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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】廻り縁カバー及び廻り縁カバー取付構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/04 20060101AFI20231221BHJP
   E04B 9/30 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
E04F19/04 102F
E04B9/30 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022056738
(22)【出願日】2022-03-30
(65)【公開番号】P2023148611
(43)【公開日】2023-10-13
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 卓矢
(72)【発明者】
【氏名】原 光平
(72)【発明者】
【氏名】三箇山 茜
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-248549(JP,A)
【文献】特許第3927773(JP,B2)
【文献】特開2006-265957(JP,A)
【文献】特開2013-253408(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0092156(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/04
E04B 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁部と天井部との納まり部に施工されかつ天井部における天井材の端部を覆う覆い部を有する廻り縁に取り付けられる廻り縁カバーであって、
上記廻り縁の覆い部に取り付けられる取付部と、
上記取付部に一体形成され、上記廻り縁の覆い部と該覆い部が覆う天井材との間の隅部内に配置されるカバー部とを備えてなり、
少なくとも上記カバー部が透明ないし半透明の材料からなり、
上記取付部は、廻り縁の帯板状の覆い部に外嵌合して取り付けられる係合凹溝が上面に設けられた弾性変形可能な断面コ字状の板状体からなり、
上記係合凹溝の内幅は廻り縁の覆い部の外幅よりも小さくて、該係合凹溝内に廻り縁の覆い部が嵌合されたときに取付部が弾性変形して該廻り縁の覆い部に取り付けられるように構成され、
上記係合凹溝の対向する側壁のうち壁部と反対側の側壁によりカバー部が構成されていることを特徴とする廻り縁カバー。
【請求項2】
請求項の廻り縁カバーにおいて、
少なくともカバー部は半透明材料であることを特徴とする廻り縁カバー。
【請求項3】
請求項1又は2の廻り縁カバーにおいて、
カバー部の外面は、下側に向かって壁部側に向かうように傾斜していることを特徴とする廻り縁カバー。
【請求項4】
建物の壁部と天井部との納まり部に施工されかつ天井部における天井材の端部を覆う覆い部を有する廻り縁に廻り縁カバー取り付けられる廻り縁カバー取付構造であって、
上記廻り縁カバーは、
上記廻り縁の覆い部に取り付けられる取付部と、
上記取付部に一体形成され、上記廻り縁の覆い部と該覆い部が覆う天井材との間の隅部内に配置されるカバー部とを備え、
少なくとも上記カバー部が透明ないし半透明の材料からなるものであり、
上記廻り縁は、天井下地に取り付けられるベース部材と、該ベース部材に取り付けられるカバー部材とを備え、
上記カバー部材は、天井材の端部をベース部材との間で挟み込む帯板状の覆い部を有し、
廻り縁カバーの取付部は上記カバー部材の覆い部に取り付けられていることを特徴とする廻り縁カバー取付構造。
【請求項5】
建物の壁部と天井部との納まり部に施工されかつ天井部における天井材の端部を覆う覆い部を有する廻り縁に廻り縁カバーが取り付けられる廻り縁カバー取付構造であって、
上記廻り縁カバーは、
上記廻り縁の覆い部に取り付けられる取付部と、
上記取付部に一体形成され、上記廻り縁の覆い部と該覆い部が覆う天井材との間の隅部内に配置されるカバー部とを備え、
少なくとも上記カバー部が透明ないし半透明の材料からなるものであり、
上記廻り縁は、
天井下地に取り付けられる水平方向に延びる帯板状の基部と、
上記基部から垂下するように突設された支持部と、
上記支持部の下端に連続して水平方向に延びる上記覆い部とを備え、
天井材の端部を上記基部と上記覆い部との間に挟み込むものであり、
上記廻り縁カバーの取付部は、上記廻り縁の覆い部に取り付けられていることを特徴とする廻り縁カバー取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廻り縁カバー及び廻り縁カバー取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の内装工事等においては、壁面及び天井面を仕上げた後に、壁面と天井面との納まり部に生じた隙間や、壁材又は天井材の端部に生じる仕上げ残り部分を覆い隠す目的で、壁部と天井部との納まり部に廻り縁を施工することが一般に行われている。
【0003】
天井材は、ロックウールや木質繊維板等からなり表面が白色系に着色された天井板を施工するのが一般的であり、壁材には、石膏ボード等の下地材に化粧シート材を貼着して仕上げることが行われている。廻り縁は天井材の表面(下面)に接触する覆い部を有し、その覆い部で天井材の表面を覆った状態で天井下地や壁下地、壁材等に取り付けられて施工される。
【0004】
このように廻り縁を施工したとき、廻り縁と天井材の表面との間に隙間があると、その隙間が影となって現れる。すなわち、室内の照明光や窓からの日光が廻り縁に当たると、廻り縁の覆い部の先端角部で光が遮られ、室内の光が当たらない部分が生じて天井材の表面に影が現れるようになり、見映え上の違和感が生じる。とりわけ、天井材が表面に凹凸模様があるものでは、その凹部と廻り縁との間に大きな隙間が生じるので、凹部内に現れる影が顕著となる。
【0005】
そのため、従来、本願出願人は、特許文献1に示されるように、廻り縁として、壁材と接触する不透明材料の基材に透明部を一体的に設け、その透明部を天井材と接触ないし近接する部位に配置したものを提案している。このものでは、廻り縁に入射された光をそのまま透明部を透過させることにより、天井材の表面やその凹部内に影を生じさせないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3927773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1の廻り縁は、影防止のための専用の廻り縁であるので、既存の廻り縁が既に施工されている場合には、それを取り外して新しい専用の廻り縁と交換する必要があり、付け替えの作業が面倒となる。
【0008】
特に、天井部を施工した後に初めて廻り縁近くの天井面に生じている黒い影が判ることが多く、後付け部品があれば、有利となる。
【0009】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、廻り縁の周辺構造に工夫を加えることにより、既存の廻り縁に新たな部材を追加するだけで、天井材に影が生じないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明では、既存の廻り縁に後付け等で取り付けられる透明ないし不透明材料のカバーを設け、そのカバーの一部を廻り縁と天井材との間の隅部内に配置することで、カバー自体の透光効果によって影の発生を防止するようにした。
【0011】
具体的には、第1の発明は、建物の壁部と天井部との納まり部に施工されかつ天井部における天井材の端部を覆う覆い部を有する廻り縁に取り付けられる廻り縁カバーが対象である。
【0012】
この廻り縁カバーは、上記廻り縁の覆い部に取り付けられる取付部と、この取付部に一体形成され、上記廻り縁の覆い部と該覆い部が覆う天井材との間の隅部内に配置されるカバー部とを備えてなり、少なくとも上記カバー部が透明ないし半透明の材料からなることを特徴とする。
【0013】
この第1の発明では、建物の壁部と天井部との納まり部に施工されている廻り縁に対し、その天井材の端部を覆っている覆い部に廻り縁カバーがその取付部にて取り付けられる。この廻り縁カバーの取付部にカバー部が一体に形成され、カバー部は取付部の廻り縁への取付状態では、廻り縁の覆い部と、覆い部が覆う天井材との間の隅部内に充填されるように配置される。少なくともこのカバー部は透明ないし半透明の材料であるので、廻り縁に入射された光は廻り縁カバーのカバー部をそのままを透過して、廻り縁の覆い部と天井材との間の隅部内まで届くようになり、天井材の表面に凹部があってもその凹部内にも透過光が届き、このことにより廻り縁の覆い部と天井材との隅部や、天井材表面の凹部に影が生じなくなる。
【0014】
そして、廻り縁カバーは、廻り縁の覆い部に取り付けられるので、廻り縁はそのままにしてその構造を変えることなく、その廻り縁に廻り縁カバーを取り付けるだけで上記の影防止効果が得られる。そのため、影防止効果を有する専用の廻り縁に付け代える必要はなく、既存の廻り縁に容易に影防止効果を発現させることができる。
【0015】
特に、天井面に発生する黒い影は、天井部を施工して初めて判ることが多いので、そのような場合でも後付け部品として、上記のような廻り縁カバーがあれば大変有利となる。
【0016】
尚、廻り縁カバー全体(取付部及びカバー部)を透明ないし半透明の材料とすれば、同じ材料で取付部及びカバー部を製造すればよく、廻り縁カバーを低コストで容易に製造することができる。
【0017】
第2の発明は、第1の発明の廻り縁カバーにおいて、その取付部は、廻り縁の帯板状の覆い部に外嵌合して取り付けられる係合凹溝が上面に設けられた弾性変形可能な断面コ字状の板状体からなる。上記係合凹溝の内幅は廻り縁の覆い部の外幅よりも小さくて、該係合凹溝内に廻り縁の覆い部が嵌合されたときに取付部が弾性変形して該廻り縁の覆い部に取り付けられるように構成されている。また、上記係合凹溝の対向する側壁のうち壁部と反対側の側壁によりカバー部が構成されていることを特徴とする。
【0018】
この第2の発明では、取付部は断面コ字状の板状体で、その上面に設けられている係合凹溝の一方の側壁でカバー部が構成されており、カバー部と取付部の一部とを兼用することができる。
【0019】
また、係合凹溝の内幅は廻り縁の覆い部の外幅よりも小さいので、係合凹溝内に廻り縁の覆い部が嵌合されたときに取付部が弾性変形して廻り縁の覆い部に取り付けられる。このような取付構造により、廻り縁カバーを既存の廻り縁に押し付けるだけで、取付部の弾性変形により取り付けることができ、接着剤による接着や両面テープによる貼付け等に比べて、その取付けをワンタッチで簡単かつ容易に行うことができる。
【0020】
第3の発明は、第1又は第2の発明の廻り縁カバーにおいて、少なくともカバー部は半透明材料であることを特徴とする。半透明材料とは、例えば透光率が100%未満のものをいう。
【0021】
この第3の発明では、廻り縁カバーの少なくともカバー部は半透明材料であるので、仮に天井材と廻り縁との間、或いは廻り縁内に接着剤の染み出し部や異物(埃や塵)が付着していてもそれらを隠蔽することができ、天井下地等も隠蔽されて目立ち難くなる。
【0022】
また、取付部も半透明にすれば、半透明の廻り縁カバー自体が独立して見えるようになり、透明の廻り縁カバーでは得られない独特の意匠感を出すこともできる。
【0023】
また、天井材の施工時の精度の関係で、その断面の位置が廻り縁の覆い部やその天井材との隅部内になったときでも、その断面をカバー部によって目立ち難くして、現出する度合いを緩和することができる。
【0024】
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つの廻り縁カバーにおいて、廻り縁カバーのカバー部の外面は、下側に向かって壁部側に向かうように傾斜していることを特徴とする。ここで、「傾斜している外面」とは平面状に傾斜しているだけでなく、円弧面となって傾斜しているものも含んでいる。
【0025】
この第4の発明では、カバー部の外面が傾斜しているので、この外面が壁部と天井部とで囲まれる室内等の空間に対面し、廻り縁に入射された光が廻り縁カバーのカバー部に外面からスムーズに透過するようになり、廻り縁の覆い部と天井材との隅部や凹部での影の発生をより有効に防ぐことができる。
【0026】
第5の発明は、第1~第4の発明のいずれか1つ廻り縁カバー廻り縁に取り付けられる廻り縁カバー取付構造であって、この構造では、廻り縁は、天井下地に取り付けられるベース部材と、該ベース部材に取り付けられるカバー部材とを備え、カバー部材は、天井材の端部をベース部材との間で挟み込む帯板状の覆い部を有し、廻り縁カバーの取付部は上記カバー部材の覆い部に取り付けられていることを特徴とする。
【0027】
この第5の発明では、廻り縁の施工状態では、そのベース部材が天井下地に取り付けられ、このベース部材にカバー部材が取り付けられると、カバー部材の帯板状の覆い部とベース部材との間に天井材の端部が挟み込まれ、その覆い部と天井材との間に隅部が形成される。この廻り縁の覆い部に廻り縁カバーが取り付けられることで、廻り縁カバーのカバー部が覆い部と天井材との間の隅部内に配置される。この場合も、第1の発明と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によると、天井材の端部を覆い部により覆う廻り縁に対し、その覆い部に取り付けられる廻り縁カバーを設け、廻り縁カバーの少なくともカバー部を透明ないし半透明材料にして廻り縁の覆い部と天井材との間の隅部内に配置するようにしたことにより、既存の廻り縁に廻り縁カバーを取り付けるだけで、廻り縁の覆い部と天井材との隅部や天井材表面の凹部に影が生じるのを防ぐことができ、簡単な構造で廻り縁周りの影防止効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、実施形態1において廻り縁に廻り縁カバーを取り付けた状態を示す断面図である。
図2図2は、施工された廻り縁に廻り縁カバーを取り付けた状態を示す断面図である。
図3図3は、廻り縁カバーの拡大断面図である。
図4図4は、廻り縁カバーの斜視図である。
図5図5は、実施形態2を示す図2相当図である。
図6図6は、実施形態3を示す図2相当図である。
図7図7は、実施形態4を示す図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0031】
[実施形態1]
図1及び図2は本発明の実施形態1を示し、Wは建物の室内の壁部、W1はその壁下地、Cは室内の天井部、C1はその天井下地であり、壁下地W1には壁材W2が、また天井下地C1には天井材C2(天井板)がそれぞれ施工されている。このような壁部Wと天井部Cとの納まり部に廻り縁Aが施工されている。天井材C2は、下面に凹凸模様があるもの又はないものが用いられる。
【0032】
(廻り縁)
上記廻り縁Aについて説明する。この廻り縁Aは、天井下地C1に取り付けられるベース部材1と、該ベース部材1に取り付けられるカバー部材10とを備えている。これらは同じ長さの押出し成形樹脂製の長尺材であり、ベース部材1は例えばABS樹脂からなり、カバー部材10は例えばPVC樹脂からなっている。
【0033】
ベース部材1は帯板状の基部2を備え、この基部2は壁部Wに対し接離する方向を幅方向として幅の広い板状のものであり、この基部2の幅方向一側の上面に例えば両面テープ7(図1のみに示す)が貼り付けられている。基部2の幅方向略中央位置の下面には板状の支持部3が垂下するように一体に突設され、この支持部3の下半部は、例えば下側に向かって壁部Wから離れる側に向かうように傾斜し、この傾斜部分の一側面(壁部W側の面)の上端部には段差状の係合部4が形成されている。また、傾斜部分上側にある上半部の他側面(壁部Wと反対側の面)には水平に突出する位置決めストッパ部5が一体に突設されている。
【0034】
一方、上記カバー部材10は、天井部Cに施工される天井材C2の端部を覆うための覆い部11を有する。覆い部11は、壁部Wに対し接離する方向を幅方向とした水平方向に延びる帯板状のもので、下面は水平の平面となっている。覆い部11の幅方向の一側端(壁部W側の端部)には、上側に向かって延びる外側縦壁部12が、また覆い部11の幅方向略中央位置には、上側に向かって外側縦壁部12と平行に延びる内側縦壁部13がそれぞれ一体に形成され、両縦壁部12,13と覆い部11の一側部とが断面コ字状に連続している。これらにより、両縦壁部12,13を溝側壁としかつ覆い部11の一側部を底壁として上側に開口する係合溝14が形成されている。係合溝14内の両側面のうち、外側縦壁部12側の側面には段差状の係止部15が形成されている一方、内側縦壁部13側の側面には、断面半円状の突出部16が一体に突設されている。外側縦壁部12の上端は水平に延びる水平部17に直角に折れ曲がって連続している。
【0035】
覆い部11の他側(壁部Wと反対側)は係合溝14の底部の位置よりも水平に突出し、その先端部は上方に向かって直角に折れ曲がった後に取付部側に向かって直角に折れ曲がり、先端部の上端は水平面で、この先端部には鉛直方向に沿った縦面11aが形成されている。
【0036】
そして、図2に示すように、ベース部材1の基部2の上面に貼り付けられている両面テープ7で基部2を天井下地C1に貼り付け、ビスVを基部2の幅方向他側に貫通させて天井下地C1に打ち込むことで、ベース部材1が天井下地c1の所定位置に取り付けられる。天井材C2を天井下地C1に施工し、その天井材C2の端部をベース部材1の基部2下面に配置した後、カバー部材10を上側に押し上げてベース部材1側に移動させ、カバー部材10の係合溝14内にベース部材1の支持部3を嵌合し、係合溝14内の係止部15をベース部材1の係合部4に係合させ、かつ突出部16を支持部3の傾斜部分の他側面に圧接させることで、カバー部材10がベース部材1に係止された状態で取り付けられる。その取付状態では、水平部17はベース部材1の基部2の幅方向一側部下面に重なり、内側縦壁部13の上端がベース部材1の位置決めストッパ部5に規制されてカバー部材10の上側移動が規制される。また、カバー部材10は、帯板状の覆い部11で天井材C2の端部をベース部材1との間で挟み込み、覆い部11の先端部の上端の水平面を天井材C2の端部下面に当接させ、先端部の縦面11aと天井材C2の端部下面とによって隅部Dが形成される。
【0037】
このような廻り縁Aに、本発明の実施形態に係る廻り縁カバーBが取り付けられており、廻り縁Aと、その廻り縁Aに取り付けられた廻り縁カバーBとによって廻り縁カバー取付構造が形成されている。
【0038】
(廻り縁カバー)
上記廻り縁カバーBは、廻り縁Aの覆い部11に下側から取り付けられる長尺の押出し成形材で、廻り縁Aと同じ長さを有し、全体として断面コ字状のものとなっている。具体的には、廻り縁カバーBは、廻り縁Aの覆い部11に取り付けられる断面コ字状の取付部20と、この取付部20に一体形成されたカバー部23とを備え、これら取付部20及びカバー部23(廻り縁カバーBの全体)は弾性変形可能な材料からなる。
【0039】
取付部20は長尺の板材で、その上面には係合凹溝21が取付部20の長さ方向の全体に亘り連続して形成されている。この係合凹溝21は内底部が平面とされた凹溝で、その係合凹溝21の内幅(内側面間の幅)は上記廻り縁Aの覆い部11の外幅(外側縦壁部12外面と覆い部11先端部の縦面11aとの間の寸法)よりも僅かに小さく、溝深さは覆い部11の先端部(その縦面11a)の高さと略同じとなっており、このような取付部20を弾性変形させながら係合凹溝21を廻り縁Aの覆い部11に外嵌合することで、この覆い部11に取り付けられるようになっている。
【0040】
また、図示しないが、上記取付部20が廻り縁Aの覆い部11に取り付けられていない状態では、係合凹溝21の対向する2つの側壁のうち覆い部11の基端側に対応する図1及び図2で右側の側壁(壁部W側に位置する側壁)と、この側壁に対応した位置にある、覆い部11の外側縦壁部12との関係は、後者の覆い部11の外側縦壁部12が上下方向(鉛直方向)に延びているのに対し、前者の側壁は、上側に向かって係合凹溝21の内側に少しの角度(例えば2~3°)だけ傾斜し、このことで係合凹溝21の開口側の幅が溝内底部の幅よりも僅かに狭くなっており、係合凹溝21に覆い部11が嵌合されたときに、取付部20の覆い部11基端側の上記側壁を覆い部11の外側縦壁部12に圧接状態で密着させて、取付部20を覆い部11から外れ難くするようにしている。このようにして側壁を傾斜させる場合、側壁の全体ではなく、その内側面(係合凹溝21の溝内側面)だけを傾斜させた傾斜面とすることもできる。
【0041】
尚、このような嵌合による固定構造だけでなく、両面テープや接着剤による固定を併用してもよい。
【0042】
また、上記カバー部23は、廻り縁カバーBの取付部20に一体に形成されている。このカバー部23は、取付部20において、係合凹溝21の対向する2つの側壁のうち覆い部11の先端側に対応する側壁(壁部Wと反対側に位置する側壁)で構成されている。係合凹溝21と廻り縁Aの覆い部11との嵌合により廻り縁カバーBの取付部20が廻り縁Aに取り付けられたときに、カバー部23は、その上端面が廻り縁Aの覆い部11の先端部上端の水平面と面一になって並び、この廻り縁Aの覆い部11と該覆い部11が覆う天井材C2との間の隅部D内に充填されるように配置される。カバー部23の外面23aは、下側に向かって壁部W側に向かうように傾斜している。具体的には、この外面23aは外側に膨らむ円弧面となって傾斜している。尚、カバー部23の外面23aは、平面状に傾斜した傾斜平面であってもよい。
【0043】
そして、上記取付部20及びカバー部23は、透光率100%の透明材料、ないしは透光率100%未満の半透明(すりガラス状)の材料からなり、望ましくは半透明の材料からなる。この廻り縁カバーB(取付部20及びカバー部23)の材料として、例えば塩化ビニル樹脂、ABS、PP、PE、アクリル樹脂等が用いられる。尚、上記取付部20及びカバー部23は共に透明ないし半透明の材料にする必要はなく、カバー部23のみが透明ないし半透明の材料で、取付部20は不透明材料であってもよい。
【0044】
したがって、この実施形態においては、建物の壁部Wと天井部Cとの納まり部に廻り縁Aが施工されているとき、その廻り縁Aの天井材C2端部を覆っている覆い部11に廻り縁カバーBの取付部20が取り付けられる。すなわち、廻り縁カバーBの取付部20は断面コ字状のもので弾性変形可能な材料からなり、その上面には上側に開放されている係合凹溝21が形成されている。この係合凹溝21の内幅は廻り縁Aの覆い部11の外幅よりも少し小さいので、廻り縁カバーBの取付部20を廻り縁Aに押し付けて、係合凹溝21の開口が少し拡がるように取付部20を変形させながら、その内部に廻り縁Aの覆い部11を嵌合させると、この取付部20の弾性変形により覆い部11が係合凹溝21に押し込まれるように嵌合し、廻り縁Aの覆い部11に廻り縁カバーBが取り付けられて固定される。このような取付構造により、廻り縁カバーBを廻り縁Aに押し付けるだけで、取付部20の弾性変形により取り付けることができるようになり、接着剤による接着や両面テープによる貼付け等に比べて、その取付けをワンタッチで簡単かつ容易に行うことができる。
【0045】
そして、廻り縁カバーBの取付部20にはカバー部23が一体に形成され、このカバー部23は、取付部20において、係合凹溝21の対向する2つの側壁のうち覆い部11の先端側に対応する側壁(壁部Wと反対側に位置する側壁)で構成されているので、上記のように廻り縁カバーBが廻り縁Aへ取り付けられた状態では、カバー部23は、廻り縁Aの覆い部11先端部にある縦面11aと、覆い部11が覆う天井材C2との間の隅部D内に充填されるように配置される。廻り縁カバーBの取付部20及びカバー部23は透明ないし半透明の材料であるので、廻り縁Aに入射された光は廻り縁カバーBのカバー部23をそのままを透過して、廻り縁Aの覆い部11と天井材C2との間の隅部D内まで届くようになる。そのため、表面に凹凸模様による凹部がなくて平滑面の表面を有する天井材C2である場合に、透過光が隅部D内の天井材C2の表面に届くのは勿論のこと、表面に凹凸模様による凹部がある天井材C2であっても、隅部D内に届いた透過光が隅部D内に位置する凹部にも届くようになる。このことにより廻り縁Aの覆い部11と天井材C2との隅部Dや、天井材C2表面の凹部内に影が生じなくなり、見映え上の違和感が生じることはない。
【0046】
しかも、上記廻り縁カバーBのカバー部23の外面23aが傾斜しているので、この外面23aが壁部Wと天井部Cとで囲まれる室内等の空間に対面し、廻り縁Aに入射された光が廻り縁カバーBのカバー部23に外面23aからスムーズに透過するようになり、廻り縁Aの覆い部11と天井材C2との隅部Dや凹部での影の発生をより有効に防ぐことができる。
【0047】
そして、廻り縁カバーBは、廻り縁Aの覆い部11に取り付けられるので、廻り縁Aはそのままでその構造を変えることなく、その廻り縁Aに取り付けるだけで上記の影防止効果が得られることになる。そのため、影防止効果を有する専用の廻り縁に付け代える必要はなく、既存の廻り縁Aに容易に影防止効果を発現させることができる。
【0048】
特に、天井部Cに発生する黒い影は、室内光や窓からの光、天候等の様々変化により、その天井部Cを実際に施工して初めて判る(気付く)ことが多く、そのような場合でも、本実施形態に係る廻り縁カバーBを後付け部品として用いれば大変有利となる。
【0049】
また、廻り縁カバーB全体(取付部20及びカバー部23)が透明ないし半透明の同一材料であるので、同じ材料で取付部20及びカバー部23を製造すればよく、廻り縁カバーBを低コストで容易に製造することができる。
【0050】
さらに、上記廻り縁カバーBは、取付部20に係合凹溝21が設けられ、その係合凹溝21の一方の側壁部でカバー部23が構成されていることから、カバー部23を取付部20の一部で兼用することができる。
【0051】
さらに、廻り縁カバーBの取付部20及びカバー部23が半透明材料であると、仮に天井材C2と廻り縁Aとの間、或いは廻り縁A内に接着剤の染み出し部や異物(埃や塵)が付着していてもそれらを隠蔽することができ、天井下地C1等も隠蔽されて目立ち難くなる。また、半透明の廻り縁カバーB自体が独立して見えるようになり、透明の廻り縁カバーBでは得られない独特の意匠感を出すこともできる。さらに、天井材C2の施工時の精度の関係で、その断面の位置が廻り縁Aの覆い部11やその天井材C2との隅部D内になったときでも、その断面をカバー部23によって目立ち難くして、現出度合いを緩和することができる。
【0052】
[実施形態2]
図5は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、異なるタイプの廻り縁A1に廻り縁カバーBを取り付けるようにしたものである。
【0053】
廻り縁A1は実施形態1のものと異なり、実施形態1のようにベース部材1とカバー部材10とを組み合わせたものではなく、両者が一体となった構造を有する。具体的には、廻り縁A1は、天井下地C1に両面テープやビスV等で取り付けられる帯板状の基部2と、この基部2の幅方向中間部て壁部W2寄りの位置に垂下するように突設された支持部3と、この支持部3の下端に連続し、支持部3の下端から壁部Wと離れる方向に水平に延びる帯板状の覆い部11とが一体に形成されたもので、例えば押出成形された樹脂材からなる。覆い部11は実施形態1と同様のもので、その先端部は上方に向かって直角に折れ曲がった後に支持部3側に向かって直角に折れ曲がり、先端部の上端は水平面で、この先端部には鉛直方向に沿った縦面11aが形成され、縦面11aの高さは例えば3mmとされている。
【0054】
尚、実施形態1とは異なり、廻り縁A1は、壁下地W1に壁材W2が施工された状態で、その壁材W2の表面に基部2の幅方向端部が当接するように天井下地C1に取り付けられる。
【0055】
一方、廻り縁カバーBは実施形態1のものと同じであり、廻り縁A1の覆い部11に下側から取り付けられる長尺の押出し成形材で、廻り縁A1と同じ長さを有し、全体として断面コ字状である。すなわち、廻り縁カバーBは、廻り縁A1の覆い部11に取り付けられる断面コ字状の取付部20と、この取付部20に一体形成されたカバー部23とを備え、これら取付部20及びカバー部23(廻り縁カバーBの全体)は弾性変形可能な材料からなる。
【0056】
上記取付部20の上面には係合凹溝21が取付部20の長さ方向の全体に亘り連続して形成されている。この係合凹溝21の内幅は廻り縁A1の覆い部11の外幅よりも僅かに小さく、溝深さは覆い部11の先端部(その縦面11a)の高さと略同じとなっており、この取付部20を弾性変形させながら係合凹溝21を廻り縁A1の覆い部11に外嵌合することで、この覆い部11に取付部20が取り付けられる。尚、この嵌合による固定構造だけでなく、両面テープや接着剤による固定を併用してもよい。
【0057】
また、カバー部23は取付部20に一体に形成されている。このカバー部23は、取付部20において、係合凹溝21の対向する2つの側壁のうち覆い部11の先端側に対応する側壁で構成されている。係合凹溝21と廻り縁A1の覆い部11との嵌合により廻り縁カバーBの取付部20が廻り縁A1に取り付けられたときに、カバー部23は、廻り縁A1の覆い部11と該覆い部11が覆う天井材C2との間の隅部D内に充填されるように配置される。
【0058】
上記取付部20及びカバー部23は、透光率100%の透明材料、ないしは透光率100%未満の半透明の材料からなり、望ましくは半透明の材料からなる。取付部20及びカバー部23は共に透明ないし半透明の材料にする必要はなく、カバー部23のみが透明ないし半透明の材料で、取付部20は不透明材料であってもよい。
【0059】
この実施形態の他の構成は実施形態1と同じである。従って、この実施形態2でも実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0060】
[実施形態3]
図6は実施形態3を示し、別のタイプの廻り縁A2に廻り縁カバーB1を取り付けるようにしたものである。
【0061】
この実施形態の廻り縁A2は、実施形態2の廻り縁A1の基部2のうち支持部3よりも壁部W側を取り除いた構造のものである。つまり、支持部3は基部2の幅方向端部のうちの壁部W側の端部から垂下され、その支持部3の下端に水平方向の覆い部11が連続しており、廻り縁A2は全体として断面コ字状とされている。この廻り縁A2は、実施形態2と同様に、壁下地W1に壁材W2が施工された状態で、その壁材W2の表面に支持部3の外側面が当接するように天井下地C1に取り付けられる。
【0062】
一方、廻り縁カバーB1は、廻り縁A2の覆い部11に下側から取り付けられる長尺の押出し成形材で、廻り縁A2と同じ長さを有するが、実施形態1(実施形態2)のものと異なり、全体として断面L字状である。具体的に、廻り縁カバーB1は、廻り縁A2の覆い部11に取り付けられる断面L字状の取付部20と、この取付部20に一体形成されたカバー部23とを備えている。実施形態1や実施形態2と異なり、これら取付部20及びカバー部23(廻り縁カバーB1の全体)が弾性変形可能な材料からなるものとすることは必須でなく、弾性変形しない材料であってもよい。
【0063】
上記取付部20の上面には、その上面を上方及び壁部W側に開放されるように段差状に切り欠いた係合段部22が取付部20の長さ方向の全体に亘り連続して形成されている。この係合段部22の水平方向の幅は廻り縁A2の覆い部11の外幅と同じで、上下方向の深さは覆い部11の先端部(その縦面11a)の高さと略同じとなっており、取付部20は廻り縁A2の覆い部11に対し、係合段部22を覆い部11に嵌合(係合)することで取り付けられ、その状態では係合段部22の内側角部が覆い部11の先端部の下側角部に一致するように嵌合される。この取付固定は、両面テープや接着剤によって固定される。
【0064】
カバー部23は取付部20に一体に形成されている。このカバー部23は、取付部20において、係合段部22の壁部Wと反対側に位置していて覆い部11の先端側に対応する側壁で構成されている。係合段部22と廻り縁A2の覆い部11との嵌合により廻り縁カバーB1の取付部20が廻り縁A2に取り付けられたときに、カバー部23は、廻り縁A2の覆い部11と該覆い部11が覆う天井材C2との間の隅部D内に充填されるように配置される。
【0065】
取付部20及びカバー部23は、透光率100%の透明材料、ないしは透光率100%未満の半透明の材料からなり、望ましくは半透明の材料からなる。取付部20及びカバー部23は共に透明ないし半透明の材料にする必要はなく、カバー部23のみが透明ないし半透明の材料で、取付部20は不透明材料であってもよい。
【0066】
この実施形態の他の構成は実施形態2と同じである。従って、この実施形態3でも実施形態2と同様の作用効果を奏する。
【0067】
[実施形態4]
図7は実施形態4を示し、さらに別のタイプの廻り縁A3に廻り縁カバーB2を取り付けるようにしたものである。
【0068】
この実施形態の廻り縁A3は、実施形態3の廻り縁A2の覆い部11のみが異なる構造とされている。つまり、支持部3の下端に覆い部11が連続していることで、廻り縁A3は全体として断面コ字状とされているが、覆い部11は実施形態3のものとは異なり、その先端部には実施形態1~3のような折れ曲がり部分がなく、先端部は他の部分と同じ厚さの板状の端部となっている。このことで、先端部の上面は水平面となり、この先端部に鉛直方向に沿った縦面11aが形成され、縦面11aの高さ(板厚)は例えば1mmとされている。
【0069】
一方、廻り縁カバーB2は、実施形態3と同様に、廻り縁A3の覆い部11に下側から取り付けられる長尺の押出し成形材で、廻り縁A3と同じ長さを有し、実施形態3のものと同様に全体として断面L字状である。このことで、廻り縁カバーB2は、廻り縁A3の覆い部11に取り付けられる断面L字状の取付部20と、この取付部20に一体形成されたカバー部23とを備えている。これら取付部20及びカバー部23(廻り縁カバーB2の全体)は弾性変形可能な材料又は弾性変形不可能な材料のいずれであってもよい。
【0070】
取付部20の上面に係合段部22が形成され、この係合段部22を廻り縁A3の覆い部11に嵌合(係合)することで、取付部20が覆い部11に取り付けられる。この取付固定は、両面テープや接着剤によって固定される。
【0071】
カバー部23は、廻り縁カバーB2の取付部20に一体に形成されている。このカバー部23は、取付部20において、係合段部22の壁部Wと反対側に位置していて覆い部11の先端側に対応する側壁で構成されており、係合段部22と廻り縁A3の覆い部11との嵌合により廻り縁カバーB2の取付部20が廻り縁A3に取り付けられたときに、カバー部23は、廻り縁A3の覆い部11と該覆い部11が覆う天井材C2との間の隅部D内に充填されるように配置される。そして、実施形態3とは異なり、その実施形態3に比べ、廻り縁A3における覆い部11の先端部の縦面11aの高さが低い分だけ、カバー部23の高さも小さくなっている。
【0072】
この実施形態の他の構成は実施形態3と同じである。従って、この実施形態4でも実施形態3と同様の作用効果を奏する。
【0073】
[その他の実施形態]
上記各実施形態では、廻り縁カバーB,B1,B2におけるカバー部23の外面23aを傾斜させているが、この外面23aを傾斜させる構造は必須でなく、鉛直方向に沿った鉛直面とすることもできる。
【0074】
また、上記実施形態1,2では、廻り縁カバーBの取付部20に係合凹溝21を形成して、取付部20を断面コ字状とし、その係合凹溝21に廻り縁Aの覆い部11を嵌合して、廻り縁カバーBを廻り縁Aに取り付けるとともに、係合凹溝21の一方の側壁をカバー部23としている。また、実施形態3,4では、廻り縁カバーB1,B2の取付部20に係合段部22を形成して、取付部20を断面L字状とし、その係合段部22に廻り縁Aの覆い部11を嵌合(係合)して、廻り縁カバーBを廻り縁Aに取り付けるとともに、係合段部22の側壁をカバー部23としている。しかし、廻り縁や廻り縁カバーは、上記実施形態の形状や構造、構成に限定されない。廻り縁の構造や形状はどのようなものでもよい。また、その廻り縁に取り付けられる廻り縁カバーは、廻り縁に取り付けられる部分としての取付部20と、この取付部20に一体形成され、廻り縁の覆い部11及び天井材C2の隅部D内に配置される部分としてのカバー部23とを備えた構成でありさえすればよく、他の形状や構造のものを採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、既存の廻り縁への取付けによって廻り縁の覆い部と天井材との間の隅部や天井材表面の凹部に影が生じるのを防ぎ、簡単な構造で廻り縁周りの影防止効果を得ることができるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0076】
W 壁部
C 天井部
C2 天井材
A,A1~A3 廻り縁
1 ベース部材
10 カバー部材
11 覆い部
11a 縦面
D 隅部
B,B1,B2 廻り縁カバー
20 取付部
21 係合凹溝
22 係合段部
23 カバー部
23a 外面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7