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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】生物源シリカの特性を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/18 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
C01B33/18 B
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021513268
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019048108
(87)【国際公開番号】W WO2020051010
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】62/727,183
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/830,054
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/549,667
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521093381
【氏名又は名称】キルト エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リベイロ、フラビオ エルネスト
(72)【発明者】
【氏名】シップリー、ラリー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ジングラス、レオ
【審査官】玉井 一輝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0222582(US,A1)
【文献】国際公開第2017/022345(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/053711(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/026680(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/18
C01B 33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御された表面積を有する多孔質アモルファスシリカを製造する方法であって、
前記多孔質アモルファスシリカは、珪質植物に由来し、前記珪質植物は、少なくとも1つのフラックス剤を含有し、以下の工程を含む方法であり:
a)得られるシリカが、検出可能な結晶構造を持たない多孔質アモルファス形態のシリカからなる温度で、酸素の存在下で前記珪質植物を熱処理する工程、
しかも、前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量及び/又は熱処理温度が、制御され、それにより、10m/gおよび450m/gの範囲内の特定の狭い範囲内に制御された表面積を有するアモルファスシリカを生成し、
しかも、前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の前記量は、所望の量の前記少なくとも1つのフラックス剤を珪質植物中に混合することによって制御される、前記の方法。
【請求項2】
前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量が、前記珪質植物中のキレート剤の量を制御することによって操作される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
キレート剤が、クエン酸、酢酸、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ジメルカプトコハク酸、トリメチルアミントリカルボン酸、アルファリポ酸、およびジエチレントリアミン五酢酸からなる群から選択される、請求項に記載の方法。
【請求項4】
キレート剤の量が、植物1kgあたり0.001kgから植物1kgあたり1kgまでである、請求項に記載の方法。
【請求項5】
キレート剤がクエン酸であり、クエン酸の量が、植物1kgあたり0.01kgから植物1kgあたり0.1kgまでである、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量が、前記珪質植物中に少なくとも1つの鉱酸を導入することによって制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの鉱酸が、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、および過塩素酸からなる群から選択される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのフラックス剤の前記量を20ppmから25,000ppmに制御することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アモルファスシリカの表面積が、前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量および/または熱処理温度を制御することにより、30m/gおよび400m/gの範囲内の特定の狭い範囲の中に制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記アモルファスシリカの細孔容積が、前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量および/または熱処理温度を制御することによって、0.50cc/gおよび0.05cc/gの範囲内の特定の狭い範囲の中に制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記アモルファスシリカの細孔容積が、前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量および/または熱処理温度を制御することにより、0.40cc/gおよび0.10cc/gの範囲内の特定の狭い範囲の中に制御される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アモルファスシリカの細孔径が、前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量および/または熱処理温度を制御することにより、10オングストロームおよび200オングストロームの範囲内の特定の狭い範囲の中に制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記アモルファスシリカの細孔径が、前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量および/または熱処理温度を制御することにより、30オングストロームおよび100オングストロームの範囲内の20オングストロームの範囲の中に制御される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量が、300ppmおよび15,000ppmの範囲内の特定の狭い範囲の中に制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
水、鉱酸、キレート剤、およびpH調整化学物質のうちの少なくとも1つで、シリカを後洗浄することによって、熱処理されたシリカ中の前記少なくとも1つのフラックス剤の含有量が、10ppmおよび1,000ppmの範囲内の特定の狭い範囲の中に制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
水、鉱酸、キレート剤、およびpH調整化学物質のうちの少なくとも1つで、シリカを後洗浄することによって、熱処理されたシリカ中の前記少なくとも1つのフラックス剤の含有量が、100ppmおよび500ppmの範囲内の特定の狭い範囲の中に制御される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記熱処理温度が200℃から1,000℃の範囲内にある、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ホウ素、鉄、マンガン、チタン、またはリンのうちの少なくとも1つからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量が、化学的に制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記アモルファスシリカ中の結晶構造の形成を妨げるために、少なくとも1つのフラックス剤の前記量及び熱処理温度が、制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
制御された表面積を有する多孔質アモルファスシリカを製造する方法であって、
前記多孔質アモルファスシリカは、珪質植物に由来し、前記珪質植物は、少なくとも1つのフラックス剤を含有し、以下の工程を含む方法であり:
a)得られるシリカが、検出可能な結晶構造を持たない多孔質アモルファス形態のシリカからなる温度で、酸素の存在下で前記珪質植物を熱処理する工程、
しかも、前記珪質植物中の前記少なくとも1つのフラックス剤の量及び/又は熱処理温度が、制御され、それにより、10m /gおよび450m /gの範囲内の特定の狭い範囲内に制御された表面積を有するアモルファスシリカを生成し、
しかも、200℃から1,000℃の範囲の温度で前記珪質植物を熱処理する前に、前記少なくとも1つのフラックス剤が、前記アモルファスシリカに添加され、それによって、前記アモルファスシリカの表面積、細孔容積及び細孔径のうちの少なくとも1つを、目標仕様の範囲内に制御する、前記の方法。
【請求項22】
非珪質無機物を含む珪質植物から多孔質アモルファスシリカを製造する方法であって、以下の工程を含む、前記の方法:
a)キレート剤を含む水溶液に、前記珪質植物を浸漬することであって、前記キレート剤が、前記非珪質無機物の少なくとも一部を抽出する量で存在する;
b)前記珪質植物から水溶液を分離すること;
c)所望の量の予め選択された非珪質無機物質を珪質植物中に混合することによって、前記珪質植物中の少なくとも1つの予め選択された非珪質無機物質の量を制御することであって、前記の少なくとも1つの予め選択された非珪質無機物質は、前記珪質植物に有益な特性を与えるために選択されたものである;及び
d)得られるシリカが多孔質アモルファス形態のシリカからなる温度で、酸素の存在下で前記珪質植物を熱処理すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2019年4月5日に出願された米国仮特許出願番号62/830,054、2018年9月5日に出願された米国仮特許出願番号62/727,183、および2019年8月23日に出願された米国特許出願番号16/549,667の優先権の利益を享受しており、それら全部の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
発明の分野
開示され特許請求される本発明は、生物起源に由来するシリカの特性を制御するための方法に関する。より具体的には、ここに記載の本発明は、もみ殻、茎および葉を含む珪質植物の再生可能資源から回収されたアモルファスシリカの所望の特性を選択的に増強する方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
アモルファスシリカは、現在、多くの目的で製造、販売、および利用されている。それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,406,678;7,270,794;及び8,057,771(to Shipley)は、もみ殻などの生体源からアモルファスシリカを回収するプロセスを例証している。アモルファスシリカは、珪質植物中に格子状の構造で存在し、セルロース、リグニン、ヘミセルロースなどのさまざまな有機化合物や、リン酸塩、塩、ゲル、水和物、酸化物などのさまざまな無機物と、密接に絡み合っている。もみ殻組成物中の典型的な無機物質は、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ナトリウム、鉄、亜鉛、およびアルミニウムの元素またはさまざまな化合物である。洗浄またはキレート化とそれに続く熱処理によるこれらの有機および無機物質の除去は、(植物中に存在するように)高い多孔性を有する実質的に純粋なアモルファスシリカを残すという問題があった。植物が低温で熱処理された場合、炭素および有機不純物の除去は一般に不完全である。通常、どの温度でも熱処理してもすべての炭素が除去されるわけではない。どの温度で熱処理しても無機不純物にはほとんど影響しない。より高い温度での熱処理は、シリカの格子状構造の流動を引き起こし、その多孔性(単位重量あたりの有効表面積)細孔容積および細孔直径を減少させ、その一方で、前記構造内に不純物を閉じ込める。さらに高温での熱処理は、シリカの望ましくない結晶化を引き起こす。熱処理だけでは無機不純物をほとんど除去できない。熱処理中にシリカがフラックスされた場合、シリカからの無機不純物の熱処理後の除去は問題がある。
【0004】
米国特許第6,406,678;7,270,794;及び8,057,771は、選択された特性(炭素の量、無機不純物および多孔性を含む)のアモルファスシリカを抽出することができる手段を開示しており;リグニン、ヘミセルロース、セルロース由来の糖、および使用可能なエネルギー(オープンループ再生可能エネルギー)は、もみ殻、わら、葉などの珪質植物から、(大気を炭化せず、窒素酸化物と硫黄の排出を減少させ、有毒または汚染化学物質の使用を含まない)環境に優しい手段によって抽出することもできる。
【0005】
珪質植物は、所望の最終生成物の性質および品質に応じて、水中への浸漬、浸漬水の分離、および固体の処理に供され、炭化水素の還元および/または熱処理前の無機化合物の除去を引き起こし得る。リグニン、ヘミセルロース、およびセルロース由来の糖は、珪質植物を浸すおよび/または浸漬するために使用される水から回収することができる。酸素の存在下で固体を熱処理すると、珪質灰が生成される。熱処理前の工程および熱処理の温度を変えることにより、得られる珪質灰は、検出可能な結晶含有量を有さないか、または多かれ少なかれアモルファスまたは結晶性シリカ、多かれ少なかれ炭素、多かれ少なかれ無機残留物を選択的に含み、所望の多孔性を有し得る。
【0006】
熱処理前の処理工程は、選択的に以下を含み得る:水に浸す;浸した水を取り除く;酸化性溶質を含む水溶液中に浸すことにより、固体の有機化合物を還元する;キレート剤、鉱酸および/または有機酸を含む水溶液中に浸すことにより、固体の無機化合物を抽出する;そして、前記固形物をすすぎ、乾燥させる。次に、残りの固体は、酸素の存在下で、典型的には結晶性シリカを形成させる温度よりも低い温度で、発熱的に熱処理される。不純物を除去すると、結晶構造が形成される温度が大幅に上昇する。熱処理からのエネルギーは、電気エネルギーの生成を含む、その有益な使用のために捕捉され得る。熱処理後、得られた珪質灰(アモルファスシリカを含む)を水で洗浄するか、および/またはさらに多くの不純物を除去するために様々なキレートおよび/または化学リンスにかけることができる。リグニン、ヘミセルロース、およびセルロース由来の糖は、浸漬水から回収される場合がある。熱処理の前にリグニン、ヘミセルロース、およびセルロース由来の糖を除去することにより、熱処理から生じる窒素酸化物および硫黄の排出が削減される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の概要
もみ殻などの生体源に由来するアモルファスシリカの所望の特性が、熱処理の前に植物中の不純物の量および性質を操作することによって、得ることができることが、見出された。植物中に保持されるフラックス剤の量と種類を選択することにより、所望の表面積、細孔容積、細孔寸法、研磨性および分散性特性を有するアモルファスシリカを製造することができる。
【0008】
多孔質アモルファスシリカは、最初に、非珪質無機物の少なくとも一部を抽出するのに十分な量で存在するキレート剤を含む水溶液中に、珪質植物を浸漬することにより、非珪質無機物を含む珪質植物から製造することができる。当該水溶液は珪質植物から分離され、前記珪質植物中の予め選択された非珪質無機物質の量は、珪質植物に有益な特性を与えるように制御される。最後に、珪質植物は、酸素の存在下である温度で熱処理され、多孔質のアモルファス形態のシリカが得られる。
【0009】
本明細書に記載のプロセスは、大気を炭化せず、亜酸化窒素と硫黄の排出量を減らし、過酷で汚染された化学物質を使用しない手段によって、もみ殻、わらおよび葉などの珪質植物を有益に使用して、シリカ、リグニン、およびヘミセルロース、セルロース由来の糖および使用可能なエネルギーなどの様々な製品を製造することを対象とする。
【0010】
無機および有機化合物を含む珪質植物からアモルファスシリカを製造するプロセスにおいて、珪質植物は、クエン酸、他のキレート剤および/または鉱酸の水溶液中に浸漬される。キレート剤および/または無機助剤は、前記無機および有機化合物の少なくとも一部を抽出する量で存在する。当該水溶液は珪質植物から分離される。次に、珪質植物は、酸素の存在下で熱処理されて、得られるシリカがアモルファス形態になる。前記無機化合物の除去は、キレート剤、鉱酸、および温度、時間、および洗浄を伴う除去プロセスなどの他の変数の量によって制御することができる。シリカマトリックス中の特定の無機物質の最終含有量について、熱処理温度を操作して、シリカの比表面積、細孔特性、および分散性を与えることができる。
【0011】
本発明は、生物源シリカを製造するための従来の方法に勝る利点を提供する。所与の原料中に存在する非珪質無機物質の量を評価することにより、特定の不純物濃度を達成するために必要なキレート剤の量を事前に決定することができる。本発明は、キレート化工程において、非珪質無機物質のより効率的で、おそらくより大きな還元(低減)を提供する。本発明は、一定の熱処理温度値で生物起源中の(熱処理中にフラックス剤として作用して、シリカマトリックスの崩壊となる)非珪質無機物質のレベルを制御することにより、様々な制御された比表面積、細孔容積、細孔寸法、研磨性および分散性を有する様々なアモルファスシリカ生成物(製品)を作製するために使用することができる。本発明は、酸素の存在下で熱処理温度を制御することにより、様々な比表面積、細孔容積、細孔寸法、研磨性および分散性を有する様々なシリカ製品を作製するために使用することができる。本発明は、シリカの後処理を可能にして、無機物質含有量をさらに低減する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面の簡単な記述
図1図1は、もみ殻組成物中に保持される非珪質無機物質(フラックス剤)の総含有量を制御することにより、生物源シリカの表面積を制御する能力を決定する実験の結果を示すグラフである。
【0013】
図2図2は、もみ殻組成物中に保持される非珪質無機物質(フラックス剤)を制御することにより、生物源シリカの細孔特性を制御する能力を決定する実験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の好ましい実施形態
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明されるが、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができ、その要素の代わりに同等物を使用できることが理解される。さらに、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されないが、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態およびその法的同等物を含むことが意図される。
【0015】
多孔質アモルファスシリカは、非珪質無機物を含む珪質植物から得ることができる。以前の慣行では、非珪質無機物は、浸漬およびキレート化工程中に除去されていた。特定の非珪質無機物が熱処理前に植物内に優先的に保持される場合、好ましい特性を、得られるアモルファスシリカに付与することができることが見出された。
【0016】
本発明の好ましい方法では、キレート剤を含む水溶液中に、珪質植物を浸す。キレート剤は、非珪質無機物の少なくとも一部を抽出する量で存在する。次に、当該水溶液は珪質植物から分離される。珪質植物中の少なくとも1つの予め選択された非珪質無機物質の量を制御することにより、珪質植物に有益な特性が付与される。プロセスの最後に、得られるシリカが多孔質アモルファス形態のシリカからなるような温度で酸素の存在下で、珪質植物が熱処理される。
【0017】
予め選択された非珪質無機物質は、以下の材料のいずれかまたはすべてを含むことができる:アルカリ金属(最も好ましくはリチウム、ナトリウム、およびカリウムから)、アルカリ土類金属(最も好ましくはマグネシウムおよびカルシウム)、アルミニウム、ホウ素、鉄、マンガン、チタン、またはリンの元素または化合物。
【0018】
予め選択された非珪質無機物質の量を制御する1つの方法は、ケイ酸物質中のキレート剤の量を制御することである。適切なキレート剤には、クエン酸、酢酸、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ジメルカプトコハク酸、トリメチルアミントリカルボン酸、アルファリポ酸、およびジエチレントリアミン五酢酸が含まれる。キレート剤の量は、植物1kgあたり0.001kgから植物1kgあたり1kgの間に維持されることが好ましい。クエン酸キレート剤の場合、クエン酸の量は、好ましくは、植物1kgあたり0.01kgから植物1kgあたり0.1kgの範囲である。植物中に存在するキレート剤の量を制御することにより、植物中に残っている非珪質無機物質の量は、植物の熱処理から生じるシリカに所望の特性を与えるのに十分な予め選択された量に確立することができる。
【0019】
予め選択された非珪質無機物質の量を制御する別の方法は、鉱酸を導入して珪質植物と接触させることである。適切な鉱酸には、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、および過塩素酸が含まれる。鉱酸は、一部が植物中に残っている状態で、非珪質無機物質の一部を抽出するのに役立つ。残りの非珪質無機物質は、植物の熱処理から生じるシリカに所望の特性を与えるように選択される。
【0020】
予め選択された非珪質無機物質の量を制御する追加の方法は、植物を浸漬するときに水溶液に添加されるキレート剤の量を制御することである。予め選択された無機非珪質物質の量は、水溶液に添加されるキレート剤の量を制御することにより、20ppm~25,000ppmの範囲で、より好ましくは300ppmおよび15,000ppmの範囲で操作できることがわかった。
【0021】
予め選択された非珪質無機物質の量を制御するさらなる方法は、植物が一旦熱処理されると、シリカに所望の特性を与えるのに十分な量の所望の量の予め選択された非珪質無機物質を、植物に戻すことである。
【0022】
予め選択された非珪質無機物質の量を制御するさらなる方法は、植物が一旦熱処理されると、シリカに所望の特性を与えるのに十分な量の所望の量の予め選択された非珪質無機物質を、植物に戻すことである。アルカリ金属(より具体的にはリチウム、ナトリウム、およびカリウム)がシリカの特性に強い影響を与え;これらのアルカリ金属の量が増えると、対照と比較した場合、表面積と細孔容積が減少することが見出された。アルカリ土類金属(より具体的にはマグネシウムとカルシウム)がシリカの特性に中程度の影響を与え;これらの元素の量が増えると、表面積と細孔容積も減少するであろう、ということも、見出された。最後に、他の典型的な無機不純物(より具体的には、ホウ素、亜鉛、アルミニウム、マンガン、リン、および鉄)はシリカの特性に影響を与えないであろう、ということも、見出された。
【0023】
本発明の方法を使用して制御することができるアモルファスシリカの特性の1つは、シリカの表面積である。アモルファスシリカの表面積は、10m/gおよび450m/gのより広い範囲内の狭い範囲内に、より好ましくは、30m/gおよび400m/gのより広い範囲内の狭い範囲内に制御できることが見出された。
【0024】
本発明の方法を使用して制御することができるアモルファスシリカの別の特性は、シリカの細孔容積である。アモルファスシリカの細孔容積は、0.50cc/gおよび0.05cc/gのより広い範囲内の狭い範囲内で、より好ましくは、0.40cc/gおよび0.10cc/gのより広い範囲内の狭い範囲内で制御できることが見出された。
【0025】
本発明の方法を使用して制御することができるアモルファスシリカのさらなる特性は、シリカの細孔径である。アモルファスシリカの細孔径は、10オングストロームおよび200オングストロームのより広い範囲内の狭い範囲内で、より好ましくは、30オングストロームおよび100オングストロームのより広い範囲内の狭い範囲内で制御できることが見出された。
【0026】
水、鉱酸、キレート剤、およびpH調整化学物質のうちの少なくとも1つで、シリカを後洗浄することにより、熱処理されたシリカ中の非珪質無機物質の含有量は、10ppmおよび1,000ppmの範囲内の範囲、より好ましくは100ppmおよび500ppmの範囲内の範囲に制御できることが見出された。
【0027】
好ましい熱処理温度は、200℃から1,000℃の範囲である。
【0028】
本発明の特定の態様は、以下の実験で例証されている。
【0029】
実験1
いくつかの試験は、上部に入る機械式ミキサー、ホットプレート(好ましくは温度フィードバックを伴う)および2リットル容量のビーカーからなる同一の混合システムを使用して実施された。1つの試験はコントロール(対照)であり、他の試験は異なるクエン酸キレート剤濃度を使用した。試験手順は次のとおりである:
【0030】
1. 各ビーカーは、1,800mlの160°Fの蒸留水で満たされた。
【0031】
2. 100グラムの60メッシュの粉砕もみ殻(同じサンプルバッチから)を各ビーカーに加え、ミキサーを同じ速度で操作した。ホットプレートは同じ(低)レベルの加熱に設定されたか、又は、フィードバックメカニズムがある場合は160°Fに設定された。
【0032】
3. 対照バッチをろ過して水を除去し、50℃で後乾燥し、600℃で熱処理した。シリカの無機元素含有量を分析した。
【0033】
4. 他のバッチは、適切なキレート化のための時間を与えながら、増加した量のクエン酸の10%溶液で処理され、その後、一連の精製水浸漬および排出サイクルが続いた。30%過酸化水素溶液を、前のサイクル中に加えて最終洗浄した。試験の材料をろ過して水分を除去し、50℃で後乾燥し、600℃で熱処理した。シリカの無機元素含有量を分析した。
【0034】
処理された殻サンプルがICPを介して残留無機元素について分析された後、各処理の相対的除去速度が比較された。比較の結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0035】
表1に示すように、クエン酸の量を増やすと、無機物質の除去が向上する。除去は、1molのクエン酸が1molの元素をキレート化すると仮定してモデル化できる。したがって、特定の無機元素濃度、特に表面積、細孔容積、細孔径、分散性などの最終的なシリカ製品の特性に影響を与えるであろうフラックス元素(K、Na、Ca、Mgなど)は、与えられた原料で、特定の量のクエン酸濃度で達成できる。
【0036】
実験2
キレート化工程において無機物質をさらに低減する他の方法を決定するために実験を行った。4つの試験は、上部に入るメカニカルミキサー、ホットプレート(好ましくは温度フィードバック付き)、および2リットル容量のビーカーで構成される同一の混合システムを使用して実施された。1つの試験はコントロール(対照)であり、他の試験は同じ濃度のクエン酸キレート剤を使用した。1つの試験では、キレート化中に鉱酸を導入し、もう1つの試験では、キレート化工程の前に浸漬工程で鉱酸を導入して、溶液のpHをさらに下げた。試験手順は次のとおりである。
【0037】
1. 各ビーカーは、1,800mlの160°F蒸留水で満たされた。
【0038】
2. 100グラムの+60メッシュ粉砕もみ殻(同じサンプルバッチから)を各ビーカーに加え、ミキサーを同じ速度で操作した。ホットプレートは同じ(低)レベルの加熱に設定されたか、又は、フィードバックメカニズムがある場合は160°Fに設定された。
【0039】
3. 対照バッチをろ過して水を除去し、50℃で後乾燥し、600℃で熱処理した。シリカの無機元素含有量を分析した。
【0040】
4. 第2のバッチを、適切なキレート化のための時間を与えるクエン酸の10%溶液で処理し、続いて、一連の精製水浸漬および排出サイクルを行った。30%過酸化水素溶液を、前のサイクルに加えて最終洗浄した。試験の材料をろ過して水分を除去し、50℃で後乾燥し、600℃で熱処理した。シリカの無機元素含有量を分析した。
【0041】
5. 第3のバッチを、硝酸の10%溶液、全30%過酸化水素の50%、およびクエン酸の10%溶液で処理し、適切なキレート化のための時間を与え、続いて、一連の精製水浸漬および排出サイクルを行った。30%過酸化水素溶液の残りの50%は、最後の洗浄への前のサイクルに追加された。試験の材料をろ過して水分を除去し、50℃で後乾燥し、600℃で熱処理した。シリカの無機元素含有量を分析した。
【0042】
6. 第4のバッチは、最初の浸漬工程で、硝酸の10%溶液および全過酸化水素の50%で処理された。この浸漬工程は、キレート化の前に実施された。浸漬後、10%クエン酸溶液を用いたキレート化工程と一連の精製水浸漬および排出サイクルが続いた。30%過酸化水素溶液の残りの50%は、最後の洗浄への前のサイクルに追加された。試験の材料をろ過して水分を除去し、50℃で後乾燥し、600℃で熱処理した。シリカの無機元素含有量を分析した。
【0043】
処理された殻サンプルがICPを介して残留無機元素不純物について分析された後、各処理の相対的除去速度が比較された。比較の結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0044】
表2に示すように、キレート化プロセス中またはキレート化に先立つ予備浸漬プロセス中でpH変化を促進するために鉱酸を添加すると、もみ殻から除去される無機物質の量が増加した。この例では、クエン酸が溶液のpHを3に緩衝し、鉱酸がpH2へのさらなる低減を促進することに注意されたい。試験結果により、シリカのさらなる精製は、化学薬品の有無にかかわらず、温度範囲で、さまざまな洗浄方法によって達成できることがわかる。
【0045】
実験3
もみ殻組成物上のフラックス剤のレベルを制御することによって、表面積、細孔特性、および分散性を制御する能力を決定するために実験を行った。現在の慣行では、高い表面積と良好な分散性を実現するために、フラックス剤として機能し得る無機物質を燃焼前に可能な限り完全に除去することが目標である。もみ殻中に残る無機物質のレベルを制御することで、表面積が小さくなり、研磨性が向上するであろう。シリカの品質は燃焼温度によっても影響を受ける可能性があるため、すべての評価に600℃の燃焼温度を使用した。
【0046】
フラックス剤(Na、K、CaおよびMgの合計によって表される)として作用することができる、異なる無機元素不純物濃度を有する様々なバッチのいくつかのサンプルを、600℃で熱処理した。シリカのフラックス剤(Na、K、Ca、Mg)、表面積、細孔容積を分析した。結果は、図1および図2に示すグラフにプロットされる。
【0047】
試験結果を用いて、分散性および摩耗性などの他の重要な特性につながる、表面積、細孔容積および細孔直径などのシリカ特性が、所与の熱処理温度での特定のフラックス剤元素濃度で、得られることができる、ということを確認することが可能である。
【0048】
実験4
実験は、特定のフラックス剤(Na、K、CaおよびMgの合計によって表される)レベル含有量で、処理されたもみ殻の所与のバッチの表面積、細孔容積、および細孔直径の変化を評価するために実施された。処理されたもみ殻バッチは、4つの異なる温度で熱処理され、結果は以下の表3に示されている。
【表3】
【0049】
試験結果を使用すると、特定の処理済みもみ殻が、異なる熱処理温度で、細孔容積、表面積、および細孔径のさまざまな結果を生成し、特定の最終製品の目的の特性に合わせて操作できることがわかる。
【0050】
実験5
シリカを後洗浄して金属をさらに除去し、より高度な精製を達成する効果を評価するために実験を行った。
【0051】
磁石、ホットプレート(好ましくは温度フィードバックを伴う)および500ml容量のビーカーからなる同一の混合システムを使用して、いくつかの試験を実施した。1つの試験はコントロール(対照)であり、他の試験は異なるクエン酸キレート濃度を使用した。試験手順は次のとおりである。
【0052】
1. 各ビーカーは300mlの160°Fの蒸留水で満たされた。
【0053】
2. 30グラムのシリカ(同じサンプルバッチから)を各ビーカーに加え、ミキサーを同じ速度で操作した。ホットプレートは同じ(低)レベルの加熱に設定されたか、又は、フィードバックメカニズムがある場合は160°Fに設定された。
【0054】
3. 対照シリカは、金属含有量について分析された。
【0055】
4. 他のバッチは、クエン酸の10%溶液の量を増やして処理され、続いて、精製された水浸漬および排出サイクルの1つが続いた。試験の材料をろ過して水分を除去し、50℃で後乾燥した。シリカの無機元素不純物含有量を分析した。
【0056】
比較の結果は、以下の表4に提示されている:
【表4】
【0057】
これらの試験結果は、シリカ中に残留する無機物質をさらに減らすことが可能であり、したがって、市場の用途要求ごとに不純物のレベルを作成できることを示している。
【0058】
実験6
対照の前処理されたもみ殻サンプル中に、所望の無機元素を再導入する手順を使用して、いくつかの試験が実施され、そこでは、ほとんどの無機汚染物質が除去された。通常、所定の濃度の塩溶液からの無機汚染物質を、もみ殻の完全な取り込みおよび湿潤のために激しく攪拌しながら、乾燥もみ殻サンプル上に噴霧した。目的の汚染物質の濃度は、各溶液の元素量と各もみ殻サンプルのシリカ量に基づいて計算された。濡れ度は、元素不純物の分布が均一になるように、もみ殻が余分な水分をすべて吸収できるように計算された。
【0059】
湿ったサンプルをオーブン中で後乾燥し、次に異なる温度で焼成して、表面積および細孔容積を評価した。実験の結果を以下に示す。
【0060】
水酸化リチウム溶液を、焼成シリカサンプルで測定された3つの異なる濃度目標(ターゲット)(1,000ppm、2000ppm、および3,000ppm)で対照もみ殻サンプル中に組み込んだ。この実験の結果を以下の表5に示す。
【表5】
【0061】
表5の結果は、もみ殻中のリチウム量の増加が、焼成シリカサンプルの表面積と細孔容積の減少に大きな影響を及ぼしたことを示している。
【0062】
水酸化カリウム溶液を、焼成シリカサンプルで測定された3つの異なる濃度目標(ターゲット)(1,000ppm、2000ppm、および3,000ppm)で対照もみ殻サンプル中に組み込んだ。この実験の結果を以下の表6に示す。
【表6】
【0063】
表6の結果は、もみ殻中のカリウム量の増加が、焼成シリカサンプルの表面積と細孔容積の減少に大きな影響を及ぼしたことを示している。
【0064】
水酸化ナトリウムおよび硫酸ナトリウム溶液を、焼成シリカサンプルで測定された3つの異なる濃度目標(ターゲット)(1,000ppm、2000ppm、および3,000ppm)で対照もみ殻サンプル中に組み込んだ。この実験の結果を以下の表7に示す。
【表7】
【0065】
表7の結果は、もみ殻中のナトリウム量の増加が、焼成シリカサンプルの表面積と細孔容積の減少に大きな影響を及ぼしたことを示している。
【0066】
酸化カルシウム溶液を、焼成シリカサンプルで測定された3つの異なる濃度の目標(ターゲット)(1,000ppm、2000ppmおよび3000ppm)で対照もみ殻サンプル中に組み込んだ。この実験の結果を以下の表8に示す。
【表8】
【0067】
表8の結果は、もみ殻中のカルシウム量の増加が、焼成シリカサンプルの表面積と細孔容積の減少に中程度の影響を及ぼしたことを示している。
【0068】
硫酸マグネシウム溶液を、焼成サンプルで測定された3つの異なる濃度目標(ターゲット)(1,000ppm、2000ppm、および3,000ppm)で対照もみ殻サンプル中に組み込んだ。この実験の結果を以下の表9に示す。
【表9】
【0069】
表9の結果は、もみ殻中のマグネシウム量の増加が、焼成シリカサンプルの表面積と細孔容積の減少に中程度の影響を及ぼしたことを示している。
【0070】
ホウ酸および硫酸亜鉛溶液を、焼成サンプルで測定された3つの異なる濃度目標(ターゲット)(1,000ppm、2000ppm、および3000ppm)で対照もみ殻サンプル中に組み込んだ。この実験の結果を以下の表10に示す。
【表10】
【0071】
表10の結果は、もみ殻中のホウ素と亜鉛の量の増加が表面積と細孔容積にいくらかの影響を及ぼしたことを示しているが、結果は傾向を示していなかった。
【0072】
硫酸アルミニウムおよび硫酸マンガン溶液を、焼成サンプルで測定された3つの異なる濃度目標(ターゲット)(1,000ppm、2,000ppm、および3,000ppm)で対照もみ殻サンプル中に組み込んだ。この実験の結果を以下の表11に示す。
【表11】
【0073】
表11の結果は、アルミニウムとマンガンが焼成シリカの特性に影響を与えないことを示している。
【0074】
上記の説明は特定の詳細を含むが、これらは本発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろその1つの好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。したがって、本発明の範囲は、図示された実施形態によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的同等物によって決定されるべきである。
本発明に関連して、以下の内容を更に開示する。
[1]
非珪質無機物を含む珪質植物から多孔質アモルファスシリカを製造する方法であって、以下の工程を含む、前記の方法:
a)キレート剤を含む水溶液に、前記珪質植物を浸漬することであって、前記キレート剤が、前記非珪質無機物の少なくとも一部を抽出する量で存在する;
b)前記珪質植物から水溶液を分離すること;
c)前記珪質植物中の少なくとも1つの予め選択された非珪質無機物質の量を制御することであって、前記の少なくとも1つの予め選択された非珪質無機物質は、前記珪質植物に有益な特性を与えるために選択されたものである;及び
d)得られるシリカが多孔質アモルファス形態のシリカからなる温度で、酸素の存在下で前記珪質植物を熱処理すること。
[2]
前記珪質植物中の予め選択された非珪質無機物質の量が、前記珪質植物中のキレート剤の量を制御することによって操作される、[1]に記載の方法。
[3]
キレート剤が、クエン酸、酢酸、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ジメルカプトコハク酸、トリメチルアミントリカルボン酸、アルファリポ酸、およびジエチレントリアミン五酢酸からなる群から選択される、[2]に記載の方法。
[4]
キレート剤の量が、植物1kgあたり0.001kgから植物1kgあたり1kgまでである、[3]に記載の方法。
[5]
キレート剤がクエン酸であり、クエン酸の量が、植物1kgあたり0.01kgから植物1kgあたり0.1kgまでである、[4]に記載の方法。
[6]
前記珪質植物中の予め選択された非珪質無機物質の量が、前記珪質植物中に鉱酸を導入することによって制御される、[1]に記載の方法。
[7]
鉱酸が、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、および過塩素酸からなる群から選択される、[6]に記載の方法。
[8]
前記珪質植物中の予め選択された非珪質無機物質の量が、前記珪質植物を水溶液に浸漬するために添加されるキレート剤の量を制御することによって操作される、[1]に記載の方法。
[9]
予め選択された無機非珪質物質の量を20ppmから25,000ppmに制御することができる、[8]に記載の方法。
[10]
前記珪質植物中の予め選択された非珪質無機物質の量は、所望の量の予め選択された非珪質無機物質を珪質植物中に混合することによって制御される、[1]に記載の方法。
[11]
前記有益な特性が、前記アモルファスシリカの制御された表面積である、[1]に記載の方法。
[12]
もみ殻中の前記予め選択された非珪質無機物質の量および/または熱処理温度を制御することにより、前記アモルファスシリカの表面積が、10m /gおよび450m /gの範囲内の範囲に制御される、[11]に記載の方法。
[13]
前記アモルファスシリカの表面積が、もみ殻中の前記予め選択された非珪質無機物質の量および/または熱処理温度を制御することにより、30m /gおよび400m /gの範囲内の範囲に制御される、[12]に記載の方法。
[14]
前記有益な特性が、前記アモルファスシリカの制御された細孔容積である、[1]に記載の方法。
[15]
前記アモルファスシリカの細孔容積が、もみ殻中の前記予め選択された非珪質無機物質の量および/または熱処理温度を制御することによって、0.50cc/gおよび0.05cc/gの範囲内の範囲に制御される、[14]に記載の方法。
[16]
前記アモルファスシリカの細孔容積が、もみ殻中の前記予め選択された非珪質無機物質の量および/または熱処理温度を制御することにより、0.40cc/gおよび0.10cc/gの範囲内の範囲に制御される、[15]に記載の方法。
[17]
有益な特性が、前記アモルファスシリカの制御された細孔径である、[1]に記載の方法。
[18]
前記アモルファスシリカの細孔径が、もみ殻中の前記予め選択された非珪質無機物質の量および/または熱処理温度を制御することにより、10オングストロームおよび200オングストロームの範囲内の範囲に制御される、[17]に記載の方法。
[19]
前記アモルファスシリカの細孔径が、もみ殻中の前記予め選択された非珪質無機物質の量および/または熱処理温度を制御することにより、30オングストロームおよび100オングストロームの範囲内の範囲に制御される、[18]に記載の方法。
[20]
珪質植物中の非珪質無機物質の量が20ppm~25,000ppmの間で制御される、[1]に記載の方法。
[21]
珪質植物中の非珪質無機物質の量が、300ppmおよび15,000ppmの範囲内の範囲に制御される、[20]に記載の方法。
[22]
水、鉱酸、キレート剤、およびpH調整化学物質のうちの少なくとも1つで、シリカを後洗浄することによって、熱処理されたシリカ中の非珪質無機物質の含有量が、10ppmおよび1,000ppmの範囲内の範囲に制御される、[1]に記載の方法。
[23]
水、鉱酸、キレート剤、およびpH調整化学物質のうちの少なくとも1つで、シリカを後洗浄することによって、熱処理されたシリカ中の非珪質無機物質の含有量が、100ppmおよび500ppmの範囲内の範囲に制御される、[22]に記載の方法。
[24]
熱処理温度が200℃から1,000℃の範囲内にある、[1]に記載の方法。
[25]
珪質植物中の前記予め選択された非珪質無機物質が、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ホウ素、鉄、マンガン、チタン、またはリンのうちの少なくとも1つからなる、[1]に記載の方法。
図1
図2