(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】包装ロール体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/672 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
B65D85/672
(21)【出願番号】P 2020035991
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】松尾 利香
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-373316(JP,A)
【文献】特開2019-182500(JP,A)
【文献】国際公開第2011/102098(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/672
B65H 75/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻芯に
食品包装用の帯体を巻き、この帯体から巻芯の両端部をそれぞれ突出させた包装ロール体であって、
巻芯を円筒形の紙管とし、この紙管の両端部外周面のうち少なくとも一端部外周面に、所定の製品履歴情報を
インクジェットプリンタから噴射したインクにより印字するとともに、このインクを、可食インク又は食品衛生法の規格基準に適合した不可視インクとしたことを特徴とする包装ロール体。
【請求項2】
請求項1に記載した包装ロール体の製造方法であって、
円筒形の紙管に食品包装用の帯体を原反から巻き替えて帯体から
紙管の両端部をそれぞれ突出させ、
この紙管の両端部外周面のうち少なくとも一端部外周面に、所定の製品履歴情報を
インクジェットプリンタから噴射したインクにより印字するとともに、このインクを、可食インク又は食品衛生法の規格基準に適合した不可視インクとすることを特徴とする包装ロール体の製造方法。
【請求項3】
所定の製品履歴情報をインクジェットプリンタから噴射したインクにより印字した後、包装ロール体を包装箱に挿入して箱詰めする
請求項2記載の包装ロール体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻芯に包装用の帯体が巻かれた包装ロール体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
料理の保存、乾燥や異物の付着の防止には、食品包装用の包装ロール体が利用されているが、この包装ロール体1は、
図6に示すように、筒形の巻芯2を備え、この巻芯2に透明帯形のラップフィルム10が所定の長さ分巻回されており、このラップフィルム10が巻回された後に専用の包装箱に挿入され、各種の検査が施されて出荷される(特許文献1、2参照)。
【0003】
ラップフィルム10は、防汚性や防湿性等に優れるポリ塩化ビニリデン等により薄膜に成形され、リワインダー(巻取機)により原反から巻芯2に巻き替えられる。このラップフィルム10の巻尻の自由端部には、自由端部の把握を容易にする口取紙11が装着され、この口取紙11を摘んで操作することにより、包装箱からのラップフィルム10の最初の引き出し開始作業が容易となる。
【0004】
ところで近年、包装ロール体1には、安全性や品質向上等を重視する観点から、「包装ロール体がいつ、どこで、誰によって製造されたのか」を明らかにするトレーサビリティ(追跡可能性)の確保が求められている。この要請を踏まえ、口取紙11の表面にリワインダーの装置番号を刻印したり、包装箱の表面に箱詰め日時を刻印する方法が開発され、提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019‐163063号公報
【文献】特開2002‐284259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来における包装ロール体1は、以上のように構成され、口取紙11の表面にリワインダーの装置番号が刻印されたり、包装箱の表面に箱詰め日時が刻印される方法が提案されているが、これでは、トレーサビリティをある程度確保することはできても、必要、かつ充分に確保することができない場合がある。
【0007】
この点について詳しく説明すると、例えば包装ロール体1を製造する際、ラップフィルム10を巻き替えるリワインダーが複数台使用され、包装ロール体1を包装箱に挿入して箱詰めするカートナー(箱詰機)が一台使用される場合には、複数台のリワインダーにより巻き替えられた複数本の包装ロール体1が箱詰め前に合流して混在するので、包装ロール体1に品質問題が生じたとき、原反やラップフィルム10を巻き替えたリワインダーの特定に支障を来すこととなる。また、口取紙11は、ラップフィルム10の最初の引き出し開始作業後に取り除かれ、廃棄されるので、例えリワインダーの装置番号が刻印されていたとしても、原反やラップフィルム10を巻き替えたリワインダーの特定がきわめて困難となる。
【0008】
さらに、包装ロール体1は、例え箱詰めされた包装箱の外観不良で不良品と判定されても、再検査の工程で良品と判定されれば、新たな包装箱に再び挿入して箱詰めされるが、このとき、新たな包装箱との間に製造時間のずれが生じる。これでは、例え新たな包装箱の表面に箱詰め日時が刻印されていたとしても、包装ロール体1の製造日時ではないので、包装ロール体1に品質問題が生じたとき、包装ロール体1を遡って特定することは容易ではない。
【0009】
本発明は上記に鑑みなされたもので、安全性や品質向上等を図るため、トレーサビリティを必要、かつ充分に確保することのできる包装ロール体及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては上記課題を解決するため、巻芯に食品包装用の帯体を巻き、この帯体から巻芯の両端部をそれぞれ突出させたものであって、
巻芯を円筒形の紙管とし、この紙管の両端部外周面のうち少なくとも一端部外周面に、所定の製品履歴情報をインクジェットプリンタから噴射したインクにより印字するとともに、このインクを、可食インク又は食品衛生法の規格基準に適合した不可視インクとしたことを特徴としている。
【0012】
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1に記載した包装ロール体の製造方法であって、
円筒形の紙管に食品包装用の帯体を原反から巻き替えて帯体から紙管の両端部をそれぞれ突出させ、この紙管の両端部外周面のうち少なくとも一端部外周面に、所定の製品履歴情報をインクジェットプリンタから噴射したインクにより印字するとともに、このインクを、可食インク又は食品衛生法の規格基準に適合した不可視インクとすることを特徴としている。
なお、所定の製品履歴情報をインクジェットプリンタから噴射したインクにより印字した後、包装ロール体を包装箱に挿入して箱詰めすることができる。
【0013】
ここで、特許請求の範囲における帯体には、透明、不透明、半透明の樹脂フィルムや樹脂シートの他、アルミニウム箔等が含まれる。また、所定の製品履歴情報は、少なくとも各種の文字、図形、記号、色彩、あるいはこれらの組み合わせ等により現わされる巻芯情報、帯体情報、包装ロール体の製造日時、製造装置の装置番号等が含まれ、可視、不可視を特に問うものではない。この所定の製品履歴情報は、紙管の両端部、一端部、あるいは他端部の外周面に印字される。
【0014】
本発明によれば、食品包装用の帯体を使い果たすまで支持する巻芯の少なくとも一端部外周面に所定の製品履歴情報を印字するので、包装ロール体に品質問題等が生じたとき、対象の包装ロール体をその製造過程まで必要、かつ充分に追跡することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、巻芯を円筒形の紙管とし、この紙管の両端部外周面のうち少なくとも一端部外周面に、所定の製品履歴情報をインクジェットプリンタから噴射したインクにより印字するとともに、このインクを、可食インク又は食品衛生法の規格基準に適合した不可視インクとするので、包装ロール体のトレーサビリティを必要、かつ充分に確保して安全性や品質向上等を図ることができるという効果がある。また、所定の製品履歴情報をインクジェットプリンタから噴射したインクにより印字するので、繊細な製品履歴情報の再現度を向上させることができる。また、インクジェットプリンタを使用するので、変形し易い紙管の湾曲した狭い外周面にも高速でダイレクト印字することができるし、短時間で安価な印字が期待できる。
【0016】
また、レーザプリンタと比較すると、インクジェットプリンタの専有スペースを縮小することができ、しかも、所定の製品履歴情報の印字時に熱を用いないので、消費電力を抑制して経済性を向上させることができる。また、インクが食品衛生法の規格基準に適合した不可視インクの場合、印字された所定の製品履歴情報が肉眼では識別不能なので、所定の製品履歴情報が関係者以外の者に把握され、認識されるのを防ぐことが可能となる。また、例え所定の製品履歴情報の印字に不備があっても、美観を損ねることが少ないので、包装ロール体や紙管の意匠性を維持することも可能となる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、包装ロール体を製造する際に食品包装用の帯体を巻き替えるリワインダーが複数台使用される場合、複数台のリワインダーにより巻き替えられた複数本の包装ロール体がカートナーによる箱詰め前に合流して混在したとしても、紙管の製品履歴情報を利用すれば、帯体の原反や巻き替えたリワインダー等を特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る包装ロール体及びその製造方法の実施形態を模式的に示す説明図である。
【
図2】本発明に係る包装ロール体の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【
図3】本発明に係る包装ロール体の第2の実施形態を模式的に示す説明図である。
【
図4】本発明に係る包装ロール体の第3の実施形態を模式的に示す斜視説明図である。
【
図5】本発明に係る包装ロール体の第3の実施形態を模式的に示す説明図である。
【
図6】従来における包装ロール体を示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における包装ロール体1は、
図1や
図2に示すように、巻芯2に食品包装用のラップフィルム10を巻回し、このラップフィルム10から巻芯2の両端部をそれぞれ突出させて視認可能とし、この巻芯2の突出した両端部のうち、少なくとも一端部の周面に所定の製品履歴情報20を印刷することにより、品質問題等が生じた場合に、製造段階まで追跡可能(トレーサビリティ)として原因究明を迅速に図るようにしている。
【0020】
巻芯2は、例えば再生用紙がスパイラル巻きに巻装されることにより、防塵性や表面平滑性等に優れる細長い円筒形の安価な紙管3とされ、図示しないリワインダーのホッパに多数本が貯えられ、順次取り出される。この紙管3の両端部4のうち、少なくとも一端部5の外周面には、所定の製品履歴情報20が印刷される。
【0021】
ラップフィルム10は、所定の樹脂により長い透明帯形に成形され、リワインダーにより太巻きの原反から紙管3の両端部4以外の外周面に巻き替えられる。このラップフィルム10は、防汚性や防湿性等に優れるポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等により、厚さ5μm以上12μm以下の柔軟な薄膜に成形され、紙管3の外周面に平巻方式で多層に巻き替えられる。
【0022】
ラップフィルム10の大きさは、過剰に伸びない45cm×50m、45cm×55m、45cm×100m、30cm×30m、30cm×100m、30cm×110m、22cm×100m程度に設定される。また、ラップフィルム10の最外周の巻尻における自由端部の中央付近には、自由端部の把握を容易にする紙片形の口取紙11が巻き替え後に装着されており、この口取紙11を摘んで引っ張り操作することにより、包装箱からのラップフィルム10の最初の引き出し開始作業が実に容易となる。
【0023】
このような包装ロール体1は、太巻きの原反から紙管3に所定の長さのラップフィルム10がリワインダーにより巻き替えられ、口取紙11が装着された後、リワインダーから図示しない下流のカートナーにコンベヤで搬送され、このカートナーにより、細長い中空の包装箱に開口端部から挿入されて箱詰めされ、視覚センサにより外観検査等が施されて最終的な製品となる。
【0024】
なお、包装ロール体1は、包装箱からラップフィルム10が引き出される際、ロール内面のラップフィルム10が下方となるよう包装箱に挿入される。また、外観検査は、紙管3の印刷箇所を確認したり、ラップフィルム10の引き出し方向の検査にも利用することが可能である。
【0025】
所定の製品履歴情報20は、例えば各種の文字、記号、色彩、これらの組み合わせ等により表現される原反情報やロット、リワインダーの装置番号、包装ロール体1の製造日時等からなり、紙管3の一端部5の外周面周方向に小さく視認可能に印字される。この所定の製品履歴情報20の印字には、粒子化したインク(
図1の矢印参照)22を印字ヘッドから紙管3の外周面に直接噴射して非接触で印字する産業用のインクジェットプリンタ21、サーマルインクジェットプリンタ、レーザマーカー等が選択的に使用され、これらはリワインダーの排出部付近、あるいはリワインダーの排出部からカートナーの間の空間に適宜設置される。
【0026】
これらの印刷装置の中では、変形し易い紙管3の湾曲した狭い外周面にも高速でダイレクト印字可能な小文字用のインクジェットプリンタ21が最適である。インクジェットプリンタ21としては、特に限定されるものではないが、例えばKGKJET CCS3000L[紀州技研工業株式会社製:製品名]、リンクス8900[アルマーク株式会社製:製品名]等があげられる。
【0027】
インクジェットプリンタ21が採用される場合、インクジェットプリンタ21のインク22としては、食品衛生法等で許可されている食品添加物のみを原料とした可視性の可食インクが好適に使用される。この可食インクの具体例としては、特に限定されるものではないが、例えばCN7 黒[紀州技研工業株式会社製:製品名]等があげられる。
【0028】
上記構成において、包装ロール体1を製造する場合には、リワインダーの紙管3に所定の長さのラップフィルム10を巻き替え、インクジェットプリンタ21を動作させてラップフィルム10から露出した紙管3の一端部5外周面に所定の製品履歴情報20を上方から高精度に印字し、口取紙11を装着すれば、包装ロール体1を製造することができる。この際、インクジェットプリンタ21のインク量は、インク22の塗布に伴う紙管3の変形を防止する観点から、最小限に設定される。製造された包装ロール体1は、リワインダーから下流のカートナーに搬送され、このカートナーにより、専用の包装箱に挿入されて箱詰めされた後、外観検査等が施されて良品が出荷される。
【0029】
上記構成によれば、ラップフィルム10を使い切るまで用いる紙管3の一端部5外周面に所定の製品履歴情報20を印字するので、包装ロール体1の「いつ、どこで、誰によって製造されたのか」というトレーサビリティを必要、かつ充分に確保することができる。この効果について詳しく説明すると、例えば包装ロール体1を製造する際、ラップフィルム10を巻き替えるリワインダーが複数台使用され、包装ロール体1を包装箱に挿入して箱詰めするカートナーが一台使用される場合、複数台のリワインダーにより巻き替えられた複数本の包装ロール体1が箱詰め前に合流して混在しても、紙管3の所定の製品履歴情報20を活用すれば、原反やリワインダーの特定に支障を来すのを有効に防止することができる。
【0030】
また、ラップフィルム10の最初の引き出し開始作業後に口取紙11が除去され、廃棄されても、紙管3の所定の製品履歴情報20から原反やリワインダーを容易に特定して包装ロール体1の品質問題に対処することができる。また、再検査の工程で良品と判定された包装ロール体1を新たな包装箱に再び挿入して箱詰めする場合にも、包装ロール体1を遡って特定し、包装ロール体1の品質問題に対処することが可能となる。さらに、インクジェットプリンタ21で紙管3の一端部5外周面に所定の製品履歴情報20を印字するので、短時間で安価に印字することが可能となる。
【0031】
次に、
図3は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、ラップフィルム10が巻き替えられた紙管3の露出した両端部4の外周面周方向に、所定の製品履歴情報20をそれぞれ印字するようにしている。
【0032】
所定の製品履歴情報20は、紙管3の両端部4で同一内容でも良いが、異なる内容でも良い。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、紙管3の両端部4に所定の製品履歴情報20をそれぞれ印字するので、所定の製品履歴情報20の情報量増加が期待できるのは明らかである。また、例え紙管3の一端部5における所定の製品履歴情報20の印字に不備があっても、紙管3の他端部における所定の製品履歴情報20を利用すれば、包装ロール体1のトレーサビリティを必要、かつ充分に確保することができる。
【0033】
次に、
図4と
図5は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、紙管3の露出した両端部4のうち、少なくとも一端部5の外周面周方向に、所定の製品履歴情報20をインクジェットプリンタ21により不可視インクで隠し印字し、所定の製品履歴情報20の不可視化を図るようにしている。
【0034】
不可視インクは、食品衛生法・食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)に適合したステルスインクであり、ブラックライト等の照射により青く発光することが好ましい。この不可視インクの具体例としては、限定されるものではないが、例えばCN‐324蛍光[紀州技研工業株式会社製:製品名]等が該当する。
なお、所定の製品履歴情報20は、本来、視認不能であるが、説明の便宜上、
図4と
図5に点線で図示される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0035】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、印字された所定の製品履歴情報20が肉眼やカメラでは把握不能なので、所定の製品履歴情報20が関係者以外の消費者等に把握され、認識されるのを有効に防止することができるのは明らかである。さらに、所定の製品履歴情報20を形成する文字等が不鮮明で体裁が悪い場合でも、所定の製品履歴情報20が目やカメラには映らないので、審美性の悪化を阻止することができ、包装ロール体1や紙管3の意匠性維持を図ることができる。
【0036】
なお、上記実施形態では巻芯2に食品包装用のラップフィルム10を巻き替えたが、何らこれに限定されるものではなく、巻芯2の両端部4以外の外周面に包装用の樹脂シートやアルミ箔を原反から巻き替えても良い。また、上記実施形態では巻芯2の少なくとも一端部の周面に所定の製品履歴情報20をインクジェットプリンタ21により印字したが、何らこれに限定されるものではない。
【0037】
例えば、必要に応じ、CO2レーザ、ファイバレーザ、あるいはUVレーザにより印刷して包装ロール体1の製造段階まで追跡可能としても良い。また、可能であれば、巻芯2の少なくとも一端部の内周面に所定の製品履歴情報20をインクジェットプリンタ21、CO2レーザ、ファイバレーザ、あるいはUVレーザにより印刷して包装ロール体1の製造段階まで追跡可能としても良い。さらに、製造した包装ロール体1を包装箱に挿入して箱詰めする前に、包装ロール体1の外観を視覚センサにより撮像し、所定の製品履歴情報20を含む印字位置を検査してラップフィルム10の向きを揃えるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る包装ロール体及びその製造方法は、樹脂フィルム、樹脂シート、アルミニウム箔からなる帯体の製造分野で使用される。
【符号の説明】
【0039】
1 包装ロール体
2 巻芯
3 紙管
4 両端部
5 一端部
10 ラップフィルム(帯体)
20 所定の製品履歴情報
21 インクジェットプリンタ
22 インク