…が上向きになるようにして、下側保持部23の内部空間に収容されている。導光体24は、導光体24の長手方向が左右に向き、導光体24の下面241の各凹部242にLED51が挿入されるようにして、LED基板511の上面に載置されている。故に、LED51が発した紫外線は、導光体24の凹部242の内面を透過して導光体24の内部に入射する。
【0032】
導光体24の下部及び導光体24の両端部は、下側保持部23の内部空間に収容されている。導光体24の残部は、下側保持部23の開口を通して下側保持部23から上に突出している。
下側保持部23は、導光体24の周面の上部(上面243及び導光体24の前面及び後面夫々の概ね上半分)が露出するようにして導光体24を保持する。また、下側保持部23は、各LED51の光軸が導光体24の周面の下部(具体的には凹部242の底部)に向くようにして、LED51,51,…を導光体24の下側に保持する。従って、紫外線はLED51から導光体24へ上向きに照射される。
【0033】
導光体24は、持ち手2の下底部の上半分を構成し、下側保持部23は、持ち手2の下底部の下半分を構成する。使用者は、導光体24と下側保持部23とをまとめて把持する。導光体24の周面の上部は、使用者の手に接触する接触面である。
【0034】
LED基板511には給電線52,52が接続されている。給電線52,52は、下側保持部23の内部空間と脚部22,22夫々の連通路と上底部21の連通路とを通って、上底部21の開口から引き出されている。
【0035】
上底部21、脚部22,22、及び下側保持部23は、例えば各部の前半分が一体形成された第1の部材と、各部の後半分が一体形成された第2の部材とで構成されている。持ち手2を組み立てる場合、まず、第1の部材にLED基板511、給電線52,52、及び導光体24が配される。次いで、第1の部材に第2の部材が取り付けられる。
【0036】
保持パイプ41とストラップ3の保持パイプ41に巻き掛けられている部分との間には、把持検出部11が配されている。
把持検出部11はマイクロスイッチである。通常、把持検出部11はオフである。持ち手2が把持されることによって、ストラップ3は引き下げられる。引き下げられたストラップ3は、把持検出部11をオンにする。持ち手2から手が離れた場合、把持検出部11はストラップ3を元の位置に押し上げ、オフになる。つまり、把持検出部11がオンである場合、持ち手2は把持されており、把持検出部11がオフである場合、持ち手2は把持されていない。
【0037】
門型部材42の上面には、つり革1の制御装置12が載置されている。
図3は、つり革1の制御系の構成を示すブロック図である。
制御装置12は、制御部121及びLEDドライバ122を備える。制御部121とLEDドライバ122とは、信号線を介して互いに接続されている。
制御部121は、CPU及び記憶部を有する。CPUは、記憶部に記憶されているコンピュータプログラムに従って、所定の処理を実行する。
制御部121と把持検出部11とは信号線を介して互いに接続されている。この信号線は、ストラップ3及び門型部材42の周囲に配されている。制御部121には、把持検出部11のオン/オフを示す信号(把持検出部11の検出結果)が信号線を介して入力される。
【0038】
持ち手2から引き出された給電線52,52は、ストラップ3の内側を通って門型部材42まで引き出され、制御装置12のLEDドライバ122に接続されている。
制御部121及びLEDドライバ122夫々には、車両に備えられている図示しない電源から給電される。電源から制御装置12への給電線は、保持パイプ41の内部、又は保持パイプ41の周面に配される。
【0039】
LEDドライバ122は、所定のオン信号が入力された場合にLED51,51,…への給電を開始する。この結果、LED51,51,…は点灯される。オン信号の入力が途絶えたとき、LEDドライバ122はLED51,51,…への給電を終了する。この結果、LED51,51,…は消灯される。
【0040】
図4は、つり革1で実行される除菌処理の手順を示すフローチャートである。
制御部121は、持ち手2が把持されたか否かを判定する(S11)。制御部121は、把持検出部11がオフからオンに切り替わった場合に、持ち手2が把持されたと判定する。
持ち手2が把持されていない場合(S11でNO)、制御部121は、S11の処理を再び実行する。
持ち手2が把持された場合(S11でYES)、制御部121は、LEDドライバ122へのオン信号の入力を開始することによって、LED51,51,…を点灯させる(S12)。
【0041】
LED51,51,…が発した紫外線は、導光体24の凹部242,242,…の内面から導光体24の内部に入射し、導光体24の接触面に導かれる。つまり、導光体24を通して持ち手2の接触面に紫外線が照射される。紫外線(特に紫外線C波)は、生物のDNAに作用してDNAを不活化させる作用を有しており、あらゆる種類の病原菌、ウイルスを短時間で有効に死滅させることができる。故に、持ち手2を効果的に除菌することができる。
【0042】
つり革1の持ち手2は一般的な乗客の目の高さよりも高い位置に配される。紫外線は上向きに照射されるので、つり革1の使用中に紫外線が照射されるにもかかわらず、紫外線が使用者の目に直接的に入射することを防止することができる。
しかも、接触面が使用者の手で覆われるので、導光体24からの漏光が使用者の目に直接的に入射することを確実に防止することができる。また、持ち手2と共に持ち手2を把持する手も除菌することができる。
なお、導光体24の接触面に、紫外線を拡散させるための微細な凹凸が設けられていてもよい。
【0043】
S12の処理でLED51,51,…を点灯させた後、制御部121は経過時間の計時を開始する(S13)。
次に、制御部121は、所定時間が経過したか否かを判定する(S14)。
例えば、大腸菌を殺傷率99.9%で除菌するために必要な紫外線照射量は5400μW・sec/cm2 、インフルエンザウィルスを殺傷率99.9%で除菌するために必要な紫外線照射量は3400μW・sec/cm2 と言われている。紫外線を照射し続ける所定時間の長さは、LED51から照射される紫外線の強度、及び除菌すべき面積から求められる。
【0044】
所定時間が経過した場合(S14でYES)、制御部121は、LEDドライバ122へのオン信号の入力を終了することによって、LED51,51,…を消灯させる(S15)。最後に、制御部121は除菌処理を終了する。
除菌処理の終了後、制御部121は再びS11から除菌処理を開始する。
【0045】
S14でYESの場合、持ち手2及び使用者の手夫々の除菌は完了している。この後、S15の処理でLED51,51,…が消灯されるので、持ち手2及び持ち手2を把持する手が紫外線に長時間曝される虞がない。
持ち手2の除菌の完了後、使用者が持ち手2から手を離した場合、次の使用者は除菌済みの持ち手2を把持することができる。
【0046】
所定時間が経過していない場合(S14でNO)、制御部121は、持ち手2から手が離れたか否かを判定する(S16)。制御部121は、把持検出部11がオンからオフに切り替わった場合に、持ち手2から手が離れたと判定する。
持ち手2がまだ把持されている場合(S16でNO)、制御部121は、処理をS14へ戻す。この結果、持ち手2の除菌が完了するまで、紫外線が照射され続ける。
【0047】
持ち手2から手が離れた場合(S16でYES)、制御部121は、処理をS15へ移して、LED51,51,…を消灯させる。
S16でYESの場合、持ち手2の除菌が完了する前にLED51,51,…が消灯される。しかしながら、次の使用者が持ち手2を把持すれば持ち手2及び使用者の手夫々の除菌が開始されるので、特段の問題はない。
なお、持ち手2から手が離れた場合、所定時間が経過するまで紫外線が照射され続けてもよい。
【0048】
以上のようなつり革1によれば、LED51,51,…が発する紫外線を用いて除菌が行なわれるので、つり革1の保守管理を頻繁に行なう必要がない。即ち、長期的に除菌効果を維持することができる。
また、使用者が能動的に持ち手2を除菌する必要がないので、使用者の利便性が高い。
一般的なLED51は、紫外線と共に可視光線も発する。故に、LED51が発光している場合、導光体24が光っているように見える。導光体24が光っている場合、持ち手2が除菌中であることが乗客に分かる。
【0049】
なお、把持検出部11はストラップ3と保持パイプ41との間に配される構成に限定されない。例えば、把持検出部11は、持ち手2に組み込まれてもよい。把持検出部11はマイクロスイッチに限定されない。例えば、把持検出部11は、感圧センサ、光センサ、静電センサ、又はひずみゲージでもよい。
【0050】
ストラップ3の外面に、表示パネルが設けられてもよい。表示パネルには、例えば、持ち手2の除菌状況、又は広告等を示す画像が表示される。
つり革1に電源が備えられていてもよい。つり革1の電源は、例えば制御装置12に内蔵された乾電池又は充電池、或いはストラップ3の外面に設けられた太陽電池である。
持ち手2は、ストラップ3に支持される構成に限定されない。例えば、持ち手2は、基端部が保持パイプ41に取り付けられているレバー又はアーム等の先端部に支持されてもよい。
【0051】
次に、実施の形態2~6を説明する。実施の形態2~6のつり革1は、実施の形態1のつり革1と略同様である。実施の形態2~6のつり革1は、実施の形態1のつり革1の作用効果と略同様の作用効果を奏する。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0052】
実施の形態 2.
図5は、実施の形態2に係るつり革1の制御系の構成を示すブロック図である。
つり革1は、実施の形態1の把持検出部11に替えて、スイッチ13を備える。
本実施の形態においては、車両に備えられている電源43とLEDドライバ122との間にスイッチ13が介在している。スイッチ13がオンの場合、電源43からLED51,51,…に給電される。スイッチ13がオンからオフに切り替わった場合、電源43からLED51,51,…への給電が断たれる。
【0053】
スイッチ13はマイクロスイッチである。スイッチ13は、実施の形態1の把持検出部11と同様に、保持パイプ41とストラップ3の保持パイプ41に巻き掛けられている部分との間に配されている。スイッチ13は、持ち手2が把持された場合にオフからオンに切り替わり、持ち手2から使用者の手が離れた場合にオンからオフに切り替わる。
従って、持ち手2が把持されたときにLED51,51,…が点灯し、持ち手2及び使用者の手が除菌される。持ち手2から手が離れたとき、LED51,51,…が消灯される。
以上のようなつり革1によれば、実施の形態1の制御部121が不要なので、つり革1の構成が簡易である。
【0054】
なお、スイッチ13は、持ち手2が把持された場合にオンからオフに切り替わり、持ち手2から使用者の手が離れた場合にオフからオンに切り替わってもよい。この場合、持ち手2が把持されていない場合に除菌されるので、持ち手2を把持する手が紫外線に曝される虞がない。
【0055】
実施の形態 3.
図6は、実施の形態3に係るつり革1の制御系の構成を示すブロック図である。
本実施の形態のつり革1は、在否検出部14を更に備える。
在否検出部14は、つり革1の周囲における乗客の在否を検出する。在否検出部14は例えば静電容量型の近接センサである。つり革1の真下及びその周辺に、立っている乗客が存在する場合、在否検出部14はオンである。つり革1の真下及びその周辺に、立っている乗客が存在しない場合、在否検出部14はオフである。
在否検出部14の検出結果は、制御部121に入力される。
【0056】
図7は、つり革1で実行される除菌処理の手順を示すフローチャートである。
図7に示すS11の処理は、図4に示すS11の処理と同様である(実施の形態1参照)。持ち手2が把持された場合(S11でYES)、制御部121は、図4に示すS12以降の処理を実行する。
持ち手2が把持されていない場合(S11でNO)、制御部121は、在否検出部14の検出結果がオンであるか否かを判定することによって、乗客が存在するか否かを判定する(S21)。つり革1の周囲に乗客が存在する場合(S21でYES)、制御部121は、処理をS11へ戻す。
【0057】
つり革1の周囲に乗客が存在しない場合(S21でNO)、制御部121は、処理をS22へ移す。S22~S25の処理は、図4に示すS12~S15の処理と同様である。
S22の処理でLED51,51,…が点灯するので、つり革1の周囲に乗客が存在しない場合に持ち手2を除菌することができる。故に、次の使用者は除菌済みの持ち手2を把持することができる。
【0058】
所定時間が経過していない場合(S24でNO)、制御部121は、乗客が存在するか否かを再び判定する(S26)。
つり革1の周囲に乗客が存在しない場合(S26でNO)、制御部121は、処理をS24へ戻す。この結果、持ち手2の除菌が完了するまで、紫外線が照射され続ける。
【0059】
つり革1の周囲に乗客が存在する場合(S26でYES)、制御部121は、処理をS25へ移して、LED51,51,…を消灯させる。
S22及びS25の処理を実行する制御部121は、実施の形態における素子制御部として機能する。
【0060】
つり革1の周囲に乗客が存在しない場合にLED51,51,…が発する紫外線の強度は、持ち手2が把持された場合よりも高くてもよい。この場合、S24の所定時間はS14の所定時間よりも短い。即ち、短時間で除菌が完了するように図ることができる。
【0061】
在否検出部14は近接センサに限定されず、例えばカメラであってもよい。この場合、カメラが撮像した画像と、つり革1の周囲に乗客が存在しないときに撮像した画像とが比較される。両者の違いが大きい(小さい)場合、つり革1の周囲に乗客が存在する(存在しない)。
保持パイプ41には複数のつり革1,1,…が吊り下げられる。在否検出部14は、複数のつり革1,1,…に共通のものが用いられてもよい。この場合、在否検出部14はつり革1,1,…の周囲における乗客の在否を検出する。
【0062】
実施の形態 4.
図8は、実施の形態4に係るつり革1の制御系の構成を示すブロック図である。
制御装置12は、通信部123及び時計124を更に備える。
制御部121は、通信部123を介して、車両に備えられている情報処理装置44との通信を行なう。情報処理装置44から制御装置12への通信線は、保持パイプ41の内部、又は保持パイプ41の周面に配される。情報処理装置44は情報記憶部441を備える。
時計124は現在時刻を計る。
【0063】
制御部121の記憶部には、つり革1を識別するための識別情報が与えられている。
制御部121は、持ち手2が把持されたと判定した場合(図4に示すS11でYES)、持ち手2が把持されていることを示す把持情報と、識別情報と、現在時刻を示す時刻情報とを、通信部123を介して情報処理装置44へ送信する。また、制御部121は、持ち手2から手が離れたと判定した場合(図4に示すS16でYES)、持ち手2が把持されていないことを示す非把持情報と、識別情報と、現在時刻を示す時刻情報とを、通信部123を介して情報処理装置44へ送信する。以上のような制御部121は、実施の形態における送信部として機能する。
情報処理装置44は、受信した把持情報又は非把持情報と、識別情報と、時刻情報との組を情報記憶部441に記憶する。
【0064】
車両には複数のつり革1,1,…が備えられている。情報記憶部441に記憶されている各種情報を用いれば、任意の時刻に特定のつり革1が使用されていたか否かを知ることができる。つり革1が使用されている場合、つり革1の近傍の座席は概ね満員である、と考えられる。故に、情報記憶部441に記憶されている各種情報を用いて、例えば任意の時刻における乗車率の推定を行なうことができる。
乗車率を推定する演算は、情報処理装置44が行なってもよい。
情報処理装置44は、情報記憶部441に記憶された各種情報と車両を識別する車両識別情報とを、車外の情報処理装置へ送信してもよい。
【0065】
操作部45は、例えば車両の運転席に備えられている。運転手は、例えば車両の回送中、又は車両を車庫に入れた場合に、操作部45を操作する。
操作部45が操作された否かの情報は、情報処理装置44に与えられる。操作部45が操作された場合、情報処理装置44は、LED51,51,…の点灯を命じる除菌命令をつり革1,1,…の制御部121,121,…へ送信する。
制御部121は、通信部123を介して除菌命令を受信する。即ち、制御部121は、実施の形態における受付部として機能する。除菌命令を受信した場合、制御部121は、LED51,51,…を点灯させる。制御部121は、所定時間の経過後にLED51,51,…を消灯させる。即ち、制御部121は、実施の形態における点消灯制御部として機能する。従って、持ち手2が紫外線に長時間曝される虞がない。
【0066】
以上のようなつり革1によれば、持ち手2が把持された場合のみならず、運転手が望むタイミングで持ち手2の除菌を行なうことができる。
なお、使用者が所有している携帯端末機に所定のアプリケーションがインストールされることによって、携帯端末機がつり革1のリモートコントローラとして機能する構成でもよい。
【0067】
実施の形態 5.
図9は、実施の形態5に係るつり革1を示す斜視図である。
図10は、つり革1を示す断面図である。
本実施の形態の持ち手2は、矩形環状をなす。持ち手2は、上辺部25、2つの側辺部26,26、及び把持体27を備える。
【0068】
上辺部25及び側辺部26,26は棒状をなし、遮光性を有する。上辺部25及び側辺部26,26は、上辺部25の両端部から側辺部26,26が下に延びるようにして、一体的に設けられている。
上辺部25の下部には、上辺部25を前後方向に貫通する挿通孔251が設けられている。ストラップ3は、挿通孔251を通って上辺部25に巻き掛けられている。
【0069】
上辺部25には、実施の形態1の上底部21に設けられている開口及び連通路と同様の開口及び連通路が設けられている。上辺部25の開口は、ストラップ3によって目隠しされている。
左側の側辺部26の下端部には、右側に開口する矩形状の保持穴が設けられている。同様に、右側の側辺部26の下端部には、左側に開口する保持穴が設けられている。各側辺部26には、側辺部26の保持穴と上辺部25の連通路とに連通する連通路が設けられている。
【0070】
図11は、つり革1を示す他の断面図である。
図9図11に示すように、把持体27は、円形断面を有する棒状をなす。把持体27の周面には、紫外線を拡散させるための多数の凹凸271が設けられている。凹凸271は、少なくとも把持体27を把持した使用者が違和感を覚えない程度に微細である。図11には凹凸271が強調して描かれている。図11に示す凹凸271は規則的に設けられているが、不規則に設けられてもよい。
【0071】
図10及び図11に示すように、LED51,51,…は、矩形状のLED基板511の一面に並設されている。LED51,51,…は、把持体27の直径よりも僅かに大きい仮想的な円に沿って等配されている。本実施の形態では、つり革1は2枚のLED基板511,511を備える。
各側辺部26の保持穴には、LED基板511の両面が左右に向き、LED51,51,…が側辺部26の保持穴の開口に向くようにして、LED基板511が収容されている。
【0072】
把持体27の長手方向は左右方向に向く。把持体27の両端部は、側辺部26,26夫々の保持穴に挿入されている。把持体27の両端面は、LED51,51,…から左右方向に適長離隔している。側辺部26の保持穴の内周面と把持体27の端部の周面との間には、透光性を有する保持具272が配されている。保持具272は、把持体27のガタツキを防止している。
車両の乗客は、自分の身体を支えるために、把持体27を把持する。把持体27の周面は、使用者の手に接触する接触面である。
【0073】
左側の側辺部26に配されている各LED51の光軸は把持体27の長手方向に沿って右側に向く。同様に、右側の側辺部26に配されている各LED51の光軸は左側に向く。LED51が発した紫外線は、光軸を中心に拡散するので、LED51が発した紫外線は、把持体27の接触面に照射される。
LED51,51,…は把持体27の周方向に並置されている。また、把持体27の周面に設けられた凹凸271によって紫外線が拡散する。故に、紫外線を把持体27の周面に満遍なく行き渡らせることができる。
【0074】
LED基板511には給電線52が接続されている。給電線52は、側辺部26の連通路と上辺部25の連通路とを通って、上辺部25の開口から引き出されている。
【0075】
上辺部25及び側辺部26,26は、例えば各部の前半分が一体形成された第3の部材と、各部の後半分が一体形成された第4の部材とで構成されている。持ち手2を組み立てる場合、まず、第3の部材にLED基板511,511、給電線52,52、把持体27、及び保持具272,272が配される。次いで、第3の部材に第4の部材が取り付けられる。
【0076】
つり革1の制御系の構成を示すブロック図は、図3に示すブロック図と略同様である。ただし、給電線52,52夫々には、互いに異なるLED基板511が接続されている。
【0077】
図12は、つり革1で実行される除菌処理の手順を示すフローチャートである。
図12に示すS11の処理は、図4に示すS11の処理と同様である。持ち手2が把持されていない場合(S11でNO)、制御部121は、S11の処理を再び実行する。
なお、つり革1は実施の形態3の在否検出部14を更に備えてもよい。この場合、S11でNOのとき、図7に示すS21以降の処理が実行される。
【0078】
持ち手2が把持された場合(S11でYES)、制御部121は、持ち手2から手が離れたか否かを判定する(S31)。S31の処理は、図4に示すS16の処理と同様である。
持ち手2がまだ把持されている場合(S31でNO)、制御部121は、S31の処理を繰り返す。
【0079】
持ち手2から手が離れた場合(S31でYES)、制御部121は、処理をS32へ移す。S32~S35の処理は、図4に示すS12~S15の処理と同様である。
S32の処理でLED51,51,…が点灯するので、把持されていた持ち手2から手が離れた場合に持ち手2を除菌することができる。故に、持ち手2を把持する手が紫外線に曝される虞がない。
把持体27の両端部は側辺部26,26によって遮光されているので、乗客が把持体27を左右方向から覗き込んだとしても、紫外線が乗客の目に直接的に入射する虞はない。
【0080】
所定時間が経過していない場合(S34でNO)、制御部121は、持ち手2が把持されたか否かを再び判定する(S36)。
持ち手2がまだ把持されていない場合(S36でNO)、制御部121は、処理をS34へ戻す。この結果、持ち手2の除菌が完了するまで、紫外線が照射され続ける。
持ち手2から手が離れた場合(S36でYES)、制御部121は、LED51,51,…を消灯させる(S37)。S37の処理は、図4に示すS15の処理と同様である。
S37の処理の終了後、制御部121は、処理をS31へ戻す。
S37の処理でLED51,51,…が消灯されるので、除菌中に持ち手2が把持されても、使用者の手に紫外線が照射される虞はない。
【0081】
以上のようなつり革1によれば、使用者の手に紫外線が照射されないので、強度が高い紫外線を用いて、短時間で除菌が完了するように図ることができる。
【0082】
なお、左側(及び右側)の保持具272の右面(及び左面)にLED51,51,…が配されてもよい。この場合、保持具272は透光性を有している必要はない。
【0083】
把持体27は導光性を有していてもよい。この場合、把持体27は例えば石英ガラス製である。各LED51は、LED51の光軸が把持体27の端面に向くようにして、把持体27の左側又は右側に配される。LED51から把持体27の端面に向けて照射された紫外線は、把持体27の内部を通って接触面に導かれる。故に、把持体27を通して接触面に紫外線を照射することができる。把持体27を通して接触面に紫外線を照射する場合には、実施の形態1と同様に、把持体27が把持された場合にLED51が点灯してもよい。
【0084】
把持体27は、手すり又はドアの取っ手等の把持部として構成されてもよい。把持体27が手すりを構成する場合、手すりの端部を覆うキャップ、又は2本の手すりのジョイントが、LED基板511を保持してもよい。把持検出部11は、例えば手すりを壁に取り付けるためのブラケットに組み込まれた荷重センサである。手すりが把持された場合、ブラケットに荷重が加わるので、制御部121は、荷重センサの検出結果が所定の閾値よりも大きい場合に手すりが把持されていると判定する。
【0085】
実施の形態1のつり革1において、図12に示す除菌処理が実行されてもよい。
【0086】
実施の形態 6.
図13は、実施の形態6に係るつり革1を示す斜視図である。
図14は、つり革1を示す断面図である。
本実施の形態の持ち手2は、上底部21が短く、下底部28が長い等脚台形環状をなす。持ち手2の上底部21、脚部22,22、及び下底部28は一体に設けられている。
下底部28は、円形断面を有する棒状をなす。車両の乗客は、自分の身体を支えるために、下底部28を把持する。下底部28の周面は、使用者の手に接触する接触面である。
持ち手2には、第1保持部材53及び第2保持部材54が装着される。
【0087】
第1保持部材53は、短小の円筒状をなす。第1保持部材53の周壁は適宜の厚みを有する。第1保持部材53は、互いに固定される2つの半円筒部材531,531を備える。
第1保持部材53の内径は下底部28の外径に対応する。第1保持部材53の一端面には、複数個のLED51,51,…が第1保持部材53の周方向に等配されている。また、LED51,51,…の何れか2つの間に、発光素子55が配されている。発光素子55は赤外線を発する。
LED51,51,…には、給電線52を通して給電される。発光素子55には、給電線56を通して給電される。
【0088】
第2保持部材54は第1保持部材53と略同様の構成である。ただし、発光素子55に替えて受光素子57が配されている。受光素子57は、発光素子55が発した赤外線を受光している間、信号線58(後述する図15参照)を通して受光信号を出力し続ける。
【0089】
第1保持部材53及び第2保持部材54は、発光素子55と受光素子57とが互いに対向するようにして、下底部28の両端部に装着される。例えば、第1保持部材53は、半円筒部材531,531夫々が下底部28の半周を囲むようにして互いに固定されることによって、下底部28に装着される。
【0090】
第1保持部材53に配されている各LED51の光軸は、下底部28の長手方向に沿って第2保持部材54に向く。同様に、第2保持部材54に配されている各LED51の光軸は、第1保持部材53に向く。LED51が発した紫外線は、光軸を中心に拡散するので、LED51が発した紫外線は、下底部28の接触面に照射される。
発光素子55は、受光素子57に向けて赤外線を照射する。下底部28が把持された場合、使用者の手によって赤外線が遮光される。
【0091】
第1保持部材53からは、給電線52,56が引き出されている。給電線52,56は、持ち手2の内周に配され、ストラップ3の内側を通って門型部材42まで引き出され、制御装置12に接続されている。
第2保持部材54からは、給電線52及び信号線58が引き出されている。給電線52及び信号線58は、持ち手2の内周に配され、ストラップ3の内側を通って門型部材42まで引き出され、制御装置12に接続されている。
【0092】
図15は、つり革1の制御系の構成を示すブロック図である。
制御装置12は、制御部121、LEDドライバ122、発光回路125、及び受光回路126を備える。制御部121とLEDドライバ122、発光回路125、及び受光回路126夫々とは信号線を介して互いに接続されている。制御部121、LEDドライバ122、発光回路125、及び受光回路126夫々には、車両に備えられている図示しない電源から給電される。
【0093】
制御部121は、発光回路125にオン信号を入力し続ける。発光回路125には給電線56が接続されている。発光回路125は、オン信号が入力されている間、発光素子55に給電し続ける。
受光回路126は、受光素子57から入力された受光信号を制御部121に入力する。受光回路126から制御部121に受光信号が入力されている場合、持ち手2は把持されていない。受光回路126から制御部121に受光信号が入力されていない場合、持ち手2は把持されている。
【0094】
つり革1で実行される除菌処理の手順は、図12に示す除菌処理の手順と同様である。ただし、制御部121は、受光回路126からの受光信号の入力が途絶えた場合に、持ち手2が把持されたと判定する。また、制御部121は、受光回路126からの受光信号の入力が再開された場合に、持ち手2から手が離れたと判定する。
【0095】
以上のようなつり革1によれば、公知のつり革の持ち手に第1保持部材53及び第2保持部材54を装着し、門型部材42に制御装置12を取り付け、給電線52,52,56及び信号線58を配線することによって、つり革1を構成することができる。
【0096】
なお、第1保持部材53及び第2保持部材54は、手すり又はドアの取っ手等の把持部に装着されてもよい。手すりに装着される場合、第1保持部材53及び第2保持部材54夫々は、手すりの端部を覆うキャップ、又は2本の手すりのジョイントとして構成されてもよい。
【0097】
紫外線を発する発光シートが持ち手の表面又は把持部の表面を覆ってもよい。使用者は、発光シートごと持ち手又は把持部を把持する。発光シートの発光面は、紫外線によって除菌される。紫外線が不必要な方向へ照射されることを防止するために、発光面の一部が遮光部材に覆われていてもよい。発光シートと持ち手又は把持部との間に、例えばシート状の感圧センサを介在させることによって、把持されたか否かを検出することができる。
【0098】
実施の形態 7.
図16は、実施の形態7に係る把持部材を示す斜視図である。
図中6は把持部材であり、把持部材6は、手すり7(把持部)を備いる。
手すり7は、導光体71及び下側保持部72を備える。
【0099】
導光体71は、半円状の断面を有する棒状をなす。導光体71は、平面状の周面(以下、下側周面711という)を下向きにし、曲面状の周面(以下、上側周面712という)を上向きにして用いられる。下側周面711には、導光体71の長手方向に沿って、複数個の凹部713,713,…が並設されている。
【0100】
下側保持部72は、半円状の断面を有する棒状をなす。下側保持部72は、曲面状の周面を下向きにして用いられる。下側保持部72の平面状の周面には、下側保持部72の全長に亘る溝721が設けられている。溝721は上向きに開口している。
溝721の底部には、LED51,51,…が上向きになるようにして、LED基板511が載置されている。
把持検出部11はシート状の感圧センサであり、LED基板511の上面に載置されている。
【0101】
導光体71は、下側周面711が把持検出部11を介してLED基板511の上面に対向し、下側周面711の各凹部713にLED51が挿入されるようにして、下側保持部72の溝721に嵌め込まれている。導光体71の上側周面712は、周方向の両端部を除いて、溝721の開口から上に突出している。
手すり7の端部には、手すり7を壁に取り付けるためのブラケット61が取り付けられている。ブラケット61の内部には、制御装置12が組み込まれている。
【0102】
使用者は手すり7を把持する。導光体71の上側周面712は、使用者の手に接触する接触面である。手すり7が把持された場合、導光体71に下向きの荷重が加わる。把持検出部11は、導光体71に加わった荷重を検出する。把持検出部11の検出結果が所定の閾値以上である場合、手すり7は把持されている。把持検出部11の検出結果が所定の閾値未満である場合、手すり7は把持されていない。
【0103】
把持部材6の制御系の構成を示すブロック図は、図3に示すブロック図と略同様である。
把持部材6で実行される除菌処理の手順は、図4又は図12に示す除菌処理の手順と同様である。ただし、制御部121は、把持検出部11の検出結果が所定の閾値を上回った場合に、手すり7が把持されたと判定する。また、制御部121は、把持検出部11の検出結果が所定の閾値を下回った場合に、手すり7から手が離れたと判定する。
【0104】
LED51,51,…が発した紫外線は、導光体71の凹部713,713,…の内面から導光体71の内部に入射し、導光体71の接触面に導かれる。つまり、導光体71を通して手すり7の接触面に紫外線が照射されるので、手すり7を効果的に除菌することができる。
所定時間の経過後、LED51,51,…が消灯されるので、手すり7が紫外線に長時間曝される虞がない。
【0105】
以上のような把持部材6によれば、LED51,51,…が発する紫外線を用いて除菌が行なわれるので、把持部材6の保守管理を頻繁に行なう必要がない。即ち、長期的に除菌効果を維持することができる。
また、使用者が能動的に手すり7を除菌する必要がないので、使用者の利便性が高い。
一般的なLED51は、紫外線と共に可視光線も発する。故に、LED51が発光している場合、導光体71が光っているように見える。導光体71が光っている場合、手すり7が除菌中であることが乗客に分かる。
【0106】
なお、導光体71の上側周面712に、紫外線を拡散させるための微細な凹凸が設けられていてもよい。
把持部材6の手すり7と同様の構成が、例えばドアの取っ手に適用されてもよい。
【0107】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0108】
1 つり革
11 把持検出部
12 制御装置
121 制御部(素子制御部,受付部,点消灯制御部,送信部)
13 スイッチ
14 在否検出部
2 持ち手
24 導光体
27 把持体
271 凹凸
3 ストラップ(支持部材)
51 LED(発光素子)
6 把持部材
7 手すり(把持部)
71 導光体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16