(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-20
(45)【発行日】2023-12-28
(54)【発明の名称】エアロゾル送達装置用の昇圧コンバータ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20231221BHJP
【FI】
A24F40/50
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022097808
(22)【出願日】2022-06-17
(62)【分割の表示】P 2019506684の分割
【原出願日】2017-08-08
【審査請求日】2022-07-15
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラジェッシュ・サー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ビー・シアーズ
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0164455(US,A1)
【文献】中国実用新案第203070141(CN,U)
【文献】特開平6-311736(JP,A)
【文献】特開2003-219637(JP,A)
【文献】特開2009-254009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置であって、
電圧出力を生成するように構成された電源と、
電源および電気負荷の間
で係合された昇圧コンバータとを備え、昇圧コンバータが、
入力電圧として電源から電圧出力を受け取り、かつ、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させるために
エアロゾル送達装置に給電
する、より高い電圧に
入力電圧を昇圧するように構成され、
昇圧コンバータが、電気負荷の状態に基づいて
、パルス幅変調(PWM)動作と
、パルス周波数変調(PFM)動作との間
で自動的に切替え可能である切替えモードで動作可能であ
り、
電気負荷が第1の電流閾値以上であるときに、PWM動作から、より高い電圧がPFM電圧であるPFM動作に切り替わり、電気負荷が第2の電流閾値以上であるときに、PFM動作から、より高い電圧がPWM電圧であるPWM動作に切り替わるように、昇圧コンバータが構成されており、第2の電流閾値は、第1の電流閾値よりも大きい、エアロゾル送達装置。
【請求項2】
電源がリチウムイオン電池(LiB)であるかリチウムイオン電池(LiB)を含み、昇圧コンバータが、エアロゾル送達装置
に給電
する、より高い電圧にLiBの電圧出力を昇圧するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
昇圧コンバータが、5ボルトの、より高い電圧に電源の電圧出力を昇圧するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
昇圧コンバータが、電気負荷のすべての状態に対して、より高い電圧がPWM電圧であるパルス幅変調(PWM)モードで動作可能である、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
エアロゾル送達装置のための制御本体であって、制御本体が、
ハウジングと
、
ハウジング内にあり、電圧出力を生成するように構成された電源と、
電源と、電気負荷との間
で係合された昇圧コンバータであって、
入力電圧として電源から電圧出力を受け取り、かつ、エアロゾル前駆体組成物からエアロゾルを発生させるために
エアロゾル送達装置に給電
する、より高い電圧に
入力電圧を昇圧するように構成される昇圧コンバータと、を含み、
昇圧コンバータが、電気負荷の状態に基づいて
、パルス幅変調(PWM)動作と
、パルス周波数変調(PFM)動作との間
で自動的に切替え可能である切替えモードで動作可能であ
り、
電気負荷が第1の電流閾値以上であるときに、PWM動作から、より高い電圧がPFM電圧であるPFM動作に切り替わり、電気負荷が第2の電流閾値以上であるときに、PFM動作から、より高い電圧がPWM電圧であるPWM動作に切り替わるように、昇圧コンバータが構成されており、第2の電流閾値は、第1の電流閾値よりも大きい、制御本体。
【請求項6】
電源がリチウムイオン電池(LiB)であるかリチウムイオン電池(LiB)を含み、昇圧コンバータが、エアロゾル送達装置
に給電
するより高い電圧にLiBの電圧出力を昇圧するように構成される、請求項5に記載の制御本体。
【請求項7】
昇圧コンバータが、5ボルトのより高い電圧に電源の電圧出力を昇圧するように構成される、請求項5に記載の制御本体。
【請求項8】
昇圧コンバータが、電気負荷のすべての状態に対して、より高い電圧がPWM電圧であるパルス幅変調(PWM)モードで動作可能である、請求項5に記載の制御本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙品などのエアロゾル送達装置に関し、さらに具体的には、エアロゾルの生成のために電気的に生成された熱を利用してもよいエアロゾル送達装置(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる喫煙品)に関する。喫煙品は、タバコから製造され得るか、タバコに由来し得るか、そうでなければタバコを組み込み得る材料を組み込んでもよいエアロゾル前駆体を加熱するように構成されてもよく、前駆体は人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの装置が長年にわたって提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコをかなりの程度燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの代替喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、いずれも参照により本明細書に組み込まれるCollettらの米国特許第8,881,737号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0096782号明細書、Davisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書および2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願番号第15/222,615号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCountsらの米国特許第5,388,594号明細書およびRobinsonらの米国特許第8,079,371号明細書の背景技術の項に記載されている製品および加熱構成の様々な実施形態も参照されたい。
【0003】
しかし、装置の有用性を拡張し得るような改善された電子機器をエアロゾル送達装置に提供することが望ましい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8,881,737号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0000638号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096782号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0059780号明細書
【文献】米国特許出願番号第15/222,615号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第8,079,371号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、エアロゾル送達装置、そのような装置を形成する方法およびそのような装置の要素に関する。本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0006】
例示的な実施形態1:エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバを画定するハウジングと、ハウジング内に収容された、電圧出力を生成するように構成された電源と、作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能な加熱要素と、電源と加熱要素を含む電気負荷との間の昇圧コンバータとを含むエアロゾル送達装置であって、昇圧コンバータが、加熱要素が給電されて作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるより高い電圧に電源の電圧出力を昇圧するように構成されるエアロゾル送達装置。
【0007】
例示的な実施形態2:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、電源がリチウムイオン電池(LiB)であるかリチウムイオン電池(LiB)を含み、昇圧コンバータが、加熱要素が給電されるより高い電圧にLiBの電圧出力を昇圧するように構成されるエアロゾル送達装置。
【0008】
例示的な実施形態3:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、昇圧コンバータが、5ボルトのより高い電圧に電源の電圧出力を昇圧するように構成されるエアロゾル送達装置。
【0009】
例示的な実施形態4:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、昇圧コンバータが、より高い電圧がPWM電圧であるパルス幅変調(PWM)モードで動作可能であるエアロゾル送達装置。
【0010】
例示的な実施形態5:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せのエアロゾル送達装置であって、昇圧コンバータが、電気負荷の状態に基づいて、より高い電圧がPWM電圧であるパルス幅変調(PWM)動作と、より高い電圧がPFM電圧であるパルス周波数変調(PFM)動作との間で昇圧コンバータが自動的に切替え可能である切替えモードで動作可能であるエアロゾル送達装置。
【0011】
例示的な実施形態6:加熱要素を備えエアロゾル前駆体組成物を収容するカートリッジと連結しているか連結可能な制御本体であって、制御本体が、加熱要素が作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように制御可能であるエアロゾル送達装置を形成するためにカートリッジと連結しているか連結可能であり、制御本体が、ハウジングと、ハウジング内に収容された、電圧出力を生成するように構成された電源と、電源と制御本体がカートリッジと連結した際に加熱要素を含む電気負荷との間の昇圧コンバータとを含み、昇圧コンバータが、加熱要素が給電されて作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるより高い電圧に電源の電圧出力を昇圧するように構成される制御本体。
【0012】
例示的な実施形態7:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せの制御本体であって、電源がリチウムイオン電池(LiB)であるかリチウムイオン電池(LiB)を含み、昇圧コンバータが、加熱要素が給電されるより高い電圧にLiBの電圧出力を昇圧するように構成される制御本体。
【0013】
例示的な実施形態8:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せの制御本体であって、昇圧コンバータが、5ボルトのより高い電圧に電源の電圧出力を昇圧するように構成される制御本体。
【0014】
例示的な実施形態9:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せの制御本体であって、昇圧コンバータが、より高い電圧がPWM電圧であるパルス幅変調(PWM)モードで動作可能である制御本体。
【0015】
例示的な実施形態10:先行もしくは後続のいずれかの例示的な実施形態またはそれらのいずれかの組合せの制御本体であって、昇圧コンバータが、電気負荷の状態に基づいて、より高い電圧がPWM電圧であるパルス幅変調(PWM)動作と、より高い電圧がPFM電圧であるパルス周波数変調(PFM)動作との間で昇圧コンバータが自動的に切替え可能である切替えモードで動作可能である制御本体。
【0016】
本開示のこれらならびに他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が本明細書に記載の特定の例示的な実施形態において明示的に組み合わされているか、そうでなければ列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載された2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の文脈が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および例示的な実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が組合せ可能に見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0017】
したがって、この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実施形態を要約する目的のためにのみ提供されることが理解されるであろう。したがって、上記の例示的な実施形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または精神を狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。他の例示的な実施形態、態様および利点は、いくつかの説明された例示的な実施形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0018】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、制御本体に連結されたカートリッジを含むエアロゾル送達装置の側面図を示す。
【
図2】様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の部分断面図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による回路図を示す。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、形状的関係などを参照することがあるが、別段の記載がない限り、これらのすべてではないにしてもいずれか1つ以上のものは、技術的な許容範囲などによるものなど、起こり得る許容可能な変化を考慮するように絶対的または近似的であり得る。
【0021】
以下に記載されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達システムに関する。本開示によるエアロゾル送達システムは、(好ましくは、材料をかなりの程度燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用する。そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置と見なすのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味では、好ましいエアロゾル送達システムの構成要素を使用しても煙が生成されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気が生成される。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達システムの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。
【0022】
特定の好ましいエアロゾル送達システムのエアロゾル生成部品は、そのいかなる成分も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用作法、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のエアロゾル生成部品のユーザは、喫煙者が従来の種類の喫煙品を使用するのと同じように、その部品を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0023】
本開示のエアロゾル送達システムはまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成することができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の浮遊状態)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0024】
本開示のエアロゾル送達システムは、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に設けられる多くの構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されてもよいか、細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されてもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり得、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を含むことができる。一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され、分離可能な2つ以上のハウジングを含むことができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、再充電可能なバッテリおよび/またはスーパーキャパシタなどの蓄電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを含む制御本体を一端に有し、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を収容する外側本体またはシェルを他端に取り外し可能に連結可能に有することができる。
【0025】
本開示のエアロゾル送達システムは、最も好ましくは、電源(すなわち、電力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ))、ヒータまたは発熱部材(例えば、単独でまたは1つ以上の追加要素と組み合わせて、一般に「噴霧器」と呼ばれ得る電気抵抗加熱要素または他の構成要素)、エアロゾル前駆体組成物(例えば、「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と一般に呼ばれる成分など、一般に、十分な熱を加えるとエアロゾルを生じることができる液体)、およびエアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするマウスエンド領域または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸入によりそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)の何らかの組合せを含む。
【0026】
本開示のエアロゾル送達システム内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、様々なエアロゾル送達システム構成要素の選択および配置は、本開示の背景技術の項で参照される代表的な製品などの市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して理解することができる。
【0027】
様々な例では、エアロゾル送達装置は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバを含むことができる。リザーバは、特に、多孔質材料(例えば、繊維質材料)から形成することができ、したがって、多孔質基材(例えば、繊維質基材)と呼ばれてもよい。
【0028】
エアロゾル送達装置のリザーバとして有用な繊維質基材は、複数の繊維またはフィラメントから形成された織布または不織布材料であってよく、天然繊維および合成繊維の一方または両方から形成することができる。例えば、繊維質基材は、ガラス繊維材料を含んでもよい。特定の例では、酢酸セルロース材料を使用することができる。他の例示的な実施形態では、炭素材料を使用することができる。リザーバは、実質的に容器の形態であってよく、その中に含まれる繊維質材料を含んでもよい。
【0029】
図1は、本開示の様々な例示的な実施形態による、制御本体102およびカートリッジ104を含むエアロゾル送達装置100の側面図を示す。具体的には、
図1は、互いに連結された制御本体およびカートリッジを示す。制御本体およびカートリッジは、機能的な関係で取り外し可能に位置合わせされてもよい。様々な機構がカートリッジを制御本体に接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、磁気係合などをもたらしてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、カートリッジおよび制御本体が組み立てられた構成にある場合、エアロゾル送達装置は、実質的に棒状、実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。エアロゾル送達装置はまた、断面が実質的に長方形または菱形であってよく、これにより、扁平型電池を含む電源など、実質的に扁平または薄膜の電源との優れた適合性がもたらされ得る。カートリッジおよび制御本体は、多数の異なる材料のうちのいずれかから形成され得る別個のそれぞれのハウジングまたは外側本体を含んでもよい。ハウジングは、任意の好適な構造的に安定した材料から形成されてもよい。いくつかの例では、ハウジングは、ステンレス鋼、アルミニウムなどのような金属または合金から形成されてもよい。他の好適な材料には、様々なプラスチック(例えば、ポリカーボネート)、プラスチック上の金属めっき、セラミックなどが挙げられる。
【0030】
いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置100の制御本体102またはカートリッジ104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体は、交換可能なバッテリまたは再充電可能なバッテリを有してもよく、したがって、典型的な壁コンセントへの接続、車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタなどを介したコンピュータへの接続、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)、もしくは太陽電池のソーラーパネルへの接続、またはRF-DC変換器への接続を含む任意の種類の再充電機器と組み合わされてもよい。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、カートリッジは、参照により本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されているような使い捨てカートリッジを含んでもよい。
【0031】
図2は、いくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100をさらに詳細に示す。そこに示されている断面図に見られるように、この場合もやはり、エアロゾル送達装置は、各々が多数のそれぞれの構成要素を含む制御本体102およびカートリッジ104を含むことができる。
図2に示される構成要素は、制御本体およびカートリッジ内に存在してもよい構成要素の代表であり、本開示に包含される構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。示されるように、例えば、制御本体は、制御構成要素208(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)、流量センサ210、電源212および1つ以上の発光ダイオード(LED)214を含むことができる制御本体シェル206から形成することができ、そのような構成要素は、可変に位置合わせすることができる。電源は、例えば、バッテリ(使い捨てまたは充電式)、リチウムイオン電池(LiB)、固体電池(SSB)、薄膜SSB、スーパーキャパシタなど、またはそれらの何らかの組合せを含んでもよい。好適な電源のいくつかの例は、参照により本明細書に組み込まれる2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願番号第14/918,926号明細書に提供されている。LEDは、エアロゾル送達装置に備えられ得る好適な視覚インジケータの一例であり得る。LEDなどの視覚インジケータに加えて、またはその代わりとして、音声インジケータ(例えば、スピーカ)、触覚インジケータ(例えば、振動モータ)などの他のインジケータを含めることができる。
【0032】
カートリッジ104は、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成されたリザーバ218を囲み、ヒータ222(時に加熱要素と呼ばれる)を含むカートリッジシェル216から形成することができる。様々な構成では、この構造はタンクと呼ばれてもよい。したがって、「カートリッジ」、「タンク」などの用語は、エアロゾル前駆体組成物のリザーバを囲み、ヒータを含むシェルまたは他のハウジングを指すために区別なく使用され得る。
【0033】
示されるように、いくつかの例では、リザーバ218は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ222に吸い上げるか、そうでなければ輸送するように適合された液体輸送要素220と流体連通してもよい。いくつかの例では、リザーバとヒータとの間に弁が配置され得、リザーバからヒータに送られるか送達されるエアロゾル前駆体組成物の量を制御するように弁が構成されてもよい。
【0034】
電流が印加されると熱を発生するように構成された様々な例の材料を使用して、ヒータ222を形成してもよい。これらの例のヒータは、ワイヤコイル、マイクロヒータなどのような抵抗加熱要素であってよい。加熱要素を形成してもよい材料の例には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ステンレス鋼、二珪化モリブデン(MoSi
2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムをドープした二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)
2)、黒鉛および黒鉛系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)ならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。本開示によるエアロゾル送達装置に有用なヒータまたは加熱部材の例示的な実施形態がさらに以下に記載され、本明細書に記載の
図2に示すような装置に組み込むことができる。
【0035】
形成されたエアロゾルをカートリッジ104から放出することを可能にするために、開口部224がカートリッジシェル216内に(例えば、マウスエンドに)存在してもよい。
【0036】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ部品、センサなどを含んでもよい1つ以上の電子部品226を含んでもよい。電子部品は、有線または無線手段によって、制御構成要素208および/または外部装置と通信するように構成されてもよい。電子部品は、カートリッジまたはその基部228内のどこに配置されてもよい。
【0037】
制御構成要素208および流量センサ210は別個に図示されているが、空気流量センサが直接取り付けられた電子回路基板として、制御構成要素および流量センサが組み合わされてもよいことが理解される。さらに、電子回路基板は、電子回路基板が制御本体の中心軸に対して長さ方向に平行であり得るという点で、
図1の図に対して水平に配置されてもよい。いくつかの例では、空気流量センサは、それが取り付けられ得るそれ自体の回路基板または他の基部要素を含んでもよい。いくつかの例では、フレキシブル回路基板が利用されてもよい。フレキシブル回路基板は、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。いくつかの例では、フレキシブル回路基板は、以下でさらに説明されるように、ヒータ基板と組み合わされるか、ヒータ基板上に積層されるか、ヒータ基板の一部または全部を形成してもよい。
【0038】
制御本体102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように構成された構成要素を含んでもよい。
図2に示すように、制御本体は、内部にキャビティ232を有するカプラ230を含むことができる。カートリッジの基部228は、カプラと係合するように構成することができ、キャビティ内に嵌合するように構成された突起234を含むことができる。このような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を容易にするとともに、制御本体内の電源212および制御構成要素208とカートリッジ内のヒータ222との間の電気的接続を確立することができる。さらに、制御本体シェル206は、吸気口236を含むことができ、吸気口236はシェル内のノッチであってよく、ここでノッチはカプラに接続し、これにより、カプラ周辺の周囲空気が通過してシェル内に入り、次いでカプラのキャビティ232を通過し、突起234を介してカートリッジ内に入ることが可能になる。
【0039】
本開示による有用なカプラおよび基部は、参照により本明細書に組み込まれるNovakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書に記載されている。例えば、
図2に見られるように、カプラ230は、基部228の内周240と嵌合するように構成された外周238を画定してもよい。一実施形態では、基部の内周は、カプラの外周の半径と実質的に等しいか、それよりもわずかに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラは、基部の内周に画定された1つ以上の凹部244と係合するように構成された1つ以上の凸部242を外周に画定してもよい。しかし、様々な他の例の構造、形状および構成要素を使用して、基部をカプラに連結してもよい。いくつかの例では、カートリッジ104の基部と制御本体102のカプラとの間の接続が実質的に恒久的であってよいのに対して、他の例では、例えば、制御本体が、使い捨ておよび/または再充填可能であってよい1つ以上の追加のカートリッジとともに再利用され得るように、それらの間の接続は解放可能であってよい。
【0040】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、実質的に棒状または実質的に管状または実質的に円筒形状であってよい。他の例では、追加の形状および寸法、例えば、長方形または三角形の断面、多面体形状などが包含される。
【0041】
図2に示すリザーバ218は、容器であってもよいし、本明細書に記載されるように繊維質リザーバであってもよい。例えば、この例では、リザーバは、カートリッジシェル216の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成された不織繊維の1つ以上の層を含むことができる。リザーバ内にエアロゾル前駆体組成物を保持することができる。例えば、リザーバによって液体成分を収着して保持することができる。リザーバは、液体輸送要素220と流体接続することができる。この例では、液体輸送要素は、毛細管作用によって、金属ワイヤコイルの形態であるヒータ222に、リザーバ内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。このように、ヒータは液体輸送要素を伴った加熱構成にある。本開示によるエアロゾル送達装置に有用なリザーバおよび輸送要素の例示的な実施形態がさらに以下に記載され、本明細書に記載の
図2に示すような装置に、このようなリザーバおよび/または輸送要素を組み込むことができる。特に、以下にさらに説明する加熱部材と輸送要素との特定の組合せが、本明細書に記載の
図2に示すような装置に組み込まれてもよい。
【0042】
使用時に、ユーザがエアロゾル送達装置100を吸引すると、流量センサ210によって空気流が検出され、ヒータ222が作動してエアロゾル前駆体組成物の成分が気化される。エアロゾル送達装置のマウスエンドを吸引すると、周囲空気が吸気口236に入り、カプラ230内のキャビティ232と、基部228の突起234内の中央開口部とを通過する。カートリッジ104では、吸引された空気が形成された蒸気と混合して、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、ヒータから吹き飛ばされるか、吸入されるか、そうでなければ吸引され、エアロゾル送達装置のマウスエンド内の開口部224から出る。
【0043】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、複数の追加のソフトウェア制御機能を含んでもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、電源入力、電源端子への負荷、および充電入力を検出するように構成された電源保護回路を含んでもよい。電源保護回路は、短絡保護、低電圧ロックアウトおよび/または過電圧充電保護を含んでもよい。エアロゾル送達装置はまた、周囲温度測定のための構成要素を含んでもよく、その制御構成要素208は、充電開始前または充電中に、周囲温度が特定の温度(例えば、0℃)を下回るか、特定の温度(例えば、45℃)を超えた場合に、少なくとも1つの機能要素を制御して、(特にあらゆるバッテリの)電源充電を禁止するように構成されてもよい。
【0044】
電源212からの電力供給は、電力制御機構に従って、装置100を用いた各吸煙の経過にわたって変化してもよい。装置は、ユーザまたは構成要素の故障(例えば、流量センサ210)によって装置が連続的に吸煙を試みる場合に、制御構成要素208が、少なくとも1つの機能要素を制御して、ある期間(例えば、4秒)後に自動的に吸煙を終了させてもよいように、「長期吸煙」安全タイマを含んでもよい。さらに、装置を用いた吸煙の間の時間は、一定時間(例えば、100秒)未満に制限されてもよい。ウォッチドッグ安全タイマは、エアロゾル送達装置上で実行されるその制御構成要素またはソフトウェアが不安定になり、適切な時間間隔(例えば、8秒)内にタイマを動作させない場合、エアロゾル送達装置を自動的にリセットしてもよい。流量センサ210の欠陥、そうでなければ故障の場合には、不慮の加熱を防止するためにエアロゾル送達装置を恒久的に使用不能にするなどにより、追加の安全保護が提供されてもよい。圧力センサが故障して、4秒の最大吸煙時間後に装置を停止させることなく連続的に作動させた場合には、吸煙リミットスイッチが装置を停止させてもよい。
【0045】
エアロゾル送達装置100は、(カートリッジ内のe-リキッド充填に照らして計算された利用可能な吸煙の数に基づいて)取り付けられたカートリッジについて所定の数の吸煙が達成されると、ヒータをロックアウトするように構成された吸煙追跡アルゴリズムを含んでもよい。エアロゾル送達装置は、スリープ、スタンバイまたは低電力モード機能を含んでもよく、それによって、所定の不使用期間の後に電力供給が自動的に遮断されてもよい。電源212のあらゆる充電/放電サイクルがその寿命にわたって制御構成要素208によって監視され得るという点で、追加の安全保護が提供されてもよい。電源が所定数(例えば、200回)の完全放電および完全再充電サイクルに相当するサイクルに達した後、電源は消耗していると判断され得、制御構成要素が少なくとも1つの機能要素を制御して、電源がさらに充電されるのを防いでもよい。
【0046】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当該技術分野に記載され市販されている構成要素から選択することができる。本開示に従って使用することができるバッテリの例は、参照により本明細書に組み込まれるPeckerarらの米国特許出願公開第2010/0028766号明細書に記載されている。
【0047】
エアロゾル送達装置100は、エアロゾル生成が所望される場合(例えば、使用中に吸引された場合)、ヒータ222への電力の供給を制御するためのセンサ210または別のセンサもしくは検出器を組み込むことができる。このように、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸引されていない場合にヒータへの給電をオフにし、吸引中にヒータによる熱の発生を作動させるか引き起こすために給電をオンにする様式または方法が提供される。追加の代表的な種類の感知または検出機構、それらの構造および構成、それらの構成要素ならびにそれらの一般的な操作方法は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるSprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書およびFlickのPCT国際公開第2010/003480号パンフレットに記載されている。
【0048】
エアロゾル送達装置100は、吸引中にヒータ222への電力量を制御するための制御構成要素208または別の制御機構を組み込むことが最も好ましい。代表的な種類の電子部品、それらの構造および構成、それらの特徴ならびにそれらの一般的な操作方法は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書、Panの米国特許第8,205,622号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2009/0230117号明細書、Colletらの米国特許出願公開第2014/0060554号明細書、Ampoliniらの米国特許出願公開第2014/0270727号明細書およびHenryらの米国特許出願公開第2015/0257445号明細書に記載されている。
【0049】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、リザーバまたは他の構成要素は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるNewtonの米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらの米国特許出願公開第2014/0261487号明細書、Davisらの米国特許出願公開第2015/0059780号明細書およびBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載されている。さらに、様々なウィッキング材料ならびに特定の種類の電子タバコ内のそれらのウィッキング材料の構成および操作は、参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2014/0209105号明細書に記載されている。
【0050】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの調合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または風味料を含む様々な成分を含んでもよい。代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤もまた、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書ならびにZhengらの米国特許公開第2013/0008457号明細書、Chongらの米国特許公開第2013/0213417号明細書、Collettらの米国特許公開第2014/0060554号明細書、Lipowiczらの米国特許公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号パンフレットおよび2016年7月28日に出願されたWatsonらの米国特許出願番号第15/222,615号明細書に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されてもよい他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyのVUSE(R)製品、Imperial Tobacco Group PLCのBLU(TM)製品、Mistic EcigsのMISTIC MENTHOL製品およびCN Creative Ltd.のVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が挙げられる。Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース」も望ましい。
【0051】
視覚インジケータおよび関連部品、音声インジケータ、触覚インジケータなど、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的な種類がエアロゾル送達装置100に使用されてもよい。好適なLED部品の例ならびにそれらの構成および使用は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書、Newtonの米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayの米国特許第8,539,959号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2015/0216233号明細書に記載されている。
【0052】
本開示のエアロゾル送達装置に組み込むことができるさらに他の特徴、制御部または構成要素は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるHarrisらの米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Honの米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書、Kataseの米国特許出願公開第2005/0016550号明細書、Fernandoらの米国特許出願公開第2010/0163063号明細書、Tuckerらの米国特許出願公開第2013/0192623号明細書、Levenらの米国特許出願公開第2013/0298905号明細書、Kimらの米国特許出願公開第2013/0180553号明細書、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0000638号明細書、Novakらの米国特許出願公開第2014/0261495号明細書およびDePianoらの米国特許出願公開第2014/0261408号明細書に記載されている。
【0053】
制御構成要素208は、多数の電子部品を含み、いくつかの例では、電子部品を支持し電気的に接続するプリント回路基板(PCB)から形成されてもよい。電子部品は、マイクロプロセッサまたはプロセッサコアおよびメモリを含んでもよい。いくつかの例では、制御構成要素は、統合されたプロセッサコアおよびメモリを有するマイクロコントローラを含んでもよく、1つ以上の統合された入力/出力周辺機器をさらに含んでもよい。いくつかの例では、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、コンピューティング装置または他の適切にイネーブルされた装置との無線通信を可能にするために通信インターフェイスに連結されてもよい。好適な通信インターフェイスの例は、2015年3月4日に出願されたMarionらの米国特許出願番号第14/638,562号明細書に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。また、エアロゾル送達装置が無線通信するように構成されてもよい好適な方法の例は、Ampoliniらの米国特許出願公開第2016/0007651号明細書およびHenry,Jr.らの米国特許出願公開第2016/0219933号明細書に開示されており、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
また、
図2に示されるように、いくつかの例示的な実施形態によれば、制御本体は、電源212とヒータ222を含む電気負荷との間に昇圧コンバータ246をさらに含む。これらの例示的な実施形態では、昇圧コンバータは、ヒータが給電されて作動し、エアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるより高い電圧に電源の電圧出力を昇圧するように構成される。好適な種類の昇圧コンバータの一例はDC/DCコンバータである。また、好適なDC/DCコンバータの一例は、Rohm Semiconductor製のモデルBD1865GWL同期式昇圧DC/DCコンバータである。
【0055】
昇圧コンバータ246は、多数の異なる種類のいずれかの電源212に有用であり得るが、LiBに特に有用であり得る。いくつかの例では、昇圧コンバータは、5V(5ボルト)のより高い電圧に電源の電圧出力を昇圧するように構成され、標準の4.1V LiBの場合、昇圧コンバータは、安定した5Vの出力を供給し得、2.5Vという低いバッテリ電圧レベルにも降圧させ得る。これにより、電力ワット数を同じに保ちながら、LiBの寿命を大幅に延ばし得る。昇圧コンバータはまた、最大2A(2アンペア)の定電流を供給し得、これにより、エアロゾル送達装置100のいくつかの構成に適した優れた効率で10ワット(W)というさらに高い電力ワット数を提供し得る。
【0056】
いくつかの例示的な実施形態では、昇圧コンバータ246は、より高い電圧がPWM電圧であるパルス幅変調(PWM)モードで動作可能である。
図3は、PWMモードで動作するように配線されたBD1865GWLデバイス(昇圧コンバータ)の回路
図300を示す。回路図では、V1は電源212を表し、R4はヒータ222を表す。
【0057】
他の例示的な実施形態では、昇圧コンバータ246は、電気負荷の状態に基づいて、PWM動作と、パルス周波数変調(PFM)動作との間で昇圧コンバータが自動的に切替え可能である切替えモードで動作可能である。前述と同様に、PWM動作では、より高い電圧はPWM電圧である。PFM動作では、より高い電圧はPFM電圧である。
図4は、PWMモードで動作するように配線されたBD1865GWLデバイス(昇圧コンバータ)の回路
図400を示す。また前述と同様に、回路図では、V1は電源212を表し、R4はヒータ222を表す。
【0058】
切替えモードでは、昇圧コンバータ246の動作は、負荷状態に応じて自動的に切り替わり得る。非常に軽い(電流)負荷では、昇圧コンバータは、PFM動作に切り替わり(またはPFM動作を維持し)、低いスイッチング周波数および供給電流で動作して、高い効率を維持してもよい。負荷が増加すると、出力電圧が低PFM閾値を下回り、昇圧コンバータがPWM動作に切り替わり得る(またはPWM動作を維持し得る)。例えば、
図4の回路図を参照すると、Vin=2.9Vの場合、BD1865GWLデバイスは35mAでPWMからPFM動作に切り替わり、100mAでPFMからPWM動作に切り替わってもよい。別の例では、Vin=3.6Vの場合、BD1865GWLデバイスは50mAでPWMからPFM動作に切り替わり、100mAでPFMからPWM動作に切り替わってもよい。また、さらに別の例では、Vin=4.1V以上の場合、BD1865GWLデバイスは65mAでPWMからPFM動作に切り替わり、115mAでPFMからPWM動作に切り替わってもよい。
【0059】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、音声を再生するように構成されたデジタルオーディオプレーヤー、ラジオチューナーなどをさらに備えてもよく、音声は、1つ以上のスピーカ、または1つ以上のスピーカ、ヘッドフォンなどへの適切な有線もしくは無線接続を介して出力されてもよい。これらの例では、昇圧コンバータ246は、PWMモードまたは動作において、軽い負荷では、ノイズを切り替えることによって可聴音を除去しないとしても低減するように最適化され得る。これは、上記のように、1つ以上の音声インジケータを介して再生される音声刺激などの他の音声の場合も同様であり得る。
【0060】
物品の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に記載される様々な例示的な実施形態に適用され得る。しかし、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。
図1から
図4に示されたか、そうでなければ上記に記載された物品に示された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれ得る。
【0061】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本明細書に記載された開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。さらに、上記の説明および関連する図面は、要素および/または機能の特定の例の組合せに照らして例示的な実施形態を記載しているが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替的な実施形態によって要素および/または機能の異なる組合せが提供されてもよいことが理解されるべきである。これに関して、例えば、添付の特許請求の範囲のいくつかに記載され得るように、明示的に上述されたもの以外の要素および/または機能の異なる組合せも考えられる。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。