(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】認証装置、コンピュータプログラム、および認証システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20231221BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20231221BHJP
B60R 25/25 20130101ALI20231221BHJP
【FI】
E05B49/00 R
B60R25/24
B60R25/25
E05B49/00 K
(21)【出願番号】P 2020051259
(22)【出願日】2020-03-23
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤野 詞音
(72)【発明者】
【氏名】梶田 基貴
(72)【発明者】
【氏名】塚原 靖典
(72)【発明者】
【氏名】原田 久光
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-8639(JP,A)
【文献】特開2014-234637(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151862(WO,A1)
【文献】特開2010-195061(JP,A)
【文献】特開2013-136299(JP,A)
【文献】特開2009-211488(JP,A)
【文献】特開2004-314906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
E05F 1/00-17/00
B60R 25/24-25/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を受け付ける受付部と、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行する処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記認証処理が成立しなかった場合に、
前記画像情報とは異なる再認証情報を
前記被認証者による携帯が可能であるモバイル装置から前記受付部に受け付けさせ、
前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記対象物のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記対象物に搭載された被制御装置の制御を許可し、
前記再認証情報は、前記モバイル装置からサーバ装置に搭載された処理装置へ無線通信ネットワークを介して送信された前記被認証者を識別する識別情報への応答として当該処理装置から前記モバイル装置へ無線送信されたものである、
認証装置。
【請求項2】
被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を受け付ける受付部と、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行する処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記認証処理が成立しなかった場合に、
前記画像情報とは異なる再認証情報を前記受付部に受け付けさせ、
前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記対象物のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記対象物に搭載された被制御装置の制御を許可し、
前記受付部は、前記被認証者による携帯が可能であるモバイル装置から前記画像情報を受け付ける、
認証装置。
【請求項3】
前記受付部は、無線通信を通じて前記再認証情報を受け付ける、
請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記対象物に搭載されるように構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の認証装置。
【請求項5】
前記対象物は、移動体である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の認証装置。
【請求項6】
認証装置の処理部によって実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記認証装置は、
被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を受け付け、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行し、
前記認証処理が成立しなかった場合に、前記画像情報とは異なる再認証情報を前記被認証者による携帯が可能であるモバイル装置から受け付け、
前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記対象物のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記対象物に搭載された被制御装置の制御を許可
し、
前記再認証情報は、前記モバイル装置からサーバ装置に搭載された処理装置へ無線通信ネットワークを介して送信された前記被認証者を識別する識別情報への応答として当該処理装置から前記モバイル装置へ無線送信されたものである、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
認証装置の処理部によって実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記認証装置は、
被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を前記被認証者による携帯が可能であるモバイル装置から受け付け、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行し、
前記認証処理が成立しなかった場合に、前記画像情報とは異なる再認証情報を受け付け、
前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記対象物のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記対象物に搭載された被制御装置の制御を許可する、
コンピュータプログラム。
【請求項8】
被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を出力する撮像装置と、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行する認証装置と
、
前記被認証者により携帯が可能で
あるモバイル装置と、
無線通信ネットワークを介して前記モバイル装置と通信可能なサーバ装置に搭載され、前記画像情報とは異なる再認証情報を出力する処理装置と、
を備えており、
前記モバイル装置は、前記被認証者を識別する識別情報を前記処理装置へ無線送信し、
前記処理装置は、前記識別情報の応答として前記再認証情報を前記モバイル装置へ無線送信し、
前記認証装置は、前記認証処理が成立しなかった場合に、
前記モバイル装置から無線送信された前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記対象物のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記対象物に搭載された被制御装置の制御を許可する、
認証システム。
【請求項9】
被認証者による携帯が可能であるモバイル装置と、
前記モバイル装置に搭載され、前記被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を出力する撮像装置と、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行する認証装置と、
前記画像情報とは異なる再認証情報を出力する処理装置と、
を備えており、
前記認証装置は、前記認証処理が成立しなかった場合に、
前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記対象物のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記対象物に搭載された被制御装置の制御を許可する、
認証システム。
【請求項10】
前記撮像装置は、前記対象物に搭載される、
請求項8または9に記載の認証システム。
【請求項11】
前記対象物は、移動体である、
請求項10に記載の認証システム。
【請求項12】
前記処理装置は、無線通信を介して前記再認証情報を送信する、
請求項9から11のいずれか一項に記載の認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を行なう認証装置に関連する。本発明は、当該認証装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。本発明は、当該認証装置を含む認証システムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、対象物の一例としての車両に適用される認証システムを開示している。当該システムにおいては、当該車両に搭載された撮像装置により被認証者が写り込んだ画像が取得され、当該画像に基づいて認証処理が実行される。認証結果に基づいて、当該車両における座席の位置が調節される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、画像情報に基づいて被認証者を対象物のユーザとして認証する認証システムの利便性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための一態様は、認証装置であって、
被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を受け付ける受付部と、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行する処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記認証処理が成立しなかった場合に、
前記画像情報とは異なる再認証情報を前記受付部に受け付けさせ、
前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記対象物のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記対象物に搭載された被制御装置の制御を許可する。
【0006】
上記の目的を達成するための一態様は、認証装置の処理部によって実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記認証装置は、
被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を受け付け、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行し、
前記認証処理が成立しなかった場合に、前記画像情報とは異なる再認証情報を受け付け、
前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記対象物のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記対象物に搭載された被制御装置の制御を許可する。
【0007】
上記の目的を達成するための一態様は、認証システムであって、
被認証者が写り込んだ画像に対応する画像情報を出力する撮像装置と、
前記画像情報に基づいて前記被認証者を対象物のユーザとして認証する認証処理を実行する認証装置と、
前記画像情報とは異なる再認証情報を出力する処理装置と、
を備えており、
前記認証装置は、前記認証処理が成立しなかった場合に、
前記再認証情報に基づいて前記被認証者を前記移動体のユーザとして認証する再認証処理を実行し、
前記再認証処理が成立した場合、前記移動体に搭載された被制御装置の制御を許可する。
【0008】
上記の各態様に係る構成によれば、何らかの理由により画像情報に基づく認証処理が成立しなくなった場合において、画像情報とは異なる再認証情報を用いて被制御装置の制御を可能にする手段を提供できる。問題が発生した対象物の場所によらず被認証者が再認証情報を取得する機会を提供できるので、出張サービススタッフなどの派遣を待つことなく問題が解消する可能性を高めることができる。出張サービススタッフの側からすると、出動の機会を必要最低限に抑えることができる。したがって、画像情報に基づいて認証処理を行なう認証システムの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る認証システムの機能構成を例示している。
【
図3】
図1の認証装置により実行される処理の流れを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る認証システム10の機能構成を例示している。認証システム10は、
図2に例示される被認証者20を車両30のユーザとして認証する認証処理を実行するためのシステムである。車両30は、対象物の一例である。
【0011】
図1に例示されるように、認証システム10は、撮像装置11を含んでいる。撮像装置11は、被認証者20が写り込んだ画像を取得し、当該画像に対応する画像情報Iを出力するように構成されている。画像情報Iは、アナログデータの形態でもよいし、デジタルデータの形態でもよい。
【0012】
認証システム10は、認証装置12を含んでいる。認証装置12は、受付部121と処理部122を備えている。受付部121は、撮像装置11から画像情報Iを受け付けるように構成されている。画像情報Iがアナログデータの形態である場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を含みうる。処理部122は、デジタルデータの形態である画像情報Iを処理の対象とする。
【0013】
処理部122は、画像情報Iに基づいて認証処理を実行するように構成されている。具体的には、処理部122は、不図示の記憶部に予め保存されている被認証者20の画像情報と画像情報Iを比較し、両者の一致度を取得する。一致度が規定された閾値を上回る場合、処理部122は、画像情報Iに基づく認証処理を成立させる。
【0014】
認証装置12は、出力部123を備えている。処理部122は、画像情報Iに基づく認証処理が成立すると、出力部123を通じて制御情報Cを出力するように構成されている。制御情報Cは、デジタルデータの形態でもよいし、アナログデータの形態でもよい。制御情報Cがアナログデータの形態である場合、出力部123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を含みうる。
【0015】
認証システム10は、制御装置13を含んでいる。制御装置13は、車両30に搭載されている。制御装置13は、認証装置12から出力された制御情報Cに基づいて、車両30に搭載された被制御装置40の動作を制御するように構成されている。被制御装置40の例としては、ドアや窓などの開閉体の施錠装置、エンジン、空調装置、照明装置、音響映像装置、座席位置の調節装置などが挙げられる。例えば、被認証者20が車両30に近づきながら認証処理を成立させると、車両30のドアが解錠される。
【0016】
撮像装置11は、車両30に搭載されてもよいし、
図2に例示される被認証者20による携帯が可能なモバイル装置50に搭載されてもよい。モバイル装置50の例としては、汎用のスマートフォンや、専用のスマートキーなどが挙げられる。
【0017】
撮像装置11がモバイル装置50に搭載される場合、画像情報Iは、適宜の規格に基づく無線通信により認証装置12へ送信される。規格の例としては、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、LTE、5Gなどが挙げられる。
【0018】
認証装置12は、車両30に搭載されてもよいし、
図2に例示される車両30とモバイル装置50の少なくとも一方と適宜の規格に基づく無線通信ネットワーク60を介して通信可能なサーバ装置70に搭載されてもよい。規格の例としては、LTE、5Gなどが挙げられる。
【0019】
認証装置12が車両30に搭載される場合、認証装置12による認証処理と制御装置13による制御処理は、共通の装置あるいは素子によって行なわれてもよい。
【0020】
認証装置12がサーバ装置70に搭載される場合、撮像装置11から出力された画像情報Iが、無線通信ネットワーク60を介して認証装置12に送信される。処理部122による認証処理の結果として出力されうる制御情報Cは、無線通信ネットワーク60を介して制御装置13へ送信される。
【0021】
図1に例示されるように、認証システム10は、処理装置14を含んでいる。処理装置14は、画像情報Iとは異なる再認証情報Rを出力するように構成されている。
【0022】
本明細書で用いられる「画像情報とは異なる再認証情報」という語は、画像ではない情報、画像情報Iに対応する画像とは異なる画像に対応する情報、および画像情報Iに対応する画像と同一の画像に対応しており、別の通信方式で認証装置12へ送信される情報を含む意味である。
【0023】
図3は、認証装置12の処理部122により実行される処理の流れを例示している。
【0024】
処理部122は、受付部121を通じて撮像装置11から画像情報Iを受け付ける(STEP1)。画像情報Iは、例えば被認証者20の顔が写り込んだ画像に対応している。
【0025】
続いて、処理部122は、認証処理を実行する(STEP2)。前述の通り、処理部122は、不図示の記憶部に予め保存されている被認証者20の画像情報と画像情報Iを比較し、両者の一致度を取得する。
【0026】
続いて、処理部122は、認証処理が成立したかを判断する(STEP3)。STEP2における比較の結果、一致度が規定された閾値を上回る場合、処理部122は、画像情報Iに基づく認証処理が成立したと判断する。
【0027】
認証処理が成立したと判断されると(STEP3においてYES)、処理部122は、規定された被制御装置40の動作に対応する制御情報Cを、出力部123から出力する(STEP4)。制御情報Cは、制御装置13へ送信される。制御装置13は、制御情報Cに基づいて被制御装置40に規定された動作を実行させる。
【0028】
画像情報Iに基づく認証処理が成立しなかったと判断されると(STEP3においてNO)、処理部122は、被認証者20に認証処理の不成立を示すとともに再認証情報Rを要求する報知処理を実行する(STEP5)。
【0029】
報知処理は、視覚的報知、聴覚的報知、および触覚的報知の少なくとも一つを用いてなされる。例えば、認証装置12は、車両30に搭載された不図示のスピーカに「認証に失敗しました。再認証のためにXXXしてください。」という案内メッセージを出力させうる。あるいは、認証装置12は、
図2に例示されるモバイル装置50の表示部51に同様のメッセージを表示させるデータを、モバイル装置50へ無線送信しうる。
【0030】
上記メッセージにおける「XXX」の部分には、再認証情報Rを認証装置12に入力するために被認証者20がとるべき行動が示される。被認証者20は、当該行動を通じて再認証情報Rを認証装置12に入力する。認証装置12の受付部121は、再認証情報Rを受け付ける(STEP6)。
【0031】
例えば、「サポートセンターに連絡し、パスワードを取得してください」という指示がなされうる。当該指示への応答として、被認証者20は、モバイル装置50を用いてサポートセンターに連絡し、適宜の本人確認手続を行なう。
【0032】
この場合、
図1に例示される処理装置14は、
図2に例示されるサーバ装置70に搭載されうる。手続を通じて被認証者20がユーザ本人であることが確認されると、処理装置14は、ワンタイムパスワードを出力する。ワンタイムパスワードは、バーコードなどの画像であってもよいし、不可視の解除コードであってもよい。
【0033】
本人確認のための手続は、サポートスタッフとの会話を通じてなされうる。この場合、処理装置14によるワンタイムパスワードの出力は、当該サポートスタッフの手作業により行なわれる。
【0034】
あるいは、本人確認のための手続は、モバイル装置50と処理装置14の間でなされるデータ通信を通じて自動化されうる。例えば、被認証者20を識別する識別情報がモバイル装置50から処理装置14へ無線送信されうる。識別情報の例としては、モバイル装置50に搭載されたカメラで撮影された被認証者20の顔写真、指紋情報、予め設定された質問に対する回答などが挙げられる。処理装置14は、サーバ装置70における不図示の記憶部に保存されている識別情報とモバイル装置50から受信した識別情報の照合を行なう。処理装置14は、両者の一致度が閾値を上回ると判断されると、ワンタイムパスワードを出力する。
【0035】
処理装置14から出力されたワンタイムパスワードは、無線通信ネットワーク60を介してモバイル装置50へ送信されうる。この場合、再認証情報Rとしてワンタイムパスワードは、モバイル装置50を経由して認証装置12へ入力される。
【0036】
例えば、ワンタイムパスワードが画像である場合、当該画像がモバイル装置50の表示部51に表示される。
図1に破線で例示されるように、被認証者20は、当該画像を車両30に搭載された撮像装置11に撮像させることにより、再認証情報Rを認証装置12の受付部121に受け付けさせる。
【0037】
例えば、ワンタイムパスワードが不可視の解除コードである場合、当該解除コードが認証装置12へ無線送信可能な状態でモバイル装置50に受信される。被認証者20は、当該解除コードを認証装置12へ無線送信することにより、再認証情報Rを認証装置12の受付部121に受け付けさせる。
【0038】
認証装置12とサーバ装置70の間で無線通信が可能であれば、処理装置14が不可視の可視コードであるワンタイムパスワードを直接的に認証装置12へ送信することにより、再認証情報Rを認証装置12の受付部121に受け付けさせうる。
【0039】
車両30に搭載された撮像装置11により取得された画像に対応する画像情報Iに基づく認証処理が成立しなかった場合、報知処理として「お手持ちの装置で撮影した顔写真を送信してください」という指示がなされうる。当該指示への応答として、被認証者20は、モバイル装置50に搭載された撮像装置で自らの顔写真を撮影する。
【0040】
この場合、
図1に例示される処理装置14は、
図2に例示されるモバイル装置50に搭載されうる。処理装置14は、被認証者20が写り込んだ画像に対応する画像情報を、再認証情報Rとして出力する。被認証者20は、当該画像情報を認証装置12へ無線送信することにより、再認証情報Rを認証装置12の受付部121に受け付けさせる。
【0041】
モバイル装置50に搭載された撮像装置11により取得された画像に対応する画像情報Iに基づく認証処理が成立しなかった場合、報知処理として「通信方式を変更して画像を再送信してください」という指示がなされうる。例えばブルートゥース規格に基づく無線通信を通じて画像情報Iが送信された結果として認証処理が成立しなかった場合、当該指示に応答して、被認証者20は、モバイル装置50の設定を、LTE規格に基づく無線通信を行なうように変更する。
【0042】
この場合、
図1に例示される処理装置14は、
図2に例示されるモバイル装置50に搭載されうる。処理装置14は、画像情報Iを、再認証情報Rとして出力する。被認証者20は、LTE規格に基づいて画像情報Iを認証装置12へ無線送信することにより、再認証情報Rを認証装置12の受付部121に受け付けさせる。
【0043】
続いて、認証装置12の処理部122は、上記に例示した様々な態様で入力された再認証情報Rに基づいて、再認証処理を実行する(
図3のSTEP7)。再認証情報Rがワンタイムパスワードである場合、処理部122は、原則として再認証処理を成立させる。当該ワンタイムパスワードを取得するために相応のセキュリティレベルを有する認証手続きを経ているからである。被認証者20が写り込んだ画像が再認証情報Rとして再入力される場合、処理部122は、当該画像を不図示の記憶部に予め保存されている被認証者20の画像と照合する。
【0044】
続いて、処理部122は、再認証処理が成立したかを判断する(STEP8)。再認証処理が成立したと判断されると(STEP8においてYES)、処理部122は、制御装置13による被制御装置40の制御を許可する。すなわち、処理部122は、規定された被制御装置40の動作に対応する制御情報Cを、出力部123から出力する(STEP4)。制御情報Cは、制御装置13へ送信される。制御装置13は、制御情報Cに基づいて被制御装置40に規定された動作を実行させる。
【0045】
再認証処理が成立しなかったと判断されると(STEP8においてNO)、処理部122は、処理をSTEP5に戻し、再認証情報Rを再び要求する。この場合、成立しなかった再認証処理に使用された再認証情報Rとは異なる再認証情報を取得可能な行動が被認証者20に要求されることが好ましい。
【0046】
上記のような構成によれば、何らかの理由により画像情報Iに基づく認証処理が成立しなくなった場合において、画像情報Iとは異なる再認証情報Rを用いて被制御装置40の制御を可能にする手段を提供できる。問題が発生した車両30の場所によらず被認証者20が再認証情報Rを取得する機会を提供できるので、出張サービススタッフなどの派遣を待つことなく問題が解消する可能性を高めることができる。出張サービススタッフの側からすると、出動の機会を必要最低限に抑えることができる。したがって、画像情報Iに基づいて認証処理を行なう認証システム10の利便性を高めることができる。
【0047】
図3に例示されるように、再認証処理の失敗が規定された回数だけ繰り返された場合、認証装置12は、エラーを報知する処理を実行しうる(STEP9)。このような状況下においては、被認証者20自身の行動のみによっては問題が解消できないエラーの存在が疑われる。被認証者20にその旨が報知されることによって、出張サービススタッフの派遣を待つなどの適切な対応をとることができる。
【0048】
これまで説明した各機能を有する処理部122は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。プロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。上記のコンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、通信ネットワークを介して外部サーバからダウンロードされて汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、外部サーバは、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。
【0049】
処理部122は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している記憶媒体の一例である。処理部122は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
【0050】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0051】
認証システム10は、車両30以外の移動体にも適用されうる。他の移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
【0052】
認証システム10は、移動体以外の対象物にも適用されうる。他の対象物の例としては、住宅、商業施設、校 舎、社屋、工場、研究施設などが挙げられる。
【符号の説明】
【0053】
10:認証システム、11:撮像装置、12:認証装置、121:受付部、122:処理部、13:制御装置、14:処理装置、20:被認証者、30:車両、40:被制御装置、50:モバイル装置、I:画像情報、R:再認証情報