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  • 特許-飛沫遮断装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】飛沫遮断装置
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020121717
(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公開番号】P2022018543
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高畑 陽
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-301317(JP,A)
【文献】登録実用新案第3043502(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0118506(US,A1)
【文献】特表2019-501721(JP,A)
【文献】中国実用新案第210445821(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0296864(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/11
A62B18/02
G02C11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に装着するための固定部と、
前記固定部に対して位置調整可能な空気噴出部と、を備え、
前記空気噴出部から噴出された空気により、口および鼻を覆う空気層が形成されており、
前記固定部は、眼鏡のフレームの柄に嵌合可能なクリップ部を備え、
前記空気噴出部は、口元の左右両側に設けられており、
左右の前記空気噴出部の空気を噴き出す向きがオフセットされ、左側からの前記空気層と右側からの前記空気層とが二層形成されるように前記空気噴出部が配置されている
ことを特徴とする飛沫遮断装置。
【請求項2】
前記空気噴出部は、ロッド部とノズル部とを備え、
前記ロッド部は、前記固定部から垂れ下がるとともに、可撓性を備えた金属製のチューブにて構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の飛沫遮断装置。
【請求項3】
前記空気噴出部には、空気を供給する携帯型空気供給機から延出する供給チューブが接続されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の飛沫遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛沫遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
口回りで飛沫を遮断するものとしては、例えば特許文献1に示す防護服があった。かかる防護服は、患者の鼻および口を覆う内部マスクと、内部マスクと患者の頭部全体を覆う外部マスクとを備えた二重マスク構造になっている。内部マスクには、患者に吸気を供給する内部マスク用空気供給チューブと、患者の呼気を排出する内部マスク用空気排出チューブが接続されている。外部マスクには、内部マスクから漏れ出した空気を排出する外部マスク用空気排出チューブが接続されている。二重マスクは、患者の上半身を覆う着衣に接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-113166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、建設現場や工場等は、開放された空間が多く比較的ウイルス感染のリスクが高くない一方で熱中症のリスクが高い場合が多い。そのため、建設現場や工場等では、保護めがねやゴーグルを装着して高温下で作業する場合がある。特許文献1の防護服は、医療現場にて患者が装着するものであって、建設現場等で用いるには、大掛かり過ぎる。一方、コロナウイルス等への感染防止対策として、マスクが使用されている。マスクは、飛沫の拡散および吸引を抑制するために安価で効果が高いものであるが、呼吸を妨げる問題や、高温時に装着することで熱がこもり熱中症のリスクを高める可能性が指摘されているため、高温な建設現場や工場等では使用者の負担になる場合がある。
【0005】
このような観点から、本発明は、使用者がストレスなく作業を行えるとともに、ウイルスの感染を抑制できる飛沫遮断装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するための本発明は、頭部に装着するための固定部と、前記固定部に対して位置調整可能な空気噴出部と、を備えた飛沫遮断装置である。前記空気噴出部から噴出された空気により、口および鼻を覆う空気層が形成されており、前記固定部は、眼鏡のフレームの柄に嵌合可能なクリップ部を備え、前記空気噴出部は、口元の左右両側に設けられており、左右の前記空気噴出部の空気を噴き出す向きがオフセットされ、左側からの前記空気層と右側からの前記空気層とが二層形成されるように前記空気噴出部が配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る飛沫遮断装置によれば、口や鼻が塞がれないので、呼吸が妨げられることがないとともに、熱がこもらず熱中症の発症を抑制できる。また、使用者の視界が妨げられ難い。したがって、使用者が飛沫遮断装置を装着した状態で、ストレスなく作業を行うことができる。また、空気層で口および鼻が覆われるので、ウイルスの拡散や吸引を防止でき、ひいてはウイルス感染を抑制できる。さらには、ウイルス以外にも、臭気や粉塵の吸引を防止あるいは抑制できるので、作業環境が良好になる。なお、「空気を噴き出す向きがオフセットされ」とは、左右の空気噴出部の空気を噴き出す向きが、他方の空気噴出部の空気の排出部に干渉せず、互いの空気の流れを邪魔しないようにずれていることを言う。このような構成によれば、飛沫の遮断効果が向上する。
【0008】
本発明の飛沫遮断装置においては、前記空気噴出部は、ロッド部とノズル部とを備え、前記ロッド部は、前記固定部から垂れ下がるとともに、可撓性を備えた金属製のチューブにて構成されているものが好ましい。
【0011】
本発明の飛沫遮断装置においては、前記空気噴出部には、空気を供給する携帯型空気供給機から延出する供給チューブが接続されているものが好ましい。このような構成によれば、使用者は飛沫遮断装置を装着した状態で移動し易くなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、使用者がストレスなく作業を行えるとともに、ウイルスの感染を抑制できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一の実施形態に係る飛沫遮断装置を装着した状態を示した図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係る飛沫遮断装置を示した斜視図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る飛沫遮断装置による空気層の流れを示した平面図である。
図4】本発明の第二の実施形態に係る飛沫遮断装置を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第一実施形態)
本発明の第一の実施形態に係る飛沫遮断装置について、添付した図面を参照しながら説明する。まず、飛沫遮断装置の構成を説明する。図1は、第一の実施形態に係る飛沫遮断装置を装着した状態を示した図、図2は同じく飛沫遮断装置を示した斜視図である。本実施形態では、使用者がかけた眼鏡に飛沫遮断装置を装着する場合を例に挙げて説明する。
【0015】
飛沫遮断装置1は、固定部10と空気噴出部20とを備えている。飛沫遮断装置1は、眼鏡4の左右にそれぞれ取り付けられている。左右一対の飛沫遮断装置1は、左右対称形状となっている。
【0016】
固定部10は、飛沫遮断装置1を使用者2の頭部3に装着するための部位である。固定部10は、使用者がかけた眼鏡4に装着されるアタッチメントであり、眼鏡4のフレーム5に対して着脱可能である。固定部10は、フレーム5の柄の前端部に嵌合可能なクリップ部を備えている。クリップ部は、頭部側に開口するコ字状を呈しており、フレーム5の外側から柄を挟持する。クリップ部は、眼鏡4のフレーム5の形状や大きさに応じてフレーム5を確実に把持できる形状と性能を有し、簡単に短時間で着脱できるものが好ましい。なお、固定部10の形状は、クリップ形状に限定されてものではなく、例えば、フック形状であってもよいし、ねじ形状のものであってもよい。
【0017】
空気噴出部20は、口および鼻の前方に向けて空気を噴出する部位であって、固定部10に対して位置調整可能になっている。空気噴出部20は、口元の前方を流れる空気層25を形成し、この空気層25が口および鼻を覆うエアカーテンとなる。空気層25は、口元から所定の間隔をあけて形成される。空気噴出部20は、ロッド部21とノズル部22とを備えている。ロッド部21は、可撓性を備えた棒状部材であり、所望の形状に変形可能である。ロッド部21は、頭部3が動いても外力を加えない限りは所望形状が変形しない素材にて形成されており、例えば、金属製のチューブにて構成されている。ロッド部21の上端部は、固定部10の下部に一体形成されている。ロッド部21は、中空形状を呈しており、内部に空気の流路23が形成されている。
【0018】
ノズル部22は、例えば断面円形の極小の吐出孔24を備えている。吐出孔24は、複数設けられ、縦方向に所定ピッチで配列されている。吐出孔24は、空気を面的な帯状(板状)に噴出させて局所的な気流を形成するために、複数の吐出孔24の軸線方向Lが放射状に広がるように形成されている。また、吐出孔24の内径を、外側に向かうに連れて大径になるように、テーパ状に形成してもよい。そうすると、空気がより一層広がるように噴出される。なお、吐出孔24の形状は、断面円形に限定されるものではなく、断面楕円形やスリット形状等の他の形状であってもよい。
【0019】
ノズル部22は、ロッド部21の下部に一体形成されている。ロッド部21内の流路23は、吐出孔24に繋がっている。ノズル部22は、口元の左右両側にそれぞれ配置されている。ノズル部22の位置は、口元から50mm以内の空間に口および鼻を覆う空気層(エアカーテン)25が形成されるように、ロッド部21を変形させて位置調整される。図3に示すように、左右のノズル部22,22の空気を噴き出す向きは、他方の空気噴出部の空気の排出部に干渉せず、互いの空気の流れを邪魔しないようにずれている。具体的には、左右のノズル部22,22は、空気を噴き出す向きが前後にオフセットされており、左側からの空気層25と右側からの空気層25とが前後に二層形成されるように、空気噴出部20が配置されている。
【0020】
図1および図2に示すように、空気噴出部20には、携帯型空気供給機30から延出した供給チューブ31が接続されている。携帯型空気供給機30は、空気噴出部20に空気を供給するものである。携帯型空気供給機30は、例えば、公知のコンプレッサが用いられている。携帯型空気供給機30の電源は、充電式であっても電池式であってもよい。携帯型空気供給機30は、腰ベルトに取り付けた工具袋、ポケットやカバンに入れて持ち歩くことができる大きさおよび重量を備えている。携帯型空気供給機30は、小型化できるのであれば、眼鏡4やゴーグルやヘルメット等に装着してもよい。
【0021】
携帯型空気供給機30の空気吸入口には、空気を清浄するフィルタ32が設けられている。フィルタ32は、例えば、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)が採用されている。フィルタ32は、携帯型空気供給機30の空気供給能力を大きく低下させない範囲で、ウイルス等を除去できる性能を備えている。フィルタ32は、交換可能な構造である。なお、フィルタ32は、携帯型空気供給機30に設けられているが、その取付場所はこれに限定されるものではない。携帯型空気供給機30から空気噴出部20までの範囲で空気が流れる部分であればいずれの場所に設けてもよい。
【0022】
フィルタ32は、高価であるため他のもので代用してもよい。例えば、携帯型空気供給機30を通気性のよい不織布の袋に収納したり、通気性の高い作業着の内側に収納したりしてもよい。このような構成にすれば、フィルタ32ほどウイルスを減らすことはできないが、供給する空気内のウイルス量を一定量減らすことができる。
【0023】
供給チューブ31は、可撓性を備えた中空管にて構成されている。供給チューブ31は、携帯型空気供給機30の空気供給圧に耐えられる強度を備えている。供給チューブ31の上流側は、携帯型空気供給機30に接続されている。供給チューブ31と携帯型空気供給機30との接続方法は、どのような方法でも良いが、簡単に着脱でき、装着時に簡単に外れない構造を採用する。供給チューブ31の下流側は二股に分岐しており、各空気噴出部20に接続されている。供給チューブ31と空気噴出部20との接続方法は、供給チューブ31と携帯型空気供給機30との接続方法と同等でよい。
【0024】
以上の構成の飛沫遮断装置1を使用するに際しては、使用者2は眼鏡4のフレーム5を固定部10で挟持して、飛沫遮断装置1を取り付ける。そして、眼鏡4をかけた状態で空気噴出部20の位置調整を行う。位置調整は、携帯型空気供給機30を作動させて、空気層25を形成しながら行うのが好ましい。このようにすれば、空気層25を確実に口元の前方に形成することができる。また、ロッド部21が変形可能であるので、ノズル部22の細かな位置調整を容易に行うことができる。
【0025】
本実施形態の飛沫遮断装置1によれば、従来マスクが果たしていた飛沫を遮断する役目を空気層25が果たしている。つまり、口や鼻の前方にマスク等の固形物は存在せず、前方に位置するのは空気層25のみであって、口や鼻が塞がれないので、呼吸が妨げられることがない。また、空気層25は、気流にて構成されているので、熱がこもらず熱中症の発症を抑制できる。一方、飛沫遮断装置1は眼鏡4の両側の下方に位置し、口や鼻の前方は開放されているので、使用者2の視界が妨げられ難い。さらに、飛沫遮断装置1は、複雑な装置を備えず、比較的簡単な装置であるので、軽量で装着への負担が小さい。したがって、使用者2が飛沫遮断装置1を装着した状態で、ストレスなく作業を行うことができる。
また、従来よりウイルス感染対策でフェイスガードを用いる場合があるが、フェイスガードは大きく嵩張るため取り扱いが困難な場合がある。これに対して、飛沫遮断装置1はフェイスガードと比較して小さいので、保管や運搬等の取り扱いが容易である。したがって、使用者へのストレスをより一層軽減できる。
【0026】
また、空気層25で口および鼻が覆われているので、口や鼻から吹き出される呼気が空気層25でブロックされ、前方に飛散するのを防止できる。さらに、空中に飛散するウイルスが口元に近付くのを防止できる。したがって、ウイルスの拡散や吸引を防止できるので、ウイルスの感染を抑制できる。本実施形態では、口の左右両側に空気噴出部20が形成されているので、空気の流れが鼻などに邪魔されることなくエアカーテンが形成される。また、空気層25が前後二層に形成されているので、飛沫の遮断性能がより一層高くなる。
【0027】
本実施形態では、固定部10が眼鏡4のフレーム5を挟持するクリップ部を備えているので、使用者2は、普段より使用している自分の眼鏡4を用いることができる。これによって、使用者2は違和感なく飛沫遮断装置1を装着できるとともに、頭部を動かしても眼鏡と空気噴出部が一体で動くことで空気層は口元から一定の位置に保たれる。したがって、使用者のストレスをより一層低減することができる。
【0028】
また、本実施形態では、空気噴出部20は、携帯型空気供給機30と供給チューブ31を介して接続されているので、使用者2は飛沫遮断装置1を装着した状態で移動し易くなる。さらに、供給チューブ31は可撓性を備えているので、使用者2は、体を動かしやすく作業を行い易い。さらに、携帯型空気供給機30にはフィルタ32が設けられているので、清浄されたきれいな空気層25を形成することができる。
【0029】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態に係る飛沫遮断装置について、添付した図面を参照しながら説明する。図4は、第二の実施形態に係る飛沫遮断装置を示した斜視図である。図4に示すように、本実施形態は、飛沫遮断装置1aを頭部に装着するための固定部10aが眼鏡4aであり、空気噴出部20は眼鏡4aに一体に設けられている点で第一実施形態と異なる。つまり、飛沫遮断装置1aは、眼鏡4aを備えている。
【0030】
眼鏡4aのフレーム5aのうち、耳にかける柄の部分が中空状に形成されており、柄の内部に空気の流路6が形成されている。流路6は、柄の後端部から前端部分まで延在している。柄の後端部には、供給チューブ31の下流端が着脱可能に接続されている。
【0031】
柄の前端部には、空気噴出部20が形成されている。空気噴出部20は、ロッド部21とノズル部22とを備えている。ロッド部21の上端部は、柄に接続されており、柄の流路6とロッド部21の流路23は連通している。ロッド部21は、眼鏡4aに対して、一体に設けられていてもよいし、着脱可能に設けられていてもよい。なお、ロッド部21とノズル部22のその他の構成、および携帯型空気供給機30、供給チューブ31、フィルタ32の構成は、第一実施形態と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0032】
第二実施形態の飛沫遮断装置1aによっても、第一実施形態と同様の作用効果を得られる。さらに、普段眼鏡を使用しない人でも別途眼鏡を準備することなく飛沫遮断装置1aを使用することができる。
【0033】
前記実施形態の飛沫遮断装置1,1aは、フェイスシールドと組み合わせて使用することができる。この場合、飛沫遮断装置1(1a)を装着してから、これを覆うように、フェイスシールドを装着する。従来、フェイスシールドは、コロナウイルス対策でマスクと共用されることが多いが、夏季に使用すると熱がこもり熱中症のリスクが高まったり、眼鏡が曇って作業性が低下したりする等の問題があった。
【0034】
本発明の飛沫遮断装置1(1a)とフェイスシールドを合わせて用いると、飛沫の飛散効果と吸引効果がより一層高くなる。シールドの上部が額に密着するフェイスシールドを用いれば、シールド内部への空気の流入が抑制され、フェイスシールド内での気流が安定する。これによって、空気噴出部20にて形成された空気層25が安定してエアカーテンの効果が高まる。また、シールド内部へ外部の空気が流入し難いので、シールド内部は、フィルタ32によって清浄された空気で満たされる。したがって、使用者は、ウイルスの感染可能性の低い空気を呼吸することができる。
【0035】
また、前記実施形態の飛沫遮断装置1,1aは、ノズル部22の吐出孔24に極小のファンを装着することができる。この場合、ファンは各吐出孔24にそれぞれ設ける。ファンは、吐出孔24の軸線方向Lに沿って装着し、ファンから吹き出される空気が放射状に広がるように配置する。ファンの電源は、充電式であっても電池式であってもよい。電源は、電源コードで接続してもよいし、小型化できるのであれば眼鏡4等に装着してもよい。ファンを回転させると、吐出孔24に繋がるロッド部21の流路23から空気が流れて口元に噴き出される。このような構成によれば、携帯型空気供給機30と供給チューブ31を省略することができる。
なお、ファンは、吐出孔24に設けているが、これに限定されるものではない。流路や吐出孔を省略して、空気噴出部の先端部にファンを取り付けてもよい。
【0036】
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。たとえば、前記第一実施形態では、眼鏡4に固定部10を介して、飛沫遮断装置1を取り付けているが、これに限定されるものではない。例えば、ゴーグルやヘルメット等の頭部への装着物に飛沫遮断装置1を取り付けてもよい。ヘルメットに飛沫遮断装置1を取り付ける場合には、ヘルメットの鍔部をクリップ部で挟持すればよい。
【0037】
また、前記第二実施形態では、眼鏡4aを飛沫遮断装置1aに含んでいるが、これに限定されるものではない。眼鏡4aに代えて、例えば、ゴーグル、ヘルメットまたはヘッドホン型のヘッドセット等を飛沫遮断装置の一部として利用してもよい。
【0038】
さらに、前記実施形態では、空気層25,25が前後に二層形成されるように、空気噴出部20の空気を噴き出す向きが前後にオフセットされているが、これに限定されるものではない。左右からの互いの空気層25同士が干渉しなければよく、例えば上下に空気層が形成されるように、空気噴出部を配置してもよい。また、前記実施形態では、空気噴出部20は、口元の左右両側にそれぞれ設けられているが、いずれか一方であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 飛沫遮断装置
1a 飛沫遮断装置
3 頭部
4 眼鏡
4a 眼鏡
5 フレーム
5a フレーム
10 固定部
10a 固定部
20 空気噴出部
25 空気層
30 携帯型空気供給機
31 供給チューブ
32 フィルタ
図1
図2
図3
図4