(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法、基地局及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/115 20230101AFI20231221BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20231221BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20231221BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20231221BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20231221BHJP
【FI】
H04W72/115
H04W72/0457
H04W72/231
H04W72/232
H04W8/22
(21)【出願番号】P 2020554716
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(86)【国際出願番号】 JP2018040750
(87)【国際公開番号】W WO2020090091
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】武田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ワン リフェ
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】NTT DOCOMO, INC.,Summary of 7.2.6.4 Enhanced UL grant-free transmissions[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #94bis R1-180xxxx,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94b/Docs/R1-1811822.zip>,2018年10月10日
【文献】Samsung,Potential enhancement for UL grant-free transmission,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #94bis R1-1810881,2018年09月29日,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94b/Docs/R1-1810881.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの部分帯域(BWP:BandWidth Part)に対してアクティベート可能な設定グラント設定の数を超えない数の複数の設定グラント設定を含む設定グラント設定リストを上位レイヤシグナリングにより受信し、
アクティベートのための複数の下り制御情報(DCI)を受信する受信部と、
前記アクティベート可能な設定グラント設定の数を能力情報として報告し、前記複数のDC
Iの受信に応じて、前記
設定グラント設定リストの複数の設定グラント設
定をアクティベートする制御部と、を有し、
前記受信部は、
ディアクティベートのための1つ
以上のDCIを受
信し、
前記制御部は、前記1つ
以上のDCIの受信に
応じて、複数の設定グラント設定をディアクティベートする、端末。
【請求項2】
前記制御部は
、トランスポートブロックの発生タイミングに基づいて、前記設定グラント設定リストから1つの設定グラント設定を決定し、前記決定された1つの設定グラント設定を用いた物理上り共有チャネル(PUSCH)の送信を制御する、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
1つの部分帯域(BWP:BandWidth Part)に対してアクティベート可能な設定グラント設定の数を能力情報として報告し、
前記アクティベート可能な設定グラント設定の数を超えない数の複数の設定グラント設定を含む設定グラント設定リストを上位レイヤシグナリングにより受信し、
アクティベートのための複数の下り制御情報(DCI)を受信し、
前記複数のDCI
の受信に応じて、前記
設定グラント設定リストの複数
の設定グラント設定をアクティベートし、
ディアクティベートのための1つ
以上のDCIを受信し、
前記1つ
以上のDCIの受信に
応じて、複数の設定グラント設定をディアクティベートする、端末の無線通信方法。
【請求項4】
1つの部分帯域(BWP:BandWidth Part)に対してアクティベート可能な設定グラント設定の数を超えない数の複数の設定グラント設定を含む設定グラント設定リストを上位レイヤシグナリングにより送信し
、前記
設定グラント設定リストの複数の設定グラント設定をアクティベートするため
の複数の下り制御情報(DCI)を送信する送信部と、
前記アクティベート可能な設定グラント設定の数を能力情報として受信し、複数の設定グラント設定をディアクティベートするための1つ
以上のDCIの送信を制御する制御部と、を有する基地局。
【請求項5】
端末及び基地局を含むシステムであって、
前記端末は、
1つの部分帯域(BWP:BandWidth Part)に対してアクティベート可能な設定グラント設定の数を超えない数の複数の設定グラント設定を含む設定グラント設定リストを上位レイヤシグナリングにより受信し、
アクティベートのための複数の下り制御情報(DCI)を受信する受信部と、
前記アクティベート可能な設定グラント設定の数を能力情報として報告し、前記複数のDCI
の受信に応じて、
前記設定グラント設定リストの複数の設定グラント設定をアクティベートする制御部と、を有し、
前記受信部は、
ディアクティベートのための1つ
以上のDCIを受信し、
前記制御部は、前記1つ
以上のDCIの受信に
応じて、複数の設定グラント設定をディアクティベートし、
前記基地局は、
前記設定グラント設定リスト
を前記上位レイヤシグナリングにより送信し、
アクティベートのための前記複数のDC
Iを送信する送信部と、
前記能力情報を受信し、ディアクティベートのための前記1つ
以上のDCI
の送信を制御する制御部と、を有するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、次世代移動通信システムにおける端末、無線通信方法、基地局及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてLTE(Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(3GPP(Third Generation Partnership Project) Rel.(Release)8、9)の更なる大容量、高度化などを目的として、LTE-Advanced(3GPP Rel.10-14)が仕様化された。
【0003】
LTEの後継システム(例えば、5G(5th generation mobile communication system)、5G+(plus)、NR(New Radio)、3GPP Rel.15以降などともいう)も検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 36.300 V8.12.0 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 8)”、2010年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
将来の無線通信システム(例えば、NR)では、動的グラント(dynamic grant)を用いるスケジューリングと、設定グラント(configured grant)を用いるスケジューリングと、が検討されている。UEは、1つのセルにおいて複数の設定グラント(multi configured grant)が設定されることも検討されている。
【0006】
しかしながら、複数の設定グラントの設定のためのパラメータについては、まだ検討が進んでいない。複数の設定グラントの設定が適切に行われなければ、設定のオーバヘッドの増大、設定グラントに基づく送信の遅延などによって、システム性能が低下するおそれがある。
【0007】
そこで、本開示は、複数の設定グラントの設定を適切に行う端末、無線通信方法、基地局及びシステムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る端末は、1つの部分帯域(BWP:BandWidth Part)に対してアクティベート可能な設定グラント設定の数を超えない数の複数の設定グラント設定を含む設定グラント設定リストを上位レイヤシグナリングにより受信し、アクティベートのための複数の下り制御情報(DCI)を受信する受信部と、前記アクティベート可能な設定グラント設定の数を能力情報として報告し、前記複数のDCIの受信に応じて、前記設定グラント設定リストの複数の設定グラント設定をアクティベートする制御部と、を有し、前記受信部は、ディアクティベートのための1つ以上のDCIを受信し、前記制御部は、前記1つ以上のDCIの受信に応じて、複数の設定グラント設定をディアクティベートする。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、複数の設定グラントの設定を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、ユースケース1のためのCG設定の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、ユースケース2のためのCG設定の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、複数のCG設定における共通パラメータ及び独立パラメータの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、複数のCG設定における共通パラメータ及び独立パラメータの別の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<動的グラントベース送信及び設定グラントベース送信(タイプ1、タイプ2)>
NRのUL送信について、動的グラントベース送信(dynamic grant-based transmission)及び設定グラントベース送信(configured grant-based transmission)が検討されている。
【0012】
動的グラントベース送信は、動的なULグラント(dynamic grant、dynamic UL grant)に基づいて、上り共有チャネル(例えば、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel))を用いてUL送信を行う方法である。
【0013】
設定グラントベース送信は、上位レイヤによって設定されたULグラント(例えば、設定グラント(configured grant)、configured UL grantなどと呼ばれてもよい)に基づいて、上り共有チャネル(例えば、PUSCH)を用いてUL送信を行う方法である。設定グラントベース送信は、UEに対して既にULリソースが割り当てられており、UEは設定されたリソースを用いて自発的にUL送信できるため、低遅延通信の実現が期待できる。
【0014】
動的グラントベース送信は、動的グラントベースPUSCH(dynamic grant-based PUSCH)、動的グラントを伴うUL送信(UL Transmission with dynamic grant)、動的グラントを伴うPUSCH(PUSCH with dynamic grant)、ULグラントありのUL送信(UL Transmission with UL grant)、ULグラントベース送信(UL grant-based transmission)、動的グラントによってスケジュールされる(送信リソースを設定される)UL送信などと呼ばれてもよい。
【0015】
設定グラントベース送信は、設定グラントベースPUSCH(configured grant-based PUSCH)、設定グラントを伴うUL送信(UL Transmission with configured grant)、設定グラントを伴うPUSCH(PUSCH with configured grant)、ULグラントなしのUL送信(UL Transmission without UL grant)、ULグラントフリー送信(UL grant-free transmission)、設定グラントによってスケジュールされる(送信リソースを設定される)UL送信などと呼ばれてもよい。
【0016】
また、設定グラントベース送信は、UL セミパーシステントスケジューリング(SPS:Semi-Persistent Scheduling)の1種類として定義されてもよい。本開示において、「設定グラント」は、「SPS」、「SPS/設定グラント」などと互いに読み替えられてもよい。
【0017】
設定グラントベース送信については、いくつかのタイプ(タイプ1、タイプ2など)が検討されている。
【0018】
設定グラントタイプ1送信(configured grant type 1 transmission、タイプ1設定グラント)において、設定グラントベース送信に用いるパラメータ(設定グラントベース送信パラメータ、設定グラントパラメータなどと呼ばれてもよい)は、上位レイヤシグナリングのみを用いてUEに設定される。
【0019】
設定グラントタイプ2送信(configured grant type 2 transmission、タイプ2設定グラント)において、設定グラントパラメータは、上位レイヤシグナリングによってUEに設定される。設定グラントタイプ2送信において、設定グラントパラメータの少なくとも一部は、物理レイヤシグナリング(例えば、後述のアクティベーション用下り制御情報(DCI:Downlink Control Information))によってUEに通知されてもよい。
【0020】
ここで、上位レイヤシグナリングは、例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報などのいずれか、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0021】
MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))、MAC PDU(Protocol Data Unit)などを用いてもよい。ブロードキャスト情報は、例えば、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)、最低限のシステム情報(RMSI:Remaining Minimum System Information)、その他のシステム情報(OSI:Other System Information)などであってもよい。
【0022】
設定グラントパラメータは、RRCのConfiguredGrantConfig情報要素を用いてUEに設定されてもよい。設定グラントパラメータは、例えば設定グラントリソースを特定する情報を含んでもよい。設定グラントパラメータは、例えば、設定グラントのインデックス、時間オフセット、周期(periodicity)、トランスポートブロック(TB:Transport Block)の繰り返し送信回数(繰り返し送信回数は、Kと表現されてもよい)、繰り返し送信で使用する冗長バージョン(RV:Redundancy Version)系列、上述のタイマなどに関する情報を含んでもよい。
【0023】
ここで、周期及び時間オフセットは、それぞれ、シンボル、スロット、サブフレーム、フレームなどの単位で表されてもよい。周期は、例えば、所定数のシンボルで示されてもよい。時間オフセットは、例えば所定のインデックス(スロット番号=0及び/又はシステムフレーム番号=0など)のタイミングに対するオフセットで示されてもよい。繰り返し送信回数は、任意の整数であってもよく、例えば、1、2、4、8などであってもよい。繰り返し送信回数がn(>0)の場合、UEは、所定のTBを、n回の送信機会を用いて設定グラントベースPUSCH送信してもよい。
【0024】
UEは、設定グラントタイプ1送信を設定された場合、1つ又は複数の設定グラントがトリガされたと判断してもよい。UEは、設定された設定グラントベース送信用のリソース(設定グラントリソース、送信機会(transmission occasion)などと呼ばれてもよい)を用いて、動的グラント無しでPUSCH送信を行ってもよい。なお、設定グラントベース送信が設定されている場合であっても、送信バッファにデータがない場合は、UEは設定グラントベース送信をスキップしてもよい。
【0025】
UEは、設定グラントタイプ2送信を設定され、かつ所定のアクティベーション信号が通知された場合、1つ又は複数の設定グラントがトリガ(又はアクティベート)されたと判断してもよい。当該所定のアクティベーション信号(例えば、アクティべーション用DCI)は、所定の識別子(例えば、CS(Configured Scheduling)-RNTI(Radio Network Temporary Identifier))でCRC(Cyclic Redundancy Check)スクランブルされるDCI(PDCCH)であってもよい。なお、当該DCIは、設定グラントのディアクティベーション、再送などの制御に用いられてもよい。
【0026】
UEは、上位レイヤで設定された設定グラントリソースを用いてPUSCH送信を行うか否かを、上記所定のアクティベーション信号に基づいて判断してもよい。UEは、設定グラントをディアクティベートするDCI又は所定のタイマの満了(所定時間の経過)に基づいて、当該設定グラントに対応するリソース(PUSCH)を解放(リリース(release)、ディアクティベート(deactivate)などと呼ばれてもよい)してもよい。
【0027】
UEは、アクティベートされた設定グラントベース送信用のリソース(設定グラントリソース、送信機会(transmission occasion)などと呼ばれてもよい)を用いて、動的グラント無しでPUSCH送信を行ってもよい。なお、設定グラントベース送信がアクティベート(アクティブ状態である)場合であっても、送信バッファにデータがない場合は、UEは設定グラントベース送信をスキップしてもよい。
【0028】
なお、動的グラント及び設定グラントのそれぞれは、実際のULグラント(actual UL grant)と呼ばれてもよい。つまり、実際のULグラントは、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCのConfiguredGrantConfig情報要素)、物理レイヤシグナリング(例えば、上記所定のアクティベーション信号)又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0029】
ところで、UEは、1つのセル又は1つのBWP(BandWidth Part、部分帯域)において、複数の設定グラント(multi configured grant)が設定されてもよく、ある期間において、当該複数の設定グラントがトリガ(又はアクティベート)された状態であってもよい。
【0030】
しかしながら、複数の設定グラント設定のためのパラメータが明らかでない。適切なパラメータを用いて、複数の設定グラントの設定が適切に行われなければ、設定のオーバヘッドの増大、設定グラントに基づく送信の遅延などによって、システム性能が低下するおそれがある。
【0031】
そこで、本発明者らは、複数の設定グラントの設定のためのパラメータと、そのパラメータを用いた設定方法と、を着想した。
【0032】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施形態に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【0033】
以下、「設定グラント」は、「設定グラントの設定(configuration of configured grants)」、「設定グラント設定」、「設定グラント構成」と互いに読み替えられてもよい。また、「設定グラントベース送信を行う設定グラントを決定する」ことは、単に「設定グラントを選択する」と呼ばれてもよい。また、「トラフィック」は、「データ」「ULデータ」及び「トランスポートブロック」の少なくとも1つと互いに読み替えられてもよい。
【0034】
以下、「キャリア」は、「セル」、「コンポーネントキャリア(CC)」と互いに読み替えられてもよい。
【0035】
以下の実施形態は、ULに適用される例について主に説明するが、DLに適用されてもよい。例えば、タイプ2設定グラント(又はタイプ3設定グラント)の動作は、PDSCH(SPS PDSCH、下りリンクSPS)にも適用できる。「設定グラント設定(ConfiguredGrantConfig)」は、「SPS設定(SPS-Config)」と読み替えられてもよい。「設定グラントPUSCHの送信」は、「SPS PDSCHの受信」と読み替えられてもよい。
【0036】
以下、「複数のCG設定」は、「1つのCG設定グループ内の複数のCG設定」と互いに読み替えられてもよい。
【0037】
(無線通信方法)
UEは、与えられたBWP又はキャリアに対し、複数の設定グラント(CG)設定(configured grant configurations)を設定されてもよい。UEは、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)によってCG設定を通知されてもよい。
【0038】
UEは、複数のCG設定(タイプ1)を設定された場合、又は複数のCG設定(タイプ2)を設定され、さらにその中の複数のCG設定がアクティベートされた場合、前記複数のCG設定の1つを選択し、選択されたCG設定を用いてPUSCHを送信してもよい。
【0039】
なお、UEは、与えられたBWP又はキャリアに対し、設定可能なCG設定の数をあらかじめ端末能力情報として基地局に報告するものとしてもよい。ここで、タイプ1のCG設定で設定可能なCG設定の数とタイプ2で設定可能なCG設定の数とを別々に報告してもよい。UEは、BWP又はキャリアに対して設定されるCG設定の数は、あらかじめ規定された値、もしくは端末能力情報として基地局に報告した値を上回らないと想定してもよい。
【0040】
また、タイプ2CG設定では、UEは、与えられたBWP又はキャリアに対し、アクティベート可能なCG設定の数をあらかじめ端末能力情報として基地局に報告するものとしてもよい。UEは、BWP又はキャリアに対してアクティベートされるCG設定の数は、あらかじめ規定された値、もしくは端末能力情報として基地局に報告した値を上回らないと想定してもよい。
【0041】
<ユースケース>
UEは、複数のCG設定を用いて、次のユースケース1、2を実現できる。
【0042】
《ユースケース1》
異なるCG設定が、異なるトラフィックタイプ(サービス)に対応してもよい。トラフィックタイプは、通信要件(遅延、誤り率などの要件)、データ種別(音声、データなど)、送信に用いるパラメータ(MCS(Modulation and Coding Scheme)テーブル、RNTIなど)の少なくとも1つであってもよい。トラフィックタイプは、V2X、URLLC、eMMB、voice(音声通信)、などであってもよい。異なるトラフィックタイプ間は、上位レイヤ等で識別されるものとしてもよい。これによって、UEは、異なるトラフィックタイプの送信に異なるCGリソースを用いることができる。複数のCG設定の間で、信頼性、遅延などが異なる場合、UEは、トラフィックタイプに適したCG設定を用いることができる。
【0043】
異なる論理チャネルが異なるCG設定にマップされてもよい。複数のCG設定の間で論理チャネルのマッピングルール(優先順位)が異なってもよい。論理チャネルには、例えば、個別トラフィックチャネル(DTCH:Dedicated Traffic Channel)、個別制御チャネル(DCCH:Dedicated Control Channel)、共通制御チャネル(CCCH:Common Control Channel)、ページング制御チャネル(PCCH:Paging Control Channel)、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH:Broadcast Control Channel)の少なくとも一つが含まれてもよい。複数のCG設定の間で、信頼性、遅延などが異なる場合、UEは、論理チャネルに適したCG設定を用いることができる。
【0044】
UEは、異なる複数のCG設定を設定されることによって、異なるトラフィックタイプの要件を同時に満たすCG送信を行ってもよい。
【0045】
図1は、ユースケース1のためのCG設定の一例を示す図である。UEは、CG設定(設定グラント構成)#0、#1を設定される。CG設定#0は、音声通信サービス用のタイプ2CG設定である。CG設定#1は、低遅延パケットデータ用のタイプ1CG設定である。CG設定#1の周期は、CG設定#0の周期より短くてもよい。
【0046】
UEは、ULデータが発生すると、ULデータのトラフィックタイプに応じたCG設定を用いてPUSCHを送信してもよい。
【0047】
このような複数の異なるCG設定は、異なるトラフィックタイプに適応することができる。また、複数のCG設定にわたって、MIMO(Multiple Input Multiple Output)、MCS、RA(Random Access)などのパラメータを独立にすることができる。
【0048】
《ユースケース2》
UEは、送信開始タイミングが異なる複数のCG設定を設定されることによって、遅延(latency)を削減すると共に、繰り返し送信回数(repetition K)を確保する。
【0049】
図2は、ユースケース2のためのCG設定の一例を示す図である。UEは、CG設定(設定グラント構成)#0~#3を設定される。CG設定#0~#3の送信タイミングは互いに異なる。
【0050】
CG設定#0~#3は、送信タイミング以外に共通の設定を有する。GF(Grant Free)周期Pが4であるため、UEは4つの送信時間ユニット(例えば、スロット、ミニスロット)毎にPUSCHのリソースを割り当てられる。繰り返し因子Kは2であるため、UEは2つの送信時間ユニット(K送信のウィンドウ)にわたって繰り返し送信を行う。
【0051】
UEは、タイプ1のCG設定#0~#3を上位レイヤシグナリングによって設定される、又は、タイプ2のCG設定#0~#3を上位レイヤシグナリングによって設定され、タイプ2のCG設定#0~#3をDCIによってアクティベートされる。UEは、タイプ1のCG設定#0~#3が設定された状態、又はタイプ2のCG設定#0~#3がアクティベートされた状態において、ULデータの発生を待つ。
【0052】
UEは、ULデータの発生タイミング又はULデータ送信の準備完了タイミングに応じて、CG設定#0~#3の中から、任意のCG設定、例えばULデータを最も早く送信できるCG設定を選択し、選択されたCG設定をPUSCH送信に用いてもよい。
【0053】
例えば、T1からT2までの期間にULデータ送信が発生した、又はULデータ送信の準備が完了した場合、UEは、CG設定#3を用いてULデータを送信してもよい。例えば、T3からT4までの期間にULデータ送信が発生した、又はULデータ送信の準備が完了した場合、UEは、CG設定#0を用いてULデータを送信してもよい。
【0054】
もしUEがCG設定#0のみを設定される場合、4つの送信時間ユニットに1つの送信時間ユニットしか送信機会が現れない。2回の繰り返しによって信頼性を向上できるものの、CG送信の周期を繰り返しの時間長よりも短くすることができないため、ULデータの発生からの送信までのレイテンシは高くなる。一方、UEがCG設定#0~#3を設定される場合、送信機会が増加することによって、ULデータの発生タイミングに関わらず、低遅延の送信リソースを用いることできる。すなわち、CG設定#0~#3によれば、繰り返しによって信頼性を高めつつ、CG送信の周期を繰り返しの時間長よりも短くすることと同等の遅延に抑えることができる。
【0055】
<CG設定/CG設定グループの識別>
複数のCG設定を識別するために、CG設定又はCG設定グループが設定インデックスを含んでもよい。CG設定グループは少なくとも1つのCG設定を含んでもよい。CG設定グループがCG設定グループインデックスを有し、CG設定グループ内のCG設定がCG設定を有してもよい。
【0056】
UEは、RRCシグナリング等の上位レイヤシグナリングにより、CG設定グループ(CG設定セット、CG設定リスト)を設定されてもよい。
【0057】
UEは、少なくとも1つのCG設定グループを、上位レイヤシグナリングによって通知されてもよい。CG設定グループは、1つ以上、複数のCG設定を格納可能なRRC情報要素(Information Element)であってもよい。CG設定グループは、設定インデックスによって識別されてもよいし、設定グループインデックスによって識別されてもよい。CG設定グループ内のCG設定は、設定インデックスによって識別されてもよい。
【0058】
CG設定グループの最大数と、CG設定グループ毎のCG設定の最大数、すべてのCG設定グループに含まれるすべてのCG設定の最大数と、の少なくとも1つは、仕様に規定されてもよいし、UEから報告される端末能力情報に基づいてもよい。
【0059】
<タイプ2CG設定のアクティベーション/ディアクティベーション>
与えられたBWP又はキャリアに対し、特定RNTIによってスクランブルされたCRCを有する1以上のDCIが、複数のタイプ2CG設定をアクティベート又はディアクティベートしてもよい。UEは、与えられたBWP又はキャリアに対し、特定RNTIによってスクランブルされたCRCを有するDCIであって、1以上のタイプ2CG設定をアクティベート又はディアクティベートするDCIを受信してもよい。特定RNTIは、CS(Configured Scheduling)-RNTIであってもよい。
【0060】
複数のDCIが複数のタイプ2CG設定をそれぞれアクティベートしてもよい。この場合、当該複数のDCIのCRCのスクランブルにそれぞれ用いられる複数の特定RNTIが同じであってもよいし、異なってもよい。
【0061】
1つのDCIが複数のタイプ2CG設定を含む1つのCG設定グループをアクティベートしてもよい。この場合、当該CG設定グループが、アクティベートのためのDCIのCRCのスクランブルに用いられる1つの特定RNTIを含んでもよい。
【0062】
<複数のCG設定の共通パラメータ>
与えられたBWP又はキャリアにおいて、複数のCG設定(又は1つのCG設定グループ内の複数のCG設定)内の少なくとも1つのパラメータ値が共通であってもよい。UEは、与えられたBWP又はキャリアにおいて、複数のCG設定の共通(common)パラメータ(共通CG設定)と、各CG設定の独立(separate)パラメータ(独立CG設定)と、を設定されてもよい。UEは、共通パラメータをRRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC CE、DCIの少なくとも1つによって通知されてもよい。UEは、個別パラメータをRRCシグナリング、MAC CE、DCIの少なくとも1つによって通知されてもよい。
【0063】
共通パラメータは、繰り返し因子K、MCSテーブル、変換プリコーディング、リソース割り当て(周波数ドメインリソース割り当てのリソース割り当てタイプやリソースブロックグループ粒度及び実際のリソース割り当て、時間ドメインリソース割り当て)、などであってもよい。
【0064】
ユースケース2のために、UEは、複数のCG設定のそれぞれによって、異なる開始タイミングを有する繰り返しを設定されてもよい。UEは、共通パラメータ(周期、時間長、繰り返し因子など)と、CG設定毎に異なる独立パラメータ(時間オフセット(送信開始タイミング、送信オケージョン(機会)))と、を少なくとも有する複数のCG設定を設定されてもよい。
【0065】
(態様1)
複数のCG設定をサポートするためのパラメータが規定されてもよい。このパラメータは、ユースケース2のために用いられてもよい。UEは、このパラメータを含む設定情報を受信してもよい。設定情報は、上位レイヤシグナリング(PUSCH設定情報(PUSCH-Config)、設定グラント設定情報(ConfiguredGrantConfig)など)、MAC CE、DCIの少なくとも1つであってもよい。
【0066】
パラメータは、次のパラメータ1~3の少なくとも1つであってもよい。
【0067】
<パラメータ1>
UEは、少なくとも1つのCG設定(又は1つのCG設定グループ内の少なくとも1つのCG設定)に対して、HARQプロセスIDの導出のためのHARQプロセスIDオフセット(例えば、harq-ProcID-offset)を設定されてもよい。
【0068】
UEは、RRCシグナリングによってHARQプロセスIDオフセットを通知されてもよいし、MAC CEによってHARQプロセスIDオフセットを通知されてもよいし、DCI(例えば、タイプ2CGのアクティベーション用のDCI)によってHARQプロセスIDオフセットを通知されてもよい。
【0069】
複数のCG設定のそれぞれが、HARQプロセスIDオフセットを含んでもよい。1つのCG設定グループ内の複数のCG設定のそれぞれが、HARQプロセスIDオフセットを含んでもよい。1つのCG設定グループが、当該CG設定グループ内の複数のCG設定に共通の1つのHARQプロセスIDオフセットを含んでもよい。
【0070】
UEは、CG送信の時間リソース(時間ユニット番号)に基づくHARQプロセスIDを決定してもよい。時間ユニットは、TTI(Transmission Time Interval、サブフレーム)、sTTI(short TTI、スロット、サブスロット、ミニスロット)、OFDMシンボルなどであってもよい。
【0071】
UEがCG設定に対するHARQプロセスIDオフセットを設定されない場合、UEは、時間ユニット番号、UL送信間隔、HARQプロセス数、などに基づいて、CG設定に対するHARQプロセスIDを決定してもよい。
【0072】
時間ユニット番号は、TTI番号(CURRENT_TTI)などであってもよい。UL送信間隔は、ULセミパーシステントスケジューリング(CG送信)間隔(semiPersistSchedIntervalUL)、sTTI用のULセミパーシステントスケジューリング(CG送信)間隔(semiPersistSchedIntervalUL-STTI)などであってもよい。HARQプロセス数は、ULセミパーシステントスケジューリング(CG)用に設定されたHARQプロセス数(numberOfConfUlSPS-Processes)、sTTI用のULセミパーシステントスケジューリング(CG)用に設定されたHARQプロセス数(numberOfConfUl-SPS-Processes-STTI)などであってもよい。
【0073】
例えば、UEがCG設定に対するHARQプロセスIDオフセットを設定されない場合、UEは、HARQプロセスIDを次式のように求めてもよい。
【0074】
TTIがサブフレームTTIである場合:
HARQプロセスID = [floor(CURRENT_TTI/semiPersistSchedIntervalUL)] modulo numberOfConfUlSPS-Processes
ここで、CURRENT_TTI = [(SFN*10) + subframe number]
そうでない場合:
HARQプロセスID = [floor(CURRENT_TTI/semiPersistSchedIntervalUL-sTTI)] modulo numberOfConfUlSPS-Processes-sTTI
ここで、CURRENT_TTI = [(SFN*10*sTTI_Number_Per_Subframe) + subframe number*sTTI_Number_Per_Subframe + sTTI_number]
【0075】
UEがCG設定に対するHARQプロセスIDオフセットを設定された場合、UEは、時間ユニット番号、UL送信間隔、HARQプロセス数、HARQプロセスIDオフセット、などに基づいて、CG設定に対するHARQプロセスIDを決定してもよい。例えば、UEは、HARQプロセスIDを次式のように求めてもよい。
【0076】
TTIがサブフレームTTIである場合:
HARQプロセスID = [floor(CURRENT_TTI/semiPersistSchedIntervalUL)] modulo numberOfConfUlSPS-Processes + harq-ProcID-offset
ここで、CURRENT_TTI = [(SFN*10) + subframe number]
そうでない場合:
HARQプロセスID = [floor(CURRENT_TTI/semiPersistSchedIntervalUL-sTTI)] modulo numberOfConfUlSPS-Processes-sTTI + harq-ProcID-offset
ここで、CURRENT_TTI = [(SFN*10*sTTI_Number_Per_Subframe) + subframe number*sTTI_Number_Per_Subframe + sTTI_number]
【0077】
ユースケース2において、UEが、送信タイミングが異なる複数のCG設定に対し、送信タイミングの違いを相殺するHARQプロセスIDオフセットを設定されてもよい。この場合、UEは、複数のCG設定に対して同じHARQプロセスIDを用いることができる。UEは、実際のPUSCH送信に用いられる送信タイミングに関わらず、同じHARQプロセスを用いて管理することができる。
【0078】
ユースケース2において、UEが、送信タイミングが異なる複数のCG設定に対し、HARQプロセスIDオフセットを設定されなくてもよいし、同じHARQプロセスIDオフセットを設定されてもよい。この場合、UEは、複数のCG設定に対して異なるHARQプロセスIDを用いることができる。
【0079】
<パラメータ2>
UEは、少なくとも1つのCG設定(又は1つのCG設定グループ内の少なくとも1つのCG設定)に対してPUSCHの送信開始時間の導出のための開始時間オフセットを設定されてもよい。
【0080】
UEは、ユースケース2用に開始時間オフセットを設定されてもよいし、タイプ2CG用に開始時間オフセットを設定されてもよい。
【0081】
UEは、RRCシグナリングによって開始時間オフセットを通知されてもよいし、MAC CEによって開始時間オフセットを通知されてもよいし、DCI(例えば、タイプ2CGのアクティベーション用のDCI)によって開始時間オフセットを通知されてもよい。
【0082】
複数のCG設定のそれぞれが、開始時間オフセットを含んでもよい。1つのCG設定グループ内の複数のCG設定のそれぞれが、開始時間オフセットを含んでもよい。1つのCG設定グループが、当該CG設定グループ内の複数のCG設定に共通の1つの開始時間オフセットを含んでもよい。
【0083】
例えば、UEは、上位レイヤシグナリングによって4つのタイプ2CG設定を設定され、4つのCG設定を同時にアクティベートする1つのDCIを受信してもよい。
【0084】
DCIは、時間ドメインリソース割り当てフィールド(Time domain resource assignment field)を含んでもよい。時間ドメインリソース割り当てフィールドの値mが、PUSCH時間ドメインリソース割り当てテーブルの行インデックスm+1を提供してもよい。言い換えれば、時間ドメインリソース割り当てフィールドの値0,1,…が、PUSCH時間ドメインリソース割り当てテーブルの行インデックス1,2,…を示してもよい。PUSCH時間ドメインリソース割り当てテーブルは、上位レイヤシグナリングによってUEに設定されてもよいし、仕様に規定されてもよい。
【0085】
PUSCH時間ドメインリソース割り当てテーブルの各行は、スロットオフセットK2と、開始及び長さの指示値(Start and Length Indicator Value:SLIV)、開始時間(例えば、開始シンボルS)、割り当て長(duration、例えば、シンボル数L)、PUSCHマッピングタイプ、の少なくとも1つを含んでもよい。
【0086】
K2は、スケジューリングDCIを有するスロットに対するPUSCH送信のスロットのスロットオフセットであってもよい。開始シンボルSは、PUSCHのスロットの開始からのPUSCHの開始シンボルであってもよい。シンボル数Lは、開始シンボルSからの連続シンボル数であってもよい。PUSCHマッピングタイプは、タイプA又はタイプBを示してもよい。
【0087】
ここで、時間ドメインリソース割り当てフィールドによって決まる開始タイミング(例えば、スロット)をTとする。
【0088】
UEは、N個のCG設定に対する開始時間オフセットとして、delta0,delta1,…delta(N-1)をそれぞれ設定されてもよい。
【0089】
例えば、UEは、4つのCG設定に対する開始時間オフセットとして、delta0、delta1、delta2、delta3をそれぞれ設定される。この場合、1番目のCG設定に基づくPUSCHの開始タイミングがT+delta0であってもよく、2番目のCG設定に基づくPUSCHの開始タイミングがT+delta1であってもよく、3番目のCG設定に基づくPUSCHの開始タイミングがT+delta2であってもよく、4番目のCG設定に基づくPUSCHの開始タイミングがT+delta3であってもよい。
【0090】
UEは、1つのCG設定グループに対する開始時間オフセットを設定されてもよい。
【0091】
例えば、UEは、4つのCG設定を含む1つのCG設定グループを設定され、UEは、1つのCG設定グループに対する開始時間オフセットdeltaを設定される。この場合、1番目のCG設定に基づくPUSCHの開始タイミングがTであってもよく、2番目のCG設定に基づくPUSCHの開始タイミングがT+deltaであってもよく、3番目のCG設定に基づくPUSCHの開始タイミングがT+2*deltaであってもよく、4番目のCG設定に基づくPUSCHの開始タイミングがT+3*deltaであってもよい。
【0092】
また、例えば、4つのCG設定に対してCG設定インデックス0,1,2,3がそれぞれ与えられ、各CG設定の開始タイミングがT+delta*CG設定インデックスであってもよい。この場合、1番目のCG設定(CG設定インデックス=0)に基づくPUSCHの開始タイミングがT+delta*0であってもよく、2番目のCG設定(例えば、CG設定インデックス=1)に基づくPUSCHの開始タイミングがT+delta*1であってもよく、3番目のCG設定(例えば、CG設定インデックス=2)に基づくPUSCHの開始タイミングがT+delta*2であってもよく、4番目のCG設定(例えば、CG設定インデックス=3)に基づくPUSCHの開始タイミングがT+delta*3であってもよい。
【0093】
UEが、ユースケース2のための複数のCG設定の間で、CG設定の少なくとも一部のパラメータを共通にする場合であっても、開始時間オフセットを通知されることによって、各CG設定に基づくPUSCHの開始タイミングを異ならせることができる。
【0094】
開始時間オフセットを用いることによって、CG設定のための時間ドメイン割り当てのパラメータ(上位レイヤパラメータtimeDomainOffset、timeDomainAllocation、DCI内の時間ドメインリソース割り当てフィールド)を、複数のCG設定の間で共通にすることができる。
【0095】
複数のCG設定のそれぞれが開始時間オフセットを含む場合、他のパラメータを複数のCG設定の間で共通にすることにより、当該パラメータの設定のオーバヘッドを抑えることができる。
【0096】
1つのCG設定グループが1つの開始時間オフセットを含む場合、複数の開始時間オフセットを設定する必要がないため、開始時間オフセットの設定のオーバヘッドを抑えることができる。
【0097】
<パラメータ3>
UEは、少なくとも1つのCG設定(又は1つのCG設定グループ内の少なくとも1つのCG設定)に対して、送信電力制御(TPC)の識別のためのTPCインデックスを設定されてもよい。
【0098】
UEは、RRCシグナリングによってTPCインデックスを通知されてもよいし、MAC CEによってTPCインデックスを通知されてもよいし、DCI(例えば、タイプ2CGのアクティベーション用のDCI)によってTPCインデックスを通知されてもよい。
【0099】
複数のCG設定のそれぞれが、同じTPCインデックスを含んでもよい。1つのCG設定グループ内の複数のCG設定のそれぞれが、同じTPCインデックスを含んでもよい。1つのCG設定グループが、当該CG設定グループ内の複数のCG設定に共通の、1つのTPCインデックスを含んでもよい。
【0100】
更に、PUCCH又はPUSCHのためのTPCコマンドの送信に用いられる特定DCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット2_2)が、TPCインデックスを含んでもよい。特定DCIフォーマットは、特定RNTI(例えば、TPC-PUSCH-RNTI、TPC-PUCCH-RNTI)によってスクランブルされたCRCを有するDCIフォーマットであってもよい。特定DCIフォーマット内のTPCインデックスは、当該特定DCIフォーマット内のTPCコマンドがどのCG設定又はどのCG設定グループに適用されるかを示してもよい。
【0101】
UEは、1つのサービングセルに対する複数のCG設定を設定され、複数のCG設定に共通の1つのTPCインデックスを設定され、当該TPCインデックスを含む特定DCIフォーマットを受信してもよい。この場合、UEは、当該TPCインデックスに対応するCG設定に基づくPUSCH送信に対し、当該特定DCIフォーマット内のTPCコマンドを適用してもよい。
【0102】
UEは、TPCインデックスを含む特定DCIフォーマットを受信した場合、当該TPCインデックスに対応する複数のCG設定のうち、1つのサービングセルの1つのTRPに関する全てのCG設定に基づくPUSCH送信に対し、当該特定DCIフォーマット内のTPCコマンドを適用してもよい。
【0103】
ユースケース2においてUEは、送信機会を増やすために複数のCG設定を設定されるため、複数のCG設定に対して独立に送信電力制御を行う必要がない。
【0104】
複数のCG設定に対する1つのTPCインデックスを設定することによって、複数のCG設定に同じTPCコマンドを適用することができ、TPCコマンド(DCI)のオーバヘッドを抑えることができる。
【0105】
なお、TPCインデックスが設定インデックスであってもよい。この場合、UEは、受信した特定DCIフォーマット内の設定インデックスに対応するCG設定に基づくPUSCH送信に対し、当該特定DCIフォーマット内のTPCコマンドを適用してもよい。
【0106】
なお、TPCインデックスの代わりに、特定RNTI(例えば、TPC-PUSCH-RNTI)が用いられてもよい。例えば、UEは、1つのサービングセルに対する複数のCG設定を設定され、複数のCG設定に共通の1つの特定RNTIを設定され、特定RNTIを用いてスクランブルされたCRCを有する特定DCIフォーマットを受信してもよい。この場合、UEは、当該特定RNTIに対応するCG設定に基づくPUSCH送信に対し、当該特定DCIフォーマット内のTPCコマンドを適用してもよい。
【0107】
(態様2)
UEは、複数のCG設定の間で共通(common)のパラメータ(共通パラメータ)を設定されてもよいし、複数のCG設定の間で独立(separate)のパラメータ(独立パラメータ)を設定されてもよい。ユースケース2用のCG設定が、共通パラメータを含んでもよい。
【0108】
PUSCH用のデータスクランブリングを初期化に用いられる識別子を示すdataScramblingIdentityPUSCH、UEがコードブックベース送信及びノンコードブックベース送信のいずれを用いるかを示すtxConfig、TMPI(Transmitted Precoding Matrix Indicator)によって扱われるPMIのサブセットを示すcodebookSubset、TRI(Transmitted Rank Indicator)によって使われるPMIのサブセットを示すmaxRank、rbg-Size、frequencyHopping、resourceAllocation、ULデータへのUL割り当てのタイミング用の時間ドメイン割り当てのリストを示すpusch-TimeDomainAllocationList、データの繰り返し数を示すpusch-AggregationFactor(repK)、用いられる冗長バージョン(Redundancy Version:RV)を示すrepK-RV、UEが変換プリコーディング(transform precoding、DFT-s-OFDM)無しのPUSCHに用いるMCSテーブルを示すmcs-Table、UEが変換プリコーディング有りのPUSCHに用いるMCSテーブルを示すmcs-TableTransformPrecoder、タイプ1及びタイプ2用の変換プリコーディングを有効化するか否かを示すtransformPrecoder、変換プリコーディングを伴うπ/2-BPSKの有効化を示すtp-pi2BPSK、ダイナミック及びセミスタティックのベータオフセットの選択を示すuci-OnPUSCH(CG-UCI-OnPUSCH)、UCI on PUSCHに割り当てられたリソースエレメント数を制限するスケーリングファクタを示すscaling、設定されたHARQプロセス数を示すnrofHARQ-Processes、タイプ1及びタイプ2に対するULグラント無しのUL送信用の周期を示すperiodicity、設定グラントタイマの初期値を示すconfiguredGrantTimer、開始シンボル及び長さ及びPUSCHマッピングタイプの組み合わせを示すtimeDomainAllocation、PRB(Physical Resource Block)内の周波数ドメイン割り当てを示すfrequencyDomainAllocation、変調次数及び目標符号化率及びトランスポートブロック(TB)サイズを示すmcsAndTBS、与えられた周波数ホッピングオフセットを有するスロット内(intra-slot)周波数オフセットの有効化を示すfrequencyHoppingOffsetLists(frequencyHoppingOffset)、UEが累積を介してTPCコマンドを適用することの有効化を示すtpc-Accumulation、ULグラントフリーベースのPUSCH用のP0値を示すp0-NominalWithoutGrant、この設定に用いられるP0-PUSCH-AlphaSetのインデックスを示すP0-PUSCH-Alpha、適用する閉制御ループを示すpowerControlLoopToUse、PUSCHパスロス推定に用いられる参照信号のセットを示すPUSCH-PathlossReferenceRS、デルタMCSを適用するかを示すdeltaMCS、1つのSRI(SRS Resource Indicator)に関連付けられたPUSCH電力制御パラメータのセットを示すSRI-PUSCH-PowerControlは、複数のCG設定の間で異なる必要がないため、共通(common)パラメータとして設定されてもよい。
【0109】
PUSCH用のUL DMRSの設定を示すDMRS-UplinkConfig(cg-DMRS-Configuration)、この設定に用いられるアンテナポートを示すantennaPort、tranformPrecoderが無効である場合に設定されるdmrs-SeqInitialization、プリコーディング及びレイヤ数に関するprecodingAndNumberOfLayers、用いられるSRSリソースを示すsrs-ResourceIndicatorは、複数のCG設定の間で値が異なる可能性があるため、独立(separate)パラメータとして設定されてもよい。
【0110】
例えば、DMRS-UplinkConfigは、送信タイミングに応じて、挿入すべきDMRSの位置、数が異なる可能性があるため、独立パラメータであることが好ましい。
【0111】
SFN(System Frame Number)=0に関するオフセット(スロットオフセット)を示すtimeDomainOffsetは、タイプ1CG設定において独立パラメータとして設定されてもよい。また、timeDomainOffsetは、タイプ2CG設定において共通パラメータとして設定されてもよい。この場合、timeDomainOffset(スロットオフセット)及びtimeDomainAllocation(シンボルオフセット)が共通パラメータであってもよい。UEは、開始時間オフセットに基づいて、複数のタイプ2CG設定にそれぞれ基づく複数のPUSCH送信の送信開始タイミングを異ならせてもよい。
【0112】
RNTI、TPCインデックス(TPC index)は、複数のCG設定の間で異なる必要がないため、共通パラメータとして設定されてもよい。
【0113】
設定インデックス(Configuration index)、HARQプロセスIDオフセット(HARQ Process ID offset)、開始時間オフセット(Start time offset)は、独立パラメータとして設定されてもよいし、共通パラメータとして設定されてもよい。
【0114】
例えば、設定インデックスが独立パラメータである場合、UEは、CG設定によって異なる他の独立パラメータを設定されることができる。例えば、設定インデックスが共通パラメータである場合、UEは、CG設定グループを設定でき、CG設定グループに含まれる複数のCG設定に対して共通パラメータを設定できる。
【0115】
例えば、HARQプロセスIDオフセットを複数のCG設定に独立に設定することによって、異なる送信タイミングを有する複数のCG設定に対するHARQプロセスIDを等しくすることができる。例えば、HARQプロセスIDオフセットを複数のCG設定に共通に設定することによって、異なる送信タイミングを有する複数のCG設定に対するHARQプロセスIDを異ならせることができる。
【0116】
例えば、開始時間オフセットを複数のCG設定に独立に設定することによって、複数のCG設定に対して異なる送信タイミングを設定できる。例えば、開始時間オフセットを複数のCG設定に共通に設定することによって、複数のCG設定に対して等間隔の異なる送信タイミングを設定できる。
【0117】
図3及び
図4は、共通パラメータ及び独立パラメータの一例を示す図である。
【0118】
dataScramblingIdentityPUSCH、txConfig、codebookSubset、maxRank、pusch-TimeDomainAllocationList、scalingは、PUSCH設定情報(PUSCH-Config)に含まれてもよい。
【0119】
rbg-Size、frequencyHopping、resourceAllocation、pusch-AggregationFactor、repK-RV、mcs-Table、mcs-TableTransformPrecoder、transformPrecoder、uci-OnPUSCH、nrofHARQ-Processes、periodicity、configuredGrantTimer、frequencyHoppingOffsetLists、P0-PUSCH-Alpha、powerControlLoopToUseに含まれてもよい。
【0120】
timeDomainOffset、timeDomainAllocation、frequencyDomainAllocation、antennaPort、dmrs-SeqInitialization、precodingAndNumberOfLayers、srs-ResourceIndicator、mcsAndTBSは、CG設定情報内のタイプ1CG設定情報(rrc-ConfiguredUplinkGrant)に含まれてもよいし、タイプ2CG用のアクティベーションDCIに含まれてもよい。
【0121】
p0-NominalWithoutGrantは、PUSCH設定情報内のPUSCH電力制御情報(PUSCH-PowerControl)に含まれてもよい。
【0122】
PUSCH-PathlossReferenceRS(pathlossReferenceIndex)は、CG設定情報内のタイプ1CG設定情報に含まれてもよいし、タイプ2CG用にPUSCH設定情報内のPUSCH電力制御情報に含まれてもよい。SRI-PUSCH-PowerControl(srs-ResourceIndicator)は、CG設定情報内のタイプ1CG設定情報に含まれてもよいし、タイプ2CG用にPUSCH設定情報内のPUSCH電力制御情報に含まれ、DCI内のSRIフィールドによって指示されてもよい。
【0123】
tp-pi2BPSK、tpc-Accumulation、deltaMCSは、UE個別に設定されなくてもよい。
【0124】
UEが複数のCG設定に対する共通パラメータを設定されることによって、複数のCG設定のオーバヘッドを抑えることができる。UEは、ユースケース2のように送信タイミングのみが異なる複数のCG設定を設定される場合、複数のCG設定(CG設定グループ)における共通パラメータを用いることができる。
【0125】
(無線通信システム)
以下、本開示の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本開示の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0126】
図5は、一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1は、3GPP(Third Generation Partnership Project)によって仕様化されるLTE(Long Term Evolution)、5G NR(5th generation mobile communication system New Radio)などを用いて通信を実現するシステムであってもよい。
【0127】
また、無線通信システム1は、複数のRAT(Radio Access Technology)間のデュアルコネクティビティ(マルチRATデュアルコネクティビティ(MR-DC:Multi-RAT Dual Connectivity))をサポートしてもよい。MR-DCは、LTE(E-UTRA:Evolved Universal Terrestrial Radio Access)とNRとのデュアルコネクティビティ(EN-DC:E-UTRA-NR Dual Connectivity)、NRとLTEとのデュアルコネクティビティ(NE-DC:NR-E-UTRA Dual Connectivity)などを含んでもよい。
【0128】
EN-DCでは、LTE(E-UTRA)の基地局(eNB)がマスターノード(MN:Master Node)であり、NRの基地局(gNB)がセカンダリーノード(SN:Secondary Node)である。NE-DCでは、NRの基地局(gNB)がMNであり、LTE(E-UTRA)の基地局(eNB)がSNである。
【0129】
無線通信システム1は、同一のRAT内の複数の基地局間のデュアルコネクティビティ(例えば、MN及びSNの双方がNRの基地局(gNB)であるデュアルコネクティビティ(NN-DC:NR-NR Dual Connectivity))をサポートしてもよい。
【0130】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する基地局12(12a-12c)と、を備えてもよい。ユーザ端末20は、少なくとも1つのセル内に位置してもよい。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。以下、基地局11及び12を区別しない場合は、基地局10と総称する。
【0131】
ユーザ端末20は、複数の基地局10のうち、少なくとも1つに接続してもよい。ユーザ端末20は、複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を用いたキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)及びデュアルコネクティビティ(DC)の少なくとも一方を利用してもよい。
【0132】
各CCは、第1の周波数帯(FR1:Frequency Range 1)及び第2の周波数帯(FR2:Frequency Range 2)の少なくとも1つに含まれてもよい。マクロセルC1はFR1に含まれてもよいし、スモールセルC2はFR2に含まれてもよい。例えば、FR1は、6GHz以下の周波数帯(サブ6GHz(sub-6GHz))であってもよいし、FR2は、24GHzよりも高い周波数帯(above-24GHz)であってもよい。なお、FR1及びFR2の周波数帯、定義などはこれらに限られず、例えばFR1がFR2よりも高い周波数帯に該当してもよい。
【0133】
また、ユーザ端末20は、各CCにおいて、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)及び周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)の少なくとも1つを用いて通信を行ってもよい。
【0134】
複数の基地局10は、有線(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線(例えば、NR通信)によって接続されてもよい。例えば、基地局11及び12間においてNR通信がバックホールとして利用される場合、上位局に該当する基地局11はIAB(Integrated Access Backhaul)ドナー、中継局(リレー)に該当する基地局12はIABノードと呼ばれてもよい。
【0135】
基地局10は、他の基地局10を介して、又は直接コアネットワーク30に接続されてもよい。コアネットワーク30は、例えば、EPC(Evolved Packet Core)、5GCN(5G Core Network)、NGC(Next Generation Core)などの少なくとも1つを含んでもよい。
【0136】
ユーザ端末20は、LTE、LTE-A、5Gなどの通信方式の少なくとも1つに対応した端末であってもよい。
【0137】
無線通信システム1においては、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)ベースの無線アクセス方式が利用されてもよい。例えば、下りリンク(DL:Downlink)及び上りリンク(UL:Uplink)の少なくとも一方において、CP-OFDM(Cyclic Prefix OFDM)、DFT-s-OFDM(Discrete Fourier Transform Spread OFDM)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などが利用されてもよい。
【0138】
無線アクセス方式は、波形(waveform)と呼ばれてもよい。なお、無線通信システム1においては、UL及びDLの無線アクセス方式には、他の無線アクセス方式(例えば、他のシングルキャリア伝送方式、他のマルチキャリア伝送方式)が用いられてもよい。
【0139】
無線通信システム1では、下りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)などが用いられてもよい。
【0140】
また、無線通信システム1では、上りリンクチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられてもよい。
【0141】
PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送されてもよい。また、PBCHによって、MIB(Master Information Block)が伝送されてもよい。
【0142】
PDCCHによって、下位レイヤ制御情報が伝送されてもよい。下位レイヤ制御情報は、例えば、PDSCH及びPUSCHの少なくとも一方のスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)を含んでもよい。
【0143】
なお、PDSCHをスケジューリングするDCIは、DLアサインメント、DL DCIなどと呼ばれてもよいし、PUSCHをスケジューリングするDCIは、ULグラント、UL DCIなどと呼ばれてもよい。なお、PDSCHはDLデータで読み替えられてもよいし、PUSCHはULデータで読み替えられてもよい。
【0144】
PDCCHの検出には、制御リソースセット(CORESET:COntrol REsource SET)及びサーチスペース(search space)が利用されてもよい。CORESETは、DCIをサーチするリソースに対応する。サーチスペースは、PDCCH候補(PDCCH candidates)のサーチ領域及びサーチ方法に対応する。1つのCORESETは、1つ又は複数のサーチスペースに関連付けられてもよい。UEは、サーチスペース設定に基づいて、あるサーチスペースに関連するCORESETをモニタしてもよい。
【0145】
1つのSSは、1つ又は複数のアグリゲーションレベル(aggregation Level)に該当するPDCCH候補に対応してもよい。1つ又は複数のサーチスペースは、サーチスペースセットと呼ばれてもよい。なお、本開示の「サーチスペース」、「サーチスペースセット」、「サーチスペース設定」、「サーチスペースセット設定」、「CORESET」、「CORESET設定」などは、互いに読み替えられてもよい。
【0146】
PUCCHによって、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)、送達確認情報(例えば、HARQ-ACK(Hybrid Automatic Repeat reQuest ACKnowledgement)、ACK/NACKなどと呼ばれてもよい)、スケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request)などが伝送されてもよい。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送されてもよい。
【0147】
なお、本開示において下りリンク、上りリンクなどは「リンク」を付けずに表現されてもよい。また、各種チャネルの先頭に「物理(Physical)」を付けずに表現されてもよい。
【0148】
無線通信システム1では、同期信号(SS:Synchronization Signal)、下りリンク参照信号(DL-RS:Downlink Reference Signal)などが伝送されてもよい。無線通信システム1では、DL-RSとして、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)、位相トラッキング参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)などが伝送されてもよい。
【0149】
同期信号は、例えば、プライマリ同期信号(PSS:Primary Synchronization Signal)及びセカンダリ同期信号(SSS:Secondary Synchronization Signal)の少なくとも1つであってもよい。SS(PSS、SSS)及びPBCH(及びPBCH用のDMRS)を含む信号ブロックは、SS/PBCHブロック、SSB(SS Block)などと呼ばれてもよい。なお、SS、SSBなども、参照信号と呼ばれてもよい。
【0150】
また、無線通信システム1では、上りリンク参照信号(UL-RS:Uplink Reference Signal)として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送されてもよい。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。
【0151】
(基地局)
図6は、一実施形態に係る基地局の構成の一例を示す図である。基地局10は、制御部110、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース(transmission line interface)140を備えている。なお、制御部110、送受信部120及び送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
【0152】
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
【0153】
制御部110は、基地局10全体の制御を実施する。制御部110は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
【0154】
制御部110は、信号の生成、スケジューリング(例えば、リソース割り当て、マッピング)などを制御してもよい。制御部110は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部110は、信号として送信するデータ、制御情報、系列(sequence)などを生成し、送受信部120に転送してもよい。制御部110は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行ってもよい。
【0155】
送受信部120は、ベースバンド(baseband)部121、RF(Radio Frequency)部122、測定部123を含んでもよい。ベースバンド部121は、送信処理部1211及び受信処理部1212を含んでもよい。送受信部120は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ(phase shifter)、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
【0156】
送受信部120は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部1211、RF部122から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部1212、RF部122、測定部123から構成されてもよい。
【0157】
送受信アンテナ130は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
【0158】
送受信部120は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを送信してもよい。送受信部120は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを受信してもよい。
【0159】
送受信部120は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
【0160】
送受信部120(送信処理部1211)は、例えば制御部110から取得したデータ、制御情報などに対して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、RLC(Radio Link Control)レイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、MAC(Medium Access Control)レイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
【0161】
送受信部120(送信処理部1211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理(必要に応じて)、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
【0162】
送受信部120(RF部122)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ130を介して送信してもよい。
【0163】
一方、送受信部120(RF部122)は、送受信アンテナ130によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
【0164】
送受信部120(受信処理部1212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
【0165】
送受信部120(測定部123)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部123は、受信した信号に基づいて、RRM(Radio Resource Management)測定、CSI(Channel State Information)測定などを行ってもよい。測定部123は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)、SNR(Signal to Noise Ratio))、信号強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部110に出力されてもよい。
【0166】
伝送路インターフェース140は、コアネットワーク30に含まれる装置、他の基地局10などとの間で信号を送受信(バックホールシグナリング)し、ユーザ端末20のためのユーザデータ(ユーザプレーンデータ)、制御プレーンデータなどを取得、伝送などしてもよい。
【0167】
なお、本開示における基地局10の送信部及び受信部は、送受信部120、送受信アンテナ130及び伝送路インターフェース140の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0168】
なお、送受信部120は、上位レイヤシグナリングによって、複数の設定グラント設定をユーザ端末20へ送信してもよい。また、送受信部120は、設定グラント設定のアクティベーション又はディアクティベーションのための下り制御情報又はMAC CEを送信してもよい。
【0169】
(ユーザ端末)
図7は、一実施形態に係るユーザ端末の構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230を備えている。なお、制御部210、送受信部220及び送受信アンテナ230は、それぞれ1つ以上が備えられてもよい。
【0170】
なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。以下で説明する各部の処理の一部は、省略されてもよい。
【0171】
制御部210は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部210は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路などから構成することができる。
【0172】
制御部210は、信号の生成、マッピングなどを制御してもよい。制御部210は、送受信部220及び送受信アンテナ230を用いた送受信、測定などを制御してもよい。制御部210は、信号として送信するデータ、制御情報、系列などを生成し、送受信部220に転送してもよい。
【0173】
送受信部220は、ベースバンド部221、RF部222、測定部223を含んでもよい。ベースバンド部221は、送信処理部2211、受信処理部2212を含んでもよい。送受信部220は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、RF回路、ベースバンド回路、フィルタ、位相シフタ、測定回路、送受信回路などから構成することができる。
【0174】
送受信部220は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。当該送信部は、送信処理部2211、RF部222から構成されてもよい。当該受信部は、受信処理部2212、RF部222、測定部223から構成されてもよい。
【0175】
送受信アンテナ230は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアンテナ、例えばアレイアンテナなどから構成することができる。
【0176】
送受信部220は、上述の下りリンクチャネル、同期信号、下りリンク参照信号などを受信してもよい。送受信部220は、上述の上りリンクチャネル、上りリンク参照信号などを送信してもよい。
【0177】
送受信部220は、デジタルビームフォーミング(例えば、プリコーディング)、アナログビームフォーミング(例えば、位相回転)などを用いて、送信ビーム及び受信ビームの少なくとも一方を形成してもよい。
【0178】
送受信部220(送信処理部2211)は、例えば制御部210から取得したデータ、制御情報などに対して、PDCPレイヤの処理、RLCレイヤの処理(例えば、RLC再送制御)、MACレイヤの処理(例えば、HARQ再送制御)などを行い、送信するビット列を生成してもよい。
【0179】
送受信部220(送信処理部2211)は、送信するビット列に対して、チャネル符号化(誤り訂正符号化を含んでもよい)、変調、マッピング、フィルタ処理、DFT処理(必要に応じて)、IFFT処理、プリコーディング、デジタル-アナログ変換などの送信処理を行い、ベースバンド信号を出力してもよい。
【0180】
なお、DFT処理を適用するか否かは、トランスフォームプリコーディングの設定に基づいてもよい。送受信部220(送信処理部2211)は、あるチャネル(例えば、PUSCH)について、トランスフォームプリコーディングが有効(enabled)である場合、当該チャネルをDFT-s-OFDM波形を用いて送信するために上記送信処理としてDFT処理を行ってもよいし、そうでない場合、上記送信処理としてDFT処理を行わなくてもよい。
【0181】
送受信部220(RF部222)は、ベースバンド信号に対して、無線周波数帯への変調、フィルタ処理、増幅などを行い、無線周波数帯の信号を、送受信アンテナ230を介して送信してもよい。
【0182】
一方、送受信部220(RF部222)は、送受信アンテナ230によって受信された無線周波数帯の信号に対して、増幅、フィルタ処理、ベースバンド信号への復調などを行ってもよい。
【0183】
送受信部220(受信処理部2212)は、取得されたベースバンド信号に対して、アナログ-デジタル変換、FFT処理、IDFT処理(必要に応じて)、フィルタ処理、デマッピング、復調、復号(誤り訂正復号を含んでもよい)、MACレイヤ処理、RLCレイヤの処理及びPDCPレイヤの処理などの受信処理を適用し、ユーザデータなどを取得してもよい。
【0184】
送受信部220(測定部223)は、受信した信号に関する測定を実施してもよい。例えば、測定部223は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部223は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部210に出力されてもよい。
【0185】
なお、本開示におけるユーザ端末20の送信部及び受信部は、送受信部220、送受信アンテナ230及び伝送路インターフェース240の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0186】
また、送受信部220は、複数の設定グラント設定に関する設定情報であって、上りデータのHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)プロセスIDの導出のためのHARQプロセスIDオフセット、前記上りデータの送信開始時間の導出のための開始時間オフセット、及び前記上りデータの送信電力制御(TPC)の識別のためのTPCインデックス、の少なくとも1つを含む前記設定情報(上位レイヤシグナリング(PUSCH設定情報、設定グラント設定情報など)、MAC CE、DCIの少なくとも1つ)を受信してもよい。制御部210は、前記設定情報に基づいて、前記複数の設定グラント設定のうち、上りデータの発生タイミングに基づく1つの設定グラント設定を、前記上りデータの送信(PUSCH送信)に用いてもよい。
【0187】
また、前記設定情報は、前記複数のグラント設定に共通のパラメータと、前記複数の設定グラント設定に独立のパラメータと、を含んでもよい。
【0188】
また、前記設定情報は、前記複数の設定グラント設定のそれぞれのための異なるHARQプロセスIDオフセットを含んでもよい。
【0189】
また、前記設定情報は、前記複数の設定グラント設定のそれぞれのための異なる開始時間オフセットと、前記複数の設定グラント設定のための1つの開始時間オフセットと、のいずれかを含んでもよい。
【0190】
また、前記設定情報は、前記複数の設定グラント設定にそれぞれ対応する複数の同じTPCインデックスと、前記複数の設定グラント設定のための1つのTPCインデックスと、のいずれかを含んでもよい。前記制御部210は、下り制御情報に含まれるTPCインデックスに対応する設定グラント設定に、前記下り制御情報に含まれるTPCコマンドを適用してもよい。
【0191】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0192】
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0193】
例えば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図8は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0194】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、部(section)、ユニットなどの文言は、互いに読み替えることができる。基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0195】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0196】
基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0197】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の制御部110(210)、送受信部120(220)などの少なくとも一部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0198】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110(210)は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0199】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0200】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0201】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信部120(220)、送受信アンテナ130(230)などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部120(220)は、送信部120a(220a)と受信部120b(220b)とで、物理的に又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0202】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0203】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0204】
また、基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0205】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル、シンボル及び信号(シグナル又はシグナリング)は、互いに読み替えられてもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0206】
無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0207】
ここで、ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0208】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0209】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0210】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。なお、本開示におけるフレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、シンボルなどの時間単位は、互いに読み替えられてもよい。
【0211】
例えば、1サブフレームはTTIと呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0212】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0213】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0214】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0215】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(3GPP Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0216】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0217】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0218】
また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
【0219】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0220】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0221】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0222】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0223】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0224】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0225】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0226】
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0227】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0228】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0229】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0230】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、本開示における情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0231】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
【0232】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0233】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0234】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0235】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0236】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。「ネットワーク」は、ネットワークに含まれる装置(例えば、基地局)のことを意味してもよい。
【0237】
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(QCL:Quasi-Co-Location)」、「TCI状態(Transmission Configuration Indication state)」、「空間関係(spatial relation)」、「空間ドメインフィルタ(spatial domain filter)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル-プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「リソース」、「リソースセット」、「リソースグループ」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0238】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(TP:Transmission Point)」、「受信ポイント(RP:Reception Point)」、「送受信ポイント(TRP:Transmission/Reception Point)」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0239】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0240】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0241】
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0242】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、無線通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0243】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0244】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
【0245】
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0246】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0247】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE又はLTE-Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0248】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0249】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0250】
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0251】
また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0252】
また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0253】
また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0254】
本開示に記載の「最大送信電力」は送信電力の最大値を意味してもよいし、公称最大送信電力(the nominal UE maximum transmit power)を意味してもよいし、定格最大送信電力(the rated UE maximum transmit power)を意味してもよい。
【0255】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
【0256】
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0257】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0258】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0259】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0260】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。