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特許7407175分離箔の自動除去機能を備えたシートハンドリング装置およびその方法
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  • 特許-分離箔の自動除去機能を備えたシートハンドリング装置およびその方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】分離箔の自動除去機能を備えたシートハンドリング装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 41/00 20060101AFI20231221BHJP
   B65H 5/08 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B65H41/00 B
B65H5/08 B
B65H5/08 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021513818
(86)(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 IB2019057633
(87)【国際公開番号】W WO2020053769
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】102018000008519
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519357660
【氏名又は名称】アステス4 エスエイ
【氏名又は名称原語表記】ASTES4 SA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ザッファローニ
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-062750(JP,U)
【文献】国際公開第2008/139409(WO,A2)
【文献】特開平07-010301(JP,A)
【文献】米国特許第05234207(US,A)
【文献】特開2011-042418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 41/00
B65H 5/08
B65H 3/00
B65H 29/54
B65H 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断センターに配送されるシートのパックからシートをピックアップし、前記シート間の分離箔(C)を除去するシートハンドリング装置であって、
上部グリッピングヘッド(7)を備えた、最上部のシート(L)の持ち上げおよび除去手段と、前記シートのパックの上方に気流を発生させる気流発生手段(8、9、10)とを含み、
前記最上部のシート(L)が前記シートのパックの上方約70mmよりも低い高さに維持される静止時間および静止高さを規定する、前記持ち上げおよび除去手段の制御手段とをさらに含むことを特徴とし、
前記気流発生手段(8、9、10)は、少なくとも前記静止時間の間、動作可能であり、
前記気流発生手段は、前記シートのパックのより小さい辺の一方に近接して配置されたスロット形状のマウスピース(8a)を備えた収束管(8)を備えた吸引機を備える、シートハンドリング装置。
【請求項2】
少なくとも前記スロット形状のマウスピース(8a)は、高さが調節可能である、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記気流発生手段は、前記スロット形状のマウスピース(8a)が配置される辺とは反対側の前記シートパックのより小さい辺に配置された送風アセンブリ(9)を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記送風アセンブリ(9)は、姿勢を調整可能な支持ブラケット上に取り付けられた複数の送風ノズルを備える、請求項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1組の折り畳み可能な境界プレート(11、12)が、前記シートのパックの長辺に隣接して設けられ、少なくとも前記静止時間中に前記シートのパックよりも高い高さまで配置される、請求項1~のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記境界プレート(11、12)は、前記静止高さに少なくとも等しい高さを有し、貫通孔の配列を備える、請求項に記載の装置。
【請求項7】
切断センターに配送されるシートのパックからシートをピックアップし、前記シート間の分離箔(C)を除去するシートハンドリング装置であって、
上部グリッピングヘッド(7)を備えた、最上部のシート(L)の持ち上げおよび除去手段と、
前記シートのパックの上方に気流を発生させる気流発生手段(8、9、10)とを含み、
前記シートのパックの第1の辺に近接して配置されるスロット形状のマウスピース(8a)を有する吸引機(10)の少なくとも1つの収束管(8)および、
前記シートのパックの第2の辺に隣接し、前記シートのパックの高さよりも高い高さで延在する、少なくとも1組の境界プレート(8、9、10)をさらに含むことを特徴とする、
シートハンドリング装置。
【請求項8】
前記最上部のシート(L)が前記シートのパックの上方約70mmよりも低い高さに維持される静止時間および静止高さを規定する、前記持ち上げおよび除去手段の制御手段も備え、
前記気流発生手段(8、9、10)は、少なくとも前記静止時間の間、動作可能である、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記1組の境界プレートは、上下方向に移動可能に取り付けられる、請求項に記載の装置。
【請求項10】
切断センターに配送されるシートのパックからシートをピックアップし、前記シート間の分離箔(C)を除去し、
前記シートのパックの最上部のシート(L)はグリッピングヘッド(7)によって把持され、持ち上げられ、
スロット形状のマウスピース(8a)を有する吸引機(10)の少なくとも1つの収束管(8)は前記シートのパックの第1の辺に近接して配置され、
前記シートのパックの近くに、前記シートのパックの上方に気流を発生させる気流発生手段(8、9、10)が配置され、
気流発生手段(8、9、10)の吸引室を画定するために、前記最上部のシート(L)は、前記シートのパック上方の静止高さまで持ち上げられ、この静止高さに静止時間保持され、
前記シートのパックと、前記最上部のシート(L1)との間に前記気流を発生させ、前記シートのパックの前記第1の辺の方へ前記分離箔を引きずることを特徴とする、方法。
【請求項11】
前記グリッピングヘッド(7)は、少なくとも2つであり、前記シートパックの第2の辺に沿って間隔をあけて配置され、前記最上部シート(L)を時間または高さが異なるように持ち上げる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
1組の境界プレート(11、12)が、前記シートのパックの第2の辺に隣接して配置され、少なくとも前記静止時間中に、前記シートのパックよりも高い高さで延在する、請求項10または11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切断センターにおけるシートハンドリングの分野に関し、特に、金属シートの間に挿入された紙箔の自動除去機能を備えた金属シートピックアップ引き出し装置および関連する引き出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、金属プレートから様々な切断装置(レーザービーム切断、酸素ランス切断、ウォータージェット切断、プラズマ切断など)によって単一の成型片が得られる金属シート切断センターにおいては、金属シートを切断センターに搬送するために保管庫からそれらを引き出す必要がある。
【0003】
金属シートは典型的には、薄肉(例えば、0.5から0.25mm)の、大きな長方形のスラブ(例えば、1500×3000mm)であり、例えば同じサイズや厚みといった均一性の基準に従って、それぞれの引き出し保管庫にスタックされる。
【0004】
従来技術において、これらの金属シートを扱うために設計され、特に保管庫からの引き出し、切断機への装填、および個々の破片やスクラップの取出しを適切に規則正しいやり方でできるように設計された装置は既に幾つかある。国際公開第2008/139409号には、これらの特に効果的な装置の一つが開示されている。
【0005】
シートのスタックの一つのシートともう一方のシートとの間に使い捨ての分離箔(典型的には紙製)を配置することは、通常行われることである。箔の目的はシートの表面上の擦過傷を防ぐため(特にシートが研磨されたステンレスシートの場合)、および/または、一つのプレートともう一つのプレートとを引き離しを促進するためである。
【0006】
後者の目的に関して、箔が存在することにより、シート間の「結合」現象を防ぎ、それゆえ、スタックのパックの最上部にある金属シートが把持されると、金属シートは容易かつ即座にその下のシートから引き離される。
【0007】
1つのシートともう一方のシートとの間に紙箔が存在すると、連続する引き出しサイクルの間で、そのシート自身の除去および分離の操作を実行する必要が生じる。この操作は、切断センターへのシートの自動持ち上げおよび搬送システムが最初のシートを引き出した直後であって、このシステムが二番目のシートを持ち上げようとする前に介入しなければならない。なお、この点に関して、第1のシートの引き出しと第2のシートの引き出しとの間の時間は、多くの場合、数十秒である。
【0008】
紙箔が存在すると、引き出しシステムのグリッピングハンドラーの動作が無効になり得るため、紙箔の除去は必須である。
【0009】
一般に、この紙箔除去操作は、手作業により実行される。すなわち、作業者は、第1のシートが持ち上げられた直後に介入し、この持ち上げられたシートの下であって、かつ他のシートのスタックの上に腕を延ばし、紙箔の角(または把持を容易にする他の部分)を掴み、紙箔を迅速に除去して廃棄場所に捨てる。このように、このシステムの不都合な点は直ちに明らかであり、それはすなわち、作業者がさまざまなタイプの損傷を受ける深刻な危険性であり、安全性に関する専門家であれば容易に気付くことができる。
【0010】
この工程を自動化しようとする試みは、これまでのところ様々な理由、特に紙箔の幅や、潤滑油(金属シート保護用)の存在が箔を下のシートに強力に接着する傾向があるという観点から、無効であることが分かっている。
【0011】
プレーンスラブのグリッピング装置の分野ではシートスタックのシートの分離を助けるためにエアージェットを使用することが既に提案されている。いくつかの例は、ドイツ特許第3312459号明細書、ドイツ特許第4339839号明細書、米国特許第5234207号明細書、米国特許第6345818号明細書に記載されている。しかしながら、これらのシステムでは、2枚のシートを互いに分離するのに役立つと考えられるが、圧縮エアブローが局所的に作用し、縁部の周辺の領域を持ち上げるので、箔をスタックの最上部から引き離すのには適していない。
【発明の概要】
【0012】
したがって、本発明の課題は、シートの間に挿入されている紙箔の除去作業中の手作業の介入に代わることができる装置を提供することである。
【0013】
このためには、シート間に挿入される箔を効果的、迅速かつ確実に除去し、シート引き出し作業のサイクル時間への影響を最小限に抑えることができる装置を提供することが望まれる。
【0014】
この技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の独立請求項に記載された本質的特徴を備える装置および方法によって達成される。従属請求項は、本発明の好ましい特徴を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、本発明の更なる特徴および利点を、単なる非限定的な例示として添付図面において説明される、以下の発明を実施するための形態において更に明らかになる。
図1】本発明による箔除去システムを装備した、切断センターにおけるプレートの引き出し装置の概略斜視図である。
図2図1の装置を部分的に切り取った側面図である。図2A及び図2Bは、吸引機の収束部材の好ましい実施形態の、それぞれ正面および背面の斜視図である。
図3図1の装置を部分的に切り取った上面図である。
図4】紙箔を除去する工程の初期段階における図2の一部の拡大図である。
図5図2の右側に位置する送風アセンブリの詳細の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1および図2には、複合的な箔ハンドリングシステムが示されており、そのうち本発明の目的のための関心部分のみを詳細に説明する。
【0017】
より正確には、図1には、2つの側面フレーム1、2を備えた搬送貯蔵システムが示されており、側面フレームには対応する制御された移動レール1aおよび2aによって、3つの階層の移転可能な棚または引出し3、4および5が移動可能に取り付けられている。貯蔵庫の下層フロア5は、1つずつピックアップされ、切断センターに搬送されるのを待つ未使用の金属シート(図示せず)のパックを収納することを意図している。
【0018】
貯蔵庫の上には、シートのピックアップおよび搬送手段が移動可能に取り付けられており、典型的には、これらのピックアップ手段は図2に概略的に示されるように、スタックの最上部の金属シートをピックアップし、切断センターへ搬送するのに適したグリッピングヘッド7(図5においてよりよく見える)が取り付けられた支持台車(図示せず)を本質的に含む。
【0019】
好ましくは、支持台車およびグリッピングヘッドの構成は、国際公開第2008/139409号に詳細が記載されているようなものであり、その内容は、本明細書において完全に参照されるので、他の説明を追加する必要はないと考えられる。
【0020】
特に、本発明のピックアップ方法の好ましい変形例によれば、少なくとも2つのグリッピングヘッド7が、片側に沿って、好ましくは金属プレートの長手方向に沿って、すなわち図1および図2の描写では保管庫の幅方向に、間隔を空けて設けられる。
【0021】
本発明によれば、シートのスタックの2つの辺のうちの1つ(例えば、図2の例において左側の小さい方)に近接して、収束吸引管8が配置され(図4においてより良好に見られる)、吸引機10、例えば容量吸引インペラを備えた機械に接続される。
【0022】
特に、吸引収束管8(図2および4)は、シートのスタックが収容される保管庫に面して、スロット形状のマウスピース8aに向かってわずかに傾斜のついた辺の形状を有する。平面図では、管8は、典型的には三角形の形状を有し、一辺がマウスピース8aと一致し、収束部の端部の反対側の頂点は、コネクタ8bを介して吸引機械10に接続されている。
【0023】
スロット形状のマウスピース8aは、シートの片側の大きさのオーダーの幅、好ましくはシートの幅を表す小さい方の辺の幅、および約60mmの高さを有する。
【0024】
好ましい実施形態によれば、収束管8は、スロット状マウスピース8aの位置をスタックの最上部に配置された上側シートの高さに適合できるように、スロット状マウスピース8aの高さh(図2および4を参照)を上げ/下げできるように取り付けられる。高さの変動は、収束管8全体を垂直方向に移動させることによって、またはアクチュエータ8dによって、マウスピース8aから適当な距離を置いて配置された水平な接合ヒンジ8cの周りに吸引管を回転させることによって行われる。
【0025】
さらに好ましい変形例(図2Aおよび図2B参照)によれば、吸引マウスピース8aの幅は、スロットル手段8bにより、所望の程度まで減少させることができる。例えば手動のこれらのスロットル手段8bは、シートの辺の延長に適応させるため有用であり、また設計によって提供される幅広のものよりも狭い金属シート(例えば1500mmと比較して1250mm)で動作する場合に、動作の効率を高めるために、マウスピース8aの幅の延長を減少させるために有用である。
【0026】
さらに、好都合なことに、収束管8の反対側には、金属シートのスタックに向かって圧縮空気をブローするように適合された、送風アセンブリ9が設けられている(図5を参照)。
【0027】
送風アセンブリ9は、複数のノズルを備え、ノズルからは圧縮空気が噴射され(例えば、5~6barの、送風とシートとの間の距離に応じて変動できる流量で)、圧縮空気は、吸引管8に向けられ均一な気流を確保するのに十分であり、シートのスタックの上面に隣接して流れる。
【0028】
好ましくは、構造のさらなる単純化およびより良好な機能性の理由から、これらのノズルは、トンネル室の幅にわたって分配されるのではなく、シートのスタックに対してマウスピース8aの反対側のシート側のおおよそ中央に配置された支持ブラケット上に集められることが好ましい。しかしながら、ノズルは、その向きを調整可能に配置することができ、特に高さ方向にも横方向にも調整可能である。場合により、ノズルの支持ブラケットは、例えば、移動可能なブラケットをフレーム2に沿って取り付けることによって、または支持平面5の可動性を利用することによって、シートのスタックを支持する平面5に対して移動可能に取り付けることができる。
【0029】
本発明の望ましい特徴によれば、平行境界プレート11と12がまた、シートのパックの二つの平行な辺(図示の例では長辺)に隣接して設けられ、これは、収束吸引管8に向かって流れる気流の横方向の区切りの機能を有する。したがって、境界プレート11、12は互いに平行に、かつ、吸引管8のマウスピース8aに隣接する辺ではない方の辺に隣接して配置される。
【0030】
好ましくは、境界プレート11および12は、折りたたむことができ、すなわち、箔除去装置の動作中は、シートの横に直立した状態で保持され、(図に示されているように)垂直方向の区切り壁を構成する。一方、箔除去装置が動作していない状態では、境界プレート11および12は、例えば、水平軸の周りで回転させて水平面上に横たえたり、または平面5の高さより下に垂直に下ろすことによって、折りたたむことができる。
【0031】
原則として、これらの境界プレート11、12は連続的 であり、金属シートの支持平面5と同じ長さとすることができる。しかしながら、これらの目的は、スタックの最後のシート上の吸引室を画定し、区切る事なので、過剰な陰圧(後に示される欠点を伴う)が生じるのを回避することも望ましく、この目的のために、境界プレート11、12は、それらを部分的に空気透過性にする(図5に明確に示されるような)貫通孔の配列を備えることが好ましい。
【0032】
最後に、本発明の付加的な特徴によれば、複数の細断ナイフまたはブレード(図示せず)を吸引機10内に設置することが考えられる。これは、収束管8を通して吸引される材料を細断し、次いで、細断された材料を、常に加圧空気を用いて、吸引位置に対して10メートルを超える距離にある廃棄領域に向けて容易に搬送することを可能にする。
【0033】
上述の構成は、シートのスタックの最上部に非常に効果的な吸引領域を作り出すことを可能にし、これは、分離紙箔の持ち上げ効果と、その後に吸引機10に向かう引きずりを生じさせる。記載された構造は、単独の操作方法と共に、以下に説明されるように、区切られた吸引室を形成することによって、大きな表面に対してさえ、吸引効果を特に効果的にすることを可能にする。
【0034】
動作中、グリッピングヘッド7は、シートのスタックの上方に運ばれ、スタックの上側の金属シートLを把持する(吸着カップまたは磁気ヘッドのいずれかを用いて)まで下降する。次に、ヘッド7を持ち上げて、上側のシートLを持ち上げ、シート下部に残っているか、場合によっては、上側のシートの下に少なくとも一部が付いている、典型的には紙箔(図4のCに略記されている)である分離箔を解放し、落下させる。
【0035】
この時点で、シートのパックに対して例えば数センチメートルだけ持ち上げられた上側シートLは、横方向境界プレート11、12と共に、(吸引管8および送風アセンブリ9の動作パラメータに基づいて上側シートの高さによって画定される)適当な容積の吸引室を画定する。
【0036】
この工程では、吸引機10および送風アセンブリ9を作動させて、吸引機10に向かう空気の流れと吸引室内の吸引効果とを生み出し、これにより紙箔Cをプレートのスタックから引き出し、除去することに成功し、収束管8内に吸い込まれた箔は、それから吸引機10の下流側で処分される。
【0037】
吸引室内に形成された陰圧は、利用可能なパラメータ(吸引機10のパワー、送風アセンブリ9の効率、スタックに対する上側シートの高さ、横方向境界プレート11、12の大きさおよび透過性)を決定することによって、上側シートLをグリッピングヘッド7から最終的に引き離すことになる所定の閾値を超えないように調整する。
【0038】
したがって、シートのパックの上側のシートLの高さおよび他の操作コンポーネントの適切な調節の制御手段を提供することが好ましい。
【0039】
シートのスタックが減少するにつれて、管8のスロット状のマウスピース8aも下降し、マウスピース8aは、常に分離箔Cを除去するのに有効な高さに導く。
【0040】
好ましい動作モードによれば、シートの軸線に沿って距離を置いて配置されたグリッピングヘッド7は、異なる時間または異なる高さでそれぞれの把持ポイントにおいて金属プレートを持ち上げる。例えば、送風アセンブリ9に最も近いヘッドエッジ7(グリッピングヘッド7の)を最初に持ち上げて、平面でなく、吸引マウスピース8aの領域においてシートのパックに対してある曲率を有して収束するシートを配置するようにする。同時に、隣接するシートエッジが関連するグリッピングヘッド7によって持ち上げられると直ちに送風アセンブリ9が起動されるので、過度の陰圧に起因する欠点なしに、シートのパックから紙箔をより良好に剥離しやすい局所的な気流が発生する。従って、吸引室も収束形状をとり、紙箔Cの急速除去を容易にし、同時に、最上部のシートLの持ち上げ段階のデッドタイムとなる時間を有効利用する。
【0041】
要約すると、金属シートをピックアップし、分離箔を除去する全体的なプロセスは、以下の通りである。
【0042】
第1工程では、第1のシートL、すなわちシートパックの最上部のシートがグリッピングヘッド7によって把持され、下にあるシートから少し離間した高さまで持ち上げられ、これによって、トンネル室が形成され、場合によっては、2つのグリッピングヘッドが区別された作用(時間または高さ)を及ぼす場合、上側シートが収束した形状となるトンネル室となることがある。同時に、吸引手段8および10、および/または送風手段9が起動され、概して、前記トンネル室からくず入れに向かう分離箔の吸引および除去気流を生成することができる。
【0043】
本発明の方法によれば、有利には、紙箔除去のための気流発生手段は、第1のシートLが、下にあるシートから少し離れた位置に到達した後にのみ作動するように、持ち上げヘッドと協働する。
【0044】
より正確には、トンネル室を通る気流の発生手段の起動は、第1のシートLが、その下にあるシートのスタックの最上部におけるその開始位置に対して所望の高さに達したときに、許可出力(consent output)によって引き起こされる。あるいは、気流発生手段は、グリッピングヘッドが最上部のシートLを持ち上げ始める前に起動される。
【0045】
好ましくは、最上部のシートLは、その下にあるシートから約30~70mmの静止高さまで持ち上げられ、好ましくは約50mmで以上70mm未満まで持ち上げられ、この位置に1秒間から6秒間の間の可変静止時間保持されるのが好ましく、好ましくは3秒間保持され、この間に、分離箔の吸引段階が行われる。
【0046】
好ましくは、紙箔Cの剥離および除去を容易にするために、吸引機10の前に送風アセンブリ9を起動させる。
【0047】
吸引トンネルを画定し、範囲を限定するための境界プレートの存在は、厳密には必要ではないが、本発明による装置の好ましい態様を構成する。
【0048】
本発明による装置の動作をより良く理解するために、紙箔の吸引および除去のサイクルは、以下の段階を詳細に提供する:
【0049】
a.サイクルのはじめに、グリッピングヘッド7が、第1のシートLと呼ばれる、シートのパックの最も高い位置にあるシートの上方に配置される;
【0050】
b.ワークアセンブリ上に存在するレーザーフォトセルが、最上部のシートLの高さhを読み取り、相対的位置信号を出す;
【0051】
c.高さ信号hは最上部のシートLの高さ情報となり、グリッピングヘッド7を正しく位置づけ、場合によっては吸引管8のマウスピース8aおよび送風アセンブリ9の高さを調整するために使用される;
【0052】
d.次いで、除去システムが起動され、一方では、吸引機10を起動させ、この吸引機は、管8(紙箔Cの近くに真空を生成する)を通って吸引される気流を生成し、他方では、好ましくは、管8に対して反対側に配置された送風アセンブリ9においてエアブローを始動させる;
【0053】
e.同時に、グリッピングヘッド7のグリッピング装置(例えば、吸引カップの真空ポンプ)が起動し、これは、第1のシートLを引き付けながら持ち上げられる;
【0054】
f.最上部のシートLは、シートと同じ大きさの、実質的に空のトンネル室が形成されるように、静置高さまで、ほんの少しだけ持ち上げられる;
【0055】
g.このトンネル室では、紙箔Cは実質的に自由であり、紙箔Cは、その下にあるシート上に静止したままであっても、第1のシートLの下に部分的に付着したままであってもよく、いずれにせよ、トンネル室を通過する気流は、収束管8による吸引と送風アセンブリ9のブローとの同時作用のために、2枚のシートの間で「自由」に移動できるようになった紙箔Cを容易に引きずり、したがって、トンネル室から容易に除去される;
【0056】
h.紙箔Cが除去されると、グリッピングヘッド7は、搬送高さにおいて、第1のシートLを最終的に持ち上げるために再度起動させることができ、次に、第1のシートLを切断機に搬送することができ、同時に、下にあるシート(スタックの最上部のシートとなるもの)は、紙箔Cから解放され、次に続く作業サイクルで引き出される準備が整う。
【0057】
上記の説明から理解されるように、本発明の装置は、冒頭に述べた目的を完全に達成する。実際に、顕著なデッドタイムを伴うことなく、また、操作者を怪我の危険にさらすことなく、シート間の分離箔を引き出し、迅速かつ確実に除去することが可能である。構成部品、その形状および配置の最適化、ならびにグリッピングヘッドの相乗的使用により、非常に効果的な吸引室/トンネルが一時的に生成される。
【0058】
本発明は、しかしながら、そのいくつかの例示的な実施形態のみからなる、上記に例示された特定の配置に限定されると考えられるべきではなく、全て当業者がなし得る範囲内で、以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明自体の範囲から逸脱することなく、異なる変形が可能であることを理解されたい。
【0059】
例えば、本明細書では常に金属シートについて言及したが、提案された解決策は、プラスチックまたは他の材料で作られたシートのような他のタイプの平面のシートにも用いることができることを排除しない。
図1
図2
図2A
図2B
図3
図4
図5