(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】混練装置
(51)【国際特許分類】
B29B 7/20 20060101AFI20231221BHJP
B29B 7/22 20060101ALI20231221BHJP
B01F 27/72 20220101ALI20231221BHJP
【FI】
B29B7/20
B29B7/22
B01F27/72
(21)【出願番号】P 2020052141
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000229047
【氏名又は名称】日本スピンドル製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100173532
【氏名又は名称】井上 彰文
(72)【発明者】
【氏名】薮内 直也
(72)【発明者】
【氏名】松浪 亮
(72)【発明者】
【氏名】恋田 昭人
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-077064(JP,A)
【文献】特開2007-160721(JP,A)
【文献】特開2013-188918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 7/00- 7/94
B01F 27/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混練対象物が収納される収納空間を有する混練槽と、
前記混練対象物を混練する少なくとも1つのブレードとを備え、
前記混練槽は、組立状態および分解状態に関わらず前記ブレードが挿通する第1部材と、前記分解状態で前記第1部材に対し離間し、前記組立状態で前記第1部材に対し接近する第2部材とが含まれ、
前記
混練槽が装置本体に設置された状態での分解状態で、前記ブレードの一部が前記第1部材と前記第2部材との間から露出することを特徴とする混練装置。
【請求項2】
前記第1部材を介して前記第2部材と反対側に配置され、前記分解状態で前記第1部材に対し離間し、前記組立状態で前記第1部材に対し接近する第3部材を
更に備え、
前記第1部材と前記第3部材とが離間した状態で、前記ブレードの一部が前記第1部材と前記第3部材との間から露出する請求項1に記載の混練装置。
【請求項3】
前記混練槽は、底部と、前記底部を介し
て回転軸と直交する方向に対向する一対の第1側壁部と、前記底部を介して前記回転軸方向に対向する一対の第2側壁部とを有し、
前記第1部材には、前記底部および前記一対の第1側壁部が含まれ、
前記第2部材には、前記一対の第2側壁部のうちの一方の第2側壁部が含まれ、
前記第3部材には、前記一対の第2側壁部のうちの他方の第2側壁部が含まれる請求項2に記載の混練装置。
【請求項4】
前記第1部材を前記回転軸方向に沿って移動可能に支持する第1移動支持部と、
前記第2部材を前記回転軸方向に沿って移動可能に支持する第2移動支持部と、
前記第3部材を固定する固定部とを備える請求項
3に記載の混練装置。
【請求項5】
前記第1部材および前記第2部材の移動限界を規制する移動規制部を備える請求項4に記載の混練装置。
【請求項6】
前記第1部材および前記第2部材の移動距離は、100mm以上200mm以下である請求項5に記載の混練装置。
【請求項7】
前記ブレードの一部は、前記回転軸方向一方側または他方側の端部である請求項
3~6のいずれか1項に記載の混練装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混練装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形材料粉末とバインダとを混練するための混練槽と、混練槽内で回転可能なスクリュー軸と備える混練機が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の混練機では、混練後の射出成形材料粉末とバインダとが混練物を混練槽から取り出す際、混練槽の一部を取り外して、混練物の取り出しを容易に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の混合機では、例えば熱硬化性樹脂材の種類を変更する際、コンタミネーションを防止するために、混練槽およびスクリュー軸を清掃する。この場合、前記のように混練槽の一部を取り外しても、その取り外し箇所によっては、混練槽およびスクリュー軸の清掃が非常に行いづらく、時間がかかるという問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、ブレード(特にブレードの端部)の清掃を容易かつ迅速に行うことができる混練装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の混練装置の一つの態様は、混練対象物が収納される収納空間を有する混練槽と、前記混練対象物を混練する少なくとも1つのブレードとを備え、前記混練槽は、組立状態および分解状態に関わらず前記ブレードが挿通する第1部材と、前記分解状態で前記第1部材に対し離間し、前記組立状態で前記第1部材に対し接近する第2部材とが含まれ、前記分解状態で、前記ブレードの一部が前記第1部材と前記第2部材との間から露出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
組立状態では、例えばブレードと第2部材との間にわずかな隙間が生じることがある。この場合、当該隙間に混練対象物が入り込んで残留するおそれがある。
そこで、本発明によれば、第1部材と第2部材とが分解した分解状態として、ブレードと第2部材との間を広げることできる。そして、第1部材と第2部材との間の間隙を介して、手や清掃用具等を入れて、混練対象物が入り込んだ部分(特にブレードの端部)の清掃を容易かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の混練装置の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す混練装置が備える混練槽およびその周辺の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す混練装置が備える混練槽およびその周辺の正面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す混練装置の第1分解状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1に示す混練装置の第2分解状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の混練装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下では、説明の都合上、
図1~
図8中の上側を「上(または上方)」、下側を「下(または下方)」、左側を「左(または左方)」、右側を「右(または右方)」と言うことがある。また、
図1~
図8では、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を設定し、XY平面が水平面と平行となり、Z軸方向が鉛直方向と平行となっている。
【0010】
図1に示す混練装置1は、混練対象物Qとしての、ブタジエンゴムのようなゴム材料、ポリオレフィンのようなプラスチック材料等の高粘度の材料を混練する密閉式の混練装置である。混練装置1は、ベース21を有する装置本体2と、ベース21上に支持された混練槽ユニット3とを備える。
【0011】
図1に示すように、混練槽ユニット3は、混練槽4と、ブレード5と、第1回転支持機構31と、第2回転支持機構32と、冷却ライン34とを備える。
図2に示すように、混練槽4は、底部411と、底部411を介してY軸方向(ブレード5の回転軸と直交する方向)に対向する第1側壁部412および第1側壁部413と、底部411を介してX軸方向(ブレード5の回転軸方向)に対向する第2側壁部414および第2側壁部415とを有する箱状をなす。そして、底部411と、第1側壁部412と、第1側壁部413と、第2側壁部414と、第2側壁部415とで囲まれた空間(収納空間)40に混練対象物Qを収納することができる。
また、
図1に示すように、混練槽4は、上方に向かって開口しており、当該開口部は、空間40に対して混練対象物Qが投入、排出される投入排出口43として機能する。混練槽4内で混練対象物Qを混練する際には、装置本体2に上下方向に移動可能に支持された加圧蓋22を投入排出口43に挿入した状態で、その混練が行われる。
【0012】
図2に示すように、ブレード5は、混練槽4に対して、X軸と平行な軸回りに回転可能に支持されている。本実施形態では、混練槽ユニット3は、2本のブレード5を備えている。2本のブレード5は、Y軸方向に隣り合って配置されており、以下、Y軸方向正側に位置するブレード5を「第1ブレード5A」と言い、Y軸方向負側に位置するブレード5を「第2ブレード5B」と言う。なお、混練槽ユニット3が備えるブレード5の配置数は、前記実施形態では2本であるが、これに限定されず、例えば、1本または3本以上であってもよい。
【0013】
第1ブレード5Aおよび第2ブレード5Bは、それぞれ、X軸と平行に配置された円柱状をなし、その中心軸を回転軸として回転可能となる。また、第1ブレード5Aおよび第2ブレード5Bは、それぞれ、その長手方向の途中に、外周部に突出形成された少なくとも1つの翼部51を有する。翼部51は、螺旋状に形成されている。また、各ブレード5の翼部51が形成された部分は、外径が最大となる大径部52となっている。
【0014】
また、各ブレード5は、いずれも、混練槽4を挿通しており、各ブレードの翼部51は、混練槽4内に位置している。本実施形態では、第1ブレード5Aと第2ブレード5Bとの間で、第1ブレード5Aの翼部51と、第2ブレード5Bの翼部51とが相互に重なることがない接線方式となっている。そして、混練槽4内に混練対象物Qが収納された状態で、第1ブレード5Aと第2ブレード5Bとが回転することにより、各翼部51で混練対象物Qを攪拌して、混練することができる。
【0015】
第1ブレード5Aおよび第2ブレード5BのX軸方向正側には、それぞれ、第1回転支持機構31が配置されている。一方、第1ブレード5Aおよび第2ブレード5BのX軸方向負側には、それぞれ、第2回転支持機構32が配置されている。第1回転支持機構31は、X軸方向正側で各ブレード5を回転可能に支持し、第2回転支持機構32は、X軸方向負側で各ブレード5を回転可能に支持する。
【0016】
図2に示すように、第1回転支持機構31は、例えば、リング状部材313を有する。各ブレード5は、そのX軸方向正側の部分を、リング状部材313に差し込んで組み立てることにより、第1回転支持機構31に回転可能に支持された状態となる。
【0017】
また、各ブレード5は、そのX軸方向負側の部分が第2回転支持機構32に連結される。これにより、各ブレード5は、第2回転支持機構32に回転可能に支持された状態となる。
【0018】
第1回転支持機構31は、ベース21に固定された第1台座35に、下方から支持されている。また、第2回転支持機構32は、ベース21に固定された第2台座36に下方から支持されている。
また、第1ブレード5Aおよび第2ブレード5Bは、それぞれ、冷却ライン34が液密的に接続されている。
【0019】
図1に示すように、装置本体2は、第1回転駆動源23Aと、第2回転駆動源23Bとを有する。第1回転駆動源23Aは、第1ブレード5Aを回転させることができる。第2回転駆動源23Bは、第2ブレード5Bを回転させることができる。
第1回転駆動源23Aおよび第2回転駆動源23Bは、いずれも、混練槽ユニット3のX軸方向負側に配置されている。
【0020】
また、装置本体2は、第1連結部6Aと、第2連結部6Bとを有する。
第1連結部6Aは、第1ブレード5Aと第1回転駆動源23Aとを連結する。これにより、第1回転駆動源23Aの動力を、第1連結部6Aを介して、第1ブレード5Aに伝達して、第1ブレード5Aを回転させることができる。
第2連結部6Bは、第2ブレード5Bと第2回転駆動源23Bとを連結する。これにより、第2回転駆動源23Bの動力を、第2連結部6Bを介して、第2ブレード5Bに伝達して、第2ブレード5Bを回転させることができる。
【0021】
このように混練装置1では、第1回転駆動源23Aの動力が第1ブレード5Aの回転に用いられ、第2回転駆動源23Bの動力が第2ブレード5Bの回転に用いられる。これにより、例えば第1回転駆動源23Aおよび第2回転駆動源23Bの出力の程度に応じて、第1ブレード5Aの回転数と、第2ブレード5Bの回転数とを、それぞれ、独立して変更することができる。これにより、例えば混練対象物Qの種類によって混練条件を変更することができ、よって、混練対象物Qに対する混練精度を向上させることができる。
【0022】
また、
図1に示すように、第1回転駆動源23Aおよび第1連結部6A(以下「前者」と言う)と、第2回転駆動源23Bおよび第2連結部6B(以下「後者」と言う)とは、混練槽4に対して同じ側、すなわち、X軸方向負側に集約して配置されている。このような配置は、例えば前者が混練槽4のX軸方向正側に配置され、後者が混練槽4のX軸方向負側に配置されている、すなわち、前者と後者とが混練槽4を介してその両側に分散配置されている場合に比べて、混練装置1の小型化に寄与する。
【0023】
前述したように、混練装置1は、混練対象物Qの混練に用いられる装置である。混練装置1では、例えば混練対象物Qの種類を変更する際、コンタミネーションを防止するために、主に、混練槽4の内側やブレード5の翼部51周辺等を清掃する(以下この清掃を「ユニット清掃」と言う)。混練装置1は、ユニット清掃を容易かつ迅速に行うことができるよう、混練槽4が分解可能に構成されている。以下、この分解構成について説明する。
【0024】
図3~
図8に示すように、混練槽4は、X軸方向に沿って並んで配置され、X軸方向に互いに接近、離間可能な第1部材44と、第2部材45と、第3部材46とを有する。これらの部材のうち、第1部材44が中央に配置されている。第1部材44は、後述する組立状態および分解状態(第1分解状態、第2分解状態)に関わらず、各ブレード5の大径部52が挿通した状態となっている。第1部材44のX軸方向正側には、第2部材45が配置されている。第1部材44のX軸方向負側、すなわち、第1部材44を介して第2部材45と反対側には、第3部材46が配置されている。
【0025】
図3に示すように、第1部材44には、底部411、第1側壁部412および第1側壁部413が含まれる。第2部材45には、第2側壁部414および第2側壁部415のうちのX軸方向正側(一方)の第2側壁部414が含まれる。第3部材46には、第2側壁部414および第2側壁部415のうちのX軸方向負側(他方)の第2側壁部415が含まれる。
【0026】
また、混練槽4は、
図4に示す組立状態と、
図5~
図8に示す分解状態とを取り得る。分解状態には、
図5、
図6に示す第1分解状態と、
図7、
図8に示す第2分解状態とがある。
組立状態は、第1部材44と、第2部材45と、第3部材46とが互いに接近して(接して)組み立てられた状態であり、混練対象物Qを収納可能な空間40を画成することができる。
【0027】
第1分解状態は、組立状態にある第1部材44から第2部材45をX軸方向正側に離間させて、分解した状態である。なお、組立状態に戻すには、第2部材45を第1部材44に対しX軸方向負側に接近させればよい。
第2分解状態は、組立状態にある第3部材46から第1部材44と第2部材45とをX軸方向正側に一括して離間させて、分解した状態である。なお、組立状態に戻すには、第1部材44と第2部材45とを第3部材46に対しX軸方向負側に接近させればよい。また、第2分解状態から第1部材44を第3部材46に対しX軸方向負側に接近させれば、第1分解状態となる。
【0028】
また、前述したように、第1部材44、第2部材45および第3部材46がX軸方向に沿って並んで配置されている。これにより、組立状態から分解状態に、または、分解状態から組立状態に容易に移行することができる。
【0029】
図3に示すように、装置本体2は、ベース21上に配置された第1移動支持部25と、第2移動支持部26と、移動規制部27と、固定部28とを有する。なお、
図1、
図4~
図8では、第1移動支持部25および移動規制部27が省略されている。
【0030】
第1移動支持部25は、第1部材44をX軸方向に沿って移動可能に支持することができる。第2移動支持部26は、第2部材45をX軸方向に沿って移動可能に支持することができる。第1移動支持部25と第2移動支持部26とは、それぞれ、リニアガイドで構成される。また、本実施形態では、第1移動支持部25と第2移動支持部26とは、X軸方向と平行に配置されたレール29を共有している。第1移動支持部25は、レール29上を摺動するスライダ251を有する。第2移動支持部26は、スライダ251のX軸方向正側に配置され、レール29上を摺動するスライダ261を有する。
【0031】
スライダ251上には、第1部材44が連結されている。これにより、第1部材44は、スライダ251とともに、レール29に沿って移動することができる。
また、スライダ261上には、第1台座35が固定されており、この第1台座35を介して第2部材45が連結される。これにより、第2部材45は、第1台座35およびスライダ261とともに、レール29に沿って移動することができる。
【0032】
移動規制部27は、第1部材44および第2部材45のX軸方向正側への移動限界を規制する。移動規制部27は、ベース21上で、レール29のX軸方向正側に固定されたブロックで構成される。これにより、第2部材45は、X軸方向正側に移動した際には、移動規制部27に当接する。これにより、第2部材45の移動限界が規制され、よって、第2部材45(スライダ261)がレール29から離脱するのが防止される。また、移動規制部27に当接した第2部材45には、第1部材44がX軸方向正側から当接することができる。これにより、第1部材44の移動限界が規制され、よって、第1部材44(スライダ251)がレール29から離脱するのが防止される。また、第2部材45や第1部材44がレール29から離脱することを防止することで、わざわざ混練槽4全体を分解して掃除する必要が無い。このため、清掃作業を迅速に行うことができる。
【0033】
固定部28は、第3部材46を固定する部材であり、本実施形態では第3部材46に連結された第2台座36が固定部28の機能を果たす。なお、固定部28は、第2台座36とは別の部材で構成されていてもよい。
【0034】
図5、
図6に示すように、第1分解状態では、第1部材44と第2部材45とが離間して、これらの部材同士の間に間隙47生じる。
図6に示すように、第1分解状態で、第1部材44と第2部材45との間、すなわち、間隙47からは、ブレード5の一部である大径部52のX軸方向正側(回転軸方向一方側)の端部(一端部)521が露出する。
【0035】
組立状態では、端部521と第2部材45との間にわずかな(例えば2mm以下の)隙間が生じるため、この隙間に混練対象物Qが入り込んで残留するおそれがある。
そこで、ユニット清掃時に第1分解状態とすることにより、端部521と第2部材45との間を広げることできる。そして、間隙47を介して、手や清掃用具等を入れて、端部521等の清掃を容易かつ迅速に行うことができる。これにより、前述の残留した、すなわち、端部521に付着した混練対象物Qを十分に除去することができ、コンタミネーションを防止することができる。
【0036】
図7、
図8に示すように、第2分解状態では、第1部材44と第3部材46とが離間して、これらの部材同士の間に間隙48生じる。
図8に示すように、第2分解状態で、第1部材44と第3部材46との間、すなわち、間隙48からは、ブレード5の一部である大径部52のX軸方向負側(回転軸方向他方側)の端部(他端部)522が露出する。
【0037】
第1分解状態のときと同様に、ユニット清掃時に第2分解状態とすることにより、端部521と第3部材46との間を広げることできる。そして、間隙48を介して、手や清掃用具等を入れて、端部522等の清掃を容易かつ迅速に行うことができる。これにより、端部522に付着した混練対象物Qを十分に除去することができ、コンタミネーションを防止することができる。
【0038】
また、ユニット清掃後は、混練槽4を再度組立状態とする。
以上のように、混練装置1では、ブレード5の端部521と端部522等の清掃し難い部分に対して、掃除を容易かつ迅速に行うことができ、機掃性に優れる。
【0039】
前述したように、移動規制部27により、第1部材44および第2部材45の移動限界を規制される、すなわち、移動可能距離が制限される。第1部材44および第2部材45の移動可能距離は、例えば、100mm以上200mm以下であるのが好ましい。これにより、手の大きさや清掃用具の大きさにもよるが、これらを挿入するのに過不足ない程度に、間隙47の大きさと、間隙48の大きさとを確保することができる。
【0040】
また、移動可能距離が前記数値範囲を超えた場合には、例えば、混練装置1のX軸方向に沿った全長が長くなり、大型化するが、移動可能距離を前記数値範囲内に収めることにより、混練装置1の小型化を図ることができる。
【0041】
以上、本発明の混練装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、混練装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0042】
また、混練槽4は、前記実施形態では第1部材44、第2部材45および第3部材46の合計3つの部材を有するが、混練槽4が有する部材の総数数は、3つに限定されず、例えば、2つまたは4つ以上であってもよい。
また、混練槽4は、装置本体2に設置された状態で、分解状態となるが、これに限定されず、装置本体2から離脱した状態で、分解状態となってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 混練装置
2 装置本体
21 ベース
22 加圧蓋
23A 第1回転駆動源
23B 第2回転駆動源
25 第1移動支持部
251 スライダ
26 第2移動支持部
261 スライダ
27 移動規制部
28 固定部
29 レール
3 混練槽ユニット
31 第1回転支持機構
313 リング状部材
32 第2回転支持機構
34 冷却ライン
35 第1台座
36 第2台座
4 混練槽
40 収納空間(内部空間)
411 底部
412 第1側壁部
413 第1側壁部
414 第2側壁部
415 第2側壁部
43 投入排出口
44 第1部材
45 第2部材
46 第3部材
47 間隙
48 間隙
5 ブレード
5A 第1ブレード
5B 第2ブレード
51 翼部
52 大径部
521 端部(一端部)
522 端部(他端部)
6A 第1連結部
6B 第2連結部
Q 混練対象物