(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】設置装置
(51)【国際特許分類】
B60R 1/26 20220101AFI20231221BHJP
B60Q 1/26 20060101ALI20231221BHJP
B60Q 1/00 20060101ALI20231221BHJP
F21S 43/19 20180101ALI20231221BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20231221BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20231221BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20231221BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231221BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20231221BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20231221BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20231221BHJP
【FI】
B60R1/26 200
B60Q1/26 A
B60Q1/00 E
F21S43/19
F21S43/237
F21S43/239
F21S43/14
F21Y115:10
F21W103:20
F21W103:00
F21W105:00
(21)【出願番号】P 2020034182
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 智三
(72)【発明者】
【氏名】遠山 卓男
(72)【発明者】
【氏名】小塚 一輝
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0039531(US,A1)
【文献】特開2012-171535(JP,A)
【文献】特開2011-184030(JP,A)
【文献】特開2016-134226(JP,A)
【文献】特開2006-231988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
B60R 1/20 - 1/31
B60Q 1/00 - 1/56
F21S 41/00 - 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置される設置体と、
前記設置体を構成し、前記設置体の外側との間で電磁波を処理する電磁波装置が複数設けられる電磁波ユニットと、
前記設置体を構成すると共に、前記電磁波ユニットと組付けられ、前記設置体の外側を撮像する撮像装置が設けられる撮像ユニットと、
前記電磁波ユニットに設けられ、前記設置体の外側と複数の前記電磁波装置との間の電磁波が透過される透過部材と、
を備える設置装置。
【請求項2】
車両に設置される設置体と、
前記設置体を構成し、前記設置体の外側との間で電磁波を処理する電磁波装置が複数設けられる電磁波ユニットと、
前記設置体を構成すると共に、前記電磁波ユニットと組付けられ、前記設置体の外側を撮像する撮像装置が設けられる撮像ユニットと、
を備え、
前記設置体が格納された際に前記電磁波ユニットが車両から突出されると共に複数の前記電磁波装置が車両の外側との間で互いに異なる方向において電磁波を処理する設置装置。
【請求項3】
車両に設置される設置体と、
前記設置体を構成し、前記設置体の外側との間で電磁波を処理する電磁波装置が複数設けられる電磁波ユニットと、
前記設置体を構成すると共に、前記電磁波ユニットと組付けられ、前記設置体の外側を撮像する撮像装置が設けられる撮像ユニットと、
を備え、
前記設置体が格納された際に前記電磁波ユニットが車両から突出されると共に車両への乗員の接近に伴い前記電磁波装置が車両の外側に電磁波を照射する設置装置。
【請求項4】
車両に設置される設置体と、
前記設置体を構成し、前記設置体の外側との間で電磁波を処理する電磁波装置が複数設けられる電磁波ユニットと、
前記設置体を構成すると共に、前記電磁波ユニットと組付けられ、前記設置体の外側を撮像する撮像装置が設けられる撮像ユニットと、
前記電磁波ユニットの外周にそれぞれ設けられ、互いに組付けられて前記電磁波ユニットが組付けられると共に、外側に前記撮像装置が配置される複数の外周部材と、
を備える設置装置。
【請求項5】
前記設置体に設けられ、前記設置体が格納された際に前記設置体と車両との隙間を被覆する被覆部を備える請求項1~請求項4の何れか1項記載の設置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波装置と撮像装置とが設けられる設置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の車両用周辺視界確認装置では、ハウジングにサイドターンランプ(電磁波装置)が設けられると共に、カメラにカメラ本体(撮像装置)が設けられており、ハウジングとカメラとが組付けられている。
【0003】
ここで、このような車両用周辺視界確認装置において、仮にカメラの他に電磁波装置が複数設けられる場合には、複数の電磁波装置の配置スペースを小さくできるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、複数の電磁波装置の配置スペースを小さくできる設置装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の設置装置は、車両に設置される設置体と、前記設置体を構成し、前記設置体の外側との間で電磁波を処理する電磁波装置が複数設けられる電磁波ユニットと、前記設置体を構成すると共に、前記電磁波ユニットと組付けられ、前記設置体の外側を撮像する撮像装置が設けられる撮像ユニットと、を備える。
【0007】
本発明の第2態様の設置装置は、本発明の第1態様の設置装置において、前記電磁波ユニットに設けられ、前記設置体の外側と複数の前記電磁波装置との間の電磁波が透過される透過部材を備える。
【0008】
本発明の第3態様の設置装置は、本発明の第1態様又は第2態様の設置装置において、前記設置体が格納された際に前記電磁波ユニットが車両から突出される。
【0009】
本発明の第4態様の設置装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つの設置装置において、前記設置体に設けられ、前記設置体が格納された際に前記設置体と車両との隙間を被覆する被覆部を備える。
【0010】
本発明の第5態様の設置装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つの設置装置において、前記電磁波ユニットの外周にそれぞれ設けられ、互いに組付けられて前記電磁波ユニットが組付けられる複数の外周部材を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1態様の設置装置では、車両に設置体が設置されており、設置体を電磁波ユニットと撮像ユニットとが構成すると共に、電磁波ユニットと撮像ユニットとが組付けられる。また、電磁波ユニットに電磁波装置が設けられており、電磁波装置が設置体の外側との間で電磁波を処理する。さらに、撮像ユニットに撮像装置が設けられており、撮像装置が設置体の外側を撮像する。
【0012】
ここで、電磁波ユニットに電磁波装置が複数設けられる。このため、複数の電磁波装置の配置スペースを小さくできる。
【0013】
本発明の第2態様の設置装置では、電磁波ユニットに透過部材が設けられており、設置体の外側と複数の電磁波装置との間の電磁波が透過部材を透過される。このため、複数の電磁波装置で透過部材を共用できる。
【0014】
本発明の第3態様の設置装置では、設置体が格納された際に、電磁波ユニットが車両から突出される。このため、設置体が格納された際でも、電磁波装置が車両の外側との間で電磁波を処理できる。
【0015】
本発明の第4態様の設置装置では、設置体が格納された際に、設置体の被覆部が設置体と車両との隙間を被覆する。このため、設置体が格納された際に、設置体と車両との隙間が視認されることを抑制できる。
【0016】
本発明の第5態様の設置装置では、電磁波ユニットの外周に複数の外周部材がそれぞれ設けられており、複数の外周部材が互いに組付けられて、電磁波ユニットが組付けられる。このため、電磁波ユニットを容易に組付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るカメラ装置を示す車両後側かつ車幅方向外側から見た斜視図であり、(A)は、カメラ装置の設置体の展開時を示し、(B)は、カメラ装置の設置体の格納時を示している。
【
図2】本発明の実施形態に係るカメラ装置を示す車両前側かつ車幅方向外側から見た分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るカメラ装置のランプユニットを示す車両前側かつ車幅方向外側から見た分解斜視図である。
【
図4】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るカメラ装置のカメラユニットを示す車両前側かつ車幅方向外側から見た分解斜視図であり、(A)は、下カメラ等を示し、(B)は、後カメラ等を示している。
【
図5】(A)は、本発明の実施形態に係るカメラ装置のカメラユニットを示す車両前側かつ車幅方向内側から見た分解斜視図であり、(B)は、本発明の実施形態に係るカメラ装置のカメラユニット及びリトラクタを示す車両前側かつ車幅方向外側から見た分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るカメラ装置の設置体及びリトラクタを示す車両前側かつ車幅方向外側から見た分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1(A)には、本発明の実施形態に係る設置装置としてのカメラ装置10が車両後側かつ車幅方向外側(車両右側)から見た斜視図にて示されており、
図2には、カメラ装置10が車両前側かつ車幅方向外側から見た分解斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示している。
【0019】
図1(A)に示す如く、本実施形態に係るカメラ装置10は、車両12(自動車)の設置対象としての板状のフェンダパネル14(フロントフェンダパネル)に設置されている。フェンダパネル14の車両後側端部の上下方向中間部には、略矩形状の設置孔14Aが貫通形成されており、設置孔14Aは、車両前後方向に延伸されると共に、下端の車両前側部が車両前側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されている。
【0020】
フェンダパネル14の車両後側には、車両12のサイドドア16(フロントサイドドア)が配置されており、サイドドア16は、閉鎖されている。サイドドア16の車室側には、ドアノブ(図示省略)が設けられており、車両12の乗員がドアノブを操作することで、サイドドア16が、車両前側端部を中心として車幅方向外側に回動可能にされて、開放可能にされる。
【0021】
図3に示す如く、車両12には、ロック機構18が設けられており、乗員がロック機構18をロック操作することで、ロック機構18が例えばドアノブの操作を規制して、サイドドア16の開放が規制される。また、乗員がロック機構18をアンロック操作することで、ロック機構18が例えばドアノブの操作規制を解除して、サイドドア16の開放規制が解除される。
【0022】
サイドドア16のドアノブには、接触センサ20が設けられており、接触センサ20は、ドアノブへの乗員の接触を検出する。車両12には、開閉センサ22が設けられており、開閉センサ22は、サイドドア16の閉鎖及び開放を検出する。車両12には、接近センサ24が設けられており、接近センサ24は、サイドドア16への車外からの乗員の接近を検出する。車両12には、操作部26が設けられており、乗員が車両12の進行方向をカメラ装置10設置側(本実施形態では、右側)に変更する前には、乗員が操作部26を作動操作する。
【0023】
上記ロック機構18、接触センサ20、開閉センサ22、接近センサ24及び操作部26は、車両12の制御装置28(ECU)に電気的に接続されている。
【0024】
図2に示す如く、フェンダパネル14の車幅方向内側には、設置部材としての略直方体形箱状のブラケット30が設けられており、ブラケット30は、内部が車幅方向外側に開放されると共に、下壁の車両前側部が車両前側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されている。ブラケット30は、フェンダパネル14に設置孔14Aの外周外側において固定されており、ブラケット30内は、設置孔14Aを介してフェンダパネル14の車幅方向外側に開放されている。
【0025】
ブラケット30内には、支持体としてのリトラクタ32(
図5(B)及び
図6参照)が設けられており、リトラクタ32は、ブラケット30の車幅方向内側壁(底壁)に固定されている。リトラクタ32は、内側に作動部としての回動部32Aが設けられると共に、制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28の制御により、リトラクタ32が作動されて、回動部32Aが車両前後方向に平行な回動中心軸線Oを中心として回動される。
【0026】
図1(A)及び
図2に示す如く、リトラクタ32の回動部32Aには、略三角柱状の設置体34が支持されており、設置体34は、回動部32Aと一体回動可能にされている。設置体34は、展開されており、設置体34は、車幅方向内側部分においてフェンダパネル14の設置孔14Aに貫通された状態で、フェンダパネル14の車幅方向外側に突出されている。リトラクタ32が作動されて、回動部32Aが一側に回動された際には、設置体34が下側かつ車幅方向内側へ回動されて、格納される(
図1(B)参照)。さらに、リトラクタ32が作動されて、回動部32Aが他側に回動された際には、設置体34が上側かつ車幅方向外側へ回動されて、展開(復帰)される。
【0027】
設置体34の上側部分には、電磁波ユニットとしてのランプユニット36(
図3参照)が設けられている。
【0028】
ランプユニット36の下側部分には、筐体を構成する外周部材としての略矩形板状のハウジング38が設けられており、ハウジング38は、光を透過不能にされると共に、リトラクタ32の回動部32Aに組付けられている(
図6参照)。ハウジング38は、車幅方向外側へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されており、ハウジング38の車幅方向外側端の車両前側部は、車両前側へ向かうに従い車幅方向内側へ向かう方向に傾斜されている。ハウジング38上には、遮蔽部としての断面略U字形板状の遮蔽板38Aが一体形成されており、遮蔽板38Aは、ハウジング38の車幅方向外側端及び車両後側端の車幅方向外側部に配置されている。遮蔽板38Aの車幅方向外側の部分内は、車幅方向外側に開放されており、遮蔽板38Aの車両後側の部分内は、車両後側に開放されている。遮蔽板38Aの車両前側端(車幅方向外側の部分の車両前側端)は、遮蔽板38A内を車両前側に開放しており、遮蔽板38Aの車両後側端(車両後側の部分の車幅方向内側端)は、遮蔽板38A内を車幅方向内側に対し遮蔽している。
【0029】
ランプユニット36には、電磁波装置(第1放射装置)としてのターンランプ40が設けられている。ターンランプ40には、第1出射部としてのターン回路基板40Aが設けられており、ターン回路基板40Aは、遮蔽板38Aの車両前側端の車両前側に固定されている。ターン回路基板40Aは、LED(図示省略)が設けられると共に、制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28の制御により、ターンランプ40が作動されて、ターン回路基板40A(LED)が遮蔽板38Aの車両前側端の車両前側から遮蔽板38A内(車両後側)に光(可視光、電磁波)を間欠出射する。
【0030】
ターンランプ40には、第1案内部としての略円柱状のターンライトガイド40Bが設けられており、ターンライトガイド40Bは、遮蔽板38Aの車幅方向外側の部分内に配置されると共に、遮蔽板38Aに沿って延伸されている。ターンライトガイド40Bは、透明にされており、ターンライトガイド40Bは、ターン回路基板40A(LED)が出射した光を、長手方向に案内して、車幅方向外側及び車両後側に放射する。
【0031】
ランプユニット36には、電磁波装置(第2放射装置)としてのコーションランプ42が設けられている。コーションランプ42には、第2出射部としてのコーション回路基板42Aが設けられており、コーション回路基板42Aは、ハウジング38上の車幅方向内側かつ車両後側の部分に固定されている。コーション回路基板42Aは、LED(図示省略)が設けられると共に、制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28の制御により、コーションランプ42が作動されて、コーション回路基板42A(LED)が車両後側に光(可視光、電磁波)を出射する。
【0032】
コーションランプ42には、第2案内部としての略円柱状のコーションライトガイド42Bが設けられており、コーションライトガイド42Bは、基端側部分がコーション回路基板42Aから車両後側に延出されると共に、先端側部分が車幅方向外側に延出されている。コーションライトガイド42Bは、透明にされており、コーションライトガイド42Bは、コーション回路基板42A(LED)が出射した光を、長手方向に案内して、先端側部分から車両後側に放射する。
【0033】
ランプユニット36には、電磁波装置(第3放射装置)としてのウェルカムランプ44が設けられている。ウェルカムランプ44には、第3出射部としてのウェルカム回路基板44Aが一対設けられており、ウェルカム回路基板44Aは、ハウジング38上の車幅方向中間部の車両前側及び車両後側の部分に固定されている。ウェルカム回路基板44Aは、LED(図示省略)が設けられると共に、制御装置28に電気的に接続されており、制御装置28の制御により、各ウェルカムランプ44が作動されて、車両前側のウェルカム回路基板44A(LED)が車両後側に光(可視光、電磁波)を出射すると共に、車両後側のウェルカム回路基板44A(LED)が車両前側に光(可視光、電磁波)を出射する。
【0034】
ウェルカムランプ44には、遮蔽部材としての直方体形箱状のカバー44Bが設けられており、カバー44Bは、光を透過不能にされている。カバー44Bは、車両前後方向に延伸されて、ハウジング38上のウェルカム回路基板44A間に固定されており、カバー44B内は、上側に開放されている。カバー44Bの車両前側壁及び車両後側壁の車幅方向中央部には、矩形状の入射孔44Cが貫通形成されており、車両前側及び車両後側の入射孔44Cは、それぞれ車両前側及び車両後側のウェルカム回路基板44A(LED)に対向されている。カバー44B内には、第3案内部としての略矩形板状のウェルカムライトガイド44Dが固定されており、ウェルカムライトガイド44Dは、車両前後方向に延伸されて、カバー44B内に嵌合されている。ウェルカムライトガイド44Dは、透明にされており、ウェルカムライトガイド44Dは、各ウェルカム回路基板44A(LED)が出射して各入射孔44Cを介して入射された光を、長手方向に案内して、上側に放射する。
【0035】
ランプユニット36の上側部分には、筐体を構成する透過部材及び外周部材としての略直方体形箱状の透過レンズ46が設けられており、透過レンズ46は、内部が下側に開放されると共に、外周壁の車幅方向外側部分の車両前側部が車両前側へ向かうに従い車幅方向内側へ向かう方向に傾斜されている。透過レンズ46は、外周壁がハウジング38の外周の外側に嵌合されて、ハウジング38に組付けられており(固定されており)、ハウジング38と透過レンズ46との間には、ハウジング38の遮蔽板38A、ターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44が収容されている。透過レンズ46は、透明にされると共に、内面(裏側面)の一部を除く部分に遮蔽部位としての例えば金属製の遮蔽膜46Aが形成されており、遮蔽膜46Aは、光を透過不能にされている。
【0036】
透過レンズ46の外周壁には、車幅方向外側の車両前側端部を除く部分から車両後側の車幅方向外側端部において、第1透過部としてのターンレンズ46Bが形成されている。透過レンズ46のターンレンズ46B形成部分には、遮蔽膜46Aが形成されておらず、ターンランプ40のターンライトガイド40Bから放出された光が、ターンレンズ46Bを透過されて、ターンレンズ46Bから車幅方向外側及び車両後側に照射される。
【0037】
透過レンズ46の外周壁には、車両後側の車幅方向中間部において、第2透過部としてのコーションレンズ46Cが形成されている。透過レンズ46のコーションレンズ46C形成部分には、遮蔽膜46Aが形成されておらず、コーションランプ42のコーションライトガイド42Bから放出された光が、コーションレンズ46Cを透過されて、コーションレンズ46Cから車両後側に照射される。コーションレンズ46Cは、ハウジング38の遮蔽板38A内から隔離されており、ターンランプ40のターンライトガイド40Bから放出された光がコーションレンズ46Cを透過されてコーションレンズ46Cから照射されることが制限されている。
【0038】
透過レンズ46の上壁には、中央部分において、第3透過部としてのウェルカムレンズ46Dが形成されている。透過レンズ46のウェルカムレンズ46D形成部分には、遮蔽膜46Aが形成されておらず、ウェルカムランプ44のウェルカムライトガイド44Dから放出された光が、ウェルカムレンズ46Dを透過されて、ウェルカムレンズ46Dから上側に照射される。ウェルカムレンズ46Dは、文字等の図柄(本実施形態では「R」)の形状にされており、ウェルカムレンズ46Dから上側に光が照射されて、ウェルカムレンズ46Dの形状の図柄が照明表示される。
【0039】
設置体34が格納された際には、透過レンズ46がフェンダパネル14から車幅方向外側(フェンダパネル14の外側)に突出されて、透過レンズ46のウェルカムレンズ46Dの他にターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cが車外に露出される(
図1(B)参照)。
【0040】
設置体34の下側部分には、撮像ユニットとしてのカメラユニット48が設けられている。
【0041】
カメラユニット48の外周には、外周体としての断面U字形枠状のバイザ50(
図5(B)参照)が設けられており、バイザ50内は、上側及び車幅方向内側に開放されている。バイザ50は、バイザロア50Aとリム50Bとが組付けられて構成されており(
図5(A)参照)、バイザロア50Aは、バイザ50の下側及び車両前側の部分を構成すると共に、リム50Bは、バイザ50の車両後側の部分を構成している。バイザ50の下側部分(バイザロア50Aの下側部分)は、リトラクタ32の回動部32Aの回動中心軸線Oを中心として湾曲されて、車幅方向外側へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されており、バイザ50の下側部分の車両前側部は、車両前側へ向かうに従い車幅方向内側へ向かう方向に傾斜されている。
【0042】
バイザ50は、バイザロア50Aにおいて、リトラクタ32の回動部32Aに組付けられる(
図5(B)参照)と共に、バイザロア50A及びリム50Bにおいて、ランプユニット36のハウジング38に組付けられており(
図6参照)、バイザ50は、回動部32A及びランプユニット36と一体回動可能にされると共に、内部の上側がランプユニット36によって閉鎖されている。
【0043】
バイザ50の下側部分(バイザロア50Aの下側部分)には、露出部としての円錐台形筒状の下露出筒50C(
図4(A)参照)が形成されており、下露出筒50Cは、下側へ向かうに従い拡径されると共に、内部がバイザ50内を下側に開放している。バイザ50の車両後側部分(リム50B)には、露出部としての円錐台形筒状の後露出筒50D(
図4(B)参照)が形成されており、後露出筒50Dは、車両後側へ向かうに従い拡径されると共に、内部がバイザ50内を車両後側に開放している。
【0044】
バイザ50の下側部分(バイザロア50Aの下側部分)には、撮像装置としての下カメラ52(
図4(A)参照)が固定されており、下カメラ52のレンズ52A(
図2参照)は、下側に向けられて、バイザ50の下露出筒50C内を介してバイザ50の下側に露出されている。バイザ50の車両後側部分(リム50B)には、撮像装置としての後カメラ54(
図4(B)参照)が固定されており、後カメラ54のレンズ54A(
図1(A)参照)は、車両後側に向けられて、バイザ50の後露出筒50D内を介してバイザ50の車両後側に露出されている。
【0045】
下カメラ52及び後カメラ54は、制御装置28に電気的に接続されており(
図5(B)参照)、下カメラ52及び後カメラ54は、制御装置28の制御により、それぞれ、レンズ52A及びレンズ54Aを介して、バイザ50の下側及び車両後側を撮像する。制御装置28には、表示装置としてのモニタ56(
図5(B)参照)が電気的に接続されており、制御装置28の制御により、モニタ56に下カメラ52及び後カメラ54が撮像した画像が表示される。モニタ56は、車室内に設置されており、モニタ56に表示される画像を乗員が確認可能にされている。
【0046】
設置体34が格納された際には、カメラユニット48がフェンダパネル14の車幅方向内側(ブラケット30内)に収納されて、下カメラ52のレンズ52A及び後カメラ54のレンズ54Aが車両12の内側に収納される(
図1(B)参照)。
【0047】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0048】
以上の構成のカメラ装置10では、車両12に乗員が乗車すると共に、設置体34が展開されている(
図1(A)参照)。
【0049】
設置体34のカメラユニット48では、制御装置28の制御により、下カメラ52及び後カメラ54がそれぞれバイザ50の下側及び車両後側を撮像すると共に、モニタ56に下カメラ52及び後カメラ54が撮像した画像が表示される。このため、乗員がモニタ56に表示される画像を確認することで、乗員の下側及び車両後側の視認が補助される。
【0050】
乗員が車両12の進行方向をカメラ装置10設置側に変更する前に、乗員が操作部26を作動操作した際には、制御装置28の制御により、設置体34におけるランプユニット36のターンランプ40が作動されて、透過レンズ46のターンレンズ46Bから光が車幅方向外側及び車両後側に間欠(点滅)照射される。このため、車両12の進行方向がカメラ装置10設置側に変更されることが設置体34の車幅方向外側及び車両後側の他車両及び歩行者に報知される。
【0051】
また、乗員がサイドドア16を開放して車両12から降車するために、サイドドア16のドアノブに乗員が接触した際(ドアノブへの乗員の接触を接触センサ20が検出した際)には、制御装置28の制御により、ランプユニット36のコーションランプ42が作動されて、透過レンズ46のコーションレンズ46Cから光が車両後側に照射される。このため、サイドドア16が開放されることが設置体34の車両後側の他車両及び歩行者に報知される。
【0052】
さらに、乗員がサイドドア16を開放して車両12から降車した後に、乗員がサイドドア16を閉鎖した際(サイドドア16の閉鎖を開閉センサ22が検出した際)には、制御装置28の制御により、コーションランプ42の作動が解除されて、コーションレンズ46Cからの光の照射が停止される。
【0053】
そして、乗員がロック機構18をロック操作した際には、制御装置28の制御により、リトラクタ32が作動されて、設置体34が格納される(
図1(B)参照)。
【0054】
また、乗員がサイドドア16を開放して車両12に乗車するために、乗員がサイドドア16に車外から接近した際(乗員のサイドドア16への車外からの接近を接近センサ24が検出した際)には、制御装置28の制御により、コーションランプ42が作動されて、コーションレンズ46Cから光が車両後側に照射される。このため、サイドドア16が開放されることが設置体34の車両後側の他車両及び歩行者に報知される。しかも、この際には、制御装置28の制御により、ランプユニット36のウェルカムランプ44が作動されて、透過レンズ46のウェルカムレンズ46Dから光が上側に照射される。このため、ウェルカムレンズ46Dの形状の図柄が照明表示されて、乗員が自身の車両12のサイドドア16に接近したことが乗員に報知される。
【0055】
さらに、乗員がロック機構18をアンロック操作してサイドドア16を開放した際(サイドドア16の開放を開閉センサ22が検出した際)には、制御装置28の制御により、リトラクタ32が作動されて、設置体34が展開される(
図1(A)参照)。
【0056】
そして、乗員が車両12に乗車してサイドドア16を閉鎖した際(サイドドア16の閉鎖を開閉センサ22が検出した際)には、制御装置28の制御により、コーションランプ42の作動が解除されて、コーションレンズ46Cからの光の照射が停止される。しかも、その後、制御装置28の制御により、ウェルカムランプ44の作動が解除されて、ウェルカムレンズ46Dからの光の照射が停止される。
【0057】
ここで、ランプユニット36にターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44が設けられている。このため、ターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44の間のスペースを小さくできる。これにより、ターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44の配置スペースを小さくできて、設置体34を小型化できる。しかも、ターンランプ40のターン回路基板40A、コーションランプ42のコーション回路基板42A及びウェルカムランプ44のウェルカム回路基板44Aの一体化(共通化)を容易にできると共に、ターン回路基板40A、コーション回路基板42A及びウェルカム回路基板44Aへの配線を簡素化できて、コストを低減できる。
【0058】
さらに、ターンランプ40に対応するターンレンズ46B、コーションランプ42に対応するコーションレンズ46C及びウェルカムランプ44に対応するウェルカムレンズ46Dがランプユニット36の透過レンズ46に設けられている。このため、ターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44で透過レンズ46を共用できて、構成を簡単にできると共に、組付工数を低減できる。また、設置体34の意匠を透過レンズ46が構成することで、設置体34の意匠を透過レンズ46によって向上させることができる。
【0059】
しかも、ランプユニット36のハウジング38にターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44が組付けられた状態で、ハウジング38に透過レンズ46が組付けられることで、ランプユニット36が組付けられる。このため、ランプユニット36を容易に組付けることができる。さらに、ターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44への水の浸入を共通のハウジング38及び透過レンズ46によって制限できて、構成を簡単にできる。
【0060】
また、設置体34が格納された際には、透過レンズ46がフェンダパネル14から車幅方向外側に突出されて、透過レンズ46のウェルカムレンズ46Dの他にターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cがフェンダパネル14の外側に露出される(
図1(B)参照)。このため、設置体34が格納された際でも、ターンレンズ46B及びコーションレンズ46Cからフェンダパネル14の外側に光を照射できる。
【0061】
なお、本実施形態において、透過レンズ46の外周面の車幅方向中間から車幅方向外側における下端に、被覆部としての正面視略U字形板状のフランジ58が一体に設けられてもよい(
図1(A)参照)。この場合、フランジ58が透過レンズ46の外周外側に突出されており、設置体34が格納された際には、フランジ58がフェンダパネル14の設置孔14A外周と設置体34との隙間を閉鎖する(
図1(B)参照)。このため、設置体34が格納された際に、設置孔14Aの外周と設置体34との隙間が視認されることを抑制できる。
【0062】
また、本実施形態では、電磁波装置が、ターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44にされて、可視光(電磁波)を放射する。しかしながら、電磁波装置が、赤外線放射装置にされて、赤外線(電磁波)を放射してもよい。さらに、電磁波装置が、レーダ等の検出装置にされて、電磁波の放射及び受信により他車両及び歩行者等の検出対象を検出してもよい。しかも、電磁波装置が、下カメラ52及び後カメラ54と同様の撮像装置にされて、光(電磁波)の受信により撮像してもよい。
【0063】
さらに、本実施形態では、電磁波ユニット(ランプユニット36)に3個の電磁波装置(ターンランプ40、コーションランプ42及びウェルカムランプ44)が設けられる。しかしながら、電磁波ユニットに2個以上の電磁波装置が設けられればよい。
【0064】
また、本実施形態では、電磁波ユニット(ランプユニット36)に2個の外周部材(ハウジング38及び透過レンズ46)が設けられる。しかしながら、電磁波ユニットに3個以上の外周部材が設けられてもよい。
【0065】
さらに、本実施形態では、撮像ユニット(カメラユニット48)に2個の撮像装置(下カメラ52及び後カメラ54)が設けられる。しかしながら、撮像ユニットに1個又は3個以上の撮像装置が設けられてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、カメラ装置10が車両12のフェンダパネル14に設置される。しかしながら、カメラ装置10が車両12のフェンダパネル14以外の部分に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10・・・カメラ装置(設置装置)、12・・・車両、34・・・設置体、36・・・ランプユニット(電磁波ユニット)、38・・・ハウジング(外周部材)、40・・・ターンランプ(電磁波装置)、42・・・コーションランプ(電磁波装置)、44・・・ウェルカムランプ(電磁波装置)、46・・・透過レンズ(透過部材、外周部材)、48・・・カメラユニット(撮像ユニット)、52・・・下カメラ(撮像装置)、54・・・後カメラ(撮像装置)、58・・・フランジ(被覆部)