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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】便器装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/02 20060101AFI20231221BHJP
   E03D 11/13 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
E03D11/02 Z
E03D11/13
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020033211
(22)【出願日】2020-02-28
(65)【公開番号】P2021134611
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】赤▲崎▼ 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】広田 義人
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-097703(JP,A)
【文献】特開2005-273414(JP,A)
【文献】特開2004-124364(JP,A)
【文献】特開2006-038873(JP,A)
【文献】特開平07-166592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 11/00- 13/00
E03D 1/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体と、
前記便器本体に設けられる足検知部と、
前記便器本体に対する前記足検知部の検知位置を調整可能な調整機構と、を備え、
前記足検知部は、前記便器本体に取り付けられて固定される取付部と、前記取付部に第1留め具により接続され、検知を行うセンサ部と、を有し、
前記調整機構は、前記取付部に対する前記センサ部の取付角度を調整可能であり、前記センサ部に設けられ、前記第1留め具の固定位置に対向して左右方向に複数並んで配置される取付孔を有し、
前記取付部と前記センサ部とは、複数の前記取付孔のうち選択した一の取付孔に第2留め具を固定することで取り付けられる、便器装置。
【請求項2】
前記調整機構は、前記便器本体に対する前記足検知部の左右方向の取付角度を調整可能である、請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
前記便器本体は、上部が開口したボウル部と、前記ボウル部の外周を覆う周壁部と、前記周壁部の内側面により形成される凹部と、を有し、壁掛け式で設置され、
前記足検知部は、前記凹部に配置される、請求項1又は2に記載の便器装置。
【請求項4】
便器本体と、
前記便器本体に設けられる足検知部と、
前記便器本体に対する前記足検知部の検知位置を調整可能な調整機構と、を備え
前記便器本体は、上部が開口したボウル部と、前記ボウル部の外周を覆う周壁部と、前記周壁部の内側面により形成される凹部と、を有し、壁掛け式で設置され、
前記足検知部は、前記凹部に配置される、便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器装置に人の足を検知する足検知部を設け、足検知部が足を検知すると、自動で便蓋を開閉するように構成した便器装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、足検知部は、便座と同じ高さに取り付けられた便座ボックスに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-119442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの癖や利き足によって、使用時のユーザの位置に偏りがある場合がある。このため、足検知部の検知範囲を、ユーザの特性等に応じて調整できることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、便器本体と、前記便器本体に設けられる足検知部と、前記便器本体に対する前記足検知部の検知位置を調整可能な調整機構と、を備える、便器装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る便器装置の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る便器装置の側面断面図である。
図3】第1実施形態に係る便器装置の底面図である。
図4】第1実施形態に係る足検知部の展開図である。
図5】第2実施形態に係る足検知部の展開図である。
図6A】第2実施形態に係る足検知部の底面側から見た使用の状態図である。
図6B】第2実施形態に係る足検知部の底面側から見た使用の状態図である。
図6C】第2実施形態に係る足検知部の側から見た使用の状態図である。
図7】第3実施形態に係る足検知部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の便器装置1の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の説明においては、便器装置1の便座21に座った人から視た場合の前後の方向を前後方向と定義する。前後方向に交差する左右を結ぶ方向を左右方向と定義する。鉛直方向に沿った上下の方向を上下方向と定義する。
【0008】
図1に示すように、便器装置1は、便器本体10と、便座21と、便蓋22と、機能部3と、足検知部4(図2参照)と、保護部材5(図3参照)と、を有する。便器装置1は、例えばトイレルーム(図示省略)に壁掛け式で配置され、汚物を下水へ流して洗浄する水洗式の装置である。
【0009】
便座21は、中央が後述する便器本体10の開口に連通するように開口した略環状で平坦な部材である。便座21は、便器本体10の上面に設置され、開閉可能に取り付けられている。便蓋22は、便座21の上に配置され、便座21と同様に開閉可能に取り付けられて、便座21及び便器本体10の開口を覆っている。
【0010】
機能部3は、便器本体10の後方に配置され、便座21及び便蓋22の開閉機構や、衛生洗浄装置のノズル部、脱臭装置、温風乾燥装置、加温装置、音楽基板、スピーカー等の機能部品が取り付けられる(いずれも図示省略)。機能部3には、各種の機構や装置を接続し、機能部3内の機能部品に電力を供給するための電気配線や、給水用の配管等が配置される。
【0011】
便器本体10は、図2に示すように壁掛け式で設置され、ボウル部11と、排水口11aと、排水トラップ11bと、周壁部12と、凹部13と、を有する。図2では、便座21、便蓋22及び機能部3は省略して示されている。ボウル部11は、上部が開口した凹状に形成され、汚物等を受け入れる。排水口11aは、ボウル部11の下端に配置されて外部の下水管(図示省略)へと連続する開口である。排水トラップ11bは、排水口11aから延出し、略U字状に延びる屈曲した管である。排水トラップ11bは、排水口11aの下端と下水管との間で下方へ延びた後上方へ屈曲することで形成され、水を溜めることができる溜水部11cを有する。排水トラップ11bは、溜水部11cに水を溜めることで、下水側からの臭気がボウル部11へ移動することを防止する。
【0012】
周壁部12は、ボウル部11の外周を覆うとともに、上下方向に延びる壁である。周壁部12は、便器本体10の外郭を規定する。図2に示すように、凹部13は、ボウル部11の下面と周壁部12の内側面との間が上方に凹んで形成される。凹部13は、図3に示すように、ボウル部11の下面の周囲に沿って略U字状の溝のように形成されている。
【0013】
足検知部4は、便器本体10の下方に設けられ、ユーザの足を検知する。図2に示すように、凹部13に配置される。より具体的には、足検知部4は、排水トラップ11bよりも前方側に配置され、便器本体10の前方側における周壁部12の内側面12aに固定される。足検知部4は、取付部41と、センサ部42と、を有する。
【0014】
取付部41は、図3及び図4に示すように、平面視略T字状の部材である。取付部41は、片持ち状に取り付けられるブラケットである。取付部41は、便器本体10の周壁部12の内側面12aにねじで固定され、便器本体10の前後方向に延びるように取り付けられる。取付部41は、全体が凹部13内に配置されている。周壁部12の前方側の内側面12aには、孔を形成しても問題の生じない面がある。取付部41におけるT字の横棒部41aを周壁部12の内側面12aに当てて固定し、T字の縦棒部41bは、後方側へ向かって延びる。縦棒部41bは、便器本体10の左右方向において実質的に中心に配置される。
【0015】
センサ部42は、取付部41に接続され、検知を行う部分である。センサ部42は、図4に示すように、センサ420と、センサホルダ421と、センサケース422と、センサ窓423と、配線としてのハーネス部424と、を有する。
【0016】
センサ420は、赤外線測距センサである。センサ420は、発光部と受光部とを有する(図示省略)。発光部から照射された光が反射して受光部で受光され、その距離を測定することでユーザの足が近づいたことを検知する。
【0017】
センサホルダ421は、センサ420を保持する筐体である。センサホルダ421は、二本の角型筒部が並列した状態で一体となった略直方体に形成されている。
【0018】
センサケース422は、内部にセンサ420及びセンサホルダ421を収容可能なケースある。センサケース422は、ケース部422aと、薄片422bと、フラップ片422cと、を有する。ケース部422aは、上部及び前方側の側壁が開口した箱状である。センサケース422は、ケース部422aにセンサ420及びセンサホルダ421が収容されて、取付部41の下面にねじで固定される。薄片422bは、ケース部422aの後方端部で左右方向の一方及び他方から後方へ延びる一対の板状片である。
【0019】
フラップ片422cは、センサケース422外周縁から外側へ突出する。フラップ片422cの一つは、センサケース422のケース部422aの前方縁から前側へ突出する。フラップ片422cの残りの二つは、ケース部422aと薄片422bとの境界で、センサケース422の一対の側縁から外側へ突出する。フラップ片422cは、中心に貫通孔422dが形成された平坦な面を有し、取付部41や凹部13の下方にねじによりねじ留めされる。
【0020】
センサ窓423は、センサケース422の前方の開口部に装着される樹脂製の板である。センサ窓423は、センサ420から照射される光のうち可視光を遮断し、赤外線を透過させる。
【0021】
ハーネス部424は、ケース部422aの後方から延びるセンサ420の配線の束である。ハーネス部424は、センサケース422の一対の薄片422bの間に保持される。
【0022】
図2に示すように、足検知部4は、周壁部12の前方下端部と、排水トラップ11bの前方下端部とを結ぶ仮想線IMよりも側面視で上方に配置されている。すなわち、足検知部4は、凹部13内に取り付けられる。センサ部42は、上下方向の半分以上が凹部13内に配置されている。センサ部42は、センサ光を発光するため傾いており、センサ部42の一部分は、便器本体10から下方に突出している。この突出したセンサ部42の一部分は、仮想線IMよりも上方に位置している。足検知部4の検知エリアは、例えば、便器本体10の先端から70mm程度前方であり、床面から80mm程度上方である。検知エリアは、適宜変更してよい。センサ部42は、左右方向のいずれかに偏って配置されてもよい。
【0023】
保護部材5は、ハーネス部424の周囲を覆うゴム管である。図3に示すように、保護部材5は、センサケース422の後方に、管の端部を金属の輪でクランプして締結される。保護部材5は、ボウル部11の下面側で、センサケース422の後方から、排水トラップ11bの周囲に沿うとともに、凹部13に沿って便器本体10の後方へ延びるように配置される。保護部材5は、全体が凹部13内に配置されるため、便器本体10の正面視及び側面視において、便器本体10の外部から視認されない。保護部材5は、凹部13の窪みに嵌まった状態で動かない程度の剛性を有しており、ナット等で便器本体10に固定されていない。保護部材5は、便器本体10の後方に形成された貫通孔を挿通して、便器本体10後部の内部へ配置される。
【0024】
図5は、第2実施形態に係る便器装置1Aの足検知部4Aを示す展開図である。第2実施形態以下の説明において、第1実施形態と共通する構成については、説明を省略し、共通する符号を用いる。第2実施形態に係る足検知部4Aは、便器本体10に対する足検知部4Aの検知位置を調整可能な調整機構40を有する点で第1実施形態と異なる。具体的には、調整機構40は、便器本体10に対する取付角度を便器本体10の左右方向に調整可能である。調整機構40は、後述する取付部41Aの固定部411と、センサ部42Aにおけるセンサケース422Aのフラップ片422cに形成された貫通孔422dと、後述する取付面425に形成された取付孔426とにより構成される。
【0025】
取付部41Aは、固定部411と、位置決め孔412と、を有する。固定部411は、取付部41Aの後方側に配置され、取付部41Aの後方端部における左右方向の中央部が、最も後方へ突出して形成される。固定部411の下面側には、センサ部42Aをねじ留めするためのねじ孔が形成されている。
【0026】
位置決め孔412は、図6A図6Cに示すように、固定部411の前方に配置される複数の貫通孔である。位置決め孔412は、以下に説明するセンサケース422Aを固定するための貫通孔422dを中心とした仮想円の円弧線上に、左右方向に並んで形成される。位置決め孔412は、また、センサ部42Aのセンサケース422Aを取付部41Aに接触させた状態で、複数の取付孔426の前方側に並んで形成される。
【0027】
センサ部42Aは、取付面425と、取付孔426と、凸部427と、を有する。取付面425は、センサケース422Aの後方に配置され、センサケース422Aにおける一対の薄片422bの上端側を接続するように平面状に延びる。取付面425は、センサ部42Aを取付部41Aに接触させた状態で、取付部41Aに接する面である。取付面425の下側に、ハーネス部424及び保護部材5が配置される。
【0028】
取付孔426は、取付面425のケース部422a寄りに配置されている。取付孔426は、センサケース422Aを固定するための貫通孔422dを中心とした仮想円の円弧線上に、左右方向に並んで三つ並んで形成されている。取付孔426は、貫通孔である。
【0029】
凸部427は、三つ並んだ取付孔426のうち左右方向中央部における取付孔426の前方に配置された半球状の突起である。凸部427は、位置決め孔412に係止可能に配置される。図6A図6Cにおいて、凸部427は、説明の便宜のため灰色で示している。
【0030】
センサ部42Aのセンサケース422Aは、ケース部422aの外周縁における前方縁から外側へ突出するフラップ片422cを一つ有する。第1実施形態では、フラップ片422cが三つ形成されている。第2実施形態では、センサケース422Aの側縁から突出するフラップ片422cを有さず、ケース部422aの前方側に配置される前方縁の左右方向中央部からのみフラップ片422cが突出する。フラップ片422cは、貫通孔422dを有する。図6Aに示すように、貫通孔422dに第1留め具としてのねじ61を挿通させて取付部41Aに留めることで、ねじ61がセンサ部42Aの方向を変える回転の支軸となる。
【0031】
図6Aに示すように、センサ部42Aを取付部41Aに固定する際、まず、センサケース422Aの前方縁から突出するフラップ片422cを、取付部41Aの前方側の下面に軽くねじ61で仮固定する。仮固定とは、センサ部42Aがねじ61を軸として左右に回転する程度である。
【0032】
図6Aに示すように、角度を変更する必要がなければ、取付孔426の前方に位置している凸部427を、取付部41Aに形成された複数の位置決め孔412のうち左右方向中央部に位置する位置決め孔412に係止させて、センサ部42Aの位置を決める。その後、取付面425に形成された取付孔426のうち中央の取付孔426に第2留め具としてのねじ62を挿通させて締結し、取付部41Aの固定部411に固定する。
【0033】
足検知部4Aの検知範囲を変更する方が使いやすいと判断された場合、施工時に、センサ部42Aの角度を変更する。具体的には、図6B及び図6Cに示すように、フラップ片422c内の貫通孔422dに挿通する第1留め具を支軸として、センサ部42Aを取付部41Aに回転可能に仮固定した状態で、取付孔426のうち左及び右側いずれかの孔を選択する。センサ部42Aの位置を取付部41Aに対してずらし、まず、センサ部42A側の凸部427を、取付部41A側の位置決め孔412のうち左及び右側いずれかの孔に係止させることで、センサ部42Aが曲がらないように位置決めをする。図6Bでは、凸部427を位置決め孔412の右側に位置させている。図6Cでは、凸部427を位置決め孔412の左側に位置させている。
【0034】
凸部427を位置決め孔412に係止させると、取付孔426と取付部41Aの固定部411とが所定角度で合うように、センサ部42Aの位置が決まる。
【0035】
取付孔426と固定部411との位置を決めた後、フラップ片422cを留めているねじ61と、選択した取付孔426にねじ62を挿通させて締結し、センサケース422Aを取付部41Aに固定する。調整機構40により、取付部41Aに対するセンサ部42Aの取付け角度が調整される。取付孔426をずらすことで変更できる角度は、取付孔426の中央を中心として左右にそれぞれ10度である。位置決め孔412と凸部427で位置を合わせることにより、角度の調整がより正確に行うことができる。ねじの締結の深さを調節することで、上下の高さを調節することも可能である。これにより、ユーザの利き足に応じた位置に足検知部4Aの検知範囲を設定するよう施工することができる。
【0036】
第2実施形態の変形例として、調整機構は、足検知部の取付部やセンサ部を上下方向や左右方向に移動させて検知位置を調整してもよい。
【0037】
以上の第2実施形態によれば、以下の効果が奏される。便器装置1を、便器本体10と、便器本体10に設けられる足検知部4Aと、便器本体10に対する足検知部4Aの検知位置を調整可能な調整機構40(固定部411、貫通孔422d及び取付孔426)と、を含んで構成した。足検知部4Aの検知位置を調整することで、検知範囲を調整することができる。よって、ユーザの使用位置の癖や、トイレルームの間取り等によって足の位置に偏りが生じることがあっても、ユーザの特性に応じて検知範囲を最適化することが可能になる。
【0038】
第2実施形態によれば、調整機構を、便器本体10に対する足検知部4Aの左右方向の取付角度を調整可能に構成した。ユーザの足は二本あるが、利き足に体重が掛かり、立ち位置が偏る場合がある。足検知部4の左右方向の取付角度を調整することで、ユーザの偏りに合わせることができ、上記と同様の効果を奏する。
【0039】
第2実施形態によれば、足検知部4Aを、便器本体10に取り付けられて固定される取付部41Aと、取付部41Aに接続され、検知を行うセンサ部42Aと、を含んで構成した。調整機構を、取付部41Aに対するセンサ部42Aの取付角度を調整可能に構成した。取付部41Aを便器本体10に頑丈に取り付け、センサ部42Aの位置決め等の微妙な調整を、センサ部42Aと取付部41Aとの間で行うことができる。よって、確実に固定することと、位置の調整を容易に行うように構成することができる。
【0040】
第2実施形態によれば、便器本体10を、上部が開口したボウル部11と、ボウル部11の外周を覆う周壁部12と、周壁部12の内側面12aにより形成される凹部13と、を含んで構成し、壁掛け式で設置した。足検知部4を、凹部13に配置した。足検知部4を凹部13に配置したことで、ユーザが触れたり、外部から衝撃を受けたりする恐れがなくなり、破損や誤検知の可能性が低減される。また、凹部13内に足検知部4が配置されていると、通常の使用状態では足検知部4が視認されない。このため、外観の設計の自由度が向上するとともに、美観を向上することができる。
【0041】
図7は、第3実施形態に係る足検知部4Bを示す斜視図である。図7に示すように、足検知部4Bは、足検知部4Bの検知範囲を表示するインジケーター43をさらに含んでよい。インジケーター43は、作動時に点灯しているLEDである。インジケーター43は、センサケース422内に配置されている。インジケーター43は、センサ部42が配置される位置から便器本体10の前方へ可視光を照射し、足検知部4Bの検知範囲を可視光によってユーザに知らせる。インジケーター43を設けることで、ユーザは、足検知部4Bが作動していること、及びその検知範囲を知ることができ、より確実に足の検知を行うことができる。インジケーター43は、センサケース422の外側に配置されていてもよい。インジケーター43は、第1及び第2実施形態における足検知部4、4Aと組み合わせてよい。
【0042】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、変形、改良等は本開示に含まれる。保護部材5は一部が凹部13内に配置されていれば、全体が凹部13内に配置されていなくてもよい。足検知部が検知する「足」には、歩行補助器等の足を補足又は拡張する器具を含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1 便器装置、 4 足検知部、 10 便器本体、 11 ボウル部、 12 周壁部、 12a 内側面、 13 凹部、 41 取付部、 42 センサ部、 40 調整機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7