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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20231221BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20231221BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231221BHJP
【FI】
H01L33/62
G02F1/13357
F21S2/00 498
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020050649
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021150557
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】林 宏宜
【審査官】八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-76525(JP,A)
【文献】特開2002-287664(JP,A)
【文献】特開2016-162825(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/291485(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 8/00
G02F 1/13357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1高電位電源線と、
第2高電位電源線と、
低電位電源線と、
前記第1高電位電源線および前記低電位電源線と電気的に接続する複数の第1LEDユニットと、
前記第2高電位電源線および前記低電位電源線と電気的に接続する複数の第2LEDユニットと、を含み、
前記第1高電位電源線および前記第2高電位電源線が延伸する第1方向において、前記第1LEDユニットと前記第2LEDユニットとが交互に配置され、
前記第1方向と直交する第2方向において、前記第1LEDユニットと前記第2LEDユニットとが交互に配置され
前記第1LEDユニットおよび前記第2LEDユニットの各々は、複数のLEDチップを含む発光装置。
【請求項2】
前記複数のLEDチップは、前記第2方向において、直線状に配置されている請求項に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数のLEDチップは、前記第2方向において、千鳥状に配置されている請求項に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1LEDユニットに含まれる前記複数のLEDチップは、支持体の第1電極上に実装され、
前記第2LEDユニットに含まれる前記複数のLEDチップは、前記支持体の第2電極上に実装され、
前記第1電極は、複数の領域を含み、
前記複数の領域は、前記支持体に設けられた配線を介して電気的に接続され、
前記第2電極は、前記配線と重畳する請求項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記配線は、前記支持体に含まれるトランジスタのゲート電極層、ソース電極層、およびドレイン電極層のいずれか1つと同一層である請求項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数のLEDチップは、白色LEDチップである請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光装置を含む照明器具。
【請求項8】
請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の発光装置を含む液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、LEDチップを用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶および光源を利用する表示装置である。液晶表示装置では、液晶に電圧を印加することで液晶の配列を変化させる。光源から出射された光は、液晶の配列の違いにより、透過し、または遮光される。すなわち、液晶表示装置では、液晶をスイッチとして利用し、光源からの出射光の透過または非透過を制御する。
【0003】
液晶表示装置の光源には、発光ダイオード(LED)を利用することができる。例えば、液晶表示装置の光源として、複数の、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、および青色LEDチップがマトリクス状に配列され、白色光が得られる光源(バックライトともいう。)を用いることができる(例えば、特許文献1参照)。LEDチップは発光効率が高いため、光源の輝度を高くすることができる。
【0004】
一方、液晶表示装置は、表示品位が優れているのはもちろんのこと、低消費電力化も重要である。液晶表示装置の電力の多くは光源で消費されるため、光源の低消費電力化の技術開発が進められている。例えば、光源の低消費電力化の技術として、ローカルディミング技術がある。この技術は、光源を複数の領域に分割し、分割領域ごとに光源の輝度を調整する。表示に使用しない領域では光源をオフにすることができるため、光源の低消費電力化が可能である。また、ローカルディミング技術は、表示のコントラストも向上させるため、ローカルディミング技術を用いた液晶表示装置は、低消費電力化に加えて、表示品位も優れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-29634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、LEDチップは点光源であるところ、個々のLEDチップの性能差またはLEDチップを配置する位置によっては輝度のばらつきが顕著に表れる。そのため、LEDチップを用いた光源においては、光源の輝度ムラが問題となっていた。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、LEDチップを用いた発光装置において、輝度ムラが低減された発光装置を提供することを課題の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る発光装置は、第1高電位電源線と、第2高電位電源線と、低電位電源線と、第1高電位電源線および低電位電源線と電気的に接続する複数の第1LEDユニットと、第2高電位電源線および低電位電源線と電気的に接続する複数の第2LEDユニットと、を含み、第1高電位電源線および第2高電位電源線が延伸する第1方向において、第1LEDユニットと第2LEDユニットとが交互に配列し、第1方向と直交する第2方向において、第1LEDユニットと第2LEDユニットとが交互に配列する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る発光装置の模式的な平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る発光装置に含まれる発光ユニットの模式的な平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る発光装置に含まれる発光ユニットの平面の部分拡大図である。
図4】本発明の一実施形態に係る発光装置に含まれる発光ユニットの平面の部分拡大図である。
図5】本発明の一実施形態に係る発光装置に含まれるトランジスタの断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る発光装置に含まれる発光ユニットの平面の部分拡大図である。
図7】本発明の一実施形態に係る照明器具の分解斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態において、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その技術的思想の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0011】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、図示の形状そのものが本発明の解釈を限定するものではない。また、図面において、明細書中で既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、別図であっても同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
【0012】
ある一つの膜を加工して複数の構造体を形成した場合、各々の構造体は異なる機能、役割を有する場合があり、また各々の構造体はそれが形成される下地が異なる場合がある。しかしながらこれら複数の構造体は、同一の工程で同一層として形成された膜に由来するものであり、同一の材料を有する。従って、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
【0013】
ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接して、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0014】
<第1実施形態>
図1図3を参照して、本発明の一実施形態に係る発光装置100の構成について説明する。
【0015】
[1.発光装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る発光装置100の模式的な平面図である。
【0016】
図1に示すように、発光装置100は、複数の発光ユニット110、ドライバ120、およびコントローラ130を含む。複数の発光ユニット110は、発光装置100の面内にマトリックス状に配置されている。複数の発光ユニット110の各々は、ドライバ120と電気的に接続され、ドライバ120によって駆動される。また、ドライバ120は、コントローラ130によって制御される。
【0017】
発光ユニット110は、発光素子を具備する。本実施形態では、発光素子として、LEDチップを具備する。なお、発光ユニット110の構成の詳細については、後述する。
【0018】
ドライバ120は、発光ユニット110を制御する制御信号を出力し、発光ユニット110に含まれるLEDチップの発光を制御する駆動回路である。1つのドライバ120で1つの発光ユニット110を制御してもよく(すなわち、発光ユニット110ごとに1つのドライバ120を設けてもよく)、1つのドライバ120で複数の発光ユニット110を制御してもよい。
【0019】
ドライバ120は、発光装置100の支持体の外部に設けられていてもよく、発光ユニット110の支持体に設けられていてもよい。また、ドライバ120が発光ユニット110ごとに設けられる場合には、ドライバ120は、、発光ユニット110の支持体に設けられていてもよい。
【0020】
コントローラ130は、ドライバ120を制御する制御信号を出力し、ドライバ120が接続する発光ユニット110の階調を制御する制御回路である。そのため、コントローラ130は、発光ユニット110の階調データを生成し、生成した階調データをドライバ120に出力することができる。コントローラ130は、プログラムが格納されたROMまたはRAM、プログラムを実行するプロセッサ、もしくは入出力ポートを含んでいてもよい。
【0021】
ドライバ120とコントローラ130とは一体化されていてもよい。
【0022】
発光装置100は、ドライバ120およびコントローラ130によって制御されることにより、複数の発光ユニット110ごとに点灯状態の調整をすることが可能である。例えば、1つの発光ユニット110を点灯させ(例えば、発光ユニット110の電源をオンにし)、それに隣接する発光ユニット110を消灯させる(例えば、発光ユニット110の電源をオフにする)ことがでできる。発光ユニット110を部分的に消灯しておくことで発光装置100の消費電力が低減される。
【0023】
[2.発光ユニット]
図2は、本発明の一実施形態に係る発光装置100に含まれる発光ユニット110の模式的な平面図である。
【0024】
図2に示すように、発光ユニット110は、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220を含む。図2に示す第1方向および第1方向と直交する第2方向において、第1LEDユニット210と2LEDユニット220とは、交互に配置されている。
【0025】
第1LEDユニット210および第2LEDユニット220は、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220に含まれる構成が異なることによって区別することができる。また、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220は、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220とが異なる制御信号で制御されていることによって区別することができる。そのため、第1LEDユニット210と第2LEDユニットとの境界が明確でない場合があるが、以下では、便宜上、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220は、発光ユニット110を均等に分割した領域を表すものとして説明する場合がある。
【0026】
発光ユニット110が、第1方向および第2方向の各々において3mmの長さを有する場合、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々は、例えば、第1方向の長さを0.25mm、第2方向の長さを0.75mmとなるように、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220を配置することができる。但し、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の大きさは、これに限られない。第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々の大きさは、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々に含まれるLEDチップの数や、輝度ムラの度合いを考慮して決定することができる。
【0027】
第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々の形状は、例えば、第1方向に短辺を有し、第2方向に長辺を有する長方形であるが、これに限られない。第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々の形状は、三角形または正方形とすることもできる。また、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220とは、大きさまたは形状が異なっていてもよい。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態に係る発光装置100に含まれる発光ユニット110の平面の部分拡大図である。具体的には、図3は、図2に示す領域Aの部分拡大図である。
【0029】
図3に示すように、発光ユニット110は、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220以外に、第1高電位電源線230、第2高電位電源線240、および低電位電源線250を含む。第1高電位電源線230、第2高電位電源線240、および低電位電源線250は、第1方向に延伸している。また、第2方向には、分枝された第1高電位電源線230、第2高電位電源線240、および低電位電源線250が、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220との間に設けられている。1つの第1高電位電源線230、1つの第2高電位電源線240、および1つの低電位電源線250が、発光ユニット110の端部近傍に設けてもよいが、配線の引き回しにより、発光ユニットの110の中央部の第1LEDユニット210および第2LEDユニット220と、発光ユニットの110の端部の第1LEDユニット210および第2LEDユニット220とで、印加される電圧に差が生じる場合がある。そのため、分枝された第1高電位電源線230、第2高電位電源線240、および低電位電源線250が、発光ユニット110の中央部に設けらていることが好ましい。
【0030】
第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々は、複数のLEDチップ260を含む。第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々に含まれる複数のLEDチップ260は、支持体に形成された電極270を介して直列的に電気的に接続されている。第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々において、複数のLEDチップ260は、第2方向に直線状に配置されている。
【0031】
第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の各々に含まれるLEDチップ260の個数は、3つに限られない。LEDチップ260の個数は、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、第1LEDユニット210の個数と第2LEDユニット220の個数とが異なっていてもよい。さらに、複数のLEDチップ260は、並列的に電気的に接続することもできる。第1LEDユニット210の構成と第2LEDユニット220の構成は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0032】
LEDチップ260は、例えば、白色LEDチップである。白色LEDチップは、青色LEDチップと黄色蛍光体とで構成される。白色LEDチップは、紫外LEDと、赤色蛍光体と、緑色蛍光体と、青色蛍光体とで構成されていてもよい。また、白色LEDチップは、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDとで構成されていてもよい。
【0033】
図3に示すLEDチップ260は、電極270のカソードおよびアノードにフリップチップ実装されている。すなわち、LEDチップ260は、横型LED構造(水平電極構造)を有する。しかしながら、LEDチップ260の構造はこれに限られない。LEDチップ260は、縦型LED構造(垂直電極構造)を有していてもよい。
【0034】
なお、電極270にLEDチップ260をフリップチップ実装する場合、電極270とLEDチップ260との間に、半田ペースト、銀ペースト、または導電性導電膜(ACF)などを設けることができる。
【0035】
第1高電位電源線230および第2高電位電源線240の各々の電位は、低電位電源線250の電位よりも大きい。第1高電位電源線230の電位と第2高電位電源線240の電位とは同じ電位であってもよく、異なる電位であってもよい。第1高電位電源線230の電位と第2高電位電源線240の電位とが異なる場合、第1LEDユニット210と第2LEDユニットとで異なる制御または機能を与えることができる。
【0036】
第1LEDユニット210は、第1高電位電源線230および低電位電源線250と電気的に接続されている。また、第2LEDユニット220は、第2高電位電源線240および低電位電源線250と電気的に接続されている。したがって、第1LEDユニット210は、第1高電位電源線230によって発光を制御することができ、第2LEDユニット220は、第2高電位電源線240によって発光を制御することができる。
【0037】
本実施形態に係る発光装置100によれば、発光ユニット110の第1方向および第2方向の各々において、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220とが交互に配置されている。そのため、第1LEDユニット210を発光状態とし、第2LEDユニット220を非発光状態としたときであっても、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220の配置の対称性が高いため、発光ユニット110からの発光が均一化される。そのため、発光ユニット110の輝度ムラが低減される。また、複数の発光ユニット110を配置した発光装置100の輝度ムラも低減することができる。
【0038】
<第2実施形態>
図4および図5を参照して、本発明の一実施形態に係る発光装置100Aの構成について説明する。なお、以下では、便宜上、発光装置100と同様の構成については、説明を省略する場合がある。
【0039】
図4は、本発明の一実施形態に係る発光装置100Aに含まれる発光ユニット110Aの平面の部分拡大図である。
【0040】
図4に示すように、発光ユニット110Aは、第1LEDユニット210A、第2LEDユニット220A、第1高電位電源線230、第2高電位電源線240、および低電位電源線250を含む。第1LEDユニット210Aは、第1高電位電源線230および低電位電源線250と電気的に接続されている。また、第2LEDユニット220Aは、第2高電位電源線240および低電位電源線250と電気的に接続されている。したがって、第1LEDユニット210Aは、第1高電位電源線230によって発光を制御することができ、第2LEDユニット220Aは、第2高電位電源線240によって発光を制御することができる。
【0041】
第1LEDユニット210Aおよび第2LEDユニット220Aの各々は、複数のLEDチップ260を含む。第1LEDユニット210Aおよび第2LEDユニット220Aの各々において、複数のLEDチップ260は、第2方向に千鳥状に配置されている。すなわち、第1方向および第2方向の各々において、第1LEDユニット210AのLEDチップ260と第2LEDユニット220AのLEDチップ260とが交互に配置されている。
【0042】
第1LEDユニット210Aに含まれる複数のLEDチップ260は、支持体に形成された第1電極270A-1を介して直列的に電気的に接続されている。また、第2LEDユニット220Aに含まれる複数のLEDチップ260は、支持体に形成された第2電極270A-2を介して直列的に電気的に接続されている。
【0043】
図4に示す第1LEDユニット210Aと第2LEDユニット220Aとが交差しているように、第1電極270A-1と第2電極270A-2とは交差している。しかしながら、交差部において、第1電極270A-1と第2電極270A-2とは導通していない。第1電極270A-1は、複数の領域に分離され、分割された複数の領域は、支持体に形成された配線を介して電気的に接続されている。すなわち、第2電極270A-2は、第1電極270A-1との交差部において、支持体に形成された配線と重畳している。
【0044】
支持体には配線のみが形成されていてもよいが、配線と併せてトランジスタが形成さていてもよい。例えば、トランジスタを含むドライバ120が支持体に形成されていてもよい。そこで、図5を参照して、支持体290に形成されるトランジスタ300について説明する。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態に係る発光装置200に含まれるトランジスタ300の断面図である。
【0046】
図5に示すように、支持体290は、基板310を含み、基板310上にトランジスタ300が形成されている。トランジスタ300は、半導体層300a、ゲート絶縁層300b、ゲート電極層300c、層間絶縁層300d、ソース電極層300e、およびドレイン電極層300fを含む。ゲート絶縁層300bは、半導体層300aを覆うように設けられている。層間絶縁層300dは、ゲート電極層300cを覆うように設けられている。ゲート絶縁層300bおよび層間絶縁層300dには開口部が設けられ、ソース電極層300eおよびドレイン電極層300fが、開口部を介して半導体層300aと電気的に接続されている。
【0047】
図5に示すトランジスタ300は、トップゲート型トランジスタである。なお、トランジスタ300として、ボトムゲート型トランジスタを用いることもできる。
【0048】
基板310としては、例えば、ガラス基板、石英基板、およびサファイア基板などの剛性基板を用いることができる。また、基板310としては、例えば、ポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板などの可撓性基板を用いることができる。可撓性基板の耐熱性を向上させるために、可撓性基板に不純物が導入されていてもよい。さらに、基板310が透光性を必要としない場合、基板310としては、例えば、シリコン基板、炭化シリコン基板、または化合物半導体基板などの半導体基板、もしくはステンレス基板などの導電性基板を用いることができる。
【0049】
半導体層300aの材料として、例えば、アモルファスシリコンまたはポリシリコンなどのシリコン、または酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム(Ga)、または酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)などの酸化物半導体を用いることができる。半導体層300aは、チャネル形成領域だけでなく、ソース領域またはドレイン領域(高濃度不純物領域)を含むことができる。また、チャネル形成領域とソース領域またはドレイン領域との間に、低濃度不純物領域を含むこともできる。
【0050】
ゲート絶縁層300bの材料として、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、または窒化アルミニウムを用いることができる。また、ゲート絶縁層300bは、単層または積層とすることができる。
【0051】
ゲート電極層300cの材料として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、またはタングステン(W)などの金属、若しくはこれらの合金を用いることができる。また、ゲート電極層300cは、単層または積層とすることができる。
【0052】
層間絶縁層300dの材料として、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、または窒化アルミニウムを用いることができる。また、層間絶縁層300dは、単層または積層とすることができる。
【0053】
ソース電極層300eおよびドレイン電極層300fの材料として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、またはタングステン(W)などの金属、もしくはこれらの合金を用いることができる。また、ソース電極層300eおよびドレイン電極層300fは、単層または積層とすることができる。ゲート絶縁層300bおよび層間絶縁層300dには開口部が設けられている。ソース電極層300eおよびドレイン電極層300fは、ゲート絶縁層300bおよび層間絶縁層300dに設けられた開口部を介して、半導体層300aと電気的に接続されている。
【0054】
トランジスタ300は、ゲート電極層300c、ソース電極層300e、およびドレイン電極層300fの導電層を有する。したがって、支持体290に含まれるトランジスタ300のゲート電極層300c、ソース電極層300e、およびドレイン電極層300fのいずれか1つと同一の層を、第1電極270A-1の配線とすることができる。
【0055】
本実施形態に係る発光装置100Aによれば、発光ユニット110Aの第1方向および第2方向の各々において、第1LEDユニット210Aに含まれるLEDチップ260と第2LEDユニット220Aに含まれるLEDチップ260とが交互に配置されている。そのため、第1LEDユニット210Aを発光状態とし、第2LEDユニット220Aを非発光状態としたときであっても、第1LEDユニット210AのLEDチップ260と第2LEDユニット220AのLEDチップ260の配置の対称性が高いため、発光ユニット110Aからの発光が均一化される。そのため、発光ユニット110Aの輝度ムラが低減される。また、複数の発光ユニット110Aを配置した発光装置100Aの輝度ムラも低減することができる。
【0056】
<変形例>
図6を参照して、本発明の一実施形態に係る発光装置100Aの変形例である発光ユニット100Bの構成について説明する。なお、以下では、便宜上、発光装置100Aと同様の構成については、説明を省略する場合がある。
【0057】
図6は、本発明の一実施形態に係る発光装置100Bに含まれる発光ユニット110Bの平面の部分拡大図である。
【0058】
図6に示すように、発光ユニット110Bは、第1LEDユニット210A、第2LEDユニット220A、第1高電位電源線230B、第2高電位電源線240、および低電位電源線250Bを含む。第1LEDユニット210Aは、第1高電位電源線230Bおよび低電位電源線250Bと電気的に接続されている。また、第2LEDユニット220Aは、第2高電位電源線240および低電位電源線250Bと電気的に接続されている。したがって、第1LEDユニット210Aは、第1高電位電源線230Bによって発光を制御することができ、第2LEDユニット220Aは、第2高電位電源線240によって発光を制御することができる。
【0059】
発光ユニット110Bでは、低電位電源線230Bおよび第1高電位250Bが共通化されている。具体的には、隣接する第1LEDユニット210A(または第2LEDユニット220A)の間の低電位電源線250Bが共通化されている。また、隣接する第1LEDユニット210Aの間の第1高電位電源線230Bも共通化されている。また、発光ユニット110Bでは、第2方向において、共通化された低電位電源線250Bと第1高電位電源線230Bとが交互に配置されている。
【0060】
本変形例に係る発光装置100Bによれば、共通化された低電位電源線250Bおよび第1高電位電源線230が共通化されているため、より多くの第1LEDユニット210Aおよび第2LEDユニット220Aを配置することができる。そのため、発光装置100Bは、精細度が高く、より高精細な制御が可能となる。
【0061】
<第3実施形態>
図7を参照して、本発明の一実施形態に係る照明器具400の構成について説明する。
【0062】
図7は、本発明の一実施形態に係る照明器具400の分解斜視図である。具体的には、図7(A)は、照明器具400に含まれる発光装置100側から眺めた斜視図であり、図7(B)は、発光装置100の反対側から眺めた斜視図である。
【0063】
図7に示すように、照明器具400は、発光装置100およびカバー410を含む。照明器具400を天井または壁に設置する場合、発光装置100側が天井または壁に設置する側となる。
【0064】
カバー410は、発光装置100を収容し、保護することができる。カバー410は、発光装置100に着脱可能に取り付けられることが好ましい。カバー410を取り外すことができると、発光装置100に含まれる発光ユニット110が故障した場合に発光ユニット110を容易に交換することができる。また、カバー410は、透光性および拡散性を有する乳白色の樹脂材料を用いることができる。照明器具400内の発光装置100がカバー410によって見えなくなるため、照明器具400の美的外観を向上させることができる。さらに、カバー410は、平面部だけでなく、湾曲部を有していてもよい。
【0065】
発光装置100の発光ユニット110は、発光装置100から着脱可能であってもよい。上述したように、発光ユニット110が故障したときに、発光装置100を交換するのではなく、発光ユニット110を交換することができる。
【0066】
照明器具400では、発光装置100の発光ユニット110を制御することで、多様な照明が可能となる。
【0067】
例えば、照明器具400では、複数の発光ユニット110の点灯状態および消灯状態を制御して、照明が必要なエリアのみに選択的に照明を当てることができる。この場合において、発光ユニット110に含まれる第1LEDユニット210および第2LEDユニット220を制御して、照明の階調を調整することができる。照明器具400では、照明が当てられたエリア内において、さらに対称性が高く配置された第1LEDユニット210および第2LEDユニット220を用いて照明の階調が調整されるため、均一な照明(または輝度ムラが低減された照明)が可能となる。
【0068】
また、例えば、第1LEDユニット210に含まれるLEDチップ260を白色LEDチップとし、第2LEDユニット220に含まれるLEDチップ260を黄色LEDチップとすることができる。この場合、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220とを制御することで、昼光色、昼白色、または電球色など、照明の色を切り替えることができる。
【0069】
昼光色の照明は、青色が強い照明であり、第2LEDユニット220の黄色LEDチップの輝度よりも、第1LEDユニット210の白色LEDチップの輝度が大きくなるように制御する。昼白色の照明は、外光に近い照明であり、第1LEDユニット210の白色LEDチップの輝度と第2LEDユニット220の黄色LEDチップの輝度とが同程度となるように制御する。電球色の照明は、第1LEDユニット210の白色LEDチップの輝度よりも、第2LEDユニット220の黄色LEDチップの輝度が大きくなるように制御する。
【0070】
照明器具400では、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220との配置の対象性が高いため、均一な照明が可能となる。
【0071】
なお、図7に示す照明器具400では、発光装置100を直下型となるように配置したが、発光装置100がエッジ型となるように配置することもできる。
【0072】
本実施形態に係る照明器具400によれば、発光装置100を用い、発光ユニット110、第1LEDユニット210、および第2LEDユニット220を制御することにより多様な照明が可能である。また、第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の配置の対称性が高いため、照明器具400は、均一な照明が可能である。
【0073】
<第4実施形態>
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置500の構成について説明する。
【0074】
図8は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置500の分解斜視図である。
【0075】
図8に示すように、液晶表示装置500は、発光装置100、光学シート510、および液晶表示パネル520を含む。光学シート510は、発光装置100と液晶表示パネル520との間に設けられている。液晶表示パネルは520は、画像又は映像が表示される表示面522を含む。
【0076】
光学シート510は、光集光シート(プリズムシート)または光拡散シートなどであり、発光装置100から照射された光を集光し、または拡散することによって、光学シート510内で光が均一化される。光学シート510によって均一化された光が液晶表示パネル520に入射されるため、液晶表示装置500の輝度ムラが低減される。
【0077】
液晶表示パネル520は、液晶、および液晶に電圧を印加する電極を含む。また、液晶表示パネル520は、液晶を駆動する(電極に印加する電圧を制御する)ためのトランジスタを含む。液晶表示パネル520では、液晶を制御して発光装置100からの光を透過または遮光することによって、表示面522に画像または映像を表示することができる。また、液晶表示パネル520にカラーフィルタが含まれることで、液晶表示装置500のフルカラー表示が可能となる。さらに、液晶表示パネル520は、偏光板を含んでいてもよい。2枚の偏光板で液晶を挟むことで、発光装置100からの出射光を一定の方向に偏向することができる。2枚の偏光板は、透過軸が直交する、いわゆるクロスニコルで設けることができる。
【0078】
液晶表示装置500では、発光装置100の発光ユニット110を1つの区画としてローカルディミング駆動を行うことができる。すなわち、表示面522において、画像または映像の表示が必要な領域に対応する発光ユニット110を点灯させ、画像または映像の表示が不要な領域に対応する発光ユニット110を消灯させることができる。ローカルディミング駆動することにより、表示のコントラストを向上させることができる。
【0079】
発光ユニット110において、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220とが交互に配列され、配列の対称性が高い。また、第1LEDユニット210と第2LEDユニット220とは、第1方向だけでなく、第2方向にも交互に配列されているため、発光ユニット110からの発光が均一化され、発光ユニット110の輝度ムラが低減される。また、複数の発光ユニット110が配置された発光装置100の輝度ムラも低減することができる。
【0080】
本実施形態に係る液晶表示装置によれば、発光装置100の第1LEDユニット210および第2LEDユニット220の配置の対称性が高いため、ローカルディミング駆動した場合にも発光装置100の輝度ムラが低減されている。そのため、液晶表示装置の表示品位が向上する。また、発光装置100の制御の自由度が高く、液晶表示装置500は、さらなる低消費電力化をすることができる。
【0081】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0082】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0083】
100、100A:発光装置、 110、110A:発光ユニット、 120:ドライバ、 130:コントローラ、 200:発光装置、 210、210A:第1LEDユニット、 220、220A:第2LEDユニット、 230、230B:第1高電位電源線、 240:第2高電位電源線、 250、250B:低電位電源線、 260:LEDチップ、 270:電極、 270A-1:第1電極、 270A-2:第2電極、 290:支持体、 300:トランジスタ、 300a:半導体層、 300b:ゲート絶縁層、 300c:ゲート電極、 300d:層間絶縁層、 300e:ソース電極、 300f:ドレイン電極、 310:基板、 400:照明器具、 410:カバー、 500:液晶表示装置、 510:光学シート、 520:液晶表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8