(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20231221BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20231221BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20231221BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M50/50 201Z
H01M50/291
H01M50/55
H01M50/548
H01M50/588
H01M50/593
(21)【出願番号】P 2022092786
(22)【出願日】2022-06-08
(62)【分割の表示】P 2019568958の分割
【原出願日】2019-01-10
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2018013630
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛正
(72)【発明者】
【氏名】小林 由樹
【審査官】梅野 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-050171(JP,A)
【文献】特開2014-078371(JP,A)
【文献】国際公開第2017/061311(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/073443(WO,A1)
【文献】特開2014-110219(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068704(WO,A1)
【文献】特開2009-146797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20
H01M50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に重ねられた複数の電池セルであって、極性が異なるリード端子の双方が各電池セルの長さ方向における両端のうちの一方側に設けられている複数の電池セルと、
前記一方向に隣り合うリード端子の間に位置する緩衝部材と、
前記一方向に並ぶ複数の前記緩衝部材を互いに連結する連結部材と、
を備え、
前記一方向に隣り合うリード端子の一方の少なくとも一部分と、前記一方向に隣り合うリード端子の他方の少なくとも一部分と、が、前記緩衝部材の前記複数の電池セルの外側を向いた面において重なって
おり、
前記連結部材は、前記一方向に隣り合うリード端子の前記一方の前記少なくとも一部分と、前記一方向に隣り合うリード端子の前記他方の前記少なくとも一部分と、の前記複数の電池セルの外側を向いた面を覆っている、電池モジュール。
【請求項2】
前記複数の電池セルは、第1電極、第2電極及びセパレータをそれぞれ含む複数の積層体と、前記複数の積層体をそれぞれ収容する複数の外装体と、をそれぞれ有し、
前記複数の電池セルは、前記一方向に並ぶ前記複数の積層体を有する第1領域と、前記一方向に並ぶ前記複数の緩衝部材を有する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域の間の第3領域と、を有し、
前記第3領域では、隣り合う外装体の間に隙間が画定されている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルと、前記複数の電池セルのうちの他の少なくとも1つの電池セルと、を互いに隔てるスペーサ部材をさらに備え、
前記スペーサ部材は、前記複数の電池セルのいずれのリード端子よりも前記複数の電池セルの外側に突出した部分を有する、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
一方向に重ねられた複数の電池セルであって、極性が異なるリード端子の一方及び他方が各電池セルの長さ方向における両端のうちの一方側及び他方側にそれぞれ設けられた複数の電池セルと、
前記一方向に隣り合うリード端子の間に位置する緩衝部材と、
前記一方向に並ぶ複数の前記緩衝部材を互いに連結する連結部材と、
を備え、
前記一方向に隣り合うリード端子の一方の少なくとも一部分と、前記一方向に隣り合うリード端子の他方の少なくとも一部分と、が、前記緩衝部材の前記複数の電池セルの外側を向いた面において重なって
おり、
前記連結部材は、前記一方向に隣り合うリード端子の前記一方の前記少なくとも一部分と、前記一方向に隣り合うリード端子の前記他方の前記少なくとも一部分と、の前記複数の電池セルの外側を向いた面を覆っている、電池モジュール。
【請求項5】
前記複数の電池セルは、第1電極、第2電極及びセパレータをそれぞれ含む複数の積層体と、前記複数の積層体をそれぞれ収容する複数の外装体と、をそれぞれ有し、
前記複数の電池セルは、前記一方向に並ぶ前記複数の積層体を有する第1領域と、前記一方向に並ぶ前記複数の緩衝部材を有する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域の間の第3領域と、を有し、
前記第3領域では、隣り合う外装体の間に隙間が画定されている、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記複数の電池セルのうちの少なくとも1つの電池セルと、前記複数の電池セルのうちの他の少なくとも1つの電池セルと、を互いに隔てるスペーサ部材をさらに備え、
前記スペーサ部材は、前記複数の電池セルのいずれのリード端子よりも前記複数の電池セルの外側に突出した部分を有する、請求項4又は5に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非水電解液二次電池、特に、リチウムイオン二次電池が開発されている。リチウムイオン二次電池では、積層された複数の電池セルによって電池モジュールが構成されることがある。各電池セルは、正極、負極、セパレータ及び外装材を含んでいる。正極、負極及びセパレータは、積層体を構成しており、隣り合う正極及び負極がセパレータによって互いに隔てられるように積層されている。積層体は、外装材によって包まれている。
【0003】
特許文献1には、電池モジュールの一例が記載されている。この電池モジュールでは、複数の正極のそれぞれからタブが突出しており、互いに溶接されたタブによって正極リード端子が構成されており、複数の負極のそれぞれからタブが突出しており、互いに溶接されたタブによって負極リード端子が構成されている。正極リード端子及び負極リード端子は、外装材の端部から突出しており、隣り合う外装材の端部の間には、緩衝部材が設けられている。
【0004】
特許文献2には、電池モジュールの一例が記載されている。この電池モジュールでは、隣り合う電池セルの間に絶縁シートが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-51121号公報
【文献】特開2003-323883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電池モジュールでは、リード端子が設けられてリード端子の一端が電池セルの内部部材(例えば、積層体)に対向するようにされることがある。本発明者は、衝撃によってリード端子が電池セルの内部部材へ突き刺さるおそれがあることを見出した。
【0007】
本発明の目的は、リード端子の電池セルの内部部材への突き刺さりを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
複数の第1リード端子をそれぞれ有し、各第1リード端子が一方向に並ぶように重ねられた複数の電池セルと、
前記一方向に並んでおり、隣り合う第1リード端子をそれぞれ隔てる複数の緩衝部材と、
前記一方向に沿って前記複数の緩衝部材に亘って延びており、前記複数の緩衝部材を互いに連結する連結部材と、
を備える電池モジュールが提供される。
【0009】
本発明によれば、
第1リード端子をそれぞれ有し、各第1リード端子が一方向に並ぶように重ねられた複数の電池セルと、
前記複数の電池セルのうちの第1群の電池セルと第2群の電池セルを互いに隔てるスペーサ部材と、
を備え、
前記スペーサ部材は、前記複数の電池セルのいずれの第1リード端子よりも前記複数の電池セルの外側に突出した部分を有する電池モジュールが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リード端子の電池セルの内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0012】
【
図1】実施形態1に係る電池モジュールの斜視図である。
【
図4】
図1から
図3に示した電池モジュールの動作の一例を説明するための図である。
【
図5】実施形態2に係る電池モジュールの斜視図である。
【
図6】
図5に示した電池モジュールを
図5とは反対側から見た斜視図である。
【
図9】実施形態3に係る電池モジュールの斜視図である。
【
図10】
図9に示した電池モジュールに用いられているスペーサ部材の斜視図である。
【
図13】実施形態4に係る電池パックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る電池モジュール12の斜視図である。
図2は、
図1のA-A断面図である。
図3は、
図1のB-B断面図である。なお、電池モジュール12は、例えば、後述する
図13又は
図14に示すケース400内に収容されるようにしてもよい。ケース400内には不図示の回路基板も収容される場合がある。
【0015】
図2を用いて、電池モジュール12の概要を説明する。電池モジュール12は、複数の電池セル10、複数の緩衝部材210及び連結部材220を備えている。複数の電池セル10は、複数の第1リード端子114をそれぞれ有している。複数の電池セル10は、各第1リード端子114が一方向(図内のZ方向)に並ぶように重ねられている。複数の緩衝部材210は、上述した一方向(図内のZ方向)に並んでいる。複数の緩衝部材210は、隣り合う第1リード端子114をそれぞれ隔てている。連結部材220は、上述した一方向(図内のZ方向)に沿って複数の緩衝部材210に亘って延びており、複数の緩衝部材210を互いに連結している。
【0016】
上述した構成によれば、第1リード端子114の電池セル10の内部部材(例えば、後述する積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。具体的には、上述した構成においては、連結部材220は、一方向(図内のZ方向)に沿って複数の緩衝部材210に亘って延びており、複数の緩衝部材210を互いに連結している。したがって、電池モジュール12に大きな衝撃が加わっても、
図4を用いて後述するように、複数の第1リード端子114は、電池セル10の内部に向けて移動するよりも、複数の緩衝部材210の配列方向(図内のZ方向)に沿って折れ曲がりやすくなっている。したがって、第1リード端子114の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0017】
本実施形態においては、
図3に示すように、複数の電池セル10は、複数の第2リード端子124をそれぞれ有している。第2リード端子124は、第1リード端子114とは異なる極性を有している。複数の電池セル10は、各第2リード端子124が一方向(図内のZ方向)に並ぶように重ねられている。複数の緩衝部材210は、上述した一方向(図内のZ方向)に並んでいる。複数の緩衝部材210は、隣り合う第2リード端子124をそれぞれ隔てている。連結部材220は、上述した一方向(図内のZ方向)に沿って複数の緩衝部材210に亘って延びており、複数の緩衝部材210を互いに連結している。
【0018】
上述した構成によれば、第1リード端子114について上述した理由と同様にして、第2リード端子124の電池セル10の内部部材(例えば、後述する積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。
【0019】
図1から
図3を用いて、電池モジュール12の詳細を説明する。
【0020】
電池モジュール12は、複数の電池セル10、複数の緩衝部材210及び複数の連結部材220(連結部材222及び連結部材224)を備えている。
【0021】
各電池セル10は、積層体100、複数の第1タブ112、第1リード端子114、複数の第2タブ122、第2リード端子124及び外装体150を有している。
【0022】
積層体100は、複数の第1電極110、複数の第2電極120及び複数のセパレータ130を有している。第1電極110及び第2電極120は、互いに異なる極性を有しており、一例において、第1電極110及び第2電極120はそれぞれ正極及び負極であり、他の例において、第1電極110及び第2電極120はそれぞれ負極及び正極であってもよい。複数の第1電極110及び複数の第2電極120は、交互に重ねられており、複数のセパレータ130は、隣り合う第1電極110と第2電極120を互いに隔てている。
【0023】
複数の第1タブ112は、積層体100から突出しており、第1リード端子114に束ねられている。複数の第1タブ112は、複数の第1電極110にそれぞれ接続している。したがって、複数の第1電極110は、複数の第1タブ112をそれぞれ介して、第1リード端子114に電気的に接続することができる。
【0024】
複数の第2タブ122は、積層体100から突出しており、第2リード端子124に束ねられている。複数の第2タブ122は、複数の第2電極120にそれぞれ接続している。したがって、複数の第2電極120は、複数の第2タブ122をそれぞれ介して、第2リード端子124に電気的に接続することができる。
【0025】
外装体150は、積層体100を収容している。外装体150は、例えば、Alフィルムからなる。
【0026】
外装体150は、第1部分150a及び第2部分150bを有している。第1部分150aは、積層体100を挟んでいる。したがって、外装体150の厚さは、第1部分150aにおいて、第1部分150a以外の部分よりも厚くなっている。第2部分150bは、第1部分150aの外側にあって、第1タブ112の一部及び第1リード端子114の一部を挟んでいる。
【0027】
第1リード端子114は、外装体150の内側で複数の第1タブ112に接続する一端及び外装体150の外側に突出した他端を有している。したがって、積層体100の第1電極110は、第1リード端子114を介して、外装体150の外側の部材に電気的に接続することができる。
図2に示す例では、第1リード端子114の当該一端は、積層体100に対向している。
【0028】
第2リード端子124は、外装体150の内側で複数の第2タブ122に接続する一端及び外装体150の外側に突出した他端を有している。したがって、積層体100の第2電極120は、第2リード端子124を介して、外装体150の外側の部材に電気的に接続することができる。
図3に示す例では、第2リード端子124の当該一端は、積層体100に対向している。
【0029】
図1に示す例では、各電池セル10は、第1方向(図内のX方向)に幅を有し、第1方向に直交する第2方向(図内のY方向)に長さを有し、第1方向及び第2方向の双方に直交する第3方向(図内のZ方向)に厚さを有している。
図1に示す例では、各電池セル10の長さ(Y方向)は、各電池セル10の幅(X方向)より大きくなっている。
【0030】
図1から
図3に示す例では、第1リード端子114及び第2リード端子124の双方が各電池セル10の長さ方向(Y方向)における両端のうちの一端側に設けられており、各電池セル10の長さ方向(Y方向)における両端のうちのもう一端側には、リード端子が設けられていない。
【0031】
複数の電池セル10は、一方向(図内のZ方向)に重ねられており、複数の第1リード端子114が一方向(図内のZ方向)に並び、かつ複数の第2リード端子124が一方向(図内のZ方向)に並ぶようになっている。
【0032】
複数の緩衝部材210は、隣り合う第1リード端子114及び隣り合う第2リード端子124を隔てている。
図1から
図3に示す例では、各緩衝部材210は、外装体150のうちの隣り合う第2部分150bの間に位置している。さらに、
図1から
図3に示す例では、各緩衝部材210は、隣り合う第1リード端子114によって挟まれた領域から隣り合う第2リード端子124によって挟まれた領域にかけて延伸している。
【0033】
緩衝部材210は、電池セル10に加わる衝撃を吸収可能な材料(例えば、スポンジ又はゴム)からなる。
【0034】
図2及び
図3に示すように、各緩衝部材210は、第1面210a、第2面210b及び第3面210cを有している。第1面210aは、上述した一方向(図内のZ方向)における一方の側を向いている。第2面210bは、第1面210aの反対側にある。第3面210cは、第1面210aと第2面210bの間にあって複数の電池セル10の外側を向いている。
【0035】
図2に示す例において、複数の電池セル10のうちの隣り合う電池セル10のそれぞれの第1リード端子114は、複数の電池セル10のうちの最下端にある電池セル10の第1リード端子114を除いて、共通の緩衝部材210に沿って折り曲げられている。具体的には、隣り合う電池セル10のうちの一方の電池セル10(第1電池セル)の第1リード端子114は、緩衝部材210(第1緩衝部材)の第1面210a及び第3面210cに沿って延伸する部分を含んでおり、隣り合う電池セル10のうちのもう一方の電池セル10(第2電池セル)の第1リード端子114は、緩衝部材210(第1緩衝部材)の第2面210b及び第3面210cに沿って延伸する部分を含んでいる。
【0036】
図3に示す例において、複数の電池セル10のうちの隣り合う電池セル10のそれぞれの第2リード端子124は、複数の電池セル10のうちの最上端にある電池セル10の第2リード端子124を除いて、共通の緩衝部材210に沿って折り曲げられている。具体的には、隣り合う電池セル10のうちの一方の電池セル10(第1電池セル)の第2リード端子124は、緩衝部材210(第1緩衝部材)の第1面210a及び第3面210cに沿って延伸する部分を含んでおり、隣り合う電池セル10のうちのもう一方の電池セル10(第2電池セル)の第2リード端子124は、緩衝部材210(第1緩衝部材)の第2面210b及び第3面210cに沿って延伸する部分を含んでいる。
【0037】
図2及び
図3に示す例では、複数の緩衝部材210は、隣り合う第1リード端子114に巻かれた緩衝部材210及び隣り合う第2リード端子124に巻かれた緩衝部材210を含んでおり、隣り合う第1リード端子114に巻かれた緩衝部材210及び隣り合う第2リード端子124に巻かれた緩衝部材210が一方向(図内のZ方向)に沿って交互に並んでいる。
【0038】
連結部材222は、第1面222a及び第2面222bを有している。第1面222aは、複数の緩衝部材210に対向しており、
図2に示す例では、複数の電池セル10のうちの最下端にある電池セル10の第1リード端子114を除いて、複数の第1リード端子114を覆っている。第2面222bは、第1面222aの反対側にある。
図2に示す例では、複数の電池セル10のうちの最下端にある電池セル10の第1リード端子114は、連結部材222の第2面222bに沿って延伸する部分を含んでいる。
【0039】
連結部材224は、第1面224a及び第2面224bを有している。第1面224aは、複数の緩衝部材210に対向しており、
図3に示す例では、複数の電池セル10のうちの最上端にある電池セル10の第2リード端子124を除いて、複数の第2リード端子124を覆っている。第2面224bは、第1面224aの反対側にある。
図3に示す例では、複数の電池セル10のうちの最上端にある電池セル10の第2リード端子124は、連結部材222の第2面224bに沿って延伸する部分を含んでいる。
【0040】
連結部材220(連結部材222及び連結部材224)は、例えばテープであり、適当な粘着力、適当な引張強度及び適当な伸びを有する材料からなる。衝撃による連結部材220の破断を防止する観点からすると、連結部材220の引張強度は、ある程度高いこと、例えば100.0N/10mm以上であることが好ましい。
【0041】
複数の電池セル10は、第1領域10a、第2領域10b及び第3領域10cを有している。第1領域10aは、一方向(図内のZ方向)に並ぶ複数の積層体100を有している。第2領域10bは、一方向(図内のZ方向)に並ぶ複数の緩衝部材210を有している。第3領域10cは、第1領域10aと第2領域10bの間にある。第3領域10cでは、隣り合う外装体150の間に隙間230が画定されている。隙間230は、
図4を用いて後述するように第1リード端子114又は第2リード端子124が折れ曲がった場合に緩衝部材210が入り込むためのスペースとして機能する。さらに、隙間230は、外部からの衝撃を緩和するための緩衝領域としても機能する。
【0042】
図4は、
図1から
図3に示した電池モジュール12の動作の一例を説明するための図である。
【0043】
図4に示す例では、電池モジュール12に、例えば落下によって、大きな衝撃が加わっている。このような衝撃は、電池モジュール12を飛行物体、例えばドローンに搭載した場合に加わることがある。
【0044】
本実施形態においては、電池モジュール12に大きな衝撃が加わっても、第1リード端子114の電池セル10の内部部材(例えば、積層体100)への突き刺さりを抑えることができる。具体的には、本実施形態においては、複数の緩衝部材210が連結部材220によって互いに連結している。したがって、電池モジュール12に衝撃が加わると、第1リード端子114が複数の緩衝部材210の配列方向(図内のZ方向)に沿って折れ曲がりやすくなっている。したがって、第1リード端子114の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0045】
さらに、本実施形態においては、第1リード端子114が折れ曲がった場合、緩衝部材210が隙間230に入り込むことができる。したがって、緩衝部材210による第1タブ112の損傷、例えば、緩衝部材210の押圧による第1タブ112の損傷を抑えることができる。
【0046】
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る電池モジュール12の斜視図である。
図6は、
図5に示した電池モジュール12を
図5とは反対側から見た斜視図である。
図7は、
図5のC-C断面図である。
図8は、
図6のD-D断面図である。本実施形態に係る電池モジュール12は、以下の点を除いて、実施形態1に係る電池モジュール12と同様である。
【0047】
図5から
図8に示す例では、第1リード端子114が各電池セル10の長さ方向(Y方向)における両端のうちの一端側に設けられており、第2リード端子124が各電池セル10の長さ方向(Y方向)における両端のうちのもう一端側に設けられている。
【0048】
図7に示す例では、
図2に示した例と同様にして、緩衝部材210(緩衝部材212)が隣り合う第1リード端子114を互いに隔てており、連結部材220(連結部材222)が複数の緩衝部材210(複数の緩衝部材212)を互いに連結している。したがって、電池モジュール12に衝撃が加わっても、第1リード端子114の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0049】
図8に示す例では、
図3に示した例と同様にして、緩衝部材210(緩衝部材214)が隣り合う第2リード端子124を互いに隔てており、連結部材220(連結部材224)が複数の緩衝部材210(複数の緩衝部材214)を互いに連結している。したがって、電池モジュール12に衝撃が加わっても、第2リード端子124の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0050】
(実施形態3)
図9は、実施形態3に係る電池モジュール12の斜視図である。
図10は、
図9に示した電池モジュール12に用いられているスペーサ部材300の斜視図である。
図11は、
図9のP-P断面図である。
図12は、
図9のQ-Q断面図である。本実施形態に係る電池モジュール12は、以下の点を除いて、実施形態1に係る電池モジュール12と同様である。
【0051】
電池モジュール12は、スペーサ部材300を備えている。スペーサ部材300は、複数の電池セル10のうちの第1群G1の電池セル10と第2群G2の電池セル10を互いに隔てている。スペーサ部材300は、突出部320を有している。突出部320は、複数の電池セル10のいずれのリード端子(第1リード端子114及び第2リード端子124)よりも複数の電池セル10の外側に突出している。
【0052】
上述した構成によれば、第1リード端子114及び第2リード端子124の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。具体的には、上述した構成においては、突出部320は、複数の電池セル10のいずれのリード端子(第1リード端子114及び第2リード端子124)よりも複数の電池セル10の外側に突出している。したがって、電池モジュール12に大きな衝撃が加わっても、突出部320が、第1リード端子114及び第2リード端子124に代わって、衝撃による力の多くを受けることができる。したがって、第1リード端子114及び第2リード端子124の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0053】
図10に示す例において、スペーサ部材300は、基材310、突出部320、第1案内部322及び第2案内部324を有している。突出部320、第1案内部322及び第2案内部324は、スペーサ部材300から同じ側に向けて突出しており、突出部320は、第1案内部322と第2案内部324の間にある。突出部320と第1案内部322によって連結部材222の位置決めをすることができ、突出部320と第2案内部324によって連結部材224の位置決めをすることができる。
【0054】
図9から
図12に示す例では、電池モジュール12は、複数の緩衝部材210、連結部材222及び連結部材224を備えているが、他の例において、電池モジュール12は、複数の緩衝部材210、連結部材222及び連結部材224を備えていなくてもよい。この例においても、スペーサ部材300の突出部320によって、第1リード端子114及び第2リード端子124の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0055】
(実施形態4)
図13は、実施形態4に係る電池パック20の斜視図である。
図14は、
図13に示したケース400を透過させた図である。
【0056】
電池パック20は、電池モジュール12及びケース400を含んでいる。本実施形態に係る電池モジュール12は、実施形態1に係る電池モジュール12と同様である。電池モジュール12は、ケース400内に収容されている。ケース400は、電池モジュール12の第1リード端子114及び第2リード端子124を電池パック20の外部と電気的に接続させるための端子(不図示)を有していてもよい。
【0057】
図13に示す例において、ケース400は、第1ケース部材410及び第2ケース部材420を有している。第1ケース部材410及び第2ケース部材420は、互いに取り付け可能かつ互いから取り外し可能になっている。ケース400内に電池モジュール12を収容する場合は、一例において、第1ケース部材410から第2ケース部材420を取り外してもよい。
【0058】
本実施形態においても、第1リード端子114及び第2リード端子124の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。特に本実施形態においては、電池パック20が落下すると、電池モジュール12は、ケース400の内面と衝突して、ケース400の内面から衝撃を受ける可能性がある。電池モジュール12がこのような衝撃を受けても、本実施形態においては、第1リード端子114及び第2リード端子124の電池セル10の内部部材への突き刺さりを抑えることができる。
【0059】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 複数の第1リード端子をそれぞれ有し、各第1リード端子が一方向に並ぶように重ねられた複数の電池セルと、
前記一方向に並んでおり、隣り合う第1リード端子をそれぞれ隔てる複数の緩衝部材と、
前記一方向に沿って前記複数の緩衝部材に亘って延びており、前記複数の緩衝部材を互いに連結する連結部材と、
を備える電池モジュール。
2. 1.に記載の電池モジュールにおいて、
前記複数の電池セルは、第1電池セルと、前記第1電池セルに隣接する第2電池セルと、を含み、
前記複数の緩衝部材は、前記第1電池セルの前記第1リード端子と前記第2電池セルの前記第1リード端子を隔てる第1緩衝部材を含み、
前記第1緩衝部材は、前記一方向における一方の側を向いた第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、前記第1面と前記第2面の間にあって前記複数の電池セルの外側を向いた第3面と、を有し、
前記第1電池セルの前記第1リード端子は、前記第1緩衝部材の前記第1面及び前記第3面に沿って延伸する部分を含み、
前記第2電池セルの前記第1リード端子は、前記第1緩衝部材の前記第2面及び前記第3面に沿って延伸する部分を含む電池モジュール。
3. 1.又は2.に記載の電池モジュールにおいて、
前記複数の電池セルは、第1電極、第2電極及びセパレータをそれぞれ含む複数の積層体と、前記複数の積層体をそれぞれ収容する複数の外装体と、をそれぞれ有し、
前記複数の電池セルは、前記一方向に並ぶ前記複数の積層体を有する第1領域と、前記一方向に並ぶ前記複数の緩衝部材を有する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域の間の第3領域と、を有し、
前記第3領域では、隣り合う外装体の間に隙間が画定されている電池モジュール。
4. 1.から3までのいずれか一つに記載の電池モジュールにおいて、
前記複数の電池セルのうちの第1群の電池セルと第2群の電池セルを互いに隔てるスペーサ部材をさらに備え、
前記スペーサ部材は、前記複数の電池セルのいずれの第1リード端子よりも前記複数の電池セルの外側に突出した部分を有する電池モジュール。
5. 第1リード端子をそれぞれ有し、各第1リード端子が一方向に並ぶように重ねられた複数の電池セルと、
前記複数の電池セルのうちの第1群の電池セルと第2群の電池セルを互いに隔てるスペーサ部材と、
を備え、
前記スペーサ部材は、前記複数の電池セルのいずれの第1リード端子よりも前記複数の電池セルの外側に突出した部分を有する電池モジュール。
【0060】
この出願は、2018年1月30日に出願された日本出願特願2018-013630号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。