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  • 特許-掻き落とし壁面の模様付け方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】掻き落とし壁面の模様付け方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/02 20060101AFI20231221BHJP
   E04F 21/16 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
E04F13/02 G
E04F21/16 Q
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021028637
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129807
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】722013416
【氏名又は名称】四国化成建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】宮城 崇史
(72)【発明者】
【氏名】三宅 直希
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一彦
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-242322(JP,A)
【文献】特開2007-162236(JP,A)
【文献】特開平2-108758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/00 -13/30
E04F 21/00 - 21/32
B05D 1/00 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掻き落とし壁面の模様付け方法であって、
粘着部に離型部が積層された模様付け部材を壁下地に貼り付ける工程と、
上塗材を前記壁下地に塗布する工程と、
前記上塗材の塗膜が半硬化の状態のときに前記上塗材及び前記離型部の露出面を掻き落として模様付けを施す工程と、
前記模様付け部材を取り除く工程と、を備え、
前記離型部は前記上塗材と一緒に掻き落とし可能な発泡樹脂で形成されている、
ことを特徴とする掻き落とし壁面の模様付け方法。
【請求項2】
表面に下塗材が塗布されている前記壁下地を用いる、
ことを特徴とする請求項1に記載の掻き落とし壁面の模様付け方法。
【請求項3】
掻き落とし壁面の模様付け方法であって、
離型部と粘着部との間に装飾部が積層された模様付け部材を、壁下地に貼り付ける工程と、
上塗材を前記壁下地に塗布する工程と、
前記上塗材の塗膜が半硬化の状態のときに前記上塗材及び前記離型部の露出面を掻き落として模様付けを施す工程と、
前記離型部を取り除く工程と、を備え、
前記離型部は前記上塗材と一緒に掻き落とし可能な発泡樹脂で形成されている、
ことを特徴とする掻き落とし壁面の模様付け方法。
【請求項4】
前記上塗材を前記模様付け部材と同じ厚みになるように塗布する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の掻き落とし壁面の模様付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掻き落とし壁面の模様付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
壁面の仕上げ方法として、掻き落としによって仕上げる方法が知られている。掻き落としは、混入させる骨材の種類や配合によって、様々な表情を創り出すことができるとともに、人手による作業であることから、表面に細かい凹凸のある柔らかい仕上がりになる。落ち着いた質感とたたずまいを表現できることから、多くの住宅等の外壁に採用されている。
【0003】
また、特許文献1のように、目地材を利用して壁面に模様付けする方法がある。特許文献1では、図4(A)に示しているように、離型紙53、板状体52、粘着剤51を備えた目地材50を壁下地10に貼り付け、上塗材30を壁下地10及び目地材50の離型紙53の表面に塗布し、図4(B)に示しているように、上塗材30の塗膜が湿潤している状態で目地材50の離型紙53を剥がし、塗膜を乾燥させている。離型紙53を剥離することで凹部が形成され、凹凸模様を有する壁面が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-120877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法では、塗膜が湿潤している状態で目地材50の離型紙53を剥離するので、上塗材30の塗膜が垂れ、図4(B)に破線円で示しているように、凸部の角が丸くなり、シャープな凹凸模様を形成することは困難である。
【0006】
また、塗膜が湿潤している状態で離型紙を剥離するため、その後で掻き落としをすれば、掻き落としで生じる上塗材の滓が形成された凹部に付着してしまう。
【0007】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シャープな凹凸模様を形成することができるとともに、掻き落としで生じる上塗材の滓が、形成された凹部に付着することもない掻き落とし壁面の模様付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る掻き落とし壁面の模様付け方法は、
粘着部に離型部が積層された模様付け部材を壁下地に貼り付ける工程と、
上塗材を前記壁下地に塗布する工程と、
前記上塗材の塗膜が半硬化の状態のときに前記上塗材及び前記離型部の露出面を掻き落として模様付けを施す工程と、
前記模様付け部材を取り除く工程と、を備え、
前記離型部は前記上塗材と一緒に掻き落とし可能な発泡樹脂で形成されている、
ことを特徴とする。
【0009】
また、表面に下塗材が塗布されている前記壁下地を用いてもよい。
【0010】
本発明の第2の観点に係る掻き落とし壁面の模様付け方法は、
離型部と粘着部との間に装飾部が積層された模様付け部材を、壁下地に貼り付ける工程と、
上塗材を前記壁下地に塗布する工程と、
前記上塗材の塗膜が半硬化の状態のときに前記上塗材及び前記離型部の露出面を掻き落として模様付けを施す工程と、
前記離型部を取り除く工程と、を備え、
前記離型部は前記上塗材と一緒に掻き落とし可能な発泡樹脂で形成されている、
ことを特徴とする。
【0011】
また、前記上塗材を前記模様付け部材と同じ厚みになるように塗布することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、シャープな凹凸模様を形成することができるとともに、掻き落としで生じる上塗材の滓が、形成された凹部に付着することもない掻き落とし壁面の模様付け方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1(A)~(E)は、第1の形態に係る掻き落とし壁面の模様付け方法を説明する断面図である。
図2】模様付けされた掻き落とし壁面の斜視図である。
図3図3(A)~(E)は、第2の形態に係る掻き落とし壁面の模様付け方法を説明する断面図である。
図4図4(A)、(B)は、特許文献1の方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の形態)
第1の形態の掻き落とし壁面の模様付け方法は、粘着部に離型部が積層された模様付け部材を壁下地に貼り付ける工程(模様付け部材貼付工程)と、上塗材を壁下地に塗布する工程(上塗材塗布工程)と、上塗材の塗膜が半硬化の状態のときに上塗材及び離型部の露出面を掻き落とす工程(掻き落とし工程)と、模様付け部材を取り除く工程(模様付け部材除去工程)と、を備える。
【0016】
(模様付け部材貼り付け工程)
模様付け部材貼り付け工程では、図1(A)に示す壁下地10の表面に、図1(B)に示すように模様付け部材40aを貼り付ける。ここでは、下塗材20の塗膜が形成されている壁下地10を用いているので、下塗材20の表面に模様付け部材40aを貼り付けている。下塗材20は、後述する上塗材の塗膜形成を阻害しないものであれば特に制限されず、公知のものを使用できる。下塗材20として、例えば、カーボン・プラスター(四国化成工業社製)、エコ美ウォール・耐水タイプ(四国化成工業社製)等が挙げられる。下塗材の塗膜の厚みは、例えば、0.03~2.0mmである。
【0017】
模様付け部材40aは、粘着部41に離型部42が積層されている。後述の模様付け部材除去工程にて、模様付け部材40aは下塗材20から剥がされる(取り除かれる)ため、粘着部41と離型部42との粘着力は、粘着部41と下塗材20との粘着力よりも強いものが使用される。
【0018】
離型部42は、後述する掻き落とし工程にて、上塗材30と一緒に掻き落とすことが可能な素材から構成されている。離型部42の材質として、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン等の樹脂を発泡させた発泡樹脂が挙げられる。また、粘着部41は、公知の合成ゴム系のものが挙げられる。
【0019】
模様付け部材40a(後述する模様付け部材40bを含む)の厚みは、制限されないが、7.0~10.0mmであることが好ましい。また、粘着部41に離型部42が積層されている模様付け部材40aにおいて、離型部42の厚みは、6.5~9.9mmであることが好ましい。さらに、模様付け部材40a(後述する模様付け部材40bを含む)として、例えば、細長い平面状であり、ロール状に巻き回されているものが挙げられる。その他、壁面に所望の凹凸状の模様付けを行う観点から、模様付け部材40a(後述する模様付け部材40bを含む)は、仕上がり時に凹部として模様を形成させたい形状であればよく、矩形状、多角形状、円形状、幾何学形状など、形状に制限はない。
【0020】
(上塗材塗布工程)
続いて、図1(C)に示すように、上塗材30を塗布する。上塗材30は、壁面の仕上げ層を形成するための塗材である。上塗材30の塗布は、公知の方法で塗布することができる。塗布の方法としては、壁下地全域に、鏝、ヘラ、吹き付けガン等を用いて塗布する方法が挙げられる。
【0021】
塗布する上塗材30の厚みは、後述の掻き落とし工程の作業効率の観点から模様付け部材40の厚みと同程度(7.0~10.0mm)にするとよい。また、上塗材30の厚みを模様付け部材40の厚みと同程度とすることで、模様付け部材40が上塗材30を塗布する際の目安(ガイド)となるため、上塗材塗布工程の作業性が向上する。
【0022】
上塗材30は、一般的な掻き落とし壁面の仕上げ層として使用されるものであれば特に制限されず、例えば、水硬性材料、骨材及び水を備える。
【0023】
水硬性材料は、水と反応して硬化する材料である。水硬性材料はバインダーとして機能し、塗膜形成能を有すれば特に制限されず、公知のものを使用することができる。水硬性材料として、例えば、セメント、石膏(半水石膏、焼石膏)、水硬性石灰等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0024】
骨材は、充填剤として機能し、形成される壁面の質感を向上させる。骨材としては、公知のものを使用することができ、例えば、珪石、珪石砂、珪粉、珪藻土、タルク、粘土、寒水石(炭酸カルシウム)、ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、パーライト等が挙げられる。粒子の大きさの異なる骨材を適宜選択して使用することにより、形成される壁面の質感を調整することができる。
【0025】
上塗材は、必要に応じ、各種の添加剤を含んでいてもよい。添加剤として、顔料(液体顔料も含む)、繊維、粘度調整剤、防腐剤、防錆剤、吸着剤、防カビ剤、硬化遅延剤、消臭剤、合成樹脂、分散剤、消泡剤、pH調整剤、レベリング剤等が挙げられ、これらは公知慣用の種々のものを適宜添加して使用することができる。
【0026】
水硬性材料の配合量は、水を除く固体成分全体に対して10~50重量%が好ましく、作業性等の観点から10~35重量%がさらに好ましい。また、骨材の配合量は、水を除く固体成分全体に対して50~90重量%が好ましく、作業性等の観点から65~90重量%がさらに好ましい。また、各種添加剤の配合割合は、本発明の効果に影響を与えない範囲で添加することができる。
【0027】
上塗材は、構成する粉体状の成分を均一に混合させた粉体状の固体混合物に、所定の量の水を加えて調製することができる。水の量は、固体混合物と水との総量に対して、通常10重量%~50重量%、好ましくは、20重量%~40重量%である。固体混合物に水を加える工程は、上塗材30を壁下地10に塗布させる直前に行うことが好ましい。また、粉末状態で事前に各成分を混合させておけば、貯蔵安定性もよい。さらには、粉末状態で袋詰めされている製品を現場にて水と練り合わせて使用することが多い現行の一般的な塗り壁の製品形態にも適している。
【0028】
(掻き落とし工程)
上塗材30の塗膜が半硬化の状態のときに、図1(D)に示すように掻き落としを行う。ここで言う、「半硬化の状態」とは、上塗材の水分がほぼ消失し、硬化して形成された塗膜の形状は維持されるものの、まだ十分な機械的強度が出ていない状態を指している。半硬化の状態の判断としては、例えば、上塗材の塗膜を指先で圧力をかけて押さえたり擦ったりしても、粘着性を示さず、また、指紋の跡が残らず、塗膜の変形も生じない状態として判断し得る。
【0029】
掻き落としは、一般的な掻き落としの方法で行うことができ、掻き落とし器やワイヤーブラシ等を用いて、上塗材30及び離型部42の露出面を引っ掻いて仕上げる方法にて行うことができる。例えば、掻き落とし器を用いて円状に掻き落として仕上げたり、ワイヤーブラシを用いて一方向に動かして仕上げたりするなどすればよい。なお、掻き落としは壁面全体に行っても、掻き落としの模様を付けたい一部分に行ってもよい。
【0030】
離型部42は、上述したように発泡樹脂等、掻き落とし可能な素材から構成されているため、上塗材30の塗膜と一緒に掻き落とすことができる。したがって、上塗材30と離型部42との境界部分も掻き落としができるので、均一に掻き落としができる。
【0031】
(模様付け部材除去工程)
掻き落とし工程後、模様付け部材40aを取り除く。図1(E)、図2に示すように、模様付け部材40aを除去することで下塗材20が露出する凹部、及び、上塗材30で形成される凸部によって、凹凸状に模様付けが施された掻き落とし壁面に仕上げることができる。なお、ここでは、ワイヤーブラシで一方向に掻き落としを行って仕上げた壁面の例を示している。
【0032】
このように、掻き落とし壁面の模様付け方法では、模様付け部材40aによって形成される凹凸模様に加え、凸部には掻き落としによる模様付けがされるため、多様な表情を醸し出す壁面を実現することができる。更には、下塗材20と上塗材30との色を異ならせておけば、凹部と凸部で異なる色を有する壁面に仕上げることもできる。
【0033】
また、掻き落とし工程において、上塗材30が半硬化状態で掻き落とすため、そして、上塗材30と一緒に離型部42も掻き落としができることから、模様付け部材40aを除去すると、形成される凸部の角(図1(E)に示す破線円の部位)がシャープな形状になる。これにより、シャープな凹凸模様に仕上げることができる。また、掻き落とし工程後に模様付け部材40aを除去するため、壁面に形成される凹部には掻き落としで生じる上塗材30の滓が付着することもない。
【0034】
(第2の形態)
第2の形態の掻き落とし壁面の模様付け方法は、離型部と粘着部との間に装飾部が積層された模様付け部材を、壁下地に貼り付ける工程(模様付け部材貼り付け)と、上塗材を壁下地に塗布する工程(上塗材塗布工程)と、上塗材の塗膜が半硬化の状態のときに上塗材及び離型部の露出面を掻き落とす工程(掻き落とし工程)と、離型部を取り除く工程(離型部除去工程)と、を備える。
【0035】
(模様付け部材貼り付け工程)
模様付け部材貼り付け工程では、図3(A)に示す壁下地10の表面に、図3(B)に示すように模様付け部材40bを貼り付ける。第2の形態では、離型部42と粘着部41との間に装飾部43が積層された模様付け部材40bを用いる点、及び、下塗材が塗布されていない壁下地10を用いている点で第1の形態と異なる。
【0036】
装飾部43は、壁面の凹部として露出し、壁面に美観を与えるものである。装飾部43は、板状であり、合成樹脂、ゴム、金属など種々の素材から構成される。離型部42は装飾部43から容易に剥離できるよう、離型部42と装飾部43とは、粘着部41と壁下地10との粘着力、及び、粘着部41と装飾部43との粘着力よりも弱い力で付着している。離型部42及び粘着部41については、上述した実施の形態1と同様である。なお、離型部42と粘着部41との間に装飾部43が積層された模様付け部材40bにおいて、離型部42の厚みが4.5~9.4mm、装飾部43の厚みが0.5~2.0mmであることが好ましい。
【0037】
(上塗材塗布工程)・(掻き落とし工程)
上塗材塗布工程及び掻き落とし工程は、上述した第1の形態の上塗材塗布工程及び掻き落とし工程とそれぞれ同様であるため、説明を省略する。
【0038】
(離型部除去工程)
掻き落とし工程後、図3(E)に示すように、模様付け部材40bの離型部42を取り除く。これにより装飾部43が露出する凹部と、上塗材30が露出する凸部とで凹凸状に模様付けされた掻き落とし壁面に仕上げることができる。更には、凸部には掻き落としによる模様付けがされるため、多様な表情を醸し出す壁面を実現することができる。
【0039】
第2の形態では、壁下地10に下塗材を塗布しない場合に有用である。そして、装飾部43と上塗材30との色を異ならせることで、凹部と凸部で異なる色を有する壁面に仕上げることもできる。また、掻き落とし工程後に模様付け部材40bの離型部42を取り除くため、装飾部43が露出する凹部には掻き落としで生じる上塗材30の滓が付着することもない。
【実施例
【0040】
以下本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、壁下地としては、厚さ9.5mmの石膏ボードを用いた。
【0041】
(実施例1)
塗り壁用下塗材(商品名:カーボン・プラスター、四国化成工業製)70重量部を、水44重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業製)3重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合して下塗材を調製した。この下塗材を約1mmの厚みで壁下地に塗布して乾燥させた。
【0042】
次いで、模様付け部材を下塗材の表面に貼り付けた。模様付け部材として、離型部がポリエチレンの15倍発泡体を有するもの(商品名:トップバッカー、相模カラーフォーム工業製、厚み:7mm)を用いた。
【0043】
その後、焼石膏135重量部、炭酸カルシウム270重量部、ゼオライト22.5重量部、再乳化型アクリル粉末樹脂22.5重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水110重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合して上塗材を調製した。
【0044】
この上塗材を模様付け部材と同等の厚み(約7mmの厚み)で、模様付け部材以外の下塗材の表面に塗布した。次いで、3時間乾燥させた後、上塗材が半硬化の状態で、上塗材と模様付け部材の表面(露出面)を掻き落とした。その後、模様付け部材を取り外した。
【0045】
このようにして、上塗材が露出する凸部、及び、下塗材が露出する凹部で模様付けされるとともに、上塗材と下塗材とで異なる色が付された掻き落とし壁面を形成することができた。
【0046】
(実施例2)
塗り壁用下塗材(商品名:エコ美ウォール・耐水タイプ、四国化成工業製)40重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業製)3重量部を投入し、ミキサーで均一になるまで混合して下塗材を調整した。この下塗材を約1mmの厚みで壁下地に塗布して乾燥させた。
【0047】
次いで、実施例1と同様の模様付け部材を下塗材の表面に貼り付けた。
【0048】
その後、焼石膏135重量部、炭酸カルシウム270重量部、ゼオライト22.5重量部、再乳化型アクリル粉末樹脂22.5重量部をミキサーに入れて混合し、粉末基材を作製した。この粉末基材を、水110重量部に対し液体顔料(商品名:SKセレクトカラー、四国化成工業製)5重量部を混合して事前に着色しておいた水溶液中に投入し、ミキサーで均一になるまで混合して上塗材を調製した。
【0049】
この上塗材を模様付け部材と同等の厚み(約7mmの厚み)で、模様付け部材以外の下塗材の表面に塗布した。次いで、3時間乾燥させた後、上塗材が半硬化の状態で、上塗材と模様付け部材の表面(露出面)を掻き落とした後、模様付け部材を取り外した。
【0050】
このようにして、上塗材が露出する凸部、及び、下塗材が露出する凹部で模様付けされるとともに、上塗材と下塗材とで異なる色が付された掻き落とし壁面を形成することができた。
【符号の説明】
【0051】
10 壁下地
20 下塗材
30 上塗材
40a、40b 模様付け部材
41 粘着部
42 離型部
43 装飾部
50 目地材
51 粘着剤
52 板状体
53 離型紙
図1
図2
図3
図4