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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】インフラシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231221BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20231221BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/04 C
G08G1/09 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020071764
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021168076
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保庭 拓也
(72)【発明者】
【氏名】塚本 真弘
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-12449(JP,A)
【文献】特開2016-143092(JP,A)
【文献】特表2019-507394(JP,A)
【文献】特開2013-164688(JP,A)
【文献】国際公開第2020/026461(WO,A1)
【文献】特開2012-103921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00- 1/56
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の街路灯設備を備えたインフラシステムであって、
前記街路灯設備は、
路面に光を照射する光源と、
走行車線に沿った第一領域内に存在する車両を撮像する第一撮像部と、
前記第一領域に隣接する前記走行車線に沿った第二領域内に存在する車両を撮像する第二撮像部と、
前記第二領域内を走行する車両に光、音、路車間通信の少なくとも一つで警告を報知する報知部とを備え、
前記インフラシステムは、各々の街路灯設備の前記第一撮像部と前記第二撮像部から出力される画像に基づいて前記報知部を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第一領域内に渋滞が生じている状態であって、前記第一領域内から前記第二領域内へ移動しようとする第一車両がいると判定したときに、前記報知部により、前記第二領域内で前記第一車両より後方の所定距離以内を走行する第二車両へ警告を報知する、インフラシステム。
【請求項2】
複数の街路灯設備を備えたインフラシステムであって、
前記街路灯設備は、
路面に光を照射する光源と、
走行車線に沿った第一領域内に存在する車両を撮像する第一撮像部と、
前記第一領域に隣接する前記走行車線に沿った第二領域内に存在する車両を撮像する第二撮像部と、
前記第一領域内を走行する車両に光、音、路車間通信の少なくとも一つで警告を報知する報知部とを備え、
前記インフラシステムは、前記第一撮像部と前記第二撮像部から出力される画像に基づいて前記報知部を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第一領域内に渋滞が生じている状態であって、前記第一領域内から前記第二領域内へ移動しようとする第一車両が発生したと判定し、かつ、前記第一車両より後方の所定距離以内に前記第二領域内を走行する第二車両がいると判定したときに、前記報知部により、前記第一車両へ警告を報知する、インフラシステム。
【請求項3】
前記街路灯設備は高速道路の路面に光を照射する、請求項1または2に記載のインフラシステム。
【請求項4】
前記街路灯設備はトンネルの壁面に設置されトンネル内の路面に光を照射する、請求項1または2に記載のインフラシステム。
【請求項5】
一つの前記街路灯設備に一つの前記第一撮像部が設けられており、
前記街路灯設備の間隔が、前記第一撮像部の画角の端部が隣り合う前記第一撮像部の画角の端部と重複するように設けられている、請求項1または2に記載のインフラシステム。
【請求項6】
前記所定距離は、前記第二領域を走行する車両の走行速度に依存して決定される、請求項1または2に記載のインフラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インフラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1などにより、車両の状態を検出し、車両へ各種の情報を提供するインフラ設備が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2018-22304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二車線の道路において、一方側は空いているが他方側に渋滞が生じているとき、一方側は空いているので車両はスムーズに走行したい。ところが、他方側から一方側へ車線を変更しようとする車両がいる可能性があるので、一方側を走行する車両は、このような可能性を想定しながら走行することを強いられる。特にトンネルや夜間、カーブ、あるいは高速道路などにおいて自車両から直接視認できない遠方で車線変更しようとする車両がいる場合に、このような事態が生じやすい。
そこで本発明は、片側が渋滞しているときにこの渋滞車列から車線変更しようとする車両がいることを他方の車線を走行している車両に報知するインフラシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一側面に係るインフラシステムは、
複数の街路灯設備を備えたインフラシステムであって、
前記街路灯設備は、
路面に光を照射する光源と、
走行車線に沿った第一領域内に存在する車両を撮像する第一撮像部と、
前記第一領域に隣接する前記走行車線に沿った第二領域内に存在する車両を撮像する第二撮像部と、
前記第二領域内を走行する車両に光、音、路車間通信の少なくとも一つで警告を報知する報知部とを備え、
前記インフラシステムは、各々の街路灯設備の前記第一撮像部と前記第二撮像部から出力される画像に基づいて前記報知部を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第一領域内に渋滞が生じている状態であって、前記第一領域内から前記第二領域内へ移動しようとする第一車両がいると判定したときに、前記報知部により、前記第二領域内で前記第一車両より後方の所定距離以内を走行する第二車両へ警告を報知する。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一側面に係るインフラシステムは、
複数の街路灯設備を備えたインフラシステムであって、
前記街路灯設備は、
路面に光を照射する光源と、
走行車線に沿った第一領域内に存在する車両を撮像する第一撮像部と、
前記第一領域に隣接する前記走行車線に沿った第二領域内に存在する車両を撮像する第二撮像部と、
前記第一領域内を走行する車両に光、音、路車間通信の少なくとも一つで警告を報知する報知部とを備え、
前記インフラシステムは、前記第一撮像部と前記第二撮像部から出力される画像に基づいて前記報知部を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第一領域内に渋滞が生じている状態であって、前記第一領域内から前記第二領域内へ移動しようとする第一車両が発生したと判定し、かつ、前記第一車両より後方の所定距離以内に前記第二領域内を走行する第二車両がいると判定したときに、前記報知部により、前記第一車両へ警告を報知する。
【0007】
上記インフラシステムにおいて、
前記街路灯設備は高速道路の路面に光を照射してもよい。
【0008】
上記インフラシステムにおいて、
前記街路灯設備はトンネルの壁面に設置されトンネル内の路面に光を照射してもよい。
【0009】
上記インフラシステムにおいて、
一つの前記街路灯設備に一つの前記第一撮像部が設けられており、
前記街路灯設備の間隔が、前記第一撮像部の画角の端部が隣り合う前記第一撮像部の画角の端部と重複するように設けられていてもよい。
【0010】
上記インフラシステムにおいて、
前記所定距離は、前記第二領域を走行する車両の走行速度に依存して決定されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より均一な輝度分布を有する光を出射することができる光源ユニットおよびそれを用いたヘッドアップディスプレイが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態のインフラシステムのシステム構成図である。
図2】後方を走行する車両に警告を表示する様子を示す図である。
図3】渋滞車列から車線変更しようとする車両に警告を表示する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という。)について図面を参照しながら説明する。本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0014】
図1は、本実施形態のインフラシステム1のシステム構成図である。図1に示すように、インフラシステム1は、複数の街路灯設備10と、この街路灯設備10と通信可能に接続された制御部20とを備えている。各々の街路灯設備10は、光源21と、第一撮像部22と、第二撮像部23と、報知部24を備えている。
【0015】
各々の街路灯設備10は、道路の近傍に設置されており、街路灯として機能する。街路灯は、例えば高速道路の路傍やトンネルに設置されている。街路灯は、少なくとも二つの車線を有する道路の近傍に設置されている。
【0016】
光源21は、夜間など周囲が暗いときに路面に光を照射する。
第一撮像部22および第二撮像部23は、カメラやLiDARなどで構成することができる。
第一撮像部22は、例えば走行車線のある領域内(第一領域内)に存在する車両を撮像可能である。
第二撮像部23は、例えば、走行車線に隣接するある領域内(第二領域内)に存在する車両を撮像可能である。
第一撮像部22と第二撮像部23はそれぞれ別個のカメラまたはLiDARで構成してもよいし、共通のカメラまたはLiDARで構成してもよい。
制御部20は、各々の街路灯設備10の第一撮像部22と第二撮像部23から出力される画像に基づいて報知部24を制御する。
【0017】
報知部24は、光、音、路車間通信の少なくとも一つで車両に警告を報知する。報知部24は、例えば路面に光で画像を描画する路面描画装置で構成することができる。あるいは、報知部24は、車両に警告音や案内音声で警告を報知するスピーカで構成することができる。あるいは、車両がインフラ設備から情報を取得可能に構成されている場合、報知部24は車内に警告音や警告表示を行うようにさせる信号を送信するように構成することができる。
なお本実施形態では、報知部24は路面描画装置で構成されている。
【0018】
図2は、本システム1を用いて後方を走行する車両に警告を表示する様子を示す図である。図2に示すように、本実施形態においては、街路灯設備10が、左側車線と右車線の二つ車線の道路の近傍に設けられているものとする。図において左方から右方へ車両は走行するものとする。また左側車線Lが走行車線であり、右側車線Rが追い越し車線である。
【0019】
本実施形態において、各々の街路灯設備10の第一撮像部22および第二撮像部23は、およそ進行方向に並んだ3つの車両を撮像できるような画角Aを持っているものとする。なお、ここでは説明のために各々の撮像部がこのような画角Aを持つものとしたが、実際は進行方向に並んだ10台以上の車両を撮像できるような画角Aを持っていてもよい。
【0020】
また、一つの街路灯設備10に一つの第一撮像部22が設けられており、街路灯設備10の間隔が、第一撮像部22の画角A1の端部が隣り合う第一撮像部22の画角A2の端部と重複するように設けられていることが好ましい。これにより、第一撮像部22が撮像している車線において第一撮像部22が撮像できない領域が生じることがない。同様に、街路灯設備10の間隔が、第二撮像部23の画角B1の端部が隣り合う第二撮像部23の画角B2の端部と重複するように設けられていることが好ましい。
【0021】
図示した例では、左側車線Lに渋滞が生じている。このような渋滞は、高速道路のランプの手前や、トンネル内の分岐の手前、一般道などにおいても人気の店舗・駐車場の入り口などにおいてよく生じている。
【0022】
このように渋滞が生じている状況において、渋滞から抜け出すために、この左側車線Lから右側車線Rに、車両が移動することがある。この渋滞車線から移動しようとする車両を、以下の説明では第一車両Vと呼ぶことがある。しかしながら、右側車線Rには、第一車両Vの後方から通常の速度で走行してくる車両(第二車両Xと呼ぶことがある)も存在する。
【0023】
例えば図2に示したように車線がカーブしている際には、第二車両Xから第一車両Vを視認することができず、また、第一車両Vからも第二車両Xを視認することができない。この場合には、第二車両Xは第一車両Vを視認してから第一車両Vを回避できるように、通常の走行速度よりも低速で走行することを強いられる。このため、渋滞が生じていなければスムーズに右側車線Rを走行できるにもかかわらず、渋滞が生じてしまうと、渋滞が生じていない右側車線Rでもスムーズな走行が妨げられることがある。
【0024】
このような事態は、例えば渋滞が長距離に亘る場合には、直線道路においても生じる。例えば夜間や雨天、曇天時には視界が不良になり、第二車両Xから第一車両Vを視認できる距離が短くなり、第二車両Xは通常の走行速度よりも低速で走行することを強いられる。また、トンネルの内部においても、常時暗いために視界が不良であり、同様の事態が生じる。
【0025】
そこで本実施形態において制御部20は、左側車線L(第一領域)内に渋滞が生じている状態であって、左側車線Lから右側車線Rへ移動しようとする第一車両Vが発生したと判定し、かつ、第一車両Vより後方の所定距離以内に第二領域内を走行する第二車両Xがいると判定したときに、報知部24により、第一車両Vへ警告を報知する。
【0026】
例えば制御部20は、第一撮像部22が撮像した画像に基づき、左側車線Lを走行する車両が所定台数以上(第一条件)で、かつ、走行速度が所定値以下である(第二条件)ときに、左側車線Lに渋滞が生じていると判定する。図示の例では、第一街路灯設備11の第一撮像部22が取得した画像内に3台以上の車両が存在しているときに、制御部20は第一条件を満たすと判定する。また、第一街路灯設備11の第一撮像部22が特定の時間差で取得した二枚の画像に基づき、左側車線Lを走行する車両の走行速度を算出し、該走行速度が20km/h以下であるときに第二条件を満たすと判定する。なお、制御部20が渋滞が生じていると判定する手法はこの手法に限られない。例えば上記第一条件および第二条件に加えて複数の街路灯設備10の第一撮像部22が撮像している複数の領域で第一条件および第二条件が満たされているか否かで渋滞が生じているか否かを判定してもよい。
【0027】
例えば制御部20は、第一撮像部22が撮像した画像に基づき、左側車線Lに存在するある車両がその前方に位置する車両と所定距離以上離れており(第三条件)、かつ、ある車両の操舵輪の舵角が所定角度以上である(第四条件)ときに、該車両が左側車線Lから右側車線Rに移動しようとしている第一車両Vが発生したと判定する。図示の例では、第五街路灯設備15の第一撮像部22が撮像した画像内に存在する車両Vについて、前方の車両との車間距離が3m以上であり、車両Vの操舵輪である前輪の操舵角が10°以上となっている。この場合に制御部20は、該車両が第一車両Vに該当すると判定する。
【0028】
例えば制御部20は、第二撮像部23が撮像した画像に基づき、第一車両Vより後方の所定距離以内に第二領域内を走行する第二車両Xがいるか否かを判定する。図示の例では、第一車両Vが第五街路灯設備15で検出された場合に、車線の進行方向の5個上流までに位置する街路灯設備10の第二撮像部23が撮像した画像に車両が存在するか否かを判定する。本実施形態では、制御部20は、第一街路灯設備11、第二街路灯設備12、第三街路灯設備13、第四街路灯設備14、第五街路灯設備15の第二撮像部23が撮像した画像内に車両が存在するか否かを判定する。ここでは、第一街路灯設備11の第二撮像部23が撮像した画像内に車両Xが存在している。そこでこの車両Xを第二車両Xと判定する。
【0029】
本実施形態では、所定距離を第一車両Vが検出された街路灯設備10から上流側に5個の街路灯設備10の範囲としたが、これに限られない。例えば所定距離を500mとするなど厳密な意味での距離として定義してもよい。
【0030】
あるいはこの所定距離は、第二撮像部23から出力される画像に存在する車両の走行速度に依存して決定されてもよい。例えば第二撮像部23は第一車両Vの有無にかかわらず常に右側車線Rを走行する車両の平均車速を算出するように構成されている。制御部20が第一車両Vが発生していると判定したときに、この右側車線Rを走行する車両の平均車速に応じて所定距離を決定し、決定した所定距離に応じて第二車両Xが存在するか否かを判定してもよい。
例えば第一車両Vが発生したときに、右側車線Rを高速で走行している車両が存在している場合には、この車両には早めに警告を報知することが好ましいからである。
【0031】
本実施形態において、報知部24は上述したように路面描画装置である。制御部20は、第一車両Vに見せる警告W1を表示させる。図示の例では、制御部20は、第一車両Vが走行する路面の前方約5mの位置に減速を意味する逆三角形を表示させている。なお、警告を表示する位置や形状はこの例に限られない。また、上述したように制御部20は報知部24を通じて、光の他に、音や路車間通信によって第一車両Vに警告を報知してもよい。
【0032】
本実施形態に係るインフラシステム1によれば、渋滞車列から車線変更しようとする車両がいることを他方の車線を走行している車両に報知することができる。このため例えば、本来は法定速度が80km/hである道路の一車線に渋滞が生じているとき、本システム1がなければ、渋滞車線から他の車線に移動しようとする車両の発生に備えて他の車線でも30km/hで走行することが強いられる。しかしながら、本システム1によれば、渋滞車線から他の車線に移動しようとする車両が発生したことを遠方から知ることができるため、30km/hより速い速度で走行することができる。これにより、より円滑な交通が実現できる。
【0033】
なお、左側車線Lに複数の第一車両Vがいると制御部20が判定した場合には、最後尾の第一車両Vから後方の所定距離以内を走行する第二車両Xがいるか否かを判定するように構成してもよい。
また、右側車線Rに複数の第二車両Xがいると制御部20が判定した場合には、最前列の第二車両Xに警告を報知するように構成してもよいし、全ての第二車両Xに警告を報知するように構成してもよい。
【0034】
街路灯設備10は高速道路の路面に光を照射するものであることが好ましい。本実施形態が想定している問題は、高速道路で生じやすいからである。
同様の理由により、街路灯設備10はトンネルの壁面に設置されトンネル内の路面に光を照射するものであることが好ましい。
【0035】
また図2に示したように、第一車両Vの前方に路面描画装置によって第一車両Vの移動先の表示W2を表示させてもよい。後方から接近してくる第二車両Xにとって、どの車両が自車線へ進入してくるのかが分かりやすくなる。
【0036】
また上述した例では、左側車線Lと右側車線Rの2車線からなる道路に設置される街路灯設備10を含むインフラシステム1を説明したが、本発明はこれに限られない。インフラシステム1は、3車線以上からなる道路に設置される街路灯設備10を含んでもよい。この場合、分岐が生じる一つ以上の車線を第一車線として渋滞が生じているか否か・第一車両Vが発生しているか否かを監視する車線に設定し、この第一車線に隣接して渋滞が生じていない車線を第二車両Xが存在するか否かを監視する車線に設定することができる。また、上記では左側に走行車線が設定され、右側に追い越し車線が設定される地域を想定して説明したが、本システム1は、右側に走行車線、左側に追い越し車線が設定される地域に適用してもよい。
【0037】
なお図2で示した例においては、インフラシステム1が第二車両Xへ警告を報知するように構成したが、インフラシステム1が第一車両Vへ警告を報知してもよい。この例を図3を用いて説明する。図3は、本システム1を用いて第一車両Vに警告を表示する様子を示す図である。
【0038】
図示の例では、複数の街路灯設備10の第一撮像部22が撮像した画像に基づき渋滞が生じていると判定され、また、第四街路灯設備10の第一撮像部22が撮像した画像により左側車線Lから右側車線Rへ移動する第一車両Vが発生していると判定している。さらに、第一車両Vより後方の所定距離以内に右側車線R内を走行する第二車両Xがいると判定したときに、報知部24により第一車両Vへ前進禁止を意味する警告W3を第一車両Vの進行方向前方に表示させる。
このような構成によれば、後方から第二車両Xが接近していることを視認しにくい第一車両Vに、後方から第二車両Xが接近していることを伝えて車線変更を思いとどまらせることができる。また、このようなシステム1が稼働していることを知っている第二車両Xは、第一車両Vが不用意に飛び出してきにくいことから、低速で走行することを強いられにくい。
【0039】
もっとも、第一車両Vへ警告を報知するとともに、図2に示したように第二車両Xへも警告を報知するように構成してもよい。第一車両Vと第二車両Xの双方に警告を報知することにより、互いの存在に注意するように注意喚起することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 インフラシステム
20 制御部
21 光源
22 第一撮像部
23 第二撮像部
24 報知部
L 左側車線
R 右側車線
V 第一車両
X 第二車両
図1
図2
図3