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特許7407094ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム
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  • 特許-ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム 図1
  • 特許-ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム 図2
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  • 特許-ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム 図5
  • 特許-ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20231221BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020167464
(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公開番号】P2022059707
(43)【公開日】2022-04-14
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】519095256
【氏名又は名称】株式会社レシカ
(74)【代理人】
【識別番号】100139033
【弁理士】
【氏名又は名称】日高 賢治
(72)【発明者】
【氏名】戴有造
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/207655(WO,A1)
【文献】特開2019-220029(JP,A)
【文献】特開2002-189939(JP,A)
【文献】特開2007-011852(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0220886(US,A1)
【文献】特許第6691254(JP,B1)
【文献】国際公開第2019/221666(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システムであって、
システムを管理するサーバーと、当該サーバーに記録される処理プログラムと、当該システムを利用するアプリケーションがダウンロードされたユーザー端末を含み、
前記処理プログラムは、
前記デジタルコンテンツの所有権情報を、非代替性トークンを利用してブロックチェーン上に記録し、前記デジタルコンテンツを購入したユーザーの前記ユーザー端末に対して前記デジタルコンテンツの所有権情報となる前記非代替性トークンを送信するとともに、
前記非代替性トークンと紐づけ、かつ非代替性又は代替性トークンを利用したランダム数のデジタルチケットを前記ユーザー端末に対して送信し、かつ前記デジタルチケットをブロックチェーン上に記録する、
ことを特徴とするブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム。
【請求項2】
前記デジタルチケットの枚数は、前記処理プログラムによって所定の確率に基づき1以上所定数以下のランダムな整数として発行し、ユーザーに付与する、
ことを特徴とする請求項1に記載のブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム。
【請求項3】
前記デジタルチケットは、握手券、アイドルグループの総選挙投票券、写真撮影券、通話券、メッセージ券、リクエスト券を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システム。
【請求項4】
ブロックチェーンを利用した物販品に附随するデジタルチケット付与システムであって、
システムを管理するサーバーと、当該サーバーに記録される処理プログラムと、当該システムを利用するアプリケーションがダウンロードされたユーザー端末を含み、
前記アプリケーションは、前記ユーザー端末によって読み取られた前記物販品に記録された二次元コード情報によって特定のウェブサイトに接続し、ユーザーが入力した前記物販品に記録されたシリアル番号を前記処理プログラムに送信し、
前記処理プログラムは、
前記シリアル番号に紐づけられ、かつ非代替性又は代替性トークンを利用したランダム数のデジタルチケットを前記ユーザー端末に対して送信し、かつ前記デジタルチケットをブロックチェーン上に記録する、
ことを特徴とするブロックチェーンを利用したデジタルチケット付与システム。
【請求項5】
前記デジタルチケットの枚数は、前記処理プログラムによって所定の確率に基づき1以上所定数以下のランダムな整数として発行し、ユーザーに付与する、
ことを特徴とする請求項4に記載のブロックチェーンを利用したデジタルチケット付与システム。
【請求項6】
前記デジタルチケットは、握手券、アイドルグループの総選挙投票券、写真撮影券、通話券、メッセージ券、リクエスト券を含む、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のブロックチェーンを利用したデジタルチケット付与システム。
【請求項7】
前記物販品は、CD、DVD、グッズ類を含む、
ことを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載のブロックチェーンを利用したデジタルチケット付与システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンサートを始めとするライブイベントは三密(密閉、密集、密着)状態となり飛沫も飛びやすく、新型コロナウイルスの感染拡大リスク、クラスターの発生源となる可能性が高いことから、現在でもほとんどのライブイベントが開催自粛を余儀なくされている。
【0003】
こうした状況を受け、一部のライブイベントは有料のオンラインによって配信され、またもう一つのマネタイズ方法としてアーティストの写真や動画などのデジタルコンテンツをオンラインで販売している。例えば、ブロックチェーンでのデジタルコンテンツの所有権の記録をNON-FUNGIBLE TOKEN(非代替性トークン。以下、NFT)を使ってブロックチェーンに書き込み、ブロックチェーン上のアカウント間で当該NFTをユーザーに送付し、デジタルコンテンツの権利証明と権利の移転を行うことができる。
【0004】
一般的によく知られているいるトークンはビットコインやイーサに代表されるFUNGIBLE TOKEN(代替性トークン。以下、FT)である。これらは一つ一つのトークンが同じ価値と意味を持つが、NFTはFTと違って一つ一つがそれぞれ違うシリアル番号を持ち、それぞれ違う特徴を持つことができるため、唯一無二を有している。この特徴からデジタルコンテンツなどをブロックチェーン上で記録して送付できる仕組みによく利用されている。
【0005】
一方、既存のエンターテイメント業界の収益源はライブイベントのチケット代、CDやDVD代、その他関連グッズ等の物販であるが、これらの売上を向上させるための手段として、これらに附随して付与される「おまけ」としての権利が大きな意味を有している。例えばファン向けに付与されるアイドルとの握手券、アイドルグループの総選挙投票券(以下、チケット)などの権利と抱き合わせることで、ライブチケット、CD、DVD、その他関連グッズ類の販売を大きく後押ししてきた。
【0006】
新型コロナウイルスの感染拡大により、ライブイベントは自粛され、物販の一部はオンラインによるデジタルコンテンツとして販売されてはいるものの、上記チケットのデジタル化が未整備であることから、オンラインでのライブ配信やデジタルコンテンツの販売だけではビジネス的に限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-086226号公報
【文献】特開2016-187201号公報
【文献】特開2015-233287号公報
【文献】特開2019-092152号公報
【文献】特表2014-528680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
オンライン上ではモノは存在せず、データしか存在しない。データは一般的にコピーと改ざんが可能で、オフラインのグッズのようにデジタルの数量を限定したり、本物である証明をすることが極めて難しい。本発明は、ブロックチェーン技術を用い、デジタルコンテンツの唯一無二性と所有権を証明するとともに、所定の確率に基づいてランダム数で発行されるデジタルチケットをユーザーに付与することにより、デジタルコンテンツの販売促進とともに、ユーザーがオンラインイベントをもっと楽しくインタラクティブに体験できるシステムを構築することを目的とする。
【課題を解決する為の手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本願の第一の発明は、ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システムであって、 システムを管理するサーバーと、当該サーバーに記録される処理プログラムと、当該システムを利用するアプリケーションがダウンロードされたユーザー端末を含み、前記処理プログラムは、前記デジタルコンテンツの所有権情報を、非代替性トークンを利用してブロックチェーン上に記録し、前記デジタルコンテンツを購入したユーザーの前記ユーザー端末に対して前記デジタルコンテンツの所有権情報となる前記非代替性トークンを送信するとともに、前記非代替性トークンと紐づけ、かつ非代替性又は代替性トークンを利用したランダム数のデジタルチケットを前記ユーザー端末に対して送信し、かつ前記デジタルチケットをブロックチェーン上に記録する、ことを特徴とする。
【0010】
さらに本願の第二の発明は、ブロックチェーンを利用した物販品に附随するデジタルチケット付与システムであって、システムを管理するサーバーと、当該サーバーに記録される処理プログラムと、当該システムを利用するアプリケーションがダウンロードされたユーザー端末を含み、前記アプリケーションは、前記ユーザー端末によって読み取られた前記物販品に記録された二次元コード情報によって特定のウェブサイトに接続し、ユーザーが入力した前記物販品に記録されたシリアル番号を前記処理プログラムに送信し、前記処理プログラムは、 前記シリアル番号紐づけられ、かつ非代替性又は代替性トークンを利用したランダム数のデジタルチケットを前記ユーザー端末に対して送信し、かつ前記デジタルチケットをブロックチェーン上に記録する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願の第一発明によれば、ブロックチェーン技術を用いたサイバー空間でデジタルコンテンツの唯一無二性を記録し、所有する権利をブロックチェーンに記録することでデジタルコンテンツを実在するものと同じようにユーザーに販売することができるとともに、当該デジタルコンテンツを購入したユーザーに対し、デジタルチケットを所定の確率でランダムに発行する枚数を付与し、ユーザーはそのデジタルチケット数に応じて、例えばオンラインでの限定イベントに参加したり、好きなアーティストに投票したりすることができ、デジタルコンテンツの売上に貢献するとともに、ユーザーがオンラインイベントをもっと楽しくインタラクティブに体験できる。
【0012】
また本願の第二の発明によれば、CD、DVD、各種グッズ類を始めとする物販品にQRコード(登録商標、以下同様。)等の二次元情報とシリアル番号を記録しておき、物販品を購入したユーザーがQRコード情報に基づいて所定のウェブサイトにアクセスし、シリアル番号を入力、送信することにより、デジタルチケットを所定の確率でランダムに発行する枚数をユーザーに付与し、ユーザーはそのデジタルチケット数に応じて、例えばオンラインでの限定イベントに参加したり、好きなアーティストに投票したりすることができ、物販品の売上に貢献するとともに、ユーザーがオンラインイベントをもっと楽しくインタラクティブに体験できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の全体モデルの概要を示す図
図2】デジタルコンテンツのIPをブロックチェーン上に記録し管理する仕組みを示す図
図3】デジタルコンテンツをユーザーが購入し、コンテンツの所有権移転を示す図
図4】投票券等のデジタルチケットをランダムに付与する仕組みを示す図
図5】ライブ中にユーザーが投票券の使用を示す図
図6】ユーザーがライブを視聴する画面上に、デジタルチケットの使用との連動を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について詳細に説明する。
第一の実施形態は、ブロックチェーンを利用したデジタルコンテンツの所有権証明及びデジタルチケット付与システムであって、図1に示すとおり、システム全体を管理するアプリケーション(処理プログラム)が記録されているサーバー1と、本システムを利用するためのアプリケーションがインストールされたユーザー端末2と、ブロックチェーン層3とから構成される。
【0015】
ユーザーは、前記処理プログラムで管理される所定のウェブサイトから所望のデジタルコンテンツを購入することができる。非代替性トークンをコンテンツの著作権とその著作権に基づくコンテンツ所有権の記録として使う場合、非代替性トークンは所有権の記録としては良いが、コンテンツ制作の2次創作やそれ以上のN次創作を記録する際に、元のコンテンツの著作権ホルダーの権利(N次創作からの収益の権利や二次創作を承認する権利など)を記録するためにはとても複雑なスマートコントラクトの仕組みを作る必要があるため、非常に使いづらい。
【0016】
これに対し、本実施形態では、ブロックチェーンのトークンを使うことにより、著作権を記録するのではなく、アカウントで著作権の所有を記録するようにしている。そして、ブロックチェーン上のアカウントを使った著作権の登録を基に非代替性トークンを使って実際のデジタルコンテンツの限定発行が行われ、発行されたデジタルコンテンツが有効な著作権の下で発行されたものとして信頼することができる。
【0017】
図2は、ブロックチェーン上のアカウントを使ったデジタルコンテンツの所有権を記録するフローを説明するものである。
まず、デジタルコンテンツの所有権を有するIPRホルダーが、IPRホルダーアプリを利用し、販売商品となるデジタルコンテンツデータをアプリケーションサーバーにアップロードする。当該デジタルコンテンツは、非代替性トークンを利用してブロックチェーン上に記録される。IPRホルダーは、デジタルコンテンツの価格維持と収集価値をユーザーに付与るために希少性を担保する必要があり、販売するデジタルコンテンツの権利数を事前に決定し、その数量分のデジタルコンテンツ証明を発行する。
【0018】
IPRホルダーは、ブロックチェーン上に自身が販売するデジタルコンテンツの数と同数のデジタルコンテンツ証明書(非代替性トークン)を発行する。例えば、アイドルAの写真を限定500枚のデジタルコンテンツとして販売したい場合、1~500の連番からなる500個のデジタルコンテンツ証明書(非代替性トークン)を発行する。証明書トークンはIPRホルダーのコンテンツIPアカウントで保管される。その後、IPRホルダーからユーザー(ファン)に対し販売するデジタルコンテンツの詳細をインターネット等を利用して告知・広告する。特に、当該デジタルコンテンツを購入したユーザーには、後述するデジタルチケットがランダム数付与される旨を告知し、販売促進に活用する。
【0019】
図3は、上記デジタルコンテンツをユーザーが購入し、当該デジタルコンテンツの所有権が、IPRホルダーからユーザーに移転するフローを説明するものである。ユーザーは、上記デジタルコンテンツの販売広告を受け、これを購入したい場合、自身のユーザー端末に必要となるユーザーアプリをダウンロードし、システムで管理される所定のウェブサイトから所望のデジタルコンテンツを選択して購入し、ユーザーアプリを用いて鑑賞することができる。ここで、当該デジタルコンテンツを購入したユーザーに対してデジタルコンテンツ証明を自動的に付与する。デジタルコンテンツ証明はブロックチェーン上にあるユーザーが管理するアカウントに送付される。これによって、ユーザーは自分で購入し、その所有権を有するデジタルコンテンツであることを証明でき、IPRホルダーからユーザーに所有権が移転されたことを確認することができる。
【0020】
図4は、上記デジタルコンテンツを購入したユーザーに対し、デジタルチケットを自動的に付与するフローを示す図である。IPRホルダーは、例えばアイドルグループに関するデジタルコンテンツの販売促進策として、いわゆる「おまけ」となるアイドルグループ総選挙投票券などのデジタルチケットを併せて付与するものであるが、当該デジタルチケットは、販売するデジタルコンテンツと紐づけた第2トークンとしてブロックチェーン上に記録される。
【0021】
例えばデジタルチケットを、上記のようにアイドルグループの総選挙投票券とする場合、購入したデジタルコンテンツに対して1個を付与するのではなく、上限値と下限値を定めた上で、ランダムな枚数として発行するようになっている。そのためファンは、自分に何枚の投票券が当たるかの楽しみが増えることで、デジタルコンテンツの売上に貢献することが出来る。
【0022】
このようにデジタルチケットは、IPRホルダーがデジタルコンテンツを購入するユーザーに対して、付与するデジタルチケットの総数、発行数確率、デジタルチケットの用途などを決め、IPRホルダーアプリによって、その設定内容をブロックチェーン上に記録し、コンテンツIPアカウントに設定された枚数分のデジタルチケットを発行する。
【0023】
デジタルコンテンツをユーザーが購入し、購入したユーザーに対して設定した確率に基づきブロックチェーン上のスマートコントラクトが実行され、ランダム数のデジタルチケットが発行され、その枚数もブロックチェーンに記録される。処理プログラムは、このランダム数のデジタルチケットをユーザーアカウントに自動的に送付する。
【0024】
なお、デジタルチケットの発行枚数は、ユーザーのファンとしてのコア度合い応じて変えても良い。例えば、過去の購入額が一定以上のヘビーユーザーには、最低枚数を上げるようにし、それほどコアでないユーザーには最高枚数を下げるようにしても良い。
【0025】
ユーザは、ユーザーアプリを使って自分に付与されたデジタルチケットの枚数と、使用数、残り数を確認することができる。図5は、ユーザーが付与されたデジタルチケットを使用する場合を説明するフローである。上記に合わせて、アイドルグループの総選挙における、いわゆる「推しメン」への投票券として使用するケースである。
【0026】
総選挙ライブイベントがネット配信され、ユーザーは適宜の配信プラットフォームによって総選挙ライブイベントの動画配信を見ることができる。この総選挙は無料で見ることができることとしているが、有料配信としても良い。
【0027】
ユーザーは上記動画配信をユーザー端末上で見ながら、自身が保有するデジタルチケット(デジタル投票券)を使って、投票するアイドルを選択して投票する。ユーザーがユーザーアプリを使って投票するたびに、デジタル投票券はユーザーアカウントから減じていく。なお、ユーザーがデジタル投票券を追加したい場合には、総選挙ライブイベントの途中であっても、投票できる時間帯内であれば、デジタル投票券付きのデジタルコンテンツを購入し、デジタル投票券を追加で手に入れることもできる。
【0028】
投票がユーザーアプリ上で実行されるのと連動して、ユーザーのアカウントからデジタル投票券の受け入れアカウントに送付され、ブロックチェーン上に記録される。この記録がブロックチェーン上に書き込まれることにより、ブロックチェーンにアクセスする全ての人が、ユーザーによる投票事実を確認することができ、投票の信憑性と透明性を担保できる。
【0029】
図6は、ユーザーが視聴するライブ配信の画面の一例である。本実施形態では、IPRホルダーアプリがブロックチェーン上から投票データを抽出し、そのデーターをもとに音声と画像を合成し、リアルタイムの投票結果の音声と画像をIPRホルダーが使用するライブ配信カメラとマイムの音声と画像とをリアルタイムに合成することができる。そして合成された動画を複数の配信プラットフォームで配信する。ユーザーは配信プラットフォームのライブ配信画面上で自分の投票と投票状況が確認できる。
【0030】
なお、デジタルチケットとしてランダムにユーザーに付与する券(権利)は、アイドルグループの総選挙投票券以外にも、アーティストとの通話券、握手券、写真撮影券、メッセージ券、リクエスト券、アーティストサイン入りグッズ抽選参加券など、さまざまな券(権利)とすることができる。これらの権利を、ブロックチェーン上に記録されるデジタルチケットとして付与することで、透明性と権利所有の真実性を確保でき、各種イベントのインタラクション性を高め、ユーザーにとって安心・安全な体験を提供することができる。
【0031】
また上記のとおり、デジタルチケットの配布枚数は、ユーザーの過去のコンテンツ購入履歴数や購入額、イベント参加履歴などによってランク付けし、コアなファンに対して発行枚数確率を高めることもできる。例えば、ユーザーに対する発行枚数を1~10枚のいずれかとするランダム抽選である場合、コアなユーザーには5~10枚のいずれかとする数値にアップさせ、そうでないユーザーには1~5枚のいずれかとする数値にする。
【0032】
従来のデジタルコンテンツ配信の仕組みではIPRホルダーが動画配信プラットフォームをユーザーの管理に任せており、かつ異なった動画配信のプラットフォームの間でのユーザー履歴データの互換性がないため、IPRホルダーはユーザーのコア度合いを一元化管理できなかった。本発明のシステムによれば、異なった配信プラットフォーム上でもユーザーによる購入履歴や課金歴を一元化することにより、ユーザーデータをIPRホルダーに提供することができ、そのデーターに基づきIPRホルダーはユーザーのファンコア度合いを管理することができる。
【0033】
また動画配信を視聴するデバイスと視聴する配信プラットフォームはインターネットを介した動画配信以外にも、地上波テレビや衛星放送などのあらゆる動画配信に対応できる。そして、現場のライブでも大きなディスプレイデバイスを舞台に置くことにより、同じようにユーザーにデジタルコンテンツを販売し、ユーザーとデジタルチケットを通して連動するイベントを作ることができる。
【0034】
上記実施形態では、ネットによるデジタルコンテンツの販売とデジタルチケットの配布を同一システム内で行う例を示したが、ユーザーによる購入品を、現物の音楽CDや映像DVD、各種のグッズ類とし、当該物販品に、本システムにアクセスするQRコードとシリアル番号を記録しておき(或いは記録したカードを添付しておき)、ユーザーが自身のスマートフォン等の端末でQRコードを読み取り、特定サイトにアクセスしてシリアル番号を入力することにより、上記実施例(図4、5)で記載した、ブロックチェーン上で管理されるデジタルチケットをユーザー端末に送信するようにしても良い。
【0035】
上記別の実施形態によれば、デジタルコンテンツ以外の各種物販品の販売促進にも貢献することが出来る。
【符号の説明】
【0036】
1 システム管理サーバー
2 ユーザー端末2
3 ブロックチェーン層


図1
図2
図3
図4
図5
図6