(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20231221BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A63F5/04 611A
A63F5/04 601B
A63F7/02 326Z
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2020038787
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】谷口 光一郎
【審査官】奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-034424(JP,A)
【文献】特開2004-166947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04,7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる電圧を供給する複数の電源ラインと、
電源の異常を確認可能な複数のLEDと、を備える電子回路基板を有し、
前記複数のLEDのそれぞれは、前記複数の電源ラインのそれぞれに対応して設けられ、
前記複数のLEDは、互いに同一仕様のLEDであり、
前記複数のLEDは、前記複数の電源ラインのそれぞれが所望の電圧を供給している状態において、
LED同士の順方向電流の差が最大定格電流の15%以内となっている
遊技機。
【請求項2】
互いに異なる電圧を供給する複数の電源ラインと、
電源の異常を確認可能な複数のLEDと、を備える電子回路基板を有し、
前記複数のLEDのそれぞれは、前記複数の電源ラインのそれぞれに対応して設けられ、
前記複数のLEDは、互いに同一仕様のLEDであり、
最大定格の順方向電流を流したときのLEDの光度で正規化した相対光度について、前記複数のLEDのそれぞれは、前記複数の電源ラインのそれぞれが所望の電圧を供給している状態において、LED同士の相対光度の差が0.25以下となっている
遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ遊技機等の遊技機は、演出用のLEDや、検査用のLED等、複数のLEDを備えている。また、遊技機においては、効果的な演出を行うべく(見栄えをよくするため)演出用のLEDについて、光り方を調整することが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、検査用のLEDについて、遊技機の状態に応じて、点灯させたり消灯させたり点滅させたりすることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、これまでの遊技機では発見が困難な不具合があった。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、不具合の発見が容易な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、互いに異なる電圧を供給する複数の電源ラインと、
複数のLEDと、を備える電子回路基板を有し、
前記複数のLEDのそれぞれは、前記複数の電源ラインのそれぞれに対応して設けられ、
前記複数のLEDは、前記複数の電源ラインのそれぞれが所望の電圧を供給している状態において、互いに同様の色かつ同様の明るさで光って見えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、複数の電源ラインそれぞれに所望の電圧が供給されている状態においては、複数のLEDは互いに同様の色かつ同様の明るさで光ることとなる。このため、例えば、複数のLEDのうちの1つが、他のLEDと異なる明るさで光っている場合には、この電源ラインに所望の電圧以外の電圧が供給されていることとなる。したがって、複数のLEDが互いに同様の色かつ同様の明るさで光っているかを確認することによって、複数の電源ラインそれぞれに所望の電圧が供給されているかを確認することができる。
【0008】
従来の遊技機では、複数の電源ラインそれぞれに設けられた各LEDについて、正常動作時の明るさが統一されていないため、基本的には点灯しているかあるいは消灯しているかの確認しかできず、光り方の強弱に基づいて検査を行うことは困難であった。すなわち、従来の遊技機において、光度が正常動作時よりも弱いか確認しようとすると、検査担当者の感覚に頼るしかなく、正確に光度の低下を見抜くことは困難であった。このため、従来の遊技機では、基本的に各電源ラインの電圧がLEDが点灯する電圧以上となっているか未満となっているかの確認しかできなかった。しかし、本発明によれば、LEDの光度が他のLEDと相対的に等しくなっているか異なっているかを確認することで、複数の電源ラインそれぞれに所望の電圧が供給されているか否かを確認することができる。したがって、検査担当者の感覚に頼ることなく、電源の不具合を幅広く発見することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技機によれば、不具合の発見が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示す斜視図である。
【
図3】同、モニタLEDに係る回路の概略図である。
【
図4】同、基板上におけるモニタLEDの配置を説明するための図である。
【
図5】同、電源モニタLEDの特性を説明するための図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る遊技機の他の例を示すもので、その斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明において、基本的に、「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0012】
まず、発明が適用されるスロットマシンXの概略構成について説明する。
図1はスロットマシンXを示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体10を備えており、この筐体10は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体10の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。また、筐体10の正面には、筐体10の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉12が設けられており、この前扉12は、前記開口部の上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口部の下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。なお、前扉12を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。
【0013】
筐体10内の下部には、
図2に示すように、各部品に電力を供給するための電源装置を内蔵した電源ユニット14、メダルを貯留するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット16、ホッパーユニット16内のメダルの量が所定量以上となるとホッパーユニット16からメダルが送り出されるキャッシュボックス18等が設けられている。また、電源ユニット14は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット14から各部品に電力が供給されるようになっている。なお、一部の部品には、電源ユニット14がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
【0014】
また、筐体10内には、リールユニット20や主制御基板70(主制御装置)、副制御基板72(副制御装置:電子回路基板)等が設けられている。リールユニット20は、周囲に複数の図柄を表示した3個の回転リール(第1リール20a、第2リール20b、第3リール20c)と、リール20a~20cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)と、各リール20a~20cに対応して設けられたインデックスセンサと、を有している。各インデックスセンサは、各リール20a~20cの内側に取り付けられた半円帯状のインデックスのエッジを検知するようになっている。そして、このインデックスセンサによる検知情報に基づいて、リール20a~20cの停止制御等が行われる。
【0015】
図1に示すように、上扉30の下部中央には、表示窓31が設けられ、この表示窓31の奥には、3個のリール20a~20cが横一列に設けられている。各リール20a~20cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リール20a~20cが停止すると表示窓31を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。表示窓31には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、各リール20a~20cの中段によって構成される有効ラインが有効化される。また、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。すなわち、リール20a~20cが停止したときに表示窓31を通して表示される図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
【0016】
また、上扉30の上部中央には、表示窓31の上方に表示窓32が設けられている。この表示窓32の奥には、液晶ディスプレイ34(画像表示装置)が設けられている。液晶ディスプレイ34には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(画像)が表示される。また、上扉30や下扉40には、スピーカ100が複数設けられている。スピーカ100からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の演出音(音楽、効果音、音声等)が出力される。また、前扉12には、報知や演出などを行うための照明装置38が複数設けられている。
【0017】
また、表示窓31の左右両側には報知や演出などを行なうための演出用パネル61が設けられ、右側の演出用パネル61には演出ボタン(演出操作部)62が設けられている。演出ボタン62は、遊技者によって押下操作されるものであり、押下されることで例えば表示窓32を通して見える液晶ディスプレイ34に表示される演出画像の態様を変化させ、遊技者に対して遊技への参加意識を高めるとともに、興趣を高めるようにしたものである。例えば、演出ボタン62の操作に連動して液晶ディスプレイ34に表示される演出画像を選択することができる。なお、演出ボタン62の配置は、これに限定されるものではなく、遊技者が押下操作可能な位置に設けられていればよい。
【0018】
また、上扉30は、筐体10にヒンジ35を介して回動可能に連結されることで、筐体10の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体10にヒンジ35を介して回動可能に連結されることで、筐体10の開口下部を開閉するようになっている。
なお、このスロットマシンXは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、機種の交換時に筐体10、下扉40および筐体10内の電源ユニット14やホッパーユニット16等が遊技店の島設備に取り付けられたままで、上扉30およびリールユニット20等を交換可能となっている。また、スロットマシンXは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。
【0019】
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
【0020】
また、下扉40の下部には、スロットマシンXの内部よりメダルを排出するためのメダル払い出し口と、メダル払い出し口から排出されたメダルを溜めておくためのメダル受け皿43とが形成されている。また、下扉40の上部にはスロットマシンXを操作するための操作部50が設けられており、この操作部50とメダル受け皿43との間には液晶表示パネル45が取り付けられている。
【0021】
操作部50には、クレジットされたメダルを払い出すための精算ボタン52、遊技を開始させるためのスタートレバー53、3個のリール20a~20cそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン54、メダルを投入するためのメダル投入口42、メダル投入口42の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタン55、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン56(ベットボタン)等が設けられる他、遊技の演出等を選択するための演出操作部57や、表示ユニット58も設けられている。演出操作部57は操作部50の幅方向(左右方向)の略中央部に配置され、メダル投入口42およびリジェクトボタン55を挟んで、右側に表示ユニット58が配置されている。なお、演出操作部57は、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を有している。
【0022】
ここで、本実施の形態の遊技機における基本的な遊技の流れを説明する。遊技者がMAXベットボタン56を押下すると、クレジットされたメダルが投入(ベット)され、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、遊技者が遊技を開始する操作としてスタートレバー53を押下する操作を行なうと、リール20a~20cが回転を始め、リール20a~20cの回転速度が所定の速度まで上昇するとストップボタン54の押下操作が有効な状態となる。その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタン54を押下していくと、各リール20a~20cが停止する。そして、すべてのリール20a~20cが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0023】
また、演出ボタン62は、例えば、ボーナスに当たったことや、遊技者にとって有利な状態に移行することが決定したこと等の、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等の所定のタイミングで、演出の態様を変化させるための押下操作が有効な状態となる。そして、当該押下操作が有効な状態で、演出ボタン62が押下されると、液晶ディスプレイ34に表示される演出画像の態様が変化したり、可動役物が動いたりして、演出の態様が変化する。
【0024】
スロットマシンXは主制御基板70と副制御基板72とによって制御される。主制御基板70は、MAXベットボタンを含むベットボタン56、スタートレバー53、ストップボタン54、メダル投入口42から投入されるメダルの通過を検知するメダルセンサ、精算ボタン52等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいてリール20a,20b,20cや、ホッパーユニット16等の出力手段の制御を行なう。また、副制御基板72は、主制御基板70から送られてくる信号(コマンド)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ34、スピーカ100および照明装置38等の演出用の装置の制御を行なう。また、副制御基板72は、演出ボタン62や演出操作部57等の入力手段からの入力信号を受けて、演出に係る各種の演算を行い、演出を進行させたり、演出に係る設定を変更したりする。すなわち、副制御基板72は、演出を制御する。
【0025】
主制御基板70と副制御基板72とは電気的に接続されており、主制御基板70から副制御基板72へは遊技状態を示す情報など各種情報(コマンド)の送信が可能となっているが、副制御基板72から主制御基板70へは情報を送信できないようになっている。
また、主制御基板70や副制御基板72等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0026】
副制御基板72は、
図3に示すように、24Vの電源を供給するための電源ライン(24V電源ライン90a)と、12Vの電源を供給するための電源ライン(12V電源ライン90b)と、5Vの電源を供給するための電源ライン(5V電源ライン90c)と、3.3Vの電源を供給するための電源ライン(3.3V電源ライン90d)と、1.25Vの電源を供給するための電源ライン(1.25V電源ライン90e)との5種類の電源ライン90を有している。そして、これら5種類の電源ライン90を介して副制御基板72上の各回路(IC等の電子部品)や、副制御基板72と直接または間接的に接続された他の基板上の各回路(IC等の電子部品)に電源が供給されるようになっている。
【0027】
24Vの電圧(DC24V)および12Vの電圧(DC12V)は、電源ユニット14において商用電源(AC100V)から生成されている。そして、この24V電圧および12V電圧が、それぞれ24V電源ライン90aまたは12V電源ライン90bを介して各回路に供給されている。また、5Vの電圧(DC5V)、3.3Vの電圧(DC3.3V)および1.25Vの電圧(DC1.25V)は、電源ユニット14で生成された12V電圧に基づいて、副制御基板72上で、レギュレータ(スイッチングレギュレータ)等によって生成されている。そして、この5V電圧、3.3V電圧および1.25V電圧が、それぞれ5V電源ライン90c、3.3V電源ライン90dまたは1.25V電源ライン90eを介して各回路に供給されている。なお、5V電圧、3.3V電圧および1.25V電圧を、24V電圧から生成してもよい。
【0028】
副制御基板72には、複数のモニタLED(モニタランプ)100が設けられている。モニタLED100は、点検(検査)用のLEDであり、遊技機の各部に故障が無いかを確認したり、遊技機においてエラーが発生していないかを確認したりするために使用される。換言すると、モニタLED100は、異常が発生しているか否かを確認するために使用される。本実施形態の遊技機では、モニタLED100として、電源の異常を確認(監視)するために使用される電源モニタLED(第1モニタLED)101と、電源以外に関する所定の異常を確認(監視)するために使用される第2モニタLED102とが用意されている。
なお、電源モニタLED101および第2モニタLED102は、前扉3が閉じた状態において外部から視認できないようになっている。
【0029】
副制御基板72は、5個の電源モニタLED101を有している。具体的には、副制御基板72は、24V電源に関する異常を確認可能な電源モニタLED101aと、12V電源に関する異常を確認可能な電源モニタLED101bと、5V電源に関する異常を確認可能な電源モニタLED101cと、3.3V電源に関する異常を確認可能な電源モニタLED101dと、1.25V電源に関する異常を確認可能な電源モニタLED101eと、を有している。換言すると、電源モニタLED101aは24V電源を監視し、電源モニタLED101bは12V電源を監視し、電源モニタLED101cは5V電源を監視し、電源モニタLED101dは3.3V電源を監視し、電源モニタLED101eは1.25V電源を監視するようになっている。
【0030】
各電源モニタLED101は、互いに同一種類(同一仕様、同一型番、同一製品)のLEDとなっている。具体的には、各電源モニタLED101は、所定の色で発光する単色のチップLEDとなっている。より具体的には、各電源モニタLED101は、緑色のチップLEDとなっている。
なお、電源モニタLED101は、砲弾型LED等であってもよく、その他の発光素子であってもよい。
【0031】
モニタLED100の配置例を
図4(a)~(c)にそれぞれ示す。
図4(a)~(c)に示す各配置例のように、5個の電源モニタLED101は、副制御基板72の一方の面(本実施形態の遊技機では、後側を向く面72a)の所定位置に、基板の長手方向(左右方向)に沿って一列に、かつ等間隔に並べて配置されている。すなわち、5個の電源モニタLED101は、副制御基板72の所定箇所にまとめて配置されている。ここで、隣り合う電源モニタLED101同士の間隔は、電源モニタLED101の長手方向の長さLの2倍以下であることが好ましく、1倍以下であることがさらに好ましい。
【0032】
図3に示すように、電源モニタLED101aは、アノードが24V電源ライン90aに接続されている。また、カソードが第1抵抗104aの一方の端子に接続されている。また、第1抵抗104aの他方の端子は、グランド(GND)に接続されている。また、第1抵抗104aは、4.7kΩの抵抗となっている。そして、24V電源ライン90aに24V電圧が供給された状態において、電源モニタLED101aには、約2Vの順方向電圧がかかり、約4.7mAの電流が流れるようになっている。
【0033】
電源モニタLED101bは、アノードが12V電源ライン90bに接続されている。また、カソードが第2抵抗104bの一方の端子に接続されている。また、第2抵抗104bの他方の端子は、グランド(GND)に接続されている。また、第2抵抗104bは、2.2kΩの抵抗となっている。そして、12V電源ライン90bに12V電圧が供給された状態において、電源モニタLED101bには、約2Vの順方向電圧がかかり、約4.5mAの電流が流れるようになっている。
【0034】
電源モニタLED101cは、アノードが5V電源ライン90cに接続されている。また、カソードが第3抵抗104cの一方の端子に接続されている。また、第3抵抗104cの他方の端子は、グランド(GND)に接続されている。また、第3抵抗104cは、680Ωの抵抗となっている。そして、5V電源ライン90bに5V電圧が供給された状態において、電源モニタLED101cには、約2Vの順方向電圧がかかり、約4.4mAの電流が流れるようになっている。
【0035】
電源モニタLED101dは、アノードが3.3V電源ライン90dに接続されている。また、カソードが第4抵抗104dの一方の端子に接続されている。また、第4抵抗104dの他方の端子は、グランド(GND)に接続されている。また、第4抵抗104dは、200Ωの抵抗となっている。そして、3.3V電源ライン90dに3.3V電圧が供給された状態において、電源モニタLED101dには、約2Vの順方向電圧がかかり、約6.3mAの電流が流れるようになっている。
【0036】
電源モニタLED101eは、アノードが3.3V電源ライン90dに接続されている。また、カソードが第5抵抗104eの一方の端子に接続されている。また、第5抵抗104eの他方の端子は、NPN型バイポーラトランジスタ、より具体的にはバイアス抵抗内蔵型のバイポーラトランジスタ105のコレクタ端子に接続されている。また、バイポーラトランジスタ105のエミッタ端子は、グランド(GND)に接続されている。また、バイポーラトランジスタ105のベース端子は、1.25V電源ライン90eに接続されている。また、第5抵抗104eは、200Ωの抵抗となっている。そして、3.3V電源ライン90dに3.3V電圧が供給され、かつ1.25V電源ライン90eに1.25V電圧が供給された状態において、電源モニタLED101eには、約2Vの順方向電圧がかかり、約6.0mAの電流が流れるようになっている。なお、このとき、バイポーラトランジスタ105のコレクタエミッタ間電圧は約60mVとなっている。また、3.3V電源ライン90dに3.3V電圧が供給され、かつ1.25V電圧が供給されていない状態、具体的には例えば1.25V電源ライン90eの電圧が0.5V以下となる状態においては、バイポーラトランジスタ105がOFF状態となり、電源モニタLED101eには、電流が流れない(流れるとしても0.1mA以下しか流れない)ようになっている。
【0037】
本実施形態の遊技機では、抵抗やトランジスタ等の電子部品によって、各電源モニタLED101に流れる順方向電流が同程度になるように揃えられている。そして、各電源モニタLED101は、正常動作時において、互いに同様の色、かつ同様の光度(輝度)で光るようにされている。換言すると、各電源モニタLED101は、正常動作時において人が見た際に、互いに同様の色かつ同様の明るさで光って見えるようになっている。ここで、正常動作時とは、各電源モニタLED101が監視する各電源が、所望の電圧を供給している状態をいう。すなわち、正常動作時とは、各モニタLED100が監視する事項について、異常が生じていない状態をいう。具体的には、24V電源ライン90aの電圧が24Vであり、12V電源ライン90bの電圧が12Vであり、5V電源ライン90cの電圧が5Vであり、3.3V電源ライン90dの電圧が3.3Vであり、1.25V電源ライン90eの電圧が1.25Vである状態をいう。
【0038】
図5に、電源モニタLED101の、順方向電流対光度の特性を示す。
本実施形態の遊技機では、最大定格の順方向電流を流したときの電源モニタLED101の光度で正規化した相対光度(順方向電流が最大定格電流のときの光度を1とし、順方向電流0mAのときの電源モニタLED101の光度を0として正規化した光度)について、5個の電源モニタLED101同士の光度(相対光度)の差が、0.25以下となるようにしている。電源モニタLED101同士の光度(相対光度)の差は、0.2以下とすることがより好ましく、0.1以下とすることがさらに好ましい。
なお、本実施形態の遊技機では、電源モニタLED101の順方向電流の最大定格は、約20mAに設定されている。
【0039】
また、本実施形態の遊技機では、5個の電源モニタLED101同士の順方向電流の差を、最大定格電流の15%以内(本電源モニタLED101では3mA以内)、より具体的には最大定格電流の10%以内(本電源モニタLED101では2mA以内)としているが、最大定格電流の5%以内(本電源モニタLED101では1mA以内)としてもよい。
【0040】
各電源モニタLED101に接続する抵抗(第1抵抗104a~第5抵抗104e)の抵抗値は、同系列の抵抗のうち、各電源モニタLED101に流れる電流が同程度となるものから選択するとよい。本実施形態の遊技機では、E24系列の抵抗のうち、電源モニタLED101同士の順方向電流の差が前述の範囲内に収まる抵抗を使用している。また、各電源ライン90とグランド(GND)との間において、各電源モニタLED101と直列に接続される抵抗素子は、1つとしている。
なお、第1抵抗104a~第5抵抗104eそれぞれの抵抗値は、同系列(例えばE24系列)の抵抗のうち、順方向電流の差が最も小さくなる抵抗を選択してもよく、順方向電流の差が前述の範囲内に収まる抵抗のうち、副制御基板72上あるいは本遊技機において第1抵抗104a~第5抵抗104e以外の部分で使用されている抵抗値の抵抗を使用してもよい。
【0041】
また、各電源モニタLED101は、異常発生時においては、正常動作時とは異なる光り方をするようになっている。具体的には、各電源モニタLED101は、異常発生時においては、正常動作時と同様の色で光りつつ、正常動作時とは異なる光度(輝度)で光るようになっている。より具体的には、各電源モニタLED101が監視する各電源の供給電圧が所望の電圧よりも低い場合、各電源モニタLED101は光度(輝度)が低くなり、正常動作時よりも弱い光で発光するか、あるいは消灯状態となる。
【0042】
本実施形態の遊技機では、正常動作時において、各電源モニタLED101は、互いに同様の色、かつ同様の光度(輝度)で光るようになっているため、異常が発生している電源(電源ライン90)の発見が容易となっている。すなわち、例えば、レギュレータ等の電圧を生成する回路に不具合が生じ所望の電源が供給されない場合、具体的には電源ライン90cが5Vとなるべきところ4V程度にしかならない場合に、電源モニタLED101cは順方向電流が小さくなり光度が低くなる。このとき、電源モニタLED101cは、監視対象の電源ライン90が正常動作している周りの電源モニタLED101a,101b,101d,101eに比べ弱い光で発光することとなる。したがって、相対的な光度の違いに基づいて異常を把握することが可能となり、不具合を容易に発見することができる。
【0043】
また、副制御基板72は、
図3に示すように、7個の第2モニタLED102を有している。
各第2モニタLED102は、互いに同一種類(同一仕様、同一型番、同一製品)のLEDとなっている。具体的には、各第2モニタLED102は、所定の色で発光する単色のチップLEDとなっている。より具体的には、各第2モニタLED102は、赤色のチップLEDとなっている。
なお、第2モニタLED102は、砲弾型LED等であってもよく、その他の発光素子であってもよい
【0044】
また、
図4(a)~(c)に示す各配置例のように、7個の第2モニタLED102は、副制御基板72の一方の面(本実施形態の遊技機では、後側を向く面72a)の所定位置に、基板の長手方向(左右方向)に沿って一列に、かつ等間隔に並べて配置されている。すなわち、7個の第2モニタLED102は、副制御基板72の所定箇所にまとめて配置されている。また、
図4(a)に示す例では、5個の電源モニタLED101と7個の第2モニタLED102とは、基板の短手方向(上下方向)に並べて配置されている。すなわち、5個の電源モニタLED101と7個の第2モニタLED102とは、副制御基板72の所定箇所に、二列に並べられた状態で配置されている。また、
図4(b)、(c)に示す各例では、5個の電源モニタLED101と7個の第2モニタLED102とは、基板の長手方向に略一列に並べて配置されている。ここで、隣り合う第2モニタLED102同士の間隔は、第2モニタLED102の長手方向の長さLの2倍以下であることが好ましく、1倍以下であることがさらに好ましい。なお、ここで電源モニタLED101と第2モニタLED102とは、長手方向の長さが同一となっている。また、各電源モニタLED101は、最も近い第2モニタLEDとの間隔が電源モニタLED101の長手方向の長さLの2倍以上となっていることが好ましく、3倍以上となっていることがさらに好ましい。
【0045】
図3に示すように、各第2モニタLED102は、アノードが3.3V電源ライン90dに接続されている。また、各第2モニタLED102は、カソードが抵抗を介して副制御基板72のメインIC(演出制御用LSI:制御回路)120の汎用ポートに接続されている。具体的には、メインIC120の7個の汎用ポート(PORT0~PORT6)それぞれに対して、7個の第2モニタLED102のそれぞれが、同一仕様の異なる(それぞれ個別のディスクリート部品、すなわち別体の)抵抗素子を介して接続されている。ここで、各第2モニタLED102と、各汎用ポートとを接続する各抵抗は、全て抵抗値が同一(510Ω)となっている。
【0046】
メインIC120は、第2モニタLED102の発光を制御する。メインIC120は、例えば、演出に関する異常(演出音の出力に関する異常(メインIC120に接続されスピーカを駆動する音声制御IC(アンプIC)の異常)や照明装置に関する異常)等の、電源の異常とは異なる異常が生じた場合に、異常を検知し、検知結果に基づいて第2モニタLED102の点灯態様(点灯/消灯の状態や点滅パターン等)を変化させることによって異常の発生を報知する。換言すると、メインIC120は、メインIC120(副制御基板72)の内部状態あるいは演出装置に関する状態を、第2モニタLED102の点灯態様によって報知する。
【0047】
本実施形態の遊技機では、各第2モニタLED102は、点灯する際に互いに同様の色、かつ同様の光度(輝度)で光るようにされている。換言すると、各第2モニタLED102は、点灯時において人が見た際に、互いに同様の色かつ同様の明るさで光って見えるようになっている。すなわち、各第2モニタLED101のカソードに接続された抵抗は、互いに抵抗値が同一となっており、メインIC120の各汎用ポートは、各第2モニタLED102の点灯時に、各第2モニタLED102に同一の電流(例えば約3mA)を流すことが可能となっている。
【0048】
副制御基板72は、筐体10に設けるよりも、前扉12に設けることが好ましい。換言すると、モニタLED100は、前扉12に設けられた基板に設けられることが好ましい。このように、前扉12側の基板にモニタLED100を設けることで、前扉12を開いてモニタLED100を観察する際に、モニタLED100に筐体10の影がかかりにくくなるので、複数の第1モニタLED101同士が互いに同様の明るさで光っているか等を確認しやすくなる。
【0049】
また、モニタLED100は、左右方向において、副制御基板72の中心よりもヒンジ35(前扉12の回動動作の支点)から離れた側に設けられることが好ましい。すなわち、
図4において、副制御基板72の左右方向の中心線Cよりも左側に設けられることが好ましい。このような構成によれば、モニタLED100に筐体10等の影がかかることをより確実に防ぐことができ、複数のモニタLED100同士が互いに同様の明るさで光っているかさらに確認しやすくなる。また、
図4(c)に示すように、複数のモニタLED100のうちいくつか(例えば、第2モニタLED102)を、副制御基板72の中心(中心線C)よりもヒンジ35に近い側に配置することとなる場合でも、互いに同様の光度で光るようにされた複数のモニタLED100(例えば、すべての電源モニタLED101)については、副制御基板72の中心(中心線C)よりもヒンジ35から離れた側に設けられることが好ましい。
【0050】
なお、すべての電源モニタLED101を、互いに同様の光度で光るようにしなくてもよい。少なくとも3つ以上の電源モニタLED101について、同様の光度で光るようにしておけば、1つの電源モニタLED101の光度が変化した際に、どの電源モニタLED101が正常動作時と違う光り方をしているのか判別することが容易となる。例えば、副制御基板72上で生成される、5V電圧、3.3V電圧または1.25V電圧をそれぞれ監視する電源モニタLED101c,101d,101eについて、光り方を揃えておけば、5V電圧、3.3V電圧または1.25V電圧のいずれかの電圧を生成するレギュレータが故障した際に、どのレギュレータが故障したのか容易に発見することができる。また、例えば、24V電圧、12V電圧またはレギュレータによって生成されるいずれかの電圧(例えば、5V電圧)をそれぞれ監視する電源モニタLED101a,101b,101cについて、光り方を揃えておけば、電源ユニット14またはレギュレータのいずれかが故障した際に、どちらが故障したのか容易に発見することができる。
【0051】
(パチンコ遊技機への適用)
以上、スロットマシンを例にとり、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はパチンコ遊技機等の遊技機にも適用できる。例えば、後述するパチンコ遊技機1001の副制御基板が上述した各モニタLED100(電源モニタLED101、第2モニタLED102)を有し、複数の電源モニタLED101等を互いに同様の明るさで光って見えるように設定してもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機等の他の遊技機においても、上述のスロットマシンの場合と同様の効果を得ることができる。
【0052】
以下、本発明が適用されるパチンコ遊技機の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001の外観構成を示す斜視図である。パチンコ遊技機1001は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、パチンコ遊技機1001の外側面を形成する外枠1002と、パチンコ遊技機1001の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域1004を形成する遊技盤1006と、遊技盤1006を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット1008と、ガラスユニット1008が取り付けられている前枠1010を備えている。
【0053】
前枠1010のうちガラスユニット1008を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ1012が設けられている。また、前枠1010の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ1014が設けられている。
【0054】
前枠1010の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿1016が設けられており、上皿1016の内側側面の左部には、パチンコ遊技機1001から遊技者に遊技球を払い出すための払出口1018が設けられている。前枠1010の下部右側には、グリップユニット1020が設けられており、遊技者がグリップユニット1020をパチンコ遊技機1001に向かって右回りに回転させる操作を行うと、パチンコ遊技機1001の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域1004内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施の形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0055】
上皿1016の内側側面の右部には、上皿1016から遊技球を発射装置に供給するための供給口1022が設けられている。また、上皿1016の下方には、上皿1016に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿1024が設けられている。
【0056】
上皿1016の縁部の手前側には、演出操作装置1026が設けられており、遊技者が演出操作装置1026を操作すると、パチンコ遊技機1001で行われる演出が変化する。詳細には演出操作装置1026は、押しボタンスイッチおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を内蔵しており、演出操作装置1026を押下する操作と、演出操作装置1026を回転させる操作を検出することができるようになっている。
【0057】
図7は、
図6で示した遊技盤1006の外観構成を示す正面図である。
図7に示すように遊技盤1006には、円形状に外レール1028が設けられており、外レール1028に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域1004となっている。また、遊技領域1004の左端部には、外レール1028に沿うように円弧状に内レール1030が設けられており、外レール1028と内レール1030は、遊技盤1006の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域1004に誘導する。
【0058】
遊技盤1006の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する表示装置(液晶ディスプレイ)1032と、表示装置1032を取り囲むように形成されたディスプレイ枠1034を備える演出ユニット1036が設けられている。
【0059】
本実施の形態では、表示装置1032の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、表示装置1032の左側の遊技領域1004か右側の遊技領域1004を落下するようになっている。そして遊技領域1004には、遊技盤1006の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域1004を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0060】
ディスプレイ枠1034の左部には、表示装置1032の左側の遊技領域1004を落下する遊技球が通過できる開口1040が形成されており、この開口1040を通過した遊技球はディスプレイ枠1034に設けられている通路1042を通過して、表示装置1032の下方に設けられたステージ1044に落下するようになっている。このステージ1044の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ1044とガラスユニット1008との間に遊技球がステージ1044から下方に落下できる隙間が形成されており、通路1042からステージ1044上に落下した遊技球がステージ1044上を左右に往復移動した後にステージ1044の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0061】
ステージ1044の中央部の下方には、第1始動入賞口1046が設けられている。また、表示装置1032の右側の遊技領域1004には、通過ゲート1048が設けられている。また、通過ゲート1048の下方に、第2始動入賞口1050が設けられている。この第2始動入賞口1050には、第2始動入賞口1050に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物1052が設けられている。
【0062】
表示装置1032の右側の遊技領域1004には、第2始動入賞口1050の下方に、大入賞口1054が設けられている。この大入賞口1054には、大入賞口1054を塞ぐ可動部材を備える特別役物1056が設けられている。特別役物1056は、大入賞口1054に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口1054に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(
図7は閉状態を示している)。特別役物1056は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
【0063】
大入賞口1054の下方には、大入賞通路1058が下方に向かって設けられている。大入賞通路1058の下端には、通常進入口1062が設けられている。また、大入賞通路1058の下方には、大入賞通路1058の途中から下方に向かって分岐するように特定通路1065が設けられている。この特定通路1065には、特定通路1065を塞ぐ可動部材を備える特定役物1066が設けられている。特定役物1066は、特定通路1065に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路1065に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(
図7は閉状態を示している)。特定役物1066は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路1065の下端には、特定進入口1068が設けられている。また、遊技領域1004の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域1004を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口1069が設けられている。
【0064】
遊技球の発射装置は、
図6で示したグリップユニット1020の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット1020の回転量が少ない場合には表示装置1032の左側の遊技領域1004を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット1020の回転量が多い場合には表示装置1032の右側の遊技領域1004を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0065】
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット1020の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域1004を落下して、あるいは開口1040と通路1042とステージ1044を通過して第1始動入賞口1046に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域1004を落下して、通過ゲート1048を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口1050に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口1054に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0066】
遊技盤1006の右下部であって、遊技領域1004の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部1070が設けられている。パチンコ遊技機1001は、主制御基板(主制御装置)および副制御基板(副制御装置)を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。主制御基板と副制御基板との間では、主制御基板から副制御基板への単方向通信のみが可能となっており、副制御基板からは主制御基板へ情報を送信することができないように通信接続されている。
【符号の説明】
【0067】
X スロットマシン
72 副制御基板(電子回路基板)
90(90a,90b,90c,90d,90e) 電源ライン
100 モニタLED
101(101a,101b,101c,101d,101e) 電源モニタLED
1001 パチンコ遊技機