(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】センサが組み込まれたケーブルコンジット
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20231221BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20231221BHJP
H02G 9/06 20060101ALI20231221BHJP
F16L 11/12 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
H02G3/04 081
H02G3/04 062
H02G1/06
H02G9/06
F16L11/12 Z
(21)【出願番号】P 2021513290
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 EP2019073072
(87)【国際公開番号】W WO2020052984
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-25
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルザー,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】シュスター,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】マレト,ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】ベルトゥイス,ルディ
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-032865(JP,A)
【文献】特表2018-502301(JP,A)
【文献】特表2012-506591(JP,A)
【文献】特開2016-226194(JP,A)
【文献】特開2003-044973(JP,A)
【文献】特開2005-130641(JP,A)
【文献】特開平07-143631(JP,A)
【文献】米国特許第05538492(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H02G 1/06
H02G 9/06
F16L 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本のケーブル(18)と、
前記ケーブル(18)を内部空間(16)に収容するチューブ(12)と、
前記内部空間(16)内の環境条件を検知するためのセンサ(20)と、
前記内部空間(16)内の前記環境条件を、前記チューブ(12)の内部の雰囲気を能動的に制御することによって変更するためのアクチュエータ(34)とを備え
、
前記チューブ(12)と相互接続されたT接続(38)をさらに備え、前記ケーブル(18)は前記T接続(38)を通して導かれ、
前記アクチュエータ(34)は前記T接続(38)に搭載される、ケーブルコンジット(10)。
【請求項2】
前記センサ(20)から測定値を受信するため、かつ、前記アクチュエータ(34)に制御コマンドを送信するための、制御装置(24)をさらに備える、請求項1に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項3】
前記ケーブル(18)は電力線である、請求項1または2に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項4】
前記センサ(20)は、前記ケーブル(18)を介して測定値を送信するための電力線送信装置(36)を含み、
前記アクチュエータ(34)は、前記ケーブル(18)を介して制御コマンドを受信するための電力線送信装置(36)を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項5】
前記センサ(20)は、測定値を送信するための無線送信機(22)を含み、
前記アクチュエータ(34)は、制御コマンドを受信するための無線受信機(22)を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項6】
前記センサ(20)に電気エネルギを供給するためのエネルギ収集装置(30)をさらに備え、および/または
前記センサ(20)は、電気エネルギを前記センサ(20)に供給するためおよび/または測定値を送信するためのRFIDタグを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項7】
前記センサ(20)には、前記チューブ(12)に収容されたワイヤ(26)から電気エネルギが供給される、請求項1から6のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項8】
前記センサ(20)には、前記ケーブル(18)から電気エネルギが供給される、請求項1から7のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項9】
前記チューブ(12)の端部に装着された取付具(14)をさらに備え、
前記アクチュエータ(34)は前記取付具(14)に搭載される、請求項1から8のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項10】
前記アクチュエータ(34)は前記チューブ(
12)に直接搭載される、請求項1から
9のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項11】
前記センサ(20)は、
温度センサ、
湿度センサ
のうちの少なくとも1つである、請求項1から
10のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項12】
前記アクチュエータ(34)は、
通風機、
加熱器、
冷却器、
フラップ
のうちの少なくとも1つである、請求項1から
11のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)。
【請求項13】
請求項1から
12のいずれか1項に記載のケーブルコンジット(10)における環境条件を前記チューブの内部の雰囲気を能動的に制御することによって適合させる方法であって、前記方法は、
前記内部空間(16)内の環境条件を前記センサ(20)を用いて検知するステップと、
前記環境条件の測定値を制御装置(24)に送信するステップと、
前記測定値を前記制御装置(24)を用いて評価し前記環境条件を変更する必要があるか否かを判断するステップと、
前記制御装置(24)を用いて制御コマンドを生成し前記アクチュエータ(34)に送信するステップと、
前記アクチュエータ(34)を用い前記制御コマンドに基づいて前記環境条件を変更するステップとを含む、方法。
【請求項14】
前記ケーブルコンジット(10)は複数のセンサ(20)を備え、前記制御装置(24)は前記複数のセンサ(20)から測定値を受信し、
前記測定値を評価することにより、前記ケーブルコンジット(10)の欠陥の位置を判断する、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ケーブルコンジットおよびケーブルコンジット内の環境条件を適合させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
電力および/またはデータを伝送するためのケーブルは、ケーブルコンジットと呼ばれることもある周囲のチューブによって保護されていることが多い。このようなケーブルコンジットの機能は、ケーブルをその周囲から機械的に保護すること、数本のケーブルを束ねること、簡単にクリーニングできること、電気的シールドの提供、接地、および/またはラベリングを含み得る。ケーブルコンジットは、気密封止されていてもよく、部分的に開かれていてもよく、または、すべての端部が開かれていてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの理由により、たとえば、故障の早期検出、メンテナンス間隔および/または内部雰囲気の能動的制御のために、このようなケーブルコンジットの内部条件を知ることが重要な場合がある。
【0004】
ケーブルコンジットの内部条件が重要になる可能性があるのは、汚染のリスクおよび/または故障の早期検出等のいくつかの用途である。通常、ケーブルコンジットの内部条件は推定することしかできず、いかなる故障も防止するための唯一の方法は、水放出栓または定期的な高コストのメンテナンス、たとえばシステム全体の交換等の、単純な対応策である。
【0005】
GB 2 475 910 Aには、誘導性接続を用いて現場でドリルホールを測定し制御するための方法および装置が記載されており、センサおよびアクチュエータパッケージを含む無線機器ユニットが配管部の外側に位置し、この無線機器ユニットは、ドリルホール導管の非磁性部分の内側の電磁トランシーバにより、誘導的に給電することができ、この電磁トランシーバは、装置に対する通信を制御するためにドリルホールインターフェイスユニットに装着された電線ロギングケーブルに設けられている。
【0006】
WO 2007/051230 A1には、治療のために加圧された気体を気体送達経路に沿って患者に供給する呼吸装置に使用する検知カフが記載されており、このカフは、気体送達経路と連通するようにされた導管部と、導管部に設けられた検知機構とを含む。検知機構は、使用時に、コンジット部を通過する気体の1つ以上の特徴を検知またはサンプリングし気体の特徴データを遠隔装置に無線送信するように構成されている。
【0007】
DE 10 2006 036720 A1には、情報を検出および保存するのに適した少なくとも1つの情報キャリアを有するパイプまたは容器の製造方法、ならびに、特にこの方法に従い製造されたパイプまたは容器が記載されている。
【0008】
GB 2 466 862 Aには、現場でのドリルホール測定のための方法および装置が記載されており、無線センサユニットが非磁性筐体の外側にあり、センサ給電ユニットが筐体の内側にある。給電ユニットは、この筐体を通して無線で電力をセンサユニットに供給しセンサユニットと通信する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の説明
本発明の目的は、安全性がより高く、メンテナンスがより簡単で、より適切に保護された、ケーブルコンジットを提供することである。
【0010】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。さらに他の、具体例としての実施形態は、従属請求項および以下の説明から明らかである。
【0011】
本発明のある局面は、ケーブルコンジットに関する。ケーブルコンジットは、内部の1本以上のケーブルを導くおよび/または保護するために使用される、任意の中空装置であってもよい。
【0012】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、電力線、伝送線および/または光ファイバ線であってもよい、少なくとも1本のケーブルと、ケーブルを内部空間に収容するチューブと、チューブの内部空間内の環境条件を検知するためのセンサと、内部空間内の環境条件を、チューブの内部の雰囲気を能動的に制御することによって変更するためのアクチュエータとを備える。
【0013】
ケーブルは、電力および/またはデータを伝送するために使用することができる。ケーブルは、プラスチックカバーに封入されていてもよい1本以上のワイヤを含み得る。
【0014】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルは電力線である。ケーブルは、電力を、たとえばバッテリまたは発電機等の電源から、モータ、加熱器等の負荷に伝送するために使用することができる。ケーブル内の電圧は、センサおよび/またはアクチュエータの電源電圧よりも遥かに高い可能性がある。また、ケーブルは、データ通信信号を伝送するための伝送線の場合もある。さらに他の代替例として、ケーブルは、これもデータ通信信号を伝送するために使用できる光ファイバ線の場合もある。ケーブルコンジットは、その内部空間に複数のケーブルを収容することができ、これは、たとえば先に述べたタイプのような異なるタイプであってもよい。
【0015】
チューブは、プラスチックで作られていてもよく、任意でその他の材料で作られていてもよい。これらの材料は、電気的および/または熱的分離等のために電磁場を遮蔽するようにされていてもよい。チューブは、押出成形された円筒であってもよく、および/または互いに装着されおよび/または差し込まれたいくつかの部分で構成されていてもよい。チューブの内部空間は長手方向に延びていてもよく、1本以上のケーブルを収容するために使用されてもよい。
【0016】
内部空間には、センサで測定できる、温度および/または湿度等の特定の環境条件が存在する。センサは、温度センサおよび湿度センサのうちの少なくとも1つであってもよい。一般的に、センサは、温度、湿度、圧力、煙、導電性および/または振動等の、さまざまな物理的特性および/または環境条件を測定することができる。
【0017】
ケーブルコンジットが、チューブの異なる場所における内部空間内の環境条件を検知するための2つ以上のセンサを含み得ることに、注意する必要がある。上記1つ以上のセンサは、チューブの内側および/または外側に組み込まれてもよい。ケーブルコンジットに沿う異なる場所における物理的特性をモニタリングすることは、チューブの内部における、水の侵入、凝縮、漏洩および/または過熱のような故障を検出する可能性を提供し得る。
【0018】
たとえば、制御装置または制御システムは、1つ以上のセンサから測定値および/または測定データを収集することができ、これらを評価することにより、チューブの内部の環境条件を求めることができる。ケーブルコンジットの、より安全な動作は、早期故障検出を通して提供することができる。
【0019】
しかしながら、センサが生成したデータをセンサに保存してから読取装置で読出すことも可能であろう。
【0020】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、内部空間内の環境条件を変更するためのアクチュエータを含む。たとえば、アクチュエータは、通風機、加熱器、冷却器、フラップ等のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0021】
ケーブルコンジットが2つ以上のアクチュエータを含み得ることに注意する必要がある。複数のアクチュエータはケーブルコンジットの異なる場所に配置されてもよい。
【0022】
1つ以上のアクチュエータを用いて、チューブの内部の雰囲気を能動的に制御することができる。上記制御装置または制御システムは、内部空間内の環境条件を判断することができ、環境条件をたとえば所望の通りに変更するようにアクチュエータを制御することができる。このようにして、能動的制御を採用することにより、上記故障を未然に防ぐことができる。そうすることで、ケーブルコンジットの寿命を延ばすことができ、および/またはメンテナンスの手間を減じることができる。
【0023】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、センサから測定値および/または測定データを受信しアクチュエータに制御コマンドを送信するための制御装置をさらに含む。制御装置は、センサおよび/またはアクチュエータの一部であってもよい。センサおよびアクチュエータは、通信のために直接接続されてもよい。チューブの内部空間内の所望の環境条件を維持するために、1つ以上のセンサの測定に基づいて1つ以上のアクチュエータを制御することができる。
【0024】
たとえば、超距離ゲートウェイ装置が、1つ以上のセンサから測定データを受信してもよく、この情報を、制御装置が接続されているローカルネットワークに、または、制御装置として機能し得るクラウドサーバに、送ってもよい。BLE、LoRa、GSM(登録商標)、IEEE 802.15.4g等の無線プロトコルを使用してもよい。同じ方法で、長距離ゲートウェイ装置は、制御装置から制御コマンドを受信することができ、これらの制御コマンドを1つ以上のアクチュエータに与えることができる。
【0025】
本発明のある実施形態に従うと、センサは測定値を送信するための無線送信機を含み、および/またはアクチュエータは制御コマンドを受信するための無線受信機を含む。1つ以上のセンサは、無線または有線通信チャネルを介して、たとえばBluetooth(登録商標)を介して制御装置と通信することができる。1つ以上のアクチュエータは、無線または有線通信チャネルを介して、たとえばBluetoothを介して制御装置と通信することができる。
【0026】
本発明のある実施形態に従うと、センサは、ケーブルを介して測定値を送信するための電力線送信装置を含む。また、アクチュエータは、ケーブルを介して制御コマンドを受信するための電力線送信装置を含む。センサおよび/またはアクチュエータのデータ送信は、センサおよび/またはアクチュエータの電源線を介して行われてもよい。
【0027】
一般的に、センサおよび/またはアクチュエータには、電力線からの電力が、バッテリまたはキャパシタ等のローカルなエネルギ蓄積装置から、および/またはソーラーパネル等のエネルギ収集装置から、供給される。
【0028】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、センサおよび/またはアクチュエータに電気エネルギを供給するためのエネルギ収集装置をさらに含む。電気エネルギは、たとえば、環境光から、環境電磁場から、熱的な差から、運動および/または振動から、収集することができる。
【0029】
エネルギ収集装置から与えられる電力は(たとえば昼間/夜間サイクルが原因で)不連続な場合がある。センサおよび/またはアクチュエータは、センサに対してローカルである(二次電池および/またはスーパーキャパシタ等の)エネルギバッファに、エネルギ収集装置から与えられた余剰電力を保存するようにされてもよい。エネルギ収集装置から与えられる電力が十分でない場合は保存したエネルギを使用してセンサおよび/またはアクチュエータに供給することができる。これに代えて、収集したエネルギがない場合は、一次ローカルバッテリを用いてセンサおよび/またはアクチュエータに給電してもよい。この場合、エネルギ収集装置は、このバッテリの寿命を延ばすものとみなすことができる。
【0030】
本発明のある実施形態に従うと、センサは、電気エネルギをセンサに供給するため、および/または測定値を送信するための、RFID(無線周波数識別)タグを含む。たとえば、検知機能を有する受動RFIDタグをセンサとして使用することができる。このようなセンサは、能動的エネルギ供給を必要としない場合があり、および/または極めてコンパクトに設計することができる。
【0031】
本発明のある実施形態に従うと、センサおよび/またはアクチュエータには、チューブに収容されたワイヤから電気エネルギが供給される。有線電源が、たとえば、チューブに埋め込むことができる2本のワイヤにより、ACまたはDC電力として提供されてもよい。
【0032】
ワイヤは、チューブの材料に収容されてもよい。そうすると、センサおよび/またはアクチュエータを、適合させた機械的装置を介してこれらのワイヤに接続することができる。AC電力の場合、ワイヤの関連する電気的極性は重要ではないであろう。DC電力の場合、センサおよび/またはアクチュエータに対して正しい極性を与えるために注意が必要であろう。これは、異なる手段を通して、たとえば、正しいワイヤ接続を保証するワイヤの機械的接続により、および/またはどちらの極性でも動作するようにされたセンサおよび/またはアクチュエータにより、行うことができる。
【0033】
センサおよび/またはアクチュエータの電源は、チューブの外側に設けられたワイヤおよび/または線により、提供することもできる。
【0034】
本発明のある実施形態に従うと、センサおよび/またはアクチュエータには、ケーブルから電気エネルギが供給される。さらに他の代替例として、電源は、電送ケーブルであるケーブルによって与えられてもよい。たとえば、ケーブルは、栓が設けられていてもよく、および/または2つ以上のセンサおよび/またはアクチュエータに供給できる電源装置がケーブルに接続されてもよい。
【0035】
アクチュエータをケーブルコンジットに装着する方法にはいくつかの可能性がある。一般的には、チューブに直接装着することができ、および/またはケーブルコンジットのその他の構成要素に、たとえばチューブと相互接続するための取付具に、および/またはチューブを分岐させるために使用されるT接続に、装着することができる。
【0036】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、チューブの端部に装着された取付具をさらに含み、取付具はさらに他の取付具に接続するようにされ、アクチュエータはこの取付具に搭載される。たとえば、特別な取付具に、組み込まれた通風機等のアクチュエータを設けてもよい。
【0037】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、チューブと相互接続されたT接続をさらに含み、ケーブルはT接続を通して導かれる。アクチュエータはT接続に搭載されてもよい。
【0038】
たとえば、さらに他の装置および/または筐体を、T接続を介してチューブに装着してもよい。このさらに他の装置および/または筐体は、アクチュエータおよび/またはセンサを収容することができる。アクチュエータおよび/またはセンサは、このT接続を介してチューブの内部空間にアクセスすることができる。
【0039】
本発明のある実施形態に従うと、アクチュエータはチューブに直接搭載される。さらに他の装置および/または筐体が、アクチュエータおよび/またはセンサを収容することができるチューブに装着されてもよい。上記さらに他の装置は、チューブの開口を覆っていてもよく、この開口を通してアクチュエータおよび/またはセンサはチューブの内部空間にアクセスすることができる。
【0040】
本発明のある実施形態に従うと、センサは、測定データおよび/または測定値をチューブの外部に送信するための無線送信機を含む。センサは、チューブの内部に、すなわち内部空間に配置されていてもよく、または、内部空間に接続されたキャビティに配置されていてもよい。たとえば無線送信するようにされた無線送信機が、センサが収集した測定データをチューブの外部に送信してもよい。このようにすると、チューブの材料を通って延びるデータ線を設ける必要をなくすことができる。
【0041】
本発明のある実施形態に従うと、センサはチューブの内部空間の中に配置される。センサは、ケーブルコンジットの内部に配置されることで、ケーブルコンジットの内部の雰囲気に直接コンタクトする。
【0042】
たとえば、センサまたはセンサストリップを(たとえばコンジット製造中に)ケーブルコンジットに予め搭載してもよい。センサストリップは、ケーブルコンジットの一端から他端まで延びている数本(たとえば2~3本)の電気的ワイヤを含み得る。センサストリップ上の規則的な位置に、検知素子を、各素子がストリップの各ワイヤに電気的に接続するように配置してもよい。各検知素子は、検知ストリップの電気的特徴に影響を与える可能性がある。たとえば、受動検知素子は、規則的に測定された湿度に応じて2本のワイヤ間の抵抗を変える場合がある。2本のワイヤ間の総合インピーダンスが全体の湿度を与える場合がある。これに代えて、能動検知素子が設けられてもよく、ワイヤを用いてセンサに応答してもよい。
【0043】
本発明のある実施形態に従うと、センサは、チューブの内部空間と流体を交換するキャビティに配置される。このようなキャビティは、取付具、搭載された装置、T接続等の、チューブに接続されたさらに他の構成要素によって与えられてもよい。
【0044】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットはチューブに装着されたセンサ装置をさらに含み、このセンサ装置はチューブの外側にキャビティを提供する。センサはキャビティの内部に配置することができる。チューブは、内部空間をセンサ装置のキャビティと相互接続するための開口を有していてもよい。
【0045】
センサ装置は、ケーブルコンジットの外側から装着してもよい。センサは、場合によっては、ケーブルコンジットの外側に装着された気密センサ装置の中に配置されてもよい。センサ装置とチューブとの接触エリアに、センサ装置のキャビティとチューブの内部空間とを接続する開口があってもよい。
【0046】
センサ装置は、後から装着されるものとして使用されるように設計されてもよく、このことは、1本以上のケーブルがケーブルコンジットに通された後に(たとえば、ケーブルコンジットの最終的な設置後に)センサ装置を設置できることを意味する。これにより、先験的情報ではなくケーブルコンジットの実際の配置に応じた戦略的な配置が可能になる。
【0047】
本発明のある実施形態に従うと、センサ装置はチューブを囲んでいる。たとえば、センサ装置は、チューブを囲むように装着できるリングの形状の筐体を有していてもよい。
【0048】
本発明のある実施形態に従うと、センサ装置は、チューブの延在方向に直交する方向においてチューブに搭載される少なくとも2つの部分を含む。リング形状の筐体を、これらの部分をチューブの上において接続することによりチューブに搭載してもよい。
【0049】
本発明のある実施形態に従うと、センサ装置は、チューブの延在方向に直交する方向においてチューブに搭載するために可撓性である。たとえば、センサ装置は、弾性バンドに基づくものであってもよく、センサは、チューブに搭載されたバンドの面に設けてもよい。
【0050】
センサ装置は、第1に、たとえば、既にコンジットに設置されている1本以上のケーブルに損傷を与えることなく正しい大きさの開口を作製できる適切な工具を用いて、先ずチューブに孔を開けることにより、チューブに搭載することができる。第2に、センサ装置の筐体を、開口の上部においてチューブに搭載することができる。たとえば、弾性バンドを、このバンドに設けられたセンサと開口とを位置合わせさせた状態で、チューブの周りに巻いてもよい。
【0051】
本発明のある実施形態に従うと、センサ装置は、センサをチューブの外部と電気的に相互接続するための電気的相互接続を提供する。センサをケーブルコンジットの外部から接続する必要がある場合は、ケーブルコンジットの内部まで達する電気的相互接続を設ける必要がある。これらの相互接続は、分離し封止する必要があるであろうが、これはセンサ装置を用いて実現することができる。
【0052】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、チューブの端部に装着された取付具をさらに含み、取付具は、さらに他の取付具に接続されるようにされている。ケーブルコンジットは、取付具と相互接続された2本以上のチューブで構成されていてもよく、これらの取付具はそれぞれのチューブの端部に差し込むことができる。相互に差し込むおよび/またはねじ込むことができる相補的な取付具を設けてもよい。
【0053】
本発明のある実施形態に従うと、センサは取付具の内部に配置される。センサは、取付具に組み込まれてもよく、および/または取付具の内部空間に配置されてもよい。このようにして、取付具をチューブに搭載することにより、センサをケーブルコンジットに設けることができる。
【0054】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、取付具とさらに他の取付具との間の相互接続を封止するための封止リングをさらに含み、封止リングは、センサをチューブの外部と電気的に相互接続するための電気的相互接続を含む。
【0055】
センサの電気的相互接続は、2つの取付具の間の封止リングを通して導くことができる。センサは、ケーブルコンジットの内部において2つの取付具の間の封止リングの中に配置することができる。封止リングを通る電気的相互接続を、電力収集装置、バッテリ、データ記憶装置および/またはデータ送信装置等のさらに他の電子構成要素を装着することができるケーブルコンジットの外側に設けてもよい。
【0056】
このような配置にすると、既存の設計をわずかに調節するだけで(たとえば電気的相互接続が導かれる取付具の隙間等)、後からセンサをケーブルコンジットに装着することができる。また、取付具が別々の2つの部分で構成されている場合および/または開放可能にされている場合にも、後からセンサを装着することができる。
【0057】
本発明のある実施形態に従うと、取付具は、センサが配置されるキャビティを提供する。センサを配置するためのキャビティは、取付具に組み込むことができる。センサおよび任意で他の電子部品は、取付具の内部に設けられた1つ以上のキャビティの中に配置されてもよい。
【0058】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、チューブと相互接続されたT接続をさらに含み、ケーブルはT接続を通して導かれる。T接続は、3本のチューブを相互に接続するようにされた、および/または2本のチューブを相互に接続しかつキャビティを有するさらに他の装置と相互に接続するようにされた構成要素であってもよい。
【0059】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットはセンサ装置をさらに含み、このセンサ装置は、T接続に接続され、チューブの内部空間と流体を交換するセンサのためのキャビティを提供する。T接続は、センサおよび任意でその他の電気的構成要素を配置することができるセンサ装置に至るケーブルコンジットに装着することができる。これにより、ケーブルコンジット全体に干渉することなく、電子装置のために利用できるより大きな体積を、キャビティに与えることができる。
【0060】
本発明のある実施形態に従うと、T接続は、チューブに接続された2つの部分を含み、ケーブルはこれら2つの部分の間に収容される。T接続は、チューブの延在方向に直交する方向においてチューブに搭載することができる。T接続をいくつかの部分に分割できる場合、T接続は、ケーブルを外さなくても後から装着することができる。
【0061】
本発明のある実施形態に従うと、センサ装置は、チューブを介してT接続に接続される。このようにして、センサ装置はチューブからより遠隔の場所に配置することができる。
【0062】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは、チューブの外側に搭載されセンサに電気エネルギを供給するためのエネルギ収集装置をさらに含み、エネルギ収集装置は、電気的相互接続を介してセンサに接続される。たとえば、電気的相互接続は、2つの取付具の間の封止リングにより、または、センサを収容するチューブに設けられたセンサ装置により、与えることができる。
【0063】
本発明のある実施形態に従うと、センサは、電気エネルギをセンサに供給するため、および/または測定値を送信するための、RFID(無線周波数識別)タグを含む。この場合、遠隔からセンサに給電するためおよび/またはセンサからデータを読み出すために、RFリーダー(または、たとえばサービス担当者が身に着けているモバイルリーダー)を使用してもよい。
【0064】
本発明のさらに他の局面は、ケーブルコンジット内の環境条件を適合させる方法に関する。ケーブルコンジットは、先に述べたようにおよび以下で述べるように設計することができる。上記および下記の方法の特徴は、上記および下記のケーブルコンジットの特徴であってもよく、逆であってもよいことが、理解されねばならない。
【0065】
本発明のある実施形態に従うと、方法は、内部空間内の環境条件をセンサを用いて検知するステップと、環境条件の測定値を制御装置に送信するステップと、測定値を制御装置を用いて評価し環境条件を変更する必要があるか否かを判断するステップと、制御装置を用いて制御コマンドを生成しアクチュエータに送信するステップと、アクチュエータを用い制御コマンドに基づいて環境条件を変更するステップとを含む。
【0066】
ケーブルコンジットの経路に沿ってセンサ情報を有することにより、望ましくないいかなる環境条件も防止するために、アルゴリズムを用いてアクチュエータを制御することができる。
【0067】
このような望ましくない環境条件は、ケーブルコンジットの内部および外部の温度および/または湿度に依存する凝縮である場合がある。凝縮は、制御された通風(たとえば気流方向の変更等)、チューブセグメントの部分的な加熱/冷却、能動的な乾燥および/または開放(任意で半透性膜を通したもの)により、減じることができる。
【0068】
制御装置は、ケーブルコンジットが組み込まれた設備に設けられているネットワークシステムに組み込まれていてもよい。先に述べ下で述べるように、制御装置は、ケーブルコンジットの内部において、たとえば、取付具および/またはセンサ装置の内部において実現されてもよい。
【0069】
本発明のある実施形態に従うと、ケーブルコンジットは複数のセンサを含み、制御装置はこれら複数のセンサから測定値を受信し、測定値を評価することにより、ケーブルコンジットの欠陥の位置を判断する。異なる場所にある複数のセンサの測定データを用いて、凝縮現象のような故障および異常状態を検出および/または予測することができる。
【0070】
アクチュエータの能動的な制御と組み合わせることで、故障検出反応速度を高めてもよく、故障の検出感度を高めてもよく、および/または故障の場所をより適切に求めてもよい。
【0071】
ローカルまたはクラウドアルゴリズムを用いることにより、センサが提供する測定データを解析することができ、また、ケーブルコンジットへの水の侵入等の故障の場合、または、起こり得る凝縮の危険等の異常挙動の場合、警告を与えることができる。
【0072】
凝縮の場合、このアルゴリズムは、ケーブルコンジットの熱的モデルに基づいていてもよく、このモデルは、ケーブルコンジット内部の離散的に分布する温度および湿度、環境条件(コンジットの外部の温度および湿度等)を入力とする。このアルゴリズムはさらに、過去の環境条件に基づいて、たとえばモンテカルロシミュレーションを実行することで、潜在的な凝縮条件を予測することができる。
【0073】
本発明の上記およびその他の局面は、以下で説明する実施形態から明らかでありこれらの実施形態の参照により解明されるであろう。
【0074】
以下、本発明の主題を、添付の図面に示されている具体例としての実施形態を参照しながらより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットを概略的に示す図である。
【
図2】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットを概略的に示す図である。
【
図3】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットを概略的に示す図である。
【
図4】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットを概略的に示す図である。
【
図5】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットを概略的に示す図である。
【
図6】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジット内の環境条件を適合させる方法を示す図である。
【
図7】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットの一部の断面図を示す。
【
図8】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットの一部の斜視図を示す。
【
図9】
図8のケーブルコンジットの一部の断面図を示す。
【
図10】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットの一部の斜視図を示す。
【
図12】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットの一部の断面図を示す。
【
図13】本発明のある実施形態に係るケーブルコンジットの一部の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図面で使用される参照符号およびその意味は、参照符号のリストにおいてまとめて列挙されている。図面では原則的に同一の部分には同一の参照符号が付されている。
【0077】
具体例としての実施形態の詳細な説明
図1は、チューブ12と2つの取付具14とを含むケーブルコンジット10を示し、2つの取付具はチューブ12の端部に設けられている。数本のチューブ12を取付具14を介して相互に接続することで、より長いケーブルコンジット10を形成することができる。取付具14は、ケーブルコンジット10を電気キャビネットに接続するために用いることもできる。
【0078】
チューブ12および取付具14は内部空間16を有し、ケーブル18はこの内部空間を通して導かれる。複数のケーブル18、たとえば電力線、電気データ伝送線、光ファイバ線等を内部空間16に収容できることが理解されねばならない。
【0079】
一方の取付具14にセンサ20が設けられ、このセンサは、ケーブル18の内部空間16内の環境条件を検知するようにされている。たとえば、センサ20は、温度センサまたは湿度センサであってもよい。
【0080】
図1に示されるように、センサ20は、制御装置24へのデータ伝送のための無線送信機/受信機22を含み得るものであり、制御装置24も、このような無線送信機/受信機22を有し得る。センサ20からの測定値は、制御装置24に送信することができ、制御装置24は、測定値を評価することができ、かつ、ケーブルコンジット10内の環境条件、たとえば温度、湿度等を求めることができる。
【0081】
図1に示されるように、センサ20への給電は、センサ20をバッテリまたは発電機等の電源28に接続する電力線および/またはワイヤ26によって行うことができる。また、電力線26の少なくとも一部は、ケーブルコンジット10を通して、特にチューブ12および/または取付具14を通して導くことができる。
【0082】
電源28は、ケーブル18に接続されていてもよく、ケーブル18内の電流をセンサ20に直接供給できる電流に変換するようにされていてもよい。
【0083】
図2は、センサ20をチューブ12に直接装着できることを示している。
図2において、センサ20は、センサ20に電気エネルギを供給するための、ソーラーパネル等のエネルギ収集装置30を含む。
【0084】
図2において、センサ20と制御装置24との間のデータ伝送は、データ伝送ワイヤおよび/または線32を介して有線で行ってもよい。線32の少なくとも一部は、ケーブルコンジット10を通して、特にチューブ12および/または取付具14を通して導くことができる。
【0085】
図3は、3つのセンサ20を備えたケーブルコンジット10を示す。さらに、
図3のケーブルコンジット10は、内部空間16内の環境条件を変更するためのアクチュエータ34を含む。たとえば、アクチュエータ34は、通風機、加熱器、冷却器、自動開閉可能なフラップ等である。一般的に、ケーブルコンジット10は、異なる位置にある複数のセンサ20および/または異なる場所にある複数のアクチュエータ34を含み得る。
【0086】
図3において、センサ20のうちの2つは取付具14に組み込まれている。アクチュエータ34は、取付具14のうちの1つに搭載されている。さらに、第3のセンサ20はチューブ12に直接装着されている。
【0087】
図3において、センサ20の各々は、ケーブル18を介して測定値を送信するため、および/または制御装置24にデータを伝送するための電力線送信装置36を含む。
【0088】
また、アクチュエータ34も、ケーブル18を介して制御コマンドを受信するため、および/または制御装置24にデータを伝送するための、このような電力線送信装置36を含み得る。これに代えて、アクチュエータ34は、制御装置24にデータを伝送するための無線送信機/受信機22を含んでいてもよい。
【0089】
図3において、センサ20が組み込まれアクチュエータ34が搭載されている取付具14に、制御装置24も組み込まれている。電力線送信装置36は、制御装置24に組み込まれていてもよい。制御装置24は、センサ20およびアクチュエータ34との間で回線を介してデータ通信を実行することができる。取付具14から離れているセンサ20は、そのデータを、ケーブル18を介して、その他のデータ伝送線を介して、および/または無線で送信することができる。
【0090】
センサ20および/またはアクチュエータ34へのエネルギ供給は、
図1および
図2を参照して述べたように行うことができる。たとえば、アクチュエータ34は、エネルギ収集装置、バッテリ、電源等によって給電することができる。
【0091】
図4は、チューブ12と相互接続されているT接続38を示す。ケーブル18も、T接続38を通して導かれる。センサおよび/またはアクチュエータ装置40、たとえばセンサおよび/またはアクチュエータボックスが、T接続38に搭載されている。この装置40はセンサ20および/またはアクチュエータ34を収容することができる。
【0092】
図5は、アクチュエータ34をチューブ12に直接搭載できることを示している。すべてのセンサ20およびアクチュエータ34は、無線送信機/受信機22を介して制御装置24と通信することができ、制御装置24は、ケーブルコンジット10内の環境条件を、センサ20の測定データから求めることができ、この環境条件を、アクチュエータ34を介して変更することができる。
【0093】
図1~
図5に示されるように、電源、データ伝送の種類および/またはケーブルコンジット10内におけるセンサ20およびアクチュエータ34の場所を、相互に交換してもよくおよび/または組み合わせてもよいことに、注意する必要がある。たとえば、センサ20および/またはアクチュエータ34のうちのいくつかには線26を介して給電し、その他のセンサ20および/またはアクチュエータにはエネルギ収集装置30によって給電することが可能であろう。さらに、センサ20および/またはアクチュエータ34のうちのいくつかが有線でデータ伝送を、その他のセンサ20および/またはアクチュエータ34が無線でデータ伝送を実行すること等も可能である。
【0094】
図6は、たとえば
図1~
図5等に示されるケーブルコンジット10内の環境条件を適合させる方法を示す。
【0095】
ステップS10において、センサ20は、内部空間16内の温度、湿度等の環境条件を検知し、測定データを制御装置24に送信する。制御装置24は、ケーブルコンジットが採用されている設備の制御および/またはネットワークシステムの一部であってもよい。制御装置24は、センサ20および/またはアクチュエータ34にインターネットを介して接続されたおよび/または任意でゲートウェイを介して接続されたサーバであってもよい。
【0096】
ステップS12において、制御装置24は、測定データから、ケーブルコンジット10内の環境条件を求める。
【0097】
環境条件は、ケーブルコンジット10の異なる部分について求めてもよい。
測定データを評価することにより、ケーブルコンジット10の欠陥の場所を判断することもできる。環境条件と所望の環境条件との相違がしきい値を上回っているケーブルコンジット10の部分を欠陥部分と判断することができる。たとえば、温度が高すぎるまたは湿度が高すぎる部分には、熱い空気および/または湯が内部空間16に入ることができる孔がある場合がある。
【0098】
ステップS14において、制御装置24は、環境条件を変更する必要があるか否かを判断する。これは、温度および/または湿度等の環境条件がしきい値よりも高いおよび/または低い場合に起こり得る。
【0099】
制御装置24は、特定の部分において環境条件を変更する必要があるか否かを判断することができ、使用できるアクチュエータ34を決定することができ、制御コマンドをこれらのアクチュエータ34に送信することができる。
【0100】
ステップ16において、制御コマンドを受けた1つ以上のアクチュエータ34は、環境条件を変更する。たとえば、冷却器は、ケーブルコンジット10内の空気を冷却することができ、および/または通風機は、湿度がより低いおよび/または温度がより低い風をケーブルコンジット10内に送ることができる。
【0101】
図4および
図5は、ケーブルコンジット10内の空気の流れを異なる方向にすることができることを示している。流れの方向は、環境条件の所望の変更に応じて選択すればよい。たとえば、冷却器の空気を、ケーブルコンジット10の一端から、空気の温度がより高い端部に送ってもよく、その逆であってもよい。
【0102】
続く
図7~
図13は、ケーブルコンジット10の一部の実施形態、ならびに、如何にしてセンサ20および/またはアクチュエータ34をケーブルコンジット10に組み込むことができるかを、示す。
【0103】
図7は、ケーブルコンジット10を、一体であるおよび/または丸い断面を有するチューブ12とともに示す。その他の種類のチューブ12、すなわち2つ以上の部分で構成されたおよび/またはその他の形状のチューブを使用することもできる。さらに、チューブ12の内部空間16に収容されたケーブル18が概略的に示されている。以下の図面ではケーブル18は省略されている。
【0104】
内部空間16内の環境条件を検知するためのセンサ20がチューブ12内に設けられている。センサ20は、チューブ12の材料に組み込むことができるまたはチューブ12内に置くことができるセンサストリップであってもよい。
【0105】
センサ20は、測定データをチューブ12の外部に送信するための無線送信機/受信機22を含む。チューブ12は、プラスチック製であってもよく、および/または無線信号を通すものであってもよい。
【0106】
図8および
図9は、センサ装置
42がチューブ12に直接搭載されている他の実施形態を示す。センサ装置42は、チューブを囲んでおり、および/またはチューブ12の延在方向に直交する方向においてチューブ12に搭載されている少なくとも2つの部分44を含み得る。言い換えると、センサ装置42は、ケーブル18がチューブ12内に設置された後におよび/または取付具14がチューブ12に装着された後に、チューブ12に搭載されてもよい。
【0107】
また、センサ装置42は可撓性であってもよい。たとえば、センサ装置42は、ゴム製であってもよく、および/またはチューブ12の上から搭載するためのスリットを有していてもよい。
【0108】
センサ装置42は、チューブ12の内部空間16の外部に配置されチューブ12の内部空間16と流体を交換するキャビティ46を有する。チューブ12は、内部空間16をセンサ装置42のキャビティ46と相互接続するための開口48を有する。このような開口48は、ケーブル18をチューブ12内に設置した後に、センサ装置42をチューブ12上に後から装着するために作られてもよい。
【0109】
センサ20はキャビティ46の内側に位置する。センサ装置42はさらに、センサ20をチューブ12の外部と電気的に相互接続するための電気的相互接続50を提供することができる。電気的相互接続50は、数個以上の導体を含み得るものであり、これらの導体は、キャビティ46からセンサ装置42の外部まで延在する。たとえば、電気的相互接続50は、センサ装置42の筐体の内部に配置されてもよい。
【0110】
図10および
図11は、センサ20が取付具14に組み込まれているまたは少なくとも取付具14の内部に配置されている他の実施形態を示す。取付具14は、チューブ12の端部に装着され、他の取付具52に接続される。取付具14、52は、互いに差し込むおよび/またはねじ込むことができ、および/または、取付具14、52の間の相互接続を封止するための封止リング54をこれらの間に設けてもよい。また、取付具14は、他の取付具52をねじ込むねじ山58を有していてもよい。
【0111】
センサ20は、取付具14の内部に配置され、チューブ12の外部のエネルギ収集装置30等の電気的構成要素に封止リング54を介して接続されている。封止リング54は、封止リング54の材料に設けられた電線またはワイヤであってもよい電気的相互接続50を含む。
【0112】
ねじ山58は、電気的相互接続50を導くための開口または隙間を有していてもよい。
また、センサ20は、チューブ12の内部空間16の中に配置されチューブ12の外部のエネルギ収集装置30等の構成要素に電気的相互接続50を介して接続されてもよい。
【0113】
図12は、センサおよび/またはアクチュエータ装置40がT接続38を介して接続されているケーブルコンジット10を示す。T接続38は、チューブ12と相互接続され、ケーブル18はT接続38を通して導かれる。T接続38は2つの部分60を含み得るものであり、これらの2つの部分は、ケーブル18がこれらの間に収容されるように、および/またはケーブル18を取り外さずにT接続38を後からチューブ12に装着できるように、チューブ12に接続される。
【0114】
センサおよび/またはアクチュエータ装置40は、チューブ62を介してT接続38に接続され、チューブ12の内部空間16と流体を交換するキャビティ46を提供する。キャビティの中にセンサ20および/またはアクチュエータ34を設けることができる。
【0115】
図13は、電気キャビネット等の他の装置の筐体64に取付具14を介して接続されるチューブ12を含むケーブルコンジット10を示す。取付具14の各々は、センサ20を配置できるキャビティ46を提供する。ケーブルコンジット10にセンサ20を後から装着するために、センサ20がない取付具を、センサが組み込まれた取付具14と置き換えてもよい。
【0116】
図1~
図5に関して述べた電源およびデータ伝送の種類は
図6~
図13に示される実施形態にも適用できることに注意する必要がある。
【0117】
本発明を図面および先の記載において詳細に例示し説明してきたが、このような例示および説明は例証または具体例を示すものであって限定ではないと解釈されねばならず、本発明は開示されている実施形態に限定されない。開示されている実施形態のその他の変形は当業者による理解および実施が可能であり、クレームされている発明は、図面、本開示、および添付の請求項の検討を通して実施される。請求項において、「comprising(備える/含む)」という単語はその他の要素またはステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は複数を除外するものではない。1つのプロセッサまたはコントローラまたはその他のユニットは、請求項に記載のいくつかのアイテムの機能を果たし得るものである。単に特定の方策が互いに異なる従属請求項に記載されているからといって、これらの方策を組み合わせて有利に使用できないことを示す訳ではない。請求項におけるいかなる参照符号も範囲を限定すると解釈されてはならない。
【符号の説明】
【0118】
参照符号のリスト
10 ケーブルコンジット
12 チューブ
14 取付具
16 内部空間
18 ケーブル
20 センサ
22 無線送信機/受信機
24 制御装置
26 電力線
28 電源
30 エネルギ収集装置
32 データ伝送線
34 アクチュエータ
36 電力線送信装置
38 T接続
40 センサおよび/またはアクチュエータ装置
42 センサ装置
44 センサ装置の部分
46 キャビティ
48 開口
50 電気的相互接続
52 他の取付具
54 封止リング
58 ねじ山
60 T接続の部分
62 チューブ
64 筐体