(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】マグネシウム化合物、マグネシウム化合物を製造するための方法、およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07C 29/70 20060101AFI20231221BHJP
C07C 31/28 20060101ALI20231221BHJP
C08F 4/654 20060101ALI20231221BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20231221BHJP
C07C 15/06 20060101ALI20231221BHJP
C07C 9/15 20060101ALI20231221BHJP
C07C 31/04 20060101ALI20231221BHJP
C07C 31/12 20060101ALI20231221BHJP
C07C 31/125 20060101ALI20231221BHJP
C07C 31/10 20060101ALI20231221BHJP
C07C 31/20 20060101ALI20231221BHJP
C07C 43/13 20060101ALI20231221BHJP
C07C 39/04 20060101ALI20231221BHJP
C07C 49/10 20060101ALI20231221BHJP
C07C 69/14 20060101ALI20231221BHJP
C07C 31/08 20060101ALI20231221BHJP
C07F 3/02 20060101ALN20231221BHJP
【FI】
C07C29/70
C07C31/28
C08F4/654
C08F10/00 510
C07C15/06
C07C9/15
C07C31/04
C07C31/12
C07C31/125
C07C31/10
C07C31/20 A
C07C43/13 Z
C07C39/04
C07C49/10
C07C69/14
C07C31/08
C07F3/02 Z
(21)【出願番号】P 2020528228
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(86)【国際出願番号】 EP2018079565
(87)【国際公開番号】W WO2019105667
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-09-02
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514163756
【氏名又は名称】エスシージー ケミカルズ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】ファイラット,フィリヤウィルット
(72)【発明者】
【氏名】ミンクワン,ワナボーン
(72)【発明者】
【氏名】パチャネー,チャミンクワン
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0196847(US,A1)
【文献】特開2012-171957(JP,A)
【文献】国際公開第2006/022244(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/102973(WO,A1)
【文献】特表2015-533845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 29/70
C08F 4/654
C08F 10/00
C07C 15/06
C07C 9/15
C07C 31/04
C07C 31/12
C07C 31/125
C07C 31/10
C07C 31/20
C07C 43/13
C07C 39/04
C07C 49/10
C07C 69/14
C07C 31/08
C07C 31/28
C07F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式によって表されるマグネシウム化合物を製造するための方法であって、
Mg(OR
1)
2-n(モディファイアー)
n
[式中、
R
1は、C
mH
2m+1(式中、mは、2~10の整数である)であり、
nは、
0より大きく2以下である]
a)マグネシウムと、開始剤と、
アルコールとを含む混合物を提供する工程であって、開始剤対マグネシウムのモル比が0.0001~1である工程と、
b)モディファイアーを工程a)において得られた前記混合物に添加する工程であって、前記モディファイアーが
アルコキシアルコールまたはその混合物である工程と
を含み、
前記工程a)が、前記マグネシウムおよび/または
アルコールを前記開始剤および
アルコールを含む反応混合物に部分毎に添加することを含み、そして、
前記モディファイアーが、前記マグネシウムおよび/または前記
アルコールの最後の部分の添加後に添加される、
マグネシウム化合物を製造するための方法。
【請求項2】
前記開始剤がハロゲン含有化合物である、請求項1に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
【請求項3】
前記モディファイアーが0.0001から0.770の範囲の相対極性を有する、請求項1または2に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
【請求項4】
前記モディファイアーが合計3~10個の炭素原子を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
【請求項5】
前記モディファイアーが
2-メトキシエタノールである、請求項1から4のいずれか一項に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
【請求項6】
前記
アルコールがエタノールである、請求項1~5のいずれか一項に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネシウム化合物、マグネシウム化合物を調製するための方法、およびオレフィン重合のための固体プレ触媒成分としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
高いかさ密度、規則的な形状、および粒度分布の均一性は、樹脂押出し中の良好な流動性、より速い押出し速度、より簡単な取扱い、および輸送の利点を提供するためのポリマー樹脂の望ましい特性である。ポリマー樹脂のこれらの望ましい特性は、通常、ポリマー樹脂を調製するために使用される触媒の特性によって、特に、固体触媒および触媒担体の特性によって影響を受ける。
【0003】
マグネシウムアルコキシドは、重合触媒、特に、チーグラー・ナッタ型触媒の触媒担体として広く使用されており、マグネシウムアルコキシドの特性を改善するための多くの研究がある。
【0004】
米国特許第7754640号明細書は、金属マグネシウム、エタノール、3~10個の炭素原子を有するアルコール、およびハロゲンを反応させることによってマグネシウム組成物を製造するための方法を開示している。
【0005】
米国特許出願公開第2013/0196847号明細書は、不活性雰囲気中でのマグネシウム、混合アルコール、および混合ハロゲン化剤の還流反応によって調製されたジアルコキシマグネシウム担体を開示している。
【0006】
国際公開第2005/044873号パンフレットは、マグネシウムを混合物の沸点未満の温度でアルコール混合物と反応させることによって、球状マグネシウムアルコキシド粒子を合成するための方法を開示している。
【0007】
この方法によって合成された球状マグネシウムアルコキシド粒子は、かなり壊れやすく、特に、プロ触媒(procatalyst)合成が大規模で行われる場合、チーグラー・ナッタプロ触媒の合成中、その形態および粒子径を保持しない。さらに、上記の方法によって合成されたアルコキシド粒子の粒度分布は、改善が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第7754640号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0196847号明細書
【文献】国際公開第2005/044873号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点を克服するマグネシウム化合物、マグネシウム化合物を製造するための方法、およびマグネシウム化合物を含むオレフィン重合のための固体プレ触媒を提供すること、特に、高いかさ密度および改善された形態を有するマグネシウム化合物を製造するための方法であって、粒子径および粒度分布の制御を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示
上記目的は、
以下の式:
Mg(OR1)2-n(モディファイアー(Modifier))n
[式中、
R1は、CmH2m+1(式中、mは、2~10の整数である)であり、
nは、0~2であり、好ましくは、0より大きく2以下である]
によって表されるマグネシウム化合物を製造するための方法であって、
a)マグネシウムと、開始剤と、第1のアルコールとを含む混合物を提供する工程であって、開始剤対マグネシウムのモル比が0.0001~1である工程と、
b)モディファイアーを工程a)において得られた混合物に添加する工程であって、モディファイアーがアルコキシアルコール、カルボン酸エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、第2のアルコール、またはそれらの混合物からなる群から選択され、第2のアルコールが第1のアルコールとは異なっている工程と
を含む、マグネシウム化合物を製造するための方法によって達成される。
【0011】
原則として、混合物を提供するためのマグネシウム、開始剤、および第1のアルコールの添加の順序は、限定されない。最初に、そこにマグネシウムが添加される、開始剤および第1のアルコールを含む混合物が提供され得る。同様に、例えば、開始剤およびマグネシウムを提供し、それらを第1のアルコールに曝露することにより、開始剤、マグネシウム、および第1のアルコールが同時に混合され得る。
【0012】
本明細書で使用される「カルボン酸エステル」という用語は、カルボン酸(R-COOH)とアルコール(R’-OH)の反応生成物、すなわち、一般式R-C(O)OR’を有するエステルを指す。そのようなカルボン酸エステルの例は、酢酸エチルである。
【0013】
本明細書で使用される「脂肪族炭化水素」という用語は、直鎖、分岐鎖または非芳香族環で一緒に結合された炭素および水素のみを含有する水素炭素化合物(hydrogencarbon compound)を包含する。包含されるのは、飽和している脂肪族化合物(すなわち、二重結合を含まない)または不飽和脂肪族化合物(すなわち、1つまたはそれ以上の二重結合を含むが、芳香族ではない化合物)である。
【0014】
本発明に関するマグネシウム化合物は、粒子形状であり、すなわち、化学式Mg(OR1)2-n(モディファイアー)nを有する材料を含む、好ましくはそれからなる粒子からなる。
【0015】
好ましい実施形態では、開始剤対マグネシウムのモル比は、0.0002~0.0048である。
【0016】
開始剤がハロゲンおよび/またはハロゲン含有化合物であることがさらに好ましい。
【0017】
開始剤は、ヨウ素、臭素、塩素、またはそれらの混合物、好ましくはヨウ素とすることができる。
【0018】
さらに、開始剤は、ハロゲン原子、例えば、ヨウ素、臭素、塩素を含有する化合物とすることができる。例は、マグネシウムクロライド(MgCl2)、マグネシウムヨード(MgI2)、マグネシウムエトキシドクロライド(Mg(OEt)Cl、マグネシウムエトキシドヨード(Mg(OEt)I、マグネシウムブロミド(MgBr2)、カルシウムクロライド(CaCl2)、ナトリウムクロライド(NaCl)、ポタシウムブロミド(KBr)、またはそれらの混合物である。ハロゲン化開始剤の使用、特に、混合ハロゲン化剤の使用は、マグネシウム化合物の粒子径を拡大するのに役立つ。適用された開始剤の中で、I2は、粒子形状と粒度分布の最良のバランスをもたらした。
【0019】
一実施形態では、工程a)は、マグネシウムおよび/または第1のアルコールを開始剤および第1のアルコールを含む反応混合物に部分毎に(portionwise)添加することを含む。これに関して、「部分毎に」という用語は、添加されるマグネシウムおよび第1のアルコールの総量が、2つまたは(好ましくは)それ以上の部分に分割され、次いで工程a)において得られた混合物に連続的に添加される添加を指す。マグネシウムを部分毎に添加することにより、より大きなマグネシウム化合物粒子が得られ得る。
【0020】
これに関して、工程a)が、マグネシウムおよび/または第1のアルコールを10~30分の間隔で2~9回で部分毎に添加することを含むことが好ましい場合がある。
【0021】
一実施形態では、添加される各部分におけるマグネシウム対第1のアルコールのモル比は、0.15:1~0.3:1、好ましくは0.23:1とすることができる。
【0022】
好ましい実施形態では、マグネシウムおよび第1のアルコールは、各部分で別々に添加される。
【0023】
モディファイアーは、マグネシウムおよび/または第1のアルコールの第1の部分の添加後に添加され得る。
【0024】
これに関して、モディファイアーが、金属マグネシウムおよび/または第1のアルコールの最後の部分の添加後に添加されることが好ましい場合がある。
【0025】
[PK1]初期段階でのモディファイアーの添加は、多数の細かい粒子とともに粒子形状の著しい歪みにつながる。モディファイアーがマグネシウムおよび/または第1のアルコールの最後の添加後少なくとも10分で添加される場合、マグネシウム化合物の球状粒子形状を維持することが可能である。
【0026】
一実施形態では、モディファイアーは、マグネシウムおよび/または第1のアルコールの最後の部分の添加前または後に添加される。モディファイアーは、マグネシウムおよび/または第1のアルコールの一度の添加後、マグネシウムおよび/または第1のアルコールの部分毎の添加の間、またはマグネシウムおよび/または第1のアルコールの最後の部分の添加後に添加され得る。
【0027】
好ましい実施形態では、工程b)は、モディファイアーをマグネシウムおよび/または第1のアルコールの最後の部分の添加後10~30分で添加し、反応を好ましくは1~4時間続けることを含む。
【0028】
一実施形態では、モディファイアーは、0.0001~0.770の範囲の相対極性(relative polarity)を有する。
【0029】
相対極性は、Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry,Third Ed.,Updated and Enlarged Edition,Christian Reichardt,WILEY-VCH,ISBN#3-527-30618-8,page 411-443に記載されている分光測定から得られる。
【0030】
好ましい実施形態では、モディファイアーは、合計3~10個の炭素原子を含む。
モディファイアーの好ましい例は、アルコール、例えば、メタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、エチレングリコール、アルコキシアルコール、例えば、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノール、2-フェノキシエタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、アルカン、例えば、ヘプタン、デカン、ドデカン、芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、エステル、例えば、エチルアセテート、ケトン、例えば、2-ブタノン、またはそれらの混合物である。
【0031】
これに関して特に言及されるのは、モディファイアーが、1-プロパノール、イソブタノール、tert-ブタノール、1-ブタノール、2-プロパノール、2-ブタノール、1-デカノール、フェノール、2-メトキシエタノール、2-ブタノン、エチルアセテート、トルエン、ヘプタン、またはそれらの混合物からなる群から選択されるということである。
【0032】
[PK2]一実施形態では、モディファイアー対第1のアルコールのモル比は、0.002:1~0.040:1である。
【0033】
別の実施形態では、モディファイアー対マグネシウムのモル比は、0.01:1~0.20:1である。
【0034】
好ましい実施形態では、第1のアルコールは、エタノールである。
【0035】
一実施形態では、すべての工程((工程a)および工程b))中の温度は、第1のアルコールの沸点未満に維持される。
【0036】
非常に好ましい実施形態では、マグネシウム化合物を製造するための方法は、
a)70℃~第1のアルコールの沸点の範囲の温度で第1のアルコールおよび開始剤を接触させることと、
b)マグネシウムおよび第1アルコールを0.15:1~0.3:1のマグネシウム対第1アルコールのモル比で部分毎に添加し、反応温度を70℃~第1アルコールの沸点の範囲で維持することと、
c)モディファイアーを金属マグネシウムおよび/または第1のアルコールの最後の添加後に添加することと、
d)工程c)から得られたスラリーを70℃~第1のアルコールの沸点の範囲の温度で撹拌することと、
d)固体生成物を液体から分離し、次いで、マグネシウム化合物を乾燥して、形態学的に修飾されたマグネシウム化合物を得ることと
を含む。
【0037】
洗浄工程は、マグネシウム化合物をヘプタンで洗浄することを含み得る。
【0038】
乾燥工程は、マグネシウム化合物を真空オーブン下で乾燥させて、形態学的に修飾されたマグネシウム化合物の粉末形を得ることを含み得る。
【0039】
目的は、本発明の方法によって得られるマグネシウム化合物によってさらに達成される。
【0040】
上記の本発明の方法によって得られるマグネシウム化合物は、固体であり、実質的に、式Mg(OR1)2-n(モディファイアー)nによって表されるマグネシウムアルコキシドである。マグネシウム化合物は、形態学的に修飾されたマグネシウム化合物である。
【0041】
マグネシウム化合物は、25~65ミクロン、好ましくは、28~38ミクロンの範囲の平均粒子径(D50)、0.73~0.91の範囲の真円度(circularity)、および0.30~0.45g/mlの範囲のかさ密度を有し得る。
【0042】
目的は、オレフィン重合のための固体プレ触媒であって、
a)本発明のマグネシウム化合物と、
b)以下の式:
Ti(OR3)pX4-p
(式中、
R3は、同じかまたは異なっており、1~10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基を表し、
Xは、ハロゲン原子であり、
pは、0~4の整数である)
によって表されるチタン化合物と、
c)電子供与化合物と
を含む、オレフィン重合のための固体プレ触媒によってさらに達成される。
好ましい実施形態では、Xは、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは、塩素原子である。
【0043】
チタン化合物の例は、テトラアルコキシチタン、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ-n-プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラシクロヘキシルオキシチタン、およびテトラフェノキシチタン、テトラハライド、例えば、チタンテトラクロライド、チタンテトラブロミド、およびチタンテトラヨード、アルコキシチタントリハライド、例えば、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n-ブトキシチタントリクロライド、およびエトキシチタントリブロミド、ジアルコキシチタンジハライド、例えば、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジイソプロポキシチタンジクロライド、ジ-n-プロポキシチタンジクロライド、およびジエトキシチタンジブロミド、トリメトキシチタンモノハライド、例えば、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリイソプロポキシチタンクロライド、トリ-n-プロポキシチタンクロライド、およびトリ-n-ブトキシチタンクロライドを含む。
【0044】
別の実施形態では、固体プレ触媒は、電子供与化合物をさらに含む。
電子供与化合物は、酸素含有電子供与体、例えば、アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、マロン酸、コハク酸、有機酸または無機酸のエステル、ならびにエーテル、例えば、モノエーテル、ジエーテル、およびポリエーテル、ならびに窒素含有電子供与体、例えば、アンモニア、アミン、ニトリル、およびイソシアネートを含む。芳香族ポリカルボン酸のエステルがより好ましい。例は、ジ-n-ブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジ-n-ヘプチルフタレート、およびジエチルフタレートなどである。これらの電子供与化合物は、個別に、または2つもしくはそれ以上の化合物の組合せとして使用され得る。
【0045】
目的は、オレフィン重合のための触媒系であって、
a)本発明の固体プレ触媒と、
b)有機アルミニウム化合物と、を含み、
c)電子供与化合物を含んでいてもよい、
オレフィン重合のための触媒系によってさらに達成される。
【0046】
一実施形態では、有機アルミニウム化合物は、アルキル基、ハロゲン原子、水素原子、およびアルコキシ基、アルミノキサン、またはこれらの混合物を有する有機アルミニウム化合物である。例は、トリアルキルアルミニウム化合物、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、およびトリオクチルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムモノクロライド、例えば、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、およびジオクチルアルミニウムモノクロライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、例えば、エチルアルミニウムセスキクロライド、線状アルミノキサン、例えば、メチルアルミノキサンである。
【0047】
別の実施形態では、電子供与化合物は、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物、窒素含有化合物、リン含有化合物、および酸素含有化合物であり、好ましくは、アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物である。例は、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルイソプロピルジメトキシシラン、プロピルイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソプロピルイソブチルジメトキシシラン、ジ-t-ブチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルエチルジメトキシシラン、t-ブチルプロピルジメトキシシラン、t-ブチルイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルブチルジメトキシシラン、t-ブチルイソブチルジメトキシシラン、t-ブチル(s-ブチル)ジメトキシシラン、t-ブチルアミルジメトキシシラン、t-ブチルヘキシルジメトキシシラン、t-ブチルヘプチルジメトキシシラン、t-ブチルオクチルジメトキシシラン、t-ブチルノニルジメトキシシラン、t-ブチルデシルジメトキシシラン、t-ブチル(3,3,3-トリフルオロメチルプロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシル-t-ブチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルプロピルジメトキシシラン、シクロペンチル-t-ブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルシクロヘキシルジメトキシシラン、ビス(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、α-ナフチル-1,1,2-トリメチルプロピルジメトキシシラン、n-テトラデカニル-1,1,2-トリメチルプロピルジメトキシシラン、1,1,2-トリメチルプロピルメチルジメトキシシラン、1,1,2-トリメチルプロピルエチルジメトキシシラン、1,1,2-トリメチルプロピルイソプロピルジメトキシシラン、1,1,2-トリメチルプロピルシクロペンチルジメトキシシラン、1,2-トリメチルプロピルシクロヘキシルジメトキシシラン、1,1,2-トリメチルプロピルイミリスチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルドエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシラン、s-ブチルトリメトキシシラン、アミルトリメトキシシラン、イソアミルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ノルボルナントリメトキシシラン、インデニルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、メチルシクロペンチル(t-ブトキシ)ジメトキシシラン、イソプロピル(t-ブトキシ)ジメトキシシラン、t-ブチル(t-ブトキシ)ジメトキシシラン、(イソブトキシ)ジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、1,1,2-トリルメチルプロピルトリメトキシシラン、1,1,2-トリメチルプロピルイソプロポキシジメトキシシラン、1,1,2-トリメチルプロピル(t-ブトキシ)ジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、エチルシリケート、ブチルシリケート、トリメチルフェノキシシラン、メチルトリアリルオキシシラン、ビニルトリス(μ-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリサアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサンなどである。これらの有機ケイ素化合物は、それぞれ単独で使用でされ得る、またはその2つもしくはそれ以上が組合せで使用され得る。
【0048】
さらに、目的は、ポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレンコポリマーを調製するためのプロセスであって、本発明の触媒系をプロピレンモノマーと接触させることを含む、ポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレンコポリマーを調製するためのプロセスによって達成される。
【0049】
目的は、本発明の触媒系によって得られるポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレンコポリマーによってさらに達成される。
【0050】
さらに、目的は、
Mg(OR1)2-n(モディファイアー)n
[式中、R1は、CmH2m+1(式中、mは、2~10の整数である)であり、nは、0.01~2である]によって表されるマグネシウム化合物であって、モディファイアーが、アルコキシアルコール、カルボン酸エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、第2のアルコール、またはそれらの混合物からなる群から選択され、第2のアルコールが式HOR1を有するアルコールとは異なっている、マグネシウム化合物によって達成される。
【0051】
驚くべきことに、発明者らによって、本発明の方法は、特に、強化された形態および高いかさ密度を有する粒子形状を有するマグネシウムに基づく化合物(=マグネシウム化合物)を調製することを可能にすることによって、先行技術の欠点を克服するということ、および本発明の方法は、本発明のマグネシウム化合物の粒子径およびその粒度分布を制御することを可能にするということが見出された。
【0052】
方法および定義
1.マグネシウム化合物および触媒のD10、D50およびD90の決定
粒子特徴は、それぞれ10%、50%、90%での累積数に基づく粒子径であるD10、D50、およびD90によって定義される。これらの値は、画像処理ソフトウェアを使用して500粒子にわたって撮影されたSEM画像から取得された。
2.相対スパン係数(RSF)の決定
相対スパン係数は、以下の等式から計算される。
RSF=(D90-D10)/D50
3.真円度の決定
真円度は、以下の等式から計算される。
真円度=(4×π×面積)/(境界長)2
4.かさ密度の決定
マグネシウム化合物のかさ密度は、JIS K 6721に従って一定体積の重量を測定することによって決定される。
【0053】
以下において、本発明は、特定の例を参照してより詳細に記載されるが、それぞれの適用の範囲を限定することを意図しない。これに関して、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】実施例1による本発明のマグネシウムアルコキシドのSEM画像を示す。
【
図2】実施例3による本発明のマグネシウムアルコキシドのSEM画像を示す。
【
図3】比較例1による従来のマグネシウムアルコキシドのSEM画像を示す。
【実施例】
【0055】
実施例1(Ex.1)
(1)マグネシウム化合物の調製
500mlの内容積を有し、スターラーを有する三つ口フラスコを窒素でフラッシュした。31.7ml(0.543モル)のエタノールおよび0.68g(0.0054グラム原子)のヨウ素を三つ口フラスコに加え、75℃の接触温度、180rpmで10分間維持した。3g(0.123グラム原子)の金属マグネシウムおよび31.7ml(0.543モル)のエタノールを75℃、9回(9つの部分)、10分間隔で三つ口フラスコに加えた。金属マグネシウムおよびエタノールの最後の添加後10分で、マグネシウムのモル数に基づいて5mol%の2-メトキシエタノールを三つ口フラスコに加え、反応を75℃、180rpmで2時間継続した。反応の完了後、生じた生成物を、室温で各洗浄につき100mlのn-ヘプタンで3回洗浄した。洗浄した生成物を真空乾燥して、粉末状のマグネシウム化合物を得る。
【0056】
(2)固体プレ触媒の調製
500mlの内容積を有し、スターラーを備えた三つ口フラスコを窒素でフラッシュした。15gの(1)で得られたマグネシウム化合物および150mlのトルエンを三つ口フラスコに加え、室温から0℃まで冷却した。30mlのTiCl4を三つ口フラスコに加え、90℃に加熱した。4.5mlのジブチルフタレート(DBP)を添加し、110℃に加熱し、2時間撹拌した。混合物を150mlのトルエンで90℃で2回洗浄した。150mlのトルエンおよび30mlのTiCl4を加え、110℃に加熱し、2時間撹拌した。混合物を220mlのヘプタンで70℃で3回洗浄し、次いで室温で220mlのヘプタンで4回洗浄した。TiCl4/DBP/MgCl2の固体プレ触媒が得られた。
【0057】
比較例1(Com.Ex.1)
(1)マグネシウム化合物の調製
500mlの内容積を有し、スターラーを有する三つ口フラスコを窒素でフラッシュした。31.7ml(0.543モル)のエタノールおよび0.68g(0.0054グラム原子)のヨウ素を三つ口フラスコに加え、75℃の接触温度、180rpmで10分間維持した。3g(0.123グラム原子)の金属マグネシウムおよび31.7ml(0.543モル)のエタノールを75℃、9回、10分間隔で三つ口フラスコに加えた。反応の完了後、生じた生成物を、室温で各洗浄につき100mlのn-ヘプタンで3回洗浄した。洗浄した生成物を真空乾燥して、粉末状のマグネシウム化合物を得る。
【0058】
固体プレ触媒の調製は、実施例1と同じであった。
【0059】
比較例2(Com.Ex.2)
(1)マグネシウム化合物の調製
500mlの内容積を有し、スターラーを有する三つ口フラスコを窒素でフラッシュした。31.7ml(0.543モル)のエタノールおよび0.68g(0.0054グラム原子)のヨウ素を三つ口フラスコに加え、75℃の接触温度、180rpmで10分間維持した。金属マグネシウムの10分間の最初の添加前に、マグネシウムのモル数に基づいて5mol%の2-メトキシエタノールを導入し、次いで、3g(0.123g原子)の金属マグネシウムおよび31.7ml(0.543mol)のエタノールを添加した。反応の完了後、生じた生成物を、室温で各洗浄につき100mlのn-ヘプタンで3回洗浄した。洗浄した生成物を真空乾燥して、粉末状のマグネシウム化合物を得る。
【0060】
固体プレ触媒の調製は、実施例1と同じであった。
【0061】
実施例2(Ex.2)
マグネシウム化合物の調製は、モディファイアーが、2-メトキシエタノールのマグネシウムのモル数に基づいて10mol%であったことを除いて、実施例1と同じであった。
【0062】
実施例3(Ex.3)
マグネシウム化合物の調製は、モディファイアーが、2-ブトキシエタノールのマグネシウムのモル数に基づいて10mol%であったことを除いて、実施例1と同じであった。
【0063】
表1からわかるように、本発明の方法からのマグネシウムアルコキシド(MGE_Ex.1)は、最初の工程で2-メトキシエタノールを添加することによって得られたマグネシウムアルコキシド(MGE_Com.Ex.2)よりも狭い粒度分布(低いRSF)および高い真円度を示す。さらに、不完全な反応を指す多くの金属マグネシウムがCom.Ex.2において見出される一方、本発明の方法(Ex.1)は、金属マグネシウムが残っていないことを示している。本発明のマグネシウムアルコキシドによって製造された触媒(Cat_MGE_Ex.1)は、モディファイアーを添加せずにマグネシウムアルコキシドによって製造された触媒(Cat_MGE_Com.Ex.1)よりも高い活性を提供する。さらに、本発明のマグネシウムアルコキシド(MGE_Ex.1)は、従来の方法(MGE_Com.Ex.1)よりも高いかさ密度を有する。試験結果として、金属マグネシウムおよびアルコールの反応工程後にモディファイアーを添加する本発明の方法は、従来の方法を超える利点を示す。さらに、Ex.2およびEx.3は、モディファイアーの量およびモディファイアーの炭素原子の数を増加させた場合、より高い触媒活性が得られることを示している。
【0064】
図2および3は、本発明の方法(MGE_Ex.3)からのマグネシウムアルコキシドの表面が、従来の方法(MGE_Com.Ex.1)からのマグネシウムアルコキシドよりも滑らかな表面を有することを示している。
【0065】
【0066】
本発明によるさらなるマグネシウム化合物およびそれを含む固体プレ触媒を、他のモディファイアーを使用したことのみを除いて、上記の実施例1の一般的な手順に従って合成した。結果を以下の表2にまとめる。
【表2】
【0067】
前述の説明および特許請求の範囲に開示された特徴は、別々におよび任意の組合せでの両方で、本発明をその多様な形態で実現するための材料とすることができる。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
以下の式によって表されるマグネシウム化合物を製造するための方法であって、
Mg(OR1)2-n(モディファイアー)n
[式中、
R1は、CmH2m+1(式中、mは、2~10の整数である)であり、
nは、0~2である]
a)マグネシウムと、開始剤と、第1のアルコールとを含む混合物を提供する工程であって、開始剤対マグネシウムのモル比が0.0001~1である工程と、
b)モディファイアーを工程a)において得られた前記混合物に添加する工程であって、前記モディファイアーがアルコキシアルコール、カルボン酸エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、第2のアルコール、またはそれらの混合物からなる群から選択され、前記第2のアルコールが前記第1のアルコールとは異なっている工程と
を含む、マグネシウム化合物を製造するための方法。
項2.
前記開始剤がハロゲン含有化合物、好ましくはハロゲン、最も好ましくはI2である、項1に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
項3.
前記工程a)が、前記マグネシウムおよび/または第1のアルコールを前記開始剤および第1のアルコールを含む反応混合物に部分毎に添加することを含む、項1または2に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
項4.
前記モディファイアーが、前記マグネシウムおよび/または前記第1のアルコールの第1の部分の添加後に添加される、項3に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
項5.
前記モディファイアーが、前記金属マグネシウムおよび/または前記第1のアルコールの最後の部分の添加後に添加される、項3または4に記載の方法。
項6.
前記モディファイアーが0.0001から0.770の範囲の相対極性を有する、項1から5のいずれか一項に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
項7.
前記モディファイアーが合計3~10個の炭素原子を含む、項1から6のいずれか一項に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
項8.
前記モディファイアーが、1-プロパノール、イソブタノール、tert-ブタノール、1-ブタノール、2-プロパノール、2-ブタノール、1-デカノール、フェノール、2-メトキシエタノール、2-ブタノン、エチルアセテート、トルエン、ヘプタン、またはそれらの混合物からなる群から選択される、項1から7のいずれか一項に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
項9.
前記第1のアルコールがエタノールである、項1~8のいずれか一項に記載のマグネシウム化合物を製造するための方法。
項10.
項1~9のいずれか一項に記載の方法によって得られるマグネシウム化合物。
項11.
前記マグネシウム化合物が、25~65ミクロンの範囲の平均粒子径(D50)、0.73~0.91の範囲の真円度、および0.30~0.45g/mlの範囲のかさ密度を有する、項10に記載のマグネシウム化合物。
項12.
オレフィン重合のための固体プレ触媒であって、
a)項10または11に記載のマグネシウム化合物と、
b)以下の式によって表されるチタン化合物と、
Ti(OR3)pX4-p
(式中、
各R3は、同じかまたは異なっており、1~10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、
Xは、ハロゲン原子であり、
pは、0~4の整数である)
c)電子供与化合物と
を含む、オレフィン重合のための固体プレ触媒。
項13.
オレフィン重合のための触媒系であって、
a)項12に記載の固体プレ触媒と、
b)有機アルミニウム化合物と、
c)任意選択で、電子供与化合物と
を含む、オレフィン重合のための触媒系。
項14.
ポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレンコポリマーを調製するためのプロセスであって、項13に記載の触媒系をプロピレンモノマーと接触させることを含む、ポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレンコポリマーを調製するためのプロセス。
項15.
以下の式によって表されるマグネシウム化合物であって、
Mg(OR1)2-n(モディファイアー)n
[式中、
R1は、CmH2m+1(式中、mは、2~10の整数である)であり、
nは、0.01~2である]
モディファイアーが、アルコキシアルコール、カルボン酸エステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、第2のアルコール、またはそれらの混合物からなる群から選択され、前記第2のアルコールが式HOR1を有するアルコールとは異なっている、マグネシウム化合物。