IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カストロール リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-水性金属加工流体およびその使用方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】水性金属加工流体およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C10M 173/02 20060101AFI20231221BHJP
   C10M 145/34 20060101ALN20231221BHJP
   C10M 129/68 20060101ALN20231221BHJP
   C10M 129/26 20060101ALN20231221BHJP
   C10M 133/04 20060101ALN20231221BHJP
   C10M 133/44 20060101ALN20231221BHJP
   C10M 137/04 20060101ALN20231221BHJP
   C10N 40/24 20060101ALN20231221BHJP
   C10N 20/04 20060101ALN20231221BHJP
   C10N 20/02 20060101ALN20231221BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20231221BHJP
【FI】
C10M173/02
C10M145/34
C10M129/68
C10M129/26
C10M133/04
C10M133/44
C10M137/04
C10N40:24 Z
C10N20:04
C10N20:02
C10N30:06
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021530061
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2019083755
(87)【国際公開番号】W WO2020115177
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-12-03
(31)【優先権主張番号】1819834.1
(32)【優先日】2018-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501354624
【氏名又は名称】カストロール リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】ハドソン,ロバート,ポウル
【審査官】中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-189393(JP,A)
【文献】米国特許第04151099(US,A)
【文献】特開2015-147230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M101/00-177/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性金属加工流体組成物であって、
各々40℃で少なくとも5000cStの動粘度を有し、20℃~80℃の温度範囲内に曇り点を有さず、0.5wt%~15wt%の範囲の総量で存在する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーであって、前記1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドの2つまたはそれ以上のコポリマーであり、ここで、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシドサブユニットが、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々の質量の少なくとも98%を構成する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、
15wt%までの量の1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせと、
少なくとも70wt%の量で存在する水とを含み、
ここで、前記組成物は、40℃でcSt~10cStの範囲の動粘度を有し、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーが、水性金属加工流体の水相に溶解される水性金属加工流体組成物。
【請求項2】
組成物が単相の組成物である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
40℃でcSt~cStの範囲の動粘度を有する請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、40℃で10000cSt~25000cStの範囲の動粘度を有する請求項1~3のいずれか項に記載の組成物。
【請求項5】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、200~800の範囲の粘度指数を有する請求項1~4のいずれか項に記載の組成物。
【請求項6】
水溶性ポリマーの各々が、100℃で20000cSt以下の動粘度を有する請求項1~5のいずれか項に記載の組成物。
【請求項7】
水溶性ポリマーの各々が、100℃で1000~10000cStの範囲の動粘度を有する請求項1~6のいずれか項に記載の組成物。
【請求項8】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、0℃~100℃の温度範囲内に曇り点を有さない請求項1~7のいずれか項に記載の組成物。
【請求項9】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドの2つまたはそれ以上のコポリマーであり、ここで、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシドサブユニットが、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々の質量の少なくとも99%を構成する請求項1~8のいずれか項に記載の組成物。
【請求項10】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーである請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの比率が、重量で25:75~75:25の範囲である請求項9または請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、ランダムコポリマーである請求項9~11のいずれか項に記載の組成物。
【請求項13】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーが、組成物の総重量に基づいて、0.5wt%~5wt%の総量で組成物中に存在する請求項1~12のいずれか項に記載の組成物。
【請求項14】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、800Da~100kDaのMwを有する請求項1~13のいずれか項に記載の組成物。
【請求項15】
水が少なくとも85%の量で組成物中に存在する請求項1~14のいずれか項に記載の組成物。
【請求項16】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、
0.1wt%~1wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上のカルボン酸と、0.1wt%~2wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上のアミンを含む腐食防止剤化合物と、
0.01wt%~0.2wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上の黄色金属防止剤と
任意に、0.25wt%までの量の1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤と、および
任意に、0.05wt%~0.25wt%の範囲の量の殺生物剤と
を含む請求項1~15のいずれか項に記載の組成物。
【請求項17】
1つまたはそれ以上の黄色金属防止剤がトリアゾールを含む請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤がリン酸エステルを含む請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
鉱油およびシリコーン油を含まない請求項1~18のいずれか項に記載の組成物。
【請求項20】
金属加工流体濃縮物であって、
各々40℃で少なくとも5000cStの動粘度を有し、20℃~80℃の温度範囲内で曇り点を有さず、25wt%~70wt%の範囲の量で存在する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーであって、前記1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドの2つまたはそれ以上のコポリマーであり、ここで、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシドサブユニットが、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々の質量の少なくとも98%を構成する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、
任意に、40wt%までの総量で前記濃縮物中に存在する、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステルおよび殺生物剤と、
少なくとも8wt%の量で存在する水とを含み、
ここで、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー、存在する場合には任意の添加剤、および水が互いに溶解して、単一の水相を形成する金属加工流体濃縮物。
【請求項21】
金属を冷間加工する方法であって、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を請求項1~19のいずれか項に記載の金属加工流体組成物と接触させること、および
金属加工流体組成物と接触する1つまたはそれ以上の加工ツールで、金属物の表面を所望の形状に形成すること
を含む金属を冷間加工する方法。
【請求項22】
0~60℃の範囲の温度で形成が実施される請求項21に記載の方法。
【請求項23】
間加工が冷間圧延であり、1つまたはそれ以上の加工ツールが1つまたはそれ以上の加工圧延である請求項21または請求項22に記載の方法。
【請求項24】
金属を冷間加工する方法であって、
請求項1~19のいずれか1項に記載の金属加工流体組成物の第1の部分を得ることと、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を金属加工流体組成物の第1の部分と接触させ、第1の部分と接触する第1の金属の表面を所望の形状に形成して、使用済みの第1の部分を生成することと、
使用済みの第1の部分を、請求項20の濃縮物で処理することと、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を、処理された第1の部分と接触させることと、および
処理された第1の部分と接触する第2の金属物の表面を所望の形状に形成すること
とを含む金属を冷間加工する方法。
【請求項25】
使用済みの第1の部分の粘度を測定することをさらに含み、ここで、使用済みの第1の部分の測定された粘度に基づいて、使用済みの第1の部分の処理は、40℃で1cStおよび20cStの範囲内の動粘度の処理された前記第1の部分を提供するのに十分な量の濃縮物を用いる請求項24に記載の方法。
【請求項26】
金属を冷間加工する方法であって、
請求項20に記載の濃縮物の量を水性流体に溶解して、請求項1~19のいずれか項に記載の金属加工流体組成物を得ることを含み、
ここで、濃縮物の量は、40℃で1cSt~20cStの範囲の動粘度を有する金属加工流体組成物を提供するのに十分な量であり、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を金属加工流体組成物と接触させることと、および
金属物の表面を、金属加工流体組成物と接触する加工ツールで所望の形状に形成すること
とを含む金属を冷間加工する方法。
【請求項27】
水性流体が水である請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に金属加工流体に関する。本開示は、より詳細には、高粘度ポリマーを含み、金属冷間圧延作業に使用することができる金属加工流体に関する。
【背景技術】
【0002】
金属加工流体は、金属加工産業内で多くの用途を見出すが、典型的には、破壊的な金属加工(すなわち、例えばミリングや研磨など、材料がチップまたは他の粒子の形態で、ワークピースから実質的に除去される用途)、および変形金属加工(すなわち、例えば圧延など、材料が、ワークピースから実質的に除去されない用途)において使用される。金属加工プロセスでは、潤滑や熱制御のために、例えばツールとワークピースの間の表面に金属加工流体が使用されることが多い。
【0003】
金属加工流体の使用は、鋼の冷間圧延のような冷間圧延作業において特に重要である。金属加工流体は、例えば、圧延力の低減、および/または圧延摩耗の低減の目的で使用される。従来、冷間圧延用の金属加工流体は、ニート油または水中油型エマルジョンに基づいていた。どちらにも欠点がある。例えば、水中油型エマルジョンは、従来、濃度およびけん化価に依存し、トランプ油浸入(不正汚染)によるけん化価可能量の希釈度を評価していた。エマルジョン変動を回避するために、水中油型エマルジョンは、典型的には、エマルジョンの安定性および粒子サイズを制御する必要があり、大部分は、所望の特性を付与するために、界面活性剤技術に依存する。これらのシステムは、緊密になり、十分な油を放出しないか、または逆に不安定になり、ミルの汚れ、および滑りを生成するかのいずれかで、経時的に変化する傾向がある。一方、ニート油は冷却が不十分で、許容できない可燃性を有する場合がある。
【0004】
しかしながら、エマルジョンまたはニート油に関連する欠点を克服する冷間圧延作業での使用に適した金属加工流体を製造することは有利である。
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、当該技術分野における欠陥に注目した。例えば、本発明者らは、特定の場合において、望ましい金属加工流体は、圧延力を減少させ、および/または圧延摩耗を減少させることができることに注目した。さらに、多くの場合、望ましい金属加工流体組成物は、以下の特性:極圧潤滑能力、耐摩耗潤滑特性、防食特性、および/または冷却特性のうちの1つまたはそれ以上を示す。多くの金属加工業務において、金属加工流体組成物は、金属の表面に堆積物を形成したり、金属加工に使用される装置上に粘着性の残渣を形成(「ケーキング」と呼ばれることもある)する傾向を有さないことが望ましい。また、冷間圧延のような金属加工作業に使用される金属加工流体組成物は、使用中に摩擦係数に広い変動を示す傾向がないことが望ましい。
【0006】
本発明者らは、金属冷間圧延作業に使用することができる、水性金属加工流体組成物を特定した。特定の態様において、本開示の組成物は、例えば、乳化を必要とせずに、改善された潤滑性能(例えば、いくつかの実施形態において、従来の圧延油と同程度の)を提供することができる。したがって、本開示の組成物は、多くの実施形態において、エマルジョンのコンシステンシーの制御および界面活性剤の使用の必要性などの、従来の水中油型エマルジョン製品の欠点を回避することができる。むしろ、本開示の金属加工流体組成物の所望のコンシステンシーは、多くの場合、最終組成物および基礎となる水溶性ポリマーの両方の粘度を制御することによって付与することができる。実際、本発明者らは、最終組成物の粘度と、基礎となる水溶性ポリマーの粘度との間の相乗作用を確認した。結果として、本開示の特定の態様による金属加工流体組成物は、組成物およびその基礎となる成分の比較的不変の性質のために、長期間にわたって一貫した性能を維持することができる。本開示の金属加工流体組成物はまた、特定の実施形態において、改善された熱管理および熱放出能力を有し、単純かつ費用効率的に提供することができる。
【0007】
したがって、本開示の一態様は、水性金属加工流体組成物を提供する。各々40℃で少なくとも5000cStの動粘度を有し、20℃~80℃の温度範囲内に曇り点を有さず、0.5wt%~15wt%の範囲の総量で存在する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー、および少なくとも70wt%の量で存在する水、ここで、組成物は、40℃で1cSt~20cStの範囲の動粘度を有し、および、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーは、水性金属加工流体の水相に溶解される。
【0008】
本明細書において、「水溶性」という用語は、本質的に水に完全に可溶であることを意味し、本質的に完全に水に溶けるか、本質的に溶けるか、またはin situで反応させて塩を作製する場合に溶けるかのどちらかを意味する。材料は、「水溶性」であり得るが、微量の残留物を溶解せずに残すことができるが、これは、非常に少量、すなわち、「水溶性」材料の0.5%未満であることが理解される。同様に、水相中に「溶解」される材料は、微量の未溶解残留物、すなわち、材料の0.5%未満を有することができる。
【0009】
特定の実施形態では、水性金属加工流体は、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせ(例えば、15wt%までの総量で存在する)のうちの1つまたはそれ以上をさらに含む。特定の実施形態では、水性金属加工流体は、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせ(例えば、15wt%までの総量で存在する)の6またはそれ以上、8またはそれ以上、または9またはそれ以上、またはさらには10またはそれ以上をさらに含む。特定の実施形態では、水性金属加工流体は、腐食防止剤、キレート剤、黄色金属防止剤、任意に殺生物剤、およびそれらの組み合わせ(例えば、15wt%までの総量で存在する)のうちの1つまたはそれ以上をさらに含む。
【0010】
特定の実施形態では、本開示の金属加工流体組成物は、
水溶性ポリマーと、
0.1wt%~1wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上のカルボン酸と、0.1wt%~2wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上のアミンを含む腐食防止剤化合物と、
0.01wt%~0.2wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上の黄色金属防止剤(例えば、トリアゾール)と、
任意に、0.25wt%までの量の1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤(例えば、リン酸エステル)と、および
任意に、0.05wt%~0.25wt%の範囲の量の殺生物剤と、を含む。
【0011】
特定の実施形態では、本開示の金属加工流体組成物は、鉱油およびシリコーン油を実質的に含まないか、または含まない。
【0012】
本開示の別の態様は、金属加工流体濃縮物を提供する。特定の実施形態では、濃縮物は、本開示の金属加工流体組成物を提供するために、水性媒体で希釈され得るような濃度で提供される。濃縮物は、例えば、それを望ましい組成物に戻すために、既存のものが枯渇した金属加工流体に添加することができるトップトリート添加剤として提供することもできる。本開示のそのような金属加工流体濃縮物の1つは、
各々が、40℃で少なくとも5000cStの動粘度を有し、20℃~80℃の温度範囲内で曇り点を有さず、25wt%~70wt%の範囲の総量で存在する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、
任意に、40wt%までの範囲の量で組成物中に存在する、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、殺生物剤、およびそれらの組み合わせと、
少なくとも8wt%の量で存在する水と、
を含み、
ここで、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー、存在する場合には任意の添加剤、および水が互いに溶解して、単一の水相を形成することを含む。
【0013】
本開示の別の態様は、金属を冷間加工(例えば、冷間圧延)する方法を提供する。いくつかの実施形態において、そのような方法は、
1つまたはそれ以上の加工ツール(例えば、圧延)の表面を本開示の金属加工流体組成物と接触させること、および
金属加工流体組成物と接触する金属物の表面を1つまたはそれ以上の加工ツールで、所望の形状に形成すること、とを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、そのような方法は、
本開示の金属加工流体組成物の第1の部分を得ること、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を金属加工流体組成物の第1の部分と接触させて、使用済みの第1の部分を生成すること、
使用済みの第1の部分を本開示の金属加工流体濃縮物(すなわち、トップトリート添加剤として)で処理して、処理された第1の部分を生成すること、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を処理された第2の部分と接触させること、および
処理された第1の部分と接触する金属物の表面を所望の形状に形成すること、
を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、そのような方法は、
本開示の金属加工流体組成物を得るために、本開示のトップトリート添加剤の一定量を水性流体(例えば、水)に溶解すること、ここで、トップトリート添加剤の量は、40℃で1cStおよび20cStの範囲内の動粘度を有する、金属加工流体組成物を提供するのに十分な量であり、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を金属加工流体組成物と接触させること、および
金属加工流体組成物と接触する金属物の表面を加工ツールで所望の形状に形成すること、を含む。
【0016】
添付の図面は、本開示の組成物および方法のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書を構成する。図面は必ずしも縮尺通りとは限らず、明瞭にするために様々な要素のサイズは歪んでいる場合がある。図面は、本開示の1つまたはそれ以上の実施形態を例示し、本明細書と共に、本開示の原理および動作を説明するのに役立てられる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】組成物中の水溶性ポリマーの量と組成物の40℃における動粘度との関係を示すグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0018】
本明細書に示される実施例は、例として、および例示の目的のためである。本発明の好ましい実施形態の議論は、本発明の様々な実施形態の原理および概念的態様の最も有用かつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するためにおいてのみ提示され、開示される。この点において、本発明の基本的な理解、図面および/または実施例を用いてなされる説明が、本発明のいくつかの形態が、実際にどのように具体化され得るかを当業者に明らかにするために必要である以外に、本発明の構造的詳細をより詳細に示す試みはなされていない。したがって、開示された工程および装置が記載される前に、本明細書に記載される態様は、特定の実施形態、装置、または構成に限定されず、当然ながら、変化し得ることが理解されるべきである。また、本明細書中で使用される用語は、特定の態様のみを記載する目的のためであり、本明細書中で特に定義されない限り、限定することを意図しないことも理解されるべきである。
【0019】
本発明を説明する文脈において使用される用語「a」、「an」、「the」および類似の指示対象は、(特に、以下の実施形態および特許請求の範囲の文脈において)、本明細書中に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を意味すると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、範囲内に入る各別個の値を個別に参照する簡略な方法として役立つことを意図しているに過ぎない。本明細書中に別段の指示がない限り、各個々の値は、本明細書中に個々に列挙されたかのように、本明細書中に組み込まれる。範囲は、本明細書では、ある特定の値の「約」から、および/または他の特定の値の「約」別の特定値までと表現することができる。そのような範囲が表現される場合、別の態様は、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行語「約」の使用によって、特定の値は、別の態様を形成することが理解される。さらに、各範囲の終点は、他の終点との関連において、重要な意味を持ち、且つ、当該他方の点とは独立した意味を有している。
【0020】
本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序のステップで実施することができる。本明細書中に提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言葉(例えば、「そのような」)の使用は、単に、本発明をよりよく説明することを意図しており、あるいは特許請求される本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中のいかなる文言も、本発明の実施に不可欠な、いかなるクレームされていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0021】
文脈上明らかに他に必要としない限り、本明細書および特許請求の範囲において、「comprise」、「comprising」等の語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち「含むが、これらに限定されない」という意味で、解釈されるべきである。単数または複数の数を使用する単語は、各々、複数および単数を含まれる。加えて、「本明細書」、「上」および「下」の語、ならびに同様の意味の語は、使用される場合、本願の特定の部分ではなく、本願全体を指すものである。
【0022】
当業者によって理解されるように、本明細書に開示される各実施形態は、その特定の記載された要素、工程、部品または成分から構成され、それらから本質的に構成され、または構成される。本明細書において、「comprise」または「comprises」という語句は、特定されていない要素、工程、部品または成分を、主要な量であっても含むが、これらに限定されない。「consisting of」という語句は、特定されていない任意の要素、工程、部品または成分を除外する。「consisting essentially of」という語句は、実施形態の特定された要素、工程、部品または成分と、実施形態に実質的に影響を与えないものに限定される。
【0023】
本発明は特に指定のない限り、全ての率、比率、割合は重量による。
【0024】
本発明の広い範囲を示す数値範囲やパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体的な実施例に示された数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、どのような数値にも、各々の測定値の標準偏差に起因する一定の誤差が含まれる。
【0025】
本明細書に開示される本発明の代替要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループ要素は、個別に、またはグループの他の要素、または本明細書中に見出される他の要素との任意の組み合わせで、参照および特許請求され得る。グループの1つまたはそれ以上の要素が、便宜性および/または特許性の理由のために、グループに含まれ得るか、またはグループから削除され得ることが予想される。そのような追加または削除が生じる場合、本明細書は、修正されたグループを含むと見なされ、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュグループの説明が満たされることになる。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態がここに記載されており、本発明を実施するために、発明者らに知られる最良の形態が含まれる。もちろん、これらの記載された実施形態の変形例は、前述の説明を読めば、当業者に明らかになるであろう。本発明者は、当業者がそのような変形例を適切に採用することを期待し、本発明者は、本発明が、本明細書に具体的に記載される以外に実施されることを意図する。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および同等物をすべて含む。更に、上述の要素のあらゆる可能な変形例でのあらゆる組み合わせが、本明細書で別段の指示がない限り、または明らかに文脈に矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0027】
さらに、本明細書を通して、特許および印刷された出版物を、多数参照している。引用された参考文献および印刷された刊行物の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
最後に、本明細書に開示される本発明の実施形態は、本発明の原理の例示であることを理解されたい。使用され得る他の改変は、本発明の範囲内である。したがって、限定ではなく例として、本発明の代替構成を、本明細書の教示に従って利用することができる。したがって、本発明は、正確に図示および説明されたものに限定されない。
【0029】
一般に、本開示の様々な態様および実施形態は、様々な実施形態において、コスト効率がよく持続可能である、良好な潤滑特性を提供する金属加工流体組成物の改良を提供する。具体的には、本発明者らは、特定の実施形態において、本開示の単相水溶性金属加工流体組成物が、長期間にわたって圧延油と同等に作用することを見出した。
【0030】
したがって、本開示の一態様は、
各々40℃で少なくとも5000cStの動粘度を有し、20℃~80℃の温度範囲内に曇り点を有さず、0.5wt%~15wt%の範囲の総量で存在する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、および
少なくとも70wt%の量で存在する水と、を含み、
ここで、組成物は、40℃で1cSt~20cStの範囲内の動粘度を有し、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーは、水性金属加工流体の水相に溶解される水性金属加工流体組成物を提供する。
【0031】
特定の実施形態では、本開示の組成物は、実質的に単相組成物(例えば、少なくとも98wt%の水相、少なくとも99wt%の水相、少なくとも99.5wt%の水相、または少なくとも99.8wt%の水相を含む)である。本開示の金属加工流体組成物は、望ましくは、粒子または油滴を実質的に含まないか、または含まない。
【0032】
本開示の金属加工流体組成物の所望の性能は、最終組成物(すなわち、40℃で1~20cStの範囲内の動粘度、または本明細書の他に記載されるような)および基礎となる水溶性ポリマー(すなわち、40℃で少なくとも5000cStの動粘度、または本明細書の他に記載されるような)の両方の粘度を制御することによって付与することができ、本発明者らは、最終組成物の粘度および基礎となる水溶性ポリマー(複数可)の粘度の両方が、良好な性能のために重要であると決定した。本開示の様々な実施形態の金属加工流体組成物は、組成物およびその基礎となる成分の不変の性質のために、長期間にわたって一貫した性能を維持することができ、改善された熱管理および熱放出能力をも有することができる。
【0033】
したがって、本開示の一態様では、本開示の金属加工流体組成物は、40℃で1cSt~20cStの範囲の動粘度を有する。ここで用いられるように、動粘度はASTM D4603-18によって測定される。特定のこのような実施形態では、本開示の金属加工流体組成物は、40℃で2cSt~20cSt、または5cSt~20cSt、または10cSt~20cSt、または1cSt~15cSt、または2cSt~15cSt、または5cSt~15cSt、または10cSt~15cSt、または1cSt~10cSt、または2cSt~10cSt、または5cSt~10cSt、または10cSt~15cSt、または10cSt~20cSt、または5cSt~15cSt、または3cSt~7cSt、または4cSt~6cSt、または4.5cSt~5.5cStの範囲の動粘度である。ある特定のこのような実施形態では、本開示の金属加工流体組成物は、40℃で約5cStの動粘度を有する。
【0034】
上述のように、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの粘度もまた、流体の性能にとって重要なパラメータである。したがって、本開示の1つの態様において、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々の40℃における動粘度は、少なくとも5000cSt、例えば、5000cSt~100000cSt、または5000cSt~75000cSt、または5000cSt~50000cSt、または5000cSt~30000cSt、または5000cSt~25000cSt、または5000cSt~20000cStの範囲である。本開示の水溶性ポリマーは、40℃で、少なくとも7500cSt、例えば、少なくとも10000cSt、または少なくとも15000cSt、または少なくとも17000cStの動粘度を有し、例えば、7500cSt~100000cSt、または7500cSt~75000cSt、または7500cSt~50000cSt、または7500cSt~30000cSt、または10000cSt~100000cSt、または10000cSt~75000cSt、または10000cSt~50000cSt、または10000cSt~30000cSt、または10000cSt~25000cSt、または10000cSt~20000cSt、または10000cSt~19000cSt、または10000cSt~18000cSt、または15000cSt~100000cSt、または15000cSt~75000cSt、または15000cSt~50000cSt、または15000cSt~30000cSt、または15000cSt~25000cSt、または15000cSt~20000cSt、または15000cSt~19000cSt、または17000cSt~100000cSt、または17000cSt~75000cSt、または17000cSt~50000cSt、または17000cSt~30000cSt、または17000cSt~25000cSt、または17000cSt~20000cSt、または17000cSt~19000cStの範囲の動粘度を有する。
【0035】
本開示の水溶性ポリマーは、本開示の金属加工組成物の最終用途に応じて、ASTM D 2270で測定される、高いまたは非常に高い粘度指数(VI)を有し得る。Vlは、温度の変動に伴うポリマーの粘度の変化の指標である。VIが低いほど、温度によるポリマーの粘度の変化は大きくなる。本明細書に別途記載される組成物の特定の実施形態において、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーは、少なくとも80の粘度指数を有する。本明細書の特定の実施形態の組成物において、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーは、少なくとも120、または少なくとも200、またはさらには少なくとも300の粘度指数を有する。様々な実施形態において、粘度指数は、80~800、または80~650、または80~500、または120~800、または120~650、または200~800、または200~650、または200~500、または300~800、または300~650、または300~500の範囲である。同様に、本明細書中に他に記載されるような特定の実施形態において、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々は、100℃で、20000cSt以下、例えば、15000cSt以下または10000cSt以下の動粘度を有する。特定のこのような実施形態では、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々は、100℃で、500~20000cSt、または500~15000cSt、または500~10000cSt、または500~5000cSt、または1000~20000cSt、または1000~15000cSt、または1000~10000cSt、または1000~5000cSt、または2000~5000cStの範囲の動粘度を有する。
【0036】
注目すべきことに、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々は、組成物の典型的な使用温度にわたってほとんど相分離を示さない。したがって、本開示の金属加工組成物の1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々は、20℃~80℃の温度範囲内で曇り点を有さない。本明細書に別に記載されるような特定の実施形態では、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々は、10℃~80℃、または0℃~80℃、または20℃~100℃、または10℃~100℃、または0℃~100℃、または20℃~120℃、または10℃~120℃、または0℃~120℃の温度範囲内に曇り点を有さない。
【0037】
本開示の組成物において、種々の水溶性ポリマーが使用され得る。本明細書に別途記載されるような特定の実施形態では、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々は、ポリアルキレングリコールポリマー、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドの1つまたはそれ以上のポリマーである。例えば、いくつかの実施形態では、ポリアルキレングリコールポリマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドの2つまたはそれ以上のコポリマーであってもよい。特定の実施形態において、ポリアルキレングリコールポリマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドのコポリマーであってもよい。特定の他の実施形態では、ポリアルキレングリコールポリマーは、重量比で25:75~75:25の比率のエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーであってもよい。ポリアルキレングリコールポリマーは、例えば、ジオール開始型またはポリオール開始型であってもよい。特定の実施形態では、ポリアルキレングリコールポリマーは、ランダムコポリマー(例えば、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの)であってもよい。本開示の望ましいコポリマーにおいて、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドサブユニットは、コポリマーの質量の少なくとも95%、例えば、少なくとも98%またはさらに少なくとも99%を構成する。
【0038】
上記のように、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーは、本開示の金属加工組成物中に0.5wt%~15wt%の範囲の量で存在する。本明細書の開示に基づいて、当業者は、金属加工組成物に所望の粘度、および金属加工性能を提供するために、水溶性ポリマーの種類、量および粘度を選択する。本明細書に他に記載されるような特定の実施形態では、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーは、組成物の総重量に基づいて、0.5wt%~10wt%、または0.5wt%~5wt%、または0.5wt%~4wt%、または0.5wt%~3wt%、または0.5wt%~2wt%、または0.5wt%~1.5wt%、または1wt%~15wt%、または1wt%~10wt%、または1wt%~5wt%、または1wt%~4wt%、または1wt%~3wt%の総量で存在する。
【0039】
当業者であれば、所与の水溶性ポリマーの個々のポリマー分子が、所与の試料中に種々の分子量および構造を有することが多いことを理解するであろう。特に記述がない限り、全体にわたって使用される「分子量」は、ゲル浸透クロマトグラフ法によって決定される「重量平均」分子量Mwを意味する。本明細書で提供される構造は、ポリマーのサンプルにわたる重量平均構造を表す。当業者は、実質的に異なる平均分子量、または実質的に異なる構造を有することで、異なるポリマーを区別することができる。当業者であれば理解するであろうが、分子量は粘度および粘度指数に影響を及ぼし得る。本明細書中に別に記載されるような特定の実施形態において、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々は、800Da~100kDaの範囲、例えば、2~100kDa、または5~100kDa、または10~100kDa、または2~50kDa、または5~50kDa、または10~50kDaの範囲のMwを有する。
【0040】
本明細書に記載されているように、本開示の金属加工流体は、実質的に水性組成物であるので有利であり、上記のように、本開示の1つの態様の金属加工流体組成物は、少なくとも70%の量の水を含む。本明細書に別に記載されるような特定の実施形態では、本開示の金属加工流体は、少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%の水を含む。特定の実施形態では、水は、75wt%~99.5wt%、または80wt%~99.5wt%、または85wt%~99.5wt%、または90wt%~99.5wt%、または95wt%~99.5wt%、または97wt%~99.5wt%、または70wt%~99%、または75wt%~99wt%、または80wt%~99wt%、または85wt%~99wt%、または90wt%~99wt%、または95wt%~99wt%、または97wt%~99wt%、または70wt%~97wt%、または75wt%~97wt%、または80wt%~97wt%、または85wt%~97wt%、または90wt%~97wt%、または95wt%~97wt%、または70wt%~95wt%、または75wt%~95wt%、または80wt%~95wt%、または85wt%~95wt%、または90wt%~95wt%の範囲の量で組成物中に存在する。
【0041】
当業者は、金属加工流体が多数の他の成分を含むことができることを理解するであろう。したがって、本明細書中に記載される別の特定の実施形態では、水性金属加工流体は、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、錆防止剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤(例えば、トリアゾール)、エステル、殺生物剤およびそれらの組み合わせを含む(例えば、15wt%まで、例えば、10wt%まで、8wt%まで、もしくは5wt%まで、または0.1~15wt%、もしくは0.1~10wt%、もしくは0.1~8wt%、または0.1~5wt%、もしくは0.5~15wt%、または0.5~10wt%、もしくは0.5~8wt%、または0.5~5wt%、または1~15wt%、または1~10wt%、または1~8wt%、または1~5wt%、または2~15wt%、または2~10wt%、または2~8wt%、または2~5wt%、または5~15wt%、または5~10wt%の総量で存在する)。本明細書に記載の別の特定の実施形態では、水性金属加工流体は、1つまたはそれ以上の腐食防止剤、キレート剤、黄色金属防止剤(例えば、トリアゾール)、および殺生物剤(例えば、15wt%まで、例えば、10wt%まで、8wt%まで、または5wt%まで、または0.1~15wt%、または0.1~10wt%、または0.1~8wt%、または0.5~15wt%、または0.5~15wt%、または0.5~10wt%、または0.5~8wt%、または0.5~5wt%、または1~15wt%、または1~10wt%、または1~8wt%、または1~5wt%、または2~15wt%、または2~10wt%、または2~8wt%、または2~5wt%、または5~15wt%、または5~10wt%の総量で存在する)をさらに含む。
【0042】
本明細書に記載される別の特定の実施形態では、本開示の金属加工流体組成物は、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤(例えば、5wt%まで、例えば、2wt%まで、1wt%まで、または0.5wt%、まで、または0.05~5wt%、または0.05~2wt%、または0.05~1wt%、または0.05~0.5wt%、または0.1~5wt%、または0.1~2wt%、または0.1~1wt%、または0.1~0.5wt%、または0.2~5wt%、または0.2~2wt%、または0.2~1wt%、または0.2~0.5wt%の範囲内の総量で存在する)を含む。圧力保護添加剤のいくつかの好適な例としては、リン酸エステル、アミンリン酸塩、リン酸アルキル、アリールリン酸塩、カルボン酸、およびこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、圧力保護添加剤は、少なくとも科学量論的な量の塩基で中和されて水溶性塩を形成する酸性一置換リン酸エステルである。好ましくは、過剰の塩基を使用して、一置換リン酸エステルを中和する。中和は、本発明の組成物において、その場で起こり得る。リン酸エステルは、ポリプロポキシまたはポリエトキシ鎖で置換されてもよい。ポリプロポキシ鎖は、2kDa~3kDaの範囲の分子量を有し得る。ポリエトキシ鎖は、3~5個のエトキシ単位を含むことができる。一置換リン酸エステルがポリエトキシ鎖で置換されている場合、鎖はアルキル基で終わってもよい。末端アルキル基は、16~20個の炭素の炭素鎖を含み得る。例えば、ポリエトキシ鎖は、4個のエトキシ単位を含むことができ、C18アルキル基で終端してもよい。一置換リン酸エステルが中和される塩基は、一置換リン酸エステルを中和して、水溶性塩を形成することができる塩基であればどのようなものでもよい。塩基は、アミンなどの非無機塩基であってもよい。アミンは、1つまたはそれ以上の第一級および/または第三級アルカノールアミンであってもよい。適切なアルカノールアミンには、モノエタノールアミンおよびトリメタノールアミンが含まれる。
【0043】
本開示の金属加工流体組成物はまた、1つまたはそれ以上の腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせ(例えば、15wt%まで、例えば、10wt%まで、8wt%まで、または5wt%まで、または0.1~15wt%、または0.1~10wt%、または0.1~8wt%、または0.1~5wt%、または0.5~15wt%、または0.5~10wt%、または0.5~8wt%、または0.5~5wt%、または1~15wt%、または1~10wt%、または1~8wt%、または1~5wt%、または2~15wt%、または2~10wt%、または2~8wt%、または2~5wt%、または5~15wt%、または5~10wt%の範囲で存在する)を含み得る。好適なキレート剤としては、ポリアクリル酸およびエチレンジアミン四酢酸(またはその塩)(EDTA)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な黄色金属防止剤としては、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、およびトルトリアゾールまたはその誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルとしては、トリメチロールプロパン(TMP)、C-C18脂肪酸のモノ-、ジ-およびトリエステル、主にオレイン脂肪酸のグリコールエステル、メチル、または主にオレイン脂肪酸のイソプロピルエステル、またはトリグリセリド、天然トリグリセリド(菜種など)、および変性天然油(ブロー菜種など)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な殺生物剤(典型的にはアミン化合物)としては、オルトホルマールを含むホルムアルデヒド放出剤、およびヘキサヒドラジンとその誘導体、メチレンビスモルホリン、オキサゾラジンとその誘導体、イソチアゾリノンとその誘導体、ならびにヨードプロピルブチルカルバマット-殺菌剤などが挙げられるが、これらに限定されない。好適な防錆剤としては、カルボン酸のアミン塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
特定の実施形態では、本開示の組成物は、1つまたはそれ以上の凝集剤(第四級アミンなど)を、例えば、1wt%まで、例えば、0.5wt%までの量でさらに含むことができる。
【0045】
当業者は、多種多様な水溶性腐食防止剤が、本明細書に開示される組成物において使用され得ることを理解するであろう。適切な腐食防止剤としては、カルボン酸のモノ酸、および/またはジ-およびトリ-酸(例えば、セバシン酸)の水溶性アミン/アルカリ塩、アルコキシル化エステル、セミ-コハク酸ハーフエステル、アミドカルボン酸塩、、脂肪アミド、およびアミン、およびアルカリスルホン酸塩を含む短鎖脂肪酸リン酸エステル、またはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシル化エステル、セミ-セシネート半エステル、アミド-カルボン酸塩、脂肪アミド、ならびにアミンおよびアルカリスルホネートを含む短鎖酸性リン酸エステル、またはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、特定の実施形態では、組成物は、1つまたはそれ以上のカルボン酸の腐食防止剤化合物(例えば、0.1wt%~1wt%の範囲の量)、および1つまたはそれ以上のアミン(例えば、0.1wt%~2wt%の範囲の量)を含む。望ましくは、実質的に遊離酸は溶液中に存在せず、酸がそのアミン塩の形態であるように、十分なアミンが使用される。
【0046】
例示的な一実施形態では、本開示の金属加工流体組成物は、
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、
0.lwt%~lwt%の範囲の量の1つまたはそれ以上のカルボン酸と、0.lwt%~2wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上のアミンとを含む腐食防止剤化合物と、
0.01wt%~0.2wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上の黄色金属防止剤(例えば、トリアゾール)と、を含み、
任意に、0.25wt%までの量の1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤(例えば、リン酸エステル)と、および
任意に、0.05wt%~0.25wt%の範囲の量の殺生物剤と、を含む。
当業者が理解するように、カルボン酸およびアミン成分は、部分的に、または(望ましくは)全体として、カルボン酸アンモニウムとして、水溶液中に存在することができる。
【0047】
当業者は、本開示の金属加工流体中に、様々な他の成分が存在し得ることを理解するであろう。しかし、望ましい実施形態では、水および1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの総量は、組成物の総重量の少なくとも75wt%である。特定のこのような実施形態では、組成物の総重量の少なくとも80wt%、少なくとも85wt%、少なくとも90wt%、またさらに少なくとも95wt%が、水および1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーで構成される。
【0048】
同様に、望ましい実施態様では、水、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー、および任意の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステルおよび殺生物剤の総量は、組成物の少なくとも75wt%、例えば、組成物の少なくとも80wt%、少なくとも85wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも98wt%またはさらに少なくとも99wt%である。
【0049】
当業者は、本開示の組成物中に、種々の他の成分が存在し得ることを理解するであろう。
【0050】
しかしながら、本発明の組成物は、鉱油またはシリコーン油の使用を必要としない点で特に有利である。したがって、特定の望ましい実施形態では、本開示の金属加工流体組成物は、鉱油およびシリコーン油を実質的に含まない(例えば、1wt%以下、0.5wt%以下、またはさらには0.1wt%以下を含む)。
【0051】
本開示はまた、金属加工流体濃縮物を提供する。上記のように、金属加工濃縮物は、本開示の金属加工流体組成物を提供するために、水性媒体で希釈することができるような濃度で提供することができる。濃縮物は、例えば、それを望ましい混合物に戻すために、既存のものが枯渇した金属加工流体に添加することができるトップトリート添加剤として提供することもできる。このようなトップトリート添加剤は、金属加工流体の全ての望ましい成分を有する必要はなく、特定の実施形態では、トップトリート添加剤は、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーおよび水を有するが、添加される金属加工流体の添加剤の全てよりも少ない(または全くない)。特定の実施形態では、トップトリート添加剤は、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー、水、および任意選択で1つまたはそれ以上の腐食防止剤、殺生物剤、およびそれらの組み合わせを有する。
【0052】
本開示の1つの金属加工流体濃縮物は、
25wt%~70wt%の範囲の総量で存在する、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー(すなわち、上記の通り)、
任意で、組成物中に40wt%までの範囲の量で存在する、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤(例えば、上記のような他の方法で記載されたような)、および
少なくとも8wt%の量で存在する水、を含み、
ここで、任意の添加剤が存在するときは、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー、および水は、単一の水相を形成するために互いに溶解される。
【0053】
特定の実施形態では、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーは、本開示の金属加工流体濃縮物中に、組成物の総重量に基づいて、30wt%~70wt%、または40wt%~70wt%、または15wt%~50wt%、または20wt%~50wt%、または25wt%~50wt%、または30wt%~50wt%の範囲の量で存在する。
【0054】
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーは、そうでなければ、本開示の金属加工組成物に関して上記のようであり得る。
【0055】
濃縮物の水性媒体への分散を助けるために、濃縮物は、望ましくは、少なくとも8wt%の水を含む。いくつかの実施形態では、水は、少なくともl0wt%、少なくとも15wt%、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、またはさらに少なくとも40wt%の量で添加剤中に存在する。いくつかの実施形態では、金属加工流体濃縮物は、8wt%~60wt%、または8wt%~50wt%、または8wt%~40wt%、または8wt%~30wt%、または8wt%~20wt%、または8wt%~15wt%、または10wt%~60wt%、または10wt%~50wt%、または10wt%~40wt%、または10wt%~30wt%、または10wt%~20wt%、または10wt%~15wt%、または15wt%~60wt%、または15wt%~50wt%、または15wt%~40wt%、または15wt%~30wt%、または20wt%~60wt%、または20wt%~50wt%、または20wt%~40wt%の範囲の量の水を含むことができる。
【0056】
いくつかの使用において(例えば、トップトリート添加剤として)、濃縮物はさらなる添加剤を必要としないが、特定の望ましい実施形態において、本開示の金属加工流体濃縮物は、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせは、組成物中に40wt%までの範囲の量で存在する。例えば、特定の実施形態では、そのような1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせの総量は、30wt%まで、20wt%まで、10wt%まで、または5wt%まで、または0.1~40wt%、または0.1~30wt%、または0.1~20wt%、または0.1~10wt%、または0.1~5wt%、または0.5~40wt%、または0.5~30wt%、または0.5~20wt%、または0.5~10wt%、または0.1~5wt%、または1~40wt%、または1~30wt%、または1~20wt%、または1~10wt%、または1~5wt%、または5~40wt%、または5~30wt%、または5~20wt%、または5~10wt%、または10~40wt%、または10~30wt%、または10~20wt%、または20~40wt%、または20~30wt%の範囲の量である。別の特定の実施形態では、本開示の金属加工流体濃縮物は、組成物中に1つまたはそれ以上の腐食防止剤、殺生物剤、およびそれらの組み合わせを40wt%までの範囲の量を含む。例えば、特定の実施形態では、そのような1つまたはそれ以上の腐食防止剤、殺生物剤、およびそれらの組み合わせの総量は、30wt%、20wt%まで、10wt%まで、5wt%まで、または0.1~40wt%、または0.1~30wt%、または0.1~20wt%、または0.1~10wt%、または0.1~5wt%、または0.5~40wt%、または0.5~30wt%、または0.5~20wt%、または0.5~10wt%、または0.1~5wt%、または1~40wt%、または1~30wt%、または1~20wt%、または1~10wt%、または1~5wt%、または5~40wt%、または5~30wt%、または5~20wt%、または5~10wt%、または10~40wt%、または10~30wt%、または10~20wt%、または20~40wt%、または20~30重量%の範囲である。これらの添加剤は、本開示の金属加工流体組成物に関して上記したようなものであり得る。
【0057】
本開示の金属加工流体組成物は、金属の冷間加工、すなわち、再結晶温度未満の金属の加工に使用するのに特に適している。したがって、本開示の別の態様は、金属を冷間加工するための方法であって、1つまたはそれ以上の加工ツール(例えば、圧延)の表面を、本明細書に記載されるような金属加工流体組成物と接触させることと、金属物の表面を、金属加工流体組成物と接触する加工ツールで所望の形状に形成することとを含む方法である。
【0058】
本開示の金属加工流体組成物は、例えば、その中の水溶性ポリマーの特定の濃度および種類に応じて、種々の冷間加工組成物で使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に別に記載される冷間加工方法は、0~95℃の範囲の温度、例えば、10~95℃、または20~95℃、または40~95℃、または0~80℃、または10~80℃、または20~80℃、または40~80℃、または0~60℃、または10~60℃、または20~60℃、または40~60℃の範囲の温度で実施される。
【0059】
冷間加工の一例は、冷間圧延である。金属の冷間圧延では、金属は、1つまたはそれ以上の加工圧延による圧延によって、例えば、一対の加工圧延の間を通すことによって変形される。本開示の金属加工流体は、圧延される金属と1つまたはそれ以上の加工圧延との間の界面に適用することができる。また、冷間圧延機では、加工圧延をサポート圧延で支持してもよく、これにより加工圧延の変形が防止される。本開示の金属加工流体組成物はまた、1つまたはそれ以上の加工圧延の表面と支持圧延の表面との間の接触部に適用され得る。本開示の金属加工流体組成物は、Zendsimir ミルの軸受潤滑剤としてサポート軸受にも適用され得る。
【0060】
このような冷間圧延を行うことができる金属には、鉄系金属、アルミニウム、銅、亜鉛、錫、および銅ベースの合金、例えば青銅または真鍮が含まれる。特定の好ましい実施形態では、本開示の金属加工流体組成物は、鋼などの鉄系金属の冷間圧延に使用される。
【0061】
したがって、いくつかの実施形態では、そのような方法は、1つまたはそれ以上の加工圧延の表面を、本開示の金属加工流体組成物と接触させることと、および金属加工流体組成物と接触する加工圧延を用いて、金属物の表面を所望の形状に形成することとを含む。
【0062】
本開示の単相水溶性の金属加工流体組成物の利点は、組成物を水で金属加工装置から洗い流すことができることである。洗い流された、または使用済みの金属加工流体組成物は、装置に再循環されてもよい。この再循環組成物は、本開示のトップトリート添加剤で処理することができる。したがって、いくつかの実施形態では、そのような方法は、本開示の金属加工流体組成物の第1の部分を得ることと、1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を金属加工流体組成物の第1の部分と接触させること、第1の金属物の表面を第1の部分と接触させて、所望の形状に形成して、使用済みの第1の部分を生成することと、処理された第1の部分を本開示のトップトリート添加剤で処理して、処理された第1の部分を生成することと、1つまたはそれ以上の加工圧延の表面を、処理された第1の部分と接触させることと、第2の金属物の表面を所望の形状に形成することと、を含む。第1の金属物および第2の金属物は、例えば、その本体に沿った金属の異なるゾーンであり得、その結果、本方法は、例えば、金属シートの連続圧延プロセスにおいて使用することができる。
【0063】
本発明者らは、本明細書に記載される水性金属加工流体の全体的な粘度が、性能の重要な決定要因であると判断した。したがって、本明細書に記載されるような方法の特定の実施形態では、金属加工流体組成物の粘度の測定値は、それがその特性を再生するために処理を必要とするかどうかを決定するために使用される。したがって、本明細書に記載されるような方法の特定の実施形態では、金属加工流体の第1の部分の粘度が測定される。これは、任意の望ましい方法を介して、連続的または非連続的に行うことができる。粘度は、40℃における動粘度として測定する必要はなく、流体の粘度の変化を理解するのに適した、任意の粘度測定を使用することができる。粘度の測定に基づいて、処理された第1の部分は、40℃で1cStおよび20cStの範囲内の動粘度(または本明細書に記載される別の任意の望ましい粘度値)を有する、処理されたの第1の部分を提供するのに十分な量の、本明細書に記載される金属加工流体濃縮物で処理することができる。
【0064】
上述のように、本開示のいくつかの実施形態の濃縮物は、本開示の金属加工流体組成物を提供するために希釈することができる。したがって、一実施形態では、金属を加工するための方法は、本開示の金属加工流体組成物を得るために、ある量の本開示の組成物を水性流体(例えば、水)に溶解すること、ここで、濃縮物の量は、40℃で1cStと20cStの範囲内の動粘度を有する金属加工流体組成物を提供するのに十分な量であり、1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を金属加工流体組成物と接触させ、および金属物の表面を、金属加工流体組成物と接触する加工ツールを用いて所望の形状に形成すること、とを含む。
【0065】
本開示の特定の態様は、次に、以下の非限定的なことを介してさらに説明される。
【実施例
【0066】
実施例1
腐食防止剤、Syntilo 81BF(Castro1,Lewiston,NYから入手可能)、および水を30℃に加熱し、次いで、圧力保護添加剤Pl(オレリルエーテルリン酸エステル)を添加し、混合物が透明かつ明るくなるまで混合した。次いで、40℃で異なる動粘度を有するポリマーを溶液に添加し、溶液が透明になるまで混合した。表1は、所望の粘度を有する最終金属加工組成物を提供するのに十分な量の、水に溶解したポリマーを示す。
【0067】
図1は、組成物中のポリマーの量と、組成物の40℃における動粘度との関係を示す。実施例1、比較例1および比較例2の組成物を、異なるポリマー含有量(組成物の総重量に基づいてwt%)で配合し、40℃でそれらの動粘度をASTM D4603に従って測定した。
【0068】
【表1】
【0069】
次に、金属加工組成物を4回の圧延の後に、圧延力および前進スリップ割合について試験した。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
実施例1の組成物は、比較例1および2、または参考組成物よりもはるかに改善された前進スリップを示した。さらに、実施例1の組成物は、ミルの最高速度である18m/秒までの速度範囲にわたって、はるかに平坦なプロファイルを示した。特定の理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、この結果が、金属加工流体組成物の安定し、一貫性を持つこと、ならびにミルの入り口側の接着剤接触の減少により、摩擦が改善されたことを示すと考える。さらに、後続の回において、より低い力が必要とされ(すなわち、潤滑剤が変形により良好に寄与するように、材料を変形させるためにより少ないエネルギが使用される)、本開示の金属加工流体を使用することは、制御(スリップ)および変形力の2つの利点を提供する。
【0072】
実施例2
実施例1の金属加工流体を、リン系添加剤でさらに処理した。2つの異なる添加剤、P2((BASFから入手可能のKorantin(登録商標)LUB、として販売されているPPGモノエステル)、およびP1(オレリルエーテルリン酸エステル)を別々に評価した。
【0073】
リン系添加剤P2およびP1の両方は、試験中に圧延力または前進スリップに影響を及ぼさなかった。しかし、P2の化学的性質は、極端な圧延温度で試験片上の熱傷を防止する利点を提供し、160℃の温度まで試験片を保護する。
【0074】
本明細書に記載される実施例および実施形態は、例示のみを目的とし、それらに照らして様々な修正または変更が当業者に示唆され、添付の特許請求の範囲の本出願および範囲の精神および範囲内に組み込まれることが理解される。本明細書に引用された全ての刊行物、特許、および特許出願は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
本開示の様々な態様は、以下に列挙される実施形態に記載される非限定的な実施形態によってさらに例示される。各々の場合において、複数の列挙された実施形態の特徴は、本明細書と矛盾せず、論理的に矛盾しない任意の様式で組み合わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0076】
実施形態1。
水性金属加工流体組成物は、
40℃で少なくとも5000cStの動粘度を有し、20℃~80℃の温度範囲内に曇り点を有さず、0.5wt%~15wt%の範囲の総量で存在する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、および
少なくとも70wt%の量で存在する水と、を含み、
ここで、組成物は、40℃で1cSt~20cStの範囲の動粘度を有し、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーが、水性金属加工流体の水相に溶解される。
【0077】
実施形態2。
組成物が実質的に単相の組成物である実施形態1に記載の組成物。
【0078】
実施形態3。
少なくとも98wt%の水相、例えば、少なくとも99wt%、少なくとも99.5wt%、または少なくとも99.8%の水相を含む組成物である実施形態2に記載の組成物。
【0079】
実施形態4。
40℃で、2cSt~20cSt、または5cSt~20cSt、または10cSt~20cSt、または1cSt~15cSt、または2cSt~15cSt、または5cSt~15cSt、または10cSt~15cSt、または1cSt~10cSt、または2cSt~10cSt、または5cSt~10cSt、または10cSt~15cSt、または10cSt~20cSt、または5cSt~15cSt、または3cSt~7cSt、または4cSt~6cSt、または4.5cSt~5.5cStの範囲の動粘度を有する実施形態1~3のいずれかに記載の組成物。
【0080】
実施形態5。
水溶性ポリマーの各々が、40℃で、5000cSt~100000cSt、または5000cSt~75000cSt、または5000cSt~50000cSt、または5000cSt~30000cSt、または5000cSt~25000cSt、または5000cSt~20000cStの範囲の動粘度を有する実施形態1~4のいずれかに記載の組成物。
【0081】
実施形態6。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、40℃で少なくとも7500cSt、例えば、少なくとも10000cSt、少なくとも15000cSt、または少なくとも17000cStの動粘度を有する実施形態1~4のいずれかに記載の組成物。
【0082】
実施形態7。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、40℃で7500cSt~100000cSt、または7500cSt~75000cSt、または7500cSt~50000cSt、または7500cSt~30000cSt、または10000cSt~100000cSt、または10000cSt~75000cSt、または10000cSt~50000cSt、または10000cSt~30000cSt、または10000cSt~250000cSt、または10000cSt~20000cSt、または10000cSt~19000cSt、または10000cSt~18000cStの範囲の動粘度を有する実施形態1~4のいずれかに記載の組成物。
【0083】
実施形態8。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、40℃で15000cSt~100000cSt、または15000cSt~75000cSt、または15000cSt~50000cSt、または15000cSt~30000cSt、または15000cSt~25000、または15000cSt~20000cSt、または15000cSt~19000cSt、または17000cSt~100000cSt、または17000cSt~75000cSt、または17000cSt~50000cSt、または17000cSt~30000cSt、または17000cSt~25000、または17000cSt~20000cSt、または17000cSt~19000cStの範囲の動粘度を有する実施形態1~4のいずれかに記載の組成物。
【0084】
実施形態9。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、少なくとも80、例えば、少なくとも120、または少なくとも200、またはさらには少なくとも300の粘度指数を有する実施形態1~8のいずれかに記載の組成物。
【0085】
実施形態10。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、80~800、または80~650、または80~500、または120~800、または120~650、または200~800、または200~650、または200~500、または300~800、または300~650、または300~500の範囲の粘度指数を有する実施形態1~8のいずれかに記載の組成物。
【0086】
実施形態11。
水溶性ポリマーの各々が、100℃で20000cSt以下、例えば、15000cSt以下、または10000cSt以下の動粘度を有する実施形態1~10のいずれかに記載の組成物。
【0087】
実施形態12。
水溶性ポリマーの各々が、100℃で500~20000cSt、または500~15000cSt、または500~10000cSt、または500~5000cSt、または1000~20000cSt、または1000~15000cSt、または1000~10000cStの範囲の動粘度を有する実施形態1~10のいずれかに記載の組成物。
【0088】
実施形態13。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、10℃~80℃、または0℃~80℃、または20℃~100℃、または10℃~100℃、または0℃~100℃、または20℃~120℃、または10℃~120℃、または0℃~120℃の温度範囲内で曇り点を有さない実施形態1~12のいずれかに記載の組成物。
【0089】
実施形態14。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、ポリアルキレングリコールポリマー、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドの1つまたはそれ以上のポリマーである実施形態1~13のいずれかに記載の組成物。
【0090】
実施形態15。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシドの2つまたはそれ以上のコポリマーである実施形態14に記載の組成物。
【0091】
実施形態16。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシド、およびプロピレンオキシドのコポリマーである実施形態14に記載の組成物。
【0092】
実施形態17。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシド、およびプロピレンオキシドのジオール開始型ランダムコポリマーである実施形態12に記載の組成物。
【0093】
実施形態18。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの比率が、重量比で25:75~75:25の範囲である実施形態16または実施形態17に記載の組成物。
【0094】
実施形態19。
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、および/またはブチレンオキシドサブユニットが、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々の質量の少なくとも95%、例えば、少なくとも98%、またはさらには少なくとも99%を構成する実施形態15~18のいずれかに記載の組成物。
【0095】
実施形態20。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、ランダムコポリマーである実施形態15~19のいずれかに記載の組成物。
【0096】
実施形態21。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーが、組成物の総重量に基づいて、0.5wt%~10wt%、または0.5wt%~5wt%、または0.5wt%~4wt%、または0.5wt%~3wt%、または0.5wt%~2wt%、または0.5wt%~1.5wt%、または1wt%~15wt%、または1wt%~10wt%、または1wt%~5wt%、または1wt%~4wt%、または1wt%~3wt%の総量で組成物中に存在する実施形態1~20のいずれかに記載の組成物。
【0097】
実施形態22。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの各々が、800Da~100kDa、例えば2~100kDa、または5~100kDa、または10~100kDa、または2~50kDa、または5~50kDa、または10~50kDaの範囲のMwを有する実施形態1~21のいずれかに記載の組成物。
【0098】
実施形態23。
水が、少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%の量で組成物中に存在する実施形態1~22のいずれかに記載の組成物。
【0099】
実施形態24。
水が、70wt%~99.5wt%、例えば、75wt%~99.5wt%、または80wt%~99.5wt%、または85wt%~99.5wt%、または90wt%~99.5wt%、または95wt%~99.5wt%、または97wt%~99.5wt%、または75wt%~99%、または80wt%~99wt%、または85wt%~99wt%、または90wt%~99wt%、または95wt%~99wt%、または97wt%~99wt%、または70wt%~97wt%、または75wt%~97wt%、または80wt%~97wt%、または85wt%~97wt%、または90wt%~97wt%、または95wt%~97wt%、または70wt%~95wt%、または75wt%~95wt%、または80wt%~95wt%、または85wt%~95wt%、または90wt%~95wt%の範囲の量で組成物中に存在する実施形態1~22のいずれかに記載の組成物。
【0100】
実施形態25。
組成物の総重量に基づいて、15wt%まで、例えば10wt%まで、8wt%まで、または5wt%までの量で組成物中に存在する、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせをさらに含む実施形態1~24のいずれかに記載の組成物。
【0101】
実施形態26。
1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせが、組成物中の総重量に基づいて、0.1~15wt%、または0.1~10wt%、または0.1~8wt%、または0.1~5wt%、または0.5~15wt%、または0.5~10wt%、または0.5~8wt%、または0.5~5wt%、または1~15wt%、または1~8wt%、または1~5wt%、または2~15wt%、または2~10wt%、または2~8wt%、または2~5wt%、または5~15wt%、または5~10wt%の範囲の量で組成物中に存在する実施形態24に記載の組成物。
【0102】
実施形態27。
1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤(例えば、15wt%まで、例えば、10wt%まで、8wt%まで、または5wt%までの総量で存在する)を含む実施形態25または実施形態26に記載の組成物。
【0103】
実施形態28。
1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤が、リン酸エステル、ジチオリン酸塩、アミンリン酸塩、ホスホロチオネート、リン酸アルキル、アリールリン酸塩、カルボン酸、およびそれらの任意の組み合わせから選択される実施形態27に記載の組成物。
【0104】
実施形態29。
1つまたはそれ以上の腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステル、殺生物剤、およびそれらの組み合わせ(例えば、15wt%まで、例えば、10wt%まで、8wt%まで、または5wt%までの総量で存在する)をさらに含む実施形態26~28のいずれかに記載の組成物。
【0105】
実施形態30。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、
0.1wt%~1wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上のカルボン酸と、0.1wt%~2wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上のアミンとを含む腐食防止剤化合物と、
0.01wt%~0.2wt%の範囲の量の1つまたはそれ以上の黄色金属防止剤(例えば、トリアゾール)と、
任意に、0.25wt%までの量の1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤(例えば、リン酸エステル)と、および
任意に、0.05wt%~0.25wt%の範囲の量の殺生物剤と、
を含む実施形態1~29のいずれかに記載の組成物。
【0106】
実施形態31。
水および1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーの総量が、組成物の総重量の少なくとも75wt%、例えば、組成物の総重量の少なくとも85wt%、少なくとも90wt%、またはさらには少なくとも95wt%である実施形態1~30のいずれかに記載の組成物。
【0107】
実施形態32。
水、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー、および任意の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステルおよび殺生物剤の総量が、組成物の少なくとも75wt%、例えば、組成物の少なくとも80wt%、少なくとも85wt%、少なくとも90wt%、少なくとも95wt%、少なくとも98wt%、またはさらに少なくとも99wt%である実施形態1~30のいずれかに記載の組成物。
【0108】
実施形態33。
鉱油およびシリコーン油を実質的に含まない実施形態1~34のいずれかに記載の組成物。
【0109】
実施形態34。
40℃で少なくとも5000cStの動粘度を有し、20℃~80℃の温度範囲内で曇り点を有さず、25wt%~70wt%の範囲の量で存在する1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーと、
任意に、40wt%までの総量で組成物中に存在する、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、エステルおよび殺生物剤と、および
少なくとも8wt%の量で存在する水と、を含み、
ここで、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマー、存在する場合には任意の添加剤、および水が互いに溶解して、単一の水相を形成する金属加工流体濃縮物。
【0110】
実施形態35。
1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーが、濃縮物の総重量に基づいて、30wt%~70wt%、または40wt%~70wt%、または15wt%~50wt%、または20wt%~50wt%、または25wt%~50wt%、または30wt%~50wt%の量で存在する実施形態34に記載の濃縮物。
【0111】
実施形態36。
水が、8wt%~50wt%、または8wt%~40wt%、または8wt%~30wt%、または8wt%~20wt%、または8wt%~15wt%、または10wt%~50wt%、または10wt%~40wt%、または10wt%~30wt%、または10wt%~20wt%、または10wt%~15wt%、または15wt%~50wt%、または15wt%~40wt%、または15wt%~30wt%、または20wt%~60wt%、または20wt%~50wt%、または20wt%~40wt%の範囲で濃縮物中に存在する実施形態34または実施形態35に記載の濃縮物。
【0112】
実施形態37。
水が、濃縮物の少なくとも10wt%、少なくとも15wt%、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、またはさらには少なくとも40wt%の量で濃縮物中に存在する実施形態34または実施形態35に記載の濃縮物。
【0113】
実施形態38。
実施形態34~37のいずれかに記載の濃縮物であって、ここで、1つまたはそれ以上の水溶性ポリマーが実施形態5~20のいずれかにさらに記載されている。
【0114】
実施形態39。
組成物中に40wt%まで、例えば、30wt%まで、例えば、20wt%まで、10wt%まで、または5wt%までの総量で存在する、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、殺生物剤、およびそれらの組み合わせを含む実施形態34~38のいずれかに記載の濃縮物。
【0115】
実施形態40。
組成物中に0.1~40wt%、または0.1~30wt%、または0.1~20wt%、または0.1~10wt%、または0.5~40wt%、または0.5~30wt%、または0.5~20wt%、または0.5~10wt%、または0.1~5wt%、または1~40wt%、または1wt%~30wt%、または1~20wt%、または1~10wt%、または1~5wt%、または5~40wt%、または5~30wt%、または5~20wt%、または5~10wt%、または10~40wt%、または10~30wt%、または10~20wt%、または20~40wt%、または20~30wt%の範囲の総量で存在する、1つまたはそれ以上の圧力保護添加剤、腐食防止剤、防錆剤、潤滑性向上剤、摩擦調整剤、キレート剤、カップリング剤、黄色金属防止剤、殺生物剤、およびそれらの組み合わせを含む実施形態34~38のいずれかに記載の濃縮物。
【0116】
実施形態41。
金属を冷間加工する方法であって、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を実施形態1~33のいずれかに記載の金属加工流体組成物と接触させること、および
金属加工流体組成物と接触する1つまたはそれ以上の加工ツールで、金属物の表面を所望の形状に形成すること
とを含む方法。
【0117】
実施形態42。
0~95℃の範囲、例えば、10~95℃、または20~95℃、または40~95℃、または0~80℃、または10~80、または20~80℃、または40~80℃、または0~60℃、または10~60℃、または20~60℃、または40~60℃の範囲の温度で形成が実施される実施形態41に記載の方法。
【0118】
実施形態43。
冷間加工が冷間圧延であり、1つまたはそれ以上の加工ツールが、1つまたはそれ以上の加工圧延である実施形態41または実施形態42に記載の方法。
【0119】
実施形態44。
金属を冷間加工する方法であって、
実施形態1~33のいずれかに記載の金属加工流体組成物の第1の部分を得ることと、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を金属加工流体組成物の第1の部分と接触させ、第1の部分と接触する第1の金属部の表面を、所望の形状に形成して、使用済みの第1の部分を生成することと、
使用済みの第1の部分を、実施形態34~40の濃縮物で処理することと、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を、処理された第1の部分と接触させることと、および
処理された第1の部分と接触する第2の金属物の表面を所望の形状に形成すること
とを含む方法。
【0120】
実施形態45。
使用済みの第1の部分の粘度を測定することをさらに含み、ここで、使用済みの第1の部分の測定された粘度に基づいて、使用済みの第1の部分の処理は、40℃で1cStおよび20cStの範囲内の動粘度の処理された第1の部分を提供するのに十分な量の濃縮物を用いる実施形態44に記載の方法。
【0121】
実施形態46。
金属を冷間加工する方法であって、
実施形態34~40のいずれかに記載の濃縮物の量を水性流体(例えば、水)に溶解して、実施形態1~33のいずれかに記載の金属加工流体組成物を得ることを含み、
ここで、トップトリート添加剤の量は、40℃で1cSt~20cStの範囲の動粘度を有する金属加工流体組成物を提供するのに十分な量であり、
1つまたはそれ以上の加工ツールの表面を金属加工流体組成物と接触させることと、および
金属物の表面を、金属加工流体組成物と接触する加工ツールで所望の形状に形成すること、とを含む方法。
図1